(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係る医用画像診断装置、医用画像処理装置および画像表示プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0010】
なお、本実施形態では、医用画像処理装置に撮影部を備えた医用画像診断装置を用いて第1の実施形態および第2の実施形態を説明することにするが、特許請求の範囲に記載された医用画像診断装置は、撮影部を有さない医用画像処理装置であっても、本実施形態を実現することができる。
【0011】
図1は、本実施形態の医用画像診断装置200の構成を示す図である。
【0012】
本実施形態に係る医用画像診断装置200は、撮影部170と医用画像処理装置100とを備えている。
【0013】
撮影部170は、被検体を撮影して医用画像を収集する。撮影部170は、被検体を撮影して医用画像を収集する機能(撮影機能)を有していれば良く、モダリティの種類を問わない。撮影部170は、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、或いは、超音波診断装置の医用画像収集部であっても良い。撮影部170は、撮影した医用画像を記憶回路150に記憶させる。
【0014】
医用画像処理装置100は、処理回路110、部分人体モデルデータベース120、入力回路130、ディスプレイ140、記憶回路150、ネットワークインターフェース160および内部バス180を備えている。
【0015】
処理回路110は、プログラムをメモリ(記憶回路150)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。具体的には、処理回路110(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、取得機能112、選択機能114、表示制御機能116及び画像処理機能118を実現する。
【0016】
ここで、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路を意味する。
【0017】
プロセッサは、メモリに保存された、もしくはプロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、実行することで各機能を実現する。プロセッサが複数設けられ場合、プログラムを記憶するメモリは、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは、
図1の記憶回路150が各プロセッサの機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。
【0018】
部分人体モデルデータベース120は、例えば、人体の各部位に対応した複数の部分人体モデルを記憶するように構成されている。部分人体モデルデータベース120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む記憶装置によってデータベースとして構成される。
【0019】
ここで、人体の部位とは、例えば、頭部、胸部、腹部、或いは脚部といった、人体の部分領域のことである。この場合、部分人体モデルデータベース120は、部分人体モデルとして、例えば、頭部、胸部、腹部、或いは脚部などの部位人体モデルを備える。これらの部位人体モデルは、頭部、胸部、腹部、或いは脚部の形状を模式的に示すモデルであり、各部位の形状を詳細に示す必要はない。なお、例えば、腹部であっても、男性や女性の種別、あるいは大人や子供の種別などに応じた、複数の部位人体モデルを備えてもよい。
【0020】
この他、人体の部位は、例えば、心臓、冠動脈、腎臓、胃腸などの臓器に対応する部位であってもよい。この場合、部分人体モデルデータベース120は、部分人体モデルとして、上記の部位人体モデルに加え、心臓、冠動脈、腎臓、胃腸などの形状を模式的に示す臓器人体モデルも備えている。
【0021】
また、部分人体モデルのそれぞれは、被検体の撮影部位の3次元画像と重畳表示することのできるように、3次元データとして構成されている。
【0022】
なお、本実施形態では、部分人体モデルデータベース120は医用画像処理装置100に設けられるようになっているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、部分人体モデルデータベース120は、外部の画像サーバや画像管理装置等に設けられ、ネットワークインターフェース160を介して、外部の装置から部分人体モデルを選択するようにしてもよい。
【0023】
処理回路110の取得機能112は、収集した医用画像に対応する部位の情報を取得する機能のことである。なお、医用画像は、例えば、撮影部位を3次元的に表示可能なボリュームデータによって構成される。処理回路110は、例えば、医用画像の付帯情報に基づいて、被検体の撮影部位の情報を取得する。取得機能112の詳細は後述する。
【0024】
