(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797024
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】濾過システムを有する農業機械用キャビン加圧システム
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20201130BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
B60H3/06 611A
B60H1/00 102S
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-562964(P2016-562964)
(86)(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公表番号】特表2017-513760(P2017-513760A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】IB2015052770
(87)【国際公開番号】WO2015159248
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年3月20日
(31)【優先権主張番号】TO2014A000322
(32)【優先日】2014年4月16日
(33)【優先権主張国】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502009646
【氏名又は名称】デンソー・サーマル・システムズ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】DENSO THERMAL SYSTEMS Spa
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100138874
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 雅晴
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ・ダヴィテル
(72)【発明者】
【氏名】ピエロ・スカッローネ
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァーノ・ベルタリア
【審査官】
石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−264671(JP,A)
【文献】
特開2007−308033(JP,A)
【文献】
米国特許第03626713(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0125907(US,A1)
【文献】
国際公開第2011/004243(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 3/06
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの外部エア入口(11、16)と、当該外部エア入口(11、16)の下流側に接続された濾過システム(20)と、当該濾過システム(20)の下流側に接続されていて少なくとも1つのブロア(32)を有するHVACシステム(30)と、当該HVACシステム(30)の下流側に接続されたキャビン・エア供給出口(40)とを備える、農業機械用におけるキャビンのエア処理装置であって、
当該エア処理装置は、さらに、
内部に上記HVACシステム(30)を収容する密閉されたボックス(1)であって、当該ボックス(1)を上記農業機械のキャビン(C)と連通させてボックス(1)内の圧力とキャビン(C)内の圧力を平準化するレベリング開口部(60)を有するボックス(1)を備えており、
上記少なくとも1つの外部エア入口は、当該ボックス(1)に形成された第1外部エア入口(11)を含んでいて、
上記濾過システム(20)は、
第1エア入口(11)と上記ボックス(1)内部とを連通させるフィルタボックス(21a)と、
当該フィルタボックス(21a)と、同フィルタボックスに固定されるとともに第1エア入口(11)に配置されて、ダスト、エアゾールおよび蒸気のうちの少なくとも1つを濾過するフィルタ本体(21b)と、を備える第1フィルタ(21)と、
当該フィルタボックス(21a)に接続されるとともに上記ボックス(1)内に配置されていて、第1エア入口(11)からエアを引き込み、当該エアをHVACシステム(30)に分配するブロア(22)と、を備えており、
当該ブロア(22)は、ボックス(1)内で第1フィルタ(21)の下流側に直接接続されたものであって、上記HVACシステム(30)のブロア(32)とは異なるものである、エア処理装置。
【請求項2】
上記第1エア入口(11)は、HVACシステム(30)に対して、連通された状態と遮断された状態とを、選択的にとり得る、請求項1記載の装置。
【請求項3】
上記少なくとも1つの外部エア入口は、ボックス(1)に形成された第2外部エア入口(16)をさらに含んでいて、
上記濾過システム(20)は、第2エア入口(16)に配置されてダストを機械的に濾過する第2フィルタ(26)をさらに含んでいて、
第2エア入口(16)は、HVACシステム(30)に対して、連通された状態と遮断された状態とを、選択的にとり得る、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
