特許第6797216号(P6797216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6797216ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品用の二面幅アダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797216
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品用の二面幅アダプタ
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/08 20060101AFI20201130BHJP
   G01L 19/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   F16B21/08
   G01L19/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-562640(P2018-562640)
(86)(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公表番号】特表2019-525077(P2019-525077A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2017058113
(87)【国際公開番号】WO2017207140
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2019年1月29日
(31)【優先権主張番号】102016209479.3
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート パンヘルツル
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−049274(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/118843(WO,A1)
【文献】 米国特許第04630480(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 21/00−21/20
G01L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品(2)用の二面幅アダプタ(1)であって、
基体(10)を備え、
前記基体(10)は、前記ねじ込み可能な構成部品(2)を収容するための、縦軸線(19)に沿って延在して貫通している内側貫通孔(15)を有し、
前記基体(10)の、前記内側貫通孔(15)を画定する内壁(14)は、前記縦軸線(19)に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法(S1)に対応する正多角形の形状を有し、
前記基体(10)の外壁(13)は、少なくとも部分的に、前記第1の二面幅寸法(S1)よりも大きい第2の二面幅寸法(S2)に対応する正多角形の形状を有し、
前記基体(10)は、前記縦軸線(19)に延在する、周に沿った壁(11)を有し、該壁(11)の内側は、前記内壁(14)を形成し、前記壁(11)の外側は、前記外壁(13)を形成し、
前記基体(10)に、該基体(10)を前記構成部品(2)に取り付けるための少なくとも1つの取付け手段(18)が形成されており、
前記壁(11)は、少なくとも1つの切欠き(35)を有し、当該少なくとも1つの切欠き(35)内に、前記少なくとも1つの取付け手段(18)が設けられている、
二面幅アダプタ(1)。
【請求項2】
前記基体(10)は、前記内側貫通孔(15)内へ突出する少なくとも1つの突出部(17)を有することを特徴とする、請求項1記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項3】
前記内側貫通孔(15)内へ突出する前記少なくとも1つの突出部(17)は、前記構成部品(2)のためのストッパ面(17a)を形成することを特徴とする、請求項2記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの取付け手段(18)は、前記縦軸線(19)の方向で見て、前記基体(10)の、前記少なくとも1つの突出部(17)から離反する側に、前記基体(10)から前記内側貫通孔(15)の方向に突出する突起(16)を有することを特徴とする、請求項記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの取付け手段(18)は、係止手段(18a)またはかしめ舌片(18b)として構成されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項6】
