(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本発明に係るフランジ部付き薄肉配管の構成としては、以下の実施例で説明する構成以外であっても、本発明の技術思想を満たし、本発明の課題を解決することができる構成であれば、以下に説明する構成に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
【0020】
[実施例1]
本発明の実施例1に係るフランジ部付き薄肉配管1の基本的な構成を、
図1に示した概略断面図を用いて説明するとともに、フランジ部付き厚肉配管51の構成を従来例の説明
図1である
図9に示すことで、本発明の特徴を従来例の構成と比較しながら説明する。また、
図2〜
図4を用いて、実施例1に係るフランジ部付き薄肉配管21の構成について説明する。
【0021】
(基本的な構成)
図1(a)、(b)は、フランジ部付き薄肉配管1を示している。
図1(b)におけるフランジ部付き薄肉配管1は、補強部材4をフランジ部2の背面側に遊嵌した構成になっており、この点で
図1(a)に示したフランジ部付き薄肉配管1の構成とは異なっている。他の構成は、
図1(a)に示した構成と同様の構成になっている。そのため、同一の構成については、同一の部材符号を用いることでその説明は省略している。
【0022】
図1(a)、(b)に示すようにフランジ部付き薄肉配管1は、耐腐食性の高い合金を用いた薄肉金属から構成したパイプ本体3の両端部に、同じ合金からなる薄肉金属をプレス加工で構成したフランジ部2を接合した構成になっている。パイプ本体3とフランジ部2の接続パイプ部2cとの接合部5は、両者の端面同士が当接して、配管内の内面側が溶融して接合した構成になっている。また、フランジ部2の背面側、即ち接続対象物との表面2aに対してその背面側は、フランジ部2の剛性を保つため、補強部材4が装着されている。
【0023】
フランジ部付き薄肉配管1を構成する薄肉金属としては、耐腐食性を高めた合金を用いることができる。この合金としては、例えば、ニッケル基にモリブデンやクロムを多く加えることで耐腐食性能を高めた合金やチタン合金等を用いることができる。商品名としては、ハステロイ(登録商標)等を用いることができる。また、ハステロイ(登録商標)やチタン合金以外の合金であっても、耐腐食性を高めた合金であれば、フランジ部付き薄肉配管1を構成する薄肉金属として用いることができる。
【0024】
パイプ本体3の板厚とフランジ部2の板厚は、同じ板厚に構成しておくことも、フランジ部2の板厚をパイプ本体3の板厚の2倍以下の板厚となるように構成しておくこともできる。このようにフランジ部2の板厚に対して許容量を設けておくことにより、規格寸法に基づいてパイプ本体3やフランジ部2を形成することができる。
【0025】
フランジ部2の板厚をパイプ本体3の板厚よりも厚く形成した場合には、フランジ部2とパイプ本体3との当接部における端面同士が同じ板厚となるように、当接部におけるフランジ部2側の部位に傾斜面を形成して、パイプ本体3との当接面における板厚がパイプ本体3の板厚と同じ厚さとなるように構成しておくことができる。
【0026】
パイプ本体3は、薄板の平板を円形状に湾曲させて構成することも、長尺からなる薄板の平板をらせん状に曲げて構成するなど、従来から公知の方法を用いて構成することができる。また、フランジ部2は、薄板の平板に対してプレス加工を施すことにより、接続対象物側に面する表面2aと、表面2aの内径側における屈曲部2bから屈曲してパイプ本体3と接合する接続パイプ部2cとを有する形状に構成されている。フランジ部2は、プレス加工で形成することができるので、難切削材の合金を用いて形成したとしても加工時間が短縮される。
【0027】
補強部材4は、フランジ部2の剛性を高めるために用いられている。フランジ部2を介して接続対象物のフランジに対してフランジ部付き薄肉配管1を取付ける際に、補強部材4によってフランジ部2の剛性を高めているので、フランジ部2と接続対象物のフランジとの間に配したOリングのシール性能が高まっている。即ち、補強部材4を用いることで、フランジ部2の剛性が高まり、接続対象物のフランジに対してフランジ部付き薄肉配管1が強固に取付けられる。
