(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1通信装置が、前記第2通信装置からの前記応答の受信を待機する第1の期間は、前記第2通信装置が、前記第1方式確認要求又は前記第2方式確認要求の受信を待機する第2の期間と異なること
を特徴とする請求項7に記載の通信システム。
前記第1通信装置は、前記第1通信装置の前記起動の要因となったリセットの要因が、一時的な電源電圧の低下である場合には、前記リセット時に前記第2通信装置との通信に使用する通信方式として決定されていた通信方式を、前記第1通信装置の前記起動後に前記第2通信装置との通信に使用する通信方式として決定すること
を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の通信システム。
前記第2通信装置は、前記第2通信装置の前記起動の要因となったリセットの要因が、一時的な電源電圧の低下である場合には、前記リセット時に前記第1通信装置との通信に使用する通信方式として決定されていた通信方式を、前記第2通信装置の前記起動後に前記第1通信装置との通信に使用する通信方式として決定すること
を特徴とする請求項10に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る通信システムとしての空調システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
空調システム100は、室外機110と、室内機140A〜140Dとを備える。
ここで、室内機140A〜140Dの各々を特に区別する必要がない場合には、室内機140という。なお、室内機140は、1台以上あればよいが、複数台あるのが好適である。
また、通信システムとして、室外機110は、第1通信装置(マスタ装置)として機能し、室内機140は、第2通信装置(スレーブ装置)として機能し、複数の第2通信装置がマルチドロップで第1通信装置に接続されている。
【0017】
室外機110は、商用電源101から電源を供給される。ここでは、商用電源101は、例えば、AC(Alternating Current)200Vとする。
室外機110と室内機140との間は、冷媒配管、電源線及び通信線により接続される。実施の形態1では、冷媒配管に関する記述は省略する。
【0018】
室外機110と、室内機140とは、第1線S1、第2線S2及び第3線S3の3つの線で接続されている。第1線S1及び第2線S2は、電源線であり、商用電源101から供給されるAC200Vが供給される。第2線S2は、電源線と通信線の兼用線であり、第3線S3は、通信線である。
空調システム100は、室外機110、第2線S2、室内機140及び第3線S3により構成される閉回路に電流が流れているか否かで、デジタル信号を伝送する電流伝送を採用している。
【0019】
図2は、室外機110の構成を概略的に示すブロック図である。
室外機110は、室外空調部111と、室外通信部120と、室外制御部130とを備える。
室外空調部111は、冷凍サイクルにおける室外側の動作を行う。例えば、室外空調部111は、モータ、圧縮機、室外熱交換器及び室外ファン等の装置を有する。
【0020】
室外通信部120は、カレントループ伝送により、室内機140と通信を行う通信インターフェース(通信部)である。室外通信部120は、第1通信方式及び第2通信方式に対応している。第1通信方式と第2通信方式とでは、通信可能な通信速度が異なり、室外制御部130から指示に従って、室外通信部120は、第1通信方式と第2通信方式とを切り替える。例えば、第2通信方式は、第1通信方式よりも通信速度が速い。
【0021】
図3は、室外通信部120の構成を概略的に示すブロック図である。
室外通信部120は、第1通信部121と、第2通信部122と、切替部123とを備える。
第1通信部121は、第1通信方式を使用して、室内機140と通信を行う。
第2通信部122は、第2通信方式を使用して、室内機140と通信を行う。
切替部123は、室外制御部130から指示に従って、第1通信部121と第2通信部122とを切り替える。
【0022】
図2に戻り、室外制御部130は、室外機110での処理を制御する制御部である。例えば、室外制御部130は、室外通信部120を制御して、室内機140と通信を行わせる。
