(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
皮膚軟化剤、保潤剤、フリーラジカルを撲滅するための薬剤、抗炎症剤、ビタミン、脱色素剤、抗ニキビ剤、抗脂漏剤、抗真菌剤、角質溶解剤、サンスクリーン剤、痩身剤又は皮膚着色剤から選択される一つ又は複数の活性成分を追加で含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
分散剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、脂肪性物質、増粘剤、色素、香料、界面活性剤、ゲル化剤、錯化剤、中和剤、発泡性乳化剤、非発泡性乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、還元剤、臭気矯正剤、可塑剤、柔軟剤、保湿剤、顔料、クレイ、無機充填剤、無機コロイド、ポリマー、タンパク質、真珠光沢剤、ワックス、油、脂肪酸、脂肪アルコール若しくは脂肪酸の固体エステル、ガム状物又は湿潤剤から選択される一つ又は複数の薬剤を追加で含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
組成物は、その組成物単独により泡状物の形態をとることができ、したがって局所適用のための自己発泡性組成物として定義されてもよい。
【0021】
その結果として、本発明の第一の主題は、有利には半固体の稠度を持つ泡状物の形態で提供される、局所適用が意図されている過酸化ベンゾイルを含む組成物であって、発泡性界面活性剤が殆ど又は全くない(全組成物の質量に対して、1質量%以下の含有量)、特に皮膚へのすすぎ落とす局所適用に化粧的に又は薬学的に適合性の媒体を含む、組成物である。
【0022】
泡状物の形態で提供される組成物(以下、自己発泡性組成物とも呼ぶ)は、泡状物に相当する気泡化形態を有する、半固体の稠度を持つ組成物を意味すると理解されている。
【0023】
本自己発泡性組成物は、少なくとも以下の成分:
- 少なくとも一つの中間組成物又は配合物、
- 少なくとも一つのガス発生剤、
- ガス発生剤を活性化させる少なくとも一つの薬剤、及び
- 過酸化ベンゾイル
を含む。
【0024】
好ましい態様において、自己発泡性組成物は、可変割合の少なくとも二つの中間組成物又は配合物、特に以下の成分:
- 少なくとも一つの中間組成物又は配合物A、
- 少なくとも一つの中間組成物又は配合物B、
- 少なくとも一つのガス発生剤、
- ガス発生剤を活性化させる少なくとも一つの薬剤、
- 中間組成物の少なくとも一つ中に存在する過酸化ベンゾイル
を含む。
【0025】
好ましくは、ガス発生剤は、上述の中間配合物の一つ中に存在する。
【0026】
更に一層好ましい態様において、自己発泡性組成物は、可変割合の少なくとも二つの中間組成物又は配合物、特に以下の成分:
- ガス発生剤を活性化させる薬剤を含む少なくとも一つの中間組成物又は配合物A、
- ガス発生剤を含む少なくとも一つの中間組成物又は配合物B、
- 前記中間配合物A及びBの少なくとも一つ中に存在する過酸化ベンゾイル
を含む。
【0027】
好ましくは、過酸化ベンゾイルは、中間組成物A中に存在する。
【0028】
本発明による組成物は、自己発泡性である、すなわち、中間組成物A及びBの単純混合によって発泡する。
【0029】
中間組成物(又は中間配合物)中に存在する薬剤に、及び前記組成物中におけるそれらの割合にも応じて、後者は、すべての医薬剤形で提供されてよく、又は、局所適用のために、化粧品において及び/若しくは医薬品において使用され得るすべての公知の質感をとり得る。
【0030】
好ましくは、本発明による各中間組成物(又は中間配合物)は、故に、例えば、ゲル、エマルション(クリーム、界面活性剤フリークリーム、ローション、ミルク又は流体クリーム)、セラム、溶液又は懸濁液の形態で、好ましくは、エマルション(クリーム、界面活性剤フリークリーム、ローション、ミルク又は流体クリーム)又はゲルの形態で提供され得る。これらの配合物はすべて、本発明の文脈における発泡性組成物の定義に入る。
【0031】
本発明によれば、各中間組成物(又は配合物)は、Brookfield社RV DV-IIタイプ:スピンドル6、スピード2の従来の方法で測定された、1cPから500000cPの間、有利には500cPから350000cPの間の粘度(25℃及び大気圧で測定したもの)を呈することができる。
【0032】
本発明によれば、ガス発生剤によって発生したガスは、例えば二酸化炭素(CO
2)又は酸素(O
2)等の泡状物を取得することを可能にする任意の生理学的に適合性のガスであってよい。
【0033】
本発明によれば、ガス濃度を変動させることが可能であれば、組成物中における泡の量は変動することができ、故に、気泡化が不十分な状態から非常に強く気泡化されている状態に及び得る組成物を得ることができる。
【0034】
本発明によれば、ガス発生剤を活性化させる薬剤は、ガス発生剤との化学反応により、ガスを放出する成分を意味すると理解されている。好ましくは、酸/塩基反応が関与する。
【0035】
故に、本発明によれば、自己発泡性組成物は、好ましくは、気泡化から高度に膨張した泡状物の範囲にわたるすべての形態で提供され得る。
【0036】
本発明による組成物は、局所適用に好適であり、加えて、生理学的に許容される媒体、すなわち、皮膚及び身体表面成長部と適合性の媒体を含み得る。これは、好ましくは、化粧的に又は薬学的に許容される媒体である。
【0037】
加えて、組成物は、場合により治療活性を呈することができる任意の活性剤を含み得る。これらの活性剤は、とりわけ、皮膚軟化剤、保潤剤、フリーラジカルを撲滅するための薬剤、抗炎症剤、ビタミン、脱色素剤、抗ニキビ剤、抗脂漏剤、抗真菌剤、角質溶解剤、サンスクリーン剤、痩身剤又は皮膚着色剤から選択され得る。
【0038】
