特許第6797553号(P6797553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6797553音響フィードバックを伴うRFアブレーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797553
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】音響フィードバックを伴うRFアブレーション
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-92325(P2016-92325)
(22)【出願日】2016年5月2日
(65)【公開番号】特開2016-209582(P2016-209582A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】14/703,542
(32)【優先日】2015年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・エイ・ホイティンク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ハーディー・アシュトン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エル・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ケルヴィン・チュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・シュルツ
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−504723(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0204184(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0118107(US,A1)
【文献】 特表2014−518519(JP,A)
【文献】 特開2015−009157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12−18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端に取り付けられた電極であって、前記電極は組織のアブレーションをするためにエネルギーを送達するように構成されている、電極と、
スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、
インピーダンス信号の変化を出力するように構成されている第1の付加的なセンサと、を備え、
記スチームポップの前記発生に関連して測定された音響特性に応じて、前記アブレーション自動的に調節されるように構成されており
記スチームポップの前記発生は、前記音響センサの前記信号に少なくとも部分的に基づいて検出され
記第1の付加的なセンサから受け取った前記インピーダンス信号前記変化に基づいて、前記スチームポップの前記発生の検出の信頼性を改善するように構成されている、カテーテル。
【請求項2】
前記細長い本体の前記遠位端に取り付けられた温度センサを更に含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
患者に挿入されるように構成された電極を有するアブレーションカテーテルと、
前記電極まで電力を送達することができるシステムコントローラと、
スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、
前記スチームポップの前記発生を検出するために用いることができる、インピーダンス信号の変化を出力するように構成されている、第1の付加的なセンサと、
前記スチームポップの前記発生を前記音響センサからの前記信号に少なくとも部分的に基づいて検出するように構成され、前記インピーダンス信号の前記変化に基づいて前記スチームポップの前記発生を検出する信頼性を改善するように更に構成されている、音響モジュールと、
前記音響モジュールが前記スチームポップの前記発生を検出したときに、前記電極への記電力の送達を、自動的に調節をするように構成されているアブレーションモジュールであって、前記スチームポップの前記発生に関連して測定された音響特性に基いて前記調節をするように構成された、アブレーションモジュールと、を備えるアブレーションシステム。
【請求項4】
前記アブレーションモジュールは、洗浄流体の送達を変更するように更に構成されている、請求項3に記載のアブレーションシステム。
【請求項5】
第2の付加的なセンサを更に備え、前記音響モジュールは、前記第2の付加的なセンサから情報を受け取り、前記第2の付加的なセンサからの前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記スチームポップを識別するように更に構成されている、請求項3に記載のアブレーションシステム。
【請求項6】
前記第2の付加的なセンサは、温度を測定する、請求項5に記載のアブレーションシステム。
【請求項7】
前記音響モジュールが前記スチームポップを識別すると、オペレータに警告するように構成された指示器を更に備える、請求項3に記載のアブレーションシステム。
【請求項8】
前記アブレーションモジュールは、前記音響モジュールが前記スチームポップを識別すると、洗浄流体の送達を自動的に変更するように更に構成されている、請求項3に記載のアブレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、経皮治療のための方法及び装置に関し、具体的には、音響フィードバックに応答してRFエネルギーの送達を制御することに関する。
