特許第6796919号(P6796919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796919
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】エア噴射機構およびパーツフィーダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20201130BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   B65G47/14 101Z
   B07C5/36
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-213374(P2015-213374)
(22)【出願日】2015年10月29日
(65)【公開番号】特開2017-81722(P2017-81722A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000204240
【氏名又は名称】株式会社TAIYO
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】迎 邦暁
(72)【発明者】
【氏名】入江 進
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−143670(JP,A)
【文献】 特開平09−304182(JP,A)
【文献】 特開平08−229517(JP,A)
【文献】 特開平03−272373(JP,A)
【文献】 実開昭63−078771(JP,U)
【文献】 特開2003−010790(JP,A)
【文献】 特開2003−200115(JP,A)
【文献】 特開2000−157937(JP,A)
【文献】 実開昭63−193173(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00−47/20
B07C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被噴射物に向けて順次圧縮空気を噴射するエア噴射機構であって、
圧縮空気源に接続され、開閉量を連続的に変更可能な圧電バルブと、
各被噴射物の状態をそれぞれ判定する状態判定手段と、
前記状態判定手段の判定結果に基づき、被噴射物ごとに前記圧電バルブの開閉量を電気的に比例制御するバルブ制御手段と、を備え、
前記バルブ制御手段は、それぞれ異なるパラメータを保持する複数の入力部を有し、前記状態判定手段の判定結果に応じて何れかの入力部にON信号が入力されるとともに、ON信号が入力された入力部のパラメータに基づく電圧が前記圧電バルブに印加されるよう構成されることを特徴とするエア噴射機構。
【請求項2】
搬送路に沿って搬送されるワークのうち不良ワークに所定の処理位置で圧縮空気を噴射するパーツフィーダに適用されるものであって、
不良ワークが前記処理位置に到達するタイミングを取得するタイミング取得手段を備えるとともに、前記状態判定手段が、被噴射物の状態として、ワークの姿勢または隣り合う他のワークとの接触の有無の少なくとも一方を判定し、
前記バルブ制御手段は、前記タイミング取得手段が取得したタイミングで、前記圧電バルブに電圧を印加するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載のエア噴射機構。
【請求項3】
前記圧電バルブが、圧縮空気源に接続される第1ポートと、前記搬送路に形成されるエア給排路に通ずる第2ポートとを少なくとも備え、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通状態にする連通位置と、前記第1ポートと前記第2ポートとを非連通状態にする非連通位置との間で切替可能な2ポート以上の圧電バルブであることを特徴とする請求項2に記載のエア噴射機構。
【請求項4】
請求項2または3に記載のエア噴射機構を用いて、搬送路に沿って搬送される不良ワークに前記処理位置で圧縮空気を噴射し、不良ワークを前記搬送路から排除あるいは前記搬送路上で反転させて姿勢変更するよう構成されることを特徴とするパーツフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被噴射物の状態に応じて個別に圧縮空気の流量や圧力を調整可能なエア噴射機構およびパーツフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、搬送路上で電子部品等のワーク(チップ)の姿勢判別を行い、不適切な姿勢のワークを搬送路上から排除または搬送路上で反転させて姿勢矯正しつつ、それ以外の適正姿勢のワークを所定の供給先に搬送可能なパーツフィーダが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
