(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記情報取得ステップ及び上記推定ステップでは、上記搬送対象となる家財の種類として、電気製品であるか否か、取扱注意品であるか否か、割れ物であるか否か、ピアノであるか否か、の何れか1以上を判別すること
を特徴とする請求項1記載の引越費用推定プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した引越費用推定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0011】
図1は、本発明を適用した引越費用推定プログラムが実装される引越費用推定システム1の全体構成を示すブロック図である。引越費用推定システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された推定装置2と、推定装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
【0012】
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する推定装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を推定装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。
【0013】
データベース3は、引越費用推定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。引越費用推定を行う上で必要な情報としては、過去において撮像した引越元の家屋内の画像を解析することにより、搬送対象となる家財の種類と量とから関連付けられる参照用搬送量情報、引越元から引越先までの参照用距離情報、引越日時に関する参照用日時情報、引越の際における荷造りサービスの提供度合に関する参照用荷造り情報、引越元又は引越先の建物の構造に関する参照用建物構造情報、上記引越の依頼者の属性に関する参照用属性情報と、これらに対して実際に判断がなされる引越費用とのデータセットが記憶されている。
【0014】
つまり、データベース3には、このような参照用搬送量情報に加え、参照用距離情報、参照用日時情報、参照用荷造り情報、参照用建物構造情報、参照用属性情報の何れか1以上と、引越費用が互いに紐づけられて記憶されている。
【0015】
推定装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この推定装置2による探索解を得ることができる。
【0016】
図2は、推定装置2の具体的な構成例を示している。この推定装置2は、推定装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
【0017】
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、推定装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
【0018】
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
【0019】
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0020】
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
【0021】
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
【0022】
上述した構成からなる引越費用推定システム1における動作について説明をする。
【0023】
引越費用推定システム1では、例えば
図3に示すように、参照用搬送量情報と、引越費用との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。参照用搬送量情報とは、引越元の家屋内を撮像した画像を解析することにより得られるものであり、搬送対象となる家財の種類と量とから関連付けられる。この参照用搬送量情報は、引越元の家屋内を撮像した画像を解析することで、例えばテーブルが何個あり、椅子が何個あり、棚が何個あるかを画像解析技術を通じて抽出する。このとき、人工知能を活用し、机や椅子、棚、ソファ、テレビ等の家財の画像データを学習させておき、実際に参照用搬送量情報を取得する際には、これらの学習させた画像データと照らし合わせて、その種類と量を判別するようにしてもよい。このとき、仮に棚の中に家財が収納されていれば、その収納されている家財の種類と量を同様に人工知能を活用して判別するようにしてもよい。
【0024】
引越費用とは、
依頼者が引越業者に対して支払う引越費用である。引越費用は、具体的に1円レベルまで細かく設定されていてもよいし、大まかに高い、中程度、安い、程度の3段階以上で設定されていてもよい。また、引越費用の代替として作業量や作業時間等の指標に置き換えて表示するようにしてもよい。
【0025】
図3の例では、入力データとして例えば参照用搬送量情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用搬送量情報P01〜P03は、出力としての引越費用に連結している。この出力においては、出力解としての、引越費用が表示されている。
【0026】
参照用搬送量情報は、この出力解としての引越費用に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用搬送量情報がこの連関度を介して左側に配列し、各引越費用が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用搬送量情報に対して、何れの引越費用と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用搬送量情報が、いかなる引越費用に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用搬送量情報から最も確からしい引越費用を選択する上での的確性を示すものである。
図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての引越費用と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
【0028】
推定装置2は、このような
図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用搬送量情報と、その場合の引越費用の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図3に示す連関度を作り上げておく。
【0029】
例えば、参照用搬送量情報が、テーブルが1個、椅子が4個、テレビ台が1個、テレビ1台、ソファセット1個、事務デスク1台、事務用いす1個、布団8枚、ベッド2台、段ボール40箱であるものとする。このような参照用搬送量情報に対する引越費用としては引越費用32000円が多く評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用搬送量情報(テーブルが1個、椅子が4個、テレビ台が1個、テレビ1台、ソファセット1個、事務デスク1台、事務用いす1個、布団8枚、ベッド2台、段ボール40箱)との連関度が強くなる。
【0030】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用搬送量情報P01である場合に、過去の引越費用の評価を行った結果の各種データから分析する。こ参照用搬送量情報P01である場合に、引越費用156000円の事例が多い場合には、この引越費用の評価につながる連関度をより高く設定し、引越費用95000円の事例が多い場合には、この引越費用の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用搬送量情報P01の例では、引越費用156000円と、引越費用95000円にリンクしているが、以前の事例から引越費用156000円につながるw13の連関度を7点に、引越費用95000円につながるw14の連関度を2点に設定している。
