(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1レンズは、前記長手の方向に直交する面において凸状の曲率を有する形状が前記長手の方向に延在して形成される第1光出射面と、前記長手の方向に延在し複数の前記光源を覆う凹状の曲面または平面を含む光入射面とを含み、前記光源から出射する前記光を前記長手の方向に対して直交する方向に拡げ、
前記第2レンズは、凸状の第2光出射面を有し、前記光源から出射する前記光を放射状に拡げる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の面光源装置。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置の面光源装置には、LED素子が光源として用いられることが主流である。製品の背面すなわち筐体の底面に複数のLED素子を並べた直下型の面光源装置は、LED素子上に配光制御素子を備える。LED素子から出射する光は、その配光制御素子によって屈折して配光が制御された後、液晶パネルを照射する。
【0003】
配光制御素子は、大別すると丸型レンズの配光制御素子と長尺レンズの配光制御素子とに分類される。丸型レンズの配光制御素子を備える面光源装置は、1つのLED素子につき1つの配光制御素子を備える。
図1は、丸型レンズの配光制御素子91が実装された基板92の斜視図である。各LED素子93は各配光制御素子91の直下に配置される。つまり、LED素子93の発光中心は配光制御素子91の中心軸の延長上に配置される。各LED素子93から出射する光は、各配光制御素子91によって屈折し、配光が変更される。
【0004】
長尺レンズの配光制御素子は1次元方向に長手を有する。長尺レンズの配光制御素子を備える面光源装置は、1次元方向に整列配置された複数のLED素子をまとめて覆う。
図2は、長尺レンズの配光制御素子94が実装された基板92の斜視図である。各LED素子93は、配光制御素子94の直下に位置する。配光制御素子94は、複数のLED素子93から出射する光を屈折させ配光を変更する。
【0005】
面光源装置の高輝度化を図る手法には、基板92の全長および外形を変えずにLED素子93の設置個数を増やす手法がある。
図3は、
図1に示す基板92の全長および外形を変えずにLED素子93の設置個数を1次元方向に増加した基板92および配光制御素子91の斜視図である。基板92上に配置されるLED素子93の設置個数が増加するとともに、配光制御素子91の設置個数も純増する。
【0006】
一方で、長尺レンズの配光制御素子94は、1次元方向に配置されるLED素子93の設置個数が増加したとしても、その配光制御素子94の設置個数を増やす必要がない。
図4は、
図2に示す基板92の全長および外形を変えずにLED素子93の設置個数を1次元方向に増加させた基板92および配光制御素子94の斜視図である。基板92に配置されたLED素子93の設置個数が増加しているにもかかわらず、長尺レンズの配光制御素子94の設置個数は変わらず、その配置も変わらない。つまり、長尺レンズの配光制御素子94の構成は、LED素子93の設置個数に影響を受けない。これは、複数のLED素子93をまとめて覆うことが可能な長さの配光制御素子94を設置すればよいからであり、長尺レンズの配光制御素子94が有する優位点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
長尺レンズの配光制御素子が射出成型によって作製される部品である場合、その全長は金型によって定まる。そのため、大型表示装置用の面光源装置から小型表示装置用の面光源装置まで、様々なサイズの面光源装置に、射出成型によって作製される配光制御素子を搭載する場合、その画面サイズに応じた長さを有する配光制御素子の金型を準備しなければならない。特許文献1には、同一サイズの複数のレンズを一方向に隣接して配置することにより長尺化を図った照明用レンズが開示されている。特許文献1に記載の照明用レンズは、それらが射出成型によって製造される部品であったとしても、それらを複数個つなぎ合わせることにより、画面サイズが異なる複数の表示装置に搭載することが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の照明用レンズは、レンズの最小長さの整数倍でしか長さ調整ができない。照明用レンズを構成する最小単位のレンズ長を小さくすれば、画面サイズが異なるより多くのモデルに搭載することができるが、レンズの長さを小さくすればするほど、1台の面光源装置に必要な部品点数が増える。よって、そのような照明用レンズを備える大型表示装置の製造工程においては、作業工数が著しく増える懸念がある。さらに、隣り合うレンズのつなぎ目の直下に配置されるLED素子から出射する光の配光と、レンズの直下に配置されるLED素子から出射する光の配光とには差異があり、輝度ムラが発生する。そのような輝度ムラを低減するために、LED素子の配置には制約が生ずる。
【0009】