前記基体(10)は、前記縦軸線(19)に対して垂直の環状の底部プレート(12)をさらに有し、該底部プレート(12)は、前記内側貫通孔(15)内へ突出していて、これにより、前記少なくとも1つの突出部(17)を形成することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項7】
前記底部プレート(12)は、前記壁(11)に一体的に形成されていることを特徴とする、請求項に記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項8】
前記基体(10)は、プラスチックまたは金属から製造されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の二面幅アダプタ(1)。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか1項記載の二面幅アダプタ(1)と、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品(2)との組合せにおいて、
前記構成部品(2)は、ねじ山付き管片(21)と、縦軸線(19)で見て前記ねじ山付き管片(21)に接続している構成部品基体(22)とを有し、該構成部品基体(22)の外周面は、前記縦軸線(19)に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法(S1)に対応する正多角形の形状を有し、かつ
前記構成部品(2)は、収容部(15)内へ挿入されており、これにより、前記ねじ山付き管片(21)は、前記二面幅アダプタ(1)の前記基体(10)から前記縦軸線(19)の方向に、前記基体(10)から外側に向かって突出することを特徴とする、組合せ。
【請求項10】
ねじ山付き開口内へねじ込み可能な前記構成部品(2)は、センサであることを特徴とする、請求項記載の組合せ。
【請求項11】
前記センサは、圧力センサであることを特徴とする、請求項10記載の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
従来技術では、かなり多数の、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品が公知である。このために、これらの構成部品は、ねじ山付き管片と、構成部品の縦軸線で見てねじ山付き管片に接続している構成部品基体とを有する。この構成部品基体の外周面は、縦軸線に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、所望の二面幅寸法に対応する正多角形の形状を有する。この種の構成部品の極めて単純な例は、慣用の六角ボルトである。この場合、二面幅寸法とは、本願の文脈においても、正多角形の平行な2つの面の間隔寸法であると理解される。この間隔寸法は、形状結合式の工具を用いたトルクの伝達に用いられる。内部および外部に付随する公差、つまり、たとえば開口スパナとねじ頭との間の公差は、相応の規格内に把握されている。したがって、慣用の六角ボルトまたは六角形の外面を備えるナットの場合、二面幅寸法は、六角体の、互いから離反しかつねじ軸線に関して正反対に位置している2つの部分面の間隔によって規定される。
【0002】
ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品の特別な例は、自動車技術における圧力センサである。この種の圧力センサは、自動車の圧力測定開口内へ、たとえば内燃機関のシリンダまたは燃料噴射システムの高圧管路内へねじ込み可能なねじ山付き管片を有する。ねじ山付き管片には、圧力センサの縦軸線で見て、センサ基体が接続し、このセンサ基体の外周面は、縦軸線に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、所望の二面幅寸法に対応する正多角形の形状を有する。極めて多くの場合、外周面は、六角体を形成する。さらに、圧力センサの縦軸線で見て、センサ基体には、圧力センサをたとえば制御装置に接続するための電気的な差込み部分が接続する。この種の圧力センサは、たとえば、欧州特許第1518099号明細書から公知である。
【0003】
