(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
<画像形成装置の全体構成>
まず、本実施例に係る電子写真画像形成装置100(画像形成装置100)の全体構成について説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式と中間転写方式を採用したフルカラーレーザプリンタである。画像形成装置100は、画像形成装置100が受信した画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙やプラスチックシートや布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置100に接続された画像読み取り装置
や、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器などから画像形成装置100に入力される。
【0013】
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1〜4の画像形成部SY・SM・SC・SKを有する。本実施例では、第1〜4の画像形成部SY〜SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。なお、本実施例では、第1〜4の画像形成部SY〜SKの構成・動作は、形成される画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は符号の添え字Y・M・C・Kは省略する。
【0014】
本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7(7Y〜7K)は、全て同一形状であり、各色用のプロセスカートリッジ7内には、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブランク(K)の各色のトナーがそれぞれ収容されている。また、プロセスカートリッジ7は、プロセスカートリッジ7内の現像剤としてのトナー10によって現像されたトナー像を転写する手段としての中間転写ベルト31を有する。中間転写ベルト31は、無端状のベルトで形成されたベルトであり、全ての像担持体としての感光ドラム1(1Y〜1K)に当接し、
図1の矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト31は、複数の支持部材としての駆動ローラ(不図示)と二次転写対向ローラ(不図示)と従動ローラ(不図示)によって掛け渡されている。
【0015】
また、中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム1に対向する位置に、一次転写手段としての4個の一次転写ローラ32(32Y〜32K)が並設されている。一次転写ローラ32は、中間転写ベルト31を感光ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト31と感光ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ32に、一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)(不図示)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上(像担持体上)のトナー像が中間転写ベルト31上に転写(一次転写)される。
【0016】
また、中間転写ベルト31の外周面側において二次転写対向ローラ35に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ33が配置されている。二次転写ローラ33は、中間転写ベルト31を介して二次転写対向ローラ35に圧接し、中間転写ベルト31と二次転写ローラ33とが当接する二次転写部を形成する。そして、二次転写ローラ33に、二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)(不図示)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト31上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
【0017】
さらに説明すれば、画像形成時には、まず、像担持体としての感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、画像情報に応じたレーザ光がスキャナユニット30(露光部材)から照射されることによって、帯電された感光ドラム1の表面が走査露光され、感光ドラム1上に画像情報に応じた静電像が形成される。次に、感光ドラム1上に形成された静電像は、現像装置としての現像ユニット3によってトナー像として現像される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ32の作用によって中間転写ベルト31上に転写(一次転写)される。
【0018】