室外制御部130は、室外通信方式判定部131と、室外空調制御部132とを備える。
【0023】
室外通信方式判定部131は、室外通信部120を制御して、室内機140との通信に、第1通信方式を使用するか、第2通信方式を使用するかを判定し、その判定結果を室外空調制御部132に与える。
例えば、室外通信方式判定部131は、室外機110の起動時に、第1通信方式及び第2通信方式から選択された一つの通信方式で室外通信部120に室内機140と通信させる。そして、室外通信方式判定部131は、室外通信部120が全ての室内機140から正常な応答を受けた場合には、その一つの通信方式を、室内機140との通信に使用する通信方式として決定する。また、室外通信方式判定部131は、室外通信部120が室内機140の少なくとも一つから正常な応答を受けなかった場合には、室外通信部120にその一つの通信方式を別の通信方式へ切り替えさせる。
【0024】
室外空調制御部132は、室外通信方式判定部131からの通知に従って、第1通信方式又は第2通信方式に従って、室外通信部120に通信を行わせる。
また、室外空調制御部132は、室外空調部111の制御を行う。
【0025】
以上に記載された室外通信部120は、例えば、
図4(A)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路10で構成することができる。
ここで、第1通信部121及び第2通信部122は、それぞれ別々の処理回路10で構成されていてもよく、また、第1通信部121及び第2通信部122は、一部を共有した一つの処理回路10で構成されていてもよい。また、切替部123は、例えば、トランジスタによるスイッチングを使用して、第1通信部121及び第2通信部122を切り替えればよい。
【0026】
また、以上に記載された室外制御部130は、例えば、
図4(B)に示されているように、メモリ11と、メモリ11に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ12とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
なお、室外制御部130の一部は、例えば、
図4(A)に示されている処理回路10で構成されてもよい。
【0027】
図5は、室内機140の構成を概略的に示すブロック図である。
室内機140は、室内空調部141と、室内通信部150と、室内制御部160とを備える。
室内空調部141は、冷凍サイクルにおける室内側の動作を行う。例えば、室内空調部141は、室内熱交換器及び室内ファン等の装置を備える。
【0028】
室内通信部150は、カレントループ伝送により、室外機110と通信を行う通信インターフェース(通信部)である。室内通信部150は、第1通信方式及び第2通信方式に対応しており、室内制御部160から指示に従って、室内通信部150は、第1通信方式と第2通信方式とを切り替える。
【0029】
図6は、室内通信部150の構成を概略的に示すブロック図である。
室内通信部150は、第1通信部151と、第2通信部152と、切替部153とを備える。
第1通信部151は、第1通信方式を使用して、室外機110と通信を行う。
第2通信部152は、第2通信方式を使用して、室外機110と通信を行う。
切替部153は、室内制御部160から指示に従って、第1通信部151と第2通信部152とを切り替える。
【0030】
図5に戻り、室内制御部160は、室内機140での処理を制御する制御部である。例えば、室内制御部160は、室内通信部150を制御して、室外機110と通信を行わせる。
室内制御部160は、室内通信方式判定部161と、室内空調制御部162とを備える。
【0031】
室内通信方式判定部161は、室内通信部150を制御して、室外機110との通信に、第1通信方式を使用するか、第2通信方式を使用するかを判定し、その判定結果を室内空調制御部162に与える。
例えば、室内通信方式判定部161は、室内機140の起動時に、室内通信部150が第1通信方式に対応しているか否かを確認するための要求(第1方式確認要求)を受信した場合には、第1通信方式を室外機110との通信に使用する通信方式として決定する。また、室内通信方式判定部161は、室内機140の起動時に、室内通信部150が第2通信方式に対応しているか否かを確認するための要求(第2方式確認要求)を受信した場合には、第2通信方式を室外機110との通信に使用する通信方式として決定する。