医用画像の付帯情報の一例としては、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)という医用画像システムの標準規格において、検査部位を示す(0018,0015)というDICOMタグが知られている。このDICOMタグには医用画像に関する検査部位情報を記載しておくことができる。処理回路110は、このDICOMタグから、例えば、ABDOMEN(腹部)やHEAD(頭部)などが記載された検査部位情報を取得する。また、(0018,0015)のDICOMタグは、記述される内容に制限はなく、例えば、撮影時において検査部位を示す部位情報を自由に記述することができる。
【0025】
なお、DICOMタグには、検査記述を示す(0018,1030)というタグもあり、このDICOMタグに検査部位情報を記載して、このDICOMタグから取得してもよい。(0018,1030)のDICOMタグは、(0018,0015)のDICOMタグと同様に自由に記述をすることができ、さらに文字制限がないという特徴があり、より多くの検査に関する情報を記載することができる。これらのDICOMタグは、例えば、人体における領域が部位レベルで入力されており、医用画像の付帯情報として画像とともに記憶回路150に記憶されている。なお、人体の部位レベルとは、頭部、胸部、腹部、下肢などが該当する。
【0026】
処理回路110の選択機能114は、取得した部位の情報に基づいて、複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの部分人体モデルを選択する機能のことである。処理回路110は、例えば、撮影された撮影部位の情報に基づいて、複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの部分人体モデルを選択する。
【0027】
処理回路110は、例えば、DICOMタグから「ABDOMEN」(腹部)という部位の情報を取得した場合、部分人体モデルデータベース120に格納された複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの腹部を示す部分人体モデルを選択する。また、腹部は体内において広範囲に亘るため、部分人体モデルの腹部のみに限定せず、例えば、CHESTを示す胸部の部分人体モデルも同時に選択するようにしてもよい。
【0028】
処理回路110の表示制御機能116は、選択した部分人体モデルと、医用画像とを、ディスプレイ140に表示させる機能のことである。表示制御機能は、例えば、部分人体モデルと医用画像との位置合わせを行って、ディスプレイ140に部分人体モデルを表示する、表示制御機能を担っている。また、表示制御機能116は、医用画像の回転表示に伴って、選択した部分人体モデルも回転表示させる機能も備えている。
【0029】
処理回路110の画像処理機能118は、操作者が入力回路130を操作して、部分人体モデルの画像や、医用画像に対して処理を行う機能のことである。画像処理機能118は、任意の構成要素であり、例えば、医用画像や部分人体モデルの拡大、縮小をはじめ、表示制御機能116とも協業して、重畳表示や強調表示などを実行する。
【0030】
なお、本実施形態における撮影部170、取得機能112、選択機能114、表示制御機能116及び画像処理機能118は、特許請求の範囲における撮影部、部位情報取得部、選択部、表示制御部及び画像処理部の一例である。
【0031】
入力回路130は、医師や検査技師などの操作者によって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路130に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路130から処理回路110に送られる。また、入力回路130は、撮影部170により被検体を撮影するための信号も入力することができるようになっている。
【0032】
ディスプレイ140は、被検体を撮影した撮影部位の医用画像を表示する機能を備える表示装置である。ディスプレイ140は、図示しない画像合成回路、VRAM(Video Random Access Memory)、及び画面等を含んでいる。画像合成回路は、画像データに種々のパラメータの文字データ等を合成した合成データを生成する。VRAMは、合成データをディスプレイに展開する。ディスプレイ140は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成され、部分人体モデルデータベース120に格納された部分人体モデルや、記憶回路150に記憶された医用画像などを表示することができる。
【0033】
