【実施例】
【0036】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例における各層の厚さは、乾燥後の厚さである。
【0037】
実施例1
20μm厚の1N30のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に12μm厚のPETフィルム(ユニチカ株式会社製)をポリウレタン系接着剤(DICグラフィックス株式会社製)を用いてドライラミネートにより貼り合せてPET層を形成した。
【0038】
次にPET層上に変性ポリオレフィン樹脂を含むアンカーコート剤(型番SE5205J2、ユニチカ株式会社製)を2μmの厚さとなるようにバーコーターを用いて塗工し、180℃で乾燥させてアンカーコート層(変性ポリオレフィン樹脂含有層)を形成した。
【0039】
次にアンカーコート層上にポリエチレン(住友化学株式会社製)を20μmの厚さとなるように押し出しコートし、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0040】
これにより、アルミニウム箔、接着剤層、PET層、変性ポリオレフィン樹脂含有層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0041】
比較例1
20μm厚の1N30のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に12μm厚のPETフィルム(ユニチカ株式会社製)をポリウレタン系接着剤(DICグラフィックス株式会社製)を用いてドライラミネートにより貼り合せてPET層を形成した。
【0042】
次にPET層上にポリウレタン樹脂を含むアンカーコート剤(型番LX500と型番KW75を重量比10:1で配合;双方ともDICグラフィックス株式会社製)を1μmの厚さとなるようにバーコーターを用いて塗工し、180℃で乾燥させてアンカーコート層(ポリウレタン樹脂含有層)を形成した。
【0043】
次にアンカーコート層上にポリエチレン(住友化学株式会社製)を20μmの厚さとなるように押し出しコートし、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0044】
これにより、アルミニウム箔、接着剤層、PET層、ポリウレタン樹脂含有層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0045】
比較例2
20μm厚の1N30のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に変性ポリオレフィン樹脂を含むアンカーコート剤(型番SE5205J2、ユニチカ株式会社製)を2μmの厚さとなるようにバーコーターを用いて塗工し、180℃で乾燥させてアンカーコート層(変性ポリオレフィン樹脂含有層)を形成した。
【0046】
次にアンカーコート層上にポリエチレン(住友化学株式会社製)を20μmの厚さとなるように押し出しコートし、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0047】
これにより、アルミニウム箔、変性ポリオレフィン樹脂含有層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0048】
比較例3
20μm厚の1N30のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)にアルコキシド溶液を用いたゾルゲル法により0.1μmの無機酸化皮膜を形成した。
【0049】
次に無機酸化皮膜上に30μm厚のポリエチレンフィルム(東洋紡株式会社製)をエチレンとアクリル酸との共重合樹脂であるEAA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)を接着剤として押出ラミネーションにより貼り合せてポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0050】
これにより、アルミニウム箔、無機酸化皮膜、接着剤層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0051】
比較例4
20μm厚の1N30アルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に50μm厚のEVOH層を含む多層構造のポリエチレンフィルム(アイセロ化学株式会社製)をEAA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)を接着剤とした押し出しラミネーションにより貼り合せてポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0052】
これにより、アルミニウム箔、接着剤層、EVOH層を含む多層構造のポリエチレン層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0053】
比較例5
30μm厚の1N30アルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に40μm厚のポリエチレンフィルム(株式会社リーダー製)をシーラントフィルムとしてサーマルラミネートにより貼り合せてポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)を形成した。
【0054】
これにより、アルミニウム箔、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されたラミネートフィルムを作製した。なお、ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)が内容物と接触する側(即ち内層側)である。
【0055】
試験例1
実施例1及び比較例1〜5で作製したラミネートフィルムを10cm×10cmにカットして消炎鎮痛剤を3g充填した三方袋を作成した。この三方袋を50℃で3ヶ月保管した後、アルミニウム箔の腐食の有無及びデラミネーションの有無を確認した。
【0056】
アルミニウム箔が変色した状態となっているものを腐食有りと判断し、元のアルミニウム箔の状態から変化が無いものは腐食無しと判断した。また、ラミネートフィルムが剥離の状態となっているものをデラミネーション有りと判断し、元のラミネートフィルムのままの状態となっているものをデラミネーション無しと判断した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
〔表1中の用語の説明は次の通りである。
AL…アルミニウム箔
D…接着剤層(ドライラミネート)
PET…PET層
変性ポリオレフィン…変性ポリオレフィン樹脂含有層
PE…ポリエチレン層(熱可塑性樹脂層)
EAA…接着剤層(EAA)
EVOH…EVOH層を含む多層構造のポリエチレン層
SF…シーラントフィルム〕
以上の結果から分かる通り、外層側から内容物と接触する内層側に向かってアルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレート層、変性ポリオレフィン樹脂含有層、及び熱可塑性樹脂層が順に積層されている本発明の包装材料は、浸透性成分を含有する内容物に対してもデラミネーションやアルミニウム箔の腐食の発生を抑制することができる。