特許第6797551号(P6797551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797551
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】養生材
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/30 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   E04G21/30 Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-90959(P2016-90959)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-198011(P2017-198011A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2018年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(74)【代理人】
【識別番号】100168228
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 達則
(72)【発明者】
【氏名】井上 貢作
【審査官】 園田 かれん
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−035919(JP,A)
【文献】 特開平08−049425(JP,A)
【文献】 特開2006−169768(JP,A)
【文献】 特開2003−227234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/24−21/32
B65D 61/00
B65D 71/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の一面を覆う被覆材と、被覆材を対象物に固定する取付バンドを備え、被覆材は少なくとも一部に単位部材同士を半切部を介して連続させることで伸縮自在な蛇腹状部を有しており、一の単位部材及び一の単位部材に隣接する単位部材には左右方向に幅広な調整孔が各々設けてあり、他の単位部材には左右方向に幅狭な押圧孔が設けてあり、取付バンドが調整孔及び押圧孔に挿通してあることで、一の単位部材及び一の単位部材に隣接する単位部材の所で蛇腹状部の左右方向幅が調整自在であり、他の単位部材の所で蛇腹状部が対象物の一面に押さえ付けられるものであることを特徴とする養生材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具などの対象物を養生するための養生材に関する。
【背景技術】
【0002】
玄関ドアなどの建具を建て込む際には、建築工事中に建具の表裏面を傷付けることがないように、養生を行う。この養生は、従来、以下のように行われていた(玄関ドアの場合を例として挙げる)。まず、工場で製造されたドアは、段ボールで梱包されて、納材店へ納入される。納材店では、これを開梱し、図11(a)に示すように、梱包に使用されていた段ボール101を、ドアDの大きさに合わせた矩形に加工し、ハンドルHと干渉しないように切欠部102を設けて、養生材として用いる。そして、図11(b)に示すように、加工した段ボール101をドアDの表裏に当接させ、外周部をテープで貼って固定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の養生方法は、段ボールを建具の形状に合わせてその都度加工し、それをテープで固定しなければならず、作業に手間や時間がかかっていた。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、作業者によらず、対象物を容易かつ適切に養生することが可能な養生材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、対象物の一面を覆う被覆材と、被覆材を対象物に固定する取付バンドを備え、被覆材は少なくとも一部に単位部材同士を半切部を介して連続させることで伸縮自在な蛇腹状部を有しており、一の単位部材及び一の単位部材に隣接する単位部材には左右方向に幅広な調整孔が各々設けてあり、他の単位部材には左右方向に幅狭な押圧孔が設けてあり、取付バンドが調整孔及び押圧孔に挿通してあることで、一の単位部材及び一の単位部材に隣接する単位部材の所で蛇腹状部の左右方向幅が調整自在であり、他の単位部材の所で蛇腹状部が対象物の一面に押さえ付けられるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取付バンドで被覆材の蛇腹状部を押さえ付けることで、対象物の幅に合わせて蛇腹状部を伸縮させるとともに、被覆材を固定できるものであり、対象物に合わせた加工などが必要ないので、養生作業が非常に容易で、短時間で完了し、作業者によらず適切に養生できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】養生材の第一実施形態(親ドア用)の全体図である。
