特許第6797560号(P6797560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797560
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】センサ、通信方法及び通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20201130BHJP
   H04L 29/06 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301C
   H04L13/00 305C
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-105339(P2016-105339)
(22)【出願日】2016年5月26日
(65)【公開番号】特開2017-212641(P2017-212641A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎原 孝明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 禎敏
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/157573(WO,A1)
【文献】 特開2015−043189(JP,A)
【文献】 特開2015−222641(JP,A)
【文献】 特開2009−135810(JP,A)
【文献】 特表2016−509738(JP,A)
【文献】 特開2011−154835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00− 9/16
H04W 4/00−99/00
H04L 12/28−12/46
H04L 13/00−13/18
F24F 11/00−11/89
H05B 37/00−39/10
G08C 13/00−25/04
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した結果を表す画像を生成する撮像部と、
前記画像における画像特徴量に基づいて前記画像における物体を認識し、当該認識に係るセンシング情報を出力する画像認識部とを有する基本構成部と
所定周期で又は前記物体を認識した結果に基づいて、複数の種類の機器との間で相互に異なる通信プロトコルにより通信を行う複数の通信部を有する拡張構成部とを具備し、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記画像認識部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
センサ。
【請求項2】
前記物体を認識した結果及び前記機器と通信した結果の少なくとも一方に基づいて、前記機器を制御するための情報を生成する機器制御部
を更に備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記通信部は、産業用の通信プロトコルに基づいて通信を実行し、
前記機器制御部は、前記機器との通信における接続制御及び冗長制御の少なくとも一方を実行する、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記通信部は、フルメッシュ型無線ネットワークにおける前記機器と通信し、
前記機器制御部は、前記機器との通信における接続制御及び冗長制御の少なくとも一方を実行する、請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記通信部は、前記機器を含む無線ネットワークの親機として前記機器と無線通信する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項6】
前記機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する通信制御部
を更に備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記機器の通信に割り当てられた通信優先度に基づいて、前記機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記画像における物体を認識するための補助情報を生成する認識補助部
を更に備える、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項9】
ンシングするセンサと、
ンシングした結果を表すセンシング情報を出力するセンサ処理部とを有する基本構成部と
前記センシング情報に基づいて機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する通信制御部と、
前記接続処理及び前記調停処理に応じて、複数の種類の機器との間で相互に異なる通信プロトコルにより通信を行う複数の通信部とを有する拡張構成部とを具備し、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記センサ処理部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
センサ。
【請求項10】
ビルに設置された前記機器を制御するビル設備部
を更に備える、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項11】
センサが実行する通信方法であって、
像した結果を表す画像を生成するステップと、
前記画像における画像特徴量に基づいて前記画像における物体を認識し、当該認識に係るセンシング情報を基本構成部の画像認識部から出力するステップと、
所定周期で又は前記物体を認識した結果に基づいて、複数の種類の機器との間で相互に異なる通信プロトコルにより拡張構成部の複数の通信部が前記複数の種類の機器と通信するステップと
を含み、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記画像認識部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
通信方法。
【請求項12】
センサが実行する通信方法であって、
像した結果を表す画像を生成するステップと、
前記画像における画像特徴量に基づいて前記画像における物体を認識し、当該認識に係るセンシング情報を基本構成部の画像認識部から出力するステップと、
所定周期で又は前記物体を認識した結果に基づいて、複数の種類の機器との間で相互に異なる通信プロトコルにより拡張構成部の複数の通信部が前記複数の種類の機器と通信するステップと、
前記機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行するステップと
を含み、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記画像認識部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
