(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、各種の遊技情報等を適切に表示可能な遊技情報表示装置1に関する例である。以下、
図1〜
図11を参照して遊技情報表示装置1を説明する。
【0009】
遊技場では、
図1のごとく、パチンコ遊技機511やスロットマシン512等の遊技機51に対して、遊技情報表示装置1や呼出表示装置55等の遊技用装置が個別に設置されている。玉やメダルなどの遊技価値の貸出機能を備える遊技情報表示装置1は、対応する遊技機51と隣り合う他の遊技機51との間の隙間のスペースに設置され、対応する遊技機51の側方に位置している。呼出ランプを備える呼出表示装置55は遊技機51の上方に設置されている。
【0010】
遊技場内の通路に面して遊技機51が配列された遊技島では、2台の遊技機51毎に1台ずつ中継装置56が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置50が設置されている。
【0011】
遊技場では、管理装置50が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機51は、対応する呼出表示装置55、及び遊技情報表示装置1と共に、中継装置56を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用した遊技場の場内システム5では、遊技情報表示装置1等の周辺装置を含めた遊技機51側と管理装置50との間の各種の通信が中継装置56を介して実現されている。
【0012】
以下、遊技機51及び管理装置50の構成を概説した後、遊技情報表示装置1の構成及び動作を詳しく説明する。
(遊技機)
遊技機51としては、大きく区分してパチンコ遊技機511とスロットマシン512とがある。以下、パチンコ遊技機511を例にして、その内容を概説する。
パチンコ遊技機511は、遊技価値である玉を発射して遊技される遊技機である。
図1に例示するパチンコ遊技機511は、始動入賞口への入賞に応じて大当り抽選を実行する、いわゆるセブン機である。このパチンコ遊技機511は、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口が開放されるラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。
【0013】
このようなパチンコ遊技機511が遊技の進行中に外部出力する遊技信号としては、例えば、以下の信号がある。これらの遊技信号は、中継装置56を経由して遊技情報表示装置1等に出力されるほか、遊技機51の識別情報である台番IDが対応付けされた状態で管理装置50に送信される。
【0014】
(1)アウト信号:玉を10個発射する毎に1回出力される信号。
(2)セーフ信号:入賞に応じて玉を10個払い出す毎に1回出力される信号。
(3)スタート信号:図柄変動がスタートしたときに1回出力される信号。
(4)大当り信号:大当り状態の発生中に継続的に出力されるレベル信号。
【0015】
(管理装置)
管理装置50(
図1)は、上記の通り、遊技場内の各種機器の稼動状況を集中的に管理するための装置である。管理装置50は、遊技場に会員登録した遊技者の個人情報を記憶する会員情報サーバとしての機能を備えている。
【0016】
管理装置50は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。装置本体は、演算処理を実行するCPUを中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM、RAM等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
【0017】
管理装置50は、例えばハードディスクドライブから読み出したソフトウェアプログラムをCPUが実行等することにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)会員情報記憶手段:遊技場に登録済みの会員に関する情報を記憶する手段であり、この会員情報記憶手段は、少なくとも会員識別情報である会員IDを記憶し管理する。遊技者が所持する携帯端末31(
図3参照)の携帯ID(携帯識別情報)や会員毎の個別遊技データを含め、会員の個別情報は、会員IDを対応付けて会員データベースに格納されている。
(2)会員ID認証手段:会員カード331(
