(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下、本発明の実施されるオーディオシステムを構成する各装置は、相互に無線接続により通信するものとして説明するが、接続方法はこれに限られず、例えば、各装置は有線接続により通信する構成としてもよい。
【0013】
図1は、本発明の一実施例に係るワイヤレスオーディオシステム1の概略構成図である。図示するように、本実施の形態にかかるワイヤレスオーディオシステム1は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1〜6−4(以下、単にワイヤレスオーディオプレーヤ6とも呼ぶ)を備え、これらは、Wi−Fi(ワイファイ、Wireless Fidelity)ルータ等のアクセスポイント5及びWAN、LAN等のネットワーク4を介して、メディアサーバ2に接続されている。なお、
図1では、ワイヤレスオーディオシステム1が4台のワイヤレスオーディオプレーヤ6を備える場合を例示しているが、ワイヤレスオーディオシステム1は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6を1台以上備えるものであればよい。
【0014】
メディアサーバ2は、ワイヤレスオーディオシステム1に楽曲のオーディオデータを提供する。ここで、メディアサーバ2は、AAC(Advanced Audio Coding)等の非可逆圧縮データ、CD−DA(Compact Disc Digital Audio)等の無圧縮データ等のいわゆるローレゾリューションオーディオデータに加えて、ローレゾリューションオーディオデータより高品質の(より大きな帯域を必要とする)、FLAC(Free Lossless Audio Codec)等の可逆圧縮データ、FLAC Umcompressed等の無圧縮データ等のハイレゾリューションオーディオデータを提供するものとする。
【0015】
図2は、ワイヤレスオーディオシステム1を構成するリモートコントローラ3の概略構成図である。図示するように、リモートコントローラ3は、汎用の携帯電話装置またはスマートフォンであって、表示部7、操作部8、記憶部9、制御部10及びネットワークインターフェース部11を備えている。
【0016】
ネットワークインターフェース部11は、Wi−Fi等の無線通信手段によってワイヤレスオーディオプレーヤ6等の他の装置と相互に情報通信を行う。
【0017】
制御部10は、表示部7、操作部8、記憶部9、ネットワークインターフェース部11等のリモートコントローラ3の全体の動作を制御する。
【0018】
表示部7は、記憶部9に記憶されたアプリケーションソフトウェアが起動された場合、起動されたアプリケーションソフトウェアに応じた情報表示や各種選択キーの表示を行う。操作部8は、タッチパネルから成り、各種選択キーがタッチされると、当該選択キーが選択されたことを検知し、選択された選択キーに対応した指令信号をネットワークインターフェース部11に出力する。なお、操作部8は、タッチパネルから成るものに限らない。例えば、操作部8は、押釦から成るものとし、選択キーに対応した押釦が押下されると、当該選択キーが選択されたことを検知し、選択された選択キーに対応した指令信号をネットワークインターフェース部11に出力する構成としてもよい。
【0019】
記憶部9は、ネットワークインターフェース部11による通信手段、図示しない信号入力部を介して入力したオーディオ信号やワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアを記憶する。
また、記憶部9は、各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号を記憶する。各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号は、例えば、「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0001」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0002」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0003」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0004」といった情報である。制御部10は、ネットワークインターフェース部11が、各ワイヤレスオーディオプレーヤ6と通信を行い、各ワイヤレスオーディオプレーヤ6が有する個体番号を取得するよう制御する。また、制御部10は、ネットワークインターフェース部11が各ワイヤレスオーディオプレーヤ6から個体番号を取得した場合、個体番号を記憶部9に記憶するよう制御する。また、制御部10は、記憶部9に記憶された各ワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号を、表示部7に一覧表示するよう制御する。制御部10は、特定のワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号を示すキーを選択する操作が操作部8で行われた場合、当該ワイヤレスオーディオプレーヤ6と通信を開始するように制御する。このことにより、リモートコントローラ3によって、ネットワーク4及びアクセスポイント5を介して接続された複数のワイヤレスオーディオプレーヤ6の中から特定のワイヤレスオーディオプレーヤ6を選択して、当該選択されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の動作を後述するようにリモートコントローラ3によって制御することが可能となる。
