【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、第1の好ましい態様において、本発明は、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスであって以下の特徴を有するものを提供する:
(i)同じ組成のMOF単結晶を形成可能な組成物からモノリスが形成された場合、モノリスの単位かさ体積あたりのBET表面積は同じ組成のMOF単結晶の単位かさ体積あたりのBET表面積の少なくとも0.6倍であり、
(ii)同じ組成の単結晶を形成可能ではない組成物であってMOF単結晶を形成可能な組成物及び前記組成物の1種以上の残りの成分からモノリスが形成された場合、モノリスの単位かさ体積あたりのBET表面積はMOF単結晶及び残りの成分の単位かさ体積あたりのBET表面積の体積加重算術平均(volumetric weighted arithmetic mean)の少なくとも0.6倍であり、
単位かさ体積あたりのBET表面積は77KでのN
2吸着等温線に基づいて求められる。
【0012】
ここで本発明の第1の態様の特定の任意の特徴について説明する。これらの特徴は、文脈に反しない限り、単体又は任意の組み合わせで適用し得る。これらの特徴は、文脈に反しない限り、本発明の他の態様にも任意の組み合わせで適用し得る。
【0013】
好ましくは、モノリスは、(i)同じ組成のMOF単結晶の単位かさ体積あたりのBET表面積又は(ii)MOF単結晶及び残りの成分の単位かさ体積あたりのBET表面積の体積加重算術平均の少なくとも0.7倍、0.8倍又は0.9倍の単位かさ体積あたりのBET表面積を有する。
【0014】
あるいは、必要に応じて、MOF単結晶の単位かさ体積あたりのBET表面積は、結晶構造及びその結晶構造に取り込まれたミクロ細孔についての情報に基づいた計算により求めることができる。したがって、単結晶はメソ細孔及びマクロ細孔を含まないものとする。
【0015】
好ましくは、モノリスの単位かさ体積あたりのBET表面積は少なくとも600m
2/cm
3である。
【0016】
モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0017】
第2の好ましい態様において、本発明は、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスであって、該モノリスの単位かさ体積あたりのBET表面積が少なくとも600m
3/cm
3である(単位かさ体積あたりのBET表面積は、77KでのN
2吸着等温線に基づいて求められる)ものを提供する。
【0018】
モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0019】
本発明の幾つかの態様及び実施形態並びに比較用材料について述べるにあたっては、多孔度に関する値を体積パーセント(体積%)で提示することが有用である。これは細孔の総体積(場合によっては定義されたサイズ範囲内)のモノリスの体積に対する比を表す。モノリスのかさ体積を、水銀ポロシメータでアルキメデス法(すなわち、モノリスにより押しのけられる水銀の体積を求めてからモノリスの細孔に水銀を浸透させる)により測定することが可能である。
【0020】
第3の好ましい態様において、本発明は、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスであって、最大で10体積%のメソ多孔度を有するもの[メソ多孔度は2〜50nmの範囲の直径を有する細孔と定義され(マクロ多孔度は、直径50nmを超える細孔と定義される)、多孔度及び細孔径分布は77KでのN
2吸着等温線に基づいて求められる]ものを提供する。
【0021】
モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0022】
現時点で、77KでのN
2吸着等温線に基づいた多孔度及び細孔径分布の決定は、MOF材料についてのミクロ多孔度及びメソ多孔度の決定に適していると考えられる。50nmを超える多孔度及び細孔径分布の決定(すなわち、マクロ多孔度)は、別の方法、例えば水銀多孔度測定法により行い得る。
【0023】