本発明による組成物は、上述の活性成分に加えて、分散剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、脂肪相、脂肪性物質、増粘剤、色素、香料、非発泡性界面活性剤、ゲル化剤、錯化剤、中和剤、臭気矯正剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、還元剤、可塑剤、柔軟剤、保湿剤、顔料、クレイ、無機充填剤、無機コロイド、ポリマー、タンパク質、真珠光沢剤、ワックス、油、例えば、パラフィン、脂肪酸、脂肪アルコール若しくは脂肪酸の固体エステル等、ガム状物又は湿潤剤等の、化粧的に及び/又は薬学的に許容されるアジュバントを含み得る。
【0039】
当然ながら、当業者ならば、本発明による組成物に添加され得る活性成分の特性が、想定される添加によって悪影響を受けることがない、又は実質的にないように、この又はこれらの任意選択の追加のアジュバント及び/又はそれらの量を入念に選択するであろう。
【0040】
FD&C青色1号等の色素が、中間組成物の少なくとも一つ中に存在してもよい。そのような色素は、配合物中間体の一つを着色するという利点を呈する。この着色は、二つの配合物中間体の満足な混合をモニターし、泡状物の形成を始めることを可能にする。
【0041】
本発明によれば、自己発泡性組成物(すなわち、すぐに適用可能な組成物)は、2から8の間、好ましくは3から7の間のpHを有し得る。
【0042】
中間組成物(又は配合物)が、成分の安定性を理由として少なくとも2の区画での貯蔵を必要とする限りにおいて、本発明は、好ましくは2若しくは3の区画を含む単一の区画化された容器(各区画は一つの中間配合物を含有できる)、又は、互いに独立して貯蔵され、物理的に分離された各中間配合物を含むキットのいずれかに関する。
【0043】
中間配合物の(皮膚へ直接的に又は任意の他の支持体への)使用時における密な混合により、本発明による自己発泡性組成物を取得することが可能になる。
【0044】
より具体的には、中間組成物(又は配合物)Aは、溶液、エマルション(ローション、クリーム、乳化剤フリークリーム、ミルク、流体クリーム)又はゲルの形態で提供され得る。この組成物は、有利には、ガス発生剤を活性化させる十分な量の薬剤、好ましくは酸(酸性pHの酸/塩基緩衝剤の形態で提供され得る)を含み、これは、非限定的な例として、クエン酸/クエン酸ナトリウムペアであってよい。
【0045】
配合物Bは、溶液、ゲル又はエマルション(ローション、クリーム、乳化剤フリークリーム、ミルク、流体クリーム)の形態で提供され得る。この組成物は、有利には、十分な量の、特に重炭酸ナトリウムであってよいガス発生剤を含む。
【0046】
故に、本発明の別の主題は、本発明による自己発泡性組成物の使用時に、少なくとも二つの中間配合物(又は中間組成物):
- ガス発生剤を活性化させる少なくとも一つの薬剤を含む中間配合物A;及び
- 少なくとも一つのガス発生剤を含む中間配合物Bと;
- 前記中間配合物A及びBの少なくとも一つ中に存在する過酸化ベンゾイルと
を別個に含む調製を可能にする、上記で定義された通りのキット又は単一の多区画容器である。
【0047】
好ましくは、過酸化ベンゾイルは、中間組成物A中に存在する。
【0048】
ガス活性化剤:
ガス発生剤を活性化させる薬剤(「ガス活性化剤」によっても表される)は、ガス発生剤と化学反応(好ましくは酸/塩基反応)によって反応してガスを放出する化合物である。
【0049】
これは、有利には、酸、部分的に塩化したポリ酸塩、若しくは弱酸及びその共役塩基の緩衝液、又はそのような化合物の混合物である。
【0050】
本発明によれば、前記酸の酸/塩基緩衝剤は、例えば、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤、そうでなければ酒石酸/酒石酸ナトリウム緩衝剤等の、弱酸の任意の酸/塩基緩衝剤であってよい。好ましくは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸又は乳酸だけでなくリン酸及びピロリン酸等、好ましくは2から6の間のpKaを有する弱酸である、α-ヒドロキシ酸、並びに、ピロリン酸二ナトリウム、又はリン酸一ナトリウムとしても公知であるリン酸二水素ナトリウム等、それらの部分的に塩化した塩が挙げられるであろう。
【0051】
好ましくは、本発明によれば、ガス活性化剤は、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤単独、単独であるか、又はクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤との混合物としての、リン酸、リン酸ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム(disodium pyropyrophosphate)から選択される。
【0052】
非常に好ましい実施形態によれば、ガス活性化剤は、単独であるか、又はリン酸ナトリウム及び/若しくはピロリン酸二ナトリウムとの混合物としての、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤である。
【0053】
敏感肌又はニキビに罹患している皮膚等の傷んだ肌のための組成物において、クエン酸/クエン酸ナトリウムの含有量は、好ましくは、刺痛のあらゆるリスクを限定するように、中間組成物Aの総質量に対して2.4%以下である。忍容性を改善させ、刺痛の感覚を回避するために、好ましくは、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤を、ピロリン酸二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムとの混合物として用いる。
【0054】
本発明によれば、前記ガス活性化剤は、中間配合物A中に、中間配合物Aの総質量に対して0.001%から95質量%に及び得る量で存在し得る。
【0055】
ガス発生剤:
ガス発生剤は、化学反応によってガスを発生させるという特性を有する任意の薬剤を意味すると理解されている。これに関して、弱酸と混合すると、下記:
NaHCO
3 + RCOOH→RCOONa + H
2O + CO
2
と同等の化学反応によってガスを形成することができる任意の化合物が挙げられるであろう。
【0056】
本発明によれば、中間組成物B中に存在するガス発生剤から発生するガスは、好ましくは、二酸化炭素(CO
2)である。
【0057】