【0028】
接続対象物のフランジとしては、JIS等で規格された既存の規格品が多く用いられており、また、接続対象物のフランジへの取付けは、規格クランプやボルト・ナット、ネジ等の固着手段が用いられている。
【0029】
このため、フランジ部2の表面2aにおける剛性を高める補強部材4としては、フランジ部2の背面側に配設された構成になっていればよく、
図1(a)のように隙間なく、例えば点付けによってフランジ部2に取付けられた構成にしておくことも、
図1(b)のように、フランジ部2の背面側に遊嵌させた構成にしておくこともできる。
【0030】
補強部材4と薄板のフランジ部2を固定する場合、全周溶接若しくは部分的にピッチ溶接を行うと、入熱が激しすぎてフランジ部2は歪むことになる。それを回避するために、点付けを行っている。点付けは、薄肉のフランジ部2を押圧して小径の突出部を形成しながら、この突出部を補強部材4に圧入させていくことにより行える。点付けは、複数箇所において行うことができる。
【0031】
また、補強部材4をフランジ部2に遊嵌させた構成にしておくことにより、接続対象物と接合するときの位置合わせを容易にする。更に、補強部材4は、表面2a、屈曲部2b、接続パイプ部2c及び接合部5をそれぞれ補強する部材として使用することもできる。
【0032】
補強部材4の板厚を調整することによって、接続対象物のフランジとの間で用いる接続金具に対する寸法を得ることができる。補強部材4としては、十分な強度を有する材料であれば、いずれの材料も用いることができ、例えば、安価なステンレス材を用いて、補強部材4を構成しておくことができる。
【0033】
このように、補強部材4によってフランジ部2の剛性を高めるとともに、耐腐食性の高い合金を薄肉にした状態でフランジ部付き薄肉配管1を構成する。そして、高価な耐腐食性の高い合金を用いてフランジ部付き薄肉配管1を構成しても、その製造単価を抑えることができ、しかも、軽量化が図れる。
【0034】
図9は、
図1で示す本発明に係る実施例1の基本構成と対比を行うため、耐腐食性の高い合金、例えばハステロイ(登録商標)を厚肉にして構成したフランジ部付き厚肉配管51を示している。フランジ部付き厚肉配管51は、フランジ部52の強度を高めるため、フランジ部52の板厚を厚肉に構成されるとともに、厚肉のフランジ部52間を連結するパイプ本体53も厚肉に構成されている。
【0035】
このように構成することによって、フランジ部付き厚肉配管51の剛性を高めている。パイプ本体53の両端部は、溶接部55においてフランジ部52に連結されている。溶接部55は、溶接棒を用いた溶接によって接合されている箇所を示している。
【0036】
このように、
図9に示したフランジ部付き厚肉配管51では、厚肉の板材を用いて構成されているので、パイプ本体53とフランジ部52との連結は、溶接材を用いた溶接により接合する。溶接材を用いた溶接が行えるのは、フランジ部付き厚肉配管51の板厚が厚い構成であるために行える。従来から用いられているフランジ部付き厚肉配管51の板厚としては、10S(3mmの板厚)、20S等のものを用いているため、溶接材を用いた溶接により接合を行うことができる。
【0037】
(効果)
これに対して、本発明に係るフランジ部付き薄肉配管1の板厚は、1mm程度の板厚であるため、溶接材を用いた溶接作業でフランジ部2をパイプ本体3に溶接させることが難しくなっている。そこで、本発明では、フランジ部2とパイプ本体3との当接部において、配管の内面側が溶融して接合した構成になっている。このように構成されているので、接合部5で両者が接合しても、溶接材のような異種金属を用いていないので、異種金属が混じることがなく、フランジ部付き薄肉配管1を構成する耐腐食性を高めた合金としての性能を維持する。
【0038】