通信方法。
【請求項13】
センサのコンピュータに、
像した結果を表す画像を生成する手順と、
前記画像における画像特徴量に基づいて前記画像における物体を認識し、当該認識に係るセンシング情報を基本構成部の画像認識部から出力する手順と、
所定周期で又は前記物体を認識した結果に基づいて、複数の種類の機器との間で相互に異なる複数の通信プロトコルにより拡張構成部の複数の通信部が前記複数の種類の機器と通信する手順と
を実行させるための通信プログラムであり、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記画像認識部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
通信プログラム。
【請求項14】
センサのコンピュータに、
像した結果を表す画像を生成する手順と、
前記画像における画像特徴量に基づいて前記画像における物体を認識し、当該認識に係るセンシング情報を基本構成部の画像認識部から出力する手順と、
所定周期で又は前記物体を認識した結果に基づいて、複数の種類の機器との間で相互に異なる通信プロトコルにより拡張構成部の複数の通信部が前記複数の種類の機器と通信する手順と、
前記機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する手順と
を実行させるための通信プログラムであり、
前記拡張構成部は、前記基本構成部に対し差し替え可能であると共に、前記拡張構成部が差し替えられた場合に前記画像認識部から前記センシング情報が前記通信部に送信可能となる、
通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、画像センサ及び照明機器などの機器と通信することがある。通信システムは、機器が対応している通信プロトコルを使用して機器と通信する。建物に設置された機器では、機器ごとに通信プロトコルが異なる場合がある。しかしながら、通信システムは、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−7074号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“照明器具個別制御システム T/Flecs(ティーフレックス)”, [online], [平成28年4月5日検索], インターネット<URL: http://www.tlt.co.jp/tlt/products/system/t_flecs.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができるセンサ、通信方法及び通信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のセンサは、撮像部と、画像認識部と、複数の通信部とを持つ。撮像部は、室内を撮像した結果を表す画像を生成する。画像認識部は、画像における画像特徴量に基づいて画像における物体を認識する。複数の通信部は、所定周期で又は物体を認識した結果に基づいて、複数の通信プロトコルを使用して複数の機器と通信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図2】第2実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図3】第3実施形態における、産業用の通信プロトコルを用いた通信システムの構成の例を示す図。
図4】第4実施形態における、フルメッシュ型無線ネットワークを用いた通信システムの構成の例を示す図。
図5】第5実施形態における、無線ネットワークの親機として通信する機器制御装置の通信システムの構成の例を示す図。
図6】第6実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図7】第7実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図8】第9実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図9】第10実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図10】第11実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
図11】第12実施形態における、通信システムの構成の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のセンサ、通信方法及び通信プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、通信システム1aの構成の例を示す図である。通信システム1aは、室内などに設置された機器と通信するためのシステムである。通信システム1aは、機器制御装置2aを備える。通信システム1aは、複数の機器を更に備える。図1では、複数の機器は、一例として、BEMS(Building Energy Management System)30と、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70とである。
【0009】
機器制御装置2a(センサ)は、サーバ装置、パーソナルコンピュータ装置等の情報機器である。機器制御装置2aは、基本構成部10aと、拡張構成部20aとを備える。拡張構成部20aは、複数でもよい。基本構成部10aと拡張構成部20aとのうち一部又は全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。基本構成部10aと拡張構成部20aとのうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0010】
基本構成部10a(共通ボード)は、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10aは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。辞書部121と画像記憶部123とは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記録媒体)を有する。辞書部121と画像記憶部123とは、例えば、RAMやレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。
【0011】
撮像部11は、光学系を備える。光学系は、例えば、魚眼レンズである。撮像部11は、センサとして、例えば、室内を撮像する。撮像部11の撮像方向及び撮像範囲(画角)は、固定でもよい。撮像部11は、一定の時間間隔で室内を撮像してもよい。撮像部11は、撮像部11による撮像結果を表す画像を、画像認識部12に送信する。撮像部11による撮像結果を表す画像の形式は、静止画又は動画である。
【0012】