【技術背景】
【0002】
高周波(RF)電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されてきた。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために用いられる。特に、数多くの徴候に対して、標的アブレーションを実施し得る。例えば、心筋組織のアブレーションは、カテーテルを用いてRFエネルギーを印加し、損傷を形成して、心組織中の催不整脈性の電流経路を破断することによる、心不整脈の治療として周知である。別の一例として、腎アブレーション手続は、遠位端に電極を有するカテーテルを腎動脈に挿入することにより、動脈内の円周方向損傷を完成させて、高血圧の治療のために動脈の除神経を行うことを含み得る。より一般的には、RFエネルギーを患者の体内の治療部位まで送達することにより、組織をアブレーションする及び/又は損傷を形成し得る。
【0003】
そのような手続において、参照電極が典型的に提供され、それは患者の皮膚に取り付けられるか、又は第2カテーテルによって提供され得る。RF電流をアブレーションカテーテルの先端電極と参照電極との間に印加すると、電流がそれらを囲む媒体、すなわち血液及び組織を通って流れる。アブレーション先端電極からの電流の分布は、組織よりも高い導電性を有する血液と比べた場合、組織と接触している電極表面の量により依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織は、所望の温度、例えば、標的組織の中で細胞破壊を引き起こして、結果として非導電性の損傷を形成するのに十分であるような温度まで加熱される。この損傷は、電極に接触する組織、又は隣接する組織に形成され得る。
【0004】
そのような技術は、患者の生理学の変化をもたらすために組織の意図的な加熱を含むけれども、処置領域を囲む組織への副次的損傷を低減するために、送達されるエネルギー量を制御することが望ましい。特に、RFアブレーションの間、エネルギーの送達は、処置部位に存在する水を蒸発させるのに十分であり得、その結果として、「スチームポップ」として知られている現象が生じる。液相から気相への水の遷移と関連する体積の急速な増加は、力を周囲組織に伝え、例えば、血栓形成、組織の穿孔及び/又は心タンポナーデのような有害な結果を引き起こす可能性を有する。
【0005】
スチームポップについてのこのような及び別のマイナスの帰結の発生を低減するために、スチームポップが可聴されると、付き添っている電気生理学者は、典型的には電流処置部位へのRFエネルギーの送達を停止する。しかし、この従来の慣習は、アブレーション手続の間のエネルギーの送達の制御についての最適の技術を意味しないことが理解されるであろう。例えば処置部位の場所又はポップの大きさのような様々な理由で聞き取れないスチームポップが、手続の間に生じ得る。更に、たとえ生じたスチームポップが聞き取れるとしても、電気生理学担当者の反応時間の遅延が存在し得、その結果、RFエネルギーは、ポップの検知後のある期間、送達され続ける。これらの又は別の状況下において、RFエネルギーは、スチームポップの発生に関わらず、送達され続けて、顕著な有害事象の危険性の増大に至る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、RFアブレーション手続の間におけるスチームポップの検出を改善するための方法及びシステムを提供することが望ましいであろう。同様に、スチームポップが検出された後に、RFエネルギーの送達を停止するために又はそうではなくアブレーションを調節するために必要な時間を低減することが望まれる。以下に記述されるように、本開示はこれら及び他の目的を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、オペレータによって患者の組織の一部分をアブレーションするための方法に向けられており、その方法は、電極を有するアブレーションカテーテルを患者に挿入することと、カテーテルを電力を電極まで送達することができるシステムコントローラに接続することと、組織をアブレーションするために電力を電極まで送達することと、音響センサから信号を取得することと、スチームポップの発生を音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいて検出することと、アブレーションをスチームポップ検出に応答して調節することと、を含む。
【0008】
1つの態様では、アブレーションを調節することは、電極までの電力の送達を停止することを含み得る。
【0009】
1つの態様では、アブレーションを調節することは、電極まで送達された電力を減衰させることを含み得る。電力は、音響センサ信号から決定された特性に少なくとも部分的に基づいて減衰させられ得る。
【0010】
1つの態様では、アブレーションを調節することは、電極の接触力を低減することを含み得る。
【0011】
1つの態様では、アブレーションを調節することは、洗浄流体の送達を変更することを含み得る。
【0012】
1つの態様では、音響センサから信号を取得することは、音響センサを患者に隣接して配置すること、音響センサを患者と接触して配置すること、及び/又は音響センサを患者の体内に配置すること、を含む。音響センサは、アブレーションカテーテルによって搬送され得る。
【0013】
1つの態様では、音響センサから信号を取得することは、複数の音響センサを配備することを含み得る。
【0014】
1つの態様では、音響センサから信号を取得することは、スチームポップの識別を容易にするために、信号を処理することを含み得る。