記憶回路150は、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路150は、IPL(Initial Program Loading)、BIOS(Basic Input/Output System)及びデータを記憶したり、処理回路110のワークメモリとして使用されたり、または、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、医用画像処理装置100にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、医師や検査技師などの操作者に対するディスプレイ140への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路130によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
【0034】
ネットワークインターフェース160は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、医用画像処理装置100を、図示しないネットワークに接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、本実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。具体的には、ネットワークインターフェース160は、カード型の拡張装置や医用画像処理装置100の筐体背面の拡張スロット、USBポートに差し込むネットワークアダプタなどが該当する。
【0035】
内部バス180は、処理回路110によって医用画像処理装置100が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。内部バス180は、例えば、医用画像処理装置100内で、データや信号を伝達するための回路や通路により構成される。
【0036】
ここで、従来の問題点を明確にするために、従来の疑似人体モデルである、全身を示した人体モデルをディスプレイ140に表示させた場合の表示画面例について、説明する。
【0037】
図13は、従来の医用画像診断装置が、医用画像M1と、全身を示す人体モデルM2とをディスプレイ140Aに表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0038】
図13に示すように、従来の医用画像診断装置では、ディスプレイ140Aに、医用画像M1を含む、被検体の体内を示す体内画像P1と、全身を示す人体モデルM2の全身画像P2とを同時に表示させている。体内画像P1と全身画像P2は同期しており、操作者が医用画像M1を回転させると、人体モデルM2も同時に回転する。なお、医用画像M1は、一例として腎臓を示している。
【0039】
図14は、従来の医用画像診断装置において、医用画像M1の回転に応じて、人体モデルM2も回転することを示す表示画面の一例を示す説明図である。
【0040】
図14(a)は、ディスプレイ140Aにおいて、腎臓を示す医用画像M1を紙面に対して右側に回転させた場合を示している。この場合、体内画像P3は、体内画像P1よりも医用画像M1が右側に回転していることを示すとともに、全身画像P4は、全身画像P2よりも、人体モデルM2が右側に回転していることを示している。なお、一例として、体内画像P3は、体内画像P1の中心を起点として、入力回路であるマウスによって回転させた画像となっている。
【0041】
また、
図14(b)は、ディスプレイ140Aにおいて、腎臓を示す医用画像M1を紙面に対して左側に回転させた場合を示している。この場合、体内画像P5は、体内画像P1よりも医用画像M1が左側に回転していることを示すとともに、全身画像P6は、全身画像P2よりも、人体モデルM2が左側に回転していることを示している。なお、
図14(a)と同様に、体内画像P5は、体内画像P1の中心を起点として、入力回路であるマウスによって回転させた画像となっている。
【0042】
このように、
図14では、
図14(a)および
図14(b)とも、医用画像M1を回転させることにより人体モデルM2を回転表示させ、操作者に対し、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を、補助することができることを示している。例えば、この場合、操作者がディスプレイ140Aの医用画像M1を見ている方向を視線方向とすると、人体モデルM2を回転させることにより、客観的な観察方向を全身画像P2、P6により認識することができる。なお、医用画像M1の回転に伴い、人体モデルM2を回転させることを回転表示ともいう。
【0043】
しかしながら、従来の医用画像診断装置では、人体モデルM2を回転させた場合でも、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を、補助することができない場合も生じ得る。
【0044】
図15は、従来の医用画像診断装置が、医用画像M1を回転させるとともに人体モデルM2も回転表示させたところ、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を、補助することができないことを示した表示画面の一例を示す説明図である。
【0045】