【0032】
室内空調制御部162は、室内通信方式判定部161からの通知に従って、第1通信方式又は第2通信方式に従って、室内通信部150に通信を行わせる。
また、室内空調制御部162は、室内空調部141の制御を行う。
【0033】
以上に記載された室内通信部150は、例えば、
図4(A)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路10で構成することができる。
ここで、第1通信部151及び第2通信部152は、それぞれ別々の処理回路10で構成されていてもよく、また、第1通信部151及び第2通信部152は、一部を共有した一つの処理回路10で構成されていてもよい。また、切替部153は、例えば、トランジスタによるスイッチングを使用して、第1通信部151及び第2通信部152を切り替えればよい。
【0034】
また、以上に記載された室内制御部160は、例えば、
図4(B)に示されているように、メモリ11と、メモリ11に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ12とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
なお、室内制御部160の一部は、例えば、
図4(A)に示されている処理回路10で構成されてもよい。
【0035】
次に、空調システム100での動作を説明する。
図7は、室外機110の室外通信方式判定部131の動作を示す状態遷移図である。
室外通信方式判定部131は、室外機110の起動時に、第1切替要求に遷移する(S10)。
第1切替要求では、室外通信方式判定部131は、第2通信方式から第1通信方式に切り替えるため、室外通信部120に、第2通信方式で、室内機140へ第1通信方式切替要求フレームを送信させる。第1通信方式切替要求フレームは、第2通信方式から第1通信方式に切り替える内容(第1切替要求)を示すものとする。送信回数は、1回でもよいし、予め定められた回数(例えば5回)でもよい。
【0036】
室外通信方式判定部131は、第1通信方式切替要求フレームを送信させた後、第1室外側方式確認に遷移する(S11)。
第1室外側方式確認では、室外通信方式判定部131は、室外通信部120に、第1通信方式で、室内機140にフレーム(第1通信方式フレーム)を送信させる。このとき送信されるフレームは、第1通信方式に対応したフレームであり、第1通信方式に対応した室内機が解釈し、応答可能なフレームとする。ここで送信されるフレームは、接続されている全ての室内機140から応答を受けることのできるフレームであればどのようなフレームでもよく、例えば、接続されている室内機140の台数を調べるためのフレーム等であればよい。ここでのフレームは、第1通信方式に対応しているか否かを確認する内容(第1方式確認要求)を示すものとする。
ここで、室外通信方式判定部131は、室内機140から正常な応答があるまで、予め定められた回数、又は、予め定められた期間(第1の期間)、上記フレームの送信を繰り返す。例えば、室外通信方式判定部131は、フレームの送信を10秒間繰り返して、その期間、室内機140からの応答の受信を待機する。
【0037】
そして、全ての室内機140から正常な応答があった場合、室外通信方式判定部131は、第1立ち上げ処理に遷移する(S12)。
一方、全ての室内機140からは、正常な応答がない場合、言い換えると、少なくとも1台の室内機140から正常な応答がない場合には、室外通信方式判定部131は、第2切替要求に遷移する(S13)。
ここで、室外機110及び室内機140間でやりとりされるフレームは、第1通信方式及び第2通信方式の両方において、エラーチェックができるものとする。例えば、実施の形態1では、フレームは、フィールド単位及びフレーム単位でエラーチェックができるものとする。
ここで、フィールドは、8bitのデータビットと、それに付属するスタートビット、ストップビット及びパリティビットとを指す。伝送に誤りがあった場合、多くの場合、パリティビットによるチェックでエラーとなる。
また、フィールドでエラーが検出できなかった場合、フレームの最末尾にあるフレームチェックコードにより、フレーム全体のエラーチェックができる。フレームチェックコードは、例えば、フレーム内の一部のデータを合計した値の2の補数をとるといったような方式がある。