例えば、フルカラー画像を形成する際には、上述したプロセスが、第1〜4の画像形成部SY〜SKにおいて順次に行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト31上に重なって一次転写される。その後、中間転写ベルト31の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部へと搬送される。中間転写ベルト31上の4色のトナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト31に当接している二次転写ローラ33の作用によって一括して記録材1
2上に二次転写される。
【0019】
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置34に搬送される。定着装置34において記録材12に熱と圧力が加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。また、一次転写工程後に感光ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6(
図2を参照)によって除去・回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト31上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(不図示)によって清掃される。なお、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部、または、いくつかの画像形成部(全てではない)を用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することもできる。
【0020】
ここで、
図13は、駆動源としての駆動モータM1〜M3からの駆動伝達経路を示すハードウェア構成図である。本実施例では、
図13に示すように、現像剤担持体としての現像ローラ4aと現像ローラ4bと現像ローラ4cとが同一の駆動モータM1によって駆動されている。また、現像ローラ4dと感光ドラム1dと中間転写ベルト31が同一の駆動モータM2によって駆動されている。また、感光ドラム1aと感光ドラム1bと感光ドラム1cとが同一の駆動モータM3によって駆動されている。本実施例においては、例えば、現像ローラ4aと接触(対向)する感光ドラム1aが異なる駆動モータで駆動される。これにより、現像ローラの周速(表面の移動速度)と感光ドラムの周速(表面の移動速度)を変えることができるため、周速比の異なるモードで画像形成を行うことができる。
【0021】
<プロセスカートリッジの構成>
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について
図2を用いて説明する。本実施例では、収容されているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成・動作は実質的に同一である。
図2は、感光ドラム1の長手方向(回転中心軸線方向)に沿って見たプロセスカートリッジ7の概略断面図(主断面図)である。
図2に示したプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置100に装着された状態での姿勢であり、以下に、プロセスカートリッジ7の各部材の位置関係や方向などについて記載する際は、この姿勢における位置関係や方向に基づいて記載する。
【0022】
プロセスカートリッジ7は、像担持体としての感光ドラム1などを備えた感光体ユニット13と、現像ローラ4などを備えた現像ユニット3とが一体化されて構成されている。感光体ユニット13には、図示しない軸受を介して感光ドラム1が回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータから感光体ユニット13に駆動力が伝達されることで、画像形成動作に応じて
図2の矢印A方向(時計回り)に回転駆動される。なお、感光ドラム1の外径は24mmであり、感光ドラム1は40rpmで回転する。本実施例において、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、アルミニウム製のシリンダの外周面に機能性膜である下引き層・キャリア発生層・キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラム1である。
【0023】
また、感光体ユニット13には、感光ドラム1の外周面に接触するようにクリーニング部材6と帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、感光体ユニット13内の廃トナー容器に落下・収容される。帯電手段である帯電ローラ2は、芯金と、芯金の外周面を覆う導電性ゴム部から形成され、導電性ゴムによって形成されるローラ部が感光ドラム1に接触することで従動回転する。
【0024】
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程において所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面に一様な暗部電位(Vd)が形成される。また、画像デ
ータに対応してスキャナユニット30(露光部材)から発光されるレーザ光のスポットパターンは感光ドラム1を露光し、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失することで、レーザ光によって露光された部位の電位が低下する。この結果、露光部位の電位は所定の明部電位(Vl)となり、未露光部位の電位は所定の暗部電位(Vd)となる。これにより、静電潜像が感光ドラム1上に形成される。なお、本実施例では、Vd=−500Vであり、Vl=−100Vである。