図15では、ディスプレイ140Aにおいて、例えば、被検体の足裏側から頭部側方向に向けて腎臓を示す医用画像M1を観察する場合、全身画像P8には人体モデルM2の足の裏が表示されてしまうことを示している。体内画像P7は、被検体の足裏側から頭部側方向に向けて医用画像M1を回転させた場合を示しているが、全身画像P8は、全身の人体モデルM2の足裏側がディスプレイ140Aの前面側に回転表示されてしまうことを示している。
【0046】
このような場合、人体モデルM2の足の裏の領域が、全身画像P8の領域のかなりの部分を占めることになり、足の裏が邪魔となり、操作者に対し、視線方向や観察方向の直観的な理解を補助しているとは言い難い。
【0047】
そこで、本実施形態では、撮影した医用画像に対応する部位の情報を取得して、その部位の情報に基づいて、複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの部分人体モデルを選択し、選択した部分人体モデルと、医用画像とを、ディスプレイ140に表示させる。
【0048】
(第1の実施形態)
次に、本実施形態に係る医用画像診断装置200の詳細な動作について、
図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0049】
(画像表示処理)
図2は、本実施形態の医用画像診断装置200が、医用画像に対応する部分人体モデルを複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つを選択し、その選択した部分人体モデルをディスプレイ140に表示させる画像表示処理の動作を示すフローチャートである。なお、
図2において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
【0050】
図2に示すように、まず、本実施形態に係る医用画像診断装置200の処理回路110は、操作者が入力回路130を操作することによって、撮影部170が被検体を撮影し、被検体の医用画像を収集する(ステップS001)。なお、撮影された医用画像は、記憶回路150に記憶される。ステップS001は、撮影部170の機能に対応する処理である。
【0051】
次に、処理回路110は、被検体を撮影した医用画像に対応する部位の情報を取得する(ステップS003)。処理回路110は、例えば、医用画像の付帯情報に基づいて、部位の情報を取得することができる。ステップS003は、取得機能112に対応する処理である。処理回路110は、例えば、DICOMタグから部位の情報を取得する。
【0052】
次に、処理回路110は、取得した部位の情報に基づいて、複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの部分人体モデルを選択する(ステップS005)。ステップS005は、選択機能114に対応する処理である。
【0053】
処理回路110は、例えば、DICOMタグから「ABDOMEN」(腹部)という部位の情報を取得した場合、部分人体モデルデータベース120に格納された複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの腹部を示す部分人体モデルを選択する。また、腹部は体内において広範囲に亘るため、部分人体モデルの腹部のみに限定せず、例えば、CHESTを示す胸部の部分人体モデルも同時に選択することもできる。
【0054】
そして、処理回路110は、部分人体モデルデータベース120から選択した部分人体モデルと、医用画像とを、ディスプレイ140に表示させる(ステップS007)。処理回路110は、例えば、部分人体モデルデータベース120から選択した、腹胸部を示す部分人体モデルと、腹部の医用画像を表示する。
【0055】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に、腹胸部を示す部分人体モデルSM1と、腎臓を示す医用画像M1とを表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0056】
図3に示すように、医用画像診断装置200は、ディスプレイ140に、医用画像M1を表示する体内画像PT1と、腹胸部を示す部分人体モデルSM1の画像SG(SG1またはSG2など)とを表示させるようになっている。なお、医用画像M1は、
図13で示した腎臓を示す医用画像と同一とする。
【0057】
図3(a)では、画像SG1において、腹胸部を示す部分人体モデルSM1のみを表示しているが、
図3(b)では、画像SG2において、部分人体モデルSM1における被検体の対応する位置に、医用画像M1を重畳表示させている。この場合、医用画像M1は、部分人体モデルSM1において、患者座標系による位置合わせがなされて表示される。なお、
図3(a)と
図3(b)の体内画像PT1は、同一の画像である。
【0058】
図4は、本実施形態に係る患者座標系について説明する図である。
図4に示すように、患者座標系は、患者の左右方向をX軸、患者の背腹側方向をY軸(軸方向により図示)、患者の頭足方向をZ軸とする座標系である。X軸は患者の中心から右方向を、Y軸は患者の中心から背側方向を正として増加し、Z軸は患者の足部から頭部の方向に増加する。このような患者座標系は、ボリュームデータが有する基準位置など、任意の位置により相対的に表される。
