特許第6797071号(P6797071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797071
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】伴侶動物用のフィンガー歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/32 20060101AFI20201130BHJP
   A01K 13/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   A61C17/32 A
   A01K13/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-91158(P2017-91158)
(22)【出願日】2017年5月1日
(65)【公開番号】特開2018-942(P2018-942A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年1月30日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0079862
(32)【優先日】2016年6月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517154568
【氏名又は名称】キム、ミンジュン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンジュン
【審査官】 今村 亘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0037157(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/32
A61C 17/26
A01K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側が開放され、外面にスライド凹部102が備えられた円筒状のボディ101と、
上面にブラシ111が形成され、下面にカム挿入溝113が形成され、前記スライド凹部102に設置されるモーションパネル110と、
軸にカム116が締結され、カム116が前記スライド凹部102に設置されたモーションパネル110のカム挿入溝113に挿入されるようにスライド凹部102に固定されたモータ115と、
前記モーションパネル110の内部に設けられて振動を発生させるバイブレータ114と、
前記ボディ101に設けられて、前記モータ115及びバイブレータ114を選択的に駆動させるコントロールノブ103、及び、
前記ボディ101内部の端部に設けられたスイッチ106を含み、
前記モーションパネル110、モータ115、バイブレータ114、スイッチ106及びコントロールノブ103が前記ボディ101に一体形成されて片手操作が可能であり、
モータ115の駆動によりカム116が回転することで、モーションパネル110がスライド凹部102に沿って往復スライド運動し、前記バイブレータ114の駆動によって前記モーションパネル110が振動し、
前記コントロールノブ103の操作で前記モーションパネル110の往復スライド運動と振動のうち少なくともいずれかを実行し、
前記コントロールノブ103は、「バイブレータOFF」、「バイブレータON」、「モーションパネル往復運動OFF&バイブレータON」の3段スイッチで構成され、
前記「バイブレータOFF」モードでは、モーションパネル110の往復スライド運動のみ行い、前記「バイブレータON」モードでは、モーションパネル110の往復スライド運動とともに、バイブレータ114の振動を同時に行い、前記「モーションパネル往復運動OFF&バイブレータON」モードでは、使用者の指がボディ101内部のスイッチ106に接した状態であっても、モーションパネル110の往復スライド運動を中止させてバイブレータ114だけ駆動して振動のみを行い、
前記コントロールノブ103は開放された一側の挿入口側にリング状で設けられて回転スイッチングが行われ、
指が前記コントロールノブ103を通過して前記スイッチ106にタッチされると、前記モーションパネル110が前記コントロールノブ103操作に対応して駆動し、
前記スイッチ106がタッチされた条件で前記コントロールノブ103の操作に対応して当該モードの動作が行われる、
伴侶動物用のフィンガー歯ブラシ。
【請求項2】