フランジ部2とパイプ本体3との接合部5において、配管の内面側を溶融させて接合する接合方法としては、配管の外側から行う接合方法と配管の内側から行う接合方法がある。配管の外側から行う接合方法を用いたときには、配管の外面から内面までの間を溶融させて接合させるウラナミ溶接(完全溶け込み溶接)を行うことができる。また、配管の内側から行う接合方法を用いたときには、配管の内面側の部位同士を溶融させて、外面側の部位のところまでは溶融させない接合方法を行うことができる。この場合には、配管の内面側の部位同士が溶融して接合しているので、作動流体のガスに接触する接ガス面に隙間が形成されることがなく、配管同士の接合として十分にその機能を奏する。
【0039】
このように、本発明の実施例1に係るフランジ部付き薄肉配管1では、板厚を約1mmにまで低減させて構成することができ、フランジ部付き薄肉配管1の製造単価を低減させると共に、軽量化が図れる。
【0040】
尚、本発明の実施例1に係るフランジ部付き薄肉配管1の板厚として説明した約1mmの板厚は、例示であって、配管としての強度を保つことができ、軽量化を図ることができる板厚であれば1mmの板厚のものに限定されるものではない。
【0041】
(実施例1の構成例)
実施例1の具体的な構成例について、
図2〜
図4を用いて説明する。
図2は、フランジ部付き薄肉配管11の斜視図を示しており、フランジ部付き薄肉配管11は、耐腐食性の高い合金を薄肉にした構成になっている。この合金としては、例えば厚肉のハステロイ(登録商標)を用いることができる。
図3は、
図2において丸い円Aで囲んだ部位を含む第1フランジ部23の全体図を拡大した図で示しているが、
図3(a)、(b)それぞれ示した図面の拡大率は異ならせている。また、
図3(b)では、フランジ部23に接合される第1パイプ部22aの図示は省略している。
【0042】
図2に示すように、第1フランジ部23と第2フランジ部24との間は、第1パイプ部22a〜第5パイプ部22eが接合部28を介して相互に連結して接合されている。接合部28は、二つの部材が当接した当接部において内面側を溶融させて接合した箇所を示している。第1フランジ部23と第1パイプ部22aとの間、隣接する各パイプ部間、及び第5パイプ部22eと第2フランジ部24との間は、それぞれ接合部28において接合されている。
【0043】
図2、
図3に示すように、第1フランジ部23の背面には第1補強部材26が装着されており、実施例2における構成として後述するように第2フランジ部24の背面には第2補強部材27が装着されている。第1補強部材26及び第2補強部材27の構成としては、
図1で説明した補強部材4と同様に構成されている。
【0044】
第4パイプ部22dは、ベローズとして構成されており、フランジ部付き薄肉配管21の軸方向における長さの調整や長さ方向の変動を吸収する。また、第5パイプ部22eには、フランジ部付き薄肉配管21を懸架したり固定部材に取付けたりするためのブラケット25が、接続片31を介して取付けられている。接続片31は、フランジ部付き薄肉配管11と同じ耐腐食性の高い合金を用いた構成になっている。
【0045】
第1フランジ部23は、接続対象物側の面となる表面23aと、表面23aに連続して屈曲部23bから内側に屈曲した接続パイプ部23cを有した形状に構成されている。接続パイプ部23cの端部は、接合部28において隣接する第1パイプ部22aの端部と接合されている。
【0046】
第1フランジ部23の背面側、即ち接続対象物側の面となる表面23aの背面側には、第1フランジ部23の剛性を得るため、第1補強部材26が装着されている。第1補強部材26はフランジ部23に対して点付けで取付けられている。
図1(a)、(b)を用いて説明したように、第1補強部材26は、第1フランジ部23に対して、点付け等の仮止め手段により装着しておくことも、第1フランジ部23に対して遊嵌させた状態に配設しておくこともできる。
【0047】