図3参照)の会員ID、あるいは会員が所持する携帯端末31の携帯IDを認証する手段。会員ID認証手段は、遊技情報表示装置1等の遊技用装置から会員IDや携帯IDを受信したとき、会員データベースを参照して登録済みの識別情報であるか否か照会し、照会できたとき、会員ID等を認証する。会員識別情報である会員ID等が認証された状態下の遊技が会員によるログイン遊技として特定される。
(3)遊技情報取得手段:遊技場に設置された各遊技機51の遊技に関する遊技データ(遊技情報)を取得する手段。遊技情報取得手段は、各遊技機51に対応する遊技情報表示装置1から一定時間毎に送信されてくる遊技データを取得する。
(4)遊技情報記憶手段:遊技機51毎の遊技データ、および会員毎の個別遊技データを記憶し管理する手段。各遊技機51の遊技データは、遊技機51の識別情報である台番IDを対応付けた状態で記憶される。また、上記のログイン遊技中の遊技データは、会員の遊技データとして特定され、会員識別情報である会員IDを対応付けて会員毎の遊技データとして記憶される。
(5)各台管理手段:遊技機51の遊技状態や遊技情報表示装置1の動作状態等を台毎に把握し、管理する手段。特に、各台管理手段は、遊技情報表示装置1が送信する後述のパネル位置情報に基づき、各遊技情報表示装置1のタッチパネル15の回転位置であるパネル位置を把握し管理する。
【0018】
(遊技情報表示装置)
遊技情報表示装置1は、遊技機51と対応して側方に設けられ、この遊技機51に関する遊技情報を表示可能な遊技用装置である。遊技情報表示装置1は、タッチ操作可能な表示パネルであるタッチパネル15に各種の情報を表示する機能を備えるほか、現金を対価として貸玉を払い出す機能等を備えている。特に、この遊技情報表示装置1では、タッチパネル15を回転でき縦横を切替可能である。
【0019】
遊技情報表示装置1の前面パネル10には、
図2のごとく、装置エラーや一般カード332(
図3)のストック切れ等の作動状態を表示する状態表示ランプ11、貸玉代金となる貨幣を投入する貨幣投入口12、縦横を切替可能なタッチパネル15、近距離通信を実現する携帯用リーダ170、遊技カード33を出し入れするカード挿入口18、遊技カード33を排出させるカード排出ボタン181が設けられている。なお、貸玉の払出しは、タッチパネル15に表示された玉貸ボタンのタッチ操作により行われる。
【0020】
カード挿入口18には、会員カード331や一般カード332等の遊技カード33(
図3)を挿入可能である。会員用記録媒体の一例である会員カード331は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードである。一般カード332は、遊技終了時に入金残高が残っているときに発行される遊技カードである。一般カード332には、カードIDのほか、入金残高等が記録される。会員カード331には、カードID、入金残高等のほかに、会員向けのサービスメニューにログインするためのパスワード等が記録される。
【0021】
遊技情報表示装置1は、
図3のごとく、CPU21、ROM22、RAM23、I/O部24等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、状態表示ランプ11、投入紙幣の種別等を検知する紙幣処理部121、液晶表示部151、タッチスクリーンシート153、タッチパネル15の向きを検知するロータリーエンコーダ165、携帯端末31から携帯ID等を読み取る携帯用リーダ170、遊技カード33の記録データを読み書きするカードリーダライタ(カードRW)180、新規発行用の一般カード332をストックするカードストック部183、カード排出ボタン181、中継装置56との間の通信ポートをなすI/F部19、等が電気的に接続されている。タッチパネル15では、液晶表示部151の表示画面にタッチスクリーンシート153が積層されており、タッチ操作が可能になっている。
【0022】
タッチパネル15は、予め定められた長方形状の表示領域を有する表示パネルの一例である。遊技情報表示手段としての機能を備えるタッチパネル15は、中継装置56を介して管理装置50から受信した各種の情報や、遊技機51側から受信した遊技信号を元にした各種の情報を表示する。
【0023】
このタッチパネル15は、表示画面が縦長となる第1位置(
図2(a)参照。縦長位置という。)と、横長となる第2位置(
図2(b)参照。横長位置という。)との間で回転させることが可能な回転機構を備えた支持構造(図示略)を介して遊技情報表示装置1の本体側から回転可能に支持されている。この支持構造には、タッチパネル15が縦長位置及び横長位置の何れにあるのかの検知手段をなすロータリーエンコーダ165(