【0031】
また、この
図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0032】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを、以前の引越対象の家屋内を撮像した画像と実際に見積もった引越費用とのデータセットを通じて作った後に、実際にこれから新たに引越費用の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用して引越費用を探索することとなる。かかる場合には、実際に判別対象の領域において搬送量情報を新たに取得する。新たに取得する搬送量情報は、上述した情報取得部9により入力される。搬送量情報は、引越費用を判別しようとする家屋内の画像を撮像することで、引越対象の家財の種類と量を判別することで行う。この判別方法は、上述した参照用搬送量情報と同様の手法で行うようにしてもよい。
【0033】
このようにして新たに取得した搬送量情報に基づいて、引越費用を判別する。かかる場合には、予め取得した
図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した搬送量情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して引越費用32000円がw15、引越費用95000円が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高いて引越費用32000円を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる引越費用95000円を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0034】
このようにして、新たに取得する搬送量情報から、最も好適な引越費用を探索し、ユーザに表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ、即ち依頼者又は引越業者は、探索された引越費用に基づいて引越のコストを判別することができ、又は間接的に引越の工数や時間の判別も行うことができる。
【0035】
なお、この搬送量情報において判別する家財の種類としては、更に細かい分類を設定してもよい。かかる場合には、家財の種類を判別する際に、電気製品であるか否か、取扱注意品であるか否か、割れ物であるか否か、ピアノであるか否か、の何れか1以上を判別するようにしてもよい。仮に電気製品であれば、テレビ、パーソナルコンピュータ、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機等、搬送をする上でそれなりの注意、労力をかける必要があるものも含まれており、その分において作業工数が増加する分、引越費用は増大する。これらを判別する上では、予めこれら電気製品の各種類ごとに画像を学習させておき、その学習データを照らし合わせて判別するようにしてもよい。
【0036】
同様に取扱注意品や割れ物(例えば高価な壺や骨とう品など)が含まれている場合もそれなりの注意、労力をかける必要があるものも含まれており、その分において作業工数が増加する分、引越費用は増大する。これらを判別する上では、予めこれら取扱注意品や割れ物の各種類ごとに画像を学習させておき、その学習データを照らし合わせて判別するようにしてもよいし、割れ物や取扱注意品のラベルが段ボールに張り付けてある場合には、これを読み取ることで判別するようにしてもよい。
【0037】
また、ピアノの搬送も労力の負担は過大であり、クレーン等が必要な場合もある。ピアノの判別も同様に画像を学習させておき、判別精度を向上させるようにしてもよい。
【0038】
家財の種類として、これらの電気製品、取扱注意品、割れ物、ピアノが含まれている場合における引越費用との学習用データセットを収集しておき、上述した連関度を形成しておくことで同様に引越費用の推定を行うことが可能となる。
【0039】
なお、この搬送量情報として判別する家財の種類は、家財の大きさも含まれる。例えば、同じテレビであってもその大きさによって搬送の労力の負担は大きく異なる。このため、家財の種類を判別する際に、その大きさも含めて判別するようにしてもよい。例えば、テレビであれば、画面の大きさ別(例えば型等)で分類してもよいし、冷蔵庫であればその容積別に分類してしてもよい。
【0040】
情報取得ステップにおいて搬送対象となる家財の種類として大きさを判別する場合には、予め参照用搬送量情報を取得する上で、これらの家財の大きさを含めて予め学習させておく必要がある。
【0041】
図4の例では、参照用搬送量情報と、参照用距離情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用距離情報とは、引越元から引越先までの距離に関するあらゆる情報であり、例えばkm単位で表示されていてもよいし、東京(引越元)から大阪(引越先)等のように地域、都市、地方、県、市区町村、地点名単位で表示されていてもよい。
【0042】
引越費用は、参照用搬送量情報に加え、引越元から引越先までの距離に応じて異なる。距離が長いほど引越に費やす時間が増加し、またガソリン代等のコストも増加することから、引越費用が高くなる。このため、参照用搬送量情報に加え、このような参照用距離情報と組み合わせて引越費用を定義することにより、引越費用を高精度に評価することができる。
【0043】
図4の例では、入力データとして例えば参照用搬送量情報P01〜P03、参照用距離情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用搬送量情報に対して、参照用距離情報が組み合わさったものが、
図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、引越費用が表示されている。
【0044】
参照用搬送量情報と参照用距離情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、引越費用に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用搬送量情報と参照用距離情報がこの連関度を介して左側に配列し、引越費用が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用搬送量情報と参照用距離情報に対して、引越費用と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用搬送量情報と参照用距離情報が、いかなる引越費用に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用搬送量情報と参照用距離情報から最も確からしい引越費用を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用搬送量情報と参照用距離情報の組み合わせで、最適な引越費用を探索していくこととなる。
【0045】
図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
【0046】
推定装置2は、このような
図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用搬送量情報と参照用距離情報、並びにその場合の引越費用が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図4に示す連関度を作り上げておく。
【0047】