【0020】
リモートコントローラ3の記憶部9に記憶された各ワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号は、任意の情報に書き換えることが可能である。
例えば、ユーザーは、特定の個体番号を有するワイヤレスオーディオプレーヤ6が家屋内のリビングルームに設置されていることを目視で確認した場合、当該ワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号を「リビングルームのオーディオプレーヤ」という文字情報に書き換えることができる。
または、例えば、ワイヤレスオーディオプレーヤ6がGPS受信部を備えるものとし、GPS受信部は、GPS衛星が送信する当該ワイヤレスオーディオプレーヤ6の位置情報を受信するものとする。ワイヤレスオーディオプレーヤ6の制御部は、GPS受信部が受信した位置情報をリモートコントローラ3に送信するよう制御する。リモートコントローラ3は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6が送信した位置情報を受信し、記憶部9は受信した位置情報を記憶する。表示部7は、記憶部9に記憶されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の位置情報を表示する。これにより、ユーザーは、表示部7においてワイヤレスオーディオプレーヤ6の位置情報を参照して当該個体番号を有するワイヤレスオーディオプレーヤの家屋内における位置を知ることができるため、当該個体番号を有するワイヤレスオーディオプレーヤ6が家屋内のいずれの部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6であるかを部屋まで目視確認しに行かずとも、当該個体番号情報を有するワイヤレスオーディオプレーヤ6が、例えばリビングルームに設置されていることを認識することが可能となる。これにより、当該ワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号を、例えば、「リビングルームのオーディオプレーヤ」という文字情報に書き換える作業が、より簡単に行えることとなる。
【0021】
図3は、ワイヤレスオーディオシステム1を構成するワイヤレスオーディオプレーヤ6の概略構成図である。図示するように、ワイヤレスオーディオプレーヤ6は、外部入力部12、記憶部13、オーディオ再生部14、スピーカ部15、制御部16、ネットワークインターフェース部17及び電源部18を備えている。
【0022】
制御部16は、外部入力部12、記憶部13、オーディオ再生部14、スピーカ部15、ネットワークインターフェース部17等のワイヤレスオーディオプレーヤ6の全体の動作を制御する。
【0023】
ネットワークインターフェース部17は、無線あるいは有線LAN等の通信により、
図1に示すアクセスポイント5を介してネットワーク4に接続されたメディアサーバ2、リモートコントローラ3、及び他のワイヤレスオーディオプレーヤ6と通信するためのインターフェースである。ネットワークインターフェース部17は、アクセスポイント5及びネットワーク4を介してメディアサーバ2から楽曲のオーディオデータをダウンロードする。
【0024】
記憶部13は、ネットワークインターフェース部17が、アクセスポイント5及びネットワーク4を介してメディアサーバ2からダウンロードした楽曲のオーディオデータを記憶する。制御部16は、記憶部13に記憶されたオーディオデータをオーディオ再生部14に出力するように制御する。また、制御部16は、記憶部13に記憶されたオーディオデータをワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4に無線送信しても良い。
【0025】
オーディオ再生部14は、記憶部13から出力されたオーディオデータをデコードして得られた音声信号をスピーカ部15に出力する。
【0026】
スピーカ部15は、振動板、コイル及び磁石から成り、オーディオ再生部14から出力された音声信号を磁石付近に設置されたコイルに流すことで、コイル及びコイルに接続された振動板が振動してワイヤレスオーディオプレーヤ6の外部へ放音する。
【0027】
外部入力部12は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6以外の外部オーディオ再生装置、例えば、図示しないポータブルオーディオプレーヤが出力するオーディオデータを入力する。制御部16は、外部入力部12が入力したオーディオデータを記憶部13に記憶し、記憶部13に記憶されたオーディオデータは、オーディオ再生部14に出力され、オーディオ再生部14は、記憶部13から入力したオーディオデータをデコードして得られた音声信号をスピーカ部15に出力するよう制御し、スピーカ部15はオーディオ再生部14から出力された音声信号を磁石付近に設置されたコイルに流すことでコイル及びコイルに接続された振動板を振動させワイヤレスオーディオプレーヤ6の外部へ放音する。
【0028】
電源部18は、図示しない電源ケーブルを介して、AC電源19からワイヤレスオーディオプレーヤ6の動作に必要となる電源の供給を受ける。
【0029】
次に、リモートコントローラ3とワイヤレスオーディオプレーヤ6が無線通信手段によって接続されている状態において、リモートコントローラ3によってワイヤレスオーディオプレーヤ6の動作を制御する場合の構成について説明する。
【0030】