【0025】
一方、現像装置としての現像ユニット3は、現像剤としてのトナー10を担持するための現像剤担持体としての現像ローラ4と、現像ローラ4にトナー10を供給する供給部材としてのトナー供給ローラ20が配置される現像室18aを有している。さらに、現像ユニット3において、トナー10を収容するトナー収容部(現像剤収容部)18bが、鉛直方向においてトナー供給ローラ20よりも下方に設けられている。なお、本実施例では、初期状態で凝集度が5〜40%であるトナーを用いている。耐久を通してトナーの流動性を確保するために、このような凝集度を持つトナーを用いることが望ましい。また、トナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。
【0026】
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。また、測定法としては、振動台に390メッシュ・200メッシュ・100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち、100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ・200メッシュ・100メッシュのふるいを順番に重ねてセットした。
【0027】
このセットした100メッシュのふるい上に正確に秤量した試料(トナー)5gを加え、デジタル振動計の変位の値が0.60mm(peak−to−peak)になるように調整し、ふるいに15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定し、下式にもとづき凝集度を得た。その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃・60%RH環境下において24時間放置したものであり、23℃・60%RH環境下で測定を行った。
凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20
また、トナー供給ローラ20は、回転するとともに、現像ローラ4との間でトナーのニップ部(現像ローラ4とトナー供給ローラ20とでトナーを挟む部分)を形成している。トナー収容室18b内には撹拌搬送部材22が設けられている。撹拌搬送部材22は、
図2の矢印G方向に回転し、トナー収容室18b内に収容されたトナーを撹拌するとともに、トナー供給ローラ20の上部に向けてトナーを搬送する。本実施例において、撹拌搬送部材は30rpmで駆動回転している。
【0028】
現像ブレード8は、現像ローラ4の下方に配置され、現像ローラ4に対してカウンター方向に当接しており、トナー供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制を規制し、トナーに電荷が付与している。本実施例では、現像ブレード8として、厚さ0.1mmの板バネ状のSUS製の薄板を用いており、薄板のバネ弾性を利用して、現像ブレード8の表面がトナーと現像ローラ4に当接される。ここで、現像ブレード8の構成はこれに限定されない。例えば、リン青銅やアルミニウムなどの金属薄板を用いてもよい。また、現像ブレード8の表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂などの薄膜を被覆してもよい。
【0029】
また、現像ブレード8と現像ローラ4との摺擦によってトナーが摩擦帯電されることでトナーに電荷が付与される。それと同時に、現像ブレード8によってトナー層の厚みが規制される。また、本実施例においては、ブレードバイアス電源(不図示)から現像ブレード8に所定電圧が印加されることで、トナーのコート量の安定化を図っている。また、本実施例においては、現像ブレード8に印加されるバイアスをV=−500Vとした。
【0030】
また、現像剤担持体としての現像ローラ4と感光ドラム1は、現像ローラ4と感光ドラム1が対向する部分において互いの表面が同方向(本実施例では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。なお、本実施例では、現像ローラ4は、感光ドラム1に接触して配置されているが、感光ドラム1に対して所定間隔を空けて近接配置される構成であってもよい。
【0031】
本実施例においては、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、像担持体としての感光ドラム1と現像ローラ4とが接触する現像部において、感光ドラム1と現像ローラ4との電位差によって、感光ドラム1の明部電位部にのみ転移する。これにより、静電潜像がトナー像として顕像化される。本実施例においては、現像ローラ4に対してV=−300Vの電圧を印加することで、感光ドラム1の明部電位部と現像ローラ4との電位差をΔV=200Vとし、感光ドラム1上にトナー像を形成した。
【0032】
また、トナー供給ローラ20と現像ローラ4は、トナー供給ローラ20と現像ローラ4の表面がニップ部の上端から下端に移動する方向に回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は