長尺レンズの配光制御素子が押し出し成型によって作製される部品である場合、同一の金型を用いながらも、押し出し工程における切断位置を調整することにより、様々な長さの配光制御素子の製造が可能である。つまり、押し出し成型による配光制御素子の製造方法は、画面サイズが異なる各モデルに適した長さの配光制御素子を、同一の金型で作製できる。これは、コストに関する利点でもある。このような観点からは、面光源装置は、射出成形よりも押し出し成型により形成される長尺レンズを備えることが望ましい。
【0010】
丸型レンズの配光制御素子は、レンズの形状を適切に設計することで、LED素子から出射する光を3次元的に配光制御できるという利点を有する。長尺レンズの配光制御素子は、その長手の方向に対して直交する断面のレンズ形状を調整することで、その面内における2方向の配光制御は可能である。しかし、配光制御素子の長手の方向に平行な1次元方向への配光制御は困難であり、その配光はLED素子の光学特性によって決定される。このように、長尺レンズの配光制御素子は、2次元的な配光制御が主である。特に、配光制御素子が押し出し成型によって製造される場合、配光制御素子の両端から長手の方向に出射する光に関しては、所望の配光が得られない。これは、配光制御素子の両端が切断工程によって形成される切断面だからである。それら切断面に追加の加工が施され、レンズ形状が設けられたとしても、切断面に起因する光学性能の劣化は免れず、また、追加の加工によるコストアップも避けられない。
【0011】
特許文献2および特許文献3には、1次元方向に長く伸ばしたレンズと、その光学特性が開示されている。特許文献2および特許文献3のいずれに記載のレンズも、長手の方向に対して直交する断面の形状を調整することにより、その面内方向の配光を制御している。しかし、それらレンズは、長手の方向に平行な方向の配光制御ができていない。
【0012】
また、丸型レンズおよび長尺レンズのいずれの配光制御素子にも、LED素子等の光源と配光制御素子の出光部との位置関係がずれた場合、つまり光軸がずれた場合には、輝度の劣化または色ムラが発生する。そのため、面光源装置は、双方の位置関係が崩れない保持構造を備えることが重要である。
【0013】
配光制御素子の実装方法は、配光制御素子をLED素子に対して正確な位置に配置し、かつ、筐体に対して確実な接合強度を得るため、専用の治具を用いて基板に接着する方法が一般的である。
図1に示すように、丸型レンズの配光制御素子91は、基板92に接着するために、複数の接着部91aが設けられている。各接着部91aの間隔は、配光制御素子が熱膨張または熱収縮したとしても、それら間隔の変化が実装に影響しない程度に狭い。つまり、基板の線膨張係数と配光制御素子の線膨張係数との差によって接着部91aに働く応力は、それらの実装に影響しない程度に小さい。そのため、丸型レンズの配光制御素子91は、基板92に接着して固定することが可能である。一方で、長尺レンズの配光制御素子94は、長尺になればなるほど、その体積が大きくなるため、基板92の線膨張係数と配光制御素子94の線膨張係数との差によって接着部に働くせん断力も大きくなる。よって、長尺レンズの配光制御素子94を基板92に接着固定することは、接着部の剥離または配光制御素子94の脱落を誘発する要因となるため、望ましくない。
【0014】
また、長尺レンズの配光制御素子が押し出し成型法によって製造される部品である場合、その配光制御素子にネジによる固定やスナップフィットによる固定のための形状を設けることは、追加の加工が必要となり、コストアップとなる。よって、それらは、別の固定手段を備えることが好ましい。
【0015】
特許文献2および特許文献3には、LED素子が配置される基板にレンズを保持する構造については開示がない。特許文献4には、基板に光学素子を固定するための保持形状を、光学素子自身に設けた光方向変換用光学素子が開示されている。しかし、特許文献4に記載された光方向変換用光学素子が押し出し成型で形成される光学素子である場合、ネジ穴やスナップフィット等の保持形状を二次加工によって設けることが必要である。これは、面光源装置の製造コストが上昇し望ましくない。また、上述した接着に関する懸念点および課題は同様に生じる。
【0016】
特許文献5には、押し出し成型により形成した成型レンズ枠に、LED素子が実装された基板が挿着されることにより双方が固定されるLEDアレー光源取付構造が開示されている。この構造は、ネジや接着剤等を用いることなく成型レンズ枠と実装基板とを固定することが可能である。しかし、このLEDアレー光源取付構造は、基板が成型レンズ枠に挿入される際、基板が成型レンズ枠の内部を削り取る。その削りかすは、LED素子と成型レンズ枠との間に異物として残る。また、表示装置や面光源装置の仕様に応じて細い基板や長い基板を挿入する必要があり、製造工程の自動化に課題が生ずる。
【0017】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、配光制御素子の長手の方向にも配光制御が可能で、かつ、配光制御素子の位置固定が可能な面光源装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る面光源装置は、主面を含む基板と、基板の主面に列をなして配置される複数の光源と、光源を覆うように基板の主面上に配置され、光源から出射する光の配光を変更する配光制御素子とを備える。その配光制御素子は、光源の配列方向に長手を有する第1レンズと、第1レンズの長手の方向の一端または両端に配置され、かつ