本発明によれば、ガス発生剤は、好ましくは、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びそれらの混合物から選択される。
【0058】
好ましくは、本発明によれば、中間配合物Bは、二酸化炭素を発生させる薬剤を含み、この薬剤は、特に好ましくは、重炭酸ナトリウムである。
【0059】
前記ガス発生剤は、中間配合物B中に、配合物Bの質量に対して、1から10質量%、好ましくは2から8質量%の範囲の量で存在し得る。
【0060】
本発明によれば、中間配合物Aは、酸性、有利には1から6の間のpHを呈してよく、中間配合物Bは、塩基性、有利には7から12の間のpHを呈してよい。
【0061】
本発明によれば、上述した一つ(又は複数)の中間配合物A及びBは、過酸化ベンゾイルを、全組成物の質量に対して、質量で0.0001%から20%の過酸化ベンゾイル、好ましくは0.025%から10%、また更に好ましくは2.5%から5%の範囲の量で含む。
【0062】
本明細書において、全組成物又は全配合物は、前記中間組成物が混合された後の泡状物の形態の生成物の組成物を意味すると理解される。好ましくは、BPOは、その安定性を最適化するために、酸性pHで組成物A中に存在する。
【0063】
中間配合物Aは、配合物Aを配合物Bと混合することによって取得された最終組成物に所望される医薬剤形と適合性のすべての医薬剤形で提供され得る。有利には、配合物Aは、ゲル、溶液、懸濁液又はエマルション(クリーム、界面活性剤フリークリーム、ローション、ミルク、流体クリーム)、好ましくは、BPOの懸濁及び安定性を保証するゲルであってよい。特に好ましい実施形態によれば、中間配合物Aは、ゲルである。
【0064】
中間配合物Bは、配合物Bを配合物Aと混合することによって取得された最終組成物に所望される医薬剤形と適合性のすべての医薬剤形で提供され得る。有利には、配合物Bは、ゲル、溶液、懸濁液又はエマルション(クリーム、界面活性剤フリークリーム、ローション、ミルク、流体クリーム)、好ましくはゲル、溶液又はエマルションであってよい。特に好ましい実施形態によれば、中間配合物Bは、エマルションであり、後述する通り、一つ又は複数の油を含む脂肪相を含む。
【0065】
本発明に従う上記で定義された通りのキット又は多区画容器の各配合物は、化合物を運搬し、化合物が少なくとも中間配合物A及びBの混合中に自己発泡性組成物を形成するために互いに反応することができるように選択される、生理学的に許容される媒体を含む。
【0066】
故に、少なくとも二つの配合物、例えば配合物A及び配合物Bの使用時における混合は、本発明による自己発泡性組成物を作り出す。
【0067】
二つの配合物A及びBの混合中に、重炭酸ナトリウム等のガス発生剤は、酸等のガス活性化剤と反応させることができ、それにより、特に、酸、水及びCO
2ガスに対応する塩を得る。本発明の自己発泡性組成物を特徴付ける泡状物を作り出すのは、組成物の泡中に捕捉されたこのガスである。
【0068】
故に、少なくとも中間配合物A及び中間配合物Bの混合により、本発明による、全組成物と称される泡状組成物が取得される。
【0069】
未反応のガス活性化剤及び/又はガス発生剤は、当然ながら、少なくとも配合物A及びBを混合した後に取得された組成物中に残り得る。
【0070】
有利には、本発明によるキット又は単一の多区画容器は、本発明による組成物の調製中に、中間配合物A及びBが、0.5から2、好ましくは0.5から1.5の範囲の、より好ましくはおよそ1 (すなわち、0.9から1.1)の、また更に好ましくは1のA/B質量比で混合され得るように設計されていてよい。これは、キットが、1当量のA当たり2当量のBから1当量のB当たり2当量のA、好ましくは1当量のA当たり2当量のBから2当量のB当たり3当量のAの範囲の質量比であってよい用量(質量で)の中間組成物A及びBを同時に放出するために設計され得ることを意味する。本発明の好ましい実施形態によれば、キットは、質量で1用量のA及び質量で1用量のBを同時に放出するために設計される。
【0071】
本発明によれば、キットは、一方では、中間配合物A及びBの別個の貯蔵、並びに、他方では、使用時におけるA及びBの混合を行うための能力と適合性の、任意の形態で提供され得る。
【0072】
例えば、中間配合物A及びBは、それぞれA又はBを含む少なくとも二つの別個の区画を持つケース内にあってよい。
【0073】
別の態様によれば、キットは、それぞれにピストンが設けられた少なくとも二つの別個の筐体を有するシリンジの形態で提供されてよく、前記二つの筐体は、A及びBを含み、ピストンへの力の行使によって所望の用量のA及びBを同時に放出するために設計されている。
【0074】
本発明は、自己発泡性組成物を取得するために、上記で定義された通りのキットの少なくとも一用量の中間配合物A及び一用量の中間配合物Bが、使用時に、0.5から2、好ましくは0.5から1.5に及び得る、より好ましくは1の相対的質量割合A/Bで混合されることを特徴とする、本発明による組成物の調製のための方法にも関する。
【0075】
最適泡状物(最終組成物)を取得するために、本発明者らは、ガス発生剤(好ましくは重炭酸ナトリウム)及びガス活性化剤(好ましくは、クエン酸及び/若しくはピロリン酸二ナトリウム並びに/又はリン酸二水素ナトリウム)の最適含有量を実験的に調査した。
【0076】
このようにして、ガス活性化剤がクエン酸である場合、全組成物中におけるクエン酸/重炭酸ナトリウム質量比は、0.1から2の間、優先的には0.5から1の間、好ましくは0.7に等しいことが実験的に決定された。
【0077】
同様に、ガス活性化剤がピロリン酸二ナトリウムである場合、全組成物中におけるピロリン酸二ナトリウム/重炭酸ナトリウム質量比は、0.5から5の間、優先的には1から3の間、好ましくは2.4に等しいことが決定された。
【0078】
同様に、ガス活性化剤がリン酸二水素ナトリウムである場合、全組成物中におけるリン酸二水素ナトリウム一水和物/重炭酸ナトリウム質量比は、0.5から5の間、優先的には1から3の間、好ましくは2に等しいことが決定された。
【0079】