【0015】
1つの態様では、システムコントローラは、音響センサ信号を受け取るように構成された音響モジュールを有し、スチームポップが音響モジュールを用いて音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいて識別され得る。音響モジュールは、また、付加的なセンサから情報を受け取り得、スチームポップは、付加的なセンサからの情報に少なくとも部分的に基づいて識別され得る。例えば、スチームポップは、付加的なセンサによって測定されたインピーダンス及び/又は温度の増加に少なくとも部分的に基づいて識別され得る。
【0016】
1つの態様では、オペレータは、音響モジュールがスチームポップを識別すると、警告され得る。
【0017】
1つの態様では、音響モジュールによって使用される識別基準は調節され得る。
【0018】
1つの態様では、電極への電力の送達は、音響モジュールがスチームポップを識別すると、自動的に調節され得る。電力の送達は、スチームポップの測定された特性に少なくとも部分的に基づいて調節され得る。あるいは、電極までの電力の送達は、音響モジュールがスチームポップを識別すると、自動的に停止され得る。
【0019】
本開示は、カテーテルにも向けられ、このカテーテルは、細長い本体と、細長い本体の遠位端に取り付けられた電極であって、電極は組織をアブレーションするためにエネルギーを送達するように構成されている、電極と、スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、を有する。
【0020】
1つの態様では、カテーテルは、細長い本体の遠位端に取り付けられた温度センサを有し得る。
【0021】
更に、本開示は、アブレーションシステムに向けられ、このシステムは、患者に挿入されるように構成された電極を有するアブレーションカテーテルと、電極まで電力を送達することができるシステムコントローラと、スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、を備える。
【0022】
1つの態様では、システムは、音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいてスチームポップを識別するための音響モジュールを備え得る。
【0023】
1つの態様では、システムは、付加的なセンサを備え得、音響モジュールは、付加的なセンサから情報を受け取り、付加的なセンサからの情報に少なくとも部分的に基づいてスチームポップを識別し得る。付加的なセンサは、インピーダンス及び/又は温度を測定し得る。
【0024】
1つの態様では、システムは、音響モジュールがスチームポップを識別するとオペレータに警告するための指示器を備え得る。
【0025】
1つの態様では、システムは、音響モジュールがスチームポップを識別すると、電極までの電力の送達を自動的に調節するためのアブレーションモジュールを備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
更なる特徴及び利点は、添付図面に例示するように、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。添付図面の同様の参照記号は、概して、図全体を通じて同一の部分又は要素を示す。
図1】本発明の一実施形態によるアブレーションシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1のシステムにおいて用いられるカテーテルの遠位部分の略図である。
図3】本発明の実施形態によるスチームポップを示す、音響センサによって取得された信号を示すグラフである。
図4】本発明の実施形態による、付加的なセンサからのスチームポップ及び情報を示す、音響センサによって得られた信号を示すグラフである。
図5】本発明の実施形態によるアブレーション手続を実行するための代表的な手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、構成、手順、方法、又は構造に限定されず、変化し得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に記載されているようなものに類似するか又は等価である多くの選択肢が、本開示の実践又は実施形態において用いられることができるが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0028】
また、本明細書に使用される用語は、単に本開示の特定の実施形態を説明するためのものであり、限定するものではないことを理解されたい。
【0029】
添付の図に関連して下記に示される詳細記述は、本開示の例示的実施形態を説明するためのものであり、本開示が実践可能な限定的な例示的実施形態を示すことを意図したものではない。本記述全体にわたって使用される用語「例示的」とは、「実施例、事例、又は実例として役立つ」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細記述には、本明細書の例示的な実施形態の徹底した理解を提供することを目的とした、具体的な詳細が含まれる。本明細書の例示的実施形態は、これらの具体的な詳細なしでも実施が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。場合によっては、本明細書に示される例示的実施形態の新しさを明確にするために、周知の構造及び装置がブロック図形式で示される。
【0030】
単に便宜的及び明確さの目的で、上、下、左、右、上方、下方、上側、下側、裏側、後側、背側、及び前側などの方向を示す用語が、添付の図に関して使用されることがある。これら及び類似の方向を示す用語は、本開示の範囲をいかなる意味でも制限すると見なされるべきではない。