画像認識部12は、撮像部11による撮像結果を表す画像を、撮像部11から取得する。画像認識部12は、センサとして、撮像部11による撮像結果を表す画像における画像特徴量に基づいて、画像における物体を認識する。認識の対象となる物体は、人でもよい。画像特徴量は、例えば、累積差分などの輝度変化に関する特徴量である。画像特徴量は、例えば、CoHOG(Co-occurrence Histograms of Oriented Gradients)などの輝度分布に関する特徴量でもよい。画像における物体を認識するための処理(認識処理)は、例えば、背景差分処理、フレーム間差分処理、オプティカルフロー処理、テンプレートマッチング処理などである。認識処理は、例えば、ニューラルネットワークによる認識処理、SVM(サポート・ベクタ・マシン)による認識処理、k近傍法(k-nearest neighbor algorithm)による認識処理、ベイズ分類による認識処理などである。
【0013】
拡張構成部20a(拡張ボード)が実行する通信の通信プロトコルは、通信システム1aの管理者などにより拡張構成部20aが差し替えられることによって予め選択される。画像認識部12は、画像における物体を認識した結果に基づいて、拡張構成部20aが実行する通信の通信プロトコルを選択してもよい。画像認識部12は、認識処理の結果に基づくセンシング情報を、選択された通信プロトコルに対応付けられた通信部に送信する。認識処理の結果に基づくセンシング情報は、例えば、画像における人が在室しているか否かを表す情報、画像における人数を表す情報、画像における人の混雑度を表す情報、画像における人の活動量又は明るさを表す情報である。
【0014】
辞書部121は、画像の認識処理に使用される辞書データを記憶する。辞書データは、例えば、人物の外観の特徴量が統合されたデータを含む人物辞書である。辞書データは、例えば、背景の特徴量を統合した背景辞書などの検知に使用されるデータを含む辞書である。辞書データは、例えば、車椅子の外観の特徴量が統合されたデータを含む車椅子辞書である。
【0015】
学習部122は、画像認識部12から取得した画像において教師画像に相当する画像があるか否かを学習する。学習部122は、オフライン学習又はオンライン学習を実行してもよい。画像記憶部123は、画像の認識処理又は学習に使用される画像を記憶する。画像記憶部123は、画像の認識処理又は学習に使用される画像特徴量を記憶する。
【0016】
拡張構成部20a(拡張ボード)は、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。第1通信部21と第2通信部22と第3通信部23と第4通信部24と第5通信部25とは、互いに独立に機器との通信を実行する。
【0017】
第1通信部21と第2通信部22と第3通信部23と第4通信部24と第5通信部25とは、物理的に単体でもよいし、物理的に別体でもよい。通信部は、物理的に単体である場合でも、ポート番号ごとに通信を実行してもよい。
【0018】
以下、第1通信部21と第2通信部22と第3通信部23と第4通信部24と第5通信部25とに共通する事項については、「通信部」と表記する。通信部は、ハードウェア機能部、ソフトウェア機能部又はそれらの組合せである。
【0019】
通信システム1aの管理者は、通信部の通信プロトコルを選択する。通信システム1aの管理者は、通信部の通信プロトコルを選択した結果に基づいて、拡張構成部20a(拡張ボード)を差し替える。通信部の通信プロトコルは、例えば、通信プログラム又は通信回線が実装されているか否かに基づいて選択される。通信部の通信プロトコルは、通信プログラム又は通信回線の設定が有効であるか否かに基づいて選択されてもよい。通信部の通信プロトコルは、機器との通信回線の配線が必要であるか否かに基づいて選択されてもよい。
【0020】
第1通信部21は、BEMS30との間でデータを通信する。BEMS30から送信されるデータは、例えば、パラメータである。第1通信部21は、予め定められたセキュリティシステムとの間でデータを通信してもよい。第1通信部21の通信プロトコルは、一例として、建物の機器用の通信プロトコルである。建物の機器用の通信プロトコルは、例えば、BACnet(Building Automation and Control Network)である。
【0021】
第2通信部22は、画像センサ40との間でデータを通信する。画像センサ40から送信されるデータは、画像センサ40による撮像結果を表す画像である。画像センサ40による撮像結果を表す画像の形式は、静止画又は動画である。第2通信部22の通信プロトコルは、一例として、EtherCAT(登録商標)などの通信プロトコルである。
【0022】
第3通信部23は、保守端末50との間でデータを通信する。保守端末50から送信されるデータは、保守端末50の処理結果を表すデータである。第3通信部23の通信プロトコルは、一例として、2.4GHz帯の無線通信プロトコルである。
【0023】
第4通信部24は、温湿度センサ60との間でデータを通信する。温湿度センサ60から送信されるデータは、温湿度センサ60によるセンシングの結果を表す湿度及び温度データである。第4通信部24の通信プロトコルは、一例として、920MHz帯の無線通信プロトコルである。なお、920MHz帯の無線信号は、他の帯域の無線通信と比較して、回折によって障害物の裏側に回りこみやすい。
【0024】
第5通信部25は、照明機器70との間でデータを通信する。第5通信部25は、調光率を表す指示値を照明機器70に送信する。調光率を表す指示値は、例えば、百分率で表現される。第5通信部25の通信プロトコルは、一例として、照明機器用の通信プロトコルである。照明機器用の通信プロトコルは、例えば、照明器具個別制御システム(T/Flecs)の通信プロトコルである。
【0025】
BEMS30は、サーバ装置等の情報機器である。BEMS30は、建物における機器を制御することによって、建物におけるエネルギーを管理する。BEMS30は、通信システム1aの外部に備えられてもよい。
【0026】
画像センサ40は、光学系を備える。光学系は、例えば、魚眼レンズである。画像センサ40は、例えば、室内を撮像する。画像センサ40は、一定の時間間隔で室内を撮像してもよい。画像センサ40は、画像を第2通信部22に送信する。画像センサ40による撮像結果を表す画像の形式は、静止画又は動画である。
【0027】
保守端末50は、パーソナルコンピュータ装置、タブレット端末等の情報機器である。保守端末50は、第3通信部23を介して機器からデータを取得することによって、建物に設置された機器を保守する。温湿度センサ60は、温湿度センサ60が設置された場所における湿度及び温度を測定する。温湿度センサ60は、湿度及び温度を表す情報を、第4通信部24に送信する。
【0028】
照明機器70は、調光率を表す指示値に基づいて、室内に可視光を照射する。例えば、照明機器70は、調光率が10%である場合、調光率が10%よりも高い場合と比較して暗く発光する。照明機器70は、例えば、LED(light emitting diode)照明機器である。照明機器70は、調光率を表すデータを第5通信部25に送信する。