そして、室外通信方式判定部131は、上記のパリティエラー若しくはフレームチェックコードエラーといったエラーが発生した場合、又は、室内機140から応答がなかった場合には、正常な応答がなかったと判定する。
【0038】
第1立ち上げ処理では、室外通信方式判定部131は、第1通信方式を室内機140との通信に使用する通信方式として決定して、第1通信方式で立ち上げ処理を実施する。例えば、室外通信方式判定部131は、室外通信部120に、第1通信方式で、室内機140の機種情報(対応する機能を示す情報)の取得等を要求するフレームを室内機140へ送信させる。このとき、室外通信方式判定部131は、室外通信部120に、第1通信方式で、室内機140に、室内機140が第2通信方式に対応しているか否かを確認するフレーム(第2通信方式対応確認フレーム)を送信するものとする。ここでのフレームは、第2通信方式に対応しているか否かを確認する内容(対応確認要求)を示す。
【0039】
そして、室外通信方式判定部131は、第2通信方式対応確認フレームへの応答に基づいて、全ての室内機140が第2通信方式に対応しているか否かを判断する。
全ての室内機140が第2通信方式に対応している場合には、室外通信方式判定部131は、第2切替要求に遷移する(S14)。
全ての室内機140が第2通信方式には対応していない場合、言い換えると、少なくとも1台の室内機140が第2通信方式に対応していない場合には、第1室外側定常処理に遷移する(S15)。なお、第2通信方式対応確認フレームに少なくとも1台の室内機140が応答しない場合も、室内機140が第2通信方式に対応していない場合に含まれる。
【0040】
第1室外側定常処理では、室外通信方式判定部131は、室外空調制御部132に第1通信方式を使用する判定結果を通知し、室外空調制御部132は、第1通信方式で定常処理を行う。定常処理には、室内機140を制御するための処理が含まれる。
【0041】
第2切替要求では、室外通信方式判定部131は、第1通信方式から第2通信方式に切り替えるため、室外通信部120に、第1通信方式で、第2通信方式切替要求フレームを室内機140へ送信させる。第2通信方式切替要求フレームは、第1通信方式から第2通信方式に切り替える内容(第2切替要求)を示すものとする。送信回数は、1回でもよいし、予め定められた回数(例えば5回)でもよい。
【0042】
室外通信方式判定部131は、第2通信方式切替要求フレームを送信させた後、第2室外側方式確認に遷移する(S16)。
第2室外側方式確認では、室外通信方式判定部131は、室外通信部120に、第2通信方式で、フレーム(第2通信方式フレーム)を室内機140へ送信させる。このとき送信されるフレームは、第2通信方式に対応したフレームであり、第2通信方式に対応した室内機が解釈し、応答可能なフレームとする。ここで送信されるフレームは、接続されている全ての室内機140から応答を受けることのできるフレームであればどのようなフレームでもよく、例えば、接続されている室内機140の台数を調べるためのフレーム等であればよい。ここでのフレームは、第2通信方式に対応しているか否かを確認する内容(第2方式確認要求)を示す。
ここで、室外通信方式判定部131は、室内機140から正常な応答があるまで、予め定められた回数、又は、予め定められた期間(第1の期間)、上記フレームの送信を繰り返す。例えば、室外通信方式判定部131は、フレームの送信を10秒間繰り返し、その期間、室内機140からの応答の受信を待機する。
【0043】
そして、全ての室内機140から正常な応答があった場合、室外通信方式判定部131は、第2立ち上げ処理に遷移する(S17)。
一方、全ての室内機140からは、正常な応答がない場合、言い換えると、少なくとも1台の室内機140から正常な応答がない場合には、室外通信方式判定部131は、第1切替要求に遷移する(S18)。
【0044】
第2立ち上げ処理では、室外通信方式判定部131は、第2通信方式を室内機140との通信に使用する通信方式として決定し、第2通信方式で立ち上げ処理を実施する。例えば、室外通信方式判定部131は、室外通信部120に、第2通信方式で、室内機140の機種情報(対応する機能を示す情報)の取得等を要求するフレームを室内機140へ送信させる。処理完了後、室外通信方式判定部131は、第2室外側定常処理に遷移する(S19)。
【0045】