第1補強部材26は、接続対象物との間に第1フランジ部23を挟んで固定するために用いられており、例えば、接続対象物に第1フランジ部23を固定するクランプ部材を使用するには、第1フランジ部23側はある一定の厚みが必要になる。このため第1フランジ部23における板厚の嵩増しを行うのに、厚みのある第1補強部材26を用いている。
第1補強部材26としては、
図1で示した補強部材4と同様に構成しておくことができ、十分な強度を有する材料であれば、いずれの材料を用いることができる。
【0048】
(ブラケットの取付け)
ブラケット25を第5パイプ部22eに取付ける構成について、
図1(a)の構成を援用した
図4を用いて説明する。ブラケット25は、フランジ部付き薄肉配管1とは異なる金属材から構成されている。
図4では、ブラケット25に相当する部材をブラケット6で示し、第5パイプ部22に相当する部材をパイプ本体3で示している。また、接続片31に相当する部材として接続片7を用いている。
【0049】
図4(a)は、本発明に係るブラケット6を、接続片7を介してパイプ本体3に取付けた構成を示しており、
図4(b)は、従来の溶接方法でフランジ部付き薄肉配管1のパイプ本体3にブラケット6を直接溶接した場合の構成を示している。
【0050】
図4(a)に示すパイプ本体3に接合した接合片7は、フランジ部付き薄肉配管1を構成する合金と同じ合金を用いて構成されており、接合片7とブラケット6との間の接合は、溶接等の固定手段により接合されている。
【0051】
図4(b)に示すように、ブラケット6と同材で構成された脚部6aをパイプ本体3に対して直接溶接により接合させると、ブラケット6の脚部6aがフランジ部付き薄肉配管1を構成する合金とは異なる材質から構成されているために、接合部の接合箇所において溶融した金属によって合金(以下では、溶融合金という)が形成されることになる。この発生した溶融合金によって、耐腐食性を高めた合金の物性値が変化しまうことがある。そして、フランジ部付き薄肉配管1に対して想定した材料としての機能を損なうおそれがある。
【0052】
そのため、
図4(a)のように、フランジ部付き薄肉配管1を構成する合金と同じ合金を用いて構成した接合片7をパイプ本体3に接合させ、パイプ本体3に接合した接合変7を介してブラケット6をパイプ本体3に連結させる構成にしている。接合片7とパイプ本体3との接合は、
図1に示した接合部5と同様に行える。これによって、上述した従来例の構成では問題となる異種金属間の溶接による不具合を解消する。接続片7とブラケット6との接合を、溶接材を用いた溶接により行っても、パイプ本体3に求められている機能を損なうことはない。
【0053】
このように構成することによって、各ブラケット6を溶接により取付ける際に生じる溶融合金による影響を低減させることができ、耐腐食性の高い合金で構成したフランジ部付き薄肉配管1の機能を十分に奏させることができる。
【0054】
[実施例2]
本発明の実施例2に係るフランジ部付き薄肉配管11の基本的な構成を、
図5、
図6を用いて説明するとともに、従来例に係るフランジ部付き厚肉配管61の構成を
図10に示している説明
図2を用いて、本発明の特徴を比較しながら説明する。また、
図7、
図8を用いて、実施例2に係るフランジ部付き薄肉配管21の第2フランジ部24の構成について説明する。
【0055】
(基本的な構成)
実施例2の構成は、フランジ部12の構成が実施例1におけるフランジ部2の構成とは異なっている。他の構成は、実施例1と同様の構成になっている。即ち、フランジ部付き薄肉配管21は、実施例1のフランジ部付き薄肉配管1と同様に、耐腐食性の高い合金を用いた薄肉金属から構成されている。そして、フランジ部12は、
図1のフランジ部2と同様の耐腐食性の高い合金板を用いて、プレス加工することにより構成されている。
【0056】
実施例1では、フランジ部2の表面2aが平面形状であったが、実施例2では、フランジ部12の表面23aに凹凸部16が形成されている。また、表面23aに、接続対象物との間を固定するネジ等の固定具を挿入する連結孔17が形成されている。他の構成は
