(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような特許文献1の免震装置では、基板の直上に台板を復帰させるため複数本の弾性部材、例えば4本のコイルばねが台板の中心に対し90度の等間隔で基板と台板との間に連結されている。これらのコイルばねは、台板の中心に対して放射方向に配置され、コイルばねの伸縮方向がコイルばねの取付方向である放射方向と一致するようになっている。
このため、地震動によって台板が移動すると、台板の中心はいずれかの放射方向に移動することになり、地震動の方向によってはコイルばねの固有振動数での共振が起こり、伸縮方向が一致したコイルばねによって振動が増幅されるという問題がある。
また、免震装置の可動域を確保しようとすると、コイルばねが押し縮められるスペースを確保する必要があり、その分だけ装置が大型化してしまうという問題が生じる。
さらに、免震装置自体を小型化しようとすると、台板が小さくなり、球状回転体の台板中心からの距離が小さくなって台板状に載荷物を安定して載置することができないという問題が生じる。
【0007】
一方で、矩形の
免震装置については以下のような問題がある。
矩形の
免震装置の場合、縦横比が大きい載荷物が載せられることが多いが、例えば液晶テレビのような縦横比の大きな載荷物は幅方向に対する振動に弱い。そのため、コイルばねの伸縮方向と台板の幅方向とが一致して共振が生じると、比較的小さな地震動であっても載荷物が転倒してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、原点への復帰を図るための弾性部材の固有振動数での共振による振動の増幅を防止でき、可動域を十分確保して装置の小型化をはかり、安定して載荷物を載置できる免震装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、免震装置の地震動のエネルギーを減衰させる効果を担い、載荷物が載荷される載荷プレート部材を原点に復帰させるよう付勢する弾性部材について鋭意検討を重ねたところ、従来の弾性部材は、その伸縮方向と移動方向とが一致して設置されているため、弾性部材の固有振動数での共振が起こると、伸縮方向が一致する弾性部材によって振動を増幅させる現象が生じることを見出した。
加えて、矩形の
免震装置においては、幅方向において弾性部材の共振が生じると、比較的小さな地震動であっても載荷物が転倒してしまうおそれがあることを見出した。
そこで、載荷プレート部材の移動方向、特に載荷プレート部材の幅方向と弾性部材の伸縮方向をずらすことが振動の増幅を防止することに有効であることが分かり、本発明を完成したものである。
また、載荷プレート部材の幅方向と弾性部材の伸縮方向をずらし、弾性部材が押し縮められるスペースをごく小さくすることが、可動域の確保に有効であり、免震装置を小型化することに有効であることが分かった。
かかる知見に基づく本発明の具体的な構成は以下の通りである。
【0010】
すなわち、本発明の免震装置は、
べースプレート部材上に載荷プレート部材が摺動部材を介して移動可能に設置され、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを連結する複数の弾性部材とを有してなる
免震装置であって、
前記ベースプレート部材の幅方向中央には支柱部が設けられ、
前記摺動部材は、前記載荷プレート部材の幅方向両端部に配置されており、
前記弾性部材は、前記支柱部と前記摺動部材とを連結するものであり、前記載荷プレート部材の幅方向と一致することなく、かつ静置状態において前記支柱部が前記両端の摺動部材の中間に位置するように設けられてなる、ものである。
また、
前記支柱部上に摺動部材が設けられてなる、ものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の免震装置によれば、弾性部材の固有振動数での共振による振動の増幅を防止でき、可動域を十分確保して装置の小型化をはかり、安定して載荷物を載置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の免震装置10は、建築物などの大型構造物ではなく、比較的小型・軽量の機器などの載荷物の免震に用いられる装置である。なお、免震装置10を1つのユニットとして複数個のユニットを組み合わせて使用することで、ユニットの個数に応じた大きさや重量の載荷物の免震に用いることができるものである。また、本発明の免震装置は原理的には、載荷物の重量については何ら限定するものではない。
