(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口部は、前記開口部のタイヤ径方向の端縁と前記径方向底曲面との間に配置される平面状の径方向側平面と、前記開口部のタイヤ周方向の端縁と前記周方向底曲面との間に配置される平面状の周方向側平面と、を備え、
前記径方向側平面が前記突出部の表面と成す角度は、前記周方向側平面が前記突出部の表面と成す角度よりも、大きい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、
図1〜
図7を参酌して説明する。なお、各図(
図8及び
図9も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
図1に示すように、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1は、ビード11aを有する一対のビード部11を備えている。そして、タイヤ1は、各ビード部11からタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12の各々のタイヤ径方向D2の外側端に連接され、地面と接するトレッド面13aをタイヤ径方向D2の外側に有するトレッド部13とを備えている。なお、タイヤ1は、リム(図示していない)に装着される。
【0015】
また、タイヤ1は、一対のビード11a,11aの間に架け渡されるカーカス層14と、カーカス層14の内側に配置され、空気が充填されるタイヤ1の内部空間に面するインナーライナー15とを備えている。カーカス層14及びインナーライナー15は、ビード部11、サイドウォール部12、及びトレッド部13に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
【0016】
図1(以下の図も同様)において、第1の方向D1は、タイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3(例えば、
図2及び
図3参照)は、タイヤ回転軸周りの方向であるタイヤ周方向D3である。また、タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面は、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面である。
【0017】
ビード11aは、環状に形成されるビードコア11bと、ビードコア11bのタイヤ径方向D2の外側に配置されるビードフィラー11cとを備えている。例えば、ビードコア11bは、ゴム被覆されたビードワイヤ(例えば、金属線)を積層して形成され、ビードフィラー11cは、硬質ゴムを、タイヤ径方向D2の外側に向けてテーパ状にして形成されている。
【0018】
ビード部11は、リムに接触する外表面を構成すべく、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるリムストリップゴム11dを備えている。サイドウォール部12は、外表面を構成すべく、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム12aを備えている。
【0019】
トレッド部13は、トレッド面13aを構成するトレッドゴム13bと、トレッドゴム13bとカーカス層14との間に配置されるベルト部13cとを備えている。ベルト部13cは、複数(
図1においては、4つ)のベルトプライ13dを備えている。例えば、ベルトプライ13dは、平行配列した複数本のベルトコード(例えば、有機繊維や金属)と、ベルトコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
【0020】
カーカス層14は、少なくとも1つ(
図1においては、2つ)のカーカスプライ14aで構成されている。カーカスプライ14aは、ビード11aを巻き込むようにビード11aの周りで折り返されている。また、カーカスプライ14aは、タイヤ周方向D3に対して略直交する方向に配列した複数のプライコード(例えば、有機繊維や金属)と、プライコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
【0021】
インナーライナー15は、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れている。なお、サイドウォール部12において、インナーライナー15は、カーカス層14の内周側に密接しており、インナーライナー15及びカーカス層14間には、他の部材は介在していない。
【0022】