図1で示した実施例1の基本的な構成と同様の構成になっており、同様の構成については同一の符号を用いることで、重複した説明は省略する。
【0057】
図5に示すように、フランジ部12は、接続対象物側に面する表面12aと、表面12aの内径側における屈曲部12bから屈曲した接続パイプ部12cと、表面12aの外周縁に立設したフランジ縁12dを有する形状に構成している。接続パイプ部12cは、接続部5においてパイプ本体3と接合している。
【0058】
フランジ部12において、フランジ縁12dは表面12aの外周縁に形成した構成にしておくことも、
図5のようにフランジ縁12dを形成しない構成にしておくこともできる。
【0059】
表面12aに凹凸部16を形成することによって、特に、フランジ縁12dも形成しておくことによって、表面12aの面強度を高める。接続対象物の接続面形状に応じて、表面12aにフランジ縁12dを形成させた構成や、形成させない構成にすることができる。
【0060】
表面12aは、凹凸部16が形成されており、凹凸部16は、環状凹溝16aを備えた形状に形成されている。環状凹溝16aは、接続対象物との間でのシール性を高めるOリングを収納する収納溝として機能する。
【0061】
フランジ部12の表面に形成した連結孔17は、接続対象物との間での固着手段に用いられる、例えばネジやボルトを挿入する孔として機能する。接続対象物との間で挟持して固着する固着手段を用いる場合には、
図1で説明した補強部材4と同様の構成を有する補強部材をフランジ部12の背面に配設した構成にしておくこともできる。
【0062】
図10は、
図5で示す本発明に係る実施例2の基本構成との対比を行うため、耐腐食性の高い合金、例えば厚肉のハステロイ(登録商標)を用いたフランジ部付き厚肉配管61を示している。
【0063】
フランジ部付き厚肉配管61は、フランジ部62の剛性を高めるため、フランジ部62の板厚を厚肉に構成するとともに、厚肉のフランジ部62間を連結するパイプ本体53も厚肉に構成している。この構成により、フランジ部付き厚肉配管61の剛性を高めている。パイプ本体53の両端部には、溶接部55によってフランジ部62が接合している。溶接部55は、溶接材を用いて溶接が行われた箇所を示している。
【0064】
フランジ部付き厚肉配管61は、厚肉の板材を用いて構成されているので、パイプ本体53とフランジ部62との接合は、溶接材を用いた溶接により行われている。溶接材を用いた溶接が行えるのは、フランジ部付き厚肉配管61の板厚が厚い構成であるためである。従来から用いられているフランジ部付き厚肉配管61の板厚は、10S(3mmの板厚)、20S等のものを用いているため、溶接材を用いた溶接により行うことが可能になっている。
【0065】
これに対して、本発明に係るフランジ部付き薄肉配管1の板厚は、1mm程度の板厚であるため、溶接材を用いた溶接作業でフランジ部12をパイプ本体3に溶接させることが難しくなっている。そこで、本発明ではフランジ部12とパイプ本体3との当接部において当接部の内面側を溶融させることで接合している。このように構成されているので、接合部5で両者を接合しても、溶接材のような異種金属が混入することがない。そのため、フランジ部付き薄肉配管1を構成する耐腐食性を高めた合金の性能を維持する。
【0066】
このように、本発明の実施例2に係るフランジ部付き薄肉配管11では、板厚を約1mmにまで低減させて構成することができる。そして、フランジ部付き薄肉配管11の製造単価を低減させると共に、軽量化が図れる。
【0067】
尚、本発明の実施例2に係るフランジ部付き薄肉配管1の板厚について説明した約1mmの板厚は、例示であって、配管としての強度を保つことができる板厚であれば1mmの板厚のものに限定されるものではない。
【0068】
また、パイプ本体3の板厚とフランジ部12の板厚は、同じ板厚に構成しておくことも、フランジ部12の板厚をパイプ本体3の板厚の2倍以下の板厚となるように構成しておくこともできる。このようにフランジ部12の板厚に対して許容量を設けておくことにより、規格寸法に基づいてパイプ本体3やフランジ部12を形成することができる。