重炭酸ナトリウム/クエン酸、重炭酸ナトリウム/ピロリン酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム/リン酸水素ナトリウム比は、実施例4において例示されている。
【0080】
驚くべきことに、医薬剤形と適合性のクエン酸/クエン酸ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム及びゲル化システムで形成された組合せは、非常に安定な物理化学的特性(table I (表1)を参照)を持ち、BPOが特に安定である(table II (表2)を参照)配合物を取得することを可能にし、これは、皮膚にいかなる不快な感覚も発生させず、ガスの放出、故に泡状物の作成を可能にする。
【0081】
組成物は、その感覚刺激特性、そのpH、その粘度及びBPOの均質性が、異なる温度条件:室温(AT)、30℃及び40℃下で時間と共に変化しない場合に、物理的に安定とみなされる。
【0082】
本発明によれば、室温は、15℃から25℃の範囲の温度に対応する。
【0084】
組成物は、それが含む活性成分の含有量が、異なる温度条件(AT、30℃及び40℃)下で時間と共に変化しない場合に、化学的に安定とみなされる。
【0085】
本発明によれば、組成物は、BPOの含有量(中間配合物の質量に対する質量によって表現される)が、90%から110%の範囲の仕様内に含まれる場合に、安定とみなされる。
【0087】
本発明による組成物は、分散剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、脂肪性物質、増粘剤、色素、香料、界面活性剤、ゲル化剤、錯化剤、中和剤、発泡性乳化剤、非発泡性乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、還元剤、臭気矯正剤、可塑剤、柔軟剤、保湿剤、顔料、クレイ、無機充填剤、無機コロイド、ポリマー、タンパク質、真珠光沢剤、ワックス、油、例えば、パラフィン若しくはシリコーン、脂肪酸、脂肪アルコール若しくは脂肪酸の固体エステル等、ガム状物又は湿潤剤から選択される一つ又は複数の薬剤を追加で含み得る。
【0088】
(経験式C
37H
34N
2Na
2O
9S
3の)FD&C青色1号等の水溶性色素及びスーダンレッドIII又はナイルレッド等の脂溶性色素は、配合物中間体の一つを着色するという利点を呈する。この着色は、二つの配合物中間体の満足な混合をモニターし、泡状物の形成を始めることを可能にする。この着色は、特に実施例及び
図1において提示されている。
【0089】
ガス活性剤を含む中間配合物のためのゲル化剤
好ましくは少なくとも一つのガス活性化剤を含む中間組成物Aは、好ましくは、少なくとも一つのゲル化剤及び/又は懸濁化剤を含む。
【0090】
BPOを含むゲルは、安定させるのが非常に困難であることが公知である。これらの配合物の粘度及び懸濁力は、多くの場合、長期間にわたって保証することが難しい。更に、配合物Aは、大量の酸及び電解質を含み得る。
【0091】
BPO、電解質及び酸性pH値に対して同時に抵抗性であり、本発明による組成物A中に存在することができるゲル化剤及び/又は懸濁化剤の非限定的な例として、Seppic社によってSepiplus 400 (登録商標)の名称で販売されているポリアクリレート-13及びポリイソブテン及びポリソルベート20等のすぐに使用できる混合物、非限定的な例として、Kelco社によって販売されているXantural 180 (登録商標)等のキサンタンガムを加えた多糖類、Kelco社によってKelcogel (登録商標)の名称で販売されているジェランガム、Alban Muller Industrie社によってAmigel (登録商標)の名称で販売されている菌核粒子ガム、Rhodia社によってJaguar HP-105 (登録商標)の名称で販売されているヒドロキシプロピルグァー等のグァーガム及びその誘導体、Hercules社によってBlanose CMC 7H4XF (登録商標)の名称で販売されている微結晶性セルロース及びカルボキシルメチルセルロースナトリウム等のセルロース及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、特に、Dow Chemical社によってMethocel E4M (登録商標)プレミアムの名称で販売されている製品、又はヒドロキシエチルセルロース、特に、Aqualon社によってNatrosol HHX 250 (登録商標)の名称で販売されている製品、Vanderbilt社によって販売されているVeegum K (登録商標)、Veegum Plus (登録商標)又はVeegum Ultra (登録商標)等のケイ酸マグネシウムアルミニウムのファミリー、Structure Solanace (登録商標)の名称で販売されている変性バレイショデンプン等の変性デンプンのファミリー、IMCD社によって販売されている、Viscarin (登録商標)及びGelcarin (登録商標)製品等、特に四つの大きなファミリー:κ、λ、β及びωに分類されるカラギーナンのファミリーを挙げることができる。そうでなければ、Merck社によってPOLYVINYL ALCOHOL 40-88 (登録商標)の名称で販売されている、略称PVAでも公知であるポリビニルアルコール。好ましくは、Veegum K (登録商標)及びXantural 180 (登録商標)が組み合わせて使用される。
【0092】
上述した通りのゲル化剤を、中間配合物Aの質量に対して、0.001%から15%の範囲の、より好ましくは0.15から5質量%の範囲の好ましい濃度で使用してよい。
【0093】
ガス発生剤を含む中間配合物のためのゲル化剤
好ましくは少なくとも一つのガス発生剤を含む中間組成物Bは、好ましくは、少なくとも一つのゲル化剤及び/又は懸濁化剤を含む。