【0031】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語はすべて、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0032】
最後に、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0033】
上記のように、カテーテルは、様々な治療及び診断の状況において、RFエネルギーを患者の体内の選択位置まで送達するために用いられ得る。実例として、単に実施例として、更に限定ではなく、本開示による1つの好適な手続は、いわゆる当業者に公知の手技に続くアブレーション手続を含み得る。図1は、本発明の実施形態による、腎臓及び/又は心臓のカテーテル法及びアブレーションのためのシステム100についての概略絵入り図である。システム100は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)製造のCARTO(商標)マッピングシステム、及び/又はSmartAblate又はnMarq RF発生器に基づいてもよい。このシステムは、カテーテル10の形態をなす侵襲プローブと、制御及び/又はアブレーションコンソール102とを備える。オペレータ104(例えば心臓専門医、電気生理学技師又は介入的放射線医)が、例えば大腿アクセスアプローチ又は橈骨アクセスアプローチを介して、患者106の体内にアブレーションカテーテル10を挿入し、これによって、カテーテル10の遠位端、特に電極12が、望ましい位置の組織(例えば患者106の心臓108の心腔)に係合する。カテーテル10は、典型的には、その近位端で、好適なコネクタによってコンソール102に接続される。コンソール102は、RF発生器110を含み、このRF発生器は、カテーテルを介して高周波電気エネルギーを供給して、電極12によって係合された場所において組織をアブレーションする。
【0034】
コンソール102は、また、磁気位置検出を使用して患者106の体内でのカテーテル10の遠位端の位置座標も決定し得る。この目的のために、コンソール102内の駆動回路が、磁場発生器を駆動して、患者106の身体内に磁場を生成する。典型的には、磁場発生器はコイルを含み、これらコイルは、患者の胴体の下の、患者の体外の既知の位置に置かれる。これらのコイルは、関心領域を包含する既定の作業体積内に磁界を生成する。カテーテル10の遠位端内部の磁場センサが、これらの磁場に反応して電気信号を生成する。コンソール102の信号プロセッサは、典型的には、場所及び向きの座標の双方を含む、遠位端の位置座標を決定するために、これらの信号を処理し得る。この位置感知の方法は、上述のCARTOシステムに実装され、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、PCT特許公開第WO96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、その開示が全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
コンソール102は、システムコントローラ112を含み得、このシステムコントローラには、システム100の操作のためのソフトウェアが格納されているメモリ116と通信を行う処理装置114が含まれている。コントローラ112は、汎用コンピュータ処理装置を含む業界標準のパーソナルコンピュータであり得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、コントローラの機能のうちの少なくともいくつかは、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は他の類似の構成要素を使用して実行される。コントローラ112は、典型的には、好適な入力周辺装置及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)118(これらは、オペレータがシステム100のパラメータを設定することを可能する)を使用して、オペレータ104によって操作される。更に、GUI 118は、典型的には、処置の結果をオペレータに対して表示する。メモリ116中のソフトウェアは、例えばネットワークを介して、電子的形態でコントローラにダウンロードすることができる。代替的に又は付加的に、このソフトウェアは、例えば、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体のような一時的でない有形の媒体上に提供され得る。
【0036】
より詳細に述べられるであろうように、本開示の態様は、アブレーション手続中のRFエネルギーの送達を制御すること又はさもなければアブレーションを調節することを助けるための音響フィードバックの使用を含む。1つ又は2つ以上の音響センサは、電気信号へのRFエネルギーの送達による水の液体から気体への変換に関連する機械的振動を転換することによって、スチームポップを検出するために使用され得る。その実施形態によって、電気信号は、スチームポップの検出を容易にするために、増幅、処理及び/又は別途手が加えられ得る。一つの態様では、音響センサからの信号は、音への変換によること、視覚的であること(例えばGUI 118を介して)、及び/又は触覚表示することを含む、オペレータ104に好適な任意の方法で伝達されるか又は表示され得る。それに応答して、オペレータ104は、音響センサからの信号がスチームポップが生じたことを示すと、RFエネルギーの送達を調節するか又は停止することによってアブレーションを調節し得る。