例えば、最も内周側に配置されるカーカスプライ14aとタイヤ内周面(インナーライナー15の内周面)との間の距離において、サイドウォール部12の当該距離は、トレッド部13の当該距離の90%〜180%である。より具体的には、サイドウォール部12の当該距離は、トレッド部13の当該距離の120%〜160%である。
【0023】
なお、サイドウォール部12は、タイヤ最大幅となる位置(具体的には、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側同士間の距離のうち、最大距離となる位置)とタイヤ径方向D2で同じになる位置12bを、外表面に備えている。以下、当該位置12bを、タイヤ最大幅位置12bという。
【0024】
また、サイドウォール部12は、ビードフィラー11cのタイヤ径方向D2の外側端11eと、タイヤ径方向D2で同じになる位置12cを、外表面に備えている。以下、当該位置12cを、ビードフィラー外側端位置12cという。
【0025】
さらに、サイドウォール部12は、ビードコア11bのタイヤ径方向D2の外側端11fとベルト部13cのタイヤ径方向D2の内側端13eとの間の中央位置と、タイヤ径方向D2で同じになる位置12dを、外表面に備えている。以下、当該位置12dを、中央位置12dという。
【0026】
図2〜
図5に示すように、トレッド部13は、タイヤ幅方向D1の外側端まで延びる複数の溝2と、複数の溝2に区画されることにより、タイヤ周方向D3に並列される複数のブロック3,4とを備えている。なお、
図4及び
図5において、2点鎖線は、タイヤ1のプロファイル面(基準面)S2を示している。
【0027】
複数のブロック3,4は、複数の第1ブロック3と、タイヤ幅方向D1の外側端に、プロファイル面S2に対して凹状である凹部4aを有する複数の第2ブロック4とを備えている。そして、第2ブロック4のトレッド面13aにおけるタイヤ幅方向D1の外側端縁は、第1ブロック3の当該外側端縁よりもタイヤ幅方向D1の内側に位置している。これにより、トレッド面13aのタイヤ幅方向D1の外側端縁は、タイヤ径方向D2視において、凹凸形状に形成されている。
【0028】
ところで、凹凸形状が存在することにより、面やエッジの成分が形成される。そして、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることにより、泥、砂、岩に接地する面積が、大きくなったり、また、その凹凸形状による面やエッジが、さまざまな位置の泥、砂、岩に接地し易くなったりする。このように、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることで、トラクション性能が向上する。
【0029】
また、本実施形態においては、第1ブロック3と第2ブロック4とは、タイヤ周方向D3において、交互に配置されている。即ち、タイヤ周方向D3で第1ブロック3と隣接するブロックは、第2ブロック4であり、また、タイヤ周方向D3で第2ブロック4と隣接するブロックは、第1ブロック3である。
【0030】
サイドウォール部12は、プロファイル面S2からタイヤ幅方向D1に突出する複数の突出部5,6を備えている。また、サイドウォール部12は、プロファイル面S2からタイヤ幅方向D1に突出し且つタイヤ周方向D3に沿って延びる環状突起部7を備えている。
【0031】
突出部5,6は、サイドウォール部12の少なくともタイヤ径方向D2の外側に配置されている。これにより、突出部5,6は、泥濘地や砂地において、車両の重みによりタイヤ1が沈降し、泥や砂に埋没した状態で接地したり、また、岩場において、凹凸の岩に接地したりできる。即ち、突出部5,6は、泥濘地、砂地、及び岩場といった悪路において、接地する。なお、突出部5,6は、平坦な道路において、通常走行時に接地しない。
【0032】
また、突出部5,6は、サイドウォール部12のビードフィラー外側端位置12c(
図1参照)よりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されている。具体的には、突出部5,6は、サイドウォール部12のタイヤ最大幅位置12b(
図1参照)よりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されている。
【0033】
複数の突出部5,6は、
図3に示すように、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも一部が第1ブロック3とタイヤ径方向D2で重なる複数の第1突出部5と、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも一部が第2ブロック4とタイヤ径方向D2で重なる複数の第2突出部6とを備えている。例えば、各突出部5,6は、タイヤ幅方向D1視において、タイヤ径方向D2で、各ブロック3,4とタイヤ周方向D3の25%以上(好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上)の範囲で重なっている。