好ましくは、MOFモノリスは、少なくとも40体積%のミクロ多孔度(直径2nm未満の細孔と定義される)を有する。より好ましくは、MOFモノリスは少なくとも50体積%、より一層好ましくは少なくとも55体積%、より一層好ましくは少なくとも60体積%のミクロ多孔度を有する。
【0024】
第4の好ましい態様において、本発明は、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスであって、以下の特徴を有するものを提供する:
(i)同じ組成のMOF単結晶を形成可能な組成物からモノリスが形成された場合、このモノリスは、同じ組成のMOF単結晶のミクロ多孔度の少なくとも0.6倍のミクロ多孔度(直径2nm未満の細孔と定義される)を有し、
(ii)同じ組成の単結晶を形成可能ではない組成物であってMOF単結晶を形成可能な組成物及び前記組成物の1種以上の残りの成分からモノリスが形成された場合、モノリスは、MOF単結晶及び残りの成分のミクロ多孔度の体積加重算術平均の少なくとも0.6倍のミクロ多孔度を有し、
多孔度及び細孔径分布は、77KでのN
2吸着等温線に基づいて求められる。
【0025】
ミクロ多孔度、メソ多孔度及びマクロ多孔度の範囲設定は以下の通りである。
ミクロ多孔度:2nmの細孔径
メソ多孔度:2〜50nmの範囲の細孔径
マクロ多孔度:50nmより大きい細孔径
この範囲設定はIUPACの範囲設定に準拠しており、MOF材料を含めた多孔質材料に適用可能である[Rouquerolら(1994)及びSing(1982)]。
【0026】
必要に応じて、MOF単結晶のミクロ多孔度は別の方法により、結晶構造及びその結晶構造に取り込まれたミクロ細孔についての情報に基づいた計算により求めることができる。したがって、単結晶は、メソ細孔及びマクロ細孔を含まないものとする。
【0027】
好ましくは、モノリスは、(i)同じ組成のMOF単結晶のミクロ多孔度又は(ii)MOF単結晶及び残りの成分のミクロ多孔度の体積加重算術平均の少なくとも0.7倍、0.8倍又は0.9倍のミクロ多孔度を有する。
【0028】
好ましくは、MOFモノリスの密度は、(i)同じ組成のMOF単結晶の密度又は(ii)MOF単結晶及び残りの成分の密度の体積加重算術平均の少なくとも90%である。この場合、同じ組成のMOF単結晶の密度は、結晶構造についての情報に基づいた計算により求めることができる。単結晶は、メソ細孔及びマクロ細孔を含まないものとする。より好ましくは、MOFモノリスは、(i)同じ組成のMOF単結晶又は(ii)MOF単結晶及び残りの成分の密度の体積加重算術平均の密度の少なくとも95%、より好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも105%又はより好ましくは少なくとも110%の密度を有する。
【0029】
幾つかの実施形態において、モノリスが、メソ多孔度及びマクロ多孔度について可能な限り低い値を有することが好ましい。例えば、累積メソ多孔度及びマクロ多孔度は1体積%未満になり得る。これは、材料の用途が例えばCO
2、H
2、CH
4等のガス用の吸着材である場合に有利であり、ミクロ細孔が占める体積を広げることで関連するガスをより多く吸着できる。
【0030】
しかしながら、幾つかの実施形態においては、モノリス内の流れを円滑にするために、モノリスがある程度のメソ多孔性及び/又はマクロ多孔性を有することが好ましい。このような状況において、メソ細孔及びマクロ細孔はミクロ細孔に通じる流路となる。ここでもまた、それが必要とされるか否かは材料の用途次第であり、モノリス内の流れが改善されるという利点は、単位体積あたりのミクロ細孔の量が比例して少なくなって吸着に利用できる表面積が減少することで相殺される。メソ細孔及び/又はマクロ細孔は、製造工程中に添加剤を使用することでモノリスに含めることができる。このタイプのよく計算された階層的な多孔度は、モノリス内部での流れを必要とする特定の用途向けのモノリスの性質のバランスをとるのに役立ち得る。
【0031】
例えば、モノリスはテンプレート材料を用いて製造でき、テンプレート材料の内側及び/又は周囲でモノリスを形成できる。このテンプレート材料を続いて除去すると、モノリス全体に適切な細孔網を残すことができる。細孔網は、メソスケール多孔度及び/又はマクロスケール多孔度のものになり得る。適切な2相連続的多孔性(bi−continuous porosity)を、Caoら(2013)が報告しているようなMOFの状況で形成できる。