、位置固定される第2レンズとを含む。そして、第1レンズは、第2レンズに
よって保持され、第2レンズは、第1レンズとは異なる配光特性を有する。
第2レンズは、第1レンズの一端または両端の表面に接触する保持部を含む。保持部は、基板の主面との間に第1レンズを保持する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、配光制御素子の長手の方向にも配光制御ができ、かつ、配光制御素子の位置固定ができる面光源装置の提供が可能となる。また、本発明に係る面光源装置は、低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図5】実施の形態1における直下型の面光源装置の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態1における配光制御素子の構成を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1における配光制御素子の構成を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1における配光制御素子が含む第1レンズの断面図である。
【
図9】実施の形態1における配光制御素子が含む第1レンズの断面図である。
【
図10】実施の形態1における配光制御素子が含む第2レンズの斜視図である。
【
図11】実施の形態1における配光制御素子が含む第2レンズの断面図である。
【
図12】実施の形態1における配光制御素子が含む第2レンズの断面図である。
【
図13】実施の形態1における配光制御素子の斜視図である。
【
図14】実施の形態1における配光制御素子の断面図である。
【
図15】実施の形態1における配光制御素子の断面図である。
【
図16】実施の形態2における配光制御素子の構成を示す斜視図である。
【
図17】実施の形態2における配光制御素子の構成を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態2における配光制御素子が含む第2レンズの斜視図である。
【
図19】実施の形態2における配光制御素子の断面図である。
【
図20】実施の形態2における配光制御素子の断面図である。
【
図21】実施の形態2における配光制御素子の断面図である。
【
図22】実施の形態3における配光制御素子の固定手段を示す斜視図である。
【
図23】実施の形態3における配光制御素子の固定手段を示す斜視図である。
【
図24】実施の形態3における配光制御素子の固定手段を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る面光源装置および表示装置の実施の形態を説明する。なお、以下に記載する各実施の形態における表示装置は液晶表示装置を例に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
(面光源装置)
図5(a)および
図5(b)は、配光制御素子1を含む直下型の面光源装置100の構成を示す図であり、
図5(b)は面光源装置100の平面図である。
図5(a)は
図5(b)のA1−A1’における断面を示す。面光源装置100は、
図5(b)に示すように、平面視において矩形の形状を有する。面光源装置100は、配光制御素子1と反射シート6とを備える。反射シート6は、矩形状の底面6bと、その底面6bの各辺に接する4つの斜面6aとを含む。各斜面6aは、底面6bから外側に向けて勾配を有する。底面6bには基板2が配置され、その基板2上には配光制御素子1が配置される。基板2は、例えば実装基板である。配光制御素子1は、長手を有する第1レンズ4と、その第1レンズ4の両端に配置される第2レンズ5とを含む。なお、本明細書では、第1レンズ4が長手を有する方向をX方向、その第1レンズ4が実装される基板2に垂直な方向をZ方向、それらX方向およびZ方向に垂直な方向をY方向とする。また、面光源装置100は、底面6bに対面し斜面6aの外辺で囲まれる開口部を含む。図示は省略するが、液晶表示装置は、面光源装置100と、その開口部側に、拡散板、光学素子、表示パネル等をさらに備える。なお、本実施の形態1では、表示パネルは液晶パネルである。その液晶パネルの有効画面サイズは、
図5(a)および
図5(b)に示すX方向の長さE1とY方向の長さE2とからなる矩形状の面積である。反射シート6の底面6bの面積は液晶パネルの有効画面サイズよりも小さい。
【0023】
図6は、第1レンズ4、第2レンズ5および基板2の斜視図である。
図7は、第1レンズ4と第2レンズ5とが基板2の主面2aに実装された状態を示す斜視図である。基板2の主面2aには、複数の光源が列をなして配置される。本実施の形態1においては、それら光源はLED素子3である。第1レンズ4は、LED素子3の配列方向に長手を有する長尺レンズである。本実施の形態1では、面光源装置100は、2つの第2レンズ5を備え、各第2レンズ5は、第1レンズ4の各一端の表面4aを覆うように配置される。詳細は後述するが、これにより、第1レンズ4は第2レンズ5と基板2との間に保持される。また、LED素子3は、それら第1レンズ4および第2レンズ5の直下に配置される。つまり、配光制御素子1は、整列配置されたLED素子3を覆うように基板2の主面2a上に配置される。そして、配光制御素子1は、LED素子3から出射する光を屈折させて配光を変更する機能を有する。