【0034】
また、タイヤ幅方向D1視において、第1突出部5は、タイヤ径方向D2で第1ブロック3のみと重なり、第2突出部6は、タイヤ径方向D2で第2ブロック4とのみ重なっている。即ち、各突出部5,6は、タイヤ幅方向D1視において、タイヤ径方向D2で一つのブロック3,4のみと重なっている。
【0035】
また、第1突出部5と第2突出部6とは、タイヤ周方向D3で離れている。なお、本実施形態においては、第1突出部5と第2突出部6とは、タイヤ周方向D3において、交互に配置されている。即ち、タイヤ周方向D3で第1突出部5と隣接する突出部は、第2突出部6であり、また、タイヤ周方向D3で第2突出部6と隣接する突出部は、第1突出部5である。
【0036】
第1突出部5のタイヤ径方向D2の外側端5aは、第1ブロック3のトレッド面13aより、タイヤ径方向D2の内側である。これにより、第1ブロック3のトレッド面13aと、第1突出部5のタイヤ径方向D2の外側端5aとにより、凹凸形状が形成されている。したがって、トラクション性能を向上することができている。
【0037】
第2突出部6のタイヤ径方向D2の外側端6aは、タイヤ径方向D2において、第2ブロック4の凹部4aの底面4bと同じ位置である。これにより、第2ブロック4のトレッド面13aに対して凹状となる面(凹部4aの底面4bと第2突出部6の外側端6aの面とで構成される面)が、大きくなる。したがって、トラクション性能を向上することができている。
【0038】
第1突出部5は、開口部8,9を備えている。これにより、第1突出部5の存在により重量が増加する一方、開口部8,9が重量の増加を抑えているため、第1突出部5の存在に起因する重量バランスの不均一を抑制している。また、開口部8,9の存在により、面やエッジの成分が増加するため、トラクション性能が向上する。
【0039】
そして、開口部8,9は、第1突出部5のタイヤ径方向D2の両端縁から離れて配置されている。さらに、開口部8,9は、第1突出部5のタイヤ周方向D3の両端縁から離れて配置されている。これにより、第1突出部5の開口部8,9周りの剛性を高めることができるため、第1突出部5によるトラクション性能を維持することができている。例えば、開口部8,9の開口縁と第1突出部5の端縁との間の幅寸法は、1.5mm以上(好ましくは、2.0mm以上)である。
【0040】
また、開口部8,9のタイヤ周方向D3の中心位置は、第1突出部5のタイヤ周方向D3の中心位置と一致している。そして、開口部8,9は、第1突出部5のタイヤ周方向D3の中心に対して線対称の形状となっている。
【0041】
また、第1突出部5は、二つの開口部8,9を備えている。具体的には、第1突出部5は、タイヤ径方向D2の内側に配置される第1開口部8と、タイヤ径方向D2の外側に配置される第2開口部9とを備えている。第1開口部8は、環状突起部7よりも、タイヤ径方向D2の内側に配置されており、第2開口部9は、環状突起部7よりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されている。
【0042】
ところで、第1突出部5のタイヤ幅方向D1の突出量(最大突出量)は、第2突出部6のタイヤ幅方向D1の突出量(最大突出量)よりも、大きくなっている。それに対して、開口部8,9は、第1突出部5のみに備えられており、第2突出部6に備えられていない。したがって、開口部8,9により、第1突出部5と第2突出部6との突出量の差異に起因する重量バランスの不均一を抑制することができている。
【0043】
第1開口部8は、第1突出部5のうち、タイヤ幅方向D1に最も突出する部分に、配置されている。これにより、第1突出部5のうち、体積が最も大きい部分に、第1開口部8が備えられているため、第1突出部5の存在に起因する重量バランスの不均一を抑制することができている。
【0044】
ここで、開口部8,9の具体的な構成について、
図6及び
図7を参酌して説明する。なお、第1開口部8の具体的な構成について、以下に説明するが、第2開口部9の構成は、第1開口部8の構成と略同じである。
【0045】
図6に示すように、第1開口部8は、平面状に形成される底平面8aを備えている。そして、第1開口部8は、底平面8aのタイヤ径方向D2の両側に配置される一対の径方向底曲面8b,8cと、第1開口部8のタイヤ径方向D2の端縁と径方向底曲面8b,8cとの間に配置される一対の径方向側平面8d,8eとを備えている。
【0046】
