(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レーザビーム照射ユニットを外部に位置させ、前記基板支持部を内部に位置させ、ウィンドウを介して、前記レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームを、前記基板支持部上に配置された基板に照射させるチャンバをさらに具備し、
前記第1ビームカッタ及び前記第2ビームカッタは、前記チャンバ内部に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザアニーリング装置。
前記ラインレーザビームを照射する段階は、ラインレーザビームを、チャンバのウィンドウを介して、チャンバ内の非晶質シリコン層に照射する段階であり、第1ビームカッタ及び第2ビームカッタは、チャンバ内に位置したことを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置の製造方法。
前記ラインレーザビームを照射する段階は、ラインレーザビームを、チャンバのウィンドウを介して、チャンバ内の非晶質シリコン層に照射する段階であり、第1ビームカッタ及び第2ビームカッタは、チャンバ内に位置したことを特徴とする請求項10に記載のディスプレイ装置の製造方法。
前記ラインレーザビームを照射する段階は、ラインレーザビームを、チャンバのウィンドウを介して、チャンバ内の非晶質シリコン層に照射する段階であり、第1ビームカッタ及び第2ビームカッタは、チャンバ内に位置したことを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で具現されるのである。
【0024】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか対応する構成要素は、同一図面符号を付与し、それについての重複説明は省略する。
【0025】
以下の実施形態において、層、膜、領域、板のような各種構成要素が異なる構成要素の「上に」あるとするとき、それは、他の構成要素の「真上に」ある場合だけではなく、その間に他の構成要素が介在された場合も含む。また、説明の便宜のために、図面においては、構成要素がその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0026】
以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の3軸に限定されるものではなく、それらを含む広い意味に解釈されるものである。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交することもあり、互いに直交せずに、互いに異なる方向を指すこともある。
【0027】
図1ないし
図3は、本発明の一実施形態によるレーザアニーリング装置を利用して、ディスプレイ装置を製造する過程を概略的に図示する平面図である。本実施形態によるレーザアニーリング装置は、基板支持部10、レーザビーム照射ユニット(図示せず)及び基板移動部(図示せず)を具備する。
【0028】
基板支持部10には、非晶質シリコン層3が形成された基板1が配置される。基板移動部は、かような基板支持部10を移動させることができる。具体的には、基板移動部は、基板支持部10を第1方向(例えば、+x方向、例えば
図1中の右方向)、または前記第1方向(+x方向)と交差する第2方向(例えば、+y方向、例えば
図1中の上方向)に移動させることができる。なお、本実施形態では、
図1中の+x方向(右方向)と反対側の左方向を−x方向とし、
図1中の+y方向(上方向)と反対側の下方向を−y方向とする。
【0029】
また、基板移動部は、基板支持部10を第1方向(+x方向)及び第2方向(+y方向)によって定義された第1平面(xy平面)内で回転させることができる。ここで、第2方向(+y方向)は、第1方向(+x方向)に対して垂直でもあるが、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではない。以下では、便宜上、第2方向が第1方向に対して垂直である場合について説明する。
【0030】
レーザビーム照射ユニットは、第1方向(+x方向)に延長されたラインレーザビームLBを、基板支持部10上に配置された基板1に照射することができる。レーザビーム照射ユニットと、基板支持部10上に配置された基板1との間には、レーザビームが通過する多様な光学系が配置されてもよいということは言うまでもない。レーザビーム照射ユニットは、例えば、ライン形態のエキシマレーザビームを照射することができる。
【0031】
従来は、基板1の長軸や短軸が、ラインレーザビームLBの延長方向である第1方向(+x方向)に垂直である状態で、基板移動部が基板支持部10を、第1方向に垂直である第2方向(+y方向)に移動させ、基板移動部が基板支持部10を移動させる間、レーザビーム照射ユニットがラインレーザビームLBを、複数回照射することにより、基板1上の非晶質シリコン層3を結晶質シリコン層に変換させた。しかし、そのように形成された結晶質シリコン層を利用して、ディスプレイ装置を製造するとき、ディスプレイ装置で具現されるイメージに縞模様の染みが発生するという問題点があった。
【0032】
具体的には、レーザアニーリング中、基板1のエッジのうち、ラインレーザビームLBの延長方向である第1方向(+x方向)と平行なエッジ(端辺)が存在する。かようなエッジを第1エッジとするならば、それによって、そのように形成された結晶質シリコン層を利用して、複数個の薄膜トランジスタを形成すれば、基板1の第1エッジに平行な仮想ラインそれぞれにおいて、その当該仮想ライン上に位置した薄膜トランジスタのスレショルド電圧であるV