図2】親ドア用の被覆材の平板状態における全体図である。
図3】養生材の第一実施形態(子ドア用)の全体図である。
図4】子ドア用の被覆材の平板状態における全体図である。
図5】親ドアの養生の手順を示す説明図である。
図6】子ドアの養生の手順を示す説明図である。
図7】取付バンドが被覆材を押さえ付ける状態を示す説明図であり、(a)はドアの幅が狭い場合、(b)はドアの幅が広い場合である。
図8】(a)は養生材を小さいドアに取り付けた場合、(b)は養生材を大きいドアに取り付けた場合の説明図である。
図9】養生材の第二実施形態の全体図である。
図10】養生材の第三実施形態の全体図である。
図11】従来の建具の養生方法についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この養生材の第一実施形態は、種々の物品の養生に用いることができるが、ここでは、住宅の建築工事中に、親ドアと子ドアからなる玄関ドアを養生する場合を例に挙げる。養生材は、図1及び図2に示す親ドア用のものと、図3及び図4に示す子ドア用のものからなる。
【0009】
親ドア用の養生材は、図1に示すように、被覆材1と、取付バンド(横取付バンド2aと縦取付バンド2b)を備える。被覆材1は、樹脂製の板材からなるものであって、この板材は、全面にわたって凹凸を有する中間材を、平らな表面材で表裏から挟んで熱溶着させた3層構造のものであり、中間材の凹凸により中空構造となっているので、軽量で強度や衝撃吸収性が高い。そして、図2に示すように、縦長の矩形であって、高さについては、対象となるドアのうち、最も高さの低いものに合わせてあり、幅については、対象となるドアのうち、最も幅の広いものに合わせてある。被覆材1の表側面と裏側面には、左右に等間隔に、上端から下端まで直線状に延びる半切部5a,5bを形成してある。半切部5a,5bは、被覆材1を構成する板材のうち、一方の表面材と中間材を切断し、他方の表面材を残したものであり、これにより、半切部5a,5bに沿って、被覆材1を残った他方の表面材側に折り曲げることができる。半切部5a,5bは、被覆材1の表側面と裏側面に交互に形成してあり、図2において、細実線が表側面に形成した半切部5aを示し、点線が裏側面に形成した半切部5bを示す。この親ドア用の被覆材1においては、表側面に5本の半切部5aを形成し、裏側面に6本の半切部5bを形成してあり、このように複数の半切部5a,5bを表裏交互に形成することで、図1に示すように、被覆材1が蛇腹状で伸縮自在かつ折り畳み自在となっている。よって、被覆材1の全体が蛇腹状部3となる。ここで、被覆材1において半切部5a,5bで区切られた部位をそれぞれ単位部材Uとよぶ。この被覆材1は12枚の単位部材Uからなり、各単位部材Uは等幅であるが、両端の単位部材Uのみがやや幅広となっている。また、被覆材1の左辺の中央には、矩形の切欠部6を形成してある。切欠部6は、高さが被覆材1の高さの略半分で、幅が被覆材1の端部の単位部材Uと同じになっている。さらに、左右それぞれの端部から4枚目の単位部材Uには、後述の横取付バンド2aを取り付けるための取付孔7を形成してある。取付孔7は、縦長で横取付バンド2aを挿通可能な大きさのスリット状のものであり、被覆材1の上下の、それぞれ上下端部から全長の略1/6だけ離れた位置に設けてある。また、左右それぞれの端部から3枚目及び2枚目の単位部材Uには、横取付バンド2aを通すための調整孔8a,8bを形成してある。調整孔8a,8bは、取付孔7より幅広でかつ同じ高さであり、被覆材1の上下の、取付孔7と同じ上下位置に設けてある。さらに、左右それぞれの端部の単位部材Uには、横取付バンド2aを通して被覆材1をドアに押さえ付けるための2つの押圧孔9a,9bを形成してある。押圧孔9a,9bは、取付孔7と同じ大きさで左右に並んでおり、被覆材1の上下の、取付孔7と同じ上下位置に設けてある。また、同じく左右それぞれの端部の単位部材Uには、後述の縦取付バンド2bを取り付けるための上部取付孔10a及び下部取付孔10bを形成してある。上部取付孔10a及び下部取付孔10bは、取付孔7を90度回転させた形状であり、被覆材1の上下端部に設けてある。このように形成した被覆材1は、切欠部6を除いて、上下及び左右に対称な形状となっている。
