特許第6797188号(P6797188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797188
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】電気自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20201130BHJP
   B62J 50/22 20200101ALI20201130BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20201130BHJP
   B62J 11/19 20200101ALI20201130BHJP
【FI】
   B62J45/00
   B62J50/22
   B62M6/50
   B62J11/19
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-510874(P2018-510874)
(86)(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公表番号】特表2018-525277(P2018-525277A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】EP2016070081
(87)【国際公開番号】WO2017032832
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月23日
(31)【優先権主張番号】102015216178.1
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102015216188.9
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102015216186.2
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517221055
【氏名又は名称】バイクテック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】BIKETEC AG
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】イヴィカ ドゥーデヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ビート シュトゥーダー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ウォルター スーター
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ランツ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン ブードトリ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ヴォルク
(72)【発明者】
【氏名】オーマル アフザル
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06682087(US,B1)
【文献】 特開2006−001438(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3194818(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/00
B62J 11/19
B62J 50/22
B62M 6/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車フレーム(2)と、電制御ユニット(38)と、モータ支援レベルを提供するよう構成された駆動ユニット(14)と、電池ユニット(20)と、ディスプレイ・ユニット(24)と、該ディスプレイ・ユニット(24)用の遠隔制御ユニット(26)と、を備え、
前記遠隔制御ユニット(26)が、ハンドルバー・グリップ(28)の領域内に前記ディスプレイ・ユニット(24)から離れて位置し、
前記電子制御ユニット(38)が、前記自転車フレーム(2)のシート・チューブ(8)内に位置し、
前記電子制御ユニット(38)が、前記シート・チューブ(8)の下側領域内に位置し、締め付けブラケット(42)を介して前記自転車フレーム(2)のフレーム側駆動キャリア(12)において直接的に取り付けられる電気自転車。
【請求項2】
前記電子制御ユニット(38)が、前記シートチューブ(8)の下側領域内に前記駆動ユニット(14)に隣接して位置する請求項1に記載の電気自転車。
【請求項3】
前記電子制御ユニット(38)には、前記駆動ユニット(14)に対向する端部セクション(46)のみにライン・コネクタ(48)が設けられる請求項1または2に記載の電気自転車。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(38)の上方には、止め具(39)ート・ポスト用に配設される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【請求項5】
前記遠隔制御ユニット(26)の少なくとも1本の信号線(60)が、前記ディスプレイ・ユニット(24)に接続され、前記ディスプレイ・ユニット(24)の少なくとも1本の電気線(49)が、前記電子制御ユニット(38)に接続される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【請求項6】
ブレーキ・センサ線(56)が、前記ディスプレイ・ユニット(24)に直接的に接続される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【請求項7】
前記遠隔制御ユニット(26)が、単一のバスケーブル(60)によって前記ディスプレイ・ユニット(24)に接続される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【請求項8】
センサ線(50)のそれぞれが、前記電子制御ユニット(38)に直接的に接続される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【請求項9】