thは、ほぼ同一になるが、異なる仮想ライン上に位置した薄膜トランジスタの場合、V
thが互いに異なる。つまり、一の仮想ライン上の薄膜トランジスタのスレショルド電圧であるV
thと、一の仮想ラインとは異なる別の仮想ライン上の薄膜トランジスタのスレショルド電圧であるV
thと、は互いに異なる。
【0033】
それによって、かような薄膜トランジスタに電気的に連結されたディスプレイ素子を形成する場合、ディスプレイ装置で具現されるイメージに、基板1の第1エッジに平行な縞模様の染みが発生するという問題点があった。
【0034】
従って、本実施形態によるレーザアニーリング装置の場合、そのような問題点を発生させないように、
図1に図示されているように、基板移動部が、非晶質シリコン層3が形成された基板1が配置された基板支持部10を、90°より小さい角度であるθだけ回転させる。
図1では、基板支持部10は、基板支持部10の左下を中心として、+y方向に対して時計回りに回転しており、基板支持部10の左辺と+y方向との成す角がθである。
【0035】
そして、そのように基板支持部10を回転させた状態で、基板移動部は、
図2及び
図3に図示されているように、基板支持部10を第2方向(+y方向)に移動させる。
【0036】
そのようにレーザアニーリングを実施する場合、ラインレーザビームLBの延長方向(+x方向)が基板1のエッジに平行ではなくなる。その結果、そのように形成された結晶質シリコン層を利用して、複数個の薄膜トランジスタを形成し、それらに電気的に連結されたディスプレイ素子を形成する場合、基板1のエッジに平行な仮想ラインそれぞれにおいて、その当該仮想ライン上に位置した薄膜トランジスタのV
thが互いに異なる。それによって、基板1上の薄膜トランジスタのV
th分布が、基板1にわたって全体的に均一になる。例えば、一の仮想ライン上の複数の薄膜トランジスタのスレショルド電圧であるV
thは、同一ではなく様々な値となる。同様に、一の仮想ラインとは異なる別の仮想ライン上の薄膜トランジスタのスレショルド電圧であるV
thもまた、同一ではなく様々な値となる。このとき、基板1上の薄膜トランジスタのV
th分布が、基板1にわたって全体的に均一となり、例えば、一の仮想ライン上の複数の薄膜トランジスタのV
thの多様性と、別の仮想ライン上の薄膜トランジスタのV
thの多様性とは、同程度となり得る。従って、かような薄膜トランジスタに電気的に連結されたディスプレイ素子を形成し、ディスプレイ装置を製造すれば、ディスプレイ装置で具現されるイメージに、従来のような縞模様の染みが発生することを効果的に防止したり抑制したりすることができる。
【0037】
ただし、かような本実施形態によるレーザアニーリング装置、及びそれを利用したディスプレイ装置の製造方法の場合、基板1の多くの部分を損傷させ、またディスプレイ装置の製造過程において、不良率が高くなることもあるという問題点がある。具体的には、
図2及び
図3に図示されているように、基板移動部が基板支持部10を第2方向(+y方向)に移動させながら、基板1上の非晶質シリコン層3に、ラインレーザビームLBを複数回照射すれば、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分にも、ラインレーザビームLBが照射される。非晶質シリコン層3で覆われていない部分の照射領域として、
図2では、基板1の右上端領域BA1、及び左上端領域BA2にラインレーザビームLBが照射されるところを図示しており、
図3では、それ以外に、基板1の左下端領域BA3、及び右下端領域BA4にラインレーザビームLBが照射されるところを図示している。
【0038】
3,000nm厚以上の非晶質シリコン層3は、入射したラインレーザビームLBを99%以上吸収するので、基板1の非晶質シリコン層3下部に位置した部分は、ラインレーザビームLBによって影響をほぼ受けない。しかし、基板1の非晶質シリコン層3が存在しない前述のような右上端領域BA1、左上端領域BA2、左下端領域BA3及び右下端領域BA4は、ラインレーザビームLBによって基板1の非晶質シリコン層3下部に位置した部分が損傷しうる。特に、フレキシブルディスプレイ装置を具現するために、基板1がポリイミドなどによって形成される場合、基板1の当該領域は、ラインレーザビームLBが照射されることにより、一部分が焼けたりし、その過程においてパーティクルが発生し、非晶質シリコン層3や、結晶化された結晶質シリコン層の上に残存し、その後不良を引き起こすこともある。従って、基板1の非晶質シリコン層3が存在しない部分として、ラインレーザビームLBが照射される領域の広さを最小化することが必要である。
【0039】
非晶質シリコン層3が基板1の全面を覆うことを考慮することもできるということは言うまでもない。しかし、非晶質シリコン層3が基板1の全面を覆うとしても、基板1のエッジ近傍での非晶質シリコン層3の厚みは、基板1の中央部分での厚みより薄くなってしまう。従って、その場合、基板1のエッジ近傍では、ラインレーザビームLBのエネルギーが、非晶質シリコン層3に十分に吸収されないまま、その下部の基板1で伝達され、前述のところと同一であるか類似した問題点が発生する。
【0040】
または、ラインレーザビームLBの第1方向(+x方向)への長さを短くすることにより、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の部分に、ラインレーザビームLBが照射されないようにすることを考慮することもできる。しかし、その場合、非晶質シリコン層3の一部領域にも、ラインレーザビームLBが照射されず、結晶化がなされないという問題点が発生する。