この種のパーツフィーダでは、例えば、図10に示すように、圧縮空気源11に接続されるレギュレータ12と、レギュレータ12の下流に配置される3ポート弁700と、3ポート弁700の下流に配置されるチェック付きニードル弁(スピードコントローラ、以下「スピコン」とも記載する)50とを備えるエア噴射機構15を適用して、不適切な姿勢のワークW(不良ワークW´)の排除または姿勢矯正を行うことが通例である。
【0004】
レギュレータ12は、圧縮空気源11から供給される圧縮空気の圧力を一定に調整(減圧)するものである。
【0005】
3ポート弁700は、レギュレータ12の出口に通ずる第1ポート107aと、チェック付きニードル弁50を介してパーツフィーダ2のエア給排路21に通ずる第2ポート107bと、大気域に通ずる第3ポート107cとを備える。3ポート弁700は、非通電時において、スプール170内の通路171を介して第2ポート107bと第3ポート107cとを連通させるとともに、第1ポート107aと第2ポート107bとを遮断し、レギュレータ12から供給される圧縮空気を第1ポート107a付近で閉止する。一方、3ポート弁700は、通電時においてスプール170が変位し、スプール170内の通路173を介して第1ポート7aと第2ポート107bとを連通させて、レギュレータ12から供給される圧縮空気をチェック付きニードル弁(以下単に「ニードル弁」とも記載する)50に供給する。
【0006】
チェック付きニードル弁50は、圧縮空気の流量を調整し、所定流量の圧縮空気をパーツフィーダ2のエア給排路21に供給する。また、チェック付きニードル弁50は、3ポート弁700への通電がOFFに切り替わり、圧縮空気の逆向きの流れが生じた場合に、チェック弁51側で自由流を生じさせ、3ポート弁700に向けて圧縮空気を流すことができる。
【0007】
このようなエア噴射機構15が適用されたパーツフィーダ2では、センサ65でワークWを検知するとともに、判定機能付きのセンサアンプ68から、不良ワークW´が所定の処理位置Pに到達するタイミングに合わせて信号を出力して3ポート弁700の電磁ソレノイド172に電圧を印加し、3ポート弁700を開閉(ON・OFF)させてエア給排路21から処理位置Pにある不良ワークW´に圧縮空気を噴射することで、不良ワークW´を搬送路20上から排除、あるいは搬送路20上で反転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015−30566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このようなパーツフィーダ2では、ワークWのサイズにより、処理の対象ワークWである不良ワークW´を反転または排除させるのに適した圧縮空気の流量(排出量)や圧力が異なることから、不良ワークW´および3ポート弁700の開放時間にマッチした流量や圧力で圧縮空気が噴射されるようニードル弁50を調整することが通例である。
【0010】
しかしながら、ワークWとして縦横の長さがそれぞれ異なるものを用いる場合、噴射時の圧縮空気の流量や圧力が同じであっても、不良ワークW´の姿勢によってエア給排路21との掛かり具合が変わり、不良ワークW´の飛び方(例えば飛距離)や90度反転の勢いに違いが生じる。そのため、図3(b)のように不良ワークW´がエア給排路21の開口のほぼ全体を塞ぐ(覆う)場合よりも、同図(a)のように不良ワークW´の上端部W1のみがエア給排路21に掛かり、エア給排路21の開口の下部しか塞がない(覆わない)場合のほうが、圧縮空気のロスが多くなり、不良ワークW´の適切な処理に必要な圧縮空気の流量や圧力が大きくなる。
【0011】
また、外形や表面摩擦などの条件がほぼ等しい同一ロットのワークWであっても、図4(a)のように搬送路(エア排出ブロック)20に沿って前後のワークW,Wが互いに密接した状態では、同図(b)のようにワークWの前後に隙間がある場合に比べて、ワーク本体の質量および走行面との摩擦以外に前後のワークW,W間の摩擦の影響を受け、不良ワークW´の適切な処理に必要な圧縮空気の流量や圧力が大きくなる。
【0012】
このように、姿勢や他のワークWとの接触の有無などのワークWの状態により処理に適した圧縮空気の流量や圧力が異なるが、図10に示す構成では、連続動作中に1ワーク毎にリアルタイムで圧縮空気の流量や圧力の設定変更ができず、これらを中程度に設定することが通例であるため、適切に処理できない不良ワークW´が生じ、ワークWの整列能力の低下の原因になる。
【0013】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、ワークなどの被噴射物毎の状態に応じて圧縮空気の流量や圧力をリアルタイムで調整でき、各被噴射物を適切に処理可能なエア噴射機構およびパーツフィーダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は以上のような問題点を鑑み、次のような手段を講じたものである。
【0015】