通信が、CANバス法よって実施される請求項1からのいずれか一項に記載の電気自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1のプリアンブルによる電気自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動アシスト自転車やeバイクなどの電気自転車は、使いやすく、無公害の輸送手段として大変人気がある。様々な応用分野に対して、個々に適したタイプの自転車が利用可能である。これらには、とりわけ、道路やなだらかな地形におけるレジャー時の使用または通勤に合わせて最適化された自転車(例えば、シティバイクまたはツーリングバイク)およびオフロードでの使用、特に山地形に合わせた様々な設計で開発されているeマウンテンバイク(E−MTB)が含まれる。電気自転車は、乗り手に大きな負担をかけることなく作動半径を増大させ、平均運転速度を増大させる可能性を提供する。
【0003】
駆動ユニット、電池ユニット、ディスプレイ・ユニットおよびディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットに加えて、特に機能制御のための電子制御ユニット(ECU)を有する電気自転車が、先行技術から知られている。この場合、電子制御ユニットは、ダウン・チューブの領域内に位置する電池ユニットに割り当てられる。そのようなECU配置の欠点は、利用できる電池セルの空間がより小さいため、利用できる作動距離が短くなることである。さらに、特に、電池セルだけでなく制御ユニットの電子構成要素も熱を発散させるので、この配置は熱問題の原因になり得る。さらに、制御ユニット用の装着オプションを有する特別な電池ハウジングが要求される。したがって、全体として、そのような電池パックは、比較的大きなスペースを必要とし、それによって快適性を低下させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明の目的は、電動機動性を運動系およびライフスタイル志向のサイクリストの要求に合わせる新規の自転車概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有する電気自転車によって達成される。
【0006】
本発明に係る電気自転車は、電子制御ユニットと、駆動ユニットと、電池ユニットと、ディスプレイ・ユニットと、ディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットとを有し、遠隔制御ユニットが、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置する。本発明によれば、電子制御ユニットは、自転車フレームのシート・チューブ内に位置する。その結果、フレームと設置構成要素との間の高度に統合された相互作用が達成される。自転車フレームのダウン・チューブ内に好ましくは位置する電池ユニットの設計が限定されずに、電池セルのための広い空間が利用でき、これにより長い作動距離が利用できる。電池ユニットおよび電子制御ユニットの熱デカップリングにより、高い効率性が達成される。制御ユニット用の締め付けオプションを有する特別な電池ハウジングは必要とされない。全体として、最高強度のコンパクトで均一なフレーム形状が、この変形例において達成される。したがって、本発明に係る概念は、ライフスタイルに関心を持つ、意欲的なスポーツ系の乗り手の要求をも満たす。
【0007】
電子制御ユニットがシート・チューブの下側領域内に駆動ユニットに隣接して位置する場合、特に有利であることが判明している。その結果、電気線の長さは、最小限に低減される。電気自転車は、最適化された空間要求事項に合わせた構造的かつ審美的に最良の特徴を有する最適化されたフレーム断面を有する。
【0008】
好ましい例示的な実施形態では、電子制御ユニットは、駆動ユニットのフレーム側駆動キャリア(モータブラケット)に取り付けられる。その結果、さらなるフレーム側締め付け要素は、必要とされない。重量の低減が達成され得る。
【0009】
電子制御ユニットには、好ましくは、駆動ユニットに対向する端部セクションにおいてのみ線材の接続部が設けられるので、構造が簡易化され、線材の長さが最小となる。すべての線材は、好ましくは、フレームの底部において外に誘導される。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの止め具、具体的には、シート・ポスト用のボトル・ホルダの締め付け要素、例えばボトル・ホルダ・ブッシュが、電子制御ユニットの上方に位置する。その結果、電子制御ユニットが長いシート・ポストによって損傷を受けることが防止される。
【0011】
好ましくは、遠隔制御ユニットの少なくとも1つの線材が、ディスプレイ・ユニットに接続され、ディスプレイ・ユニットの少なくとも1本の電気線が、電子制御ユニットに接続される。遠隔制御ユニットとディスプレイ・ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利であることが判明している。さらに、ディスプレイ・ユニットと電子制御ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利である。したがって、敷設されるケーブルの数ひいては重量および組み立てコストが、最小限に抑えられる。
【0012】
ブレーキ信号線が、ディスプレイ・ユニットに直接的に接続され、ECUには直接的に接続されない場合、特に有利である。その結果、電子制御ユニットとディスプレイとの間には、1本の電気線のみが必要とされる。線材の数が低減される。ブレーキがかけられたとき、ブレーキ灯が起動される。
【0013】
したがって、遠隔制御ユニットが、複数の信号線を含む単一のバスケーブルによってディスプレイ・ユニットに接続されると好適である。
【0014】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、さらなるセンサ線が、電子制御ユニットに直接的にそれぞれ接続される。この場合、線材の数も低減される。具体的には、以下が設けられてよい:サイドスタンドのセンサ(スタンドが折り畳まれているときの安全停止)、ギアリングのセンサ、加速度センサ(3Dジャイロおよび加速度計)、折り畳み自転車における自転車の折り畳みを検出するためのセンサ、圧力センサおよび温度センサ。
【0015】
通信は、好ましくは、CANバス法、特に好ましくはCANオープン法によって実施される。CAN変換装置が、適合要求事項のために設けられる。
【0016】
本発明の特に好ましい実施形態では、ディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置し、支援レベルの選択のための支援選択キーを有し、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスを有する。