【0041】
図4ないし
図6は、前述のような問題点を解決するための、本発明の他の一実施形態によるレーザアニーリング装置を利用して、ディスプレイ装置を製造する過程を概略的に図示する平面図である。本実施形態によるレーザアニーリング装置も、基板支持部10、レーザビーム照射ユニット(図示せず)及び基板移動部(図示せず)を具備する。しかし、レーザアニーリング過程での各構成要素の具体的な動作が、前述の実施形態によるレーザアニーリング装置の各構成要素の具体的な動作と異なる。
【0042】
本実施形態によるレーザアニーリング装置の場合、
図4に図示されているように、基板移動部が、非晶質シリコン層3が形成された基板1が配置された基板支持部10を90°より小さい角度であるθだけ回転させる。
図4では、基板移動部が基板支持部10を時計回り方向にθだけ回転させたところを図示している。それによって、ラインレーザビームLBの延長方向にある第1方向(+x方向)が基板1のエッジに平行ではなくなる。
【0043】
そのように基板支持部10を回転させた状態で、基板移動部は、
図4ないし
図6に図示されているように、基板支持部10を移動させる。具体的には、基板移動部は、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させる。それは、基板移動部が、基板支持部10を第2方向(+y方向)だけに移動させる前述の実施形態によるレーザアニーリング装置と異なる点である。そして、そのように基板移動部が、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させる間、レーザビーム照射ユニットは、基板支持部10上に配置された非晶質シリコン層3が形成された基板1上に、ラインレーザビームLBを複数回照射し、非晶質シリコン層3を結晶質シリコン層に変換させる。
【0044】
そのようにレーザアニーリングを実施すれば、
図4に図示されているように、レーザアニーリング初期には、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の右上端領域BA1にも、ラインレーザビームLBが照射される。しかし、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の左上端領域には、ラインレーザビームLBが照射されない。それは、ラインレーザビームLBの第1方向(+x方向)への長さLが制限されるからである。そのラインレーザビームLBの第1方向(+x方向)への長さLは、基板移動部が、基板支持部10を回転させていないときの非晶質シリコン層3の第1方向(+x方向)への長さLoに対して、L=LoXcosθの関係を有することができる。
【0045】
その後、基板移動部は、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させ、その間レーザビーム照射ユニットは、基板支持部10上に配置された非晶質シリコン層3が形成された基板1上にラインレーザビームLBを複数回照射し、非晶質シリコン層3を結晶質シリコン層に変換させる。基板移動部が基板支持部10を第2方向(+y方向)だけに移動させるならば、ラインレーザビームLBの長さLが、前述の実施形態によるレーザアニーリング装置でのラインレーザビームLBの長さより短いから、非晶質シリコン層3の領域において、ラインレーザビームLBが照射されない領域の面積が急増する。しかし、本実施形態によるレーザアニーリング装置の場合、
図4ないし
図6に図示されているように、基板移動部が、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させる。従って、基板1上の非晶質シリコン層3のほとんどにラインレーザビームLBが照射される。
【0046】
そのとき、
図6に図示されているように、レーザアニーリング後期には、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の左下端領域BA3にも、ラインレーザビームLBが照射される。しかし、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の右下端領域には、ラインレーザビームLBが照射されない。
【0047】
このように、本実施形態によるレーザ結晶化装置の場合、基板1上の非晶質シリコン層3の全領域、またはほとんどの領域に、ラインレーザビームLBを照射し、それを結晶質シリコン層に変換させながらも、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分のうち、ラインレーザビームLBが照射される部分の面積を画期的に減らすことができる。それによって、ポリイミドなどの高分子物質によって形成された基板1が、レーザアニーリング過程において損傷されることを防止したり、損傷発生率を画期的に低下させたりすることができる。また、その後、薄膜トランジスタ形成やディスプレイ素子形成の過程でも、不良発生を防止したり、その発生率を画期的に低下させたりすることができる。
【0048】
一方、基板移動部が、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるとき、第2方向(+y方向)への移動速度と、第1方向(+x方向)への移動速度とを適切に調節する必要がある。それは、
図4ないし