【0014】
この免震装置10は、
図1に示すように、床面などや台などの上に置かれるベースプレート部材11と、このベースプレート部材11上に摺動部材14を介して移動可能とされる載荷プレート部材12と、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12との間に連結される複数の弾性部材13とを備えて構成される。
摺動部材14は、転がり部材や滑り部材などが挙げられるが、転がり部材を例に説明する。
弾性部材13は、
図2に示すように、複数のコイルばねで構成され、ベースプレート部材11の支柱部11bの弾性部材13の連結点(第1の連結点)となる第1のばね連結点16(以下、ばね連結点16とする)と、載荷プレート部材12の両端部の弾性部材13の連結点(第2の連結点)となる第2のばね連結点17(以下、ばね連結点17とする)との間に連結される。
すなわち、各弾性部材13は、
図2に示すように、載荷プレート部材の幅方向Aと、各弾性部材13の一端連結部13aが取り付けられる支柱部11bのばね連結点16と他端連結部13bが取り付けられる両端部のばね連結点17とを結ぶ伸縮方向Bとが一致しないように配置してある。また、各ばね連結点16には、それぞれ2本の弾性部材13の一端連結部13aが連結され、それぞれ2本の弾性部材13がばね連結点16を通る載荷プレート部材12の幅方向Aを挟む両側に均等に配置される。
【0015】
免震装置10のベースプレート部材11は、床面などや台などの上に固定設置され、例えば板状の下部プレート11aと、その幅方向中央に上方に突き出した例えば棒状や点状の支柱部11bとを備えて構成されている。支柱部11bには、弾性部材13の一端連結部13aが連結されるばね連結点16が設けてある。
ベースプレート部材11上には、載荷プレート部材12が配置されている。載荷プレート部材12は、板状の載荷プレート12aと、載荷プレート12aの幅方向両端に配置された両端部12bとを備えて構成されている。載荷プレート12aは、下部プレート11aより小型に形成されている。載荷プレート12a上には、機器などの載荷物が載置される。
載荷プレート部材12の両端部12bの内側には、弾性部材13の他端連結部13bが連結されるばね連結点17が設けてある。
ばね連結点16と、両端部側のばね連結点17との間に弾性部材13として引張りコイルばねが一端連結部13aおよび他端連結部13bを介して連結される。
【0016】
免震装置10では、摺動部材14を、弾性部材13の第2の連結点であるばね連結点17の近傍あるいはばね連結点17よりも外側に配置してある。
すなわち、免震装置10では、載荷プレート部材12のばね連結点17の近傍である両端部12bの下面に、摺動部材14として球状回転体14aが複数個、図示例では、両端部にそれぞれ5個の球状回転体14aが支持枠14bを介して取り付けてある。摺動部材14は、載荷プレート12aに載置された載荷物を安定した状態で支持し、下部プレート11a上を転がり移動する。摺動部材14は安定した状態で移動し、荷重を支持できるように摺動部材14の個数が設定される。
これにより、載荷プレート部材12は、下部プレート11a上で支柱部11bに載荷プレート12aの両端部12bが当たるまでの範囲を、球状回転体14aを介して任意の方向に転がり摩擦状態で移動可能になっており、いわゆる転がり免震が行われるように構成してある。
また、載荷プレート部材12の両端部12bに摺動部材14を設けてあるので、載荷プレート12a上の載荷物の位置にかかわらず、載荷プレート12aは、常に安定した状態で荷重を支持し、転がり移動することができる。
【0017】
この実施の形態では、ベースプレート部材11の下部プレート11a自体を摩擦の低い部材で構成し、球状回転体14aが一層スムーズに転動できるようにしてある。この場合の摩擦の低い部材は、球状回転体14aが滑らずに転動できるように表面粗さが選定される。