すなわち、本発明のエア噴射機構は、複数の被噴射物に向けて順次圧縮空気を噴射するエア噴射機構であって、圧縮空気源に接続され、開閉量を連続的に変更可能な圧電バルブと、各被噴射物の状態をそれぞれ判定する状態判定手段と、前記状態判定手段の判定結果に基づき、被噴射物ごとに前記圧電バルブの開閉量を電気的に比例制御するバルブ制御手段と、を備え、前記バルブ制御手段は、それぞれ異なるパラメータを保持する複数の入力部を有し、前記状態判定手段の判定結果に応じて何れかの入力部にON信号が入力されるとともに、ON信号が入力された入力部のパラメータに基づく電圧が前記圧電バルブに印加されるよう構成されることを特徴とする。
【0016】
このような構成であると、状態判定手段が判定した各被噴射物の状態に応じてバルブ制御手段により圧電バルブの開閉量を比例制御できるので、噴射される圧縮空気の流量や圧力を例えば各被噴射物の姿勢や他の被噴射物との密着状態に適したものにリアルタイムで設定変更して、各被噴射物を適切に処理することができる。
【0017】
また、圧縮空気の噴射の応答を早めることができる。
【0019】
特に、搬送路に沿って搬送されるワークのうち不良ワークに所定の処理位置で圧縮空気を噴射するパーツフィーダに適用されるものである場合に、最適な流量や圧力の圧縮空気を適切なタイミングで不良ワークに噴射することを可能にするためには、不良ワークが前記処理位置に到達するタイミングを取得するタイミング取得手段を備えるとともに、前記状態判定手段が、被噴射物の状態として、ワークの姿勢または隣り合う他のワークとの接触の有無の少なくとも一方を判定し、前記バルブ制御手段は、前記タイミング取得手段が取得したタイミングで、前記圧電バルブに電圧を印加するよう構成されることが好ましい。
【0020】
圧縮空気を噴射するためには、前記圧電バルブが、圧縮空気源に接続される第1ポートと、前記搬送路に形成されるエア給排路に通ずる第2ポートとを少なくとも備え、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通状態にする連通位置と、前記第1ポートと前記第2ポートとを非連通状態にする非連通位置との間で切替可能な2ポート以上の切替弁であることが必要である。特に、圧縮空気の圧力の立下がりを早めて圧縮空気の噴射の応答性を一層良好にするためには、前記圧電バルブが、大気域に通じる第3ポートをさらに備え、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通させる連通位置と、前記第2ポートと前記第3ポートとを連通させる非連通位置としての大気開放位置との間で切替可能な3ポートの切替弁であることが好適である。
【0021】
噴射する圧縮空気の流量や圧力を瞬時に設定変更でき、不良ワークの排除および反転による姿勢変更を適切に行えるパーツフィーダを実現するためには、上記エア噴射機構を用いて、搬送路に沿って搬送される不良ワークに前記処理位置で圧縮空気を噴射し、不良ワークを前記搬送路から排除あるいは前記搬送路上で反転させて姿勢変更するよう構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明した本発明によれば、各被噴射物の状態に応じてバルブ制御手段により圧電バルブの開閉量をリアルタイムで比例制御して、各被噴射物の状態に適した流量や圧力の圧縮空気を噴射することが可能なエア噴射機構およびパーツフィーダを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るエア噴射機構をパーツフィーダに適用した状態で示す模式図。
図2】圧縮空気の噴射時のエア噴射機構を部分的に示す模式図。
図3】処理位置でのワークの状態を説明するための断面図。
図4】複数のワークの搬送状態を説明するための側面図。
図5】同エア噴射機構によるエア噴射処理を示すフローチャート。
図6】本発明の変形例を示す図。
図7】本発明の他の変形例を示す図。
図8】本発明のさらに他の変形例でのエア噴射処理を示すフローチャート。
図9】本発明で処理可能な他の構成のワークを例示する図。
図10】従来の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、本発明の一実施形態であるエア噴射機構1は、パーツフィーダ2に適用される。パーツフィーダ2は、搬送路20に沿って複数の被噴射物としてのワークWを搬送するものであり、搬送されるワークWを撮像するカメラ65により得られる画像データに基づいてワークWの姿勢等を判別して良否を判別し、不良と判別された不良ワークW´をカメラ65よりも搬送方向下流側に設定された処理位置Pで搬送路20上から排除または搬送路20上で反転させて姿勢矯正するものである。搬送路20にはエア給排路21が側壁20aを貫通して形成されており、エア噴射機構1は、エア給排路21を介して処理位置Pに向けて圧縮空気を噴射する。本実施形態は、搬送されているワークWの状態、具体的にはワークWの姿勢や前後に隣り合う他のワークWとの接触の有無等に適した流量や圧力で各不良ワークW´に圧縮空気を噴射可能なものであり、ワークWとして、たとえば縦横の長さがそれぞれ異なるものなど、品種やロッド等のワークWの種類よりもワークWの状態のほうが圧縮空気の最適な流量や圧力に影響が大きいものを用いる。