図3参照。)が設けられている。遊技情報表示装置1では、このロータリーエンコーダ165の出力に応じてタッチパネル15のパネル位置(縦長位置か横長位置か)が検知される。
【0024】
制御部20は、ROM22に格納された制御プログラムをCPU21が演算処理することで以下の各手段としての機能を実現する。
(1)遊技データ生成手段:遊技機51で実行された遊技に関する遊技データ(遊技情報)を生成する手段。なお、遊技情報表示装置1が生成した遊技データは、遊技情報表示装置1で記憶されるほか、遊技機51の識別情報である台番IDを対応付けて管理装置50に送信される。
(2)遊技状態検知手段:遊技機51の遊技状態を検知する手段。遊技状態検知手段は、中継装置56を介して受信する遊技機51の遊技信号の種類に応じて遊技状態を検知する。例えば、アウト信号の受信に応じて稼動状態(遊技中)と検知し、最後にアウト信号を受信してからの経過時間が一定時間に達したときに非稼動状態と検知する。また、例えば、大当り信号の受信中に大当り状態と検知する。
(3)出力手段:遊技データや遊技状態を表す情報に加えて、タッチパネル15が縦長位置にあるのか、横長位置にあるのかを示すパネル位置情報を管理装置50に送信する手段。この出力手段は、遊技データや遊技状態を表す情報を所定の時間間隔で送信するほか、タッチパネル15が回転して縦長位置、横長位置が切替されたときに随時、上記のパネル位置情報を送信する。
(4)分割手段:タッチパネル15の表示領域を、第1遊技情報を表示する第1表示領域及び第2遊技情報を表示する第2表示領域の少なくとも2つの表示領域に分割する手段。
(5)表示制御手段:操作手段をなすタッチパネル15に対する遊技者のタッチ操作に応じて、第1表示領域の表示無が指示されたときは第1表示領域を縮小するとともに第2表示領域を拡大する一方、第2表示領域の表示無が指示されたときは第2表示領域を縮小するとともに前記第1表示領域を拡大するようにタッチパネル15の表示を制御する手段。
【0025】
また、タッチパネル15は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)遊技情報表示手段:上記の分割手段により分割された第1表示領域において第1遊技情報の名称及び内容を表示するとともに、同様の第2表示領域において第2遊技情報の名称及び内容を表示する手段。
(2)操作手段:第1表示領域及び第2表示領域の各々について、遊技者が表示の有無を指示するために操作する手段。操作手段としてのタッチパネル15は、タッチ操作を受け付けるタッチ操作ボタンを画面に表示する。
【0026】
遊技情報表示装置1は、中継装置56を介して対応する遊技機51の遊技信号を取り込み、遊技データを生成する。例えばパチンコ遊技機511に付設される遊技情報表示装置1は、(1)アウト信号、(2)セーフ信号、(3)スタート信号、(4)大当り信号等の遊技信号をパチンコ遊技機511から受信し、遊技信号の受信回数を集計等することで、例えば以下の各遊技データ(遊技情報)を生成する。なお、管理装置50側でも遊技信号を受信して遊技データを生成しても良い。
【0027】
(1)大当り回数:大当り状態の発生回数。
(2)大当り間スタート回数:直前の大当り状態が終了してからのスタート回数(図柄変動の回数)。
(3)本日累計スタート回数:当日、開店後の累計のスタート回数。
(4)差玉数:遊技者側から見た玉収支。セーフ信号を受信する毎に10玉ずつ加算されるセーフ(払出玉数)から、アウト信号を受信する毎に10玉ずつ加算される消費玉数(アウト)を差し引いて差玉数が演算される。
【0028】
以上のような構成の遊技情報表示装置1の動作について、パチンコ遊技機511に対応する遊技情報表示装置1を例にして説明する。なお、スロットマシン512に付設される遊技情報表示装置についても、処理の流れ等や基本的な動作において、ほぼ同様の仕様となっている。
【0029】
遊技情報表示装置1では、遊技カード33の未挿入状態で入金があったとき、カードストック部183からカードRW180へ一般カード332が繰り出されて入金額が記録されると共に、その入金額に相当する度数(1度数=500円=125玉)がタッチパネル15に表示され、これにより貸玉の払出が可能になる。なお、一般カード332は、最大10枚までカードストック部183にストックされ、カード挿入口18から随時、補充可能である。
【0030】