前記スライド凹部102の枠とモーションパネル110の枠には、延性のある素材の水膜112が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の伴侶動物用のフィンガー歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伴侶動物用のフィンガー歯ブラシ(Fingertip toothbrush for pet)に関するものであって、特に、フィンガー歯ブラシのブラシが振動及び上下方向にスライド駆動することにより、精密で且つ正確な歯磨きが可能であり、伴侶動物の歯の健康に効果的なフィンガー歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、徐々に核家族化が進められて来ており、近年では核家族を越えて、一人世帯が増大している。このような社会的傾向に合わせて伴侶動物を飼っている家庭が増えている。
【0003】
伴侶動物は定期的に洗浄し、予防注射を接種させるなど、多くの管理が要求されているが、相対的に伴侶動物の歯のケアは十分に行われていない。
【0004】
伴侶動物も歯磨きをしなければ、ひどい口臭や歯周炎が容易に発生する。歯周炎が長く放置された場合、歯茎疾患につながって虫歯や歯茎出血、さらには歯が抜けてしまう。
【0005】
また、歯の細菌が体内に流入されると、心臓や、肺、腎臓などに悪影響を及ぼし、また、他の疾病を誘発させたりもする。
【0006】
このような問題点によって最近は伴侶動物、特に伴侶犬のための専用歯ブラシが多く出ており、手軽に購入して使用できるようになった。
【0007】
伴侶犬用の歯ブラシは、人々が使用する歯ブラシと同様にスティックの端部にブラシが形成された形態であるが、小型犬の場合口が小さいため正確且つ精密な歯磨きが困難であり、伴侶犬の歯茎にしばしば傷をつける問題がある。
【0008】
このような問題点に対し、使用者の指にはめて歯磨きができるように軟質のシリコンを素材にして円筒状のボディを整形し、端部にブラシを形成したフィンガー歯ブラシが普及して使われている。
【0009】
このようなフィンガー歯ブラシは使用者の指にはめて使用するので、上述のスティック型歯ブラシよりきれいに歯磨きをすることができるが、歯磨きする間に指を細密に動かし続けなければならないため、使用が不便な短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開実用新案公報第20−1998−0004239号「フィンガー歯ブラシ」
【特許文献2】韓国登録実用新案公報第20−0390162号「フィンガー歯ブラシ」
【特許文献3】韓国登録実用新案公報第20−0282830号「歯茎マッサ具が備えられた幼児用のフィンガー歯ブラシ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決することを課題とする。使用者の指にはめて使用するフィンガー歯ブラシのブラシが上下方向に往復スライド移動し、または振動を発生させることで、伴侶犬の歯をきれいで且つ細密に磨きながら、使用が便利な伴侶動物用のフィンガー歯ブラシを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明による伴侶動物用のフィンガー歯ブラシは一側が開放され、外面にスライド凹部が備えられた円筒状のボディと、上面にブラシが形成され、下面にカム挿入溝が形成され、前記スライド凹部に設置されるモーションパネル、及び軸にカムが締結され、カムが前記スライド凹部に設置されたモーションパネルのカム挿入溝に挿入されるようにスライド凹部に固定されたモータと、を備えることで、モータの駆動によりカムが回転しながらモーションパネルをスライド凹部に沿って往復スライド駆動するように構成される。
【0013】
この時、前記スライド凹部の枠とモーションパネルの枠には延性がある素材の防水膜を形成することで、伴侶動物の唾や水が染み込まれることを防止するように構成される。
【0014】
また、前記モーションパネルの内部には振動を発生させるバイブレーターを設けることで、ブラシの上下方向の運動とともに振動が加えられるように構成される。
【0015】
また、前記ボディ内部の終端部分にスイッチが設けられて、指をボディにはめると指が前記スイッチをタッチして自動的にモーションパネルが駆動するように構成される。
【0016】
また、前記ボディにコントロールノブを設けて、前記コントロールノブの操作でモーションパネルの往復スライドモーションと振動をそれぞれオン/オフ制御することで、ブラシの往復スライドモーション、ブラシの振動またはブラシの振動と共に往復スライドモーションのうちいずれか一つを選択するように構成される。
【発明の効果】
【0017】
前記のように構成された本発明による伴侶動物用のフィンガー歯ブラシは、使用者の指にはめて使用するフィンガー歯ブラシのブラシが上下方向に往復スライド移動し、または振動を発生させることで、伴侶犬の歯をきれいで且つ細密に磨くことができ、歯磨きをする間に使用者の指を動かす必要がなく、歯磨きの位置だけを決めればよいので、使用が非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による伴侶動物用のフィンガー歯ブラシを示した斜視図である。