【0017】
入力デバイスおよび支援選択キーが共通線に沿って位置する場合、特に有利であることが判明している。共通線は、人間工学的に弧状に多次元的に湾曲することができる。
【0018】
入力デバイスおよびキーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよび入力デバイスを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は必要とされない。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックとして構成される。その結果、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、好ましくは乗り手の親指によって、直感的に人間工学的に実施することができる。
【0020】
ジョイスティックは、好ましくは、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティックにかかる圧力によって実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティックを用いて実施されるので、さらなる操作要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニットは、かなりコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティックは、具体的には、曲線状コーナを有する矩形のバックライト・シンボルを有していてもよい。
【0021】
支援選択キーが互いに傾斜するように位置する場合、特に有利であることが判明している。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キーは、好ましくは凹面セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー間に載せることができ、それにより、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、進行方向の後方に位置する。
【0022】
さらに、支援選択キーが、乗り手の手に向けて傾斜することが好ましい。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0023】
支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、マイナスシンボルで示される。このシンボルは、好ましくはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0024】
製造技術および操作に関して、支援選択キーが、乗り手の手を向く自由作動セクションと、弾性的に装着された端部セクションとを有することが、有利であると判明している。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、光スイッチが、支援選択キー間の領域内で横方向にずらされる。好ましくは、光スイッチは、乗り手の手から離れる方向に支援選択キーの隣に位置する。光スイッチが支援選択キー間の中央で横方向にずらされて位置する場合、特に有利であることが判明している。
【0026】
好ましくは、光スイッチは、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのボタンが存在する。光スイッチは、バックライト光シンボルを有していてもよい。
【0027】
ギア付きモータの電子ギアリングを有する電気自転車では、遠隔制御ユニットは、好ましくは、枢動軸に沿って、ギア選択のための中央に装着されたロッカ・スイッチを有する。本発明によれば、ロッカ・スイッチが2つの操作表面を有する場合、有利であり、第1の操作表面が、乗り手の手を向く側に位置し、第2の操作表面が、乗り手の手から外方を向く側に位置する。好ましくは、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、共通線に沿って位置する。キーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよびロッカ・スイッチを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0028】
遠隔制御ユニットの好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットは、上側部分と、モジュール式に交換可能な下側部分とを有し、ロッカ・スイッチは、下側部分に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニットは、電気ギア付きモータを有する自転車および有さない自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有してまたは有さずに装着される。上側部分および下側部分は、好ましくは、可撓性バンドによって電気的に接続される。
【0029】
ロッカ・スイッチは、好ましくは、ほぼ中央に位置する自動キーを有する。自動キーは、好ましくは、動かず、自動ギア選択を起動する。
【0030】
ハンドルバー・グリップ軸の方向で見ると、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、好ましくは、凸状に弓状の共通線に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0031】
好ましくは、遠隔制御ユニットは、振動モータを有する。例えば、最も高い支援レベルに到達すると、短い振動によって合図され得る。さらに、切り替え操作が、短い振動によって提案され得る。好ましくは、ディスプレイ・ユニット上でギア提案が行われ、例えばディスプレイ上の上方向矢印はシフトアップを提案し、振動は、ディスプレイ・ユニットが新しい情報を表示していることを乗り手に通知する。
【0032】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に広く使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大幅に組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0033】
さらに好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0034】