図6に図示されているように、θだけ回転された非晶質シリコン層3の(+x方向及び−x方向)エッジが、ラインレーザビームLBの両端に対応して位置するように、基板移動部が基板支持部10を移動させる必要があるからである。従って、基板移動部が、基板支持部10を第2方向(+y方向)に移動させる速度をVとするとき、基板移動部が、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させる速度は、Vtanθになるようにする必要がある。
【0049】
図7ないし
図11は、本発明のさらに他の一実施形態によるレーザアニーリング装置を利用して、ディスプレイ装置を製造する過程を概略的に図示する平面図である。本実施形態によるレーザアニーリング装置の場合、
図4ないし
図6を参照して説明した実施形態によるレーザアニーリング装置と異なり、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2をさらに具備する。第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBの少なくとも一部を遮蔽することができるが、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、第1方向(+x方向)またはその反対方向(−x方向)に動き、それらがラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積をレーザアニーリングにおいて増減させることができる。
【0050】
具体的には、
図7に図示されているように、レーザアニーリング初期に、第1ビームカッタBC1は、基板1の上端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、ラインレーザビームLBを遮蔽する。そして、
図8及び
図9に図示されているように、基板移動部が、基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第1ビームカッタBC1は、第1方向(+x方向)に動き、第1ビームカッタBC1が、レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を小さくする。それは、ラインレーザビームLBの照射領域の面積において、非晶質シリコン層3に逹する部分の面積が増大し、基板1に逹する部分の面積が小さくなるからである。このとき、第1ビームカッタBC1は、非晶質シリコン層3で覆われていない部分にラインレーザビームLBが照射されないように、基板支持部10の移動に応じて第1方向(+x方向)に動く。例えば、図示のようにθが5〜15°であるとき、第1ビームカッタBC1の第1方向(+x方向)への移動速度は、基板支持部10の第1方向(+x方向)への移動速度よりも格段に大きい。
【0051】
もし
図9に図示されているように、基板移動部が基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)にさらに移動させ、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分に、それ以上ラインレーザビームLBが照射されなければ、第1ビームカッタBC1は、ラインレーザビームLBを遮蔽しないのである。
【0052】
その後、基板移動部が続けて基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させ、そうしながら
図10に図示されているように、ラインレーザビームLBは、非晶質シリコン層3に照射される。その後、
図11に図示されているように、非晶質シリコン層3の下端にラインレーザビームLBが照射されるとき、基板1の下端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽し始める。このように、
図10及び
図11に図示されているように、基板移動部が続けて基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第2ビームカッタBC2は、第1方向(+x方向)に動き、第2ビームカッタBC2が、レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積が大きくなる。これにより、基板1下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりする。このとき、第2ビームカッタBC2は、非晶質シリコン層3で覆われていない部分にラインレーザビームLBが照射されないように、基板支持部10の移動に応じて第1方向(+x方向)に動く。例えば、図示のようにθが5〜15°であるとき、第2ビームカッタBC2の第1方向(+x方向)への移動速度は、基板支持部10の第1方向(+x方向)への移動速度よりも格段に大きい。
【0053】
かような本実施形態によるレーザアニーリング装置は、
図4ないし
図6を参照して説明した実施形態によるレーザアニーリング装置と比較するとき、基板1の上端及び下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりすることができる。それによって、ポリイミドなどの高分子物質から形成された基板1が、レーザアニーリング過程において損傷されることを防止したり、損傷発生率を画期的に低下させたりすることができる。また、その後、薄膜トランジスタ形成やディスプレイ素子形成の過程でも、不良が発生することを防止したり、その発生率を画期的に低下させたりすることができる。
【0054】
参考までに、
図7ないし