【0029】
以上のように、第1の実施形態の機器制御装置2a(センサ)は、撮像部11と、画像認識部12と、1以上の通信部を持つ。撮像部11は、室内を撮像した結果を表す画像を生成する。画像認識部12は、画像における画像特徴量に基づいて画像における物体を認識する。通信部は、所定周期で又は物体を認識した結果に基づいて、1以上の通信プロトコルを使用して、BEMS30、画像センサ40、保守端末50、温湿度センサ60及び照明機器70などの1以上の機器と通信する。これによって、第1の実施形態の機器制御装置2aは、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。所定周期は、特定の時間長の周期に限定されず、例えば、1秒周期である。
【0030】
通信システム1aの管理者は、建物に設置する機器の通信プロトコルに応じて、拡張構成部20a(拡張ボード)を差し替えることができる。通信システム1aの管理者は、機器の通信プロトコルごとに機器制御装置2aを建物に設置しなくてもよい。
【0031】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、機器制御装置が機器制御部を備える点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0032】
図2は、通信システム1bの構成の例を示す図である。通信システム1bは、機器制御装置2bと、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70と、セキュリティシステム80とを備える。
【0033】
機器制御装置2bは、基本構成部10bと、拡張構成部20bとを備える。基本構成部10bは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10bは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20bは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。拡張構成部20bは、機器制御部26を更に備える。
【0034】
第1通信部21は、セキュリティシステム80との間でデータを通信する。セキュリティシステム80は、サーバ装置等の情報処理装置である。セキュリティシステム80は、BEMS30でもよい。すなわち、BEMS30は、セキュリティシステム80を備えていてもよい。セキュリティシステム80は、セキュリティシステム80の動作モードが警戒モードであるか否かを表す情報を、第1通信部21を介して機器制御部26に送信する。第5通信部25は、照明機器70から送信されたデータを取得する。照明機器70から送信されたデータは、例えば、調光率を表すデータである。
【0035】
機器制御部26は、画像における物体を画像認識部12が認識した結果に基づいて、拡張構成部20aが実行する通信の通信プロトコルを選択する。機器制御部26は、選択した通信プロトコルに対応付けられた通信部を介して機器を制御する。
【0036】
機器制御部26は、複数の機器を個別に制御する。機器制御部26は、複数の機器を並列に制御してもよい。例えば、機器制御部26は、複数の機器を同時に制御してもよい。機器制御部26は、画像認識部12から取得したセンシング情報に基づいて、機器を制御するための制御信号を生成する。画像認識部12から取得したセンシング情報は、例えば、人が在室しているか否かを表す情報である。機器制御部26は、通信部から取得した情報に基づいて、機器を制御するための制御信号を生成してもよい。通信部から取得した情報は、例えば、セキュリティシステム80の動作モードが警戒モードであるか否かを表す情報である。通信部から取得した情報は、例えば、照明機器70の調光率を表す情報である。
【0037】
機器制御部26は、複数の照明機器70が設置されている場合、グラデーション制御を実行してもよい。グラデーション制御とは、照明機器70ごとに異なる発光量で複数の照明機器70を発光させるための制御である。機器制御部26は、調光率を表す指示値を、第5通信部25を介して照明機器70に送信する。
【0038】
機器制御部26は、人が不在であることを撮像部11のセンシング情報(在不在情報)が示しており、人が在室していることを画像センサ40のデータが示している場合、例えば、照明機器70の調光率を10%(暗く点灯)にしてもよい。
【0039】
機器制御部26は、人が不在であることを撮像部11のセンシング情報が示している場合でも、セキュリティシステム80の動作モードが警戒モードである場合には、例えば、照明機器70の調光率を0%(消灯)にしてもよい。機器制御部26は、建物における消費電力量に応じて、照明機器70の調光率を表す指示値を変更してもよい。
【0040】
以上のように、第2の実施形態の機器制御部26は、物体を認識した結果及び機器と通信した結果の少なくとも一方に基づいて、機器を制御するための情報を生成する。これによって、第2の実施形態の機器制御装置2bは、通信プロトコルが異なる複数の機器を制御することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、通信部の通信プロトコルが産業用の通信プロトコルである点が、第2の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0042】
図3は、産業用の通信プロトコルを用いた通信システム1bの構成の例を示す図である。産業用の通信プロトコルとは、例えば、スキャン伝送方式、オンザフライ方式など用いた通信プロトコルである。産業用の通信プロトコルは、例えば、TCnet、EtherCAT(登録商標)、MODBUS(登録商標)である。機器制御装置2bは、建物の機器用(BEMS用)の通信プロトコルを用いて、機器と通信してもよい。建物の機器用の通信プロトコルとは、例えば、BACnet、LONWORKS(登録商標)である。機器制御装置2bは、照明用の通信プロトコルを用いて、機器と通信してもよい。照明用の通信プロトコルとは、例えば、T/Flecs、MESL(登録商標)、DALI(登録商標)である。
【0043】
機器制御装置2bの機器制御部26は、産業用の通信プロトコルを使用して、機器との通信における接続制御を実行する。接続制御とは、通信の接続及び切断に関する制御である。機器制御装置2bの機器制御部26は、産業用の通信プロトコルを使用して、機器との通信における冗長制御を実行してもよい。冗長制御は、例えば、通信回線の多重化、データの冗長化などの制御である。
【0044】
画像センサ40−1〜40−4などの機器は、機器の増設又は撤去に応じて、機器のネットワークの接続形態を自律的に更新してもよい。機器のネットワークの接続形態(トポロジ)は、例えば、リング型である。リング型ネットワークにおける複数の機器は、回線の冗長性を有するので、特定の箇所で通信障害が発生しても通信を継続することができる。
【0045】
