【実施例】
【0117】
実施例1
A)材料及び方法
菌株及び増殖条件。本試験において使用した株は
図15A〜Mに列挙されている。プラスミド精製及びクローニングのために使用する大腸菌Top10、及びコンジュゲーションのために使用する大腸菌Sm10 λ pir、並びにpKNG101を伝播するために使用する大腸菌BW19610[46]をLB寒天プレート上、及びLBブロス中、37℃で常套的に増殖させた。発現ベクターを選択するために、アンピシリンを200μg/ml(エルシニア属)又は100μg/ml(大腸菌)の濃度で使用した。自殺ベクターを選択するために、ストレプトマイシンを100μg/mlの濃度で使用した。アンピシリン非耐性E40−誘導体[13]であるY.エンテロコリチカMRS40[36]及びそれに由来する株をブレインハートインフュージョン(BHI;Difco)上、室温で常套的に増殖させた。全てのY.エンテロコリチカ株にナリジクス酸を添加し(35μg/ml)、全てのY.エンテロコリチカasd株には、100μg/mlのメソ−2,6−ジアミノピメリン酸(mDAP、Sigma Aldrich)をさらに補充した。S.エンテリカSL1344をLB寒天プレート上、及びLBブロス中、37℃で常套的に増殖させた。S.エンテリカにおける発現ベクターを選択するために、アンピシリンを100μg/mlの濃度で使用した。
【0118】
Y.エンテロコリチカの遺伝子操作。Y.エンテロコリチカの遺伝子操作に関しては記載されている[47、48]。簡単に述べると、pYVプラスミド内又は染色体上の遺伝子の改変又は欠失のための突然変異誘発物を、精製pYV40プラスミド又はゲノムDNAを鋳型として使用した2断片オーバーラップPCRによって構築し、それにより、それぞれの遺伝子の欠失又は改変部分の両側の、200−250bpのフランキング配列をもたらした。得られた断片を、大腸菌BW19610[46]においてpKNG101[43]にクローニングした。配列が検証されたプラスミドを大腸菌Sm10 λ pir中に導入してそれを形質転換し、そこからプラスミドを対応するY.エンテロコリチカ株に動員した。組み込まれたベクターを有する突然変異体を、選択圧力を伴わずに数世代にわたって繁殖させた。次いで、ショ糖を使用してベクターが失われたクローンを選択した。最終的に、コロニーPCRによって突然変異体を同定した。
【0119】
プラスミドの構築。プラスミドpBad_Si2又はpBad_Si1(
図10)をYopEのN末端の138アミノ酸を有する融合タンパク質のクローニングのために使用した(配列番号2)。pBad_Si2は、精製pYV40由来のYopE及びSycEに対する内因性プロモーターを含有するSycE−YopE
1−138断片をpBad−MycHisA(Invitrogen)のKpnI/HindIII部位にクローニングすることによって構築した。追加的な改変は、消化によるpBad−MycHisAのNcoI/BglII断片の除去、クレノウ断片処理及び再ライゲーションを含む。双方向転写ターミネーター(BBa_B1006;iGEM foundation)をKpnIで切り取りクレノウ処理した部位(pBad_Si2)又はBglII切り取り部位(pBad_Si1)にクローニングした。さらにYopE
1−138の3’末端に以下の切断部位を付加した:XbaI−XhoI−BstBI−(HindIII)(
図10B)。pBad_Si1はpBad_Si2と同等であるが、アラビノース誘導性プロモーターの下でNcoI/BglII部位においてpEGFP−C1(Clontech)から増幅されたEGFPをコードする。対応する内因性プロモーター及びSteA
1−20断片(pSi_266)、完全長SteA配列(pSi_267)、SopE
1−81断片(pSi_268)又はSopE
1−105断片(pSi_269)を含有するプラスミドpSi_266、pSi_267、pSi_268及びpSi_269をS.エンテリカSL1344ゲノムDNAから増幅し、pBad−MycHisA(Invitrogen)のNcoI/KpnI部位にクローニングした。
【0120】
完全長遺伝子又はその断片を、以下の表Iに列挙されている特異的なプライマーを用いて増幅し、YopE
1−138との融合物としてプラスミドpBad_Si2に、又はz−BIM(配列番号21)の場合にはpBad_Si1にクローニングした(以下の表IIを参照されたい)。SteA又はSopEと融合するために、合成DNA構築物をKpnI/HindIIによって切断し、それぞれpSi_266、pSi_267、pSi_268又はpSi_269にクローニングした。細菌種の遺伝子の場合には、精製ゲノムDNAを鋳型として使用した(S.フレックスネリM90T、ネズミチフス菌(Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium)SL1344、バルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae)ATCC49882)。ヒト遺伝子に関しては、別途指定のない限りユニバーサルcDNAライブラリー(Clontech)を使用し(
図15A〜M)、ゼブラフィッシュ遺伝子はcDNAライブラリー(M.Affolterからの好意の寄贈品)から増幅した。ライゲーションしたプラスミドを大腸菌Top10にクローニングした。配列決定したプラスミドを所望のY.エンテロコリチカ又はS.エンテリカ株に標準の大腸菌エレクトロポレーションに関する設定を使用してエレクトロポレーションにより導入した。
【0121】
Yop分泌。培養物をBHI−Ox中37℃(分泌許容条件)にシフトさせることによってyopレギュロンの誘導を実施した[49]。炭素源としてグルコースを添加した(4mg/ml)。
【0122】
総細胞画分及び上清画分を、4℃、20800gで10分遠心分離することによって分離した。細胞ペレットを総細胞画分として取得した。上清中のタンパク質を、最終的に10%(w/v)のトリクロロ酢酸を用い、4℃で1時間にわたって沈澱させた。遠心分離し(20800gで15分)、上清を除去した後、得られたペレットを氷冷のアセトンで一晩洗浄した。試料を再度遠心分離し、上清を廃棄し、ペレットを風乾し、1×SDSローディング色素中に再懸濁させた。
【0123】
分泌タンパク質をSDS−PAGEによって分析した。それぞれの場合において、レーン当たり細菌3×10
8個から分泌されたタンパク質をローディングした。免疫ブロッティングによる特定の分泌タンパク質の検出を、12.5%SDS−PAGEゲルを使用して実施した。総細胞中のタンパク質を検出するために、別途指定のない限りレーン当たり細菌2×10
8個をローディングし、タンパク質を12.5%SDS−PAGEゲル上で分離した後、免疫ブロッティングによって検出した。
【0124】
YopEに対するラットモノクローナル抗体(MIPA193−13A9;1:1000、[50])を使用して免疫ブロッティングを行った。バックグラウンド染色を低下させるために、抗血清をY.エンテロコリチカΔHOPEMT asdに対して2回、一晩にわたって予備吸収させた。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(1:5000;Southern biotech)とコンジュゲートした、ラット抗体を対象とする二次抗体を用いて検出を実施した後、ECL化学発光基質(LumiGlo、KPM)を用いて展開した。