図2】本発明によるフィンガー歯ブラシのモーションパネル構造を示した断面図である。
図3】モータに電源が供給される前のカム位置を示す図。
図4】モータに電源が供給されたフィンガー歯ブラシのカムの回転によるモーションパネル上下方向の往復スライドモーションの駆動過程を示す図。
図5】モータに電源が供給されたフィンガー歯ブラシのカムの回転によるモーションパネル上下方向の往復スライドモーションの駆動過程を示す図。
図6】フィンガー歯ブラシ内部に設けられた駆動スイッチを示す図。
図7】本発明のフィンガー歯ブラシを指に装着した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の望ましい実施例及び添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。図面の同一の参照符号は同一の構成要素を称することを前提して説明する。
【0020】
発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、いずれか一つの構成要素が他の構成要素を「含む」との記載は特に反対の記載がない限り、当該構成要素のみからなると限られて解釈せずに、他の構成要素を更に含むことができると理解すべきである。
【0021】
本発明による伴侶動物用のフィンガー歯ブラシは、図1に示すように円筒状のボディ101の一側の外面に多数のブラシ111が備えられたモーションパネル110が形成され、円筒状のボディ101の他側には使用者の指挿入のための挿入口が形成される。
【0022】
本発明によるフィンガー歯ブラシは、ブラシ111が形成されたモーションパネル110がボディ101について上下方向に往復スライド運動し、または振動を発生させることで、伴侶犬の歯をきれい且つ細密に磨くことができ、歯茎のマッサージを通じて健康した歯茎を維持させることができる。
【0023】
前記モーションパネル110は、上面にブラシ111が形成された平板状で整形されたものであって、図2のようにボディ101の上部に凹状で形成されたスライド凹部102に設置される。
【0024】
前記スライド凹部102には、モータ115駆動によって回転するカム116が設けられるが、前記モーションパネル110の下面には凹状でカム挿入溝113が形成されることにより、モーションパネル110がスライド凹部102に設置される時、前記カム116がモーションパネル110のカム挿入溝113に挿入される。
【0025】
前記モーションパネル110は、ボディ101のスライド凹部102に締結されたモータ115の駆動で回転するカム116によって上下方向に往復スライド運動するように構成される。
【0026】
図3のように、モーションパネル110の下面に形成されたカム挿入溝113は、ボディ101の長さ(軸)方向に長くカム挿入溝113が形成されるが、以下では図4においてカム116が接しているカム挿入溝113の内壁を「上部内壁」と言い、上部内壁と向かい合っているカム挿入溝113の内壁を「下部内壁」と言い、カム116の両側に形成されたカム挿入溝113の内壁を「側部内壁」という。
【0027】
モータ101に電源が供給される前の状態は、図3のようにカム116の端部が長孔状で長く形成されたカム挿入溝113の側部内壁を向かっているが、この時はカム116の端部が側部内壁と接していない状態である。
【0028】
そして、ボディ101に締結固定されたモータ101に電源が供給されれば、モータ101軸に締結されたカム116が回転し、カム116が回転しながらカム116の終端部がカム挿入溝113の上部内壁に接するようになり、カム116がカム挿入溝113の上部内壁と接した状態で回転し、図4のようにモーションパネル110をスライド凹部102の上部まで押し上げる。
【0029】
そして、カム116が続いて回転すると、カム116の端部がカム挿入溝113の下部内壁に接するようになり、カム116がカム挿入溝113の下部内壁と接した状態で回転し、図5のようにモーションパネル110をスライド凹部102の下部まで押し下げる。
【0030】
前記のようにモータ115の駆動によって上述の過程を繰り返しながら、ボディ101のスライド凹部102に沿ってモーションパネル110の上下方向に往復スライド運動が行われる。
【0031】
したがって、図7のように使用者が本発明のフィンガー歯ブラシを指に装着した状態でブラシ111を伴侶犬の歯に当てさえすればフィンガー歯ブラシのモーションパネル110が上下方向に往復スライド運動してモーションパネル110に形成されたブラシ111が伴侶犬の歯をきれいに磨くことができる。
【0032】
そして、図2乃至図5に示したように、モーションパネル110の内部には電源の供給によって振動を発生させるバイブレータ114が設けられる。
【0033】