第2室外側定常処理では、室外通信方式判定部131は、室外空調制御部132に第2通信方式を使用する判定結果を通知し、室外空調制御部132は、第2通信方式で定常処理を行う。
【0046】
なお、
図7では、起動後、室外通信方式判定部131は、第1切替要求に遷移する(S10)ものとしたが、第2切替要求に遷移してもよい。
【0047】
図8は、室内機140の室内通信方式判定部161の動作を示す状態遷移図である。
室内機140の室内通信方式判定部161は、室内機140の起動後、第1室内側方式確認に遷移する(S20)。
第1室内側方式確認では、室内通信方式判定部161は、室内通信部150に第1通信方式で、室外機110からのフレームを待ち受けさせる。
室内通信方式判定部161は、室外機110から正常なフレームを受信した場合、受信したフレームが、第1通信方式から第2通信方式への切り替えを内容とする第2通信方式切替要求フレームであった場合、第2定常処理に遷移する(S21)。
また、室内通信方式判定部161は、正常に受信されたフレームが、その他のフレーム、例えば、第1通信方式フレームであった場合、第1室内側定常処理に遷移する(S22)。
一方、室内通信方式判定部161は、一定期間(第2の期間)、室外機110から正常なフレームを受信しない場合、第2室内側方式確認に遷移する(S23)。ここでの一定期間は、例えば30秒とする。
【0048】
第1室内側定常処理では、室内通信方式判定部161は、第1通信方式を使用する判定結果を室内空調制御部162に通知し、室内空調制御部162は、第1通信方式で、室内通信部150に室外機110からのフレームを待ち受けさせる。
室内空調制御部162は、室内通信部150がフレームを受信すると、受信されたフレームを受け取り、受信されたフレームが、第1通信方式から第2通信方式への切り替えを内容とする第2通信方式切替要求フレームであるか否かを判断する。
受信されたフレームが第2通信方式切替要求フレームである場合には、室内空調制御部162は、室内通信方式判定部161に通知し、室内通信方式判定部161は、第2室内側定常処理に遷移する(S24)。
一方、受信されたフレームが第2通信方式切替要求フレームではない場合には、室内空調制御部162は、受信されたフレームに対して、室内通信部150を介して応答する。
【0049】
第2室内側方式確認では、室内通信方式判定部161は、室内通信部150に第2通信方式で、室外機110からのフレームを待ち受けさせる。
室内通信方式判定部161は、室外機110から正常なフレームを受信した場合、受信したフレームが、第2通信方式から第1通信方式への切り換えを内容とする第1通信方式切替要求フレームであった場合、第1室内側定常処理に遷移する(S25)。
また、室内通信方式判定部161は、正常に受信されたフレームが、その他のフレーム、例えば、第2通信方式フレームであった場合、第2室内側定常処理に遷移する(S26)。
一方、室内通信方式判定部161は、一定期間(第2の期間)、室外機110から正常なフレームを受信しない場合、第1室内側方式確認に遷移する(S27)。ここでの一定期間は、例えば30秒とする。
【0050】
第2室内側定常処理では、室内通信方式判定部161は、第2通信方式を使用する判定結果を室内空調制御部162に通知し、室内空調制御部162は、第2通信方式で、室内通信部150に室外機110からのフレームを待ち受けさせる。
室内空調制御部162は、室内通信部150がフレームを受信すると、受信されたフレームを受け取り、受信されたフレームが、第2通信方式から第1通信方式への切り替えを内容とする第1通信方式切替要求フレームであるか否かを判断する。
受信されたフレームが第1通信方式切替要求フレームである場合には、室内空調制御部162は、室内通信方式判定部161に通知し、室内通信方式判定部161は、第1室内側定常処理に遷移する(S27)。
一方、受信されたフレームが第1通信方式切替要求フレームではない場合には、室内空調制御部162は、受信されたフレームに対して、室内通信部150を介して応答する。
【0051】
なお、
図8では、起動後、室内通信方式判定部161は、第1室内側方式確認に遷移する(S20)ものとしたが、第2室内側方式確認に遷移してもよい。
【0052】
以上のように、実施の形態1によれば、室外機110及び室内機140の両方が、第1通信方式と第2通信方式とを切り替えて、何れか一方の通信方式で起動することができる。