なお、
図6(
図7〜
図9も同様)において、点P1は、第1開口部8の最大深さ位置を示している。また、
図6(
図8及び
図9も同様)において、点P2は、底平面8aと径方向底曲面8b,8cとの境界を示し、点P3は、径方向底曲面8b,8cと径方向側平面8d,8eとの境界を示している。
【0047】
径方向底曲面8b,8cは、タイヤ径方向D2に沿う面(タイヤ子午面)の断面で円弧状に形成され、径方向側平面8d,8eは、平面状に形成されている。なお、一対の径方向底曲面8b,8c及び径方向側平面8d,8eのうち、タイヤ径方向D2の内側の方を、それぞれ第1径方向底曲面8b及び第1径方向側平面8dといい、タイヤ径方向D2の外側の方を、それぞれ第2径方向底曲面8c及び第2径方向側平面8eという。
【0048】
そして、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、第1開口部8の最大深さ寸法W1以上である(好ましくは、最大深さ寸法W1よりも、大きい)。例えば、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、第1開口部8の最大深さ寸法W1の100%〜200%であり、具体的には、100%〜175%である。なお、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、第1突出部5の最大突出量以下である。
【0049】
また、一対の径方向底曲面8b,8cのうち、サイドウォール部12の中央位置12d(
図1参照)に近い第1径方向底曲面8bの曲率半径は、当該中央位置12dから遠い第2径方向底曲面8cの曲率半径よりも大きくなっている。例えば、中央位置12dに近い径方向底曲面8bの曲率半径は、当該中央位置12dから遠い第2径方向底曲面8cの曲率半径の150〜200%である。
【0050】
また、一対の径方向側平面8d,8eのうち、サイドウォール部12の中央位置12dに近い第1径方向側平面8dが第1突出部5の表面と成す第1角度θ1は、当該中央位置12dから遠い第2径方向側平面8eが第1突出部5の表面と成す第2角度θ2よりも大きくなっている。例えば、第1角度θ1は、第2角度θ2の100〜125%である。
【0051】
図7に示すように、第1開口部8は、底平面8aのタイヤ周方向D3の両側に配置される一対の周方向底曲面8f,8fと、第1開口部8のタイヤ周方向D3の端縁と周方向底曲面8f,8fとの間に配置される一対の周方向側平面8g,8gとを備えている。なお、
図7において、点P4は、底平面8aと周方向底曲面8f,8fとの境界を示し、点P5は、周方向底曲面8f,8fと周方向側平面8g,8gとの境界を示している。
【0052】
周方向底曲面8fは、タイヤ周方向D3に沿う面の断面で円弧状に形成され、周方向側平面8gは、平面状に形成されている。そして、周方向底曲面8fの曲率半径は、第1開口部8の最大深さ寸法W1以上である(好ましくは、最大深さ寸法W1よりも、大きい)。例えば、周方向底曲面8fの曲率半径は、第1開口部8の最大深さ寸法W1の100%〜150%であり、具体的には、110%〜140%である。なお、周方向底曲面8fの曲率半径は、第1突出部5の最大突出量以下である。
【0053】
ところで、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、周方向底曲面8fの曲率半径よりも、大きくなっている。例えば、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、周方向底曲面8fの曲率半径の200%〜350%であり、具体的には、250%〜300%である。
【0054】
また、径方向側平面8d,8eが第1突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、周方向側平面8gが第1突出部5の表面と成す角度θ3よりも、大きい。例えば、径方向側平面8d,8eが第1突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、90°〜135°であり、周方向側平面8gが第1突出部5の表面と成す角度θ3は、90°〜105°である。
【0055】