上記第2エア入口(16)がHVACシステム(30)から遮断された状態にあるときに、第2フィルタ(26)は、ボックス(1)の内部と連通する状態とされて、当該第2フィルタ(26)における圧力とボックス(1)内の圧力とが平準化される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
上記第1外部エア入口および第2外部エア入口は、それぞれシャッタ・デバイス(21e、26e)を備えていて、
各シャッタ・デバイス(21e、26e)は、閉位置に向かって付勢されているとともに、当該シャッタ・デバイス(21e、26e)の下流側の圧力が外圧よりも低い場合に当該圧力で開く、請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
上記ボックスは、上記キャビンの上方であって農業機械の屋根(R)に配置されるよう構成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械用のキャビンのエア処理装置に関する。エア処理装置は、少なくとも1つの外部エア入口と、当該外部エア入口の下流側に接続された濾過システムと、当該濾過システムの下流側に接続されていて少なくとも1つのブロアを有するHVACシステムと、当該HVACシステム(30)の下流側に接続されたキャビン・エア供給出口とを備えるものである。
【背景技術】
【0002】
農業機械用の従来のエア処理装置は、ダスト濾過を提供している。しかし、実際のところ、エアゾールおよび蒸気は、依然として車両のキャビン内に自由に流れ込む。概して、これらの既知の装置は柔軟性がなく、特に最新の標準を考慮する場合に、それらを使用してキャビンを満足なレベルで加圧することは難しい。さらに、汚染物質が侵入するのを避けるために処理装置を隔離しなければならないという問題がある。それには、装置の個々の構成要素をシールする要素を、正確に設計することが要求される。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明は、冒頭で述べたタイプの装置であって、次の要素をさらに備える装置を提案する。
すなわち、本発明の装置は、内部にHVACシステムを収容する密閉されたボックスであって、当該ボックスをキャビンと連通させてボックス内の圧力とキャビン内の圧力を平準化するレベリング開口部を有するボックスを、さらに備えている。
上記少なくとも1つの外部エア入口は、当該ボックスに形成された第1外部エア入口を含んでいる。
上記濾過システムは、
第1エア入口に配置されて、ダスト、エアゾールおよび蒸気のうちの少なくとも1つを濾過する第1フィルタと、
第1エア入口からエアを引き込み、当該エアをHVACシステムに分配するブロアと、を備えている。当該ブロアは、ボックス内で第1フィルタの下流側に直接接続されたものであって、上記HVACシステムのブロアとは異なるものである。
【0004】
本発明によれば、HVACシステムと濾過システムのブロアとが、キャビン内の圧力と同じ圧力に加圧された1つのボックス内に収容される。処理装置を囲むボックス内環境を加圧することによって、HVACシステムの様々な構成要素やブロアに、外部汚染物質が接触するのを防ぐことができる。したがって、各構成要素の全てを、侵入した汚染物質から保護されるように構成する必要がなくなる。外部と連通するボックスのパーツだけを、特にフィルタを備えたエア入口だけを、当該目的に沿って構成しなければならない。これによって、明らかに、構造に関して高度のシンプル化がもたらされ、結果としてコストを節約できる。それだけでなく、オペレーターを保護するという観点から、より大きな安全性がもたらされる。
【0005】
本発明の好ましい実施形態は、従属クレームに記載されている。その記載は、ここでの説明と一体のものとして理解すべきである。
【0006】
本発明に係る装置のさらなる特性および利点は、以下に説明する発明の実施形態の詳細な説明から明らかとなる。その説明は、添付図面を参照しつつなされるものであって、限定を意図しない純粋な説明として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の処理装置を備える農業機械の屋根の斜視図。
【
図2a】
図1中の屋根を、カバーを外した状態で示す平面図。
【
図2b】カバーを外した状態における屋根の部分拡大平面図。
【
図3】
図2の状態から処理装置も取り外した状態を示す平面図。
【
図6】屋根の断面図であって、処理装置の異なる作動態様を示している。
【
図7】屋根の断面図であって、処理装置の異なる作動態様を示している。
【
図8】屋根の断面図であって、処理装置の異なる作動態様を示している。
【
図9】屋根の断面図であって、処理装置の異なる作動態様を示している。
【
図10】屋根の断面図であって、処理装置の異なる作動態様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および
図2aは、農業機械の屋根Rを示している。一方、文字Cは、屋根Rの下方において、農業機械のキャビンで占められるエリアを示している。危険物への接触に関する規則によれば、キャビンは、外部環境から分離されるように要求されている(少なくとも、安全性が高いクラスにおいては)。
【0009】
カバー2で密閉されたボックス1が、農業機械の屋根Rの上に配置されている。
図2aは、ボックス1からカバー2を外した状態で屋根Rを示しており、特に、ボックスの外周縁に沿って配置されたガスケットが見えている。