【0024】
(第1レンズ)
図8は、第1レンズ4の断面図であり、その断面は長手の方向に対し垂直な面である。つまり、
図8は、第1レンズ4のYZ断面を示す図である。なお、
図8は、第1レンズ4が基板2の主面2aに実装された状態を示す。
【0025】
第1レンズ4は、長手の方向に対して直交する面において凸状の曲率を有する形状が、長手の方向に連続して形成される光出射面4bを有する。つまり、光出射面4bは、YZ断面において凸状の曲率を有する形状が、X方向に連続する面である。また、第1レンズ4は、YZ断面においてLED素子3を覆う凹状の形状がX方向に連続して形成される光入射面4cを有する。また、光入射面4cとLED素子3との間には空間が設けられる。
【0026】
図9は、第1レンズ4の長手の方向に平行な方向の断面つまりZX断面を示す図である。なお、その断面は第1レンズ4の中心を通る。光出射面4bおよび光入射面4cの形状は、X方向に一定である。よって、
図7に示した第1レンズ4の一端に位置する表面4aは、光出射面4bと同じ形状を有する。
【0027】
第1レンズ4は、LED素子3から出射する光を長手の方向に対して直交する方向に拡げる。つまり、第1レンズ4は、YZ面内で配光を制御する。その配光制御は、YZ平面における光入射面4cの形状または光出射面4bの形状を適当に設計することで可能である。つまり、LED素子3から出射する光は、第1レンズ4の断面形状によりYZ平面内で配光が変更される。一方で、光出射面4bおよび光入射面4cの形状は、X方向に一定である。特に、長尺レンズである第1レンズ4が押し出し成型によって製造される場合、X方向の光入射面4cおよび光出射面4bの形状は一定であり、適当に変えることができない。よって、ZX平面内における配光は、LED素子3の光学特性つまり配光特性によって決定される。なお、本実施の形態1における第1レンズ4は、押し出し成型によって作製される。
【0028】
(第2レンズ)
図10は、第2レンズ5の斜視図であり、第2レンズ5の裏面側つまり基板2に実装される方向から観察した図である。第2レンズ5は、基板2の主面2aに接着して固定するための接着部5aを裏面に含む。その接着部5aは裏面の任意の位置に配置されるが、
図10には、一例として裏面の3箇所に接着部5aが設けられた第2レンズ5を示す。基板2または第2レンズ5が熱膨張または熱収縮することによって各接着部5aの間隔も変化し得るが、その変化が双方の接着に影響しない程度の間隔で各接着部5aは配置される。つまり、基板2および第2レンズ5の線膨張係数の差による影響が小さいため、第2レンズは、基板2の主面2aに接着して固定することが可能である。
【0029】
図11は、第2レンズ5のZX断面図であり、
図10に示すA2−A2’における断面を示す。
図12は、第2レンズ5のYZ断面図であり、
図10に示すA3−A3’における断面を示す。なお、その断面は、基板2の主面2aに配置されたLED素子3の中心を通る。なお、
図11および
図12は、第2レンズ5が基板2の主面2aに実装された状態を示す。接着部5aが主面2aに接着され、第2レンズ5は位置が固定されている。なお、第1レンズ4の図示は省略している。
【0030】
第2レンズ5は、第1レンズ4の表面4a(
図6参照)に接触する保持部5dを含む。保持部5dは、第1レンズ4の表面4aに含まれる上面4d(後述する
図14に図示)に平行な第1保持面5eを含む。また、第2レンズ5の保持部5dは、第1レンズ4の表面4aに含まれる側面4e(後述する
図15に図示)に平行な第2保持面5fを含む。
【0031】
また、本実施の形態1において、第2レンズ5は、長尺レンズである第1レンズ4と同様の機能を有する長尺レンズ部5cと、第1レンズ4の長手の方向つまりX方向の配光を制御するための、丸型レンズと同様の機能を有する丸型レンズ部5bとを含む。丸型レンズ部5bは、
図6および
図11に示すように、3次元的な曲面からなる凸状の光出射面5gを有する。3次元的な曲面とは、そのXZ断面またはそのYZ断面のいずれにおいても、曲線を有する面をいう。また、長尺レンズ部5cは、保持部5dと丸型レンズ部5bとの間に配置される。また、丸型レンズ部5bと長尺レンズ部5cと保持部5dとは、X方向に順に配置され、それらは一体物である。
【0032】
第2レンズ5の長尺レンズ部5cは、第1レンズ4と同様に、YZ平面における断面形状が調整されることで、YZ方向の配光制御が可能である。第2レンズ5は、丸型レンズ部5bの光出射面5gによって、3次元的な配光制御を行う。つまり第2レンズ5は、LED素子3から出射する光を放射状に配光する。より具体的には、
図11に示す配置において、丸型レンズ部5bは、−X方向、±Y方向および+Z方向の配光制御を行う。このように、第2レンズ5は、第1レンズ4とは異なる配光特性を有する。
【0033】
(配光制御素子)
図13は、第1レンズ4が第2レンズ5によって保持された配光制御素子1を示す斜視図であり、配光制御素子1の裏面側つまり基板2に実装される方向から観察した図である。