【0026】
エア噴射機構1は、エア回路10と、画像処理装置6と、圧電バルブドライバ5とを備える。
【0027】
エア回路10は、圧縮空気源11(工場設備)に接続され、圧縮空気源11から供給された圧縮空気を一定値に減圧するレギュレータ12と、レギュレータ12の下流に配置され、レギュレータ12で減圧された圧縮空気の流量を調整する2ポート弁3とを備える。圧縮空気源11とレギュレータ12とは第1エア配管経路13aで接続され、レギュレータ12と2ポート弁3とは第2エア配管経路13bで接続され、2ポート弁3とエア給排路21とは第3エア配管経路13cで接続される。
【0028】
2ポート弁3は駆動源にピエゾ素子を用いた弁である圧電バルブであり、第2エア配管経路13bすなわちレギュレータ12の出口に通ずる第1ポート3aと、第3エア配管経路13cすなわちパーツフィーダ2のエア給排路21に通ずる第2ポート3bとを備える。2ポート弁3は、第1ポート3aおよび第2ポート3bをそれぞれ閉止させる図1に示す非連通位置としての閉塞位置Lと、作動部30の切替部33を介して第1ポート3aと第2ポート3bとを内部で連通させる図2に示す連通位置Rとの間で切替え可能に構成される。
【0029】
この切替えは、2ポート弁3に備わる電気的入力部32への通電(電圧印加)により、作動部30が変位することで行われ、電気的入力部32への非通電時には、図1に示す閉塞位置Lとなり、レギュレータ12から2ポート弁3に供給された圧縮空気が第1ポート3a付近で閉止される。一方、電気的入力部32への通電時には、作動部30が変位して図2に示す連通位置Rとなり、レギュレータ12から供給された圧縮空気を第1ポート3aから入力させて切替部33を介して第2ポート3bより出力させ、エア給排路21に給気する。これによりエア給排路21から処理位置Pに向けて圧縮空気が噴射される。そして、電気的入力部32への通電が停止されると、作動部30が元の位置に向けて変位して図1に示す閉塞位置Lに戻り、エア噴射回路10からの噴射が停止される。
【0030】
また、作動部30の変位量すなわち2ポート弁3の開閉量(開放量)は、電気的入力部32に印加される電圧に応じて連続的に変更可能であり、印加電圧に対して開閉量が一義的に決まるので、エア給排路21から供給する圧縮空気の流量および圧力を微調整できる。また、このような2ポート弁3は、例えば電磁比例弁に比べて電圧が印加されてからの応答性が素早い(高速応答)ものであり、パーツフィーダ2などエア噴射を高速かつ連続的に行うものに好適に適用できる。
【0031】
状態判定手段およびタイミング取得手段としての画像処理装置6は、ドライバ設定部64と、カメラ65を用いて得られた画像データを処理する画像処理部61と、画像判別部62およびワーク前後監視部65からなる状態判定手段66と、指令部63とを備える。
【0032】
ドライバ設定部64は、ワークWの状態すなわちワークWの姿勢およびワークWの前後状態(対象ワークWの前後に他のワークWが詰まっているか、空いているか)に適したドライバ設定の種々のパラメータを保持し、処理対象となる不良ワークW´の状態に適したパラメータを圧電バルブドライバ5に出力する。
【0033】
画像判別部62は、ワークWの厚みまたはワークWの特徴面等からワークWの姿勢を判別するとともに、良好なワークWか不良ワークW´か否か判別する。
【0034】
ワーク前後監視部65は、画像処理部61が処理した画像データに基づき、ワークWの前後状態として、対象ワークWの前後に他のワークWが密接して存在するか、すなわち前後で隣り合う他のワークWとの接触の有無を判定する。
【0035】
指令部63は、画像判別部62が不良と判別したワークWである不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングに合わせて、状態判定手段66の判定結果に基づき、排除反転指令としてのON信号を圧電バルブドライバ5の何れかの指令入力部54a,54b,54c,54dに出力する。
【0036】
不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングは、例えば前記画像データを用いて算出される不良ワークW´の搬送速度等から求められ、画像処理装置6は、不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングを求めるタイミング取得手段としても機能する。
【0037】
バルブ制御手段としての圧電バルブドライバ5は、ドライバ設定部64に接続される通信入出力部51と、設定部53と、設定入力部52と、複数の入力部としての第1指令入力部54a、第2指令入力部54b、第3指令入力部54cおよび第4指令入力部54dと、出力制御部55と、電圧出力回路56とを備える。