前記バイブレータ114はモーションパネル110の内部に締結、固定されることで電源の供給によってバイブレータ114が駆動すると、モーションパネル110に形成されたブラシ111に振動が伝わる。
【0034】
前記のようにブラシ111が振動すれば、伴侶犬の歯を隅まで細かく且つきれいに磨けるだけでなく、歯茎に振動刺激を与えて健康な歯茎を維持することができる。
【0035】
前記バイブレータ114は、モーションパネル110が上下方向にスライドの往復運動する時、同時に作動することもでき、モーションパネル110が上下方向にスライド往復運動しない時も単独で動作することもある。
【0036】
前記バイブレータ114は、公知の技術であるのでバイブレータ114の内部構造に対する詳細な説明は省略する。
【0037】
上述したモーションパネル110を上下方向に往復スライド駆動するモータ115と、バイブレータ114をオン/オフ制御するスイッチは、様々な形で構成され得るが、本発明の実施例においては、図1のようにフィンガー歯ブラシに挿入口側にコントロールノブ103スイッチを設けて、図6のようにフィンガー歯ブラシの内部にスイッチ106及び電源を供給するバッテリー105を設ける。
【0038】
本発明の実施例においては、前記コントロールノブ103と内部のスイッチ106を通じてモーションパネル110の往復スライド運動及び振動をオン/オフ制御することができる。
【0039】
使用者の指をフィンガー歯ブラシに挿入すると、指がボディ101内部のスイッチ106に接触して自動的にモーションパネル110が往復スライド作動するように構成することで別のオン/オフ操作なしに手軽に使用することができる。
【0040】
また、図1のコントロールノブ103を回すことで、モーションパネル110内部のバイブレータ114のオン/オフ及びバイブレータ114の単独駆動のためにモーションパネル110の往復スライド運動をオン/オフ制御するように構成する。
【0041】
本発明の実施例においては、前記コントロールノブ103を「バイブレータOFF」、「バイブレータON」、「モーションパネル往復運動OFF&バイブレータON」の3段スイッチで構成することにより、コントロールノブ103の「バイブレータOFF」モードでは、モーションパネル110の往復スライド運動のみ行い、「バイブレータON」モードでは、モーションパネル110の往復スライド運動とともにバイブレータ114の振動が同時に行い、「モーションパネル往復運動OFF&バイブレータON」モードでは、使用者の指がボディ101内部のスイッチ106に接した状態であっても、モーションパネル110の往復スライド運動を中止させてバイブレータ114だけ駆動して振動のみ行う。
【0042】
この時、このようなコントロールノブ103の操作は、使用者が本発明のフィンガー歯ブラシを装着した状態、つまり使用者の指がボディ101内部のスイッチ106に接した状態でのみ作動されるように構成することが好ましい。
【0043】
そして、本発明がフィンガー歯ブラシを使用する時、伴侶犬の唾や水が染み込んでモータ115をはじめ内部の電気装置が故障し得るが、これを防止するために図2のようにモーションパネル110の枠部分と、ボディ101のスライド凹部102の枠に防水膜112を締結して密閉することで、水分が内部に浸透できないように構成することが好ましい。
【0044】
前記水膜112は、シリコンのように丈夫で延性の優れた素材で成形することにより、モーションパネル110が往復スライド運動する時、水膜112が折れたり伸びたりして破損されないようにする。
【0045】
前記のように構成された本発明は、使用者の指にはめれば自動的にフィンガー歯ブラシのブラシが上下方向に往復スライド移動し、または振動を発生させることで伴侶犬の歯をきれいで且つ細密に磨くことができ、歯磨きをする間に使用者の指を動かす必要がなく、歯磨きの位置だけ取れば良いので使用が非常に便利である。
【0048】
また、たとえ明示的に図示されず、又は説明されなかったとしても、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の記載事項から本発明による技術的思想を含む多様な形態の変形ができることは自明であり、これは依然として本発明の権利範囲に属する。
【0049】
添付する図面を参照して説明された前記の実施例は、本発明を説明するための目的で記述されたものであり、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限られない。
【符号の説明】
【0050】
101 ボディ
102 スライド凹部
103 コントロールノブ
104 インジケーター
105 バッテリー
106 スイッチ
110 モーションパネル
111 ブラシ
112 放水膜
113 カム挿入溝
114 バイブレータ
115 モータ
116 カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7