【0059】
図3(b)の画像SG2では、このような患者座標系を適用して、部分人体モデルSM1における被検体の対応する位置に、体内画像PT1の医用画像M1を割り当てて、視線方向や観察方向を合わせることができる。
【0060】
このように、本実施形態では、医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に腹胸部を示す部分人体モデルSM1と医用画像M1とを表示させることができるので(ステップS007)、例えば、腎臓のような3次元医用画像を観察する際に、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。
【0061】
また、処理回路110は、表示制御機能116と画像処理機能118とを備えているので、例えば、
図3(a)において、操作者が体内画像PT1の医用画像M1を回転表示させたとき、その医用画像M1の回転表示に伴って、腹胸部を示す部分人体モデルSM1も回転表示させることができる。なお、この回転表示は、表示制御機能116単独で行ってもよく、また、表示制御機能116と画像処理機能118とが協業し、画像処理を施しながら部分人体モデルSM1を回転表示させてもよい。
【0062】
図5は、本実施形態に係る医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に、医用画像M1の回転表示に伴って、部分人体モデルSM1を回転表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0063】
図5に示すように、医用画像診断装置200は、ディスプレイ140の体内画像PT1において、医用画像M1を回転表示させたときの画像を表示させるとともに、画像SG1において、部分人体モデルSM1も回転表示させたときの画像を表示させることができる。
【0064】
本実施形態では、部分人体モデルSM1を表示させることにより、操作者に対し、視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することが可能な画面表示を提供することが可能である。また、
図3(b)の画像SG2に対し、例えば、部分人体モデルSM1について、医用画像M1の外形が容易に分かる大きさまで拡大し、この部分人体モデルSM1の拡大に伴って、医用画像M1を拡大させて重畳表示させるようにしてもよい。
【0065】
図6は、
図3(b)の画像SG2に表示された部分人体モデルSM1と医用画像M1を拡大して、ディスプレイ140に表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。なお、部分人体モデルSM1と医用画像M1は、それぞれ拡大して表示されるため、処理回路110は、画像処理機能118により、ディスプレイ140に表示させる表示サイズを所定のサイズに変更する。
【0066】
図6に示すように、処理回路110は、画像処理機能118により、例えば、画像SG3において、腹胸部の部分人体モデルSM1の全体を表示するように拡大表示するとともに、医用画像M1も部分人体モデルSM1と等倍にて拡大表示する。これにより、処理回路110は、腎臓を示す医用画像M1を部分人体モデルSM1に重畳させ、その医用画像M1を強調させるように、ディスプレイ140に表示させることができる。例えば、重畳表示された医用画像M1を、部分人体モデルSM1よりも濃い色で表示したり、あるいは、部分人体モデルSM1に透過性を付与することにより、医用画像M1を強調させることができる。
【0067】
また、
図7は、本実施形態に係る医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に、拡大表示した医用画像M1を回転表示させるとともに、拡大した部分人体モデルSM1も回転表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0068】
図7に示すように、医用画像診断装置200は、ディスプレイ140の画像SG3において、
図6において示した拡大した部分人体モデルSM1と、等倍による拡大表示した医用画像M1とを回転表示させることができる。なお、処理回路110は、部分人体モデルSM1と医用画像M1との同期が取れているため、例えば、部分人体モデルSM1か医用画像M1のいずれか一方を回転表示させることにより、他方の医用画像M1か部分人体モデルSM1も同時に回転表示させることができる。
【0069】
以上一連の処理を行うことにより、医用画像
診断装置200は、3次元医用画像を観察する際、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る医用画像診断装置200は、撮影部170により被検体を撮影して医用画像を収集して、その医用画像に対応する部位の情報を取得する。医用画像診断装置200は、取得した部位の情報に基づいて、複数の部分人体モデルの中から少なくとも1つの部分人体モデルを選択して、選択した部分人体モデルと、医用画像とを、ディスプレイ140に表示させる。