オペレータ104は、また、アブレーションされている組織との電極12の接触力を低減し得る。なお更に、アブレーションを調節することはまた、例えば、洗浄流体が供給される速度を増減することによって、送達された洗浄流体の温度を変化させること又は任意の他の好適な態様によって、洗浄流体の送達の1つ又は2つ以上の態様を変更することを含み得る。洗浄流体は、カテーテル10の内腔を用いて供給されるか、又は別個のカテーテルを用いて供給され得る。別の態様では、音響センサ信号が、システムコントローラ112の音響モジュール120に供給されることにより、例えば、送達されているRFエネルギーを減衰させることによって、又は送達を中断することによって、スチームポップの自動化された識別及び/又は任意の所望の方法でのアブレーションモジュール122の制御を可能にし得る。理解されるであろうように、アブレーションが実行されているときにだけ音響フィードバックシステムの特定の態様、例えば、音響センサからの信号を増幅及び再生するか、又はオペレータ104に警告することを活性化させることが望ましくあり得る。
【0037】
本開示によると、音響センサの任意の好適な実装を用いることができる。例えば、従来のマイクロホンが、電気機械転換器として使用されて、隔壁に当たる圧力波を電気インパルスに変換し得る。理解されるであろうように、ひずみゲージ、加速度計などを限定的でなく含む電気機械転換器の別の構成も使用され得、それらの構成は、独立して又は相互に連携して用いられ得る。例えば、音響センサは、患者106の皮膚を含む空気以外の媒体によって振動として伝搬される音波に応答するコンタクトマイクロホンとして構成され得る。
【0038】
更に、1つ又は2つ以上の音響センサについての多種多様な配置及び配備が使用され得る。一つの態様では、カテーテル10は、音響センサを組み込むことにより、アブレーション手続の間、それを患者106の体内に配置することを可能にし得る。代替的に又は付加的に、音響センサを搬送する別個の診断カテーテル124が、患者106の体内に設置され得る。いくつかの実施形態では、これにより、音響センサが、電流処置部位に基づくスチームポップの検出の改善を提供することが期待される位置に置かれることを可能にし得る。別の態様では、外部の音響センサ126が、患者106に隣接して配置され得る。更に別の態様では、音響センサは、パッド128の中に組み込まれて、患者106の皮膚に適用され得る。所望により、パッド128は、単一目的の装置であってもよく、又は、例えば参照電極、対電極、患者106の体内でのカテーテル10の位置を決定するためのセンサなどを組み込むことによって、更なる機能をアブレーション手続を実行するために提供してもよい。
【0039】
実施形態によっては、上述の音響センサのうちの任意の1つ又はそれらの組み合わせ、及び好適な実施例が用いられて、カテーテル10によるRFエネルギーの送達の間にスチームポップを検出し得る。例えば、任意の複数の音響センサは、音響モジュール120に、主として所望の角度方向からの信号を受信するためのビーム形成技術、又はアレイの主ローブを所望の場所に能動的に向けるためのビームステアリング技術を含む当該技術分野において公知の処理技術に音を出させることを可能にするアレイとして構成されてもよい。別の態様では、音響モジュール120は、パターンマッチング技術を使用してスチームポップに特性的な音響信号を識別する。時間及び/又は周波数領域における演算を含む他の好適な処理技術が、スチームポップと関係付けられ得る単数又は複数の音響センサからの電気信号の識別を容易にするために使用され得る。例えば、フィルタリング技術は、例えば、スチームポップと関連する周波数を増幅するため、又は背景若しくは周囲ノイズと関連する周波数を減衰させるためなど特定の周波数範囲の利得を選択的に調節するために使用され得る。
【0040】
カテーテル10の1つの実施形態の遠位部分に関する特定の詳細が、図2に図式的に表されている。カテーテル10は、カテーテル10の遠位先端にカップ電極12として構成された少なくとも1つの電極を含み得る。付加的な電極が、例えば、示されている電極14及び16のような環状電極として構成され得るが、任意の所望の数の電極が使用されて、相互から絶縁され得る。これらの電極は、典型的に絶縁基材を覆って形成された薄い金属層を含む。電極12、14及び16は、図1に示されるシステムコントローラ112に接続されることにより、電極のうちの少なくとも1つが組織をアブレーションするために用いられ得る。図1にもまた示されたアブレーションモジュール122及びシステムコントローラ112は、電極のそれぞれによって送達されるアブレーション電力のレベルを設定及び測定するように構成され得る。アブレーション手続から生じる熱を放散するために、洗浄流体が、管18を通して供給されて、カップ電極12の開口20を通って流れ得る。洗浄流体の流速は、システムコントローラ112によって制御され得る。更に、1つ又は2つ以上の位置センサ22が、遠位先端に組み込まれて、上記のようにカテーテル10を患者106の体内で位置を決めること及び/又は向きを決めることを容易にし得る。
【0041】