【0010】
また、横取付バンド2a及び縦取付バンド2bは、帯状の面ファスナーからなるものである。図1に示すように、横取付バンド2aは、上下それぞれにおいて、左右に1本ずつ設けてある。各横取付バンド2aについて、左右方向内側の端部を取付孔7に通し、折り返して内側の調整孔8aの位置で接合して環状に形成して被覆材1に取り付けてあり、さらに両調整孔8a,8bと両押圧孔9a,9bを通してある(両調整孔8a,8bの間部分と、両押圧孔9a,9bの間部分において、被覆材1の裏側を通っている)。そして、左側の横取付バンド2aは、外周側部分の裏側面がオス(フック状)、それ以外の部分の表側面がメス(ループ状)になっており、右側の横取付バンド2aは、全長の表側面がメス(ループ状)になっている。一方、縦取付バンド2bは、上下方向内側の端部をそれぞれ上部取付孔10a及び下部取付孔10bに通し、折り返して被覆材1の外周側の位置で接合して環状に形成して被覆材1に取り付けてある。そして、上下の縦取付バンド2bは、外周側部分の表側面がオス、それ以外の部分の表側面がメスになっている。
【0011】
子ドア用の養生材は、図3及び図4に示すように、親ドア用のものと類似したものであり、被覆材1の幅、半切部5a,5bの数、切欠部の有無、調整孔8の数及び横取付バンド2aの構成が異なっており、それ以外は同じである。すなわち、樹脂製の3層構造の板材からなる被覆材1は、親ドア用のものと高さが同じで幅が略半分である。被覆材1の表側面には2本の半切部5aを形成し、裏側面には3本の半切部5bを形成してあって、このように複数の半切部5a,5bを表裏交互に形成することで、図3に示すように、被覆材1が蛇腹状で伸縮自在かつ折り畳み自在となっている。よって、被覆材1の全体が蛇腹状部3となる。この被覆材1は6枚の単位部材Uからなり、各単位部材Uは等幅である。さらに、左右それぞれの端部から3枚目の単位部材Uには、横取付バンド2aを取り付けるための取付孔7を形成してある。また、左右それぞれの端部から2枚目の単位部材Uには、横取付バンド2aを通すための調整孔8を形成してある。さらに、左右それぞれの端部の単位部材Uには、横取付バンド2aを通して被覆材1をドアに押さえ付けるための2つの押圧孔9a,9bを形成してある。また、同じく左右それぞれの端部の単位部材Uには、縦取付バンド2bを取り付けるための上部取付孔10a及び下部取付孔10bを形成してある。取付孔7、調整孔8、押圧孔9a,9b、上部取付孔10a及び下部取付孔10bのそれぞれの大きさ及び高さ位置は、親ドア用のものと同じである。このように形成した被覆材1は、上下及び左右に対称な形状となっている。
【0012】
また、図3に示すように、上下それぞれにおいて、1本の横取付バンド2aを、左右の取付孔7、調整孔8及び押圧孔9a,9bに通してある(両取付孔7の間部分において、被覆材1の表側を通っており、両押圧孔9a,9bの間部分において、被覆材1の裏側を通っている)。そして、横取付バンド2aは、左端部分の裏側面がオス、それ以外の部分の表側面がメスになっている。一方、縦取付バンド2bは、親ドア用のものと同様に、それぞれ上部取付孔10a及び下部取付孔10bに通して取り付けてある。
【0013】
続いて、この養生材によってドアを養生する手順を説明する。まず、図5に基づき、親ドアの養生について説明する。工場で製造されたドアは、梱包されて納材店へ納入される。納材店では、これを開梱して、養生材により養生する。養生材は、(a)に示すように、被覆材1を折り畳んで、横取付バンド2aを巻き付けた状態で収納されている。まず、(b)に示すように、被覆材1を広げ、縦取付バンド2bを取り付ける。次に、(c)に示すように、親ドアD1の保護したい面(表側面とする)に、被覆材1を当接させ、(d)に示す状態となる。この際、親ドアD1はハンドルHを有するので、被覆材1がハンドルHと干渉しないように、切欠部6がある方をハンドルH側に向ける。次に、(e)に示すように、親ドアD1の幅に合わせて被覆材1の幅を調整する。この際、まず上下それぞれにおいて、左右の横取付バンド2aを左右方向外側に引っ張る。