【0038】
圧電バルブドライバ5では、各指令入力部毎に比例制御に関する種々のパラメータ、例えば印加電圧が、ドライバ設定部64から通信入出力部51を介して入力され、印加電圧設定部53に記憶される。同様に、設定部53には、ワンショット・指令入力の同期、ワンショットパルス時間や立ち上がり・立ち下がりなどの出力電圧波形、各指令入力やバルブの機構に合わせたノーマルクローズ・ノーマルオープンの切替等も記憶される。なお、パラメータは手動で設定入力部52から入力されてもよい。
【0039】
第1指令入力部54a、第2指令入力部54b、第3指令入力部54cおよび第4指令入力部54dはそれぞれ異なるパラメータを保持する。圧電バルブドライバ5は、第1指令入力部54a、第2指令入力部54b、第3指令入力部54cあるいは第4指令入力部54dに指令部63からON信号が入力されると、ON信号が入力された指令入力部54a,54b,54c,54dのパラメータに対応する印加電圧等を設定部53から取り出して出力制御部55に入力し、その電圧を2ポート弁3の電気的入力部32に印加して開閉量を比例制御する。
【0040】
ここで、第1指令入力部54aには、図3(a)のようにエア給排路21の開口の下部しか塞がない(覆わない)姿勢Aであるとともに、図4(a)のように前後で他のワークWが密着する不良ワークW´を適切に処理するため、比較的大きな流量や圧力の圧縮空気を噴射させるためのパラメータが予め保持される。第2指令入力部54bには、図3(a)のようにエア給排路21の開口の下部しか塞がない姿勢Aであるとともに、図4(b)のように前後で他のワークWが密着しない不良ワークW´等を適切に処理するため、中程度の大きさの流量や圧力の圧縮空気を噴射させるためのパラメータが予め保持される。第3指令入力部54cには、図3(b)のようにエア給排路21の開口のほぼ全体を塞ぐ(覆う)姿勢Bであるとともに、図4(a)のように前後で他のワークWが密着する不良ワークW´等を適切に処理するため、比較的小さい(弱い)流量や圧力の圧縮空気を噴射させるためのパラメータが予め保持される。第4指令入力部54dには、図3(b)のようにエア給排路21の開口のほぼ全体を塞ぐ姿勢Bであるとともに、図4(b)のように前後で他のワークWが密着しない不良ワークW´を適切に処理するため、より小さい(微弱な)流量や圧力の圧縮空気を噴射させるためのパラメータが予め保持される。なお、指令入力部54a,54b,54c,54dの設置数は4つ(4チャンネル)に限定されず、2つ(2チャンネル)、3つ(3チャンネル)あるいは5つ(5チャンネル)以上でもよい。
【0041】
以下、本実施形態で実行されるエア噴射制御を図5を用いて具体的に説明する。
【0042】
エア噴射制御は、搬送路20に沿ったワークWの搬送により開始される。まず、カメラ65によりワークWを撮像し(ステップS1)、画像処理装置6は、カメラ65を用いて得た画像データを画像処理部61で処理し、当該画像データ中からワークWを探して検出した後(ステップS2,S3)、画像判定部62がワークWの姿勢を判別する(ステップS4)。対象となるワークWが不良ワークW´であると判断しない場合(ステップS5:No)、本フローを終了する。一方、不良ワークW´であると判断されると(ステップS5:Yes)、ステップS6に進み、画像判定部62がワークWの姿勢が図3に示す姿勢Aか否か判断する(ステップS6)。姿勢Aであると判断されると(ステップS6:Yes)、ステップS7に進み、ワーク前後監視部65が不良ワークW´の前後状態を判定して(ステップS7)、ステップS8に進む。一方、姿勢Aであると判断されない場合(ステップS6:No)、ステップS11に進み、ワーク前後監視部65が不良ワークW´の前後状態を判定して(ステップS11)、ステップS12に進む。
【0043】
ステップS8で姿勢Aの不良ワークW´の前後に他のワークWが接触すると判定された場合、ステップS9に進み、エア回路10を“強”で動作させて本フローを終了する。具体的には、画像処理装置6で不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングを求め、このタイミングに合わせて、圧縮空気の流量や圧力を最も大きくするパラメータを保持する第1指令入力部54aに指令部63からON信号を出力する。圧電バルブドライバ5は、ON信号が第1指令入力部54aを介して入力されると、第1指令入力部54aに保持されるパラメータに対応する印加電圧等を設定部53から取り出し、設定部53を介して設定されたワンショットパルス時間の間、印加電圧を2ポート弁3の電気的入力部32に与える。これにより、2ポート弁3は、印加電圧に応じて作動部30が連続的に変位し、比較的大きい流量および圧力で圧縮空気を噴射する。なお、2ポート弁3から噴射された圧縮空気は、エア給排路21を介して不良ワークWに到達し、不良ワークWを搬送路20上から適切に排除または搬送路20上で適切に反転させて姿勢変更させる。