図2の矢印E方向(時計回り)に、現像ローラ4は矢印D方向に回転している。トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成することで形成される弾性スポンジ製のローラである。
【0033】
また、トナー供給ローラ20が現像ローラ4に押圧されることで、トナー供給ローラ20は△Eだけ凹む。トナー供給ローラ20と現像ローラ4は、トナー供給ローラ20と現像ローラ4の当接部において逆方向に回転している。これにより、トナー供給ローラ20から現像ローラ4にトナーの供給を行っている。その際、トナー供給ローラ20と現像ローラ4との電位差を調整することにより、現像ローラ4へのトナー供給量を調整することができる。本実施例では、トナー供給ローラが80rpm回転し、現像ローラが100rpmで回転する。そして、トナー供給ローラ20と現像ローラ4とが同電位となるように、トナー供給ローラ20にDCバイアスを印加した。
【0034】
なお、本実施例においては、現像ローラ4とトナー供給ローラ20の外径はともに15mmである。また、トナー供給ローラ20が現像ローラ4に押圧されることでトナー供給ローラ20が凹む量△Eを1.0mmに設定した。また、トナー供給ローラ20と現像ローラ4は中心の高さは同じとなっている。そして、本実施例におけるトナー供給ローラ20は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層とを備える。具体的には、トナー供給ローラ20は、導電性支持体として外径φ5(mm)の芯金電極を有している。また、トナー供給ローラ20において、気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層が芯金電極の周囲に設けられている。また、トナー供給ローラ20は
図2のE方向に回転する。
【0035】
本実施例では、画像形成装置100は、通常の画像濃度で画像形成を実行する第1画像形成モードとしての画像形成モードAを実行可能である。つまり、画像形成モードAがいわゆる通常のモードである。また、画像形成装置100には、現像ローラ4と感光ドラム1の周速比を変化させることで、色味の選択範囲を増大させる(色域を拡大させる)とともに、高濃度の画像を形成するための第2画像形成モードとしての画像形成モードBとが設けられている。ここで、
図12は、記録材12に形成される画像の色域が拡大すること
を例示する図である。
図12に示すように、例えば、本実施例では、画像の色域の一部が減少することはなく、全体として画像の色域が増大する。具体的には、イエロー・レッド・マゼンタ・シアン・グリーンの色域が増大する。しかし、ブルーの色域についてはそれほど増大しない。イエロー(Y)やレッド(R)では、5%から15%色域を増大するこ
とができる。
【0036】
それぞれの画像形成モードを比べると、特にベタ黒画像を形成する場合において、感光ドラム1と、現像剤担持体としての現像ローラ4の周速比が異なる。第1画像形成モードとしての画像形成モードAでは、現像ローラ4に印加されるバイアスと、感光ドラム1に形成された静電潜像とによって形成される電気的ポテンシャルによって、現像ローラ4上のトナーが感光ドラム1に移動する。一方、第2画像形成モードとしての画像形成モードBでは、現像ローラ4と感光ドラム1との周速比を増加させることで、現像ローラ4から感光ドラム1に移動するトナー供給量が増加する。
【0037】
記録材12に形成された画像の色域(表現できる色の範囲)を拡大する色域拡大モード(画像形成モードB)について詳細に説明する。本実施例では、画像形成モードBにおいて感光ドラム1は20rpmで回転する(画像形成モードAにおいては、感光ドラム1は40rpmで回転する)。このとき、現像ローラ4は、画像形成モードAと同様に100rpmで回転する。つまり、画像形成モードBでは、感光ドラム1の周速を画像形成モードAよりも遅くすることで、感光ドラム1と現像ローラ4との周速差を大きくしている。その結果、画像形成モードAでは感光ドラム1と現像ローラ4との周速比(外周面の速度の比)は156%(第1の周速比)であったが、画像形成モードBでは312%(第2の周速比)となる。つまり、画像形成モードBにおける感光ドラム1と現像ローラ4との周速比(第2の周速比)は、画像形成モードAにおける感光ドラム1と現像ローラ4との周速比(第1の周速比)よりも大きい。その結果、画像形成モードBでは、ベタ黒画像を形成した場合に現像ローラ4から感光ドラム1上に移動するトナー量(現像剤量)は、画像形成モードAに比べて2倍となる。これにより、画像形成モードBでは、記録材12に形成される画像の色域を拡大させるとともに、画像の濃度を高くすることができる。なお、本実施例において、画像形成モードAでは、感光ドラム1の周速は50mm/secであり、現像ローラ4の周速は78.5mm/secである。ここで、本実施例では、「周速比」とは、現像ローラ4の周速を感光ドラム1の周速で除算した値のことをいう。つまり、周速比(%)=現像ローラ4の周速/感光ドラム1の周速×100(%)となる。また、「周速比」とは、感光ドラム1と現像ローラ4とが接触する部分における感光ドラム1と現像ローラ4との周速比である。感光ドラム1と現像ローラ4とが接触する部分における一方向を正方向とする。例えば、接触する部分において同方向に回転している感光ドラム1と現像ローラ4があり、ともに周速が50mm/secであれば、周速比は100%になる。また、接触する部分において逆方向に回転している場合がある。この場合で、感光ドラム1の周速が50mm/secであり、現像ローラ4の周速は−50mm/secである場合、感光ドラム1と現像ローラ4との周速比は−100%となる。