図2bに示されているように、ボックス1は区画3を形成していて、当該区画内には、本発明に係るエア処理装置10の一部が配置されている。
【0010】
エア処理装置は、本質的に、ボックス1の壁を貫通して形成された第1の外部エア入口11と、第2の外部エア入口16とを備えている。これらのエア入口を通して、外部環境からエアが引き込まれる。外部エア入口11、16の下流側には、濾過システム20が連結されている。HVACシステム30が、濾過システム20の下流側に連結されている。そして、キャビンへのエア供給出口40が、HVACシステム30の下流側に連結されている(
図3に現れている)。処理されたエアが、エア供給出口40を通って、外部環境の圧力よりも高い圧力で、キャビンCに供給される。
【0011】
図4および
図6を参照すると、濾過システム20は、第1のフィルタ21と、ブロア22とを備える。第1のフィルタ21は、第1のエア入口11に配置されていて、ダスト、エアゾール、および蒸気のうちの少なくとも1つを濾過する。ブロア22は、第1のエア入口11からエアを引き込み、当該エアをHVACシステム30に供給する。このブロアは、第1フィルタ21の下流側に直接接続されていて、ボックス1の内部に配置されている。
【0012】
同等のホール(孔)が従来よりキャビン内に設けられていて、キャビン内部の圧力を調節する。
【0013】
図4を参照すると、第1フィルタ21は、フィルタ・ボックス21aと、当該フィルタ・ボックス21a内に収容されたフィルタ本体21bとを備える。フィルタ本体21bは、ダスト、エアゾール及び蒸気を抑えることができる既知のフィルタ群の中から選ばれた1つのフィルタであること、言い換えれば、欧州規格EN15695におけるカテゴリ4のフィルタであることが好ましい。さらに、エア入口グリル21cが、フィルタ本体21bの上流側で、第1エア入口11と外部環境との境界に取り付けられている。シール手段21dは、エア入口グリル21cと、フィルタ・ボックス21aのエア入口との間に配置されている。シャッタ・デバイス21eは、エア入口グリル21cに配置されている。このデバイス21eは、閉位置へ向かって付勢されるとともに、外部環境下の圧力よりも低いシャッタ・デバイス21e下流側の圧力によって開け得るタイプのものである。図示した実施形態では、シャッタ・デバイス21eは、可撓性材料からなる複数のフィンで構成されており、フィンの下流側の圧力が外部環境圧力よりも低いときに、ボックス1の内側に向かって撓んで、それによって第1エア入口11を開ける。
【0014】
フィルタ・ボックス21aはボックス1に固定されていて、そのエア出口は、ボックス1内で、シール手段21fを介してブロア22に接続されている。図示した実施形態においては、ブロア22は遠心タイプのものであって、その出口は、導管23を介してHVACシステム30の入口に接続されている。
【0015】
図6〜
図10に概略的に示したように、導管23には、エア分配バルブ24が設けられる。これによって、後述するように、第1エア入口11は、選択的に、HVACシステム30と連通したり、当該連通が断たれたりする。エア入口11は、また、導管23およびエア分配バルブ24を介して、浄化導管25に接続される。浄化導管25は、外部へ接続されており、後述するように、第1フィルタ21の掃除のために提供されている。
【0016】
図5および
図6を参照すると、濾過システム20は、さらに第2フィルタ26を備えている。第2のフィルタ26は、第2エア入口16に配置されていて、ダストを機械的な濾過するものである
【0017】
図5を参照すると、第2フィルタ26は、フィルタ・ボックス26aと、このフィルタ・ボックス26a内に収容されたフィルタ本体26bとを備える。好ましくは、フィルタ本体26bは、欧州規格EN15695によるカテゴリ2のフィルタであり、したがって、第1フィルタ21よりも下位のカテゴリのものである。また、エア入口グリル26cが、フィルタ本体26bの上流側において、第2エア入口16と外部環境との間のインターフェースに取り付けられている。
シール手段26dが、エア入口グリル26cとフィルタ・ボックス26aのエア入口との間に配置されている。シャッタ・デバイス26eが、エア入口グリルに26c配置されており、このデバイスは、閉位置に向かって付勢されているタイプのもので、シャッタ・バイス26eの下流側の圧力が外部環境の圧力よりも低い場合に開く。
図示した実施形態においては、シャッタ・デバイス26eは、可撓性材料で構成された複数のフィンからなり、フィン下流側の圧力が外部環境圧力よりも低いときにボックス1の内側へと撓むことで、第2エア入口16を開ける。
【0018】
フィルタ・ボックス26aはボックス1に固定されていて、そのエア出口は、ボックス1の壁を貫通して形成された通路に対して、シールされた態様で連結されている。このエア出口、その内端において、シールされた態様で導管27を介して、HVACシステム30の入口に接続される。
【0019】
図6〜
図10に概略的に示しているように、導管27には、通気配分バルブ28が設けられている。これによって第1エア入口16は、HVACシステム30に対して選択的に、連通された状態、あるいは遮断された状態となることができる。これについては、後述する。
また、外部エア入口16は、導管27および通気配分バルブ28を通して、ボックス1の内部環境に接続される。これは第2フィルタ26を加圧下に保つためであり、これについても、後述する。
【0020】