【0053】
また、実施の形態1によれば、例えば、
図1に示されている空調システム100#1のように、室内機140D#1が、他の室内機140A〜140Cとは異なり、第1通信方式にのみ対応している場合でも、室外機110は、第1通信方式で起動し、他の室内機140A〜140Cも第1通信方式で起動することにより、空調システム100#1が第1通信方式で通信を行うことができるようになる。なお、室内機140D#1だけが第1通信方式にのみ対応しているばかりでなく、複数の室内機又は全ての室内機が第1通信方式にのみ対応している場合にも、第1通信方式で通信を行うことができるようになる。
【0054】
さらに、実施の形態1によれば、例えば、
図1に示されている空調システム100#2のように、室内機140D#2が、他の室内機140A〜140Cとは異なり、第2通信方式にのみ対応している場合でも、室外機110は、第2通信方式で起動し、他の室内機140A〜140Cも第2通信方式で起動することにより、空調システム100#2が第2通信方式で通信を行うことができるようになる。なお、室内機140D#2だけが第2通信方式にのみ対応しているばかりでなく、複数の室内機又は全ての室内機が第2通信方式にのみ対応している場合にも、第2通信方式で通信を行うことができるようになる。
【0055】
また、実施の形態1によれば、例えば、
図1に示されている空調システム100#3のように、室外機110#3が、実施の形態1における室外機110と異なり、第1通信方式にのみ対応している場合でも、室外機110#3は、第1通信方式で起動し、室内機140も第1通信方式で起動することにより、空調システム100#3が第1通信方式で通信を行うことができるようになる。なお、上述のように、室内機140D#1が第1通信方式にのみ対応している場合、又は、複数の室内機が第1通信方式にのみ対応している場合でも、同様に、第1通信方式で通信を行うことができるようになる。
【0056】
さらに、実施の形態1によれば、例えば、
図1に示されている空調システム100#4のように、室外機110#4が、実施の形態1における室外機110と異なり、第2通信方式にのみ対応している場合でも、室外機110#4は、第2通信方式で起動し、室内機140も第2通信方式で起動することにより、空調システム100#4が第2通信方式で通信を行うことができるようになる。なお、上述のように、室内機140D#2が第2通信方式にのみ対応している場合、又は、複数の室内機が第2通信方式にのみ対応している場合でも、同様に、第2通信方式で通信を行うことができるようになる。
【0057】
実施の形態2.
図1に示すように、実施の形態2に係る通信システムとしての空調システム200は、室外機210と、室内機240A〜240Dとを備える。
ここで、室内機240A〜240Dの各々を特に区別する必要がない場合には、室内機240という。なお、室内機240は、1台以上あればよい。
また、通信システムとして、室外機210は、第1通信装置(マスタ装置)として機能し、室内機240は、第2通信装置(スレーブ装置)として機能する。
【0058】
図9は、実施の形態2における室外機210の構成を概略的に示すブロック図である。
室外機210は、室外空調部111と、室外通信部120と、室外制御部230と、室外記憶部212と、室外リセット要因判定部213とを備える。
実施の形態2における室外機210の室外空調部111及び室外通信部120は、実施の形態1における室外機110の室外空調部111及び室外通信部120と同様である。
【0059】
室外記憶部212は、室外リセット要因判定部213が判定したリセットの要因を示す室外リセット要因情報を記憶する。室外記憶部212は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリにより構成される。室外記憶部212に記憶された情報は、室外制御部230から読み出し又は書き込みが可能である。室外記憶部212の記憶内容は、主電源がオフになっても記憶される。
【0060】
さらに、室外記憶部212は、室外通信方式判定部231による判定結果を示す室外通信方式情報を記憶する。室外通信方式判定部231は、通信方式を切り替えるたびに、室外通信方式情報が切り替え後の通信方式を示すように更新する。例えば、室外通信方式判定部231は、第1室外側定常処理又は第2室外側定常処理へ遷移した際に、室外通信方式情報を更新すればよい。これにより、室外通信方式情報は、室外機210が使用している通信方式を示すことになる。