【0071】
これにより、本実施形態に係る医用画像診断装置200によれば、処理回路110は、少なくとも1つの部分人体モデルと、医用画像とを、ディスプレイ140に表示させることができるので、操作者が3次元医用画像を観察する際、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。
【0072】
また、本実施形態では、腎臓を示す医用画像M1を用いて、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を説明したが、医用画像M1は腎臓を示す画像に限定されるものではない。本実施形態は、他の部位や臓器であっても適用することができ、例えば、被検体の脳を、被検体の足裏側から頭部側方向に観察した場合であっても適用できる。この場合、DICOMタグには、例えば、BRAIN(脳)と記載されている。
【0073】
図8は、本実施形態に係る医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に、頭部を示す部分人体モデルSM2と、脳を示す医用画像M2とを表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0074】
図8に示すように、医用画像診断装置200は、ディスプレイ140に、脳を示す医用画像M2を表示する体内画像PT(PT2またはPT3)と、頭部を示す部分人体モデルSM2の画像SG4とを表示するようになっている。なお、医用画像M2は、脳を足裏側から頭部側方向に見た画像であって、医用画像M3は視交叉とする。
【0075】
図8(a)および
図8(b)は、ディスプレイ140の画像SG4において頭部を示す部分人体モデルSM2のみを表示している。また、
図8(a)の体内画像PT2は、医用画像M3を含む医用画像M2のみを表示している。
【0076】
一方、
図8(b)の体内画像PT3は、
図8(b)の画像SG4の頭部を示す部分人体モデルSM2を拡大し、
図8(a)の医用画像M3を含む医用画像M2に重畳表示させるようになっている。なお、この場合も
図6と同様に、医用画像M2は、部分人体モデルSM2において、患者座標系による位置合わせがなされている。
【0077】
処理回路110は、例えば、脳内の視交叉を示す医用画像M3を関心領域(Region Of Interest)として設定し、この医用画像M3を見やすい位置に医用画像M2を回転させるとともに、部分人体モデルSM2を回転表示させる。
【0078】
このように、処理回路110は、体内画像PT3に表示される医用画像M2の表示サイズを、体内画像PT2に表示される医用画像M2と同一の表示サイズに設定し、画像SG4の部分人体モデルSM2のみ表示サイズを拡大して、医用画像M2に重畳表示させる。
【0079】
これにより、本実施形態に係る医用画像診断装置200の処理回路110は、ディスプレイ140に頭部を示す部分人体モデルSM2を表示させた場合でも、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。なお、医用画像M3は、ROIとして設定する概念を想起するため、視交叉をROIに設定することにしたが、これに限定されるものではない。医用画像M3に相当する部位は、例えば、血管や瘤であってもよい。
【0080】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の処理回路110は、DICOMタグから、撮影された医用画像に対応する部位の情報を取得するものとして説明した。第2の実施形態では、例えば、撮影部170によって撮影された医用画像から、処理回路110が撮影範囲を示す解剖学的特徴を抽出し、その解剖学的特徴に基づいて、部位の情報を取得する場合について説明する。
【0081】
第2の実施形態では、例えば、処理回路110の取得機能112が、解剖学的位置を抽出し、その医用画像から撮影された部位を特定するとともに、特定されたその部位の部分人体モデルを表示させる場合について説明する。なお、以下の例では、例えば、医用画像から、肺部や心臓を撮影したものと特定する例により説明する。
【0082】
図9は、本実施形態に係る処理回路110の取得機能112が、撮影部170によって撮影された医用画像から、解剖学的位置を抽出する概念を示した説明図である。
【0083】
図9に示すように、黒丸で示した解剖学的位置AL1、AL2、AL3、AL4、LA5、AL6、AL7が、撮影された医用画像から検出されたことが示されている。
【0084】
処理回路110は、例えば、解剖学的特徴を検出するモデルを使用し、パターン認識やマッチングによって、医用画像から解剖学的特徴を抽出するとともに、その位置を特定する。なお、処理回路110は、解剖学的位置を計算解剖学と呼ばれる数理統計的枠組み(計算解剖モデル)により検出することもできる。
【0085】