【0125】
細胞培養及び感染。HeLa Ccl2、スイス3T3線維芽細胞、4T1、B16F10及びD2A1を、10%FCS及び2mMのL−グルタミン(cDMEM)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で培養した。HUVECを単離し、記載の通り培養(cultivate)した[51]。ジャーカット及び4T1細胞を、10%FCS及び2mMのL−グルタミンを補充したRPMI1640で培養した。Y.エンテロコリチカを、添加剤を伴うBHI中、室温で一晩増殖させ、新鮮なBHI中、OD
600が0.2になるまで希釈し、室温で2時間増殖させた後、37℃ウォーターバス振とう機への温度シフトをさらに30分又はEGFPの送達の場合には1時間にわたって行った。最後に、細菌を遠心分離によって(6000rcf、30秒)収集し、10mMのHEPES及び2mMのL−グルタミンを補充したDMEMを用いて1回洗浄した。S.エンテリカを、添加剤を伴うLB中、37℃で一晩増殖させ、新鮮なLB中1:40に希釈し、37℃で2.5時間増殖させた(SpiI T3SS誘導条件)か、又は一晩培養物を37℃でさらにインキュベートした(SpiII T3SS誘導条件)。最後に、細菌を遠心分離によって(6000rcf、30秒)収集し、10mMのHEPES及び2mMのL−グルタミンを補充したDMEMを用いて1回洗浄した。96ウェルプレート(免疫蛍光用)又は6ウェルプレート(ウェスタンブロット法用)に播種した細胞を、10mMのHEPES及び2mMのL−グルタミンを補充したDMEM中、示されている感染多重度で感染させた。細菌を添加した後、プレートを1750rpmで1分遠心分離し、示されている期間にわたって37℃に置いた。必要であれば細胞外細菌をゲンタマイシン(100mg/ml)によって死滅させた。免疫蛍光法分析の場合、4%PFA固定により感染アッセイを停止させた。ウェスタンブロット分析に関しては、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、Phospho−safe lysis buffer(Novagen)を添加して細胞を溶解させた。氷上でインキュベートした後、細胞を遠心分離した(16000rcf、25分、4℃)。上清を収集し、総タンパク質含有量をBradford BCAアッセイ(Pierce)によって分析した後、SDS PAGE、並びに抗リン酸化Akt抗体(Ser473及びT308、どちらもCell Signaling)、抗アクチン抗体(Millipore)、抗Bid抗体(Cell Signaling)、抗Myc抗体(Santa Cruz)、抗p38抗体(Cell Signaling)、抗リン酸化p−38抗体(Thr180/Tyr182;Cell Signaling)、抗カスパーゼ−3 p17抗体(Cell Signaling)及び抗Ink4C抗体(Cell Signaling)を使用したウェスタンブロット法を行った。
【0126】
S.エンテリカを用いた分泌分析。S.エンテリカによるタンパク質分泌を誘導するために、S.エンテリカを0.3MのNaClを含有するLB中、オービタルシェーカー(150rpmに設定)で一晩培養(cultivate)した。次いで、S.エンテリカを、0.3MのNaClを含有する新鮮なLB中1:50に希釈し、振とうせずに37℃で4時間増殖させた。
【0127】
総細胞及び上清画分を、4℃、20800gで20分遠心分離することによって分離した。細胞ペレットを総細胞画分として取得した。上清中のタンパク質を、最終的に10%(w/v)のトリクロロ酢酸を用いて4℃で1時間にわたって沈澱させた。遠心分離し(20800gで15分)、上清を除去した後、得られたペレットを氷冷のアセトンで一晩洗浄した。試料を再度遠心分離し、上清を廃棄し、ペレットを風乾し、1×SDSローディング色素に再懸濁させた。
【0128】
分泌タンパク質をSDS−PAGEによって分析した;それぞれの場合において、レーン当たり細菌3×10
8個から分泌されたタンパク質をローディングした。免疫ブロッティングによる特定の分泌タンパク質の検出を、12.5%SDS−PAGEゲルを使用して実施した。総細胞中のタンパク質を検出するために、別途指定のない限りレーン当たり細菌2×10
8個をローディングし、タンパク質を12.5%SDS−PAGEゲル上で分離した後、免疫ブロッティングによって検出した。抗Myc抗体(Santa Cruz)を使用して免疫ブロッティングを行った。
【0129】
感染細胞からT3SSにより移行したタンパク質のウェスタンブロット法。6ウェルプレートに入れたHeLa細胞を、上記の通り、感染多重度100で感染させた。TEVプロテアーゼ移行性Y.エンテロコリチカ株との同時感染の場合には、当該株のOD
600を設定し、2種の細菌懸濁液をチューブ中、1:1の比(特に指定がない限り)で混合した後、細胞に添加した。感染の最後に、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、小さな体積の氷冷PBS中にかき入れることによって収集した。遠心分離した後(16000rcf、5分、4℃)、ペレットをプロテアーゼ阻害剤反応混液(Roche complete、Roche)を補充した0.002%ジギトニン中に溶解させた。溶解させたペレット氷上で5分インキュベートし、次いで、遠心分離した(16000rcf、25分、4℃)。上清を収集し、総タンパク質含有量をBradford BCAアッセイ(Pierce)によって分析した後、SDS PAGE、及び抗Myc抗体(Santa Cruz、9E11)又は抗Ink4C抗体(Cell Signaling)を使用したウェスタンブロット法を行った。
【0130】
免疫蛍光。96ウェルプレート(Corning)に播種した細胞を上記の通り感染させ、4%PFAを用いて固定した後、細胞をPBSで3回洗浄した。次いで、ウェルを、0.3%トリトンX100を伴うPBS中5%ヤギ血清を使用して室温で1時間にわたってブロッキングした。一次抗体(抗Myc、Santa Cruz、1:100)を1%BSA及び0.3%トリトンX100を伴うPBS中に希釈し、細胞4℃で一晩インキュベートした。細胞をPBSで4回洗浄した後、1%BSA及び0.3%トリトンX100を伴うPBS中に希釈した二次抗体(AF488抗マウス、life technologies、1:250)を添加した。必要であれば、ヘキストDNA染色(life technologies、1:2500)及び/又はアクチン染色(Dy647−ファロイジン、DyeOmics)を含めた。いくつかの場合には、PFAを洗い流した直ぐ後にDNA及び/又はアクチン染色のみを適用した。細胞を室温で1時間にわたってインキュベートし、PBSで3回洗浄し、下記の通り自動画像解析によって解析した。
【0131】