【0038】
ここで、本実施例では、記録材12に形成される画像はデジタルである。つまり、本実施例では、多数のカラーのドットが集まることによって画像が形成されている。そして、本実施例では、トナーが消費されるドットの数(画素数)と、1つのドット(1画素)において消費されるトナーの量とに基づいて1つの画像で消費されるトナー量が検出される。例えば、1つのドットにおいて消費されるトナーの量が予めメモリなどの記憶部200に記憶されている。そして、制御部であるCPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、トナーが消費されるドットの数と、1つのドットにおいて消費されるトナー量と、トナーが消費されるドットの数とを積算する。それにより、1つの画像において消費されるトナー量が検出される。ただし、トナー消費量を検出するために、例えば、光学透過式のトナー残量検知方法と、画像を形成するドットの数を用いるトナー残量
検知方法とを併用することも可能である。しかし、本実施例では、1つのドットにおいて消費されるトナー量に基づいて、1つの画像で消費されるトナー量が検出される。
【0039】
本実施例において、1つのドットにおいて消費されるトナー量は具体的には以下のようになる。
画像形成モードA : a[グラム/ドット]
画像形成モードB : b[グラム/ドット]
この値は、使用環境(温度・湿度)に応じて変化させることも可能である。ここで、本実施例のように2つ以上の画像形成モードを有する場合には、複数のモードのそれぞれについて、1つのドットにおいて消費されるトナー量(現像剤量)の推定値を設定しておく必要がある。本実施例においては、aとbとが1つのドットにおいて消費されるトナー量の推定値として設定している。ここで、後述するが、本実施例では、上記した1つのドットで消費されるトナー量の推定値は、メモリなどの記憶部200に予め記憶されている。なお、本実施例では、1つのドットで消費されるトナー量の推定値は記憶部200に記憶されているが、必ずしもこれに限られることはない。例えば、プロセスカートリッジ7がメモリを有しており、そのメモリに、1つのドットで消費されるトナー量の推定値が記録されていてもよい。
【0040】
本実施例では、画像形成モードAでは、現像剤担持体としての現像ローラ4と、像担持体としての感光ドラム1との周速比が156%(第1の周速比)であり、画像形成モードBでは現像ローラ4と感光ドラム1との周速比が312%(第2の周速比)である。これにより、現像ローラ4から感光ドラム1に移動するトナーの量は2倍になる。ここで、
図3は、1つの画像を形成する際のトナー消費量と、画像形成装置100が受信した画像濃度信号との関係を示す図である。つまり、画像形成モードBにおいて1つのドットで消費されるトナー量は、画像形成モードAにおいて1つのドットで消費されるトナー量の2倍となる。そのため本実施例では以下の関係が成り立つ。
b=2*a
【0041】
この関係を用いて、第1画像形成モードとしての画像形成モードAと第2画像形成モードとしての画像形成モードBとにおいて、1つのドットで消費されるトナー量の推定値を変更する。これにより、画像形成モードAと画像形成モードBとにおいて、1つの画像を形成する際のトナー消費量を精度良く検出することができる。このため、本実施例にかかる画像形成装置100は、正しいタイミングで、ユーザに、現像ユニット3にトナーが無いこと(“トナー無し”)を警告することができる。
【0042】
図4は、実施例1においてトナー残量(現像剤残量)を検知する流れを示すフローチャートである。
図4に示すフローチャートを用いて、現像装置としての現像ユニット3内のトナーの有無を判定する流れについて詳しく説明する。画像形成装置100において、1つのドットで消費されるトナー量の推定値は、メモリなどの記憶部200に予め記憶されている。トナーが消費されるドットの数(画素数)は、画像形成装置100がホスト51から受信した画像情報信号に基づいて導出される。具体的には、制御部であるCPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、スキャナユニット30(露光部材)が照射したレーザの点灯時間(1つの画像における点灯時間)を、1ドットの静電像を形成するために必要な点灯時間で除算する。これにより、トナーが消費されるドットの数が算出される。トナーが消費されるドットの数は、メモリなどの記憶部200に記憶される。そして、このようなドットについての情報は、1つの画像が形成されるごとに更新
される。ここで、本実施例では、メモリなどの記憶部200とROM54とが別々の構成となっているが、必ずしもこれに限られることはない。例えば、ROM54が記憶部200としての機能を有し、1つのドットで消費されるトナー量の推定値がROM54に予め記憶されていてもよい。
【0043】