なお、ベースプレート部材11の下部プレート11a上に摩擦を低減するため板状の摩擦低減部材を別に取り付けて、球状回転体14aがスムーズに転動できるようにすることもできる。
また、摺動部材14は上記例示した球状回転体に代えて滑り部材を両端部12bの下面に設けていわゆる滑り免震が行われるようにしても良い。この場合には、両端部12b自体を低摩擦材料としても良い。
【0018】
また、
図1で示すように、ベースプレート部材11の支柱部11b上に摺動部材14を設置しても良い。支柱部11b上に摺動部材14を設けると、載荷物が大型であったり重量が大きかったりしても載荷プレート部材12の動きがスムーズであるため好ましい。
なお、摺動部材14に変えて、摩擦低減部材を取り付けてもよい。
【0019】
このような免震装置10では、摺動部材14を介してベースプレート部材11上を移動可能とされた載荷プレート部材12との間には、弾性部材13として、引張りコイルばねが連結されている。これにより、引張りコイルばねで構成した複数本の弾性部材13で載荷プレート部材12をベースプレート部材11の中央に保持(原点復帰)するとともに、地震による加震時のエネルギーを吸収し、応答加速度を低下させる。
【0020】
また、この免震装置10では、ばね連結点16に弾性部材13の一端連結部13aが、ばね連結点17に弾性部材13の他端連結部13bが連結されている。これにより、弾性部材13の伸縮方向は一端連結部13aと、他端連結部13bとを結ぶ伸縮方向Bであって、載荷プレート部材の幅方向Aとはずらしてある。
したがって、各弾性部材13の伸縮方向Bが載荷プレート部材の幅方向Aと重なることがなく、地震動が弾性部材13のばねの固有振動数と共振した場合も、互いの弾性部材13による振動の増幅を防ぐことができる。
【0021】
また、弾性部材13の伸縮方向が一端連結部13aと、他端連結部13bとを結ぶ方向Bであって、載荷プレート部材12の幅方向Aとはずれていることで、十分な可動域(載荷プレート部材12の移動範囲)を確保することができる。
例えば
図8に示すように、地震動の方向Cが載荷プレート部材12の幅方向Aと一致したとしても弾性部材13が第1のばね連結点16および第2のばね連結点17の間に入り込むため、載荷プレート部材12の可動域を制限することが防止される。これにより、従来の
免震装置のように可動範囲が制限されるものとは異なり、同一の可動範囲を確保する場合には、免震装置10を小型化することができる。
【0022】
なお、このような弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の幅方向Aと、をずらすことにより、地震動が弾性部材13のばねの固有振動数と共振した場合も、互いの弾性部材13による振動の増幅を防ぐことができるという効果は、伸縮方向Bと幅方向Aとのずれ量が大きい方が望ましい。
また、載荷プレート部材12の移動方向が一部の弾性部材13の伸縮方向Bに移動する場合があっても、他の弾性部材13の伸縮方向Bとは重ならないため、ばねの固有振動と共振した場合に、互いの振動数が打ち消されて振動を増幅するのを抑えることができる。
さらに、載荷プレート部材12の移動方向が載荷プレート部材12の幅方向Aであったとしても、弾性部材13の伸縮方向Bとは一致しないため、振動の増幅を抑制することができる。
【0023】
また、免震装置10では、載荷プレート部材12の両端部12bに転がり部材14を設けてあるので、載荷プレート12a上の載荷物の位置にかかわらず、載荷プレート12aは、常に安定した状態で荷重を支持し、ベースプレート部材11の下部プレート11a上を転がり移動することができる。
【0024】
なお、上記の実施の形態に限らず、全ての弾性部材13の伸縮方向Bと載荷プレート部材12の幅方向Aとが一致していないものであれば良く、地震動などが加わらない状態で、弾性部材13によってベースプレート部材11に対し載荷プレート部材12が原点(ベースプレート部材11の中央)に静止するように構成されていれば良い。
【0025】