自動顕微鏡及び画像解析。ImageXpress Micro(Molecular devices、Sunnyvale、USA)を用いて画像を自動で取得した。抗Myc染色強度の数量化を、MetaXpress(Molecular devices、Sunnyvale、USA)を使用して実施した。核領域及び細菌を含有する領域を除く細胞内の領域を手動で選択し(面積40ピクセルの円)、平均強度を記録した。
【0132】
リン酸化p38のTNFα刺激及びウェスタンブロット法。6ウェルプレートに播種したHeLa細胞を、上記の通り、感染多重度100で感染させた。感染の30分後にゲンタマイシンを添加し、感染の45分後にTNFaを添加した(10ng/ml)。感染の1時間15分後に細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、Phospho−safe lysis buffer(Novagen)を添加して細胞を溶解させた。氷上でインキュベートした後、細胞を遠心分離した(16000rcf、25分、4℃)。上清を収集し、総タンパク質含有量をBradford BCAアッセイ(Pierce)によって分析した後、SDS PAGE、並びに抗リン酸化p38、総p38抗体(Cell Signaling)及び抗アクチン抗体(Millipore)を使用したウェスタンブロット法を行った。
【0133】
感染HeLa細胞のcAMPレベル決定。96ウェルプレートに播種したHeLa細胞を上記の通り感染させた。感染の30分前に、cDMEMを10mMのHEPES及び2mMのL−グルタミン及び100μMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX、Sigma Aldrich)を補充したDMEMに変えた。感染の60分後にゲンタマイシンを添加し、細胞を37℃でさらに90分インキュベートした。cAMPの決定を、競合ELISAを製造者の説明書(Amersham、cAMP Biotrak、RPN225)に従って使用して実施した。ポジティブコントロールとして、示されている量のコレラ毒素(C8052、Sigma Aldrich)を、10mMのHEPES及び2mMのL−グルタミン及び100μMのIBMXを補充したDMEM中の細胞に1時間にわたって添加した。
【0134】
ゼブラフィッシュ胚感染、イメージング及び自動画像数量化。動物実験は全て、承認されたガイドラインに従って実施した。ゼブラフィッシュを標準の条件で維持した[52]。胚を、28.5℃における受精後の時間(hpf)によって段階分けした[53]。本試験では以下のゼブラフィッシュ系統を使用した:野生型フィッシュ(AB/EK及びEK/TL)。感染プロトコールは[54]に示されているガイドラインに従った。12hpf胚を、0.2mMのN−フェニルチオ尿素(PTU)を含有するE3培地中で維持して色素形成を防止した。受精後2日(dpf)胚を0.2mg/mlのトリカインによって麻酔し、ヘアループツールを使用してE3中1%寒天プレートに並べた[54]。Y.エンテロコリチカを、0.4%アラビノース、抗生物質及びmDapを補充したBHI中、室温で一晩増殖させ、0.5%アラビノース及び他の添加剤を伴う新鮮なBHI中、OD
600が0.2になるまで希釈し、室温で2時間増殖させた後、37℃ウォーターバス振とう機に温度シフトし、さらに45分置いた。最後に、細菌を遠心分離によって(6000rcf、30秒)収集し、PBSで1回洗浄した。mDAPを含有するPBS中、OD
600を2に設定した。この懸濁液1−2nLを並べたゼブラフィッシュ胚の後脳に、Femtojet Microinjector(Eppendorf)を使用し、ニードルの先端を細かいピンセットで取り除いたFemtotips II(Eppendorf)を使用して注射した。注射時間を0.2秒に設定し、補償圧力を15hPaに設定し(Eppendorf、Femtojet)、注射圧力を600hPaから800hPaの間に調整した。液滴サイズ、したがって種菌を、顕微鏡によって、及びコントロールプレーティングによって確認した。マイクロインジェクション後、フィッシュをトリカイン及びPTUを含有するE3中に収集し、37℃で30分インキュベートし、28℃でさらに5時間インキュベートした。感染の1時間後にゼブラフィッシュ後脳における細菌EGFP蛍光を蛍光双眼鏡(Leica)を使用して観察し、適正に注射されなかった胚を廃棄した。感染の最後に、フィッシュを、2%氷冷PFAを用いて氷上で1時間にわたって固定し、さらに新鮮な氷冷PFAを用いて4℃で一晩固定した。抗体染色を以前に記載されている通り実施した[55、56]。簡単に述べると、胚をPBS 0.1%Tweenを用いて4回、各洗浄について5分にわたって洗浄し、PBS−T+0.5%トリトンX100を用いて室温で30分にわたって透過処理した。胚をブロッキング溶液(PBS 0.1%Tween 0.1%トリトンX−100 5%ヤギ血清及び1%BSA)中、4℃で一晩ブロッキングした。抗体(Cleaved Caspase−3(Asp175)、Cell Signaling)をブロッキング溶液中1:100に希釈し、暗闇中4℃で振とうしながらインキュベートした。フィッシュを、PBS 0.1%Tweenを用いて30分にわたって7回洗浄した後、ブロッキング溶液中に希釈した二次抗体(ヤギ抗ウサギAF647、Invitrogen、1:500)を添加し、4℃で一晩インキュベートした。幼生を、PBS 0.1%Tweenを用いて4℃で30分にわたって4回、及び一晩にわたって1回洗浄し、さらに3−4回洗浄した。40×水浸対物レンズを使用したLeica TCS SP5共焦点顕微鏡を用いて画像を取得した。Imaris(Bitplane)及びImage Jソフトウェア(http://imagej.nih.gov/ij/)を使用して画像を解析した。
【0135】
記録されたzスタック画像の最大値z投影に対して画像解析(pBad_Si2についてn=14又はz−BIMについてn=19)をCellProfiler[57]によって実施した。簡単に述べると、細菌をGFPチャネルによって検出した。細菌斑点の各領域の周囲に半径10ピクセルの円を創出した。重複する領域を接しているメンバーの間で同等に分割した。細菌を密接に取り囲むこれらの領域において、カスパーゼ3 p17染色強度を測定した。
【0136】
リン酸化プロテオミクスのための試料の調製。各条件について、6ウェルプレート2つのHeLa CCL−2細胞をコンフルエンスまで増殖させた。細胞を上記の通り30分にわたって感染させた。示されている時点で、プレートを氷上に置き、氷冷PBSで2回洗浄した。次いで、試料を尿素溶液[8Mの尿素(AppliChem)、0.1Mの炭酸水素アンモニウム(Sigma)、0.1%のRapiGest(Waters)、1×PhosSTOP(Roche)]中に収集した。試料を手短にボルテックスし、4℃で超音波処理し(Hielscher)、thermomixer(Eppendorf)で5分振とうし、4℃、16000gで20分遠心分離した。上清を収集し、さらに処理するために−80℃で保管した。BCA Protein Assay(Pierce)を用いてタンパク質の濃度を測定した。
【0137】
