【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有する電気自転車によって達成される。
【0006】
本発明に係る電気自転車は、電子制御ユニットと、駆動ユニットと、電池ユニットと、ディスプレイ・ユニットと、ディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットとを有し、遠隔制御ユニットが、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置する。本発明によれば、電子制御ユニットは、自転車フレームのシート・チューブ内に位置する。その結果、フレームと設置構成要素との間の高度に統合された相互作用が達成される。自転車フレームのダウン・チューブ内に好ましくは位置する電池ユニットの設計が限定されずに、電池セルのための広い空間が利用でき、これにより長い作動距離が利用できる。電池ユニットおよび電子制御ユニットの熱デカップリングにより、高い効率性が達成される。制御ユニット用の締め付けオプションを有する特別な電池ハウジングは必要とされない。全体として、最高強度のコンパクトで均一なフレーム形状が、この変形例において達成される。したがって、本発明に係る概念は、ライフスタイルに関心を持つ、意欲的なスポーツ系の乗り手の要求をも満たす。
【0007】
電子制御ユニットがシート・チューブの下側領域内に駆動ユニットに隣接して位置する場合、特に有利であることが判明している。その結果、電気線の長さは、最小限に低減される。電気自転車は、最適化された空間要求事項に合わせた構造的かつ審美的に最良の特徴を有する最適化されたフレーム断面を有する。
【0008】
好ましい例示的な実施形態では、電子制御ユニットは、駆動ユニットのフレーム側駆動キャリア(モータブラケット)に取り付けられる。その結果、さらなるフレーム側締め付け要素は、必要とされない。重量の低減が達成され得る。
【0009】
電子制御ユニットには、好ましくは、駆動ユニットに対向する端部セクションにおいてのみ線材の接続部が設けられるので、構造が簡易化され、線材の長さが最小となる。すべての線材は、好ましくは、フレームの底部において外に誘導される。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの止め具、具体的には、シート・ポスト用のボトル・ホルダの締め付け要素、例えばボトル・ホルダ・ブッシュが、電子制御ユニットの上方に位置する。その結果、電子制御ユニットが長いシート・ポストによって損傷を受けることが防止される。
【0011】
好ましくは、遠隔制御ユニットの少なくとも1つの線材が、ディスプレイ・ユニットに接続され、ディスプレイ・ユニットの少なくとも1本の電気線が、電子制御ユニットに接続される。遠隔制御ユニットとディスプレイ・ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利であることが判明している。さらに、ディスプレイ・ユニットと電子制御ユニットとの間に1本だけのバス線が設けられる場合、特に有利である。したがって、敷設されるケーブルの数ひいては重量および組み立てコストが、最小限に抑えられる。
【0012】
ブレーキ信号線が、ディスプレイ・ユニットに直接的に接続され、ECUには直接的に接続されない場合、特に有利である。その結果、電子制御ユニットとディスプレイとの間には、1本の電気線のみが必要とされる。線材の数が低減される。ブレーキがかけられたとき、ブレーキ灯が起動される。
【0013】
したがって、遠隔制御ユニットが、複数の信号線を含む単一のバスケーブルによってディスプレイ・ユニットに接続されると好適である。
【0014】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、さらなるセンサ線が、電子制御ユニットに直接的にそれぞれ接続される。この場合、線材の数も低減される。具体的には、以下が設けられてよい:サイドスタンドのセンサ(スタンドが折り畳まれているときの安全停止)、ギアリングのセンサ、加速度センサ(3Dジャイロおよび加速度計)、折り畳み自転車における自転車の折り畳みを検出するためのセンサ、圧力センサおよび温度センサ。
【0015】
通信は、好ましくは、CANバス法、特に好ましくはCANオープン法によって実施される。CAN変換装置が、適合要求事項のために設けられる。
【0016】
本発明の特に好ましい実施形態では、ディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて位置し、支援レベルの選択のための支援選択キーを有し、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスを有する。
【0017】
入力デバイスおよび支援選択キーが共通線に沿って位置する場合、特に有利であることが判明している。共通線は、人間工学的に弧状に多次元的に湾曲することができる。
【0018】
入力デバイスおよびキーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよび入力デバイスを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は必要とされない。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックとして構成される。その結果、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、好ましくは乗り手の親指によって、直感的に人間工学的に実施することができる。
【0020】
ジョイスティックは、好ましくは、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティックにかかる圧力によって実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティックを用いて実施されるので、さらなる操作要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニットは、かなりコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティックは、具体的には、曲線状コーナを有する矩形のバックライト・シンボルを有していてもよい。
【0021】
支援選択キーが互いに傾斜するように位置する場合、特に有利であることが判明している。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キーは、好ましくは凹面セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー間に載せることができ、それにより、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、進行方向の後方に位置する。
【0022】
さらに、支援選択キーが、乗り手の手に向けて傾斜することが好ましい。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0023】
支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、マイナスシンボルで示される。このシンボルは、好ましくはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0024】
製造技術および操作に関して、支援選択キーが、乗り手の手を向く自由作動セクションと、弾性的に装着された端部セクションとを有することが、有利であると判明している。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、光スイッチが、支援選択キー間の領域内で横方向にずらされる。好ましくは、光スイッチは、乗り手の手から離れる方向に支援選択キーの隣に位置する。光スイッチが支援選択キー間の中央で横方向にずらされて位置する場合、特に有利であることが判明している。
【0026】
好ましくは、光スイッチは、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのボタンが存在する。光スイッチは、バックライト光シンボルを有していてもよい。
【0027】
ギア付きモータの電子ギアリングを有する電気自転車では、遠隔制御ユニットは、好ましくは、枢動軸に沿って、ギア選択のための中央に装着されたロッカ・スイッチを有する。本発明によれば、ロッカ・スイッチが2つの操作表面を有する場合、有利であり、第1の操作表面が、乗り手の手を向く側に位置し、第2の操作表面が、乗り手の手から外方を向く側に位置する。好ましくは、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、共通線に沿って位置する。キーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能なように上下に位置する。支援選択キーおよびロッカ・スイッチを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0028】
遠隔制御ユニットの好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットは、上側部分と、モジュール式に交換可能な下側部分とを有し、ロッカ・スイッチは、下側部分に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニットは、電気ギア付きモータを有する自転車および有さない自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有してまたは有さずに装着される。上側部分および下側部分は、好ましくは、可撓性バンドによって電気的に接続される。
【0029】
ロッカ・スイッチは、好ましくは、ほぼ中央に位置する自動キーを有する。自動キーは、好ましくは、動かず、自動ギア選択を起動する。
【0030】
ハンドルバー・グリップ軸の方向で見ると、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、好ましくは、凸状に弓状の共通線に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0031】
好ましくは、遠隔制御ユニットは、振動モータを有する。例えば、最も高い支援レベルに到達すると、短い振動によって合図され得る。さらに、切り替え操作が、短い振動によって提案され得る。好ましくは、ディスプレイ・ユニット上でギア提案が行われ、例えばディスプレイ上の上方向矢印はシフトアップを提案し、振動は、ディスプレイ・ユニットが新しい情報を表示していることを乗り手に通知する。
【0032】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に広く使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大幅に組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0033】
さらに好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0034】
続いて、本発明の好ましい実施形態が、添付の図を参照してより詳細に説明される。この目的のために、以下の図が詳細に示される。