図11に図示されているように、第1ビームカッタBC1の第2方向(+y方向)での位置、第2ビームカッタBC2の第2方向(+y方向)での位置、及びラインレーザビームLBの位置は固定されており、基板支持部10は、基板移動部によって移動され、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、第1方向(+x方向)やその反対方向(−x方向)に直線運動を行うと理解することができる。第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、例えば、ガイドレールによって、その運動方向が限定されてもよい。
【0055】
なお、
図7ないし
図11では、基板支持部10は、+y方向に移動する。しかし、基板支持部10が−y方向に移動してもよい。この場合には、
図11→
図10→
図9→
図8→
図7の順に沿って、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2が移動する。この場合、
図11→
図10の順に示すように、基板支持部10が−y方向に移動するにつれて、第2ビームカッタBC2は−x方向に運動を行う。また、
図9→
図8の順に示すように、基板支持部10が−y方向に移動するにつれて、第1ビームカッタBC1は−x方向に運動を行う。
【0056】
図12は、本発明のさらに他の一実施形態によるレーザアニーリング装置を利用して、ディスプレイ装置を製造する過程を概略的に図示する側面概念図である。
図12に図示されているように、レーザアニーリング装置は、チャンバCBをさらに具備することができる。レーザビーム照射ユニット(図示せず)は、そのチャンバCBの外部に位置し、基板支持部10は、チャンバCBの内部に位置し、チャンバCB内において、基板移動部(図示せず)によって移動される。チャンバCBは、ウィンドウWを有し、レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBが、光学系OSなどを通過した後、そのウィンドウWを通過し、基板支持部10上に配置された基板1上の非晶質シリコン層3に照射される。そのとき、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、チャンバCBの+z方向上部に位置することができる。+z方向とは、
図12中において上方向である。なお、z方向は、xy平面に対して概ね垂直な方向である。
【0057】
一方、ラインレーザビームLBは、直進性がすぐれるが、光という基本的特性上、光学的現象である回折などの現象が発生してしまう。例えば、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2によって、ラインレーザビームLBの一部が遮蔽されるとき、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2によって遮蔽されていないラインレーザビームLBの部分が、回折などによって広がることにより、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分のうち一部に、意図しないものの、ラインレーザビームLBが照射されてしまう。従って、かような問題点が発生しないか、あるいは発生するとしても最小化されるようにするために、
図13に図示されているように、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2を、チャンバCB内部に位置させることもできる。その場合、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2と、基板1との距離を画期的に狭めることができる。このとき、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2と、基板1との距離が狭いため、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2の間を通過して基板1に進行するラインレーザビームLBの広がりが最小化される。それによって、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2によって遮蔽されていないラインレーザビームLBの部分が回折などによって広がっても、その広がりによって、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分のうち一部に、意図しないものの、ラインレーザビームLBが照射される面積を、最小化させることができる。
【0058】
図14ないし
図19は、本発明のさらに他の一実施形態によるレーザアニーリング装置を利用して、ディスプレイ装置を製造する過程を概略的に図示する平面図である。
【0059】
本実施形態によるレーザアニーリング装置の場合、
図7ないし
図11を参照して説明した実施形態によるレーザアニーリング装置と異なり、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2が直線運動を行うのではなく、回転運動を行う。具体的には、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、第1方向(+x方向)及び第2方向(+y方向)によって定義される第1平面と平行な平面内において、時計回り方向または反時計回り方向に回転することにより、レーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を増減させることができる。
【0060】
具体的には、
図14に図示されているように、レーザアニーリング初期に、第1ビームカッタBC1は、基板1の上端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、ラインレーザビームLBを遮蔽する。そして、
図15及び