【0069】
(実施例2の構成例)
実施例2の具体的な構成例について、
図2のフランジ部付き薄肉配管21を用いて説明する。実施例2における特徴となる構成は、
図2のフランジ部付き薄肉配管21における第2フランジ部24の構成である。他の構成は、
図2に示したフランジ部付き薄肉配管21と同様に構成されている。第2フランジ部24も、フランジ部付き薄肉配管21と同じ合金を用いて薄肉に構成されている。
【0070】
図7は、
図2において四角で囲った部位Bである第2フランジ部24の要部拡大図である。尚、
図7では、第2フランジ部24の表面24aに配したOリング30も図示している。
【0071】
図6で示したフランジ部12では、表面12aに形成した凹凸部16としての環状凹溝16aを有する形状になっているが、
図7に示した第2フランジ部24の構成では、フランジ部12の表面12aにおける屈曲部12b側に凸部24bを形成した構成になっている。
図7に示した表面24aの外周縁側の径は、
図6に示した表面12aの外周縁の径よりも短径に構成されており、表面24aの外周縁側を短く構成した代わりに、第2補強部材27の前面の位置が凸部24bの頂点と略同一の高さ位置となるように、接続対象物側に突出させた構成になっている。
【0072】
また、表面24aに配設したOリング30は、表面24aの面と凸部24bの傾斜面とによって支持されている。このように構成されているので、フランジ部付き薄肉配管21内が負圧状態になっても、Oリング30が凸部24bによって、フランジ部付き薄肉配管21の軸心側に引き込まれるのを防止する。
【0073】
第2フランジ部24の構成として、表面24aの外周縁側の径が
図6に示した表面12aの外周縁の径よりも短い構成について説明を行ったが、
図6に示した表面12aの外周縁の径と同じ径に構成しておくこともできる。そして、表面24aに連結孔17と同じような連結孔を形成しておくこともできる。
【0074】
(Oリングの支持構成)
Oリング30の支持構成について、
図1(a)の構成を援用した
図8(a)を用いて説明する。
図8(a)では、第2フランジ部24に相当する部材をフランジ部2で示し、凸部24bに相当する部位を凸部10aで示している。また、Oリング30に相当する部材をOリング9で示し、第2フランジ部24の表面24aにおいてOリング30を支持する部位に相当する部位をOリング支持面10bで示している。
【0075】
図8(b)は、実施例2に係るOリング9の支持構成を説明するため、Oリング59の支持構成として
図9に示した図を援用して従来例の構成を示している。
図8(a)、
図8(b)において示した白抜きの矢印は、配管内を流れる作動流体の流動方向を示している。
【0076】
図8(a)に示すように、Oリング9は、対向する一対のフランジ部2間に挟持されている。作動流体によってOリング9に対して、配管側への吸引力が作用しても、Oリング9は凸部10aに当接して配管側への移動が規制されることになる。このため、Oリング9によるシール状態が維持される。しかも、腐食性の高い作動流体を用いたとしても、腐食性の高い作動流体は、一対の凸部24b間の間隔を通ってOリング9に接触するため、作動流体に晒されるOリング9の接触面積が少なくなる。
そして、Oリング9によるシール性が高まり、長期に亘ってシール状態が維持される。
【0077】
これに対して、
図8(b)に示すような従来のOリング59のシール方法では、Oリング59を支持するためにセンターリング60を用いる必要がある。しかも、センターリング60を用いることによって、対向する一対のフランジ部52間の間隔が広く構成されることになる。しかも、腐食性の作動流体内にセンターリング60が晒されることになり、また、作動流体に接触するOリング59の接触面積が増大する。このため、センターリング60やOリング59の寿命が短くなり、メンテナンス作業を頻繁に行わなければならなくなる。