先ず、リモートコントローラ3の記憶部9にワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアを予め記録した状態で、当該アプリケーションソフトウェアを起動する。リモートコントローラ3の制御部10は、当該アプリケーションソフトウェアが起動することにより、リモートコントローラ3の表示部7がワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関する操作キーを表示するように表示部7を制御すると共に、操作部8によるワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関する指令を受け付けるように操作部8を制御する。制御部10は、操作部8が操作されることによりオーディオ信号の曲の選択、再生開始、再生停止、オーディオ信号の音量及び音質の変更等の各種指令信号をネットワークインターフェース部11に出力するよう制御する。ネットワークインターフェース部11は、制御部10から出力された当該各種指令信号をワイヤレスオーディオプレーヤ6のネットワークインターフェース部17に送信する。ワイヤレスオーディオプレーヤ6の制御部16は、ネットワークインターフェース部17が、当該指令信号を受信すると、当該指令信号に応じて、指令信号の曲の選択、再生開始及び再生停止を行うようにオーディオ再生部14を制御し、また、スピーカ部15に出力するオーディオ信号の増幅値及び音質を調整するようオーディオ再生部14を制御する。
【0031】
以上のように本実施例のワイヤレスオーディオシステム1は、リモートコントローラ3を操作することによって、ワイヤレスオーディオプレーヤ6から出力するオーディオ信号の曲の選択、再生開始、再生停止、音量及び音質の調整を遠隔操作することができる。
【0032】
次に、本実施例のワイヤレスオーディオシステム1の防犯機能動作について説明する。
【0033】
図4は、各部屋においてワイヤレスオーディオプレーヤ6が窓開閉センサ20に接続された状態を示す概略構成図である。
図4に示すように、家屋内のリビングルーム、ベッドルーム、キッチン及びバスルームは、それぞれ窓21が設置されている。各部屋の窓21には、ワイヤレスオーディオプレーヤ6(6−1〜6−4)及び窓が開いたことを検出するマグネットセンサから成る窓開閉センサ20(20−1〜20−4)が設置されている。各窓開閉センサ20は、導電ケーブル22を介してワイヤレスオーディオプレーヤ6の外部入力部12と接続されている。なお、窓開閉センサ20の代わりに、ガラスが破壊されたときに生じる振動や衝撃音を検出するガラスセンサや、赤外線を用いて人間の体温を感知し周囲の温度変化の変化を検出する熱センサを用いることで、窓が開いたことを検知しても良い。
【0034】
図5は、本実施例に係るワイヤレスオーディオシステム1の防犯機能の動作フローに関する図である。
【0035】
先ず、ワイヤレスオーディオシステム1のユーザーが、在宅時又は外出時に携行するスマートフォン等のリモートコントローラ3に予め備えられたワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアを起動する。ここで当該アプリケーションソフトウェアは、後述する防犯機能の動作を行う防犯機能プログラムを含んでいるものとする。リモートコントローラ3の表示部7は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアが起動されると、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の防犯機能を設定するための操作キーを表示する。本実施例のワイヤレスオーディオシステム1における防犯機能の設定方法は、先ず、ユーザーは、リモートコントローラ3の記憶部9に予め記憶されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアを起動する。ワイヤレスオーディオプレーヤ6の操作に関するアプリケーションソフトウェアが起動されると、リモートコントローラ3の表示部7にワイヤレスオーディオプレーヤ6の防犯機能を設定するための操作キーが表示される。操作キーは、防犯機能の有効化(On)及び無効化(OFF)についての設定を行うための操作キー、防犯機能が有効化されている間に窓開閉センサ20が窓が開けられたことを検知した場合にどのような設定とするのかを選択するための操作キー、窓21が開けられたことを検知したことを示す検知信号を入力したワイヤレスオーディオプレーヤ6とは別のワイヤレスオーディオプレーヤ6から人間の声を模した音声サンプルを再生するか否かについての設定を行うための操作キー、及びリモートコントローラ3に窓21が開けられたことを検知したことを示す検知信号を送信するか否かについての設定を行うための操作キーである。ユーザーは、これらの操作キーを操作することで、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の防犯機能の設定を行うことができる。
本実施例において、防犯機能の設定としては、例えば、部屋の窓21が開かれたことを検知した場合にネットワーク4及びアクセスポイント5を介して接続された全てのワイヤレスオーディオプレーヤ6から警告音を一斉に再生する設定を第1の設定とし、また、部屋の窓21が開かれたことを検知した場合に検知信号を入力したワイヤレスオーディオプレーヤ6とは別のワイヤレスオーディオプレーヤ6から人間の声の音声サンプルを再生する設定を第2の設定とする。制御部10は、表示部7の操作によって設定された防犯機能の設定が第1の設定か、又は第2の設定であるかを記憶するよう記憶部9を制御する。表示部7は、記憶部9に記憶されている設定された防犯機能を有効化するための操作キーを表示する。ユーザーが、表示部7に表示された防犯機能を有効化する操作キーを操作することで、ワイヤレスオーディオプレーヤ6及び窓開閉センサ20は、防犯機能の作動を開始する(ステップS1)。