【0061】
室外リセット要因判定部213は、室外機210のリセットの要因を判定し、その判定結果であるリセット要因を示す室外リセット要因情報を室外記憶部212に記憶させる。
例えば、室外リセット要因判定部213は、商用電源101からの電源電圧を計測するように接続されたA/D(Analog/Digital)変換回路により構成することができる。このような場合には、A/D変換回路は、電源電圧を監視し、電圧が低下してから一定期間以内に復帰した場合は、一時的な電源電圧の低下と判定し、一定期間以上経過した場合は、主電源オフと判定する。そして、A/D変換回路は、電源電圧が低下してから一定期間以上経過した際に、室外記憶部212に主電源オフを示すフラグを立てるなど、リセット解除後に、リセット要因判定結果であるリセット要因情報を参照できるようにする。
【0062】
また、室外リセット要因判定部213は、電源ラインとグラウンドとを接続するコンデンサに接続されたA/D変換回路により構成することもできる。A/D変換回路は、リセットの発生後に、コンデンサに印加されている電圧をA/D変換し、一定値以上であれば、リセット要因を一時的な電源電圧の低下と判定し、一定値未満であれば、リセット要因を主電源オフと判定する。このような構成とした場合、室外記憶部212にリセット要因情報を記録する必要はない。
【0063】
室外制御部230は、室外機210での処理を制御する制御部である。例えば、室外制御部230は、室外通信部120を制御して、室内機240と通信を行わせる。
室外制御部230は、室外通信方式判定部231と、室外空調制御部132とを備える。
実施の形態2における室外制御部230の室外空調制御部132は、実施の形態1における室外制御部130の室外空調制御部132と同様である。
【0064】
室外通信方式判定部231は、室外通信部120を制御して、室内機240との通信に、第1通信方式を使用するか、第2通信方式を使用するかを判定し、その判定結果を室外空調制御部132に与える。
また、室外通信方式判定部231は、通信方式を切り換えた際に、室外記憶部212に記憶されている室外通信方式情報が切り替え後の通信方式を示すように更新する。
ここで、実施の形態2における室外通信方式判定部231は、室外リセット要因判定部213が判定したリセット要因及びリセット時の通信方式に基づいて、室外機210の起動時に遷移する状態を変える処理及び室外通信方式情報を更新する処理以外は、実施の形態1における室外通信方式判定部131と同様の処理を行う。
【0065】
図10は、実施の形態2における室内機240の構成を概略的に示すブロック図である。
室内機240は、室内空調部141と、室内通信部150と、室内制御部260と、室内記憶部242と、室内リセット要因判定部243とを備える。
実施の形態2における室内機240の室内空調部141及び室内通信部150は、実施の形態1における室内機140の室内空調部141及び室内通信部150と同様である。
【0066】
室内記憶部242は、室内リセット要因判定部243が判定したリセットの要因を示す室内リセット要因情報を記憶する。
さらに、室内記憶部242は、室内通信方式判定部261による判定結果を示す室内通信方式情報を記憶する。室内通信方式判定部261は、通信方式を切り替えるたびに、室内通信方式情報を切り替え後の通信方式を示すように更新する。例えば、室内通信方式判定部261は、第1室内側定常処理又は第2室内側定常処理へ遷移するたびに、室内通信方式情報を更新すればよい。これにより、室内通信方式情報は、室内機240が使用している通信方式を示すことになる。
なお、室内記憶部242は、上述した室外記憶部212と同様に構成されている。
【0067】
室内リセット要因判定部243は、室内機240のリセットの要因を判定し、その判定結果であるリセット要因を示す室内リセット要因情報を室内記憶部242に記憶させる。室内リセット要因判定部243は、上述した室外リセット要因判定部213と同様に構成されている
【0068】
室内制御部260は、室内機240での処理を制御する制御部である。例えば、室内制御部260は、室内通信部150を制御して、室外機210と通信を行わせる。
室内制御部260は、室内通信方式判定部261と、室内空調制御部162とを備える。