HVACシステム30は、従来型のものである。キャビンCに供給すべき新鮮で再利用されたエアが、このシステムによって、除湿され、所望の温度にされる。従来通り、HVACシステム30は、エア混合プレナム31、1または2以上のブロア32(
図6〜
図10参照)、蒸発器33、およびヒーター34を備える。
【0021】
キャビンCもまた、ボックス1に形成されたエア再利用開口部50(
図3参照)を通して、HVACシステム30のエア混合プレナム31に接続されている。
【0022】
ボックス1は、さらにレベリング開口部(levelling opening)60を有する(
図3参照)。この開口部60は、ボックス1の内部空間3をキャビンCと連通状態とするためのものであって、ボックス1の内部圧力とキャビンCの内部圧力を平準化する。
【0023】
本発明の装置の各構成要素の作動、圧力のモニタリング、およびキャビンC内におけるHVACの状態は、電子制御ユニット(図示せず)によって制御される。
【0024】
図6〜
図10を参照して、本発明のエア処理装置の異なる操作態様を説明する。
【0025】
図6は、装置の起動時に行われるクリーニング態様を示している。この態様では、第1外部エア入口11をHVACシステム30に接続する管体23に関連する分配バルブ24は、第1外部エア入口11とHVACシステム30との連通を遮断し、かつ第1外部エア入口11と浄化管体25との連通を可能にする位置に配置されている。第2外部エア入口16をHVACシステム30に接続する管体27に関連した分配バルブ28は、第2外部エア入口16とHVACシステム30との連通を遮断する位置に配置されている。
図6において参照数字が付されていない矢印は、この態様によって作り出されたエア流路を表わしている。エア入口11から入るエアは、ブロア22によって引き込まれたものであるが、第1フィルタ21内のあらゆる堆積物を除去し、かつそれらを浄化管体25を通して外部に排出するのに使用される。
【0026】
図7は、装置の初期加圧態様を示している。この態様では、第1外部エア入口11をHVACシステム30に接続する導管23に関連する分配バルブ24は、第1外部エア入口11とHVACシステム30とを連通可能とし、第1外部エア入口11と浄化導管25との連通を遮断する位置に配置される。第2外部エア入口16をHVACシステム30に接続する導管27に関連する分配バルブ28は、第2外部エア入口16とHVACシステム30との連通を遮断する位置に留まっている。
図7において、参照数字が付されていない矢印は、この態様によって作り出されたエア流路を示している。エア入口11から入るエアは、ブロア22によって引き込まれたものであるが、第1フィルタ21およびHVACシステム30を通過し、その後、キャビン・エア供給出口40を通過して、キャビンCを加圧する。
【0027】
図8は、装置の定常加圧状態を示している。この状態では、第1外部エア入口11をHVACシステム30に接続する導管23に関連する分配バルブ24は、第1外部エア入口16とHVACシステム30との連通を可能にする位置に留まっている。また、第2外部エア入口16をHVACシステム30に接続する導管27に関連する分配バルブ28は、第2外部エア入口16とHVACシステム30との連通を遮断する位置に留まっている。分配バルブ28がこの位置にあることで、さらには、第2外部エア入口16とボックス1の内部空間3との連通が可能となる。
図8において、参照数字が付されていない矢印は、エアの流路を示している。
図7中に示した矢印に沿ってキャビンC内に入り続けるエアは、さらに、キャビンCからボックス1内の空間3に入り、レベリング開口部60を通過する。その結果、当該エアは、ボックス1の内部を加圧し、空間3から当該空間3と連通した導管27に入り、第2フィルタ26をさらに加圧する。
【0028】
図9は、装置における異常検出の態様を示している。この状況では、第1外部エア入口11をHVACシステム30に接続する導管23に関連する分配バルブ24は、第1外部エア入口11とHVACシステム30の連通を遮断する位置にある。また、第2外部エア入口16をHVACシステム30に接続する導管27に関連する分配バルブ28は、第2外部エア入口16とHVACシステム30との連通を遮断する位置にある。このようにして、外部エアが2つの外部エア入口11および16を通ってキャビンCに入ることが防止される。
【0029】
図10は、第2外部エア入口との関連で下位カテゴリのフィルタを使用した作動状態を示している。この構成は、作動状況が汚染に対する高度な保護を必要としない場合に、より高いカテゴリの作動状態(以前の図に表示)に対する代替として使用される。この構成では、第1外部エア入口11をHVACシステム30に接続する導管23に関連する分配バルブ24は、第1外部エア入口11とHVACシステム30との連通を遮断する位置にある。また、第2外部エア入口16をHVACシステム30に接続する導管27に関連する分配バルブ28は、第2外部エア入口16とHVACシステム30とを連通する位置にある。
図10において、参照数字が付されていない矢印は、この構成によって作り出されたエア流路を表わしている。エア入口16から入るエアは、HVACシステムのブロア32によって引き込まれたものであるが、第2フィルタ26およびHVACシステム30を通過し、その後、キャビン・エア供給出口40を通過して、キャビンCを加圧する。キャビンCに入り続けるエアは、さらにキャビンCからボックス1内の空間3に入り、レベリング開口部60を通過する。その結果、当該エアは、ボックス1の内部を加圧する。