図14は、配光制御素子1のZX断面図であり、
図13に示すA4−A4’における断面を示す。
図15は、配光制御素子1のYZ断面図であり、
図13に示すA5−A5’における断面を示す。
【0034】
第2レンズ5は、接着部5aが基板2の主面2aに接着されて固定される。この際、第2レンズ5の位置は、例えば基板2にピンで係合されることにより位置決めされる。もしくは、第2レンズは、接着時に治具にて位置決めされたうえで接着により固定される。これにより、第2レンズは、基板2上における位置が固定される。
【0035】
図14および
図15に示すように、第1レンズ4の一端に位置する表面4aは、上面4dと側面4eとを含む。表面4aは、上面4dから側面4eにかけて傾きがなだらかに変化する。本実施の形態1においては、上面4dとはその法線ベクトルがZ方向成分を主に有し、側面4eとはその法線ベクトルがY方向成分を主に有する面をいう。第2レンズ5の保持部5dが含む第1保持面5eの一部は、第1レンズ4の表面4aが含む上面4dに面接触する。これにより、第1レンズ4は、基板2の主面2aと第2レンズ5との間に保持される。さらに、それにより第1レンズ4は、基板2の主面2aに対して垂直方向つまりZ方向の位置が固定される。
【0036】
また、
図15に示すように、第2レンズ5の第2保持面5fの一部は、第1レンズ4の表面4aが含む側面4eに接触する。これにより、第1レンズ4は、第1レンズ4の長手の方向に直交しかつ基板2の主面2aに対して平行な方向の位置が固定される。すなわち第1レンズ4は、Y軸に平行な方向の位置が固定される。
【0037】
図14に示すように、配光制御素子1は、その長手の方向つまりX軸に平行な方向において、第1レンズ4と第2レンズ5との間に空隙5hを含む。つまり、第1レンズ4の一端に設けられ第2レンズ5に対向する第1端面4gと、その第1端面4gに対面する第2レンズ5の第2端面5iとが接触しないよう、第1端面4gと第2端面5iとの間に空間が設けられる。このような構成により、第1レンズ4は、X方向には完全には固定されず、位置が規制されるのみである。空隙5hは、第1レンズ4、第2レンズ5または基板2が熱膨張または熱収縮した際、緩衝スペースとして機能する。例えば、第1レンズまたは基板2が熱膨張または熱収縮した際、第1レンズ4は、YZ方向には第1保持面5eおよび第2保持面5fによって位置が固定されており、YZ方向には自由度がない。しかし、第1レンズ4は、X方向には第1保持面5eと上面4dとの摩擦力よりも大きな応力が加わることによって、僅かに滑ることができる。また、第1レンズ4が、熱膨張または熱収縮によってX方向に僅かに動いたとしても、空隙5hが設けられているため、第1レンズ4と第2レンズ5とが接触することがない。また、第2レンズ5の接着部5aにも、その接着を遊離させるような過剰な応力が加わることがない。空隙5hは、第1レンズ4および第2レンズ5が、基板2の主面2aから脱落または遊離することを防ぐ。例えば、配光制御素子1が空隙5hを備えない場合、第1レンズ4の第1端面4gと第2レンズ5の第2端面5iとが突き当り、双方が破損したり脱落したりする可能性がある。また、本実施の形態1においては、第1レンズ4の材料と第2レンズ5の材料とは同一である。このような構成により、配光制御素子1は、上記の熱膨張または熱収縮の影響を低減することができるため、空隙5hの狭小化が可能である。
【0038】
また、第2レンズ5の保持部5dまたは空隙5hは、平面視においてつまりXY面内において、隣り合うLED素子3の間に配置されることが好ましい。このような構成により、保持部5dまたは空隙5hが、LED素子3から出射する光の配光を妨げることを低減できる。
【0039】
(効果)
以上をまとめると、本実施の形態1における面光源装置100は、主面2aを含む基板2と、基板2の主面2aに、列をなして配置される複数の光源と、光源を覆うように基板2の主面2a上に配置され、光源から出射する光の配光を変更する配光制御素子1とを備える。なお、本実施の形態1では、光源はLED素子3である。その配光制御素子1は、光源の配列方向に長手を有する第1レンズ4と、第1レンズ4の長手の方向の一端または両端に配置され、かつ、その配置位置が固定される第2レンズ5とを含む。第1レンズ4は、第2レンズ5によって保持され、第2レンズ5は、第1レンズ4とは異なる配光特性を有する。
【0040】
以上のような構成により、面光源装置100は、長尺レンズである第1レンズ4に押し出し成型部品を使用したとしても、長手の方向またはそれ以外の方向にも配光制御が可能である。また、例えば、押し出し成型工程において第1レンズ4の全長だけを、面光源装置のモデルに合わせて調整して作製し、その両端に第2レンズを取り付けることで、全長が様々に異なる配光制御素子1を準備することが可能である。つまり、面光源装置100が備える配光制御素子1は、サイズ違いのモデルに展開する裕度を有する。よって、本実施の形態1にて示した面光源装置100は、画面サイズが異なる様々なモデルの表示装置に適用することができ、低コスト化を実現する。また、面光源装置100は、LED素子3が実装され温度が上昇する可能性のある基板2に、長尺レンズである第1レンズを接着手段やネジなどで直接固定する必要がない。さらに、面光源装置100は、第1レンズ4の配置位置を、その両端に備える第2レンズ5によって、長手の方向以外の方向を固定し、長手の方向は規制する。よって、面光源装置100は、基板2や配光制御素子1の熱膨張または熱収縮の悪影響を受けにくく従来よりも熱に対して広い許容度を有する。また、面光源装置100は、配光制御素子1の両端に備える第2レンズ5の丸型レンズ部5bの形状を適当に設計することで、丸型レンズと同様の配光制御、つまり3次元的な配光制御が可能である。その結果、面光源装置100は、従来よりも輝度均一性が向上する。