公知の圧力センサは、ねじ工具、たとえば六角体に被せられるソケットを用いて、ねじ山付き開口内へねじ込まれる。その際、センサ基体の六角体に形状結合式に当接できるように、ソケットを、差込み部分を越えて案内できるようにする必要がある。しかし、この六角体の二面幅寸法を、大幅に縮小することはできない。その場合はいずれにせよ、ねじ込みに必要な工具を、もはや差込み部分を越えて被せることができないからである。これにより、圧力センサを構成するかつ小型化するための自由度ならびに圧力センサの組込み位置が限定される。
【0004】
発明の開示
本発明は、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品をねじ込むための、このような構成部品にとどまることができる、特殊な二面幅アダプタを使用することを提案する。本発明に係る二面幅アダプタは、基体を備え、基体は、ねじ込み可能な構成部品を収容するための、縦軸線に沿って延在して貫通している内側貫通孔を有する。基体の、内側貫通孔を画定する内壁は、縦軸線に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法に対応する正多角形の形状を有する。これに対して、基体の外壁は、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法よりも大きい第2の二面幅寸法に対応する正多角形の形状を有する。
【0005】
発明の利点
本発明に係る二面幅アダプタにより、有利には、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品を、一方では任意の小さな二面幅を備えて構成することができ、しかも他方では任意に、これまで使用されたねじ工具を用いてねじ込むことができることが達成される。このことは、構成部品が二面幅アダプタ内へ挿着されることにより、極めて簡単に達成することができる。二面幅アダプタの内壁は、構成部品基体の外周面の二面幅寸法に対応する第1の二面幅寸法を有するので、二面幅アダプタは、構成部品を挿入する際に、構成部品基体の外周面に形状結合式に係合する。さらに、二面幅アダプタはその外壁に、たとえば有利には、これまで使用されたねじ工具に対応することができる第2の二面幅寸法を有する。二面幅アダプタは、有利には、外壁を、所定の構成部品に適合する内壁とは完全に別の幾何学形状で構成する多数の可能性を提供する。したがって、たとえば場合により、構成部品に形成することができない、ロック手段のような付加的な手段または取外し防止手段を二面幅アダプタ内へ組み込むこともできる。
【0006】
本発明の有利な実施の形態および改良形態は、従属請求項に記載された構成によって実現可能となる。
【0007】
有利には、二面幅アダプタは、内側貫通孔内へ突出する少なくとも1つの突出部が形成された基体を備える。内側貫通孔内へ突出する少なくとも1つの突出部は、構成部品を内側貫通孔内へ挿入する際の、構成部品のためのストッパ面を成すことができる。これにより、有利には、構成部品が内側貫通孔を通して滑落し得ることが防止される。さらに有利には、構成部品をこの構成部品に対応して配置されたねじ山付き開口内へねじ込む際に、二面幅アダプタを、構成部品基体と、ねじ山付き開口を取り囲む対応面との間に締め付けることができ、したがって紛失する可能性がないことが達成される。
【0008】
有利には、二面幅アダプタの基体に、基体を構成部品に取り付けるための少なくとも1つの取付け手段を形成することができる。少なくとも1つの取付け手段は、たとえば縦軸線の方向で見て、基体の、少なくとも1つの突出部から離反する側に、基体から内側貫通孔の方向に突出する突起を有することができる。これにより、構成部品を、有利には、突出部と突起との間に締め付けることができるので、二面幅アダプタは、構成部品にロックされている。有利には、少なくとも1つの取付け手段を、係止手段、かしめ舌片またはかしめられた壁区分として構成することができる。この場合、係止手段の係止突起は、構成部品を二面幅アダプタの内側貫通孔内へ挿入する際に、自動的に、構成部品の突出部または支持面に後ろから係合する。取付け手段がかしめ舌片として構成されている場合、舌片は、構成部品を挿入した後で曲げられ、突出する突起でもって、構成部品に設けられた支持面に後ろから係合する。さらに、基体の少なくとも1つの壁区分を、この壁区分を内側貫通孔の方向にかしめることができるように構成することが可能である。
【0009】