例えば、
図3、
図4、
図5に示すように、弾性部材13による弾性力が作用しない状態(静止状態)で、弾性部材13の伸縮方向Bを載荷プレート部材12の幅方向Aとずらしてあれば、弾性部材13の個数、配置形、ピッチなどは問わない。
また、弾性定数の異なる弾性部材13を組み合わせて構成することもできる。例えば、
図6に示すように、弾性定数と弾性部材の長さや配置するピッチなどを考慮し、載荷プレート部材12の両端部12bがベースプレート部材11の支柱部11bを軸に対称に位置していればよい。
このような免震装置10によっても、既に説明した免震装置10と同様に、地震動のエネルギーの減衰、共振の抑制に加え、載荷プレート部材12の可動域の十分な確保,載荷プレート部材12の安定した移動の確保などの効果を奏するものとなる。また、同一の可動域を確保する場合には、免震装置10の小型化を図ることもできる。
【0026】
また、ベースプレート部材11の支柱部11bは、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6に示すような棒状であっても、
図7に示すような点状であってもよい。
【0027】
このような免震装置10は、弾性部材13の配置による免震効果をより有効にするためには、載荷プレート部材12に加わる荷重に対して適切なばね定数kの弾性部材13を選ぶ必要がある。
例えば、載荷プレート部材12の載荷重量を10kg未満とする場合には、ばね定数kを0.0015以上0.0040N/mm以下とすることが好ましい。
また、載荷プレート部材12への載荷重量を10kg以上50kg以下とする場合には、弾性部材13のばね定数kを0.0020以上0.0060N/mm以下とすることが好ましい。
【0028】
また、弾性部材13で連結された載荷プレート部材12(載荷プレート部材12の載荷プレート12a)は、ベースプレート部材11上で、両端部12bがベースプレート部材11の中央の支柱部11bに接触するまでの範囲を移動することになるが、その移動距離(可動域)は、載荷荷重が10kg未満の場合には、ベースプレート部材11上で16cm(上下に移動するので、上下それぞれに8cm)以上移動可能に構成するのが望ましい。また、載荷重量が10kg以上50kg以下の場合には、弾性部材13で連結された載荷プレート部材12がベースプレート部材11上で20cm(上下に移動するので、上下それぞれに10cm)以上移動可能に構成するのが望ましい。
このような載荷プレート部材12の移動距離を確保する場合には、移動に伴って押し縮められる弾性部材13のスペースを確保する必要があるが、
図8に示すように免震装置10では、弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の幅方向Aとがずらしてあるので、弾性部材13の伸縮スペースの確保が簡単にでき、免震装置10の小型化をはかることができる。
【0029】
さらに、免震装置10では、ベースプレート部材11の下部プレート11a上を摺動部材14が任意の方向に転がることで免震するので、免震効果を確実にするため、ベースプレート部材11自体を摩擦の低い部材で構成する、あるいは転がり摩擦を低減してスムーズに転動できるように下部プレート11a上に摩擦低減部材を取り付けることが好ましい。
この摩擦低減部材としては、例えば、アクリル系樹脂材料やPTFE(polytetrafluoroethylene)などのフッ素系樹脂材料が、摩擦係数が低く最も好ましいが、ポリエチレンやその他の低摩擦係数材料を用いることもできる。また、摩擦低減部材は、フラットな平面形状であっても凹凸を設けて下部プレート11aの全面積に対し、下部プレート11a等との接触面積を減らすようにしてもよい。
さらに、摩擦低減部材は、シート状のものを下部プレート11a上に取り付ける場合に限らず、上記の材料を下部プレート11a上に塗布することで摩擦低減部材とすることもできる。
この場合、下部プレート11a上に摩擦低減部材を設けて摺動部材14を任意の方向に転動させる場合には、摩擦低減部材との間の摩擦が小さすぎると、摺動部材14が転動せずに滑ることになり、転がりの効果が得られなくなる。