【0044】
ステップS8で姿勢Aの不良ワークW´の前後に他のワークWが接触すると判定されない場合、ステップS10に進み、エア回路10を“中”で動作させて本フローチャートを終了する。“中”での具体的な動作としては、圧縮空気の流量や圧力が中程度のパラメータを保持する第2指令入力部54bに指令部63からON信号が出力されること以外は、上記ステップS9と同様であり、中程度の流量および圧力で圧縮空気が噴射される。
【0045】
ステップS12で姿勢Bの不良ワークW´の前後に他のワークWが接触すると判定された場合、ステップS13に進み、エア回路10を“弱”で動作させて本フローチャートを終了する。“弱”での具体的な動作としては、圧縮空気の流量や圧力が比較的小さいパラメータを保持する第2指令入力部54cに指令部63からON信号が出力されること以外は、上記ステップS9と同様であり、比較的小さい(弱い)流量および圧力で圧縮空気が噴射される。
【0046】
ステップS12で姿勢Bの不良ワークW´の前後に他のワークWが接触すると判定されない場合、ステップS14に進み、エア回路10を“微弱”で動作させて本フローチャートを終了する。“微弱”での具体的な動作としては、圧縮空気の流量や圧力が最も小さいパラメータを保持する第3指令入力部54dに指令部63からON信号が出力されること以外は、上記ステップS13と同様であり、ステップS13よりも小さい流量および圧力で圧縮空気が噴射される。
【0047】
このようなエア噴射制御は、不良ワークW´が検出されるたびに行われるので、1つの不良ワークW毎に個別に印加電圧等を調整して、噴射される圧縮空気の流量や圧力を瞬時に切り替えてコントロールすることで、例えばパーツフィーダ2の整列能力を好適な状態に維持することができる。
【0048】
以上のように本実施形態のエア噴射機構1は、複数の被噴射物としてのワークWに向けて順次圧縮空気を噴射するものであって、圧縮空気源11に接続され、開閉量を連続的に変更可能な圧電バルブ3と、各ワークWの状態をそれぞれ判定する状態判定手段6と、状態判定手段6の判定結果に基づき、ワークWごとに圧電バルブ3の開閉量を比例制御するバルブ制御手段としての圧電バルブドライバ5と、を備えるよう構成されたものである。
【0049】
このような構成であると、状態判定手段6が判定した各ワークWの状態に応じて圧電バルブドライバ5により圧電バルブ3の開閉量を比例制御できるので、噴射される圧縮空気の流量や圧力を例えば各ワークWの姿勢や他のワークWとの密着状態に適したものにリアルタイムで設定変更して、各ワークWを適切に処理することができる。
【0050】
とりわけ、圧電バルブドライバ5は、それぞれ異なるパラメータを保持する複数の入力部としての第1指令入力部54a,第2指令入力部54b、第3指令入力部54cおよび第4指令入力部54dを有し、状態判定手段6の判定結果に応じて何れかの指令入力部54a,54b,54c,54dにON信号が入力されるとともに、ON信号が入力された指令入力部54a,54b,54c,54dのパラメータに基づく電圧が圧電バルブ3に印加されるよう構成されることから、ON信号を入力するので噴射の応答を早くでき、例えば高速で連続搬送されるワークWに適切に圧縮空気を噴射できる。
【0051】
また、搬送路20に沿って搬送されるワークWのうち不良ワークW´に所定の処理位置Pで圧縮空気を噴射するパーツフィーダ2に適用されるものであって、不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングを取得するタイミング取得手段としての画像処理装置6を備えるとともに、状態判定手段6が、ワークWの状態として、ワークWの姿勢A,Bおよび隣り合う他のワークWとの接触の有無を判定し、圧電バルブドライバ5は、画像処理装置6が取得したタイミングで、圧電バルブ3に電圧を印加するよう構成される。
【0052】
そのため、不良ワークW´が、エア給排路21の開口の下部のみを塞ぐ図3(a)に示す姿勢Aであったり、図4(a)のように不良ワークW´の前後に他のワークWが接触している状態にあるなど、不良ワークW´の適切な処理に比較的強い流量や圧力の圧縮空気が必要な場合には、状態判定手段6の判定結果に基づいて圧電バルブ3の開放量を比較的大きくできる一方、不良ワークW´が、エア給排路21の開口のほぼ全体を塞ぐ図3(b)に示す姿勢Bであったり、図4(b)のように不良ワークW´の前後に隙間がある状態にあるなど、不良ワークW´の適切な処理に比較的弱い流量や圧力の圧縮空気が必要な場合には、状態判定手段6の判定結果に基づいて圧電バルブ3の開放量を比較的小さくできるので、各ワークWの状態に適した流量や圧力の圧縮空気を適切なタイミングで不良ワークW´に噴射でき、反転あるいは排除の効率、達成率を向上させ、パーツフィーダ2としての整列・排出能力を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のエア噴射機構1を用いて、搬送路20に沿って搬送される不良ワークW´に処理位置Pで圧縮空気を噴射し、不良ワークW´を搬送路20から排除あるいは搬送路20上で反転させて姿勢変更するよう構成されるので、噴射する圧縮空気の流量や圧力を瞬時に設定変更でき、不良ワークW´の排除および反転による姿勢変更を適切に行うことができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。以下、前述した構成と同様のものについては同じ符号を付して説明を省略する。