【0032】
77KでのN
2吸着を用いて、ミクロ多孔度及びメソ多孔度を測定可能である。典型的には、ミクロ細孔の体積は相対圧力P/P
0=0.1で得られ、より高い圧力での吸着はP/P
0=0.98までメソ多孔度に関係する。
【0033】
水銀多孔度測定法を用いてモノリスの「かさ」密度を測定できるが、これはHgは大気圧では細孔に浸入しないからである。別のやり方においては、水銀多孔度測定法を用いて、Hg圧力を上昇させ、Hgがモノリスの細孔に圧力で浸入する度合いを測定することでマクロ及びメソ多孔度を測定することもできる。水銀多孔度測定法は、ミクロ多孔度の測定には用いることができない。
【0034】
比較を目的として報告されている一部の研究は粉末材料に関する。この場合、かさ密度はタップかさ密度、すなわち、軽く叩いて粉末サンプルを容器内で落ち着かせ、質量を測定し、この質量をサンプルの見掛けの体積で割ることに基づいた粉末の見掛けの密度である。粉末形態のMOF材料の場合、したがって、これにはミクロ細孔、メソ細孔及びマクロ細孔、また粉末粒子間の間隙が占める体積が含まれる。
【0035】
モノリス(又はボディ)の体積は、場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0036】
好ましくは、モノリスは、少なくとも50mm
3、より好ましくは少なくとも100mm
3、より好ましくは少なくとも500mm
3、より一層好ましくは少なくとも1000mm
3の体積を有する。用語「モノリス」は、自立型のボディを含むものとする。基体又は他の支持体上に形成される、あるいは別の構造体による支持に依存する材料の形態は除外するものとする。
【0037】
好ましくは、MOFモノリス又はボディは、少なくとも1mmの最小線寸法を有する。すなわち、モノリスが完全な球形ではないと仮定すると、モノリス材料を通る最も短い直線はモノリスにおいて少なくとも1mmの長さを有する。この寸法は、モノリスの概形によってはモノリスの厚さと見なし得る。より好ましくは、MOFモノリスは少なくとも5mmの最小線寸法を有する。
【0038】
モノリスは、第2MOF組成物のマトリックス中に第1MOF組成物の粒子を含む複合材料を含み得て、これに関しては本発明の独立した態様との関連で後に詳述する。
【0039】
第5の好ましい態様において、本発明は、実質的に透明である、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスを提供する。
【0040】
透明MOF材料は、分光ガス分析用途において特に有用である。
【0041】
モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0042】
第6の好ましい態様において、本発明は、少なくとも10mm
3の体積を有する金属−有機構造体(MOF)モノリスであって、該モノリスの材料の645nmの光の直線透過率は材料厚さ0.8mmで少なくとも10%であるものを提供する。
【0043】
好ましくは、直線透過率を、Apetz及びvan Bruggen(2003)の論文に記載される通りに測定し、レーザー源を645nmで用いる。サンプルを粉砕し、厚さ0.8mmまで研磨することで表面散乱を排除する。サンプルを透過した光は検出器で検出され、この検出器は、軸から0.5°を超える角度で散乱した光は検出しないようにサンプル及び光源に対して寸法設計及び位置決めされる。直線透過率は、光源と検出器との間の正しい位置にあるサンプルで検出される光と、サンプルが不在の場合に検出される光との強度比として求められる。
【0044】
好ましくは、モノリスの材料の645nmの光の直線透過率は、材料厚さ0.8mmで少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%又は少なくとも80%である。
【0045】
モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0046】
第7の好ましい態様において、本発明は、MOFバインダを介して互いに付着したMOF結晶子を含む金属−有機構造体(MOF)ボディを提供する。
【0047】
好ましくは、MOFボディはモノリスである。好ましくは、ボディは少なくとも10mm