図4に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ホスト51から画像形成装置100にプリント信号が入力されるとS2に進む(S1・YES)。このとき、すでに、現像ユニット3内のトナー残量W=w1が、前回の画像形成動作において取得され、画像形成装置100における記憶部200に記憶されている。その後、画像形成装置100において、画像形成動作を開始し、適切なタイミングで、現像ローラ4が回転し、像担持体としての感光ドラム1に静電潜像が形成される(S2)。
【0044】
そして、S3において、制御部であるCPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、画像形成装置100が受信した画像情報信号に基づいて、トナーが消費されるドットの数dが取得される(S3)。そして、S4において、画像形成装置100で実行される画像形成モードが画像形成モードAである場合S5に進む。一方、S4において、画像形成装置100において実行される画像形成モードが画像形成モードBである場合S9に進む。
【0045】
そして、S5において、CPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、1つのドットで消費されるトナー量a[グラム/ドット]と、トナーが消費されるドットの数(画素数)とが積算される。これにより、1つの画像において消費されたトナー量wdが算出される(S5)。そして、前回の画像形成動作(画像形成動作前)において取得されたトナー残量W=w1から、今回の画像形成動作において消費したトナー量wdを引く。これにより、現像ユニット3内のトナー残量(W−wd)を取得する。
【0046】
次に、S6において、CPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、現像ユニット3内のトナー残量W−wdと閾値Ewとを比較する(S6)。ここで、閾値Ewは、現像ユニット3内のトナー残量がゼロであるか否かを判定するための閾値である。そして、トナー残量W−wdが閾値Ewより大きい場合(S6・
NO)、画像形成装置100は、プリント動作を終了させてスタンバイ状態に移行する(S7)。また、トナー残量W−wdが閾値Ew以下である場合(S6・
YES)、ディスプレイが制御されることで、ユーザに、現像装置としての現像ユニット3内のトナー残量がゼロであるが報知される(S8)。
【0047】
一方、画像形成モードが画像形成モードBである場合(S3・NO)、S9において、1つのドットで消費されるトナー量をトナー量b(=2*a)[グラム/ドット]として、1つの画像において消費されたトナー量wdが算出される(S9)。そして、前回の画像形成動作後のトナー残量W=w1から、消費したトナー量wdを引くことで、トナー残量W−wdと閾値Ewとを比較する(S6)。トナー残量W−wdが閾値Ewよりも大きい場合、画像形成装置100は、プリントを終了させてスタンバイ状態に移行する(S7)。一方、トナー残量W−wdが閾値Ew以下である場合、画像形成装置100は、ユーザに、現像ユニット3内のトナー残量がゼロであることを警告する(S8)。
【0048】
以上のように、実施例1では、感光ドラム1と現像ローラ4の周速比がそれぞれ異なる画像形成モードAと画像形成モードBとを実行可能である。また、1つのドットにおいて消費されるトナー量の推定量と、トナーが消費される部分のドットの数とに基づいて、画像を形成する際に消費されるトナー量を取得している。そして、画像形成モードAと画像形成モードBとで、1つのドットにおいて消費されるトナー量の推定値を変更している。これにより、画像の質を向上させるとともに、トナーの消費量を精度良く取得することが
できる。
【0049】
(実施例2)
次に実施例2について説明する。なお、本実施例において、実施例1と同一の機能を有する部分についての説明は同一の符号を付すことによって省略する。ここで、本実施例では、多値画像(3つ以上の色で形成される画像)を表現するために、ディザリング(ドットによる画像形成)に加えて、スキャナユニット30が照射するレーザの点灯時間を変更している。これにより、画像を構成する1つの画素(基本画素)の階調を複数段階に調整することができる。ここで、「階調」とは、デジタル画像を構成する画素の濃淡の程度のことをいう。具体的には、レーザの点灯時間を変えることで、レーザによって感光ドラム1が照射される時間、または、感光ドラム1においてレーザに照射される領域を変えている。本実施例では、画像を構成する1つの画素の階調を調整するために、PWM(パルス幅変調方法)を用いている。PWMによって画像を形成した場合、一般的に、ディザリングによって画像を形成する場よりも、解像度が高くなり、階調性(色の濃淡の変化度合い)も優れる。
【0050】
図5は、画像濃度信号と光学濃度との関係を示す図である。また、
図6は、PWMを用いた場合における画像濃度信号と光学濃度との関係を示す図である。画像形成モードAを実行する場合と同じ設定で画像形成モードBを実行した場合、画像の階調性を確認すると、光学濃度(OD値)と画像濃度信号との関係は
図5のようになる。画像濃度信号が同じである場合、画像形成モードAと画像形成モードBとでトナー消費量を比較すると、当然、画像形成モードBにおけるトナー消費量は、画像形成モードAにおけるトナー消費量の2倍になる。
【0051】