1つの好適な実施の形態では、二面幅アダプタの基体は、縦軸線に延在する、周に沿った壁を有し、この壁の内側は内壁を形成し、この壁の外側は外壁を形成する。付加的にまたは択一的に、基体は、縦軸線に対して垂直の、かつ好ましくは壁に一体的に形成された環状の底部プレートを有し、この底部プレートは、内側貫通孔内へ突出していて、これにより、少なくとも1つの突出部を形成する。底部プレートは、有利には、二面幅アダプタを対応面に確実に載置するのに用いられ、対応面には、少なくとも1つの構成部品用のねじ山付き開口が設けられている。二面幅アダプタの基体は、プラスチックまたは金属から、簡単にかつ経済的に製造することができる。
【0010】
さらに、二面幅アダプタと、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品との組合せが有利であり、構成部品は、ねじ山付き管片と、構成部品の縦軸線で見てねじ山付き管片に接続している構成部品基体とを有し、構成部品基体の外周面は、縦軸線に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法に対応する正多角形の形状を有する。構成部品は、有利には、ねじ山付き管片が内側貫通孔を通して案内されていて、二面幅アダプタの基体から縦軸線の方向に、基体から外側に向かって突出するように、収容部内に挿入されている。二面幅アダプタと構成部品とから成る構成要素を、有利には、結合した状態で取り付けることができる。
【0011】
ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品として、下記に限定されるわけではないが、好ましくはセンサ、特に圧力センサが設けられている。好ましくは、二面幅アダプタによって、センサの縦軸線に対して垂直の直径がセンサ基体の二面幅寸法よりも大きいセンサ伸長部品の使用が可能となる。センサをねじ込むのに使用されるソケットは、この場合、もはやセンサ基体の外周面に当接することはできないが、その際、有利には、二面幅アダプタの外壁に形状結合式に当接することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来技術による圧力センサを示す図である。
図2a】本発明に係る二面幅アダプタの第1の実施の形態を示す図である。
図2b図2aに示した二面幅アダプタを圧力センサに固定した状態で示す図である。
図3a】本発明に係る二面幅アダプタの第2の実施の形態を示す図である。
図3b図3aに示した二面幅アダプタを圧力センサに固定した状態で示す図である。
図4】本発明に係る二面幅アダプタの、圧力センサへの取付けを示す図である。
図5a】それぞれ異なる差込み部分によって圧力センサに配置された二面幅アダプタを示す図である。
図5b】それぞれ異なる差込み部分によって圧力センサに配置された二面幅アダプタを示す図である。
図6a】本発明に係る二面幅アダプタの第3の実施の形態を圧力センサに固定した状態で示す図である。
図6b図6aに示した部分Iの拡大詳細図である。
【0013】
発明を実施するための形態
図1には、従来技術から公知の圧力センサ2’が示されている。圧力センサ2’は、たとえば、欧州特許第1518099号明細書から公知である。公知の圧力センサ2’は、構成部品基体22またはセンサ基体を有する。構成部品基体22またはセンサ基体の、圧力センサ2’の縦軸線19に対して垂直の横断面で見た外周面は、正多角形の形状を有する。本実施の形態では、多角形は、たとえば六角体25を形成する。六角体25は、第1の二面幅寸法S1を有する。構成部品基体22の下面には、ねじ山付き管片21が、構成部品基体22から突出している。縦軸線19に対して回転対称に構成されたねじ山付き管片21は、外周面にねじ山24を有する。ねじ山付き管片21は、圧力センサ2’を圧力測定開口(図示せず)内へねじ込むのに用いられる。ねじ山付き管片21の中心を貫通する、図1では看取不能な圧力通路は、圧力測定開口を、構成部品基体22の内部に設けられたセンサ要素に結合する。圧力センサ2’を電気的に接続するために、構成部品基体22の、ねじ山付き管片21から離反する側で、構成部品基体22に配置された差込み部分23が用いられる。圧力センサの構造の詳細については、たとえば、欧州特許第1518099号明細書に開示された圧力センサを参照されたい。
【0014】
しかし、図1に示された圧力センサ2’は、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な構成部品2の単なる一例である。ただし、基本的に、さらに説明しようとする本発明に係る二面幅アダプタは、図示された圧力センサのためだけではなく、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な任意の別の構成部品のためにも設けられている。この別の構成部品は、ねじ山付き管片と、縦軸線で見てねじ山付き管片に接続している構成部品基体とを有し、この構成部品基体の外周面は、縦軸線に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、正多角形の形状を有する。たとえば、ねじ込み可能な構成部品は、六角ボルトであってもよい。圧力センサは、本形態では、このような構成部品の単なる一例として用いられる。