例えば、過去にあった実際の事例における参照用搬送量情報が、テーブルが2個、椅子が2個、冷蔵庫1台、洗濯機1台、布団3枚、ベッド1台、段ボール20箱であるものとする。また参照用距離情報が、150kmであるものとする。かかる場合に、実際にその引越費用がいくらであったかを示す引越費用をデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。なお、このような参照用搬送量情報や、参照用距離情報は、引越業者が管理する管理データベースから抽出するようにしてもよい。
【0048】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用搬送量情報P01で、参照用距離情報P16である場合に、その引越費用を過去のデータから分析する。引越費用が95000円の事例が多い場合には、この95000円につながる連関度をより高く設定し、引越費用233000円の事例が多く、引越費用95000円の事例が少ない場合には、引越費用233000円につながる連関度を高くし、引越費用95000円につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、引越費用156000円と引越費用32000円の出力にリンクしているが、以前の事例から引越費用156000円につながるw13の連関度を7点に、引越費用32000円につながるw14の連関度を2点に設定している。
【0049】
また、この
図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0050】
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用搬送量情報P01に対して、参照用距離情報P14の組み合わせのノードであり、引越費用95000円の連関度がw15、引越費用119000円の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用搬送量情報P02に対して、参照用位置情報P15、P17の組み合わせのノードであり、引越費用32000円の連関度がw17、引越費用233000円の連関度がw18となっている。
【0051】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから引越費用を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に搬送量情報と、距離情報とを取得する。距離情報は、実際に引越の依頼者を介して入力された引越元と引越先の住所に基づいて抽出するようにしてもよい。
【0052】
このようにして新たに取得した搬送量情報、距離情報に基づいて、最適な引越費用を探索する。かかる場合には、予め取得した
図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した搬送量情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、距離情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、引越費用95000円がw19、引越費用233000円が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い引越費用95000円を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる引越費用233000円を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0053】
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
【0055】
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
【0056】
図5は、上述した参照用搬送量情報に加え、上述した参照用距離情報の代わりに参照用日時情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する引越費用との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0057】
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用日時情報は、引越の日時に関するあらゆる情報である。参照用日時情報は、具体的な日にち、曜日に加え、開始時間、終了時間まで規定されていてもよいし、大まかに月や季節(例えば6〜8月等)の範囲で規定されていてもよい。引越の日時によって混雑する場合としない場合がある。例えば、就職や入学等があり、いわゆる引越シーズンであるから、引越の依頼が殺到し、作業員が多忙になることから引越の単価が上昇しやすい。このため、この参照用日時情報を組み合わせて連関度を形成することにより、引越費用の判断精度を向上させる趣旨である。
【0058】
図5の例では、入力データとして例えば参照用搬送量情報P01〜P03、参照用日時情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用搬送量情報に対して、参照用日時情報が組み合わさったものが、
図5に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、引越費用が表示されている。
【0059】
参照用搬送量情報と参照用日時情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、引越費用に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用搬送量情報と参照用日時情報がこの連関度を介して左側に配列し、引越費用が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用搬送量情報と参照用日時情報に対して、引越費用と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用搬送量情報と参照用日時情報が、いかなる引越費用に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用搬送量情報と参照用日時情報から最も確からしい引越費用を選択する上での的確性を示すものである。
【0060】
推定装置2は、このような
図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用搬送量情報と、参照用日時情報、並びにその場合の引越費用が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図5に示す連関度を作り上げておく。
【0061】
例えば、過去にあった実際の引越費用の評価時において、ある参照用搬送量情報に対して、参照用日時情報が、「3月15日の午後」であったものとする。かかる場合に、引越費用が233000円と判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
【0062】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用搬送量情報P01で、参照用日時情報P20である場合に、その引越費用を過去のデータから分析する。引越費用156000円の事例が多い場合には、この引越費用が156000円につながる連関度をより高く設定し、引越費用が32000円の事例が多く、引越費用が156000円の事例が少ない場合には、引越費用が32000円につながる連関度を高くし、引越費用が156000円につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、引越費用32000円と引越費用156000円の出力にリンクしているが、以前の事例から引越費用156000円につながるw13の連関度を7点に、引越費用32000円につながるw14の連関度を2点に設定している。
【0063】
また、この