リンペプチド濃縮。ジスルフィド結合を、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンを最終濃度10mMで用いて37℃で1時間にわたって還元した。遊離チオールを、20mMのヨードアセトアミド(Sigma)を用いて、暗闇中、室温で30分にわたってアルキル化した。過剰ヨードアセトアミドを、N−アセチルシステインを最終濃度25mMで用いて室温で10分にわたってクエンチした。Lys−Cエンドペプチダーゼ(Wako)を添加して最終的な酵素/タンパク質比を1:200(w/w)にし、37℃で4時間インキュベートした。その後、溶液を、0.1Mの炭酸水素アンモニウム(Sigma)を用いて尿素2M未満の最終濃度まで希釈し、sequencing−grade modified trypsin(Promega)をタンパク質:酵素比50:1で用いて37℃で一晩消化した。ペプチドをC18 Sep−Pakカートリッジ(Waters)で脱塩し、真空下で乾燥した。リンペプチドを総ペプチド質量2mgからTiO
2を用いて以前に記載されている通り[58]単離した。簡単に述べると、乾燥したペプチドを、フタル酸を染み込ませた80%アセトニトリル(ACN)−2.5%トリフルオロ酢酸(TFA)溶液に溶解させた。ペプチドを、ブロッキングしたMobicolスピンカラム(MoBiTec)中、同量の平衡化TiO
2(ビーズサイズ5μm、GL Sciences)に添加し、それを転倒回転させながら30分インキュベートした。カラムを飽和フタル酸酸性溶液で2回洗浄し、80%ACN及び0.1%のTFAで2回洗浄し、最終的に、0.1%のTFAで2回洗浄した。ペプチドを、0.3MのNH
4OH溶液を用いて溶出した。溶出液のpHは5%のTFA溶液及び2MのHClを用いて2.5未満に調整した。リンペプチドを再度、microspin C18カートリッジ(Harvard Apparatus)を用いて脱塩した。
【0138】
LC−MS/MS分析。1.9μmのC18樹脂(Reprosil−AQ Pur、Dr.Maisch)を社内で充填した加熱したRP−HPLCカラム(75μm×45cm)を備えたEASY nano−LC system(Thermo Fisher Scientific)を使用してペプチドのクロマトグラフィーによる分離を行った。毎分200nlの流速、120分にわたって98%溶媒A(0.15%ギ酸)及び2%溶媒B(98%アセトニトリル、2%水、0.15%ギ酸)から30%溶媒Bまでの直線勾配を使用して、LC−MS/MSの実行当たり総リンペプチド試料1μgのアリコートを分析した。質量分析は、ナノエレクトロスプレーイオン供給源を備えた二重圧力LTQ−Orbitrap質量分析計(どちらもThermo Fisher Scientific)で実施した。各MS1スキャン(Orbitrapで取得)の後、30秒の動的排除を伴う、20の最も豊富な前駆イオンの衝突解離(CID、LTQで取得)を行った。リンペプチド分析のために、10の最も豊富な前駆イオンを、使用可能な多段階の活性化を伴うCIDに供した。総サイクル時間はおよそ2秒であった。MS1に関しては、最大の時間300msにわたって10
6のイオンをOrbitrapセルに蓄積し、分解能60,000FWHM(400m/z)でスキャンした。MS2スキャンは、10
4のイオンの標的設定である通常のスキャンモード、及び蓄積時間25msを使用して取得した。単一荷電イオン及び電荷状態が割り当てられていないイオンはMS2事象の誘発から排除した。正規化衝突エネルギーを32%に設定し、各スペクトルに対して1つのマイクロスキャンを取得した。
【0139】
標識を用いない数量化及びデータベース検索。初期パラメータを使用した標識を用いない数量化のために、取得した未加工のファイルをProgenesisソフトウェアツール(Nonlinear Dynamics、バージョン4.0)にインポートした。MS2スペクトルをProgenesisからmgf形式で直接エクスポートし、MASCOTアルゴリズム(Matrix Science、バージョン2.4)を使用して、MaxQuantソフトウェア(バージョン1.0.13.13)からのSequenceReverserツールを使用して生成されたホモサピエンスの予測SwissProtエントリー(www.ebi.ac.uk、公開日2012年5月16日)及び一般に観察される夾雑物(全部で41,250配列)の通常及び逆配列を含有する囮データベース[59]に対して検索した。Y.エンテロコリチカに由来するタンパク質を同定するために、Y.エンテロコリチカの予測SwissProtエントリー(www.ebi.ac.uk、公開日2013年8月15日)を含む上記と同じデータベースに対して非リンペプチド濃縮試料を検索した。前駆イオン許容誤差を10ppmに設定し、フラグメントイオン許容誤差を0.6Daに設定した。検索基準を以下の通り設定した:完全なトリプシン特異性が必要であり(後ろにプロリンが続かない限り、リジン又はアルギニン残基の後で切断)、誤った切断は2つ許容され、カルバミドメチル化(C)は固定修飾に設定し、TiO
2濃縮又は非濃縮試料について、それぞれリン酸化(S、T、Y)又は酸化(M)は可変修飾に設定した。最後に、データベース検索結果をxmlファイルとしてエクスポートし、MS1特徴を割り当てるためにProgenesisソフトウェアにインポートし戻した。リンペプチド数量化のために、検出された特徴全てのMS1ピーク存在量を含有するcsvファイルをエクスポートし、非濃縮試料については、タンパク質当たり同定されたペプチド全ての合計した特徴強度に基づくタンパク質測定値の全てを含有するcsvファイルを作成した。重要なことに、Progenesisソフトウェアは、同様のペプチドのセットによって同定されるタンパク質が一緒に群分けされ、データベース内の単一のタンパク質について特異的な配列と矛盾しないペプチドのみがタンパク質数量化に使用されるように設定した。両方のファイルを、自社開発したSafeQuant v1.0 R script(未発表データ、https://github.com/eahrne/SafeQuant/で入手可能)を使用してさらに処理した。簡単に述べると、当該ソフトウェアでは、同定レベル偽発見率を1%に設定し(囮タンパク質配列データベースヒットの数に基づく)、試料全てにわたって同定されたMS1ピーク存在量(抽出されたイオンクロマトグラム、XIC)を正規化する、すなわち、確信的に同定されたペプチド特徴の全てを合計したXICが全てのLC−MS実行に関して同等になるように調整する。次に、数量化されたリンペプチド/タンパク質の全てを、時点ごとのXICの中央値に基づいて各時点についての存在量比に割り当てる。各比率の統計的有意性は、改変t統計量p値を算出すること[60]及び多重検定に対して調整すること[61]によって得られるそのq値(偽発見率で調整したp値)によって示される。リン酸化残基の位置をMASCOT(スコア>10)によって自動的に割り当てた。アノテートされたスペクトルは全て、MS未加工ファイル及び使用した検索パラメータと共に、PRIDE partner repository[62]を介してProteomeXchange Consortium(http://proteomecentral.proteomexchange.org)に寄託される。
【0140】