図3では、機器制御装置2bの第1通信部21は、BACnetの通信プロトコルに基づいて、BEMS30と通信する。機器制御装置2bの第2通信部22は、EtherCAT(登録商標)の通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。画像センサ40同士は、EtherCAT(登録商標)の通信プロトコルに基づいて通信する。照明機器70は、T/Flecsの通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。
【0046】
以上のように、第3の実施形態の通信部は、産業用の通信プロトコルに基づいて通信を実行する。機器制御部は、機器との通信における接続制御及び冗長制御の少なくとも一方を実行する。これによって、第3の実施形態の機器制御装置2bは、産業用の通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0047】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、機器のネットワークの接続形態がフルメッシュ型である点が、第2の実施形態と相違する。第4の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0048】
図4は、フルメッシュ型無線ネットワークを用いた通信システム1bの構成の例を示す図である。フルメッシュ型無線ネットワークにおける通信プロトコルは、例えば、Wi−Fi(2.4GHz帯、5GHz帯)、ZigBee(登録商標)などの通信プロトコルである。なお、フルメッシュ型無線ネットワークにおける通信プロトコルは、将来において規格化される無線ネットワークの通信プロトコルや、独自の通信プロトコルでもよい。
【0049】
図4では、機器制御装置2bの第1通信部21は、BACnetの通信プロトコルに基づいて、BEMS30と通信する。機器制御装置2bの第2通信部22は、汎用のEthernet(登録商標)の通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。画像センサ40同士は、建物の機器用(BEMS用)などの通信プロトコルに基づいて通信する。照明機器70は、T/Flecsの無線通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。
【0050】
以上のように、第4の実施形態の通信部は、フルメッシュ型無線ネットワークにおける機器と通信する。機器制御部26は、機器との通信における接続制御及び冗長制御の少なくとも一方を実行する。これによって、第4の実施形態の機器制御装置2bは、フルメッシュ型無線ネットワークにおける、通信プロトコルが異なる複数の機器を制御することができる。
【0051】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、機器制御装置が無線ネットワークの親機である点が、第2の実施形態と相違する。第5の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0052】
図5は、無線ネットワークの親機として通信する機器制御装置2bの通信システム1bの構成の例を示す図である。無線ネットワークの親機とは、例えば、無線LANのアクセスポイント、無線センサネットワークのコーディネータである。
【0053】
図5では、機器制御装置2bの第1通信部21は、BACnetの通信プロトコルに基づいて、BEMS30と通信する。機器制御装置2bの第2通信部22は、EtherCAT(登録商標)の通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。画像センサ40同士は、建物の機器用(BEMS用)などの通信プロトコルに基づいて通信する。保守端末50は、建物の機器用の通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。温湿度センサ60は、センサネットワーク用の通信プロトコルに基づいて、画像センサ40と通信する。センサネットワーク用の通信プロトコルは、例えば、920MHz帯の無線通信プロトコルである。
【0054】
以上のように、第5の実施形態の通信部は、機器を含む無線ネットワークの親機として機器と無線通信する。これによって、第5の実施形態の機器制御装置2bは、無線ネットワークの親機として、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0055】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、通信制御部が通信プロトコルを使い分ける点が、第2の実施形態と相違する。第6の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0056】
図6は、通信システム1cの構成の例を示す図である。通信システム1cは、機器制御装置2cと、BEMS30とを備える。機器制御装置2cは、基本構成部10cと、拡張構成部20cとを備える。
【0057】
基本構成部10cは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10cは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20cは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。拡張構成部20cは、機器制御部26と、通信制御部27cとを更に備える。なお、基本構成部10cは、機器制御部26と、通信制御部27cとを備えてもよい。
【0058】
通信制御部27cは、通信先の機器に応じて通信部を選択する。通信制御部27cは、複数の通信部をしてもよい。すなわち、通信制御部27cは、通信の調停処理を実行する。通信の調停処理とは、例えば、並列に通信を実行する複数の通信部を選択する処理である。通信制御部27cは、個別又は並列に通信部を選択する。
【0059】
通信制御部27cは、通信される情報に割り当てられた通信優先度に応じて、通信部を選択してもよい。通信優先度が高い通信の情報は、例えば、リアルタイム性の要求が高い情報である。リアルタイム性の要求が高い情報とは、例えば、人が在室しているか否かを表す情報、照明機器の調光率(明るさ)を表す情報である。
【0060】
通信制御部27cは、通信優先度が高い通信に対して、例えば、有線の通信プロトコルの通信部を選択する。通信制御部27cは、通信優先度が低い通信に対して、例えば、無線の通信プロトコルの通信部を選択する。図6では、通信制御部27cは、通信優先度が高い通信をBEMS30との間で実行するために第1通信部21を選択する。第1通信部21は、BACnetの有線の通信プロトコルを使用して、BEMS30との間でデータを通信する。図6では、通信制御部27cは、通信優先度が低い通信をBEMS30との間で実行するために第3通信部23を選択する。第3通信部23は、2.4GHz帯の無線通信の通信プロトコルを使用して、BEMS30との間でデータを通信する。