前述のように、いくつかの実施形態では、カテーテル10は、アブレーション手続の間、患者106の体内に設置されるべき音響センサ24を組み込み得、そのカテーテルは、有名な技術のうちの任意のものを使用して実装され得る。更に、カテーテル10は、また、絶縁体によってカップ電極12の外面に固定して接続されている1つ又は2つ以上の付加的な非音響センサ26(実施例として、2個が図表に示されている)を含み得る。センサ26は、例えばサーミスタ、熱電対、蛍光光学的プローブなどのような温度センサなど、又は、例えば微小電極のような電気センサの任意の組み合わせであり得る。それぞれのセンサ26は、血液、組織及び/又は洗浄流体と接触できるように絶縁樹脂に埋め込まれるか、オーバーモールドされるか、さもなければ封入又は密封され得る。センサ26は、温度センサとして構成される場合、アブレーション手続の間、カテーテル10に隣接した流体及び組織の熱的特性に関する情報を提供する。同様に、センサ26は、電気センサとして構成される場合、電気的特性、例えばインピーダンスに関する情報を提供する。代替的に又は付加的に、電極12、14及び/又は16は、診断に用いられ、RFエネルギーを送達することに加えて電気的特性を評価し得る。一実施形態では、対電極、例えばパッド128は、患者106の皮膚と接触して配置されることにより、RFエネルギーの送達の間、電気回路を完成し得る。他の実施形態では、多極性の電極配列は、例えば、電極12、14及び/又は16を用いることによって提供され得る。電気的特性、例えばインピーダンスは、提供された電極のうちの任意のものの間で測定され得る。
【0042】
したがって、カテーテル10の中の音響センサ24、診断カテーテル124の中の音響センサ、外部の音響センサ126及び/又はパッド128の中の音響センサを含む音響センサのうちの任意の数のもの及びその組み合わせからの信号は、スチームポップと関連する音響特性を検出するために用いられ得る。次に、オペレータ104が、そのような信号に応答してカテーテル10を通るRFエネルギーの送達を制御し得るか、及び/又は、音響モジュール120が、スチームポップを自動的に識別するための単数又は複数のセンサによって出力される単数又は複数の信号を処理し得ることにより、アブレーションモジュール122がそれに応答してRFエネルギーの送達を制御し得る。
【0043】
理解されるであろうように、本開示の技術は、オペレータ104が聞き取れないスチームポップと関連し得る音響センサからの信号を評価することによって、検出についての閾値の有意な改善を提供する。1つの態様では、システム100が、単数又は複数のセンサによって記録される信号を増幅及び再生するように構成されることにより、オペレータ104が個人の経験に基づいてスチームポップを識別することを可能にし得る。特に、増幅に加えて、信号は、例えば、任意の好適な技術を用いて背景又は周囲ノイズを取り除くこと、人間の聴力に一致するように周波数範囲を変えることなどによって、所望通りに処理され得る。
【0044】
複数の実施形態では、音響モジュール120及びアブレーションモジュール122を用いて、スチームポップ識別及び/又はRFエネルギー送達の制御が、自動化され得る。自動化されたスチームポップ検出に関して、音響モジュール120は、任意の好適な信号処理技術を利用して、限定ではなく、大きさ、周波数及び/又はタイミング特性を評価することを含むスチームポップと関連する音響特性を識別し得る。1つの態様では、システム100は、手続の間であるが実際のアブレーションの前に較正されることにより、背景及び/又は周囲ノイズに対するベースラインを確立し得る。スチームポップの識別に続いて、オペレータ104は、視覚、聴覚及び/又は触覚(例えばカテーテル10の振動)の警告、又は警告の組み合わせを用いて警告され得る。スチームポップ検出に続いてアブレーションモジュール122を使用するRFエネルギー送達についての自動制御に関して、オペレータ104の反応時間が回避され得、手続の間に生じ得るスチームポップの数は低減され得る。付け加えて、スチームポップに関連する有害事象の程度が低減され得る。
【0045】
スチームポップを識別すると同時にRF送達を即座に停止することを含む自動化の様々な段階が、所望に応答して提供され得る。別の実施形態では、音響モジュール120によるスチームポップに対するアブレーションモジュール122の応答が調整され得る。例えば、RFエネルギーの送達を即座に止める代わりに、エネルギー量が低減され得る。1つの態様では、RFエネルギー送達が、それぞれのスチームポップ検出に対して事前に決定された量が低減され得る。別の態様では、RFエネルギーの低減は、識別されたスチームポップの特性、例えば、大きさ、周波数及び/又はタイミングに基づき得る。単に実施例として、限定することなく、RFエネルギーの低減量は、検出されたスチームポップの大きさと相関され得、及び/又は、洗浄速度は、それに応答して増加されるか、又は別様に調節され得る。更に別の態様では、スチームポップを識別するために用いられる判定基準が、調節され得る。1つの実施例として、様々な閾値が、例えば実行されているアブレーション手続の種類又は患者106の状態のような要因にしたがって使用され得る。別の実施例として、例えば様々な振動数範囲のような様々な識別特性が、様々な手続又は様々な処置部位と関連付けられ得る。更に、以下で詳述されるように、単数又は複数の音響センサからの情報が、例えば、処置部位の測定された温度及び/又はインピーダンスのような1つ又は2つ以上の付加的なセンサからの情報と組み合わされることにより、検出を改善し得る。
【0046】
本開示の態様を示すことを助けるために、スチームポップの間の音響又は別のセンサ信号についての実施例を、図3及び図4に表している。これらの試験では、アブレーションは、37℃の塩浴の中の牛肉心臓の上で実行され処置手順をシミュレーションした。ディジタル聴診器の形式の音響センサを使用し、塩浴の上の空中に又は塩浴の壁と接触して保持した。洗浄されたRFカテーテルを用いて、アブレーションを実行するために50WのRFエネルギーを送達した。
【0047】