そして、処理回路110は、解剖学的特徴とその位置から、該当する解剖学的特徴が含まれる人体の部位を特定する。この結果、医用画像が、人体のどの部位を撮影したものであるかを特定することができる。例えば、医用画像から抽出した解剖学的特徴に、右肺尖部及び左肺尖部のような解剖学的特徴が含まれる場合は、その医用画像の撮影部位は「胸部」である、と特定する。或いは、医用画像から抽出した解剖学的特徴に、右腎上極、左腎上極、右腎下極、左腎下極のような解剖学的特徴が含まれる場合は、その医用画像は「腹部」を撮影したものである、と特定する。
【0086】
次に、第2の実施形態の処理回路110の処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0087】
図10は、本実施形態に係る医用画像診断装置200が撮影範囲を示す解剖学的特徴を抽出し、その解剖学的特徴に基づいて、部分人体モデルをディスプレイ140に表示させる処理の動作を示すフローチャートである。
【0088】
図10のフローチャートが
図2のフローチャートと異なる点は、
図2に示したステップS003の処理の代わりに、ステップS101の処理が実行される点である。他の処理は
図2のフローチャートと同一であるため、ステップS101の処理について、説明する。
【0089】
処理回路110は、被検体を撮影した医用画像から、撮影範囲を示す解剖学的特徴を抽出し、その解剖学的特徴に基づいて、部位の情報を取得する(ステップS101)。処理回路110は、例えば、撮影部170によって撮影された医用画像から、解剖学的特徴を抽出する処理を実行する。
【0090】
第2の実施形態に係る処理回路110の取得機能112は、例えば、医用画像から抽出した解剖学的特徴が、右冠動脈(RCA:Right Coronary Artery)、左冠動脈回旋枝(LCX:Left Circumflex Coronary)、左冠動脈前下行枝等である場合、その医用画像は、心臓を撮影したものである、と特定する。
【0091】
図11は、第2の実施形態に係る医用画像診断装置200が、ディスプレイ140に、撮影された医用画像から抽出した右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADと、心臓を示す部分人体モデルSM3とを、表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0092】
図11に示すように、医用画像診断装置200は、ディスプレイ140に、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADを表示する体内画像PT(PT4またはPT5)と、心臓を示す部分人体モデルSM3の画像SG5とを、表示させるようになっている。
【0093】
第2の実施形態では、処理回路110は、解剖学的特徴に基づいて部位の情報を抽出することができるので、例えば、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADに対応する解剖学的を抽出した場合には、部位の情報として、「心臓」を取得する。その結果、心臓を示す部分人体モデルSM(SM3またはSM4)を表示させることができる。
【0094】
図11(a)および
図11(b)では、ディスプレイ140の画像SG5において、心臓を示す部分人体モデルSM3が表示されている。また、
図11(a)の体内画像PT4では、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADが、被検体の撮影部位の画像として表示されている。
【0095】
一方、
図11(b)の体内画像PT5では、画像SG5の心臓を示す部分人体モデルSM3を拡大した部分人体モデルSM4を表示させるとともに、
図11(a)の体内画像PT4に示した右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADが、重畳表示されている。
【0096】
このように、第2の実施形態では、処理回路110は、解剖学的特徴に基づいて、撮影された臓器や部位に関連する部分人体モデルをディスプレイ140に表示させることができるので、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。なお、体内画像PT5では、部分人体モデルSM4において、患者座標系による位置合わせが行われているものとする。
【0097】
また、部分人体モデルSM4は、操作者からの視線方向や観察方向によっては、心臓の右側か左側かの判断が即座にしにくいことも想定されるため、例えば、構造上の特徴により、右側と左側で異なる点を強調表示するようにしてもよい。
【0098】
さらに、医用画像診断装置200の処理回路110が、複数の部分人体モデルの中から、異なる部位を示す2つ以上の部分人体モデルを選択し、その2つ以上の部分人体モデルに医用画像を重畳させ、その画像を表示させるようにしてもよい。
【0099】
図12は、体内画像PT5に表示された部分人体モデルSM4と、腹胸部を示す部分人体モデルSM1に、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADを、重畳表示させた場合の表示画面例を示す説明図である。