図16に図示されているように、基板移動部が基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第1ビームカッタBC1は、第1回転軸BC1Cを中心に時計回り方向に回転し、第1ビームカッタBC1がレーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を小さくする。それは、ラインレーザビームLBの照射領域の面積において、非晶質シリコン層3に逹する部分の面積が増大し、基板1に逹する部分の面積が小さくなるからである。もし
図16に図示されているように、基板移動部が基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)にさらに移動させ、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分に、それ以上ラインレーザビームLBが照射されなければ、第1ビームカッタBC1は、ラインレーザビームLBを遮蔽しないことになる。
【0061】
その後、基板移動部が続けて基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させ、そうしながら
図17に図示されているように、ラインレーザビームLBは、非晶質シリコン層3に照射される。その後、
図18に図示されているように、非晶質シリコン層3の下端にラインレーザビームLBが照射されるとき、基板1の下端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽し始める。それは、第2ビームカッタBC2が、第2回転軸BC2Cを中心に反時計回り方向に回転してなされる。
【0062】
このように、
図18及び
図19に図示されているように、基板移動部が続けて基板支持部10を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第2ビームカッタBC2は、第2回転軸BC2Cを中心に反時計回り方向に続けて回転し、第2ビームカッタBC2がレーザビーム照射ユニットから照射されるラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積が大きくなる。それにより、基板1の下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりする。
【0063】
かような本実施形態によるレーザアニーリング装置は、
図4ないし
図6を参照して説明した実施形態によるレーザアニーリング装置と比較するとき、基板1の上端及び下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりすることができる。それによって、ポリイミドなどの高分子物質から形成された基板1が、レーザアニーリング過程において損傷されることを防止したり、損傷発生率を画期的に低下させたりすることができる。また、その後、薄膜トランジスタ形成やディスプレイ素子形成の過程でも、不良が発生することを防止したり、その発生率を画期的に低下させたりすることができる。
【0064】
参考までに、
図14ないし
図19において、ラインレーザビームLBの位置、第1回転軸BC1Cの位置、及び第2回転軸BC2Cの位置は固定されており、基板支持部10は、基板移動部によって移動され、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2は、回転運動を行うと理解される。そして、かような回転式の第1ビームカッタBC1や第2ビームカッタBC2の場合にも、
図13に図示されているように、チャンバCB内に位置することもできる。
【0065】
なお、
図14ないし
図19では、基板支持部10は、+y方向に移動する。しかし、基板支持部10が−y方向に移動してもよい。この場合には、
図19→
図18→
図17→
図16→
図15→
図14の順に沿って、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2が回転運動を行う。この場合、
図19→
図18→
図17の順に示すように、基板支持部10が−y方向に移動するにつれて、第2ビームカッタBC2は第2回転軸BC2Cを中心に時計回り方向に続けて回転する。また、
図16→
図15→
図14の順にの順に示すように、基板支持部10が−y方向に移動するにつれて、第1ビームカッタBC1は第1回転軸BC1Cを中心に半時計回り方向に続けて回転する。
【0066】
以上、レーザアニーリング装置について主に説明したが、本発明は、それらに限定されるものではない。例えば、それらを利用したレーザアニーリング法や、それを利用したディスプレイ装置の製造方法も、本発明の範囲に属するものである。
【0067】
本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合、基板1上に非晶質シリコン層3を形成する段階と、非晶質シリコン層3を結晶質シリコン層に変換させるために、非晶質シリコン層3に、第1方向(+x方向)に延長されたラインレーザビームLBを照射する段階と、を含んでもよい。そのとき、ラインレーザビームLBを照射する段階は、
図4ないし
図6に図示されているように、非晶質シリコン層3が形成された基板1を、第1方向(+x方向)及び第2方向(+y方向)によって定義された第1平面(xy平面)内において、90°より小さい角度であるθだけ回転させた状態で、非晶質シリコン層3が形成された基板1を、第1方向(+x方向)に移動させながら、第1方向(+x方向)と交差する第2方向(+y方向)に移動させる間、複数回ラインレーザビームLBを照射する段階でもある。