配列アラインメントを、http://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/clustalw2/のEMBL−EBIウェブに基づくClustalW2多配列アラインメントツールを使用して実施した。
【0141】
B)結果
YopE融合タンパク質の3型分泌に基づくタンパク質送達系
Y.エンテロコリチカT3SSエフェクターYopE(配列番号1)のちょうどN末端は、異種タンパク質を移行させるために十分な分泌シグナルを含有するが[10]、そのシャペロン(SycE)に対するシャペロン結合部位(CBS)は含まれない[63]。YopEのN末端の138アミノ酸(配列番号2)は他の異種T3S基質の移行に関して最良の結果が示されているので[38]、これを、送達するタンパク質と融合するために選択した。これらのYopEのN末端の138アミノ酸はCBSを含有するので、さらに、SycEを同時発現させることに決めた。精製されたY.エンテロコリチカpYV40病原性プラスミドからクローニングされたSycE−YopE
1−138断片は、YopEの内因性プロモーター及びシャペロンSycEの内因性プロモーターを含有する(
図10)。したがって、SycE及び任意のYopE
1−138融合タンパク質は、室温での増殖から37℃への迅速な温度シフトによって誘導される。37℃での培養時間は、細菌内に存在する融合タンパク質量に影響を及ぼす。YopE
1−138の3’末端に多重クローニング部位(MCS)を付加し(
図10B)、その後にMyc及び6×Hisタグ並びに終止コドンが続いた。
【0142】
バックグラウンド株を慎重に選択した。まず、内因性エフェクターの移行を制限するために、公知のエフェクター、Yop H、O、P、E、M及びTの全てが欠失したY.エンテロコリチカ株(名称ΔHOPEMT)[64]を使用した。さらに、外因性メソ−2,6−ジアミノピメリン酸が存在しないと増殖することができない栄養要求突然変異体[65]を使用した。この株は、アスパラギン酸−ベータ−セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子が欠失したものであり(Δasd)、Swiss safety agencyによるバイオセーフティレベル1に分類される(A010088/2に対する修正)。さらに、バックグラウンド株のより大規模な選択をもたらすために接着タンパク質YadA及び/又はInvAを欠失させた。yadA又はyadA/invA株を使用すると、誘導されるバックグランドシグナルが減少したが[66]、送達されるタンパク質量も同様に影響を受ける[67]。
【0143】
真核細胞へのYopE融合タンパク質送達の特徴づけ
インビトロ分泌アッセイ(
図1A参照)では、周囲の液体へのタンパク質分泌を人工的に誘導する。TCAに基づくタンパク質沈殿の後、抗YopE抗体を用いたウェスタンブロット分析を使用して、分泌されたタンパク質量を決定した(
図1B)。wt株からは完全長YopEが分泌されたが、ΔHOPEMT asd株からは分泌されなかった。YopE
1−138−Myc−His(今後YopE
1−138−Mycと称する;配列番号3)が存在すると、より小さなYopEバンドが目に見えるようになった(
図1B)。したがって、YopE
1−138断片は本明細書に記載の設定において十分に分泌された。真核細胞へのタンパク質移行の均一性を分析するために、HeLa細胞にYopE
1−138−Mycをコードする株を感染させ、IFによってmycタグを染色した(
図2A及びB)。最初は細菌のみが染色されたが、感染後(p.i.)30分の時点では、細胞の輪郭が目に見え始め、これは感染時間を増大させると増強される(
図2B)。この傾向は、HeLa細胞の内部のmycタグ染色強度によく反映される(
図2A及びB)。YopE
1−138−Mycは、核内以外は[68]細胞のどこででも検出することができる(
図2A)。驚くべきことに、この手法は、全てではないが大多数の細胞に同等に到達した。Y.エンテロコリチカは多くの異なる細胞型に感染することが公知であるので[69]、種々の細胞株へのYopE
1−138−Myc送達を追跡した。感染させたマウス線維芽細胞、ジャーカット細胞及びHUVECにおいて同じ同種抗MycIF染色が観察された(
図11)。さらに、感染多重度を高く又は低く調整することにより、なお大多数の細胞を標的としたまま、送達されるタンパク質量を調節することができる(
図2C)。細菌数を少なくすると、送達されるタンパク質を大量に有する少数の細胞がもたらされるのではなく、送達されるタンパク質を少量含有する最多数の細胞がもたらされる(
図2C)。
【0144】
T3SSにより送達されるタンパク質の核への転送
YopE自体は細胞質に局在していたので(
図2A)、YopE
1−138断片により核融合タンパク質の局在化が妨害されるかどうかを決定することが特に興味深い。したがって、YopE
1−138−EGFPのC末端(及びN末端、同様の結果)にSV40 NLSを付加した(それぞれ配列番号39及び配列番号38)。感染させたHeLa細胞において、YopE
1−138−EGFP(配列番号37)では弱い細胞質染色が導かれたが、YopE
1−138−EGFP−NLSでは、より強力な核内EGFPシグナルが生じた(
図3)。これにより、YopE
1−138断片がNLSの使用と適合することが示される。mCherryはすでに植物病原体において使用されていたが[70]、これにより、T3SSをコードするヒト又は動物病原性細菌を介したGFP様タンパク質の送達が上首尾であることが示される。これにより、SycE及びYopE
1−138依存性戦略が多くの選択されたタンパク質の送達に関して非常に有望であることが検証される。
【0145】
真核細胞に融合タンパク質を移行させた後のYopE
1−138付属物の除去
YopE
1−138断片の細菌による送達は大いに役立つものであるが、YopE
1−138断片は、融合タンパク質機能及び/又は局在化を妨害する可能性がある。したがって、タンパク質送達後に除去することが最適であると思われる。この目的のために、YopE
1−138と融合パートナー(転写制御因子ET1−Myc(配列番号36及び41)[74]及びヒトINK4C(配列番号40及び配列番号43))の間に2つのTEV切断部位(ENLYFQS)[71−73]を導入した。提供される方法の利点を保持するために、別のY.エンテロコリチカ株においてTEVプロテアーゼ(S219V変異体;[75])をYopE
1−138(配列番号42)とさらに融合した。HeLa細胞に、両方の株を一度に感染させた。タンパク質の移行画分のみの分析を可能にするために、感染HeLa細胞を、感染の2時間後に(
図4)、細菌は溶解させないことが公知であるジギトニンを用いて溶解させた([76];コントロールについては
図12を参照されたい)。ウェスタンブロット分析により、細胞に対応する株を感染させた場合にのみ、YopE
1−138−2×TEV切断部位−ET1−Myc又はYopE
1−138−2×TEV切断部位−Flag−INK4C−Mycが存在することが明らかになった(
図4A及びC)。この細胞溶解物を精製TEVプロテアーゼで一晩消化すると、バンドのシフトを観察することができた(