【0055】
例えば、本実施形態では、複数の指令入力部54a,54b,54c,54dが設けられ、指令部63からON信号が入力された指令入力部54a,54b,54c,54dが保持するパラメータに対応する電圧が2ポート弁3に印加されるが、図6に示すようにパラメータ出力手段としての画像処理装置6からワークWの状態に適したパラメータ(設定データ)が入力される構成であってもよい。すなわち、通信のみで複数個の指令および設定を制御する構成であってもよい。
【0056】
この構成では、画像処理装置6が求めた不良ワークW´が処理位置Pに到達するタイミングに合わせて、状態判定手段66が判定したワークWの状態に適したパラメータが排除反転指令としてドライバ設定部64から指令部63を介して通信入出力部51に送信され、指令反転指令に対応する印加電圧等が設定部53で設定されて、2ポート弁3への電圧印加が行われる。例えば、ワークWの状態が1ワーク単体あるいはエア給排路21のほぼ全体がワークWで塞がるなら排除反転指令1を出力してエア噴射機構1を弱で動作させる、ワークWの状態が前後密着あるいはエア給排路21の下部しかワークWが塞がない排除反転指令2を出力してエア噴射機構1を強で動作させるよう設定し、ドライバ設定部64から圧電バルブドライバ5に、排除反転指令1または排除反転指令2に対応する印加電圧等の設定を行う。なお、圧電バルブドライバ5側にはワンショット時間の設定があるため、画像処理装置6側からは1パルスの出力にすればいいが、画像処理装置6側にオン時間の設定ができる構成の場合、圧電バルブドライバ5側は指令入力同期に設定しておき、オン時間は画像処理装置6側に記憶させておくことが好ましい。
【0057】
このように、状態判定手段6の判定結果に応じたパラメータを出力するパラメータ出力手段としての画像処理装置6を備えるとともに、圧電バルブドライバ5は、それぞれ異なる複数種類のパラメータを入力可能な入力部としての通信入出力部51を有し、指令部63から通信入出力部51を介して入力されたパラメータに基づく電圧が圧電バルブ3に印加されるよう構成されることから、圧電バルブドライバ5の入力部を1つにして構造を簡単にできる。
【0058】
さらに、上記実施形態では2ポート弁3が用いられたが、図7に示すような3ポート弁7が用いられてもよい。あるいは、4ポート以上の弁が用いられてもよい。
【0059】
3ポート弁7は、第2エア配管経路13bすなわちレギュレータ12の出口に通ずる第1ポート7aと、第3エア配管経路13cすなわちパーツフィーダ2のエア給排路21に通ずる第2ポート7bと、大気域に通ずる第3ポート7cとを備える。3ポート弁7は、電気的入力部32への通電時に、作動部70の切替部73を介して第1ポート7aと第2ポート7bを内部で連通させる図7(b)に示す連通位置Rと、電気的入力部32への非通電時に、作動部70の切替部71を介して第2ポート7bと第3ポート7cとを内部で連通させるとともに第1ポート7aと第2ポート7bとを非連通状態にする同図(a)に示す非連通位置としての大気開放位置Nとの間で切替え可能に構成される。
【0060】
図7(a)に示す大気開放位置Nでは、レギュレータ12から3ポート弁7に供給された圧縮空気が第1ポート7a付近で閉止されるとともに、第2ポート7bが大気開放される。一方、同図(b)に示す連通位置Rでは、レギュレータ12から供給された圧縮空気を第1ポート7aから入力させて切替部73を介して第2ポート7bより出力させ、エア給排路21に給気する。これによりエア給排路21から処理位置Pに向けて圧縮空気が噴射される。
【0061】
そして、電気的入力部32への通電が停止されると、作動部70が元の位置に向けて変位して同図(a)に示す大気開放位置Nに戻り、このときの第3エア配管経路13c内の残圧は、エア給排路21から大気中に開放されるとともに、3ポート弁7の第2ポート7bから切替部71を介して第3ポート7cより大気開放される。そのため、3ポート弁7を図7(b)に示す連通位置Rから同図(a)に示す大気開放位置Nに戻した直後には、3ポート弁7とパーツフィーダ2のエア給排路21との間の第3エア配管経路13c内の残圧が、エア給排路21および3ポート弁7の両方から適切に大気開放されるので、圧縮空気の圧力の立ち下がりを早めることができる。
【0062】