すると、蛇腹状部3のうち、横取付バンド2aを取り付けた単位部材U(取付孔7を設けた単位部材U)より内側部分3aが、左右に引き伸ばされるので、引っ張り力を加減して引き伸ばし幅を増減し、親ドアD1の幅に対して大まかに合わせる。これに対し、外側部分3bは、横取付バンド2aが調整孔8a,8b及び押圧孔9a,9bを通っているので、横取付バンド2aにより親ドアD1の表側面に押さえ付けられるが、その状態のまま、伸縮させて左右幅を調整できる。すなわち、図7に示すように、横取付バンド2aを引っ張ることで(矢印A)、横取付バンド2aが親ドアD1に密接し、それに伴い、蛇腹状部3の一部である外側部分3bが親ドアD1の表側面に押さえ付けられる(矢印B1,B2)。なお、内側部分3aに対しては親ドアD1に押さえ付ける力が作用しないが、左右から引っ張り力が作用するので、親ドアD1の表側面に固定される。そしてこの状態で、図7(a)に示すように、外側部分3bの幅を狭くすれば、ジグザグ状の山が高くなり、図7(b)に示すように、外側部分3bの幅を広くすれば、ジグザグ状の山が低くなる。この際、調整孔8a,8bが幅広なので、横取付バンド2aと干渉することなく、自在な調整が可能である。こうして、蛇腹状部3の内側部分3aで大まかに合わせ、外側部分3bで調整して、被覆材1の幅を親ドアD1の幅に合わせる。調整により被覆材1が親ドアD1の表側面の全幅を覆う状態になったら、(f)に示すように、上下それぞれにおいて、左右の横取付バンド2aを親ドアD1の左右から裏側面に回し込み、引寄せながら右側の横取付バンド2aのメス面に左側の横取付バンド2aのオス面を接合して固定する。さらに、(g)に示すように、上端部及び下端部の左右の縦取付バンド2bを親ドアD1の上下から裏側面に回し込み、親ドアD1の裏側面と横取付バンド2aの間を通し、横取付バンド2aを巻き込んで折り返して、先端のオス面を基端側のメス面に接合して固定する。以上で、親ドアD1の養生が完了する。
【0014】
次に、図6に基づき、子ドアの養生について説明する。養生材は、(a)に示すように、被覆材1を折り畳んで、横取付バンド2aを巻き付けた状態で収納されている。まず、(b)に示すように、被覆材1を広げ、縦取付バンド2bを取り付ける。次に、(c)に示すように、子ドアD2の保護したい面(表側面とする)に、被覆材1を当接させ、(d)に示す状態となる。次に、(e)に示すように、子ドアD2の幅に合わせて被覆材1の幅を調整する。この際、まず上下それぞれにおいて、横取付バンド2aの両端部を左右方向外側に引っ張る。蛇腹状部3は、横取付バンド2aが取付孔7、調整孔8及び押圧孔9a,9bを通っているので、横取付バンド2aを引っ張り、蛇腹状部3(被覆材1)の全体が子ドアD2の表側面に押さえ付けられた状態で、伸縮させて左右幅を調整できる。この際、調整孔8が幅広なので、横取付バンド2aと干渉することなく、自在な調整が可能である。調整により被覆材1が子ドアD2の表側面の全幅を覆う状態になったら、(f)に示すように、上下それぞれにおいて、横取付バンド2aの両端部を子ドアD2の左右から裏側面に回し込み、引寄せながら右端部のメス面に左端部のオス面を接合して固定する。さらに、(g)に示すように、上端部及び下端部の左右の縦取付バンド2bを子ドアD2の上下から裏側面に回し込み、子ドアD2の裏側面と横取付バンド2aの間を通し、横取付バンド2aを巻き込んで折り返して、先端のオス面を基端側のメス面に接合して固定する。以上で、子ドアD2の養生が完了する。
【0015】
このように構成した本発明の養生材によれば、取付バンドで被覆材1の蛇腹状部3を押さえ付けることで、ドアなどの対象物の幅に合わせて蛇腹状部3を伸縮させるとともに、被覆材1を固定できる。取付バンドは、被覆材1の上下の左右両側部に設けた横取付バンド2aと、上端部及び下端部の左右に設けた縦取付バンド2bからなり、横取付バンド2aを対象物の側方から周回させて相互に接合し、上部及び下部の縦取付バンド2bを対象物の上側又は下側から回し掛け、横取付バンド2aに接合すればよい。このように、対象物に合わせた加工などが必要ないので、養生作業が非常に容易で、短時間で完了し、作業者によらず適切に養生できる。そして、横取付バンド2aを左右方向の中間位置の単位部材Uに形成した取付孔7に取り付け又は通してあり、この単位部材Uより外側の調整孔8a,8b,8及び押圧孔9a,9bを通してあるので、より効率的に被覆材1の全体を対象面に押さえ付けることができ、蛇腹状部3による被覆材1の幅方向の調整がしやすい。また、被覆材1、横取付バンド2a及び縦取付バンド2bは再利用可能であり、テープなどの廃棄資材を必要としないので、環境負荷が小さく、段ボールのような劣化しやすい資材も必要ない。さらに、親ドア用の養生材は、切欠部6を除いて上下及び左右に対称な形状となっているので、反転して用いることで、左右勝手の両方に対応できる。また、被覆材1は、樹脂からなる3層構造のものであって、中間層が中空構造となっているので、軽量で強度や衝撃吸収性が高い。さらに、被覆材1は広げれば薄く平らな板状となるので、運搬時などにかさばらない。その際、取付バンドは外した状態で同梱すればよい。