図5に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0064】
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用搬送量情報P01に対して参照用日時情報P18の組み合わせのノードであり、引越費用95000円の連関度がw15、引越費用119000円の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用搬送量情報P02に対して、参照用日時情報P19、P21の組み合わせのノードであり、引越費用32000円の連関度がw17、引越費用233000円の連関度がw18となっている。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。
【0065】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから引越費用の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその引越費用の判別対象の搬送量情報と、日時情報とを取得する。ここで日時情報は、引越費用を実際に見積もる際に、依頼者側が希望する引越の日時を入力してもよい。
【0066】
このようにして新たに取得した搬送量情報と、日時情報に基づいて、最適な引越費用を探索する。かかる場合には、予め取得した
図5(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した搬送量情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、日時情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、引越費用95000円がw19、引越費用233000円が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い引越費用95000円を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる引越費用233000を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0067】
図6は、上述した参照用搬送量情報に加え、上述した参照用距離情報の代わりに参照用荷造り情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する引越費用との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0068】
参照用距離情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用荷造り情報は、実際に引越をする上で引越の事業者側が荷造りに関するサービスをどの程度提供するかを示すものである。例えば段ボールへの梱包を全て請け負う場合か、或いは布団のみの荷造りのみを請け負うかによって、作業量は大幅に異なり、引越費用もこれに応じて増減する。このため、この参照用荷造り情報を組み合わせて連関度を形成することにより、引越費用の判断精度を向上させる趣旨である。
【0069】
図6の例では、入力データとして例えば参照用搬送量情報P01〜P03、参照用荷造り情報P22〜25であるものとする。このような入力データとしての、参照用搬送量情報に対して、参照用荷造り情報が組み合わさったものが、
図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、引越費用が表示されている。
【0070】
参照用搬送量情報と参照用荷造り情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、引越費用に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用搬送量情報と参照用荷造り情報がこの連関度を介して左側に配列し、引越費用が連関度を介して右側に配列している。
【0071】
推定装置2は、このような
図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用搬送量情報と、参照用荷造り情報、並びにその場合の引越費用が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図6に示す連関度を作り上げておく。
【0072】
例えば、過去にあった実際の引越費用の評価時において、ある参照用搬送量情報に対して、参照用荷造り情報が、「全荷物の梱包を業者側が行う」であったものとする。かかる場合に、引越費用が233000円である事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
【0073】
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用搬送量情報P01に対して参照用荷造り情報P22の組み合わせのノードであり、引越費用95000円の連関度がw15、引越費用119000円の連関度がw16となっている。
【0074】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから引越費用の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその引越費用の判別対象の搬送量情報と、荷造り情報とを取得する。ここで荷造り情報は、引越を依頼する依頼者の希望に基づいて都度入力してもよい。
【0075】
このようにして新たに取得した搬送量情報と、荷造り情報に基づいて、最適な引越費用を探索する。かかる場合には、予め取得した
図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した搬送量情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、荷造り情報がP25に対応する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、引越費用95000円がw19、引越費用233000円が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い引越費用95000円を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる引越費用233000円を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0076】
図7は、上述した参照用搬送量情報に加え、上述した参照用距離情報の代わりに参照用建物構造情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する引越費用との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0077】
この参照用建物構造情報は、引越元の建物の構造に関するあらゆる情報、又は引越先の建物の構造に関するあらゆる情報を含むものである。引越元又は引越先の建物の構造に化する情報としては、一軒家か、マンションか、ビルか、一軒家であれば平屋か、多階層か、またビル又はマンションであれば、エレベータの有無、エントランスからの距離、駐車スペースの有無等、あらゆる情報が含まれる。仮にエレベータが無い建物の場合には、階段を通じて荷物を搬送しなければならず、労力の負担が増大するため引越費用は高くなる。このため、参照用建物構造情報を組み合わせて連関度を形成することにより、引越費用の判断精度を向上させる趣旨である。
【0078】
図7の例では、入力データとして例えば参照用搬送量情報P01〜P03、参照用建物構造情報P22〜25であるものとする。このような入力データとしての、参照用搬送量情報に対して、参照用建物構造情報が組み合わさったものが、