3の体積を有する。ボディの体積についてのさらなる好ましい範囲はモノリスに関して上で述べている。例えば、モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0048】
あるいは、MOFボディは、基体上に形成された層である。基体の性質に特に制限はない。層の用途が層の実質的な透明性に基づく場合は、好ましくは、基体は透明又は実質的に透明である。
【0049】
結晶子は典型的には互いに異なる配向を有する。例えば、結晶子は実質的にランダムに配向され得る。
【0050】
MOFバインダは好ましくは、MOF結晶子と実質的に同じ組成を有する。しかしながら、MOFバインダは、MOF結晶子とは異なる多孔度又は細孔径分布を有し得る。MOFバインダは、MOF結晶子より低い結晶化度を有し得る。例えば、MOFバインダは実質的に非晶質になり得る。
【0051】
あるいは、MOFバインダは、MOF結晶子とは異なる組成を有し得る。その場合、MOFボディはMOF複合材料から形成され得る。
【0052】
第8の好ましい態様において、本発明は、
MOF結晶子と、
モノリス内で結晶子を結合するMOFバインダと、
任意で、残留溶媒と、
任意で、10質量%以下のレベルで存在する1種以上の添加剤と
から成る金属−有機構造体(MOF)ボディを提供する。
【0053】
第7の態様に関して記載した任意の特徴は第8の態様にも適用可能である。
【0054】
好ましくは、存在する場合、添加剤は5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、より一層好ましくは1質量%以下のレベルで存在する。ボディにおける回避不可能な不純物の存在は認められる。
【0055】
好ましくは、存在するならば、残留溶媒は、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、より一層好ましくは1質量%以下のレベルで存在する。
【0056】
好ましくは、MOFボディはモノリスである。好ましくは、ボディは少なくとも10mm
3の体積を有する。ボディの体積に関するさらなる好ましい範囲は、モノリスに関して上で述べている。例えば、モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0057】
結晶子は典型的には互いに異なる配向を有する。例えば、結晶子は実質的にランダムに配向され得る。
【0058】
MOFバインダは好ましくは、MOF結晶子と実質的に同じ組成を有する。しかしながら、MOFバインダは、MOF結晶子とは異なる多孔度又は細孔径分布を有し得る。MOFバインダは、MOF結晶子より低い結晶化度を有し得る。例えば、MOFバインダは実質的に非晶質になり得る。
【0059】
あるいは、MOFバインダは、MOF結晶子とは異なる組成を有し得る。その場合、MOFボディはMOF複合材料から形成され得る。
【0060】
第9の好ましい態様において、本発明は、金属−有機構造体(MOF)モノリス又は基体上に形成されたMOF層であって、以下の特徴を有するものを提供する:
(i)同じ組成のMOF単結晶を形成可能な組成物からモノリス又は層を形成させた場合、モノリスは、同じ組成のMOF単結晶のヤング率及び/又は硬度より大きいヤング率及び/又は硬度(ナノインデンテーション法で測定)を有し、
(ii)同じ組成の単結晶を形成可能ではない組成物であってMOF単結晶を形成可能な組成物及び組成物の1種以上の残りの成分からモノリス又は層を形成させた場合、モノリスは、MOF単結晶及び残りの成分のヤング率及び/又は硬度の体積加重算術平均より大きいヤング率及び/又は硬度(ナノインデンテーション法で測定)を有する。
【0061】
(ii)が当てはまる場合、モノリス又は層は、第2MOF組成物のマトリックス中に第1MOF組成物の粒子を含む複合材料を含み得る。
【0062】
モノリスは、例えば少なくとも10mm
3の体積又は上述したような別の好ましい体積範囲を有し得る。例えば、モノリス(又はボディ)の体積は場合によっては10mm
3未満になり得る。例えば、モノリスの体積は少なくとも1mm
3、より好ましくは少なくとも2mm
3、より好ましくは少なくとも3mm
3、より好ましくは少なくとも4mm
3、より好ましくは少なくとも5mm