カード挿入口18に遊技カード33が挿入されたときには、その遊技カード33に記録された入金額が読み出され、その入金額に相当する度数がタッチパネル15に表示される。なお、受け付けた遊技カード33が会員カード331であった場合には、暗証番号の入力が求められる。遊技情報表示装置1は、入力された暗証番号と共に会員カードから読み出した会員IDを管理装置50に送信して認証を求める。管理装置50側で認証が完了すれば、会員の個別遊技データの表示等の会員サービスが可能になる。
【0031】
なお、遊技情報表示装置1は、近距離通信機能を備える携帯端末31を利用した認証も可能である。近距離通信機能を備える携帯端末31を携帯用リーダ170に近接させれば、携帯識別情報である携帯IDを遊技情報表示装置1に読み取らせることができる。遊技情報表示装置1は、読み取った携帯IDを管理装置50に送信して認証を求める。
【0032】
管理装置50側で認証が完了すれば、会員カード331を用いた場合と同様の会員サービスの提供を受けることができる。管理装置50は、その携帯IDが対応付けされた各種の情報を遊技情報表示装置1に送信し、遊技情報表示装置1側では、受信した各種の情報に基づく表示が可能となる。
【0033】
遊技の継続中では、各種の情報がタッチパネル15に表示される。会員の認証が完了していれば、会員毎の個別遊技データ等の表示など会員サービスによる表示も可能となる。なお、本例の遊技情報表示装置1では、タッチパネル15が縦長位置にあるときと、横長位置にあるときとで、タッチパネル15の表示態様や表示内容が異なる。タッチパネル15の表示制御の内容については、後で詳しく説明する。
【0034】
入金残高を表示中であれば、タッチパネル15が表示する玉貸ボタン(
図4参照。)のタッチ操作により、パチンコ遊技機511内部の払出機構から1度数分ずつ貸玉の払い出しが行われ、入金残高が減算更新される。
入金残高がゼロになったときの遊技カード33の取り扱いは、一般カード332か会員カード331かに応じて異なっている。一般カード332については、入金残高がゼロとなったとき、カードRW180からカードストック部183に回収される。一方、会員カード331については、入金残高及び貯玉数がゼロになってもそのままカードRW180に保持される。
【0035】
遊技を終了した後、カード排出ボタン181が操作されると、遊技情報表示装置1は、一般カード332あるいは会員カード331に入金残高を記録して発行(返却)すると共に、その発行情報を管理装置50へ送信する。これにより、記録された入金残高を含む遊技カード33の発行情報が管理装置50側でも記憶・管理される。
【0036】
次に、遊技情報表示装置1が備えるタッチパネル15の表示制御の内容について説明する。
対応する遊技機51が一定時間を超えて遊技が行われない非稼動状態のときには、タッチパネル15が縦長位置にあるか横長位置にあるかに関わらず、タッチパネル15の表示が図示しない非稼動用画面に切り替わる。非稼動用画面では、所定の営業案内情報や呼び込み用情報などが表示される。
【0037】
一方、対応する遊技機51で遊技が行われている稼動状態下では、遊技データ等の遊技情報やテレビジョン映像等の画像情報などの各種の情報がタッチパネル15に表示される。タッチパネル15が初期位置である縦長位置にあるとき、遊技データのみを表示するデータ表示処理による
図4に例示のデータ表示画面40A、及び遊技データとテレビジョン映像とを上下に分割して表示する分割表示処理による
図5に例示のTV表示画面40B、のうちの何れかが、遊技者による選択操作に応じて択一的に表示される。なお、タッチパネル15が縦長位置にあるときには、遊技データを全く表示しない態様は設定不可となっている。
【0038】
一方、タッチパネル15を回転させて横長位置とした場合には、上記のロータリーエンコーダ165の出力に応じてその回転が検知されてテレビジョン映像等の画像情報の全画面表示となる(
図6)。タッチパネル15が縦長位置から横長位置に回転操作されたとき、縦長位置の表示画面が
図4のデータ表示画面40Aであったか
図5のTV表示画面40Bであったかに関わらず横長位置への変位に応じてテレビジョン映像等の全画面表示40C(
図6)に切り替わる。このとき、遊技データの表示が不可能であることを遊技者に報知するためのテロップ(図示略)が表示画面の下部に一定時間に渡って表示される。
【0039】
また、タッチパネル15が横長位置から縦長位置に回転操作されたときには、遊技情報(遊技データ)とテレビジョン映像とを上下に分割して表示する分割表示処理が実行され、これにより