【0015】
本発明に係る二面幅アダプタ1の1つの実施の形態が、図2aに示されている。二面幅アダプタ1は、縦軸線19に対して回転対称に構成された基体10を備える。基体10は、好ましくは、プラスチックまたは金属から一体的に製造されている。本願の文脈において、所定の軸線に対して回転対称に構成された構成部品とは、同じ位置にいる観察者にとって、外形が、所定の軸線まわりに180°またはより少ない回転角で構成部品を回動させることにより、同じ形状へと移行可能な構成部品であると理解される。すなわち、たとえば180°回動されると、同じ位置にいる観察者にとって、初期状態に対して構成部品の外形の違いは存在しない。したがって、たとえば、直方体状の構成部品の外形を、直方体状の構成部品の側面に対して垂直の軸線まわりに180°回動させることにより、再びそれ自体を元の形状へと移行させることができる。もちろん、円筒体は、その外形を変化させずに、その対称長軸まわりに任意の小さな角度だけ回動させることができる。したがって、これらの構成部品の全ては、前述の軸線まわりに回転対称に構成されている。
【0016】
基体10は、縦軸線19に延在する、周に沿った壁11を有する。壁11の内側は内壁14を有し、壁11の外側は外壁13を有する。内壁14は、縦軸線19に沿って延在して貫通している内側貫通孔15を画定する。内側貫通孔15は、ねじ込み可能な構成部品2を収容するのに役立つ。
【0017】
図2aから看取可能なように、基体10の内壁14は、縦軸線19に対して垂直の横断面で見て、少なくとも部分的に、第1の二面幅寸法S1に対応する正多角形の形状を有する。正多角形は、本実施の形態では六角形であるが、八角形または五角形または正方形または別の正多角形であってもよい。さらに、基体10は、縦軸線19に対して垂直に、かつ周に沿った壁11に一体的に成形された、略環状の底部プレート12を有する。この底部プレート12は、基体10の下縁部に、壁11から側方に突出していて、このようにして小さなフランジを形成する。基体10の下面で、底部プレート12は、内側貫通孔15内へいくらか突出していて、これにより、構成部品2のための、縦軸線19に対してたとえば斜めにまたは垂直に配置されたストッパ面17aを備えた少なくとも1つの突出部17を形成する。図2aに示した基体10の外壁13は、少なくとも部分的に、第2の二面幅寸法S2に対応する正多角形の形状を有する。第2の二面幅寸法S2は、第1の二面幅寸法S1よりも大きい。
【0018】
さらに、二面幅アダプタ1には、複数の取付け手段18を設けることができる。図2aから看取可能なように、周に沿った壁11は、たとえば2つの切欠き35を有する。これらの切欠き35は、ほぼ底部プレート12を起点として、縦軸線19に対して平行に、基体10および壁11の上面まで延在している。これらの切欠き35内には、それぞれ1つの曲げ弾性的なウェブが配置されている。このウェブは、係止手段18aを形成していて、このウェブの端部は、基体10から内側貫通孔15の方向に突出する突起16を有する。好ましくは、2つの取付け手段18を設けることができる。これらの取付け手段18は、縦軸線19に関して、たとえば正反対に位置している。また、1つの取付け手段のみまたは3つ以上の取付け手段を設ける可能性も存在する。
【0019】
二面幅アダプタ1の、構成部品2として使用される圧力センサ2’への取付けが、図4に示されている。二面幅アダプタ1の縦軸線19は、圧力センサ2’の縦軸線19に一致する。二面幅アダプタ1は、縦軸線19の方向で、ねじ山付き管片21を越えて、圧力センサ2’の構成部品基体22が内側貫通孔15内へ進入し、ストッパ面17aに当接するまで押し込まれる。図5aから最も良好に看取可能なように、終端位置において、ねじ山付き管片21は、二面幅アダプタ1の下面でこの二面幅アダプタ1から突出していて、係止手段18aの複数の突起16は、図2bに示されているように、構成部品基体22に設けられた対応する溝または切欠き37内へ係合し、これにより、二面幅アダプタ1は、圧力センサ2’に取り付けられている。本形態では、構成部品基体22は、好ましくは、二面幅アダプタ1の下面に配置されたストッパ面17aと、係止手段18aの、二面幅アダプタ1の上面に配置された突起16との間に締め付けられる。
【0020】