【0016】
また、この養生材は、ドアの幅寸法が異なる場合のみならず、高さ寸法が異なる場合にも対応可能である。すなわち、図8(a)に示すように、幅も高さも小さいドアDSや、図8(b)に示すように、幅も高さも大きいドアDLの何れにも対応できる。このうち、幅寸法については、上記のように、蛇腹状部3を調整すればよい。図8(a)の小さいドアDSでは、蛇腹状部3の幅が狭く、ジグザグ状の山が高い状態となっており、図8(b)の大きいドアDLでは、蛇腹状部3の幅が広く、ジグザグ状の山が低い状態となっている。一方、高さ寸法については、被覆材1の下端を、ドアの下端に合わせて取り付ければよい。被覆材1の高さは、対象となるドアのうち最も高さの低いものに合わせてあり、図8(a)の小さいドアDSでは、ドアDSの全面が覆われる形になる。図8(b)の大きいドアDLでは、ドアDLの上部が露出する形になるが、この養生は、建築工事中においてこのドアから出入りする際にドアを傷付けることを防ぐためのものであり、人が接触する可能性の高いドアの下部が覆われていれば十分である。
【0017】
次に、図9に基づき、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態の親ドア用のものと類似した構成であるが、蛇腹状部3が被覆材1の一部に形成されている。より詳しくは、蛇腹状部3が左右に分かれていて、左右の蛇腹状部3にそれぞれ取付孔7と調整孔8a,8bを形成してあり、両蛇腹状部3の間部分は、平板状の被覆部4となっている。また、両蛇腹状部3の外側部分は、平板状の固定部11となっていて、押圧孔9a,9bを形成してある。横取付バンド2aを引っ張ると、横取付バンド2aを通した両端の固定部11及び左右の蛇腹状部3が対象物に押さえ付けられる。このように、被覆材1は、少なくとも一部が蛇腹状部3となっていればよく、蛇腹状部3以外の部分は、蛇腹状以外の、たとえば平らな板状などであってもよい。そしてこの第二実施形態も、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0018】
次に、図10に基づき、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、第一実施形態の親ドア用のものと同じ形状の被覆材1を用いたものであって、全体が蛇腹状部3となっているが、取付孔7がより内側の単位部材Uに設けてある。すなわち、左右それぞれの端部から6枚目の単位部材Uに取付孔7を形成してあり、5枚目〜2枚目の単位部材Uに調整孔8a,8b,8c,8dを形成してある。左右の取付孔7を形成した単位部材Uが隣接しているので、第一実施形態における蛇腹状部3の内側部分3aに相当する部分を有さない構成であって、横取付バンド2aを引っ張ることで、蛇腹状部3(被覆材1)の全体が対象物に押さえ付けられる。そしてこの第三実施形態も、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0019】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、蛇腹状部、固定部又は被覆部の一部に、対象物が有する構造を回避するための切欠や孔を形成してもよい。また、被覆材の素材は、対象物を保護できる強度を有するものであれば、どのようなものであってもよい。さらに、被覆材は、一枚の板に半切部を形成して折り畳み自在にしたものであってもよいし、複数枚の単位部材を折り畳み自在に接合したものであってもよい。また、取付バンドの接合は、面ファスナー以外に、バックルやボタンを用いたものであってもよい。さらに、この養生材を、ドアの表裏両面にそれぞれ取り付けてもよい。また、この養生材は、ドア以外の建具の保護に用いることもできるし、引っ越しなどにおいて運搬される種々の家具や家電製品などの保護に用いることもできる。
【符号の説明】
【0020】
1 被覆材
2a 横取付バンド(取付バンド)
2b 縦取付バンド(取付バンド)
3 蛇腹状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11