【0068】
かような本実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合、
図4に図示されているように、レーザアニーリング初期において、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の右上端領域BA1には、ラインレーザビームLBが照射されるが、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の左上端領域には、ラインレーザビームLBが照射されない。そして、
図6に図示されているように、レーザアニーリング後期において、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の左下端領域BA3には、ラインレーザビームLBが照射されるが、非晶質シリコン層3で覆われていない基板1の右下端領域には、ラインレーザビームLBが照射されない。従って、本実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合、基板1上の非晶質シリコン層3の全領域、またはほとんどの領域にラインレーザビームLBを照射し、それを結晶質シリコン層に変換させながらも、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分のうち、ラインレーザビームLBが照射される部分の面積を画期的に減らすことができる。
【0069】
一方、その過程において、ラインレーザビームLBの第1方向(+x方向)への長さLは、基板1を回転させていないときの非晶質シリコン層3の第1方向(+x方向)への長さLoに対して、L=LoXcosθの関係を有することができる。
【0070】
一方、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるとき、第2方向(+y方向)への移動速度、及び第1方向(+x方向)への移動速度を適切に調節する必要がある。それは、
図4ないし
図6に図示されているように、θだけ回転された非晶質シリコン層3の(+x方向及び−x方向)端がラインレーザビームLBの両端に対応して位置するように、基板1を移動させる必要があるからである。従って、基板1を第2方向(+y方向)に移動させる速度をVとするとき、基板1を第1方向(+x方向)に移動させる速度は、Vtanθになるようにする必要がある。
【0071】
そのように非晶質シリコン層3を、レーザアニーリングを介して、結晶質シリコン層に変換させた後、それを利用して、複数個の薄膜トランジスタを形成することができる。そして、その薄膜トランジスタに電気的に連結されるディスプレイ素子、例えば、有機発光素子を形成することにより、高い収率でディスプレイ装置を製造することができる。
【0072】
本発明の他の一実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合、
図7ないし
図11に図示されているように、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2を利用することができる。具体的には、
図7に図示されているように、レーザアニーリング初期に、第1ビームカッタBC1が、基板1の上端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、ラインレーザビームLBを遮蔽する。そして、
図8及び
図9に図示されているように、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第1ビームカッタBC1が第1方向(+x方向)に動き、第1ビームカッタBC1がラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を小さくする。それは、ラインレーザビームLBの照射領域の面積において、非晶質シリコン層3に逹する部分の面積が増大し、基板1に逹する部分の面積が小さくなるからである。もし
図9に図示されているように、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)にさらに移動させ、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分にそれ以上ラインレーザビームLBが照射されなければ、第1ビームカッタBC1は、ラインレーザビームLBを遮蔽しないことになる。
【0073】
その後、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させ、そうしながら
図10に図示されているように、ラインレーザビームLBは、非晶質シリコン層3に照射される。その後、
図11に図示されているように、非晶質シリコン層3の下端にラインレーザビームLBが照射されるとき、基板1の下端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽し始める。そして、
図10及び
図11に図示されているように、基板1を続けて第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させるにつれて、第2ビームカッタBC2は、第1方向(+x方向)に動き、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積が大きくなる。それにより、基板1の下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりする。
【0074】
かような本実施形態によるディスプレイ装置の製造方法は、
図4ないし