図5に例示するTV表示画面40Bがタッチパネル15に表示される。
【0040】
なお、タッチパネル15が縦長位置にあるか、横長位置にあるかに関わらず、対応する遊技機51が一定時間に渡って非稼動状態となったときには、所定の営業案内情報や呼び込み用情報などを表示する図示しない非稼動用画面に切り替えられる。
【0041】
遊技情報表示装置1は、タッチパネル15が回転操作されたとき、現在のパネル位置が縦長位置であるか横長位置であるかを示す前記パネル位置情報を管理装置50へ送信する。これにより、管理装置50側では、各遊技情報表示装置1のタッチパネル15のパネル位置が把握・管理される。
【0042】
図4に例示のデータ表示画面40Aでは、上段から順番に、遊技台情報エリア、表示メニューを選択するメニューエリア及びサブメニューエリア、遊技データの表示エリアである子画面表示エリア、入金残高等を表示するプリペイド情報表示エリア、タッチ操作可能なボタンが配置された操作ボタンエリアが配置されている。操作ボタンエリアには、玉貸ボタンや、カードを返却させるための返却ボタン等が配置されている。
【0043】
メニューには、サブメニューエリアが用意されたものと、用意されていないものと、があり、そのため、選択されたメニューに応じてサブメニューエリアの表示、非表示が切り替わる。プリペイド情報表示エリアの表示領域は、表示内容に応じて項目毎に表示・非表示となるため表示領域のサイズが変動する。そのとき、子画面表示エリアのサイズ(表示領域の大きさ)がプリペイド情報表示エリアのサイズに応じて変動し、プリペイド情報表示エリアが小さくなれば子画面表示エリアが拡大する。一方、操作ボタンエリアについては、常時表示の仕様が採用されている。
【0044】
子画面表示エリア(
図4)は、メニューエリアのタブで選択したメニューに対応する表示項目の表示領域である。子画面表示エリアでは、その表示領域の全体を、表示項目毎の小さな表示領域に分割して表示が実行される。例えば
図4の子画面表示エリアでは、大当り回数やスタート回数等の数値を表示するデータ項目、払出玉から使用玉を差し引いた差玉の変化をグラフ表示するスランプグラフ、大当り間スタートを棒グラフで表示する第1の大当り間スタート棒グラフ、の各表示項目毎に分割された表示領域が上中下段の3段に亘って配置されている。
【0045】
子画面表示エリアの表示領域にはサイズ的な制約がある一方、メニューによっては子画面表示エリアに表示可能な数を超える表示項目が含まれている。例えば「台データ」メニューについては、
図7に例示するように表示項目が仮想的に連なっている一方、同図中で太い実線の黒枠で示す表示領域に含まれる範囲のみが
図8に例示するように子画面表示エリアに表示される。
【0046】
子画面表示エリアでは、縦方向のスワイプ操作等に応じて全体の縦スクロールが可能である。縦スクロールのためのスワイプ操作が行なわれた場合、
図7で黒枠で示す子画面表示エリアの表示領域が、表示項目の仮想的な連なりに沿って移動して子画面表示エリアに表示される表示項目が入れ替わる。例えば、子画面表示エリアの表示領域が同図中の破線の黒枠の位置に移動すると、大当り間スタートの棒グラフを遊技データ付きで表示する第2の大当り間スタート棒グラフが子画面表示エリアの下側から現れて表示内容が
図9のように変化する。このとき、第2の大当り間スタート棒グラフについては、全ての遊技情報を表示できないことから、後述するエリア切替ボタン402を含むフッタが表示される。
【0047】
図7のような表示項目の仮想的な連なりはメニュー毎に設定されており、子画面表示エリアの横スクロールによってメニュー間の横断が可能である。横スクロールを行えば、
図7に例示するような表示項目の仮想的な連なりがメニュー毎に複数列、配列された中で、子画面表示エリアの表示領域を示す黒枠が隣りの列に乗り替わり、異なるメニューの表示項目を子画面表示エリアに表示できる。
【0048】
このように子画面表示エリアに表示されるメニューの入替が発生したときには、同時に、メニューエリア中の対応するタブが選択中の表示に切り替わる。なお、子画面表示エリアの表示内容が他のメニューに対応する内容に切り替えられた場合、元のメニューに対応する表示状態が記憶され、再表示のときには切替前の表示内容がそのまま子画面表示エリアに表示される。
【0049】
また、子画面表示エリアに表示される一部の表示項目の表示領域については、その表示領域の内部で縦スクロールや横スクロールが可能である。このように表示領域内で縦スクロールあるいは横スクロールのためのスワイプ操作が行なわれた場合、子画面表示エリアの表示領域が全体的にスクロールするのではなく表示領域内の個別のスクロールが実行される。例えば、下記のスランプグラフのグラフ表示領域の横スクロール等である。