実施の形態2における室内制御部260の室内空調制御部162は、実施の形態1における室内制御部160の室内空調制御部162と同様である。
【0069】
室内通信方式判定部261は、室内通信部150を制御して、室外機210との通信に、第1通信方式を使用するか、第2通信方式を使用するかを判定し、その判定結果を室内空調制御部162に与える。
また、室内通信方式判定部261は、通信方式を切り換えた際に、室内記憶部242に記憶されている室内通信方式情報が切り替え後の通信方式を示すように更新する。
ここで、実施の形態2における室内通信方式判定部261は、室内リセット要因判定部243が判定したリセット要因及びリセット時の通信方式に基づいて、室内機240の起動時に遷移する状態を変える処理及び室内通信方式情報を更新する処理以外は、実施の形態1における室内通信方式判定部161と同様の処理を行う。
【0070】
次に、実施の形態2における空調システム200での動作を説明する。
ここで、以下、リセット要因としての主電源オフは、POR(Power on Reset)、リセット要因としての一時的な電源電圧の低下は、WDR(Watch Dog Reset)と表記する。
【0071】
図11は、室外機210の室外通信方式判定部231の動作を示す状態遷移図である。
室外通信方式判定部231は、室外機210の起動時に、室外記憶部212に記憶されている室外リセット要因情報を取得し、室外リセット要因情報で示されるリセット要因がPORの場合、第1切替要求に遷移する(S1)。
一方、リセット要因がWDRの場合、室外通信方式判定部231は、室外記憶部212に記憶されている室外通信方式情報を取得して、リセット時に使用されていた通信方式を確認する。そして、室外通信方式情報が示す通信方式、言い換えると、リセット時に使用されていた通信方式が第1通信方式の場合、室外通信方式判定部231は、第1立ち上げ処理へ遷移し(S2)、室外通信方式情報が示す通信方式が第2通信方式の場合、室外通信方式判定部231は、第2立ち上げ処理へ遷移する(S3)。
【0072】
なお、第1切替要求、第1室外側方式確認、第1立ち上げ処理、第1室外側定常処理、第2切替要求、第2室外側方式確認、第2立ち上げ処理及び第2室外側定常処理は、実施の形態1と同様である。
【0073】
図12は、室内機240の室内通信方式判定部261の動作を示す状態遷移図である。
室内通信方式判定部261は、室内機240の起動時に、室内記憶部242に記憶されている室内リセット要因情報及び室内通信方式情報を取得し、室外通信方式情報が第1通信方式を示し、室内リセット要因情報がPORを示す場合には、第1室内側方式確認へ遷移する(S4)。
また、室内通信方式判定部261は、室外通信方式情報が第1通信方式を示し、室内リセット要因情報がWDRを示す場合には、第1室内側定常処理へ遷移する(S5)。
さらに、室内通信方式判定部261は、室外通信方式情報が第2通信方式を示し、室内リセット要因情報がPORを示す場合には、第2室内側方式確認へ遷移する(S6)。
加えて、室内通信方式判定部261は、室外通信方式情報が第2通信方式を示し、室内リセット要因情報がWDRを示す場合には、第2室内側定常処理へ遷移する(S7)。
【0074】
ここで、第1室内側方式確認、第1室内側定常処理、第2室内側方式確認及び第2室内側定常処理については、実施の形態1と同様である。
【0075】
以上のように、実施の形態2によれば、リセット要因がWDRの場合に、早急にリセット前の状態に復帰することができる。
【0076】
実施の形態1及び2では、室外機110、210における正常応答の待機期間(第1の期間)を10秒とし、室内機140、240における正常受信の待機期間(第2の期間)を30秒としているが、これらの待機期間が同じであってもよい。但し、これらを同じ期間とすると、室外機110、210及び室内機140、240が、同一のタイミングで異なる通信方式で起動すると正常に通信が確立できない可能性がある。このため、通信方式を切り替える期間を異なる期間とすることでこれを解決することができる。
【0077】
実施の形態1及び2では、室外機110、110#3、110#4、210に商用電源101が接続されているが、例えば、
図13に示されているように、何れかの室内機(ここでは、室内機140A、240A)に別の商用電源102が接続されて、他の室内機にも電源が供給されてもよい。