図6を参照して説明した実施形態によるディスプレイ装置の製造方法と比較するとき、基板1の上端及び下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりすることができる。それによって、ポリイミドなどの高分子物質から形成された基板1が、レーザアニーリング過程において損傷されることを防止したり、損傷発生率を画期的に低下させたりすることができる。また、その後、薄膜トランジスタ形成やディスプレイ素子形成の過程においても、不良が発生することを防止したり、その発生率を画期的に低下させたりすることができる。
【0075】
本発明の他の一実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合にも、
図14ないし
図19に図示されているように、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2を利用することができる。ただし、本実施形態によるディスプレイ装置の製造方法の場合、
図7ないし
図11を参照して説明した実施形態によるディスプレイ装置の製造方法と異なり、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2が直線運動を行うのではなく、回転運動を行う。具体的には、第1ビームカッタBC1及び第2ビームカッタBC2が、第1方向(+x方向)及び第2方向(+y方向)によって定義される第1平面(xy平面)と平行な平面内において、時計回り方向または反時計回り方向に回転することにより、ラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を増減させる。
【0076】
具体的には、
図14に図示されているように、レーザアニーリング初期に、第1ビームカッタBC1は、基板1の上端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、ラインレーザビームLBを遮蔽する。そして、
図15及び
図16に図示されているように、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させることにより、第1ビームカッタBC1は、第1回転軸BC1Cを中心に時計回り方向に回転し、第1ビームカッタBC1がラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積を小さくする。それは、ラインレーザビームLBの照射領域の面積において、非晶質シリコン層3に逹する部分の面積が増大し、基板1に逹する部分の面積が小さくなるからである。もし
図16に図示されているように、基板1を第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)にさらに移動させ、基板1の非晶質シリコン層3で覆われていない部分に、それ以上ラインレーザビームLBが照射されなければ、第1ビームカッタBC1は、ラインレーザビームLBを遮蔽しないことになる。
【0077】
その後、基板1を続けて第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させ、そうしながら
図17に図示されているように、ラインレーザビームLBは、非晶質シリコン層3に照射される。その後、
図18に図示されているように、非晶質シリコン層3の下端にラインレーザビームLBが照射されるとき、基板1の下端において、非晶質シリコン層3で覆われていない部分の相当部分にラインレーザビームLBが照射されないように、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽し始める。それは、第2ビームカッタBC2が第2回転軸BC2Cを中心に反時計回り方向に回転してなされる。
【0078】
そのように、
図18及び
図19に図示されているように、基板1を続けて第1方向(+x方向)に移動させながら、第2方向(+y方向)に移動させることにより、第2ビームカッタBC2は、第2回転軸BC2Cを中心に反時計回り方向に続けて回転し、第2ビームカッタBC2がラインレーザビームLBを遮蔽する遮蔽領域の面積が大きくなる。それにより、基板1の下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりする。
【0079】
かような本実施形態によるディスプレイ装置の製造方法は、
図4ないし
図6を参照して説明した実施形態によるディスプレイ装置の製造方法と比較するとき、基板1の上端及び下端のほとんどの領域において、ラインレーザビームLBが照射されることを防止したり、照射される程度を最小化させたりすることができる。それによって、ポリイミドなどの高分子物質から形成された基板1が、レーザアニーリング過程において損傷されることを防止したり、損傷発生率を画期的に低下させたりすることができる。また、その後、薄膜トランジスタ形成やディスプレイ素子形成の過程でも、不良が発生することを防止したり、その発生率を画期的に低下させたりすることができる。
【0080】
なお、上記実施形態では、
図1中において、+x方向(右方向)、−x方向(左方向)、+y方向(上方向)、−y方向(下方向)とした。しかし、空間における方向は、これに限定されない。例えば、
図1中において、+x方向(左方向)、−x方向(右方向)、+y方向(下方向)、−y方向(上方向)であってもよい。
【0081】
そのように本発明は、図面に図示された実施形態を参照して説明したが、それらは例示的なことに過ぎず、当該技術分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。