【0041】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第2レンズ5は、基板2の主面2aに配置位置が固定される。このような構成により、第1レンズ4は基板2に対して位置固定される保持手段を備える必要がない。よって面光源装置100は、基板2または第1レンズ4の熱膨張または熱収縮に対し従来よりも強い構造を有する。また、面光源装置100は、押し出し成型によって作製される長尺レンズつまり第1レンズを備えながらも、3次元的な配光制御が可能である。
【0042】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第2レンズ5は、第1レンズ4の一端または両端の表面4aに接触する保持部5dを含む。保持部5dは、基板2の主面2aとの間に第1レンズ4を保持する。このような構成により、第1レンズ4は、第2レンズ5によってその位置が固定される。つまり、第1レンズ4は基板2に対して位置固定する保持手段を備える必要がない。よって、面光源装置100は、基板2または第1レンズ4の熱膨張または熱収縮に許容度を有する。また、面光源装置100は、押し出し成型によって作製される長尺レンズつまり第1レンズを備えながらも、3次元的な配光制御が可能である。
【0043】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第2レンズ5の保持部5dは、第1レンズ4の表面4aが含む上面4dに平行な第1保持面5eを含む。第2レンズ5の第1保持面5eの少なくとも一部が、第1レンズ4の上面4dに面接触する。このような構成により、面光源装置100は、基板2の主面2aに対して垂直方向の第1レンズ4の位置を固定することができる。
【0044】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第2レンズの保持部5dは、第1レンズ4の表面4aが含む側面4eに平行な第2保持面5fを含む。第2レンズ5の第2保持面5fの少なくとも一部が、第1レンズ4の側面4eに面接触する。このような構成により、面光源装置100は、長手の方向に対して直交かつ基板2の主面2aに対して平行な方向の第1レンズ4の位置を固定することができる。
【0045】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第2レンズの保持部5dは、平面視において、列を成して配列される複数の光源のうち、隣り合う光源の間に配置される。このような構成により、第2レンズの保持部5dが光源から出射する光の配光を妨げることを抑制する。
【0046】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第1レンズ4は、一端に設けられ第2レンズ5に対向する第1端面4gをさらに含む。また、第2レンズ5は、第1端面4gに対向する第2端面5iをさらに含む。面光源装置100は、第1レンズ4の第1端面4gと第2レンズ5の第2端面5iとが接触しないよう、第1端面4gと第2端面5iとの間に空隙5hをさらに備える。このような構成により、面光源装置100は、配光制御素子1または基板2が熱膨張または熱収縮したとしても、基板2から第1レンズ4や第2レンズ5が脱落または遊離したり、位置がずれたりすることを防ぐ。
【0047】
また、本実施の形態1における面光源装置100が備える第1レンズ4は、長手の方向に対して直交する面において凸状の曲率を有する形状が、長手の方向に連続して形成される光出射面4b(第1光出射面)を有し、光源から出射する光を長手の方向に対して直交する方向に拡げる。また、第2レンズ5は、凸状の光出射面5g(第2光出射面)を有し、光源から出射する光を放射状に拡げる。このような構成により、面光源装置100は、配光制御素子1の長手の方向にも、配光制御が可能となる。そして、面光源装置100から出射される照明光の輝度均一性が向上する。特に、第2レンズ5は、3次元的な曲面からなる光出射面5gを有する丸型レンズ部5bを含む。よって、配光制御素子1は、その長手の方向の両端において3次元的に配光制御が可能である。つまり面光源装置100は、配光制御素子1の端部から放射状に配光制御が可能である。配光制御素子が第2レンズを備えない場合、その配光方向は、第1レンズの長手の方向とは直交する方向のみとなる。その結果、面光源装置の長手の方向の両端における光の強度が暗くなり、面光源装置から出射する面状の光に輝度ムラが生じるという課題が生ずる。そのような課題に対し、本実施の形態1にて記載した面光源装置100は、配光制御素子1の両端に備える第2レンズ5の丸型レンズ部5bの形状を適当に設計することで、丸型レンズと同様の配光制御、つまりXYZ方向すべての配光制御が可能である。長尺レンズである第1レンズ4が、押し出し成型によって製造される部品であっても、本実施の形態の配光制御素子1は、その両端の切断面にレンズ形状を追加加工する必要がない。よって、配光制御素子1つまり面光源装置100のコストアップを抑制できる。また、配光制御素子1は、その追加加工による光学性能の劣化を回避できる。