二面幅アダプタ1を取り付ける際に、構成部品基体22は、内側貫通孔15内へ挿入される。その際、構成部品基体22の外周面は、内壁14に形状結合式に係合する。このことは、構成部品基体22の外周面および二面幅アダプタ1の内壁14が同じ二面幅寸法S1に対応するときに可能である。すなわち、構成部品基体22は、縦軸線19に対して垂直の横断面で見て、第1の二面幅寸法S1に対応する正多角形の形状を有する外周面を有し、かつ基体10の内壁14は、縦軸線19に対して垂直の横断面で見て、第1の二面幅寸法S1に対応する正多角形の同じ形状を有する。本願の文脈において、内側貫通孔15を、公差に基づき、たとえば構成部品基体22の外周面よりも大きく寸法決めする必要がある場合にも、基体10の内壁14は、縦軸線19に対して垂直の横断面で見て、構成部品基体22の第1の二面幅寸法S1に対応する正多角形の形状を有し、これにより、構成部品2を、内側貫通孔15内へさらに問題なく挿入することができる。内側貫通孔15内への構成部品2の挿入を容易にするために、場合により、周に沿った壁11は、ある程度の弾性を有することもできる。
【0021】
図3aおよび図3bには、本発明に係る二面幅アダプタ1の別の実施の形態が示されている。図2aおよび図2bに示された実施の形態とは異なり、本形態では、取付け手段18が曲げ舌片18bとして構成されている。曲げ舌片18bは、構成部品2を二面幅アダプタ1の内側貫通孔15内へ挿入した後、図3bの矢印方向に曲げられるので、曲げ舌片18bの外側の突起16は、基体10から内側貫通孔15の方向へ突出し、これにより、構成部品基体22の切欠き37に係合することができる。
【0022】
図6aおよび図6bには、本発明に係る二面幅アダプタ1の第3の実施の形態が示されている。図6aから看取可能なように、二面幅アダプタ1は、本実施の形態では、底部プレートを有しない基体10を備える。したがって、基体10は、縦軸線19に延在する、周に沿った壁11から成る。壁11の内側は内壁14を形成し、壁11の外側は外壁13を形成する。本実施の形態においても、基体10は、内側貫通孔15内へ突出する少なくとも1つの突出部を有することができる。この突出部は、図6aでは看取不能であり、構成部品2のためのストッパ面17aを形成する。図6aおよび図6bでは、取付け手段18は、かしめ可能な壁区分18cとして構成されている。図6bから最も良好に看取可能なように、周に沿った壁11は、その上面に、小さな盲孔状の切欠きを有することができる。この盲孔状の切欠きを画定して内壁14の方へ向いた壁区分18cは、相当に薄壁に形成されていて、盲孔状の切欠き内へ挿入される工具を用いて、内側貫通孔15の方向にかしめることができる。これにより、内側貫通孔15の方向に突出する突起16が生じる。この突起16は、たとえば構成部品基体22の切欠き37内へ係合する。
【0023】
図5aおよび図5bには、二面幅アダプタ1と、ねじ山付き開口内へねじ込み可能な圧力センサ2’との、それぞれ1つの組合せが示されている。圧力センサ2’は、そのそれぞれの差込み部分の外寸により区別される。したがって、図5aに示された差込み部分23aは、図5bに示された圧力センサ2’の差込み部分23bよりも小さく寸法決めされている。ただし、どちらの場合も、圧力センサ2’を、同じ工具を用いて、対応して配置された圧力測定開口内へねじ込むことができる。図5bから良好に看取されるように、第2の二面幅寸法S2に対応する、差込み部分23bを越えて押し込まれるソケットは、確かに、もはやセンサ基体の外周面には当接できないが、ソケットは、二面幅アダプタ1の外壁13に形状結合式に係合することができる。外壁13の外径は、縦軸線19に対して垂直の横断面で見て、図5bに示された差込み部分23bの外径を上回るからである。
【0024】
同様に、二面幅寸法S2を有するこのソケットを、図5aに示された圧力センサ2’をねじ込むために使用することもでき、その際、図5aに示された圧力センサ2’では、同じ二面幅アダプタ1が使用される。確かに、図5aに示されたこのソケットを、差込み部分23aを越えて押し込むことができるので、図5aに示された圧力センサ2’を、二面幅寸法S1を有するソケットを用いて、直接にねじ込むこともできる。しかし、二面幅寸法S1に対応するこのソケットを、図5bに示された圧力センサ2’の差込み部分23bを越えて押し込むことはできない。そこで、有利には、二面幅アダプタ1を用いて初めて、図5aおよび図5bに示された圧力センサ2’を、同じ工具を用いて、対応して配置されたねじ山付き開口内へねじ込むことが可能である。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b