【0036】
なお、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の防犯機能については、ユーザーによって、リモートコントローラ3上で防犯機能を有効化したのち、ワイヤレスオーディオシステム1の防犯機能が作動開始するまでの時間を、任意に設定することができるようにしてもよい。このことにより、リモートコントローラ3上で防犯機能を有効化したのち、ワイヤレスオーディオシステム1の防犯機能が作動開始するまでに、一定の時間を有することで、ユーザーが家屋の中から玄関を通じて屋外へ出るまでの間に、ユーザー自身が窓21を開けてしまい誤って、防犯機能が作動してしまうことを防止できる。
【0037】
ステップS1で、防犯機能の作動が開始すると、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の外部入力部12に接続された窓開閉センサ20は、各部屋の窓21が開けられたか否かの検知を行う(ステップS2)。
【0038】
ステップS2において、窓21が開かれたことを窓開閉センサ20が検知した場合、窓開閉センサ20は検知信号を出力する。ワイヤレスオーディオプレーヤ6の外部入力部12は、窓開閉センサが出力した検知信号を入力する。ワイヤレスオーディオプレーヤ6の制御部16は、外部入力部12が窓開閉センサ20が出力した検知信号を入力した場合、予め指定された設定に従い防犯対応を行うようワイヤレスオーディオプレーヤ6を制御し、ステップS3及びステップS4に進む。
【0039】
ステップ3において、防犯機能を開始する場合、予め記憶部9に記憶された防犯機能の設定が「第1の設定」の場合はステップS3−1に進み、また、予め記憶部9に記憶された防犯機能が「第2の設定」の場合はステップS3−2に進む。
【0040】
ステップS3−1において、例えば、
図4に示す窓開閉センサ20−1から検知信号が出力された場合、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1の制御部16は、オーディオ再生部14が記憶部13に予め記憶されている警告音データを再生するよう記憶部13及びオーディオ再生部14を制御する。次に、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1の制御部16は、オーディオ再生部14によって再生された警告音信号をスピーカ部15に出力するよう制御する。次に、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1の制御部16は、スピーカ部15が、オーディオ再生部14から出力された警告音信号の入力を受け、入力を受けた警告音信号を物理振動に変換しワイヤレスオーディオプレーヤ6−1の外部へ放音するように制御する。また、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1の制御部16は、ネットワーク4及びアクセスポイント5を介して接続された他のワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4の各々に検知信号を送信するようネットワークインターフェース部17を制御する。
ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4の制御部16は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1が送信した検知信号を受信するよう制御する。次に、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4の制御部16は、オーディオ再生部14が記憶部13に予め記憶されている警告音データを再生し、再生された警告音信号をスピーカ部15に出力するよう制御する。次に、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4の制御部16は、スピーカ部15がオーディオ再生部14から出力された警告音信号を入力し、入力した警告音信号を物理振動に変換し、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2〜6−4の外部へ放音するよう制御する。
【0041】
このように、ステップS2において窓21が開かれたことを窓開閉センサ20が検知した場合にネットワーク4及びアクセスポイント5を介して接続されている全てのワイヤレスオーディオプレーヤ6から警告音を一斉に再生する設定により、例えば、家屋内の1階や2階、リビングルームからベッドルーム、キッチン、バスルームといった広範囲に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の全てから一斉に警告音が再生されるため、警告音は大音量で再生されることとなり、空き巣を威嚇して退散させ、被害を未然に防ぐことができる。また、警告音が大音量で再生されることにより、近隣にも異常事態を知らせることができるため、近隣住民が通報を行うなどの対応を行うことも可能となり、空き巣を威嚇し退散させ、被害を未然に防ぐことができる。
【0042】
ステップS3−2において、例えば、