【0048】
また、本実施の形態1における液晶表示装置は、面光源装置100と、面光源装置100より出射する面状の光が照射される液晶表示パネルとをさらに備える。このような構成により、液晶表示装置は、面光源装置100より均一な照明光が照射されるため、映像品質が向上する。
【0049】
<実施の形態2>
図16は、本実施の形態2における第1レンズ4、第2レンズ5および基板2の斜視図である。
図17は、第1レンズ4と第2レンズ5とが基板2の主面2aに実装された状態を示す斜視図である。なお、
図16および
図17は、第1レンズ4の光入射面および配光制御素子1に覆われるLED素子の図示は省略しているが、それらは
図6および
図7と同様である。
図18は、本実施の形態2における第2レンズ5の斜視図であり、第2レンズ5の裏面側つまり基板2に実装される方向から観察した図である。
図19は、配光制御素子1のZX断面図であり、
図14と同様に配光制御素子1の中心を通る断面を示す。
図20は、配光制御素子1のYZ断面図であり、
図19に示すA6−A6’を含む断面を示す。
【0050】
第1レンズ4は、長手の方向に直交する面つまりYZ面において、表面4aに凹状の形状を有する。そして、第1レンズ4は、その凹状の形状が長手の方向に連続して形成される凹面部4hを含む。第2レンズ5の保持部5dは、第1レンズの凹面部4hに接触する凸部5jを含む。
【0051】
第2レンズ5の凸部5jが、第1レンズ4の凹面部4hに接触することにより、第1レンズ4は、基板2の主面2aと第2レンズ5との間に保持される。また、第1レンズ4は、基板2の主面2aに対して垂直方向つまりZ方向の位置が固定される。
【0052】
図20に示すように、第1レンズ4の凹面部4hは、YZ平面において、第2レンズの凸部5jに係合していることにより、Y方向の自由度が制限される。つまり、第1レンズ4は、長手の方向に直交しかつ基板2の主面2aに対して平行な方向の位置が固定される。
【0053】
一方で、本実施の形態2において、第1レンズ4は、凹面部4hの形状が長手と平行な方向に連続する面を有する。また、実施の形態1と同様に、配光制御素子1は、第1端面4gと第2端面5iとの間に空隙5hを含む。ゆえに、第1レンズ4のX方向の位置は、完全には固定されず、規制されるのみである。空隙5hは、第1レンズ4、第2レンズ5または基板2が熱膨張または熱収縮した際、緩衝スペースとして機能する。これらの動作と効果は、実施の形態1と同様であり説明は省略する。
【0054】
また、第2レンズの凸部5jおよび空隙5hは、LED素子3から離れた位置に配置されることが好ましい。つまり、第2レンズ5の保持部5dおよび空隙5hは、平面視において、隣り合うLED素子3の間に配置されることが好ましい。このような構成により、凸部5jおよび空隙5hが、LED素子3から出射する光の配光を妨げることを低減できる。
【0055】
また、
図21に示すように、本実施の形態2の面光源装置は、第1レンズの凹面部4hと第2レンズの凸部5jとで形成される凹凸関係が逆転した構成を有する配光制御素子1を備えることができる。
図21に示す配光制御素子1の第1レンズ4は、長手の方向に直交する面において、表面4aに凸状の形状を有する。そして、第1レンズ4は、その凸状の形状が長手の方向に連続して形成される凸面部4iを含む。第2レンズ5の保持部5d(
図21には図示せず)は、第1レンズ4の凸面部4iに接触する凹部5kを含む。
【0056】
第2レンズ5の凹部5kは、第1レンズ4の凸面部4iに接触する。これにより、第1レンズ4は、基板2の主面2aと第2レンズ5との間に保持される。また、第1レンズ4は、基板2の主面2aに対してZ方向の設置位置が固定される。また、第1レンズ4の凸面部4iは、YZ平面において、第2レンズの凹部5kに係合していることにより、Y方向の自由度が制限される。つまり、第1レンズ4は、Y軸に平行な方向の位置が固定される。
【0057】
一方で、第1レンズ4の凸面部4iは、X方向には長手と平行な方向に連続する面を有する。また、図示は省略するが、配光制御素子1は、上記と同様の空隙5hを含む。ゆえに、第1レンズ4のX方向の設置位置は、完全には固定されず、規制されるのみである。これらの動作と効果は、実施の形態1と同様である。
【0058】
以上をまとめると、本実施の形態2における面光源装置が備える第1レンズ4は、長手の方向に直交する面において、表面4aに凹状の形状を有し、その凹状の形状が長手の方向に連続して形成される凹面部4hを含む。第2レンズ5の保持部5dは、第1レンズ4の凹面部4hに接触する凸部5jを含む。このような構成により、第1レンズ4の凹面部4hと第2レンズ5の凸部5jとは、長手の方向に対して直交かつ基板の主面に対して平行な方向における第1レンズ4の位置を固定することができる。実施の形態1に記載した第2レンズ5の第1保持面5eが、第1レンズ4の上面4dに面接触して第1レンズ4を保持することが困難な場合、本実施の形態2の上記の構成は有効である。例えば、図示は省略するが、凹面部4hに微細な凹凸形状が設けられている場合や別部品との接触を避けなければならない形状である場合に、上記の構成は有効である。また、