なお、画像濃度信号は、記録材12に形成された画像の濃度を示す信号である。記録材12にベタ黒画像を形成した場合、画像濃度信号は100%となる。なお、画像濃度信号は、ベタ黒画像を形成する場合におけるスキャナユニット30によるレーザの照射時間と、ベタ黒画像を形成しない場合におけるレーザの照射時間との比率から求めることができる。具体的には、画像を形成した際(プリントした際)のレーザの照射時間を、ベタ黒画像を形成した際のレーザの照射時間で除算することで、画像濃度信号が何%になるかを算出することができる。
【0052】
ここで、中間階調(例えば画像濃度信号が50%の場合)におけるハーフトーン画像を記録材12の全面に印字する場合に、画像形成モードAと同じ設定で画像を印字するとする。この場合、
図5に示すように、画像形成モードBにおけるハーフトーン画像の光学濃度(OD値)は、画像形成モードAにおけるハーフトーン画像の光学濃度の2倍以上となってしまう。これは、光学的ドットゲイン(光の吸収と反射によって画像の濃度が実際とは違って見えること)の影響である。光の回り込み(回折)によって、ハーフトーン画像の光学濃度が高くなってしまう。
【0053】
そのため、中間階調(ハーフトーン)での画像濃度が実際よりも高くなってしまうことを抑制するために本実施例ではPWMを用いている。具体的には、画像濃度信号が同じである場合に、画像形成モードBでは、スキャナユニット30によるレーザの照射時間を画像形成モードAよりも短くしている。これにより、画像形成モードBにおいても、画像濃度信号と光学濃度(OD)との関係が線形となるように補正している。
【0054】
そして、本実施例では、画像形成モードBにおいて、画像濃度信号と光学濃度(OD)との関係をPWMによって補正しているため、中間階調においてトナー消費量が減り、画像濃度信号とトナー消費量との関係が
図6のようになる。
図6に示すように、画像濃度信号100%で画像を印字した場合、画像形成モードBにおけるトナー消費量は、画像形成
モードAにおけるトナー消費量の2倍となる。
【0055】
しかし、画像濃度信号50%でハーフトーン画像を印字した場合、画像形成モードBにおけるトナー消費量は、画像形成モードAにおけるトナー消費量の1.5倍だけとなる。このため、実施例1のように、画像形成モードBにおいて1つのドットで消費されるトナー量bと、画像形成モードAにおいて1つのドットで消費されるトナー量aとの関係をb=A*a(Aは一定の値)とすると、トナー残量を正確に取得することができない。そこで、本実施例では、
図10に示すように、画像濃度信号の値に応じて、1つのドットで消費されるトナー量Nの値を変更している。なお、トナー量Nは、実際のトナー消費量と画像形成信号との関係を予め実験で求めることにより決定される。そして、
図10に示すような対応関係が、メモリなどの記憶部200に予め記憶されている。そして、本実施例では、画像濃度信号の範囲ごとのトナー消費量をそれぞれ取得し、それらの合計量を、1つの画像において消費されるトナー量としている。
【0056】
図7は、実施例2においてトナー残量を検知する流れを示すフローチャートである。本実施例におけるトナー残量の取得方法の流れについて
図7を用いて詳しく説明する。本実施例においても、実施例1と同様に、CPU53がROM54に記憶されたプログラムを実行することで、画像形成装置100内の機器の動作を制御する。画像形成装置100は、本実施例では、1つのドットで消費されるトナー量Nと画像濃度信号との対応関係(
図10を参照)が予めメモリなどの記憶部200に記憶されている。
【0057】
また、本実施例では、
図10に示すように、画像濃度信号の範囲を20%ずつ5つに区分けし、5つの画像濃度信号ごとに、トナーが消費されるドットの数をそれぞれ取得している。そして、トナーが消費されるドットの数は、メモリなどの記憶部200に記憶される。しかしながら、必ずしもこれに限られない。例えば、記録材12をいくつかの領域に区分けし、それぞれの領域ごとに、トナーが消費されるドットの数と、画像濃度信号の平均値とを記憶部200に記憶してもよい。
【0058】
図7において、まず、ホスト51から画像形成装置100にプリント信号が入力される場合S2に進む(S1・YES)。このとき、すでに、前回の画像形成動作において取得されたトナー残量W=w1が、画像形成装置100内の記憶部200に記憶されている。その後、S2において、画像形成動作が開始され、適切なタイミングで、現像ローラ4が回転し、感光ドラム1に静電潜像が形成される(S2)。S3において、画像形成モードAと画像形成モードBのどちらが実行されるかが判断される(S3)。画像形成モードAが実行される場合S4に進む(S3・YES)。一方、画像形成モードBが実行される場合S9に進む(S3・NO)。
【0059】
そして、S4において、実施例1と同様の方法で、トナーが消費されるドットの数dが取得される(S4)。次に、S5において、ドットで消費されるトナー量aと、トナーが消費されるドットの数dとが積算されることで、1つの画像において消費されるトナー量wdが取得される(S5)。そして、前回の画像形成動作後のトナー残量W=w1からトナー量wdを引くことで、今回の画像形成動作後における現像ユニット3内のトナー残量(w1−wd)を取得することができる。その後、トナー残量W−wdが閾値Ewよりも大きい場合、画像形成装置100は、画像形成動作を終了し、スタンバイ状態に移行する(S6・NO)。一方、トナー残量W−wdが閾値Ew以下である場合、画像形成装置100は、ユーザに、現像装置としての現像ユニット3内のトナー残量がゼロであること(“トナー無し”)を報知する(S8)。