3になり得る。
【0063】
ヤング率(本明細書においては用語「弾性率」と同じ意味で用いられる)及び/又は硬度は、(i)同じ組成のMOF単結晶のヤング率及び/若しくは硬度又は(ii)MOF単結晶及び残りの成分のヤング率及び/若しくは硬度の体積加重算術平均の少なくとも1.05倍、より好ましくは少なくとも1.5倍又は少なくとも2倍になり得る。
【0064】
第10の好ましい態様において、本発明は、第1〜第9の態様のいずれかによるモノリス又はボディの集まりを提供する。
【0065】
そのような集まりは様々な用途で有用である。例えば、モノリスは実質的に同様の形状及び/又は寸法になり得る。これらは、流体(例えば、ガス)を流すことができる、間隔を空けたカラム配列で使用し得る。モノリス又はボディの集まりはガス分離用途で有用である。集まりにおけるモノリスの数に特に制限はないが、例えば、モノリスの数は少なくとも10個、少なくとも50個又は少なくとも100個になり得る。
【0066】
第11の好ましい態様において、本発明は、金属−有機構造体(MOF)モノリス又は基体上に形成されたMOF層の製造方法を提供し、この方法は、
MOF前駆体を溶媒中で反応させることでMOF組成物を生成するステップと、
溶媒の少なくとも一部を除去する乾燥段階を含み、乾燥段階中の最高温度は50℃以下である、MOF組成物のモノリス又は層を形成するステップとを含む。
【0067】
この方法は、MOF組成物の粒子を粒子と溶媒との濃縮物へと濃縮するステップを含み得る。このステップは、例えば遠心分離により行い得る。
【0068】
乾燥段階中の最高温度は好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下である。
【0069】
好ましくは、モノリスを、材料を金型にいれて行う乾燥段階により所望の形状に形成する。その時、乾燥中の材料は好ましくは金型の形状に沿う。
【0070】
第12の好ましい態様において、本発明は、金属−有機構造体(MOF)ボディの製造方法を提供し、この方法は、
MOF前駆体を溶媒中で反応させることでMOF組成物を生成するステップと、
MOF組成物の粒子を粒子と溶媒との濃縮物へと濃縮するステップと、
追加のMOF前駆体を濃縮物に添加するステップと、
溶媒の少なくとも一部を除去する乾燥段階を含み、乾燥段階中の最高温度は50℃以下である、MOF組成物のボディを形成するステップとを含む。
【0071】
好ましくは、MOFボディはMOFモノリスである。あるいは、MOFボディは、基体上に形成されたMOF層である。
【0072】
MOF組成物の粒子を粒子と溶媒との濃縮物へと濃縮するステップは、例えば遠心分離により行い得る。
【0073】
乾燥段階中の最高温度は好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下である。
【0074】
好ましくは、ボディを、材料を金型にいれて行う乾燥段階により所望の形状に形成する。その時、乾燥中の材料は好ましくは金型の形状に沿う。
【0075】
第13の好ましい態様において、本発明は、金属−有機構造体(MOF)ボディの製造方法を提供し、この方法は、
第1MOF組成物の粒子を用意するステップと、
第2MOF組成物に対応するMOF前駆体を第1MOF組成物の粒子に添加するステップと、
第2MOF組成物のマトリックス中に第1MOF組成物の粒子を含むMOF複合材ボディを形成するステップとを含む。
【0076】
好ましくは、MOFボディはMOFモノリスである。あるいは、MOFボディは、基体上に形成されたMOF層である。
【0077】
本発明は、MOFへの広い適用可能性を有すると考えられる。本発明での使用に適したMOF組成物は
ZIF、例えばZIF−4、ZIF−8、ZIF−90、ZIF−zni、UiO構造体、例えばUiO−66、UiO−67、UiO−68、
HKUST−1、
MIL−47、MIL−53である。
【0078】
MOF複合材料の場合、第1MOF組成物は上で挙げたMOF組成物のいずれにもなり得て、第2MOF組成物は上で挙げた他のMOF組成物のいずれにもなり得る。
【0079】
本発明のさらなる任意の特徴については後述する。
ここで、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら例を挙げて説明する。