【0061】
以上のように、第6の実施形態の通信制御部27cは、機器の通信に割り当てられた通信優先度に基づいて、機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する。これによって、第6の実施形態の機器制御装置2dは、通信優先度に応じて、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0062】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、通信制御部がゲートウェイ機能を有する点が、第6の実施形態と相違する。第7の実施形態では、第6の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0063】
図7は、通信システム1dの構成の例を示す図である。通信システム1dは、機器制御装置2dと、BEMS30と、温湿度センサ60−1〜60−3とを備える。機器制御装置2dは、基本構成部10dと、拡張構成部20dとを備える。
【0064】
基本構成部10dは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10dは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20cは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。拡張構成部20dは、機器制御部26と、通信制御部27cとを更に備える。
【0065】
第1通信部21は、BACnetの通信プロトコルに基づいて、BEMS30と通信する。図7では、通信制御部27c(コーディネータ)は、第4通信部24を介して、温湿度センサ60を含む無線センサネットワークにおける通信の接続処理及び調停処理を実行する。
【0066】
通信制御部27cは、ゲートウェイとしての機能を更に有する。すなわち、通信制御部27cは、通信プロトコルが異なる複数の機器の通信における信号に対して、通信プロトコル変換を実行する。図7では、通信制御部27cは、第4通信部24の通信における信号を、BACnetの通信プロトコルの信号に変換する。通信制御部27cは、通信プロトコル変換後の第4通信部24の信号を、第1通信部21を介してBEMS30に送信する。なお、通信制御部27cは、ルータ又はハブとしての機能を更に有してもよい。
【0067】
以上のように、第7の実施形態の通信制御部27cは、機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する。これによって、第7の実施形態の機器制御装置2dは、基本構成部10dの画像認識部12を介さずに、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0068】
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、通信状態に余裕がない場合に通信制御部が通信優先度に応じて通信制御を実行する点が、第7の実施形態と相違する。第8の実施形態では、第7の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0069】
通信制御部27dは、機器制御装置2d及び機器の間の通信状態に余裕がない場合、通信優先度に応じた通信制御を実行する。通信状態とは、例えば、通信帯域、伝送速度である。通信優先度に応じた通信制御とは、例えば、通信経路の変更、パケット構造の変更である。パケット構造の変更とは、1台の機器によるセンシング情報、1台の機器による動画、1台の機器によるセンシング情報+動画、複数台の機器によるセンシング情報、複数台の機器による動画、複数の機器によるセンシング情報+動画、又は、複数の機器の台数などを表すデータを、パケットごとに切り替えることである。
【0070】
動画を伝送している場合、通信優先度に応じた通信制御とは、例えば、解像度の変更、フレームレートの変更、圧縮率の変更である。機器制御装置2dがアクセスポイントである場合、通信優先度に応じた通信制御とは、例えば、産業用の通信プロトコルを使用して並列通信(同時通信)する先の機器の台数の変更である。複数の通信部が同一の上位機器と通信する場合、通信優先度に応じた通信制御とは、並列通信と個別通信とを通信優先度に応じて変更する制御である。
【0071】
通信制御部27dは、指標に基づいて通信優先度を決定する。指標とは、例えば、センシング情報の優先度、リアルタイム性の要求度である。画像における人が在室しているか否かを表す情報は、画像における人の活動量を表す情報よりも通信優先度が高い。画像における人の活動量を表す情報は、画像における人の数を表す情報よりも通信優先度が高い。
【0072】
指標とは、例えば、通信先の機器に割り当てられた優先度でもよい。セキュリティシステム80に割り当てられた優先度は、照明機器70を含む照明制御システムに割り当てられた優先度よりも高い。照明機器70に割り当てられた優先度は、BEMS30に割り当てられた優先度よりも高い。BEMS30に割り当てられた優先度は、空調制御システムに割り当てられた優先度よりも高い。
【0073】
指標とは、例えば、通信に必要とされる時間の長さでもよい。通信制御部27d(コーディネータ)は、閾値以上の時間が通信に必要とされる場合、調停処理の一つとして通信スループットを減らしてもよい。通信制御部27dは、閾値よりも長い時間が通信に必要とされる場合には、調停処理の一つとして通信の経路を変更してもよい。通信制御部27dは、信号の送信周期を長くしてもよい。通信制御部27dは、静止画を通信する場合、調停処理の一つとして静止画の圧縮率を上げてもよい。通信制御部27dは、動画を通信する場合、調停処理の一つとして動画の圧縮率を上げてもよい。通信制御部27dは、動画を通信する場合、調停処理の一つとして動画のフレームレートを下げてもよい。
【0074】
通信制御部27dは、トリガーに応じたタイミングで通信制御を変更してもよい。トリガーは、スループットや遅れ時間などの通信負荷、機器の制御に必要とされる時間の長さである。機器の制御に必要とされる時間の長さは、機器制御装置2dや上位装置に収集された制御ログに基づいて決定される。
【0075】
機器制御部26は、画像センサ40の画像認識の結果に基づいて機器制御が実行されたか否かを判定する。機器制御部26は、センシング情報の送信から機器制御までの時間を測定することによって、機器の制御に必要とされる時間の長さを決定してもよい。機器の制御に必要とされる時間の長さは、例えば、在不在情報が不在から在に変化した時刻から、照明制御が実行されたことによって室内の画像の輝度が変化した時刻までの経過時間である。機器制御部26は、室内の画像のエッジ分布に変化がない場合に室内の輝度が変化した場合、照明制御が実行されたことによって室内の画像の輝度が変化したと判定してもよい。
【0076】