そこで、転がり部材14を採用する転がり免震の場合には、適切な摩擦の範囲があり、例えば表面粗さ(Ra)が0.01〜0.1μmとすることが好ましい。
さらに、摩擦低減部材を含むベースプレート部材11は、荷重が加わった場合でも摺動部材14などがスムーズに転動できる硬さが必要である。摩擦低減部材を含むベースプレート部材11の表面の硬さは、摺動部材14の球体の大きさによっても異なるが、例えば、アスカーA硬度を50以上とすることが好ましい。
【0030】
なお、上記実施の形態では、載荷プレート部材12の両端部12bに取り付けた摺動部材14を構成する球状回転体14aの転がりにより免震するようにしているが、摺動部材14を転がり部材に代えて低摩擦面を備えた滑り部材で構成し、下部プレート11a上、あるいは下部プレート11aの摩擦低減部材上を滑らせて滑り面同士を摺動させる構成とし、滑りにより免震する構成とすることもできる。そして、弾性部材13の連結は、弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の幅方向Aとをずらしてばね連結点16と両端部側のばね連結点17との間に弾性部材13を連結する構成とすれば良い。
このような滑り部材による滑り面同士を摺動させて面接触する場合であっても、ばねの固有振動と共振した場合に、互いの振動数が打ち消されて振動を増幅するのを抑えることができる。また、載荷プレート部材12の両端部12bに滑り部材を設けて荷重を支持することで、載荷プレート部材12が常に安定した状態で荷重を支持することができる。さらに、このような免震装置10によっても既に説明したように、地震動のエネルギーの減衰に加え、載荷プレート部材12の可動域の十分な確保などの効果を奏するものとなる。
また、同一の可動域を確保する場合に、免震装置10の小型化を図ることもできる。
【0031】
本発明の免震装置は、ベースプレート部材11と、載荷プレート部材12と、これらの間に配置される弾性部材13とで構成される免震装置10を1つのユニットとし、複数個のユニットを備えた免震装置として構成することができる。この免震装置では、複数個のユニットの載荷プレート部材12上に、1つの載荷物を載置して使用する。
例えば、載荷物が大型の矩形状である場合には、4つのユニット(免震装置10)を載荷物の四隅に配置することで、安定して載荷物を支えることができるとともに十分な免震効果が得られる。
なお、免震装置として用いるユニットの個数は、4つのユニットで構成する場合に限らず、2つ以上で構成すれば良く、載荷物の平面への投影面積や重量に応じて定めれば良い。
【0032】
本発明の免震装置10によれば、一部の弾性部材13の伸縮方向Bと載荷プレート部材12の地震時に移動する直線方向Aとが一致したとしても、弾性部材13の固有振動での共振が生じても弾性部材13によって振動が増幅されることを防止でき、載荷プレート部材12を原点に復帰させることができるとともに、地震によるエネルギーを減衰させることもできる。
加えて、載荷プレート部材12の幅方向Aに弾性部材13を配置していないので、載荷プレート部材12の移動方向が載荷プレート部材12の幅方向Aであったとしても、弾性部材13の伸縮方向Bとは一致しないため、振動を増幅するのを抑えることができる。そのため、幅方向に対する振動に弱い矩形の
免震装置においても、載荷物の落下の危険性を低減することができる。
さらに、摺動部材14を、第2の連結点(ばね連結点)17の近傍あるいは、第2の連結点(ばね連結点)17よりも外側に配置したので、常に安定した状態で載荷物の荷重を支持することができ、安定した状態で転がり移動や滑り移動させることができる。
【0033】
本発明の免震装置10によれば、免震装置10を1つのユニットとして備え、複数個のユニットの載荷プレート部材12上に、1つの載荷物を載置可能に構成したので、載荷物が大きい場合でも安定して支持できることができる。また、ユニットの個数を変えることで、載荷物の大きさや重量に対する自由度を増大することができる。
【0034】
なお、上記の実施の形態では、弾性部材13として引っ張りコイルばねを例に説明したが、これに限らずゴムや合成樹脂発泡体などの弾性を有する部材を用いることもできる。