【0060】
ここで、上述したように、本実施例では、画像形成モードBで画像形成動作を実行する場合、5つの画像濃度信号の区分ごとに、トナーが消費されるドットの数dが取得される
。5つの画像濃度信号の区分ごとに、1つのドットで消費されるトナー量N[グラム/ドット](
図10を参照)とドットの数dとが積算される。そして、5つの画像濃度信号の区分ごとに取得されたトナー消費量を積算することで、1つの画像において消費されたトナー量wdを取得している。
【0061】
その後、S6において、トナー残量W=w1から消費したトナー量wdを引き、トナー残量W−wdと閾値Ewとを比較する(S6)。トナー残量W−wdが閾値Ewより大きい場合、画像形成装置100は、画像形成動作を終了させ、スタンバイ状態に移行する(S6・NO、S7)。一方、トナー残量W―wdが閾値Ew以下である場合、ユーザに、現像ユニット3内のトナー残量がゼロであること(“トナー無し”)を報知する(S6・YES、S8)。
【0062】
本実施例では、画像濃度信号を20%ごとに区分けし、それぞれの区分ごとに、1つのドットで消費されるトナー量Nを設定されている。しかし、必ずしも、画像濃度信号を等間隔で区切る必要はない。例えば、トナー消費量の変化が大きい画像濃度信号の範囲においては、画像濃度信号の区分を細分化することもできる。また、
図6に示した曲線を予め記憶部200に記憶させておくことで、トナー消費量を算出することもできる。
【0063】
以上のように、本実施例では、実施例1と同様に、画像の質を向上させるとともに、トナーの消費量を精度良く取得することができる。
また、本実施例では、PWMによって画像を形成しているため、ディザリングによって画像を形成する場よりも、解像度が高くなり、階調性(色の濃淡の変化度合い)も優れる。
【0064】
(実施例3)
本実施例では、光学濃度(OD値)を測定する測色器によって測定された測定結果に基づいて、記録材12に印字される画像の光学濃度が正しい光学濃度になるように、1つのドットで消費されるトナー量を補正している。そして、そのような補正をした場合、1つの画像において消費されるトナー量も変わってしまう。そのため、本実施例では、補正に対応させて、1つのドットで消費されるトナー量の推定値を変更している。これにより、1つの画像において消費されたトナー量を正確に取得することができる。ここで、実施例3において、実施例2と同一の機能を有する部分についての説明は同一の符号を付すことで省略する。
【0065】
ここで、
図8は、実施例3において、印字された画像の光学濃度と画像濃度信号との関係を示す図である。また、
図9は、実施例3において、1つの画像において消費されるトナー量と画像濃度信号との関係を示す図である。本実施例では、実施例2と同様に、画像形成モードBではPWMを用いて画像を形成している。ここで、理想的には、画像の光学濃度と画像濃度情報との関係は、
図8の実線のようになることが望ましい。しかし、実際に測色器によって測定された光学濃度は、
図8の実線のようになる。つまり、光学濃度と画像濃度情報との関係性が線形ではなくなる。
【0066】
そのため、本実施例では、光学濃度と画像濃度情報との関係性を
図8の破線のようにするために、1つのドットで消費されるトナー量を補正している。この補正により、光学濃度と画像濃度情報との関係性は
図8の破線のようになる。具体的には、本実施例では、画像濃度信号が25%・50%・75%・100%である場合のパッチ画像を予めプリントする。そして、そのパッチ画像の光学濃度を測色器で測り、測定された光学濃度に基づいて1つのドットで消費されるトナー量を補正している。
【0067】
しかし、1つのドットで消費されるトナー量を補正した場合、1つの画像において消費
されるトナー量も変わってしまう。ここで、
図9において、理想的には、1つの画像におけるトナー消費量と画像濃度情報との関係は、
図9の実線のようになることが望ましい。しかし、実際には、1つの画像におけるトナー消費量と画像濃度情報との関係は、
図9の破線のようになる。そこで、本実施例では、本実施例では、補正に対応させて、1つのドットで消費されるトナー量の推定値を変更している。具体的には、
図11に示すように、5つの区分に区分けされた画像濃度情報に対応させて、1つのドットで消費されるトナー量の推定量Nがそれぞれ設定されている。
【0068】
そして、本実施例では、
図11に示す対応関係がメモリなどの記憶部200に記憶されている。ここで、本実施例では、変換式が記憶部200に記憶されており、この変換式によって、補正に対応させて、1つのドットにおけるトナー消費量の推定値が変更される。それにより、
図11に示すような対応関係が導き出される。
図11に示した対応関係を用いて、本実施例では、1つの画像におけるトナー消費量を算出している。これにより、1つの画像において消費されるトナー量を正確に取得することができる。なお、実施例3は、1つのドットで消費されるトナー量の推定量Nが変更されることを除いて実施例2と同様である。
【0069】
以上のように、本実施例では、実施例1と同様に、画像の質を向上させるとともに、トナーの消費量を精度良く取得することができる。
また、本実施例では、光学濃度(OD値)を測定する測色器によって測定された測定結果に基づいて、記録材12に印字される画像の光学濃度が正しい光学濃度になるように、1つのドットで消費されるトナー量を補正している。