以上のように、第8の実施形態の通信制御部27dは、機器制御装置2d及び機器の間の通信状態に余裕がない場合、通信優先度に応じた通信制御を実行する。これによって、第8の実施形態の機器制御装置2dは、通信状態に余裕がない場合でも、通信優先度に応じて通信制御を実行することができる。
【0077】
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、拡張構成部が認識補助部を備える点が、第7の実施形態と相違する。第9の実施形態では、第7の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0078】
図8は、通信システム1eの構成の例を示す図である。通信システム1eは、機器制御装置2eと、BEMS30と、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70とを備える。機器制御装置2eは、基本構成部10eと、拡張構成部20eとを備える。
【0079】
基本構成部10eは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10eは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20eは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。
【0080】
拡張構成部20eは、機器制御部26と、通信制御部27cと、認識補助部28とを更に備える。認識補助部28は、近赤光ライト281と、センサ処理部284と、赤外線センサ282と、ドップラセンサ283と、ステレオ撮像部285とを更に備える。認識補助部28は、ミリ波センサ又はレーザーセンサなどの測距機器を更に備えてもよい。
【0081】
撮像部11の光学系は、近赤外光を透過させるフィルタを備える。これによって、撮像部11は、近赤外光によって画像を撮像することができる。画像センサ40の光学系は、近赤外光を透過させるフィルタを備える。これによって、画像センサ40は、近赤外光近赤外光によって画像を撮像することができる。画像センサ40の光学系は、望遠レンズでもよい。
【0082】
近赤光ライト281は、近赤外光を室内に照射する。室内に照射された近赤外光は、撮像部11及び画像センサ40に入射する。近赤光ライト281は、認識補助部28による制御に応じて、近赤外光を室内に照射してもよい。
【0083】
赤外線センサ282は、赤外線が遮断された場合、赤外線が遮断されたことを表す信号を、センサ処理部284に送信する。赤外線センサ282から照射された赤外線は、人が赤外線センサ282の近傍を通過した場合に遮断される。
【0084】
ドップラセンサ283は、マイクロ波を室内に照射する。ドップラセンサ283は、照射したマイクロ波の周波数と入射したマイクロ波の周波数との差を表す信号を、センサ処理部284に送信する。
【0085】
センサ処理部284は、赤外線が遮断されたことを表す信号を、赤外線センサ282から取得する。センサ処理部284は、赤外線が遮断されたことを表す信号を、認識補助部28に送信する。センサ処理部284は、ドップラセンサ283が照射したマイクロ波の周波数とドップラセンサ283に入射したマイクロ波の周波数との差を表す信号を、ドップラセンサ283から取得する。センサ処理部284は、ドップラセンサ283が照射したマイクロ波の周波数とドップラセンサ283に入射したマイクロ波の周波数との差を表す信号を、認識補助部28に送信する。なお、センサ処理部284は、認識補助部28がミリ波センサ及びレーザーセンサを備える場合、検出結果を表す信号をミリ波センサ及びレーザーセンサから取得してもよい。
【0086】
ステレオ撮像部285は、室内のステレオ画像を生成する。ステレオ撮像部285は、室内のステレオ画像を認識補助部28に送信する。ステレオ撮像部285の光学系は、近赤外光を透過させるフィルタを備える。これによって、ステレオ撮像部285は、近赤外光を検出することができる。
【0087】
認識補助部28は、画像における物体を認識するための補助情報を生成する。認識補助部28は、赤外線が遮断されたことを表す信号を取得した場合、人が在室していると判定する。認識補助部28は、ドップラセンサ283が照射したマイクロ波の周波数とドップラセンサ283に入射したマイクロ波の周波数との差が閾値以上である場合、人が在室していると判定する。認識補助部28は、室内のステレオ画像に基づいて、人が在室しているか否かを判定する。認識補助部28は、判定結果を表す補助情報を画像認識部12に送信する。認識補助部28は、判定結果を表す補助情報を機器制御部26に送信してもよい。
【0088】
以上のように、第9の実施形態の認識補助部28は、画像における物体を認識するための補助情報を生成する。これによって、第9の実施形態の機器制御装置2eは、室内の照明が暗い場合でも、人が在室しているか否かを判定することができる。
【0089】
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、基本構成部が赤外線センサ及びセンサ処理部を備える点が、第7の実施形態と相違する。第10の実施形態では、第7の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0090】
図9は、通信システム1fの構成の例を示す図である。通信システム1fは、機器制御装置2fと、BEMS30と、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70とを備える。機器制御装置2fは、基本構成部10fと、拡張構成部20fとを備える。
【0091】
基本構成部10fは、赤外線センサ282と、センサ処理部284とを備える。赤外線センサ282は、撮像部11と交換可能である。センサ処理部284は、画像認識部12と交換可能である。拡張構成部20fは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。拡張構成部20fは、機器制御部26と、通信制御部27fとを更に備える。拡張構成部20fは、機器制御部26及び通信制御部27fを備える代わりに、ドップラセンサ283及びセンサ処理部284を備えてもよい。
【0092】
以上のように、第10の実施形態の機器制御装置2fは、センサと、センサ処理部と、通信制御部と、複数の通信部とを持つ。赤外線センサ282などのセンサは、室内をセンシングする。センサ処理部は、室内をセンシングした結果を表すセンシング情報を生成する。通信制御部は、センシング情報に基づいて機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する。通信部は、接続処理及び調停処理に応じて通信プロトコルを使用して機器と通信する。これによって、第10の実施形態の機器制御装置2fは、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0093】