【0050】
子画面表示エリア(
図8参照)のデータ項目の表示領域では、表示対象の遊技データの変更があったときに随時、表示が更新される。スランプグラフの表示領域では、メダルの投入数が80枚増加する毎に新たなプロットが追加される。第1の大当り間スタート棒グラフの表示領域では、新たに大当りが発生する毎に棒グラフが1本追加される。
【0051】
さらに、子画面表示エリアの表示領域については遊技進行中に自動開閉する場合が設定されている。例えば、子画面表示エリア(
図8)の表示中に新たに大当りが発生した場合には、一旦、第1表示領域の一例をなす中段のスランプグラフの表示領域が消去されて、第2表示領域の一例をなす下段の第1の大当り間スタート棒グラフの表示領域が拡大表示されて棒グラフが追加される。そして、5秒後にスランプグラフの表示領域が元の表示状態に復帰する。つまり、表示制御手段としての機能を備える制御部20は、第1表示領域に表示する第1遊技情報、及び第2表示領域に表示する第2遊技情報の変化に伴って各々の表示内容を随時変更するように構成されている。第1遊技情報及び第2遊技情報の何れかに変化が生じたときは、当該変化が生じた遊技情報の表示領域を拡大する一方、変化が生じていない他方の表示領域を縮小する自動開閉を実行する(自動開閉機能)。
【0052】
図8及び
図9に例示する通り、子画面表示エリアの各表示領域では、上端の帯状領域であるヘッダが設けられ、タイトル名称のほか、「しまう」⇔「開く」の表示切替ボタン401が配置されている。表示項目に対応する遊技情報については、ヘッダの下側の遊技情報エリアに表示される。
【0053】
ヘッダに設けられたこの表示切替ボタン401を操作すれば、
図1に例示するように、タイトル名称に対応する遊技情報(遊技データ)の表示有無を切替可能である。いずれかの表示領域のヘッダの「しまう」ボタン401Aへのタッチ操作(表示無の指示)が行われると、ヘッダを残して、遊技情報エリアやフッタが消去される。例えば
図10の第2の大当り間スタート棒グラフの表示領域の場合であれば、ヘッダの「しまう」⇔「開く」の表示切替ボタン401の「しまう」ボタン401Aへのタッチ操作により、ヘッダのみの表示となると共に表示切替ボタン401が「開く」ボタン401Bに切り替わる。つまり、表示制御手段としての機能を備える制御部20は、子画面表示エリアにおいて分割された第1表示領域または第2表示領域を縮小するときにおいて、第1遊技情報または第2遊技情報の内容を消去する一方、第1遊技情報または第2遊技情報のタイトル名称を表示するヘッダを消去することなく表示する制御を実行する。
【0054】
また例えば、
図8中のスランプグラフの表示項目の「しまう」ボタン401Aがタッチ操作されると、上記の仮想的な表示領域の連なりが
図11に例示するように変化し、これにより、黒枠で示す子画面表示エリアにおいて、データ項目、スランプグラフ(ヘッダのみ)、第1の大当り間スタート棒グラフに、第2の大当り間スタート棒グラフを加えた全部で4つの表示項目を表示できるようになる。なお、第2の大当たり間スタート棒グラフで表示する大当り回数については、スランプグラフの遊技情報の消去に応じて空いたエリアで表示可能な回数が選択され、一部の遊技情報が表示されない表示状態となる。
【0055】
このようにいずれかの表示項目の表示内容が多いために一部の遊技情報を表示できない状態について、第2の大当り間スタート棒グラフ(遊技データ付きの大当り間スタートの棒グラフ)の表示領域を例にして説明する。この場合には、
図9及び
図10のように帯状領域であるフッタが表示領域の下端に設けられ、「広げる」⇔「縮める」のエリア切替ボタン402が配置される。表示項目に対応する遊技情報は、ヘッダとフッタとの間の遊技情報エリアに表示されることになる。
【0056】
図10に例示する通り、第2の大当り間スタート棒グラフの「広げる」ボタン402Aがタッチ操作されると、表示される棒グラフの本数が増えて縦方向に長くなると共にフッタのエリア切替ボタン402が「縮める」ボタン402Bに切り替わる。この「縮める」ボタン402Bがタッチ操作されると、表示領域が元のサイズに復帰する。
【0057】
いずれかの表示項目の表示領域を「広げた」場合、他の表示項目の表示領域の全部あるいは一部を表示できなくなることがある。このような場合、他の表示領域の表示処理としては例えば以下の処理等を採用すると良い。