図19および
図20に示した凹面部4hの形状および凸部5jの形状は、一例でありそれらに限られない。表面4aにおける凹面部4hおよび保持部5dにおける凸部5jの形状と配置位置は、LED素子3に対する第1レンズ4のY方向の位置が決定される形状と位置であれば良い。
【0059】
また、本実施の形態2における面光源装置が備える第1レンズ4は、長手の方向に直交する面において、表面4aに凸状の形状を有し、その凸状の形状が長手の方向に連続して形成される凸面部4iを含む。第2レンズ5の保持部5dは、第1レンズ4の凸面部4iに接触する凹部5kを含む。このような構成により、第1レンズ4の凸面部4iと第2レンズ5の凹部5kとは、長手の方向に対して直交かつ基板の主面に対して平行な方向における第1レンズ4の位置を固定することができる。
【0060】
<実施の形態3>
本実施の形態3における面光源装置および液晶表示装置について説明する。本実施の形態3においては、配光制御素子1が含む第2レンズ5の位置固定手段の例を示す。なお、実施の形態1または実施の形態2と同様の構成および動作については説明を省略する。
【0061】
まず、第2レンズ5が係合構造によって基板2に固定される例を示す。
図22は、係合構造によって固定される第2レンズ5およびその第2レンズ5が固定される基板2の斜視図である。第2レンズ5は係合構造5mを含む。その係合構造5mとは、例えばスナップフィット
である。基板2は切欠き部2bを含む。第2レンズ5は、係合構造5mが基板2の切欠き部2bに係合して位置が固定される。なお、
図22に示す係合構造5mの形状は一例であり、それに限らない。実施の形態1と同様に、第2レンズ5は、基板2の主面2aとの間に第1レンズ4を保持する。第2レンズ5の第1保持面5eの構成と第1レンズ4の上面4dの構成とは、実施の形態1と同様である。係合構造5mは、切欠き
部2bと係合の後、
図14に示す第2レンズ5の第1保持面5eと第1レンズ4の上面4dとの間に、配光制御素子1の光学性能に支障をきたすほどの空隙が生じない形状を有する。
【0062】
次に、第2レンズ5がネジによって基板2に固定される例を示す。
図23は、ネジによって固定される第2レンズ5およびその第2レンズ5が固定される基板2の斜視図である。第2レンズ5はネジ止め部5nを含む。基板2はネジ穴2cを含む。ネジ7がそのネジ止め部5nを通して基板2のネジ穴2cにネジ止めされる。それにより、第2レンズ5が位置固定される。第2レンズ5は、基板2の主面2aとの間に第1レンズ4を保持する。なお、ネジ止め部5nは、ネジ止め後、
図14に示す第2レンズ5の第1保持面5eと第1レンズ4の上面4dとの間に、配光制御素子1の光学性能に支障をきたすほどの空隙が生じない形状を有する。
【0063】
次に、第2レンズ5が筐体に固定される例を示す。
図24は、筐体8に固定される第2レンズ5およびその筐体8の斜視図を示す。筐体8はネジ穴8aを有する。ネジ7は、ネジ止め部5nを通してネジ穴8aにネジ止めされる。それにより、第2レンズ5は位置固定される。基板2と第1レンズ4とは、第2レンズと筐体8との間に固定される。図示は省略するが、基板2に貫通穴を設け、その貫通穴にネジ7を通して、第2レンズ5と基板2と筐体8とをともにネジ止めしても良い。なお、第2レンズ5の筐体8へのネジ7による固定は一例である。
【0064】
(効果)
以上をまとめると、本実施の形態2における面光源装置は、基板2が保持される筐体8をさらに備え、第2レンズ5は筐体8に配置位置が固定される。このような構成により、面光源装置は、例えば、基板2や配光制御素子1に不具合が生じた際に、容易にそれらを交換することができる。また、第1レンズ4は基板2または筐体8に対して位置固定される保持手段を備える必要がない。第1レンズ4は、第2レンズ5を介して基板2または筐体8に対する位置が固定される。つまり、位置固定するための接着部や保持形状を、第1レンズ4自身や基板2に設けることなく、長尺レンズである第1レンズ4の位置固定が可能である。
【0065】
また、本実施の形態2における面光源装置が備える第2レンズは、係合構造5mまたはネジ7により、基板2に固定される。このような構成により、面光源装置は、例えば、基板2や配光制御素子1に不具合が生じた際に、容易にそれらを交換することができる。この際、第2レンズ5は基板2と位置決めピンで係合させるなどの方法により、基板2と位置関係を決めるものとする。この位置決め方法は、丸型レンズの配光制御素子を実装基板に実装する際に、その位置決めに一般的に実施されている方法である。また、第2レンズ5が係合構造5mによって、固定される場合、その製造工程が簡略化できる。つまり、面光源装置の製造工程において、接着に使用する治具や乾燥工程が不要となる。
【0066】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。