特許第6797445号(P6797445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6797445-枯草剤および防草剤 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6797445
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】枯草剤および防草剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 59/00 20060101AFI20201130BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20201130BHJP
   A01N 59/08 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   A01N59/00 C
   A01P13/00
   A01N59/00 Z
   A01N59/08 Z
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-37927(P2020-37927)
(22)【出願日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年4月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506416101
【氏名又は名称】株式会社M.I.T
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】野間 たまき
【審査官】 西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭52−039887(JP,B1)
【文献】 特開2019−202899(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/029883(WO,A1)
【文献】 特開2018−070781(JP,A)
【文献】 特開2015−189673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
C01B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾殻由来二酸化ケイ素粉末と、
酸化ナトリウム(NaO)粉末と、
塩化ナトリウム粉末と
を含有し、
塩素酸ナトリウムを含まない
枯草剤。
【請求項2】
前記枯草剤に占める前記籾殻由来二酸化ケイ素粉末および前記酸化ナトリウム(NaO)粉末の合計質量割合は60質量%以上75質量%以下の範囲内である
請求項1に記載の枯草剤。
【請求項3】
籾殻由来二酸化ケイ素粉末と、
酸化ナトリウム(NaO)粉末と、
塩化ナトリウム粉末と
を含有し、
塩素酸ナトリウムを含まない
防草剤。
【請求項4】
前記防草剤に占める前記籾殻由来二酸化ケイ素粉末および前記酸化ナトリウム(NaO)粉末の合計質量割合は60質量%以上75質量%以下の範囲内である
請求項3に記載の防草剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雑草等を枯れさせる枯草剤に関する。また、本発明は、一定期間雑草等が生えてくるのを防ぐ防草剤にも関する
【背景技術】
【0002】
過去に「ガラス発泡パウダーおよび炭酸水素ナトリウム(重曹)を含有する枯草・防草用組成物」が提案されている(例えば、特開2019−156765号公報等参照)。この枯草・防草用組成物は、約2週間でその枯草効果を発揮し、その後しばらくの間、散布場所で雑草が生えるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−156765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、枯草処理期間をできるだけ短くしたいとの要望が上がっている。本発明の課題は、上述のような従前の枯草用組成物よりも短期間で枯草効果を得ることができる枯草剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る枯草剤は、籾殻由来二酸化ケイ素粉末、酸化ナトリウム(NaO)粉末および塩化ナトリウム粉末を含有する。なお、この籾殻由来二酸化ケイ素粉末は、非晶質であって多孔質構造を有する。また、この枯草剤は、塩素酸ナトリウムを含まない。
【0006】
本願発明者の鋭意検討の結果、この枯草剤は、3日から1週間程度でその枯草効果を発揮することが明らかとなった。このため、この枯草剤は、従前の枯草剤(例えば、特開2019−156765号公報に開示される除草剤)よりも短期間で枯草効果を得ることができる。したがって、この枯草剤は、上述の課題を解決することができる。
【0007】
また、本願発明者の鋭意検討の結果、この枯草剤は、散布後約4月以上、散布場所で雑草が生えるのを防止することが明らかとなっている。このため、この枯草剤は、防草剤、枯草剤兼防草剤としても機能し得る。
【0008】
また、本発明に係る枯草剤において、枯草剤に占める籾殻由来二酸化ケイ素粉末および酸化ナトリウム(NaO)粉末の合計質量割合は60質量%以上75質量%以下の範囲内であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る枯草剤散布前の雑草植生領域の様子を示す写真図である。
図2】実施例1に係る枯草剤の散布日から3日後の雑草植生領域の様子を示す写真図である。