電解質及び塩基性pH値の両方に対して抵抗性であり、本発明による中間組成物Bに関与することができるゲル化剤及び/又は懸濁化剤の非限定的な例として、アクリレート/C10〜30アクリル酸アルキルクロスポリマー等のアクリル酸ポリマー、例えば、Lubrizol社によってUltrez 20 (登録商標)、Ultrez 10 (登録商標)、Carbopol 1382 (登録商標)、Carbopol ETD2020NF (登録商標)又はAqua SF1 (登録商標)の名称で販売されている電解質に非感受性として記述されているカルボマー、Seppic社によってSepiplus 265 (登録商標)の名称で販売されているアクリル酸アンモニウム/アクリルアミドコポリマー及びポリイソブテン及びポリソルベート20混合物、非限定的な例として、Kelco社によって販売されているXantural180 (登録商標)等のキサンタンガムを加えた多糖類、Kelco社によってKelcogel (登録商標)の名称で販売されているジェランガム、Alban Muller Industrie社によってAmigel (登録商標)の名称で販売されている菌核粒子ガム、Rhodia社によってJaguar HP-105 (登録商標)の名称で販売されているヒドロキシプロピルグァー等のグァーガム及びその誘導体、Hercules社によってBlanose CMC 7H4XF (登録商標)の名称で販売されている微結晶性セルロース及びカルボキシルメチルセルロースナトリウム等のセルロース及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、特に、Dow Chemical社によってMethocel E4Mプレミアム (登録商標)の名称で販売されている製品、又はヒドロキシエチルセルロース、特に、Aqualon社によってNatrosol HHX 250 (登録商標)の名称で販売されている製品、Vanderbilt社によって販売されているVeegum K (登録商標)、Veegum Plus (登録商標)又はVeegum Ultra (登録商標)等のケイ酸マグネシウムアルミニウムのファミリー、Structure Solanace (登録商標)の名称で販売されている変性バレイショデンプン又はAkzo Nobel社によって販売されているNaviance Tapioca P (登録商標)の名称で公知のタピオカ粉デンプン等の変性デンプンのファミリー、又はIMCD社によって販売されている、Viscarin (登録商標)及びGelcarin (登録商標)製品等、特に四つの大きなファミリー:κ、λ、β及びωに分類されるカラギーナンのファミリーを挙げることができる。
【0094】
上述した通りのゲル化剤を、中間配合物Bの質量に対して、0.001%から15%の範囲の、より好ましくは0.15から5質量%の範囲の好ましい濃度で使用してよい。
【0095】
湿潤剤
本発明による組成物は、一つ又は複数の湿潤剤を含み得る。この場合、この又はこれらの湿潤剤は、BPOを含む中間組成物中に存在する。
【0096】
表面張力を低減させ、BPOを、配合物により簡単に、主としてその粉砕中に組み込むという役割を有する湿潤剤の中でも、好ましくは、この一覧で限定されないが、好ましくは10から14のHLBを呈することができる湿潤剤、ポロキサマー及び/又はグリコールのファミリーの化合物、より詳細にはSynperonic PE/L44 (登録商標)及び/若しくはSynperonic PE/L62 (登録商標)、並びに/又はプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールジペラルゴネート、ラウログリコール若しくはエトキシジグリコール等の化合物が使用される。好ましくは、湿潤剤は、加熱する必要がなく組成物に容易に組み込まれるように、液体形態である。
【0097】
特に好ましい湿潤剤は、BASF社によって販売されているLutrol L44 (登録商標)である。これを、全組成物の質量に対して、0.001%から5%の範囲の、より好ましくは0.01から1質量%の範囲の好ましい濃度で使用してよい。
【0098】
保潤剤
皮膚を保湿し、配合物の適用を容易にするという役割を有する保潤剤及び/又は皮膚軟化剤の中でも、この一覧で限定されないが、室温(25℃)で水と混和性のポリオール、特に、グリセロール等、2から20個の炭素原子を有する、好ましくは2から10個の炭素原子を有する、好ましくは2から6個の炭素原子を有するポリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール及びそれらの混合物等のグリコール誘導体から選択されるものだけでなく、糖類(例として、グルコース又はラクトース)、ポリエチレングリコール(PEG) (例として、Lutrol E400)、尿素又はアミノ酸(例として、セリン、シトルリン、アルギニン、アスパラギン又はアラニン)等の化合物も場合により使用される。
【0099】
好ましい保潤剤及び/又は皮膚軟化剤として、グリセロール及びプロピレングリコールを挙げることができる。
【0100】
保潤剤を、単独で又は組み合わせて、全配合物の質量に対して、0.001%から30%の範囲の、より好ましくは0.01から10質量%の範囲の好ましい濃度で使用してよい。
【0101】
キレート剤
キレート剤の中でも、非限定的な例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミンジ(o-ヒドロキシフェニル酢酸) (EDDHA)、(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチルジアミンジ(o-ヒドロキシ-p-メチルフェニル酢酸) (EDDHMA)及びエチレンジアミンジ(5-カルボキシ-2-ヒドロキシフェニル酢酸) (EDDCHA)を挙げることができる。
【0102】
好ましいキレート剤として、特にTitriplex III (登録商標)の名称で販売されている、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を挙げることができる。これを、全配合物の質量に対して、0.001%から1%の範囲の、より好ましくは0.05から0.1質量%の範囲の好ましい濃度で使用してよい。
【0103】
化粧用活性成分
本発明による組成物は、例えば、限定を暗示するものではないが、抗刺激特性を持つアラントイン、抗ニキビ剤(antiacneic)グルコン酸亜鉛、その抗炎症特性のためのグリチルリチン酸二カリウム、そうでなければ治癒用のα-ビサボロール等の一つ又は複数の化粧用活性成分を含み得る。
【0104】