図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、引越費用が表示されている。
【0079】
参照用搬送量情報と参照用建物構造情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、引越費用に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用搬送量情報と参照用建物構造情報がこの連関度を介して左側に配列し、引越費用が連関度を介して右側に配列している。
【0080】
推定装置2は、このような
図7に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用搬送量情報と、参照用建物構造情報、並びにその場合の引越費用が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで
図7に示す連関度を作り上げておく。
【0081】
例えば、過去にあった実際の引越費用の評価時において、ある参照用搬送量情報に対して、参照用建物構造情報が、「3階建てのマンションでエレベータが無し」であったものとする。かかる場合に、引越費用が233000円である事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
【0082】
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用搬送量情報P01に対して参照用建物構造情報P22の組み合わせのノードであり、引越費用95000円の連関度がw15、引越費用119000円の連関度がw16となっている。
【0083】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから引越費用の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその引越費用の判別対象の搬送量情報と、建物構造情報とを取得する。ここで建物構造情報は、引越を依頼する依頼者の希望に基づいて都度入力してもよい。
【0084】
このようにして新たに取得した搬送量情報と、建物構造情報に基づいて、最適な引越費用を探索する。かかる場合には、予め取得した
図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した搬送量情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、建物構造情報がP25に対応する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、引越費用95000円がw19、引越費用233000円が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い引越費用95000円を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる引越費用233000円を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0085】
また本発明では、上述した参照用搬送量情報に加え、上述した参照用距離情報の代わりに参照用属性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する引越費用との3段階以上の連関度を設定してもよい。ここでいう参照用属性情報とは、引越を依頼する依頼者の属性を示すものであり、例えば依頼者が法人か、個人か、また法人であればその業種や従業員数、個人であれば単身者か、所帯持ちか、所帯持ちであればその家族の構成人数等を示すものである。法人であっても、従業員数が多ければその分机やロッカー等の什器の数は増加し、また製造業であれば製造設備や在庫等、搬送する物品数は、サービス業よりも増加する傾向にあるため、その分作業工数は増加し、引越費用は増加する。
【0086】
このような参照用属性情報とを含む組み合わせと引越費用との3段階以上の連関度を設定しておくことで、上記
図4〜
図7と同様に、引越費用を推定するケースにおいて引越の依頼者に関する属性情報の入力を受け付ける。そして参照用属性情報とを含む組み合わせと引越費用との3段階以上の連関度を利用し、入力された属性情報に応じた参照用属性情報に基づき、新たに引越費用を推定する。
【0087】
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
【0088】
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に引越費用の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
【0089】
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
【0090】
なお、上述した連関度では、参照用搬送量情報に加え、参照用距離情報、参照用日時情報、参照用荷造り情報、参照用建物構造情報、参照用属性情報の何れかとの組み合わせで構成されている場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。つまり連関度は、参照用搬送量情報に加え、参照用距離情報、参照用日時情報、参照用荷造り情報、参照用建物構造情報、参照用属性情報の何れか2以上との組み合わせで構成されていてもよい。また連関度は、参照用搬送量情報に加え、参照用距離情報、参照用日時情報、参照用荷造り情報、参照用建物構造情報、参照用属性情報の何れか1以上に加え、他のファクターがこの組み合わせに加わって連関度が形成されていてもよい。
【0091】
いずれの場合も、その連関度の参照情報に合わせたデータの入力がなされ、その連関度を利用して引越費用を求める。
【0092】
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
【0093】
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい引越費用、を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
【0094】
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
【0095】
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
【0096】
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また参照用搬送量情報、参照用距離情報、参照用日時情報、参照用荷造り情報、参照用建物構造情報、参照用属性情報を取得し、これらに対する引越費用、改善施策に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
【0097】
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
【0098】
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
【0099】
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
【解決手段】引越費用を推定する引越費用推定プログラムにおいて、引越元の家屋内を撮像した画像を解析することにより、搬送対象となる家財の種類と量とから関連付けられる搬送量情報を取得する情報取得ステップと、過去において撮像した引越元の家屋内の画像を解析することにより、搬送対象となる家財の種類と量とから関連付けられる参照用搬送量情報と、引越費用との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した搬送量情報に応じた参照用搬送量情報に基づき、引越費用を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。