図3】実施例1に係る枯草剤の散布日から6日後の雑草植生領域の様子を示す写真図である。
図4】実施例1に係る枯草剤の散布日から130日後の雑草植生領域の様子を示す写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る枯草剤は、3日程で枯草効果を発揮する薬剤であって、籾殻由来二酸化ケイ素粉末および酸化ナトリウム(NaO)粉末を含有する。なお、ここにいう枯草剤は、雑草等の根や茎も枯れさせる能力を有するが、農薬には該当しない。籾殻由来二酸化ケイ素粉末は、籾殻を約700℃の温度環境下で焼却することに得られる粉末状の非晶質の二酸化ケイ素であって(例えば、特許第6389349号明細書参照)、吸水能力に優れるものである。そして、ここで、籾殻由来二酸化ケイ素粉末は多孔質構造を有しており、その比表面積は300m/g以上である。(BET法により計測)。また、この枯草剤では、籾殻由来二酸化ケイ素粉末の質量に対する酸化ナトリウム粉末の質量の比の下限を0.7とすることが好ましく、0.8とすることがより好ましく、0.9とすることがさらに好ましい。一方、同比の上限は1.3とすることが好ましく、1.2とすることがより好ましく、1.1とするのがさらに好ましい。すなわち、籾殻由来二酸化ケイ素粉末および酸化ナトリウム粉末はほぼ同量とされることが好ましい。そして、この籾殻由来二酸化ケイ素粉末は、非晶質であることが確認されていることから労働安全衛生法上、安全なものと認定されている。
【0011】
なお、この枯草剤は、籾殻由来二酸化ケイ素粉末および酸化ナトリウム粉末のみから成っていてもよいが、この枯草剤の枯草効果を向上させる目的で、枯草剤に塩素含有塩等の他の成分が含まれていてもよい。なお、ここで塩素含有塩とは、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等である。これらの塩は、単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよい。このように枯草剤に塩素含有塩等の他の成分が含まれる場合、枯草剤に占める籾殻由来二酸化ケイ素粉末および酸化ナトリウム粉末の合計質量割合は60質量%以上75質量%以下の範囲内であることが好ましい。
【0012】
また、この枯草剤のpH値は8以上11以下の範囲内であることが好ましい。
【0013】
また、この枯草剤を或る程度広い領域に散布する場合、この枯草剤を広く散布した後に散水するのが好ましい。枯草剤が広く分散して均一に枯草効果を得られるからである。また、枯草剤に対して水を供給することにより、枯草剤をその土壌に良好に定着させることができる。
【0014】
ところで、この枯草剤は、例えば、大規模な空き地、墓地の墓石周辺領域、鉄道施設、住宅の庭、高速道路グリーンベルト、遊歩道等に植生する雑草等の除去に用いられる。
【0015】
なお、この枯草剤は、上述の通り従前の枯草剤よりも強力な枯草剤であって、状況によって散布箇所から3m先の領域の植物まで枯らせる場合がある。このため、この枯草剤は、保護すべき植物(例えば、食用野菜や、食用果実、観賞用植物等)が存在する領域(例えば、田畑等の農耕地等)から3m以上離れた箇所で利用されるべきである。
【0016】
また、この枯草剤は、防草剤としても機能することが確認されている。すなわち、この枯草剤は、防草剤あるいは枯草剤兼防草剤と言い換えることもできる。
【0017】
以下、実施例を示して本願発明をより詳細に説明する。なお、以下に示す実施例により本願発明が限定されることはない。
【実施例1】
【0018】
二酸化ケイ素粉末、酸化ナトリウム粉末、塩化ナトリウム粉末の質量比が34:32:26となるように籾殻の一次焼却灰(籾殻を約700℃の温度環境下で焼却して得られたもの)、酸化ナトリウム粉末および塩化ナトリウム粉末を汎用の混合器で混合して、目的の枯草剤を得た。なお、籾殻の一次焼却灰には、酸化アルミニウム(Al)等、二酸化ケイ素粉末以外の成分も含まれている。
【0019】
そして、上述の通りにして得られた枯草剤300gを、1mの雑草植生領域に散布した後、その雑草植生領域に330gの水を撒いた。その後、毎日、その雑草植生領域を観察していたところ、3日目に雑草が枯れ始めていることが確認された。そして、枯草剤散布日から6日目に雑草が完全に枯れていることが確認された。また、枯草剤を散布した雑草植生領域には、その後4月以上、雑草が生えてきていないことが確認された。
【0020】
なお、参考までに、枯草剤散布前の雑草植生領域の様子を示す写真図を図1として示し、枯草剤の散布日から3日後の雑草植生領域の様子を示す写真図を図2として示し、枯草剤の散布日から6日後の雑草植生領域の様子を示す写真図を図3として示し、枯草剤の散布日から130日(約4月)後の雑草植生領域の様子を示す写真図を図4として示した。これらの写真図から上記結果が裏付けされているものと思料する。
【要約】
【課題】本発明の課題は、従前のものよりも枯草期間を短くすることができる薬剤を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る枯草剤は、籾殻由来二酸化ケイ素および酸化ナトリウム(NaO)を含有する。この枯草剤は、塩素含有塩をさらに含有することが好ましい。なお、ここで、籾殻由来二酸化ケイ素は、非晶質であって多孔質構造を有する。また、この枯草剤は、防草剤としても機能する。また、この枯草剤に塩素含有塩等の他の成分が含まれる場合、枯草剤に占める籾殻由来二酸化ケイ素および酸化ナトリウムの合計質量割合は60質量%以上75質量%以下の範囲内であることが好ましい。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4