充填剤及び粒子
充填剤及び/又は粒子を使用して、泡状物を安定させブーストすることができる。それらのいくつかは、水/空気界面に位置付けられ、それにより、この界面を安定させるという特異的な特性を有する。充填剤として、タルク、酸化亜鉛又はMerck社によってEusolex (登録商標) T-2000の名称で販売されている二酸化チタンTiO
2 T2000等の金属酸化物、laponites (登録商標)、bentones (登録商標)又はbentonites (登録商標)等のクレイだけでなく、Dow社によって販売されているMethocel K100 LV (登録商標)等のセルロースエーテル、又はEvonik社によって販売されているAerosil (登録商標) R972若しくはWacker社によって販売されているSilica HDK (登録商標) H13L等のシリカも挙げることができる。これらを、全配合物の質量に対して、0.01から10質量%の範囲の濃度で使用してよい。
【0105】
脂肪相の油
本発明による組成物は、脂肪相も含み得る。
【0106】
この脂肪相は、例えば、植物、鉱物、動物又は合成ワックス、油又はバター状のもの、シリコーン油及びそれらの混合物を含み得る。
【0107】
脂肪相は、中間組成物A及びBの一方及び/又は他方中に存在し得る。しかしながら、親油性分子に関するBPOの不安定性により、本発明による組成物が脂肪相を含む場合、後者は好ましくは中間組成物B中に存在する。
【0108】
本発明による組成物の脂肪相は、例えば、植物、鉱物、動物又は合成油、シリコーン油及びそれらの混合物を含み得る。
【0109】
鉱油の例として、例えば、Esso社によって販売されている、Primol 352 (登録商標)、Marcol 82 (登録商標)及びMarcol 152 (登録商標)等、異なる粘度の流動パラフィンを挙げることができる。
【0110】
植物油として、甘扁桃油、パーム油、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油又はオリーブ油を挙げることができる。
【0111】
動物油又は植物起源のその代用品として、誘導体として、Sophim社によってSophiderm (登録商標)の名称で販売されているペルヒドロスクアレンを加えた、ラノリン、スクアレン又は魚油を挙げることができる。
【0112】
合成油として、Cognis France社によってCetiol SN PH (登録商標)の名称で販売されている製品等のイソノナン酸セテアリル、Stearinerie Dubois社によって販売されているDUB ININ (登録商標)等のイソノナン酸イソノニル、Croda社によってCrodamol DA (登録商標)の名称で販売されている製品等のアジピン酸ジイソプロピル、Croda社によってCrodamol IPP (登録商標)の名称で販売されている製品等のパルミチン酸イソプロピル、又はUnivar社によって販売されているMiglyol 812 (登録商標)等のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド等の、エステルを挙げることができる。水素化ポリイソブテンとして、Rossow社によって販売されているParleam (登録商標)製品を挙げることができる。
【0113】
シリコーン油として、20cStから12500cStの粘度を持つ、Dow Corning社によってQ7-9120 Silicone Fluid (登録商標)の名称で販売されている製品等のジメチコーン、又は、同じくDow Corning社によってST-Cyclomethicone 5NF (登録商標)の名称で、若しくはそうでなければ同じくDow Corning社によってDC 9045 Elastomer Blend (登録商標)の名称で販売されている製品等のシクロメチコンを挙げることができる。
【0114】
脂肪相は、各配合物中間体の医薬剤形によれば、各中間配合物の質量に対して、0から95質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0115】
非液体脂肪性物質
本発明による組成物は、天然又は合成ワックス等の固体脂肪性物質、ステアリン酸等の脂肪酸、Cognis社によって販売されているSpeziol C18ファーマ又はSpeziol C16 (登録商標)等の脂肪アルコール、及びGattefosse社によって販売されているCompritol 888 (登録商標)等のトリベヘネートタイプのテクスチャリング剤、又はCognis社によって販売されているCutina HR等の水素化ヒマシ油、又はGattefosse社によって販売されているGeleol (登録商標)等のステアリン酸グリセリルも含み得る。これらの非液体脂肪性物質を、単独で、又は全配合物の質量に対して0質量%から30質量%の混合物として使用してよい。しかしながら、式CH
3(CH
2)
nOH (nは、11から23の間である)の脂肪アルコールが全配合物の質量に対して1質量%より大きい含有量で存在する場合に、優れた泡状物品質が観察された。
【0116】
非イオン性乳化剤
本発明による組成物は、非イオン性乳化剤も含み得る。後者は、特に、脂肪相を含む中間配合物又は配合物(エマルション)中に存在する。
【0117】