図4に示す窓開閉センサ20−1から検知信号が出力された場合、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−1は、ネットワーク4及びアクセスポイント5を介して接続されている他のワイヤレスオーディオプレーヤ6、例えば、ベッドルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6−2に検知信号を送信するようにネットワークインターフェース部17を制御する。次に、ベッドルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6−2の制御部16は、外部入力部12がリビングルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6−1が送信した検知信号を受信した場合、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2のオーディオ再生部14が記憶部13に予め記憶された人間の声の音声データを再生するよう記憶部13及びオーディオ再生部14を制御する。次に、ベッドルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6−2の制御部16は、オーディオ再生部14によって再生して得られた人間の声の音声信号をスピーカ部15に出力するよう制御する。次に、ベッドルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6−2の制御部16は、スピーカ部15がオーディオ再生部14から出力された人間の声の音声信号の入力を受け、入力を受けた人間の声の音声信号を物理振動に変換し、ワイヤレスオーディオプレーヤ6−2の外部へ放音するように制御する。
【0043】
このように、ステップS2において窓が開けられたことを窓開閉センサ20が検知した場合に、窓開閉センサ20から検知信号を入力したワイヤレスオーディオプレーヤ6とは別のワイヤレスオーディオプレーヤ6から人間の声の音声サンプルを再生する設定により、例えば、空き巣がリビングルームの窓を開けて侵入したときには、リビングルームとは別の部屋であるベッドルームに設置されたワイヤレスオーディオプレーヤから人間の声の音声サンプルが再生されることとなり、空き巣にあたかも隣の部屋には居住者が在宅しているかのように思わせることができるため、空き巣を威嚇し退散させ、被害を未然に防ぐことができる。
【0044】
ステップS4において、防犯機能を開始する場合、ワイヤレスオーディオプレーヤ6の制御部16は、外部入力部12が窓開閉センサ20が出力した検知信号を入力した場合、ネットワーク4及びアクセスポイント5を介して、検知信号を検出したことをリモートコントローラ3に送信するように制御する。なお、検知信号を検出したことをリモートコントローラ3に送信する手段としては、WAN、LAN等のネットワーク4を用いるか、又はWAN、LAN等のネットワーク4とともに、携帯電話回線等の通信手段を用いて送信するものとする。
【0045】
ステップS4において、リモートコントローラ3は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6が送信した検知信号を受信した場合、空き巣の侵入を通知する旨を表示部7に表示する。表示部7が空き巣の侵入を通知する旨の表示を行う態様については、以下のとおりである。
【0046】
図6は、リモートコントローラ3上の表示部7に表示される侵入検知情報通知画面に関する図である。表示部7は、制御部10の制御により、検知情報表示部701、位置情報表示部702及び防犯対応表示部703を表示する。
【0047】
リモートコントローラ3は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6が送信した検知信号を受信した場合、
図6に示すように、表示部7の検知情報表示部701に空き巣の侵入が検知されたことを表示する。これにより、ユーザーは、外出中であっても、空き巣の侵入を把握することができ、警備会社へ連絡する、帰宅するなどの方法で防犯対応を行うことが可能となる。
【0048】
リモートコントローラ3の記憶部9は、予め家屋の間取り図のテンプレート、各部屋の名称、各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号、及び各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6に接続された窓開閉センサ20の名称、の各項目から成る部屋情報テーブルを記憶している。ユーザーは操作部8を操作することにより、これらの項目ごとに任意の情報を入力又は書き換えることができる。間取り図のテンプレートは、例えば、家屋が、「1階西側の部屋」、「1階東側の部屋」、「2階西側の部屋」及び「2階東側の部屋」といった位置関係にある4つの部屋から成る間取りであることを示す図である。各部屋の名称は、例えば、「リビングルーム」、「ベッドルーム」、「キッチン」、「バスルーム」といった名称である。各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号は、例えば、「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0001」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0002」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0003」「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0004」といった情報である。ユーザーは、リモートコントローラ3の記憶部9に記憶された個体番号を任意の情報に書き換えることができる。例えば、記憶部9に記憶された個体番号を、操作部8を操作して文字情報を入力することによって、「リビングルームのオーディオプレーヤ」と書き換えることができる。各部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6に接続された窓開閉センサ20の名称は、例えば、「リビングルームの窓開閉センサ」、「ベッドルームの窓開閉センサ」、「キッチンの窓開閉センサ」、「バスルームの窓開閉センサ」といった名称である。