図3に示す第1の実施例では、音響センサを、例えば外部の音響センサ126のような外部の音響センサに期待される性能を模擬するために、塩浴の上方にぶら下げた。グラフの上側部分にあるトレース300は、時間領域での検出された信号の振幅を表し、下側部分は、対応するスペクトルグラフを10Hzから1kHzまでの範囲の種々の周波数成分の相対振幅を示すシェーディングによって表している。およそ9.5秒で生じているトレース300の中のスパイク302は、スチームポップに対応し、ベースラインと区別され得る。スパイク302は、増幅されると、試験の間、オペレータにはっきりと聞き取られた。スパイク302は、ピーク振幅までのほぼ即時の増加と、それに続くより長引くベースラインまでの復帰とによって特徴付けられ得る。更に、スペクトルグラフは、スパイク302が2つの増加振幅上位周波数成分304及び306、並びにより小さい下位周波数成分308を含むことを示している。これらの特性の任意の組み合わせは、スチームポップを識別することを助けるために用いられ得る。
【0048】
次に、図4の示す実施例では、音響センサは、塩浴の壁と接触して保持されることにより、例えば、パッド128に組み込まれ得るような接触音響センサに期待される応答に類似した応答を提供する。図3と同様に、グラフの上側部分のトレース400は、検出された信号の全体振幅を表し、スペクトルグラフが中央部分に示されている。ここで、グラフの下側部分は、トレース404のような測定インピーダンス及びトレース406のような処置部位の温度とともに、トレース402のようなRF電力の送達を示している。示すように、およそ46.5秒で生じているトレース400におけるスパイク408は、スチームポップに対応している。比較として、トレース400は、また、およそ4.0秒で生じているスパイク410を含んでいる。スパイク410は、背景ノイズに起因し、スチームポップに対応していなかった。スパイク408と410とは、同様の大きさを呈しているけれども、際立った特徴が存在している。特に、オペレータは、増幅されると、音の相違を認識することができた。更に、スパイク408と410とは、ピーク振幅までの急速な増加を同様に示すが、ベースラインまでの復帰は、スパイク410と比較してスパイク408についてはより延長されている。同様に、スペクトルグラフは、スパイク408及び410のスペクトル成分において際立った特徴を示している。例えば、スパイク408は、スパイク410の一次周波数成分414と比較して、増加した周波数成分412を呈している。なお更に、下側のグラフは、付加的なセンサからの情報が使用されることにより、スチームポップ検出の信頼性を改善し得ることを示している。トレース404が示すインピーダンスは、およそ109Ωのベースラインを有し、そのインピーダンスは、スパイク408が示すスチームポップと同時に生じる0.2秒以内でおよそ4Ωの増加を呈している。同様に、トレース406が示す温度は、およそ44℃のベースラインを有し、スチームポップが生じるときにおよそ5℃だけ増加する。対照的に、スパイク410が生じるときは、いずれのセンサ測定値での増加は明瞭でない。これらの特性のうちのいずれか又は両方は、単数又は複数の音響センサによるスチームポップの検出を検証するために用いられ得る。所望に応じて、様々なセンサによって測定された別の特性もまた使用され得る。
【0049】
上記議論によって、アブレーション手続を実行するための好適な手順が図5に示す流れ図によって表示され得る。500から始めると、例えばカテーテル10のようなアブレーションカテーテルは、少なくとも電極12が所望の処置部位に隣接して配置されるように患者106に挿入され得る。502では、処置部位における組織をアブレーションするために電力が少なくとも電極12まで送達される。次に、504では、信号が、スチームポップの発生の検出に使用するために、音響センサから取得され得る。音響センサは、カテーテル10によって搬送された音響センサ24、診断カテーテル124の音響センサ、外部の音響センサ126、パッド128に組み込まれた音響センサ、又はその他のもののうちの任意の1つ又は組み合わせであり得る。スチームポップ発生は、音響センサからの信号を使用して506において検出され得る。次に、アブレーション手続は、検出の結果として508において調節され得る。
【0050】
本明細書の記述は、特定の代表的な実施形態である。ただし、提示された実施形態に関わる当業者には、本開示の原理が他の適用に対して適切に改変することにより容易に拡張可能であることが理解されよう。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) オペレータが患者の組織の一部分をアブレーションするための方法であって、
電極を有するアブレーションカテーテルを前記患者に挿入することと、
前記カテーテルを電力を前記電極まで送達することができるシステムコントローラに接続することと、
組織をアブレーションするために電力を前記電極まで送達することと、
音響センサから信号を取得することと、
スチームポップの発生を前記音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいて検出することと、
前記アブレーションを前記スチームポップ検出に応答して調節することと、
を含む、方法。
(2) 前記アブレーションを調節することは、前記電極までの電力の送達を停止することと、前記電極まで送達された前記電力を減衰させることと、前記電極の接触力を低減することと、洗浄流体の送達を変更することと、のうちの1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記電力を減衰させることは、前記音響センサ信号から決定された特性に少なくとも部分的に基づいている、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記音響センサから前記信号を取得することは、前記音響センサを前記患者に隣接して配置することと、前記音響センサを前記患者と接触して配置することと、前記音響センサを前記患者の体内に配置することと、複数の音響センサを配備することと、のうちの1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記音響センサは、前記アブレーションカテーテルによって搬送される、実施態様4に記載の方法。