好ましい乳化剤として、Uniquema社によってArlacel 165FL (登録商標)の名称で販売されているステアリン酸グリセリル(及び)ステアリン酸PEG-100等の親水性乳化剤、Glucate SS (登録商標)及びGlucamate SSE (登録商標)等の親油性乳化剤、Uniquema社によってBrij 721 (登録商標)の名称で販売されているポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル、そうでなければ同じファミリー内のBrij S2 (登録商標)及びBrij S20 (登録商標) を挙げることができる。自己乳化ワックスは、Croda社によってPolawax NF (登録商標)の名称で販売された。高いHLBを呈する非イオン性界面活性剤、Tween 80 (登録商標) (HLB=15)の名称で販売されているPOE(20) ソルビタンモノオレエート、Tween 60 (登録商標) (HLB=14.9)の名称で販売されているPOE(20)ソルビタンモノステアレート等のソルビタンエステル、POE (21)ステアリルエーテル(HLB=15.5)等の脂肪アルコールエーテル、又はCognis社によってEumulgin (登録商標) B2 PHの名称で販売されているセテアレス-20 (15.5のHLB)、或いは、低いHLBを持つ非イオン性界面活性剤、ソルビタンモノステアレート(Uniquema社によってSpan 60の名称で販売されている)等のソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセロール(Cognis社製のCutina GMS)等のグリセロールエステル、又はジステアリン酸スクロース等の低いHLBを持つスクロースエステルも挙げることができる。本発明による別の形態において、使用され得る界面活性剤は、ポリグリセロールエステルである。これらは、グリセロールの縮合によって取得される、ポリグリセロール化された脂肪酸のエステルである。Seppic社によって販売されているMontanov 202 (登録商標)等の糖脂質乳化剤。いくつかの乳化剤は、Gattefosse社によって販売されているEmulium Kappa (登録商標)及びEmulium Delta (登録商標)製品等、混合物の形態で販売され得る。これらの界面活性剤を、系のHLBが12より大きく、好ましくは15より大きくなるように、単独で又は組み合わせて使用してよい。
【0118】
そのような乳化剤を、全組成物の質量に対して、0.01から30質量%の間、好ましくは0.1%から15%の間、より好ましくは0.5%から7%の間で使用してよい。
【0119】
組成物Bの保存剤
保存剤の例として、塩化ベンザルコニウム、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾール及びその誘導体、エチルアルコール、フェノキシエタノール、ソルビン酸カリウム、ジアゾリジニル尿素、ベンジルアルコール、パラベン、安息香酸ナトリウム又はそれらの混合物を挙げることができる。
【0120】
好ましい保存剤系として、フェノキシエタノール及びペンチレングリコール組合せを挙げることができる。
【0121】
組成物Bの洗浄剤
特定の形態において、ガス発生剤を含む組成物Bは、発泡性界面活性剤がないクリームであり、Rhodia社によってMackanate (登録商標)ウルトラ-SIの名称で販売されているPEG-12ジメチコンスルホコハク酸二ナトリウム、Evonik社によってRewoteric AMC (登録商標)又はRewoteric AM2CNM (登録商標)の名称で販売されているココアンホ酢酸ナトリウム又はココアンホジ酢酸二ナトリウム、或いはSisterna社によってPS750-C (登録商標)又はSP70-C (登録商標)の名称で販売されているもの等の糖エステル等、それら自体単独では泡状物を発生させることができない非発泡性洗浄剤を含有する。これらの洗浄剤の量は、配合物Bの総質量に対して、0から1質量%の間である。
【0122】
組成物Bの発泡性界面活性剤
別の特定の形態において、ガス発生剤を含む組成物Bはゲル又はクリームであり、少量の発泡性界面活性剤を含む。
【0123】
出願企業は、高濃度の重炭酸ナトリウムの存在下で長期間にわたって安定な発泡性界面活性剤を如何にして選択するかを知っていた。下記の界面活性剤を混合物中で試験した: Clariant社によってHostapur (登録商標) OSB、そうでなければHostapur (登録商標) OS Liqの名称で販売されているC14〜C16オレフィンスルホン酸ナトリウムだけでなく、Huntsman社によって販売されているNansa (登録商標) LSS 495-H、Rhodia社製ロダカルLSS 80 RPB、Stepan社製BIO-Terge (登録商標) AS-90ビーズ、Clariant社によってHostapon (登録商標) SGの名称で販売されているココイルグリシンナトリウム、Clariant社によってHostapon (登録商標) SCI85 Gの名称で販売されているココイルイセチオン酸ナトリウム、Innospec社によってIselux (登録商標) LGの名称で販売されているラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、Cognis社によってPlantacare (登録商標) 2000アップの名称で販売されているデシルグルコシド、Zschimmer & Schwarz社によってZetesol (登録商標) Znの名称で販売されているコセス硫酸亜鉛、Rossow社によってPOEM (登録商標) DL 100の名称で販売されているモノラウリン酸グリセリル、及びEvonik社によってRewopol SB C55 (登録商標)の名称で販売されているPEG-5ラウリルクエン酸スルホコハク酸二ナトリウム。
【0124】
配合物中間体Bに組み込まれる発泡性界面活性剤の中でも、その発泡特性及びその官能特性(色又はにおい等)を保持していた唯一のものは、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウムである。
【0125】
この発泡性界面活性剤の量は、全配合物の質量に対して、0から1質量%の間であってよい。
【0126】
下記の実施例は、本発明を、その範囲を制限することなく例証するものである。
【実施例】
【0127】
(実施例1)
配合物の例
配合物Aの例:ガス活性化剤を含む中間組成物A:
中間配合物Aは、下記のプロセスに従って調製した:
段階1:ゲル化剤、次いでガス発生剤を活性化させる薬剤を、攪拌しながら、主水相に、60℃より大きい温度で添加する。
段階2:同時に、BPO、水、プロピレングリコール及びポロキサマー124を含む粉砕相を、高せん断下で行う。
段階3:段階1及び2により生じた組成物を、30℃未満の温度で添加する。
段階4:純粋な又は溶液中の色素青色1号等の添加物を、添加する。
【0128】
以下の配合物の例において、量は、中間配合物の質量に対する百分率として表現されており、全配合物の質量に対してではない(全配合物は、二つの中間配合物の混合物を意味すると理解される)。