・他の表示領域について、ヘッダを残して遊技情報エリアやフッタを消去する表示処理。
・他の表示領域を上詰めあるいは下詰めにより移動させ、上部あるいは下部の表示領域をエリア外に送り出してフレームアウトさせる表示処理。
・「広げた」表示領域を他の表示領域に上書きする表示処理。
【0058】
以上のように本例の遊技情報表示装置1では、子画面表示エリアの表示領域が分割されて2つ以上の表示領域が表示され、遊技者による操作に応じて各表示領域が拡大・縮小する。この遊技情報表示装置1によれば、遊技者が任意に各表示領域を拡大・縮小できるので、遊技者が確認を望む遊技情報を適時に拡大して見やすく表示できる。遊技情報表示装置1によれば、できる限り多くの遊技情報を一画面上に表示できると共に、例えば遊技者が所望したり遊技情報に変化が生じた等の特定の遊技情報を適時に見やすく表示可能である。
【0059】
子画面表示エリアのいずれかの表示領域を縮小する際は、遊技情報の内容が消去される一方で、その遊技情報の名称を含むヘッダがそのまま表示される。そのため、遊技者が何れの遊技情報が消去されているのかを容易に把握することができ、必要に応じて自らの操作で即座に再表示させることができる。
【0060】
大当りの発生など遊技中のイベント発生により、子画面表示エリアのいずれかの表示領域で表示する遊技情報が変化したときは、その変化した遊技情報の表示領域が自動で拡大するように構成している。このような構成を採用すれば、何れかの遊技情報が変化したことを表示領域の拡大により遊技者に対して報知できる。
【0061】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、第1表示領域としてスランプグラフの表示領域を例示し、第2表示領域として第1の大当り間スタート棒グラフの表示領域を例示し、第1遊技情報として差玉を、第2遊技情報として大当り間スタートを設定した例である。第1表示領域及び第2表示領域に表示する遊技情報の種類は本例に限定されず、どのような種類の遊技情報であっても良い。第1表示領域がスランプグラフの表示領域で、第2表示領域が第1の大当り間スタート棒グラフの表示領域という組み合わせは例示である。第1表示領域と第2表示領域の組み合わせはどのような組み合わせであっても良い。
【0062】
本例では子画面表示エリアの表示領域を3つに分割した構成を例示したが、2つ以上であればいくつに分割してもよい。
子画面表示エリアの分割された表示領域の自動開閉機能については、「大当り間スタート棒グラフ」と「スランプグラフ」の2つの表示項目を対象として動作を例示したが、「データ項目」も含めた3つ全部を対象として各表示領域の自動開閉を実行することも良い。すなわち、何れか1つの表示領域を拡大するときは、それ以外の2つの表示領域を縮小することができる。ただし、「データ項目」の遊技情報については、頻繁にデータが更新されるため、例えば「只今スタート」が100増加する毎など、一定間隔で自動拡大する仕様が好ましい。
【0063】
タッチパネル15の姿勢を検知するための検知手段の一例としてロータリーエンコーダ165を採用し、ロータリーエンコーダ165の出力に応じて縦長位置か横長位置かを検知する例を説明したが、これに代えて、縦長位置及び横長位置でオンオフするスイッチを設け、スイッチが出力するオンオフ信号に応じて縦長位置か横長位置かを検知することも良い。
【0064】
縦長位置において遊技データとテレビジョン映像とを同時に表示する場合には、遊技データの表示領域を下側にしテレビジョン映像の表示領域を上側にしても良いが、上下を入れ替えても良い。テレビジョン映像の表示領域を中段に配置し、その上下に遊技データの表示領域を設けることも良い。また、遊技者が任意にそれぞれの表示位置を選択できるようにしても良い。遊技者のタッチ操作により表示領域の入れ換え、組み換えを可能としても良い。
【0065】
タッチパネル15に表示する遊技情報の種類は本例に限定されず、様々な遊技情報を表示できる。
管理装置50において、各遊技情報表示装置1のタッチパネル15のパネル位置(縦長位置か横長位置か)を一覧で表示することも良い。各遊技情報表示装置1のタッチパネル15のパネル位置を一覧表示すれば、例えば遊技場の閉店時において各タッチパネル15のパネル位置を容易に把握でき、翌日の開店に備えて全ての遊技情報表示装置15のタッチパネル15を初期位置(例えば縦長位置)に整える作業を効率良く実施できる。
【0066】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。