図4A及びC)。このバンドは、ET1−Myc(
図4C)又はFlag−INK4C(
図4A)に対応し、1つのセリンのみの可能性が最も高い、TEV切断部位のN末端残余を有する。細胞にTEVプロテアーゼを送達する株を同時感染させると、同じ切断されたET1−Myc又はFlag−INK4C断片が目に見えるようになり、これにより、T3SSにより送達されたTEVプロテアーゼが機能性であること、及び単一の細胞に両方の菌株が感染したことが示される(
図4A及びC)。切断は完全なものではないが、移行したタンパク質の大多数が、感染の2時間後にすでに切断され、さらに、精製TEVプロテアーゼを用いた一晩消化によってより良好な切断率はもたらされなかった(
図4B)。報告の通り、TEVプロテアーゼ依存性切断には、融合タンパク質に応じた最適化が必要であり得る[77、78]。したがって、移行後のYopE
1−138付属物のTEVプロテアーゼ依存性除去により、初めて、N末端アミノ酸の1つのみのアミノ酸組成の変化で、ほぼ天然の異種タンパク質のT3SSタンパク質送達がもたらされる。
【0146】
YopE断片のTEVプロテアーゼ依存性切断の代替の手法は、目的の融合タンパク質にユビキチンを組み入れることからなる。実際、ユビキチンは、内因性ユビキチン特異的C末端プロテアーゼ(脱ユビキチン化酵素、DUB)の群により、C末端においてプロセシングを受ける。切断はユビキチンのちょうどC末端(G76の後ろ)で起こるはずであるので、目的のタンパク質は、追加的なアミノ酸配列を含まないべきである。この方法をYopE
1−138−ユビキチン−Flag−INK4C−MycHis融合タンパク質に関して試験した。YopE
1−138−Flag−INK4C−MycHisを発現する細菌を感染させたコントロール細胞では、YopE
1−138−Flag−INK4C−MycHisに対応するバンドが見いだされ、これにより、融合タンパク質が効率的に移行したことが示される(
図24)。細胞にYopE
1−138−ユビキチン−Flag−INK4C−MycHisを発現する細菌を1時間にわたって感染させた場合、Flag−INK4C−MycHisのサイズに対応する追加的なバンドが目に見え、これにより、融合タンパク質の一部が切断されたことが示される。この結果から、融合タンパク質へのユビキチンの導入により、外因性プロテアーゼを必要とせずにYopE
1−138断片を切り離すことが可能になることが示される。
【0147】
III型及びIV型細菌エフェクターの移行
サルモネラ・エンテリカ由来のSopEは、Cdc42と相互作用し、それによりアクチン細胞骨格リモデリングを促進する、よく特徴付けられたグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)である[79]。HeLa細胞へのYopE
1−138−Mycの移行の影響はなかったが、移行したYopE
1−138−SopE(配列番号5及び135)によりアクチンネットワークの劇的な変化が誘導された(
図5A)。別のGEFエフェクタータンパク質、シゲラ・フレックスネリ由来のIpgB1(配列番号4)を用いて同様の結果が得られた。驚くべきことに、アクチン細胞骨格の最初の変化は感染後2分という速さで観察された(
図5A)。したがって、T3SS依存性タンパク質送達は、遠心分離によって感染を開始したすぐ後に起こると結論づけることができる。厳密なT3SS依存性輸送を証明するために、真核細胞膜への移行ポアを形成するT3SSタンパク質の1つを欠失させた(YopB、[80]参照)(
図12)。
【0148】
サルモネラ属感染の間、SopE移行の後に、Cdc42に対するGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)として機能するSptPが移行する[81]。YopE
1−138−SopE−Myc(配列番号135)単独での移行により、大規模なF−アクチン再構成が誘発されたが、YopE
1−138−SptP(配列番号8)を発現する細菌との同時感染により、この影響は用量依存性様式に消失した(
図5B)。抗Myc染色により、この阻害がYopE
1−138−SopE−Myc移行のレベルの低下に起因するものではないことが示された(
図5B)。これらの結果をまとめて、細胞に2種の菌株を同時感染させることは、2種の異なるエフェクターを、それらの機能性相互作用を扱うために単一細胞に送達するための有効な方法であることが示された。
【0149】
S.フレックスネリIII型エフェクターOspFは、MAPキナーゼp38及びERKを脱リン酸化するホスホスレオニンリアーゼとして機能する[82]。移行したYopE
1−138−OspF(配列番号7)の機能性を試験するために、TNFαを用いた刺激後のp38のリン酸化をモニターした。感染させていない細胞又はYopE
1−138−Mycを発現する細菌を感染させた細胞において、TNFαによりp38リン酸化が誘導された。対照的に、YopE
1−138−OspFの移行後には、TNFαにより誘導されたリン酸化が消失し、これにより、送達されたOspFがp38に対して活性であることが示される(
図6A)。
【0150】
サルモネラ属感染の間、III型エフェクターSopBは、Aktの持続的な活性化によって上皮細胞をアポトーシスから保護する[83]。YopE
1−138−Myc又はYopE
1−138−SopEの移行ではAktに影響はなかったが、YopE
1−138−SopB(配列番号6)の移行により、AktのT308及びS473における強力なリン酸化が誘導され、これは活性型を反映する(
図6B)。S.フレックスネリ由来のSopBホモログ(IpgD、配列番号9)を用いて同様の結果が得られた。総じて、我々の結果から、YopE
1−138に基づく送達系がこれまでに試験された全てのT3Sエフェクターに対して機能すること、及び、YopE
1−138に基づく送達系により、細胞骨格、炎症及び細胞生存を含めた中心的な細胞機能を制御するタンパク質を調査することが可能になることが示される。
【0151】
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)及びバルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae)を含めたいくつもの細菌は、IV型分泌を使用してエフェクターを細胞に注射する。B.ヘンセラ由来のIV型エフェクターBepAを我々のツールを使用してHeLa細胞に移行できるかどうかを試験した。完全長BepA(配列番号10)及びC末端Bidドメインを含有するBepA
E305−end(配列番号11)をクローニングし、それぞれの株を細胞に感染させた。BepAは、サイクリックAMP(cAMP)の産生を誘導することが示されたので[84]、感染後にHeLa細胞におけるcAMPのレベルを測定した。B.ヘンセラエフェクターBepG(配列番号136)のBidドメインの移行ではcAMPを誘導できなかったが、完全長BepA及びBepA
E305−endではcAMP産生が予測された量で誘発された[84](
図6C)。この結果から、IV型エフェクターもYopE
1−138に基づく送達系によって宿主細胞標的に有効に送達でき、それらが機能性であることが示される。