【0052】
(6) 前記音響センサから前記信号を取得することが、スチームポップの識別を容易にするために、前記信号を処理することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記システムコントローラは、前記音響センサ信号を受け取るように構成された音響モジュールを含み、スチームポップを前記音響モジュールを用いて前記音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいて識別することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記音響モジュールは、付加的なセンサから情報を受け取るように更に構成されており、前記スチームポップは、前記付加的なセンサからの前記情報に少なくとも部分的に基づいて識別される、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記スチームポップは、前記付加的なセンサによって測定されたインピーダンスの変化と、前記付加的なセンサによって測定された温度の変化と、のうちの1つに少なくとも部分的に基づいて識別される、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、前記オペレータに警告することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
【0053】
(11) 前記音響モジュールによって使用される識別基準を調節することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(12) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、前記電極までの電力の送達を自動的に調節することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(13) 前記電力の送達は、前記スチームポップの測定された特性に少なくとも部分的に基づいて調節される、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、前記電極までの電力の送達を自動的に停止することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(15) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、洗浄流体の送達を自動的に調節することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
【0054】
(16) 細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端に取り付けられた電極であって、前記電極は組織をアブレーションするためにエネルギーを送達するように構成されている、電極と、
スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、
を含むカテーテル。
(17) 前記細長い本体の遠位端に取り付けられた温度センサを更に含む、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 患者に挿入されるように構成された電極を有するアブレーションカテーテルと、
前記電極まで電力を送達することができるシステムコントローラと、
スチームポップの発生を検出するために用いられ得る信号を出力するように構成された音響センサと、
を備えるアブレーションシステム。
(19) 洗浄流体の送達を変更するように構成されたアブレーションモジュールを更に備える、実施態様18に記載のシステム。
(20) スチームポップを前記音響センサ信号に少なくとも部分的に基づいて識別するように構成された音響モジュールを更に備える、実施態様18に記載のシステム。
【0055】
(21) 付加的なセンサを更に備え、前記音響モジュールは、前記付加的なセンサから情報を受け取り、前記付加的なセンサからの前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記スチームポップを識別するように更に構成されている、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記付加的なセンサは、インピーダンスを測定する、実施態様21に記載のシステム。
(23) 前記付加的なセンサは、温度を測定する、実施態様21に記載のシステム。
(24) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、オペレータに警告するように構成された指示器を更に備える、実施態様20に記載のシステム。
(25) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、前記電極までの電力の送達を自動的に調節するように構成されたアブレーションモジュールを更に備える、実施態様20に記載のシステム。
【0056】
(26) 前記音響モジュールがスチームポップを識別すると、洗浄流体の送達を自動的に変更するように構成されたアブレーションモジュールを更に備える、実施態様20に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5