このように、圧電バルブ7が、圧縮空気源11に接続される第1ポート7aと、搬送路20に形成されるエア給排路21に通ずる第2ポート7bと、大気域に通ずる第3ポート7cとを少なくとも備え、第1ポート7aと第2ポート7bとを連通させる連通位置Rと、第2ポート7bと第3ポート7cに連通させるとともに第1ポート7aと第2ポート7bとを非連通状態にする非連通位置としての大気開放位置Lとの間で切替可能な3ポート以上の切替弁であるので、エア給排路21への排気を圧電バルブ3からも行うことができ、圧縮空気の圧力の立ち下がりを早めて応答性を良好にすることができる。
【0063】
なお、上記実施形態では上述のように電気的入力部32への非通電時に第3エア配管経路13cが大気開放されるノーマルクローズタイプの3ポート弁7が使用されるが、電気的入力部32への非通電時に閉止状態となるノーマルオープンタイプの3ポート弁7が使用されてもよい。ノーマルオープンとノーマルクローズとの切替は、図1等に示す設定部53で行われる。
【0064】
また、圧縮空気の噴射の調整値は強、中、弱、微弱の4つに限定されず、ワークWの姿勢等に応じて、調整値が3つであったり、5つ以上の調整値に分けられたり、他の調整値が用いられてもよい。また、姿勢の判別と前後状態判別での選択は、上記フローチャートでは2つであるが、これ以上であってもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態ではワークWの姿勢および不良ワークW´の前後状態に基づいて圧縮空気の流量や圧力が調整されたが、図8に示すようにワークWの姿勢のみに基づいて調整される構成であってもよい。
【0066】
この場合、ステップSP1〜SP6までは図5に示すS1〜S6までの制御と同様であり、説明を省略する。ステップS6で姿勢が図3に示す姿勢Aであると判断すると(ステップS6:Yes)、ステップSP7に進み、エア回路10を“強”で動作させて本フローチャートを終了する。“強”での具体的な動作としては、図5に示すステップS9と同様である。一方、ステップS6で姿勢が図3に示す姿勢Aであると判断されない場合(ステップS6:No)、ステップSP8に進み、エア回路10を“弱”で動作させて本フローチャートを終了する。“弱”での具体的な動作としては、図5に示すステップS13と同様である。
【0067】
またさらに、被噴射物として、図9(a)に示すようなワーク本体W3と電極W2を備えるワークWaを用いることもできる。このとき、同図(b)に示す姿勢Cのようにワーク本体W3がエア給排路21の開口のほぼ全体を覆う場合であっても、電極W2によってワーク本体W3がエア給排路21の開口から離れ、隙間Lから圧縮空気が逃げやすいので、図3(b)に示す姿勢BのようにワークWがエア給排路21の開口のほぼ全体を密着して覆う場合よりも、適切な圧縮空気の流量や圧力が大きくなりやすい。また、図9(c)に示す姿勢Dのように電極W2によりワーク本体W3がエア給排路21の開口から離れ、かつワークWaがエア給排路21の開口の下部しか覆わない場合には、図3(a)に示す姿勢AのようにワークWがエア給排路21の開口を密着しつつ下部しか覆わない場合よりも、適切な圧縮空気の流量や圧力が小さくなりやすい。さらに、ワークWaは姿勢によってはワーク本体W3がエア給排路21の開口を密着しつつ覆う場合もある。そのため、ワークWaの形状によっては、ワークWaがエア給排路21の開口を密着あるいは離間して覆うかどうかも考慮して圧縮空気の噴射の調整値が設定されることが好ましい。
【0068】
さらに、本実施形態のエア噴射機構1はパーツフィーダ2に適用されたが、これに限定されず、外観検査機、測定分別機およびテーピング機などに適用されてもよい。
【0069】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1・・・エア噴射機構
2・・・パーツフィーダ
3・・・2ポート弁(圧電バルブ)
3a・・・第1ポート
3b・・・第2ポート
5・・・圧電バルブドライバ(バルブ制御手段)
6・・・画像処理装置(タイミング取得手段、パラメータ出力手段)
7・・・3ポート弁(切替弁、圧電バルブ)
7a・・・第1ポート
7b・・・第2ポート
7c・・・第3ポート
10・・・エア回路
11・・・圧縮空気源
12・・・レギュレータ
13a・・・第1エア配管経路
13b・・・第2エア配管経路
13c・・・第3エア配管経路
20・・・搬送路
20a・・・側壁
21・・・エア給排路
30・・・作動部
32・・・電気的入力部
33・・・切替部
51・・・通信入出力部(入力部)
52・・・設定入力部
53・・・設定部
54a,54b,54c,54d・・・指令入力部(入力部)
55・・・出力制御部
56・・・電圧出力回路
61・・・画像処理部
62・・・画像判別部
63・・・指令部
64・・・ドライバ設定部
65・・・カメラ
66・・・状態判定手段
A,B,C,D・・・ワークの姿勢
P・・・処理位置
R・・・連通位置
N・・・大気開放位置
W,Wa・・・ワーク(被噴射物)
W´・・・不良ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10