【0152】
上皮細胞への真核生物タンパク質の移行
ヒトタンパク質をIII型分泌によって移行できることを示すために、ヒトアポトーシス誘導因子を、Y.エンテロコリチカによる送達のためにYopE
1−138と、又は、S.エンテリカによる送達のためにSteA
1−20、SteA、SopE
1−81又はSopE
1−105と融合した。次いで、Bcl−2タンパク質ファミリーのプロアポトーシスメンバーであるヒトBH3相互作用ドメインデスアゴニスト(Bid、配列番号24)の移行をモニターした。Bidは、カスパーゼ−8(CASP8)によって誘導されるミトコンドリア損傷のメディエーターである。CASP8によりBidが切断され、切除されたBid(tBID、配列番号25)はミトコンドリアに移行し、そこでチトクロムC放出を誘発する。後者により、17kDaと12kDaのサブユニットに切断される、カスパーゼ3(CASP3)活性化の固有の様式が導かれる[85]。YopE
1−138−Myc又はYopE
1−138−Bidを発現するY.エンテロコリチカの1時間にわたる感染では、アポトーシスを誘導することができなかったが、ヒトtBIDの移行により、細胞死がよく特徴付けられたアポトーシス誘導因子スタウロスポリンよりも大きな程度で誘発された(
図7A及びC)。予測通り、tBIDの移行により、CASP3 p17サブユニットの産生が、スタウロスポリンを用いた場合より大きな量でまで誘導される(
図7A)。移行したタンパク質量と内因性Bidの比較を可能にするために、HeLa細胞をジギトニンを用いて溶解させ、抗Bid抗体を使用したウェスタンブロット法によって分析した(
図7B)。T3SSにより送達されたYopE
1−138−tBIDは、ほぼHeLa細胞における内因性Bidレベルに達したが、送達されたYopE
1−138−Bidはさらに高分量で存在した(2.5倍)(
図7B)。HeLa細胞のディーププロテオーム及びトランスクリプトームマッピングにより、単一細胞当たり4.4倍の10
5コピーのBidが推定された[86]。したがって、3SS依存性ヒトタンパク質送達が細胞当たり10
5〜10
6のタンパク質に達すると結論づけることができる。これらの数は、大腸菌T3SSにより移行したナノボディの細胞当たりのコピー数と一致する[19]。感染多重度について及び感染の持続時間について10の係数、抗生物質添加の時点及び感染前の37℃での培養時間について3.2の係数のレベリングを仮定すると、送達されるタンパク質コピー/細胞を数1000コピー/細胞から数10
6コピー/細胞まで調整することができる。総じて、これらの結果から、移行したtBIDが機能性であり、有意味なレベルで送達されたことが示された。これにより、細胞生物学の中心的側面であるアポトーシスの調節におけるタンパク質の役割を試験するための移行ツールが検証された。
【0153】
さらに、Y.エンテロコリチカによる送達のために、マウスtBID(Y.エンテロコリチカに対してコドン最適化;配列番号194)又はマウスtBID又はマウスBAX(どちらの場合でもY.エンテロコリチカに対してコドン最適化;配列番号138及び139)のBH3ドメインをYopE
1−138と融合した。Y.エンテロコリチカΔHOPEMT asdでの2.5時間にわたる感染では、タンパク質は送達されなかった、又はYopE
1−138−Mycによりアポトーシスを誘導することができなかったが、マウスtBID(Y.エンテロコリチカに対してコドン最適化、配列番号194)の移行により、B16F10細胞(
図16)、D2A1細胞(
図17)、HeLa細胞(
図18)及び4T1細胞(
図19)における細胞死が誘発された。Y.エンテロコリチカに対してコドン最適化されたマウスBidのBH3ドメインの移行(配列番号138)又はY.エンテロコリチカに対してコドン最適化されたマウスBAX(配列番号139)によっても同様にB16F10細胞(
図16)、D2A1細胞(
図17)、HeLa細胞(
図18)及び4T1細胞(
図19)における大規模な細胞死が誘導されることが見いだされた。
【0154】
S.エンテリカaroA細菌を用いた4時間にわたる感染ではアポトーシスを誘導することができなかったが、マウスtBIDの移行では、マウスtBIDの移行によりCASP3 p17サブユニットの産生が導かれ、アポトーシスが誘発された(
図20及び21)。SopE融合タンパク質についてのアポトーシス誘導の程度は、SpiI T3SS誘導条件を使用した場合により大きく(
図20)、これは、SpiI T3SSによる排他的なSopEの輸送を反映する。マウスtBIDと融合したSteA
1−20ではアポトーシスを誘導することができず、これは、SteAの20個のN末端アミノ酸内の分泌シグナルが融合タンパク質の送達を可能にするには十分でないことが原因である可能性が高い(
図20及び21)。完全長SteAと融合したマウスtBIDでは、SpiI T3SS誘導条件及びSpiII T3SS誘導条件のどちらでもHeLa細胞におけるアポトーシス誘導が導かれ(
図20及び21)、これは、SteAがどちらのT3SSによっても輸送可能なものであることを反映する。SpiII T3SS誘導条件下でさえ、SpiII T3SS誘導条件でのSopE融合タンパク質の活性によって見られるように、SpiI T3SSの部分的な活性が予測されることに留意しなければならない(
図21)。
【0155】
本明細書で機能的に詳述されている移行した真核生物タンパク質に加えて、いくつかの他の真核生物タンパク質が本明細書に記載のツールを使用して分泌されている。これは、細胞周期調節からのタンパク質(Mad2(配列番号15)、CDK1(配列番号14)、INK4A(配列番号16)、INK4B(配列番号17)及びINK4C(配列番号18))並びにその一部(INK4A 84−103(配列番号158)、p107 657−662(配列番号159)、p21 141−160(配列番号160)、p21 145−160(配列番号161)、p21 17−33(配列番号162)及びサイクリンD2 139−147(配列番号163))、アポトーシス関連タンパク質(Bad(配列番号29)、FADD(配列番号28)、及びカスパーゼ3 p17(配列番号22)及びp12(配列番号23)、ゼブラフィッシュBid(配列番号19)及びt−Bid(配列番号20))並びにその一部(tBid BH3(配列番号138)、Bax BH3(配列番号139))、シグナル伝達タンパク質(マウスTRAF6(配列番号12)、TIFA(配列番号13))、GPCR Gαサブユニット(GNA12、最も短いアイソフォーム、(配列番号30))、ナノボディ(vhhGFP4、(配列番号31))及び標的タンパク質分解のためのナノボディ融合構築物(Slmb−vhhGFP4;(配列番号32、33、34)[87])(
図13及び14)並びに低分子GTPアーゼ(Rac1 Q61E(配列番号26及び137)及びRhoA Q63L(配列番号27)及びヒトAkt由来のプレクストリン相同性ドメイン(配列番号35)のY.エンテロコリチカ(