【0129】
(実施例A1)
【0130】
【表3】
【0131】
(実施例A2)
【0132】
【表4】
【0133】
(実施例A3)
【0134】
【表5】
【0135】
(実施例A4)
【0136】
【表6】
【0137】
(実施例A5)
【0138】
【表7】
【0139】
(実施例A6)
【0140】
【表8】
【0141】
(実施例A7)
【0142】
【表9】
【0143】
(実施例A8)
【0144】
【表10】
【0145】
配合物Bの例:ガス発生剤を含む中間組成物B。
中間配合物Bは、下記のプロセスに従って調製した:
段階1':ゲル化剤を、攪拌しながら、主水相に、60℃より大きい温度で添加する。
段階2':洗浄又は発泡剤及び保存剤等の添加物も、適切な温度で添加する。
段階3':混合物を中和する。
段階4':重炭酸ナトリウムを、40℃未満の温度で添加する。
【0146】
特定の形態において、脂肪相(油、ワックス及び界面活性剤を含む)を60℃より大きい温度に加熱し、段階1'の後に主相に組み込んでよい。
【0147】
配合物B1
【0148】
【表11】
【0149】
配合物B2
【0150】
【表12】
【0151】
配合物B3
【0152】
【表13】
【0153】
上述した中間組成物A及びBの1:1質量比での混合物を、以下の表に表す。二つの配合物中間体の交点におけるバツ印は、混合が可能であり、所望の特性を持つ泡状物を発生させることを示す。
【0154】
【表14】
【0155】
(実施例2)
密度の測定
実施例1において記述されている配合物の例から出発して、泡状物密度の測定を、二つの中間配合物A及びBが接触する時(T0)、次いで、二つの組成物を接触させることによって発生した化学反応が終了した際に行った:
a)
密度配合物A5 = 1.108
密度配合物B1 = 1.052
泡状物A5/B1 (50/50) = 0.251
【0156】
泡状物の密度の測定は、体積が5だけ増大し、
図1における写真によって確認されたことを示す。左側の写真は、混合時(T0)を表し、右側の写真は、酸/塩基化学反応が完了した際に取得される泡状物を表す。
【0157】
b)
密度配合物A5 = 1.108
密度配合物B2 = 1.012
泡状物A5/B2 (50/50) = 0.340
【0158】
泡状物の密度の測定は、体積が3だけ増大し、
図2における写真によって確認されたことを示す。左側の写真は、混合時(T0)を表し、右側の写真は、酸/塩基化学反応が完了した際に取得される泡状物を表す。
【0159】
(実施例3)
刺激の測定の比較研究
研究プロトコール。
研究は、現行のOECD TG 439プロトコールに従い、短い適用時間(接触時間RHE/生成物15分)にわたって行われる。このプロトコールは、長い適用時間(接触時間RHE/生成物18時間)に適切である。
【0160】
この研究の目的は、
- MTTの還元(細胞生存)の評価
- IL-1αの放出(刺激のマーカー)の測定
を介して、再構成されたヒト表皮(RHE、エピスキンモデル)に対する完全及び中間配合物の支持体の忍容性を評価することである。
【0161】
試験された配合物は:
- 酸性配合物の中間組成物:実施例A7プラシーボ(すなわち、BPOを含まない)無着色(すなわち、色素を含まない)、
- 塩基性配合物の中間組成物:実施例B1、
- 塩基性配合物の中間組成物:実施例B2、
- 混合物: A7プラシーボ+ B1 (50/50質量比で)から構成される完全配合物1、
- 混合物: A7プラシーボ+ B2 (50/50質量比で)から構成される完全配合物2、
- 洗浄ゲルの形態の市販の基準物質
である。
【0162】
研究の結果:
【0163】
【表15】
【0164】
【表16】
【0165】
現行のOECDプロトコールに従うMTTの測定は、試験されたすすぎ落とす「完全配合物」が非刺激性であるのに対し、「市販の基準物質」は潜在的に刺激性であることを示す。
【0166】
更に、完全配合物の長い及び短い曝露時間での適用後の、IL-1αのアッセイ実施は、泡状物配合物に関して、市販の基準物質の適用後よりもはるかに低いレベルの刺激マーカーを示す。
【0167】
(実施例4)
5%の重炭酸ナトリウムと反応するための、クエン酸、ピロリン酸ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウム一水和物の理想的な含有量は、経験的に確立されている。値は、二つの中間配合物のそれぞれの質量に対する質量/質量百分率として表現される。
【0168】
【表17】
【0169】
ガス活性剤を含む配合物のpHが皮膚との最適適合性を呈するように、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤を作り出すためにクエン酸ナトリウムを添加した。
【0170】
クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤の一部を、有利には、以下の表IIIにおいて例として引用されている含有量に従って、ピロリン酸二ナトリウムで置きかえてよく、逆もまた然りである。
【0171】
【表18】
【0172】
クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤の一部を、有利には、以下のtable IV (表19)において例として引用されている含有量に従って、リン酸二水素ナトリウム一水和物で置きかえてよく、逆もまた然りである。
【0173】
【表19】
【0174】
特定の形態において、クエン酸の量が1.4
%以上である場合、泡状物の量は、ピロリン酸二ナトリウムが下記の方程式:
- [C]=2.4[B]-2.4[A]/0.7
による組成物中に存在するときに最適であることが決定され、ここで:
[C] =中間組成物A中におけるピロリン酸二ナトリウムの質量含有量
[A] =中間組成物A中におけるクエン酸一水和物の質量含有量
[B] =中間組成物B中における重炭酸ナトリウムの質量含有量
である。
【0175】
故に、上記の方程式により、重炭酸ナトリウム、クエン酸及びピロリン酸ナトリウムの間の最適含有量を算出することが可能である。