続いて、本発明の好ましい実施形態が、添付の図を参照してより詳細に説明される。この目的のために、以下の図が詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に係る電気自転車の側面図である。
図2】ハンドルバーの領域内の図1からの電気自転車の詳細図である。
図3図1からの電気自転車の概略側面図である。
図4】駆動領域の詳細図である。
図5】電子制御ユニットの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による電気自転車1の側面図を示し、この電気自転車は、ダイアモンドフレームとして構成された例となる自転車フレーム2を有し、ダウン・チューブ4と、トップ・チューブ6と、シート・チューブ8と、ヘッド・チューブ10と、駆動ユニット14用の駆動キャリア12と、シート支柱16および下側支柱18と、ダウン・チューブ4に位置する電池ユニット20とを有する。
【0037】
具体的には、ハンドルバー22の領域内の図1からの電気自転車1の詳細な図を示す図2からわかるように、ハンドルバー22上の中央に位置するディスプレイ・ユニット24および遠隔制御ユニット26が設けられる。遠隔制御ユニット26は、左ハンドルバー・レバー28の領域内にディスプレイ・ユニット24から離れて位置し、モータ支援レベルの選択のための2つの支援選択キー30、32と、ディスプレイ・ユニット24上に表示されたメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のためのジョイスティック34として設計された入力デバイスとを有する。さらに、遠隔制御ユニット26は、光スイッチ36を有する。
【0038】
図1の電気自転車1の概略側面図を示す図3に示されるように、電気自転車1は、電子制御ユニット38(ECU)を有する。電子制御ユニット38は、自転車フレーム2のシート・チューブ8内に位置する。そのようにすると、自転車フレーム2と設置構成要素との間に高度に統合された相互作用が達成される。電池ユニット20の設計が限定されず、より広い電池セルの空間、ひいては長い作動距離が利用できる。電池ユニットおよび電子制御ユニットの熱デカップリングにより、高い効率性が達成される。制御ユニット38用の締め付けオプションを有する特別な電池ハウジングは、必要とされない。
【0039】
電子制御ユニット38は、駆動キャリア12上のシート・チューブ8の下側セクション内に設置される。その結果、電気線の長さは最小限に低減される。その結果、電気自転車1は、最適化された空間要求事項に合わせた構造的かつ審美的に最良の特徴を有する最適化されたフレーム断面を有する。
【0040】
この場合、電子制御ユニット38は、図4に示される駆動領域の詳細図に具体的に示されるように、フレーム側駆動キャリア12に取り付けられる。電子制御ユニット38の上方には、ボトル・ホルダ・ブッシュ39が、シート・ポスト(図示せず)用の止め具として配設される。その結果、電子制御ユニット38が長いシート・ポストによって損傷を受けることが防止される。
【0041】
駆動キャリア12における制御ユニット38の取り付けは、電子制御ユニット38の詳細な図を示す図5に従い、ねじ40によって制御ユニット38の矩形ハウジングに取り付けられたL字形状の締め付けブラケット42を介して実施される。駆動キャリア12上の締め付けブラケット42の取り付けもまた、ねじ44によって実施される。
【0042】
電子制御ユニット38には、駆動ユニット14を向く端部セクション46のみにライン・コネクタ48が設けられ、それにより、その構造は簡易化され、線材の長さは最小となる。すべての線材は、フレームの底部において外に誘導される。
【0043】
図3によれば、ディスプレイ・ユニット24の電気線49は、電子制御ユニット38に接続される。この場合、1本の線材しか必要とされないことが、有利である。
【0044】
さらに、ギア付きモータのキックスタンド52(スタンドが折り畳まれているときの安全停止)などのセンサ線50が、電子制御ユニット38に直接的にそれぞれ接続される。この場合、線材の数は低減される。
【0045】
ブレーキ・レバー54に割り当てられたセンサ線56は、図2により、ディスプレイ・ユニット24に直接的に接続され、それにより、ディスプレイ・ユニット24と制御ユニット38との間には1本だけの線材49のみ必要とされる。
【0046】
ECU通信が、CANオープン法によって実施される。CAN変換装置が、適合要求事項のために設けられる。遠隔制御ユニット26の信号線60は、ディスプレイ・ユニット24(図2を参照)に接続される。したがって、遠隔制御ユニットが、複数の信号線を含む単一のバスケーブルによってディスプレイ・ユニットに接続されると好適である。ブレーキを作動させたとき、テール・ランプ64のブレーキ灯62が起動される。
【0047】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大きく組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0048】
本発明の実施形態は、図に示し、上記で説明したような例には限定されないが、当業者によって複数の改変形態において可能である。
【0049】
制御ユニット38と、駆動ユニット14と、電池ユニット20と、ディスプレイ・ユニット24と、ディスプレイ・ユニット24用の遠隔制御ユニット26とを有する電気自転車1が開示されており、遠隔制御ユニット26は、ハンドルバー28の領域内にディスプレイ・ユニット24から離れて位置する。本発明によれば、電子制御ユニット38は、自転車フレーム2のシート・チューブ8内に位置する。
【符号の説明】
【0050】
1 電気自転車
2 自転車フレーム
4 ダウン・チューブ
6 トップ・チューブ
8 シート・チューブ
10 ヘッド・チューブ
12 駆動キャリア
14 駆動ユニット
16 シート支柱
18 下側支柱
20 電池ユニット
22 ハンドルバー
24 ディスプレイ・ユニット
26 遠隔制御ユニット
28 左ハンドルバー・グリップ
30 支援選択キー
32 支援選択キー
34 ジョイスティック
36 光スイッチ
38 電子制御ユニット
39 ボトル・ホルダ・ブッシュ
40 ねじ
42 締め付けブラケット
44 ねじ
46 端部セクション
48 ライン・コネクタ
49 電気線
50 センサ線
52 キックスタンド
54 ブレーキ・レバー
56 センサ線
58 CAN変換装置
60 信号線
62 ブレーキ灯
64 テール・ランプ
図1
図2
図3
図4
図5