【0049】
記憶部9は、部屋情報テーブルの各項目を関連付けて記憶しており、一の項目を特定した場合、関連付けられた他の項目の情報が特定される。例えば、間取り図上の「2階西側の部屋」を特定した場合、2階西側の部屋に関連づけられた部屋の名称である「リビングルーム」、部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6の個体番号である「A社製オーディオプレーヤ シリアル番号:0001」、及び部屋に設置されたワイヤレスオーディオプレーヤ6に接続された窓開閉センサ20の名称である「リビングルームの窓開閉センサ」、といった情報が特定される。
【0050】
図6に示すように、リモートコントローラ3の表示部7の位置情報表示部702は、予め記憶部9に記憶された間取り図のテンプレートを表示するとともに、記憶部9に、間取り図上の各部屋に関連付けられた各部屋の名称を表示する。リモートコントローラ3がワイヤレスオーディオプレーヤ6が送信した検知信号を受信した場合、検知信号を受信した当該ワイヤレスオーディオプレーヤ6と関連付けられて記憶部9に記憶されている間取り図上の部屋の位置を特定して、空き巣の侵入が検知されたことを表示する。これにより、ユーザーは、外出中であっても、空き巣がどの部屋から侵入したかを知ることができ、例えば、警備会社へ対応を依頼するに際して空き巣が侵入した部屋についての情報を提供できるため、より迅速に防犯対応を行うことが可能となる。
【0051】
また、
図6に示すように、リモートコントローラ3の表示部7の防犯対応表示部703は、ワイヤレスオーディオプレーヤ6が送信した検知信号を受信した場合、予め設定された防犯対応を行っていることを表示する。これにより、例えば、ユーザーは警備会社へ対応を依頼するに際して、現在ワイヤレスオーディオシステムが行っている対応についての情報提供することができるため、警備員がより迅速に状況を把握することができ、より迅速な対応を行うことが可能となる。
【0052】
以上のように、本実施例のワイヤレスオーディオシステム1は、ユーザーが防犯機能の設定の有効化を行うことで、留守中の家屋内の各部屋において侵入者による窓の開閉がされたか否かについての検知が開始され、窓の開閉が検知された場合、ワイヤレスオーディオプレーヤ6が警告音又は人間の声の音声サンプルを発生して空き巣を威嚇して退散させると共に、ユーザーが携行するリモートコントローラ3に検知信号を送信することで、ユーザーは帰宅する又は警備会社へ連絡をするといった対応を行うことができる。
【0053】
また、本実施例のワイヤレスオーディオシステム1は、
図3に示すように、オーディオを出力する通常のワイヤレスオーディオプレーヤの構成を用いるのみで防犯機能を備えることができるため、ユーザーは特別な防犯用装置の設置工事や購入を行う必要なく、ホームセキュリティシステムを構築することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0055】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0056】
上記実施例では、
図3に示すとおり、ワイヤレスオーディオプレーヤ6は、外部入力部12、記憶部13、オーディオ再生部14、スピーカ部15、制御部16、ネットワークインターフェース部17、電源部18、の全てを一つの装置内に備える形態としたが、これに限らない。例えば、ワイヤレスオーディオプレーヤ6がワイヤレスアンプ装置とワイヤレススピーカ装置から構成されるものとし、ワイヤレスアンプ装置が、外部入力部12、制御部16、ネットワークインターフェース部17、電源部18、を備え、ワイヤレススピーカ装置が記憶部13、オーディオ再生部14、スピーカ部15、制御部16、ネットワークインターフェース部17、電源部18を備えるものとし、ワイヤレスアンプ装置の外部入力部12が窓開閉センサ20から出力される検知信号を入力し、ワイヤレスアンプの制御部16は、ネットワークインターフェース部17を介してワイヤレススピーカ装置に対して検知信号を送信し、ワイヤレススピーカ装置のネットワークインターフェース部17がワイヤレスアンプ装置が送信した検知信号を受信し、ワイヤレススピーカ装置のオーディオ再生部14が、記憶部13に予め記憶された警告音データや人間の声の音声サンプルデータを再生した上で、スピーカ部15がワイヤレススピーカの外部へ放音するように制御する構成でもよい。
【0057】
また、上記実施例では、防犯機能の設定については、ユーザーはリモートコントローラ3上から行うこととしたが、これに限られない。例えば、ワイヤレスオーディオプレーヤ6に備え付けられたボタンを押下することにより防犯機能の設定を開始する形態としてもよい。また、例えば、ワイヤレスオーディオプレーヤ6に音声認識機能を備えるものとし、ユーザーがワイヤレスオーディオプレーヤ6に対して、予め記憶部13に記憶された所定の音声指令を発することにより、制御部16が防犯対応の設定を行うように制御する構成でもよい。これにより、ユーザーは在宅時で手元にリモートコントローラ3を保持していない場合でも、口頭で音声指令を発することで防犯対応の設定を行うことができるため、セキュリティシステムの設定に際しての利便性がより向上する。