図13、14及び23)による送達を含む。機能的に詳述されているアポトーシス関連タンパク質(マウスtBid、配列番号144−147)に加えて、これは、細胞周期調節からのタンパク質(Mad2(配列番号168−169)、CDK1(配列番号170−171)、INK4A(配列番号164−165)及びINK4C(配列番号166−167))のS.エンテリカによる送達をさらに含む(
図22)。これらのタンパク質は機能的に検証されてはいないが、多様な真核生物タンパク質のT3SS依存性分泌の可能性とYopE付属物の可能性のある除去との組み合わせにより、細胞生物学におけるT3SSの広範な適用性に関する新しい展望が開かれる。
【0156】
ゼブラフィッシュ胚における切除されたBidのインビボでの移行により、アポトーシスが誘導される
この細菌ツールの興味深い特徴は、生きている動物における潜在的使用である。胎児性/胚性状態にあるゼブラフィッシュは透明性を維持することができ、それにより、蛍光染色及び顕微鏡観察が可能になる[54、88、89]。いくつかのゼブラフィッシュアポトーシス誘導因子が詳細に記載されており、z−BIMが最も強力である[90]。したがって、z−BIMを我々の系にクローニングすることに決めた。ヒトBIMに対する相同性が弱いとしても、ヒト上皮細胞におけるYopE
1−138−z−BIM(配列番号21)のアポトーシス誘導の力価をアッセイした。YopE
1−138−z−BIMを移行させる株を1時間にわたって感染させたHeLa細胞では、細胞死の明らかな徴候が示された。次いで、受精後2日(dpf)ゼブラフィッシュ胚を用い、局在感染モデルを使用して、後脳への細菌のマイクロインジェクションによってインビボ実験を実施した[54]。5.5時間にわたる感染後、フィッシュを固定し、透過処理し、CASP3 p17の存在について染色した。YopE
1−138−Mycを発現する株を感染させると、後脳領域では細菌が目に見えたが(染色「b」、
図8A I)、細菌の周囲でのアポトーシスの誘導は検出されなかった(染色「c」、
図8A I)。対照的に、YopE
1−138−z−BIMを送達する株を感染させると、細菌周囲の領域において、切断されたCASP3の存在の強力な増加が観察された(
図8A II)。最大値z投影に対する自動画像解析により、YopE
1−138−z−BIMを移行させる細菌により、近くの細胞のアポトーシスがコントロール細菌によるものよりもはるかに多く誘導されることが確認される(
図8B)。これにより、z−BIMが、細菌による移行に際して、ゼブラフィッシュにおいて機能性であることが示される。これらの結果から、生きている動物における真核生物タンパク質送達のためのT3SSの使用がさらに検証される。
【0157】
リン酸化プロテオミクスにより、タンパク質のリン酸化に対する移行したタンパク質の全体的な影響が示される
リン酸化は、生物学的プロセスを活性化するか又は不活化することが可能であり、したがって、試験シグナル伝達事象の適切な標的となる、広く拡散した翻訳後修飾である[91、92]。これにもかかわらず、現在アポトーシスにおけるリン酸化のシステムレベルの分析は利用可能になっていない。HeLa細胞に送達されたヒトtBidの影響を分析するために、LC−MS/MSによる、標識を用いないリン酸化プロテオミクス手法を使用した。3つの独立した実験において、細胞を無処理のままにしたか、又は、ΔHOPEMT asd+YopE
1−138−Myc又はΔHOPEMT asd+YopE
1−138−tBidを30分にわたって感染させた。細胞を溶解させ、その後、酵素により消化し、リンペプチドを濃縮し、個々のリンペプチドを数量化及び同定した。ΔHOPEMT asd+YopE
1−138−Mycを感染させた細胞とΔHOPEMT asd+YopE
1−138−tBidを感染させた細胞を比較し、それにより、363のtBid依存性リン酸化事象を同定することが可能になった。tBid送達に際して、286のリンペプチドではリン酸化の増加が示され、77ではリン酸化の減少が示され、これは、243の異なるタンパク質に対応し、これをtBidリン酸化プロテオームとして定義した。STRINGデータベースを使用して、tBidリン酸化プロテオームのタンパク質間相互作用ネットワークを創出した[93](
図9A)。さらに、ミトコンドリアでのアポトーシスに関連することが公知の27のタンパク質をネットワークに追加し、中心的なクラスターを構築した。興味深いことに、tBidリン酸化プロテオームからの数種のタンパク質のみがこの中心的なクラスターとつながり、これにより、多くのタンパク質が、これまでアポトーシスタンパク質と直接関連づけられていなかったリン酸化の変化を受けることが示される。tBidリン酸化プロテオームによりカバーされる生物学的機能の特徴を明らかにするために、Database for Annotation,Visualization,and Integrated Discovery(DAVID、http://david.abcc.ncifcrf.gov/)[94、95]データベースの機能性アノテーションツールを使用した遺伝子オントロジー分析を実施した。同定された生物学的機能により、多様な細胞プロセスがtBidの影響を受けることが示される。クロマチン再構成及び転写の調節に関与する多くのタンパク質がリン酸化の変化を受ける(すなわち、CBX3、CBX5、TRIM28、HDAC1)。例えば、HDAC1は、転写の調節において役割を果たすヒストンデアセチラーゼである。HDAC1は、同じくアポトーシスに関与するタンパク質であるNF−kBの転写活性を調節することが可能であることが示されている。さらに、以前示されているRNAプロセシングに関与するタンパク質のクラスターがアポトーシスの調節において重要な役割を果たすことを同定した[96]。例えば、HNRPKは、DNA損傷に対するp53/TP53応答を媒介し、アポトーシスの誘導に必要である[97]。さらに、タンパク質翻訳に関与するタンパク質のリン酸化も影響を受けた。アポトーシス細胞において全体的なタンパク質合成が減少するという観察に沿って、いくつかの真核生物開始因子(すなわち、EIF4E2、EIF4B、EIF3A、EIF4G2)がリン酸化の変化を受ける。興味深いことに、細胞骨格リモデリングに関与する多くのタンパク質のリン酸化(例えば、PXN、MAP1B9)がtBid送達に際して変更される。これは、tBid送達に際して細胞の形態が劇的に変化するという観察と一致する(
図9B)。細胞の縮小及び接触の喪失は、ZO2及びパキシリンのような接着関連タンパク質のリン酸化が観察されたという事実により反映される。同様に、核の縮小には、ラミンA/C及びラミンB1のような層状タンパク質のリン酸化が伴う。総じて、tBID送達により、ミトコンドリア完全性の破綻によっても示される迅速なアポトーシス応答が誘導される(
図9B)。我々は、tBidにより誘導されるアポトーシスが、多様な細胞プロセスに関与する数百のリン酸化事象に影響を及ぼすことを示した。同定されたタンパク質の多くがアポトーシスに関係しているが、アポトーシス誘導に際してリン酸化されることが分かっているのはほんのわずかである。したがって、リン酸化プロテオミクス手法により、アポトーシスに関するさらなる試験のための有用なリソースがもたらされる。
【0158】
(参考文献)
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