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、拡張構成部がビル設備部を備える点が、第9の実施形態と相違する。第11の実施形態では、第9の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0094】
図10は、通信システム1gの構成の例を示す図である。通信システム1gは、機器制御装置2gと、BEMS30と、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70とを備える。機器制御装置2gは、基本構成部10gと、拡張構成部20gとを備える。
【0095】
基本構成部10gは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10gは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20gは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。
【0096】
拡張構成部20eは、機器制御部26と、通信制御部27cと、ビル設備部29とを更に備える。ビル設備部29は、天井に設置される設備を制御する。天井に設置される設備は、例えば、スピーカ291、常夜灯292、火災報知器293である。スピーカ291は、ビル設備部29による制御に応じて音声を出力する。常夜灯292は、ビル設備部29による制御に応じて点灯又は消灯する。火災報知器293は、ビル設備部29による制御に応じて警報音を出力する。
【0097】
ビル設備部29は、機器制御部26による制御に応じて、音声データに応じた電流をスピーカ291に与える。ビル設備部29は、機器制御部26による制御に応じて、電流を常夜灯292に与える。ビル設備部29は、機器制御部26による制御に応じて、オン又はオフを表す信号を火災報知器293に送信する。
【0098】
以上のように、第11の実施形態のビル設備部29は、ビルに設置された機器を制御する。ビルに設置された機器とは、例えば、天井に設置される機器としてのスピーカ291、常夜灯292、火災報知器293である。これによって、第11の実施形態の機器制御装置2fは、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0099】
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、通信制御部が機器制御部の機能を有する点が、第7の実施形態と相違する。第12の実施形態では、第7の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0100】
図11は、通信システム1hの構成の例を示す図である。通信システム1hは、機器制御装置2hと、BEMS30と、画像センサ40と、保守端末50と、温湿度センサ60と、照明機器70とを備える。機器制御装置2hは、基本構成部10hと、拡張構成部20hとを備える。
【0101】
基本構成部10hは、撮像部11と、画像認識部12を備える。基本構成部10hは、辞書部121と、学習部122と、画像記憶部123とを更に備えてもよい。拡張構成部20hは、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、第4通信部24と、第5通信部25とを備える。拡張構成部20hは、通信制御部27hを更に備える。
【0102】
通信制御部27hは、通信の調停処理を実行する。通信制御部27hは、通信先の機器に応じて通信部を選択する。図11では、通信制御部27hは、機器制御部26の機能を更に備える。すなわち、通信制御部27hは、機器を制御する。通信制御部27hは、複数の機器を並列に制御する。通信制御部27hは、複数の機器を個別に制御してもよい。通信制御部27hは、画像認識部12から取得したセンシング情報に基づいて、機器を制御するための制御信号を生成する。画像認識部12から取得したセンシング情報は、例えば、人が在室しているか否かを表す情報である。通信制御部27hは、通信部から取得した情報に基づいて、機器を制御するための制御信号を生成してもよい。通信部から取得した情報は、例えば、動作モードが警戒モードであるか否かを表す情報である。通信部から取得した情報は、例えば、調光率を表す情報である。
【0103】
通信制御部27hは、複数の照明機器70が設置されている場合、グラデーション制御を実行してもよい。通信制御部27hは、調光率を表す指示値を、第5通信部25を介して照明機器70に送信する。通信制御部27hは、人が不在であることを撮像部11のセンシング情報(在不在情報)が示しており、人が在室していることを画像センサ40のデータが示している場合、例えば、照明機器70の調光率を10%(暗く点灯)にしてもよい。
【0104】
通信制御部27hは、人が不在であることを撮像部11のセンシング情報が示している場合でも、セキュリティシステム80の動作モードが警戒モードである場合には、例えば、照明機器70の調光率を0%(消灯)にしてもよい。通信制御部27hは、建物における消費電力量に応じて、照明機器70の調光率を表す指示値を変更してもよい。
【0105】
以上のように、第12の実施形態の機器制御装置2h(センサ)は、撮像部11と、画像認識部12と、複数の通信部と、通信制御部27hとを持つ。撮像部11は、室内を撮像した結果を表す画像を生成する。画像認識部12は、画像における画像特徴量に基づいて画像における物体を認識する。通信部は、物体を認識した結果に基づいて通信プロトコルを使用して機器と通信する。通信制御部27hは、機器との通信における接続処理及び調停処理の少なくとも一方を実行する。これによって、第12の実施形態の通信制御部27hは、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0106】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、物体を認識した結果に基づいて複数の通信プロトコルを使用して複数の機器と通信する複数の通信部を持つことにより、通信プロトコルが異なる複数の機器と通信することができる。
【0107】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
1a〜1h…通信システム、2a〜2h…機器制御装置、10a〜10h…基本構成部、11…撮像部、12…画像認識部、20a〜20h…拡張構成部、21…第1通信部、22…第2通信部、23…第3通信部、24…第4通信部、25…第5通信部、26…機器制御部、27c〜27h…通信制御部、28…認識補助部、30…BEMS、40…画像センサ、50…保守端末、60…温湿度センサ、70…照明機器、80…セキュリティシステム、121…辞書部、122…学習部、123…画像記憶部、281…近赤光ライト、282…赤外線センサ、283…ドップラセンサ、284…センサ処理部、285…ステレオ撮像部、291…スピーカ、292…常夜灯、293…火災報知器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11