【0100】
図12に示すように、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADは、体内画像PT4の医用画像であり、腹胸部を示す部分人体モデルSM1と、心臓を示す部分人体モデルSM4とに重畳表示させることにより、より一層操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。
【0101】
また、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADは、体内画像PT4の医用画像に限定されるものではなく、右冠動脈RCA、左冠動脈回旋枝LCXおよび左冠動脈前下行枝LADについても部分人体モデルを適用し、ディスプレイ140に重畳表示させるようにしてもよい。
【0102】
なお、上記のように、処理回路110は、解剖学的特徴を利用した場合であっても、解剖学的位置を利用して、心臓のような臓器だけでなく胸部や腹部など関連する部分人体モデルを選択することもできる。
【0103】
また、第2の実施形態は、撮影範囲を示す解剖学的特徴を抽出して、その解剖学的特徴に基づいて、部位の情報を取得するようになっていたが、この解剖学的特徴を抽出するタイミングは、本実施形態に限定されるものではない。
【0104】
(その他の実施形態)
医用画像の撮影対象部位を特定する方法は、上述したDICOM情報から取得する方法(第1の実施形態)や、解剖学的特徴から取得する方法(第2の実施形態)に限定されない。
【0105】
例えば、操作者が、撮影された医用画像に基づいて診断する場合、医用画像診断装置200に設けられているアプリケーションを起動した際にそのアプリケーションに関連づけられた臓器の種類や撮影範囲に基づいて、診断対象部位を特定することもできる。この場合、診断対象部位に対応する部分人体モデルを、部分人体モデルデータベース120から読み出し、読み出した部分人体モデルをディスプレイ140に、診断対象画像と共に表示させることができる。
【0106】
また、操作者が、CT装置で撮影された医用画像に基づいて診断する際に、ウィンドウ機能の設定値によって、診断対象部位を特定可能な場合がある。ここで、例えば、WL/WWは、ウィンドウ機能のウィンドウ設定を示しており、WWでは、ウィンドウ幅(Window Width)を示すとともに、WLでは、ウィンドウレベル(Window Level)を示している。WWやWLの設定値は、診断対象部位によって異なるため、WWやWLの設定値から、診断対象部位を推定することも可能である。そこで、推定した診断対象部位に対応する部分人体モデルを、部分人体モデルデータベース120から読み出し、読み出した部分人体モデルをディスプレイ140に、診断対象画像と共に表示させることができる。
【0107】
医用画像診断装置200は、例えば、WLを50に設定して、WWを100に設定した場合、CT値50を中心として、幅100の範囲、すなわち、CT値0から100の範囲の解剖学的位置や解剖学的特徴を抽出して、その部位の領域や臓器を特定することもできる。
【0108】
また、撮影部170を用いて被検体を撮影するためのスキャンパラメータにより、医用画像診断装置200の処理回路110が、部位の情報を取得するようにしてもよい。スキャンパラメータと撮影対象部位とは、互いに関連付けられていることが多いからである。
【0109】
なお、医用画像診断装置200は、処理回路110の画像処理機能118により、画像や部分人体モデルを拡大、縮小する処理を行った場合に、複数の部分人体モデルの中から、部分人体モデルを再度選択したり、表示画面を切り替える際に、部分人体モデルを変更するようにしてもよい。
【0110】
さらに、上述した各実施形態では、3次元医用画像を観察する場合について説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、3次元医用画像にさらに経時的変化を加味した連続撮影(所謂、4D撮影)が可能な医用画像診断装置において、3次元医用画像の動きに追従させ、部分人体モデルも動くようにさせてもよい。
【0111】
また、医用画像診断装置200は、医用画像も部分人体モデルに置き換えて、その置き換えた部分人体モデルを強調表示させるようにしてもよい。例えば、患者が年少者や年配者などの場合には、医用画像の部位や視線方向を説明することが困難なことも想定される。このような場合において、医用画像さえも部分人体モデルに置き換えて、その置き換えた部分人体モデルを強調表示させながら、医師が患者に説明することにより、医用画像の部位を容易に認識することができ、また、視線方向や観察方向も容易に認識することができる。
【0112】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、3次元医用画像を観察する際、操作者の視線方向や観察方向の直観的な理解を補助することができる。
【0113】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。