以上より、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向D2に延びるサイドウォール部12と、タイヤ径方向D2の外側にトレッド面13aを有し、前記サイドウォール部12のタイヤ径方向D2の外側端に連接されるトレッド部13と、を備え、前記トレッド部13は、タイヤ幅方向D1の外側端まで延びる複数の溝2と、前記複数の溝2に区画されることにより、タイヤ周方向D3に並列される複数のブロック3,4とを備え、前記複数のブロック3,4は、複数の第1ブロック3と、タイヤ幅方向D1の外側端に凹部4aを有することにより、前記トレッド面13aにおけるタイヤ幅方向D1の外側端縁が前記第1ブロック3の当該外側端縁よりもタイヤ幅方向D1の内側に位置する複数の第2ブロック4と、を備え、前記サイドウォール部12は、タイヤ幅方向D1に突出する複数の突出部5を備え、前記突出部5は、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも一部が前記第1ブロック3とタイヤ径方向D2で重なるように、配置され、前記突出部5の少なくとも一つは、タイヤ径方向D2の少なくとも一方(本実施形態では、両方)の端縁から離れて配置される開口部8,9を備え、前記開口部8,9は、タイヤ径方向D2に沿う面の断面で円弧状に形成される径方向底曲面8b,8cを備え、前記径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、前記開口部8の最大深さ寸法W1以上である。
【0056】
斯かる構成によれば、第2ブロック4は、タイヤ幅方向D1の外側端に凹部4aを有しているため、第2ブロック4のトレッド面13aにおけるタイヤ幅方向D1の外側端縁が第1ブロック3の当該外側端縁よりも、タイヤ幅方向D1の内側に位置している。したがって、第1ブロック3と第2ブロック4との当該外側端縁の位置が異なるため、これによる凹凸形状がトラクション性能を発揮する。
【0057】
また、第2ブロック4は、タイヤ幅方向D1の外側端に凹部4aを有している。これにより、第2ブロック4の位置では、第2ブロック4自身の凹凸形状により、トラクション性能が発揮される。
【0058】
一方、第1ブロック3の位置では、突出部5は、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも一部が第1ブロック3とタイヤ径方向D2で重なるように、配置されている。したがって、タイヤ幅方向D1における、第1ブロック3と突出部5との位置関係(例えば、凹凸形状)により、トラクション性能が発揮される。
【0059】
また、突出部5の存在により、当該部分のゴム重量が大きくなる。そこで、突出部5の少なくとも一つは、タイヤ径方向D2の少なくとも一方(本実施形態では、両方)の端縁から離れて配置される開口部8,9を備えている。これにより、突出部5の存在に起因する重量バランスの不均一を抑制することができている。しかも、開口部8,9の面やエッジにより、トラクション性能が発揮される。
【0060】
ところで、タイヤ1は、例えば走行時に車両の重量等により、変形する。これにより、突出部5も変形する(特に、タイヤ径方向D2に大きく変形する)ため、例えば、開口部8,9の底面等から、割れや欠けが発生する可能性がある。そこで、開口部8,9は、タイヤ径方向D2に沿う面の断面で円弧状に形成される径方向底曲面8b,8cを備えている。これにより、タイヤ変形時に発生する応力が、径方向底曲面8b,8cで分散されるため、径方向底曲面8b,8cで割れや欠けが発生することを抑制することができる。
【0061】
しかも、径方向底曲面8b,8cの曲率半径が、開口部8の最大深さ寸法W1以上となっている。これにより、タイヤ変形時に発生する応力が、径方向底曲面8b,8cで効果的に分散されるため、径方向底曲面8b,8cで割れや欠けが発生することを効果的に抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記開口部8,9は、タイヤ周方向D3の少なくとも一方(本実施形態では、両方)の端縁から離れて配置され、前記開口部8,9は、タイヤ周方向D3に沿う面の断面で円弧状に形成される周方向底曲面8fを備え、前記周方向底曲面8fの曲率半径は、前記開口部8の最大深さ寸法W1以上である、という構成である。
【0063】
斯かる構成によれば、開口部8,9は、タイヤ周方向D3の少なくとも一方(本実施形態では、両方)の端縁から離れて配置されている。そして、開口部8,9は、タイヤ周方向D3に沿う面の断面で円弧状に形成される周方向底曲面8fを備えている。これにより、タイヤ変形時に発生する応力が、周方向底曲面8fで分散されるため、周方向底曲面8fで割れや欠けが発生することを抑制することができる。
【0064】
しかも、周方向底曲面8fの曲率半径が、開口部8の最大深さ寸法W1以上となっている。これにより、タイヤ変形時に発生する応力が、周方向底曲面8fで効果的に分散されるため、周方向底曲面8fで割れや欠けが発生することを効果的に抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、前記周方向底曲面8fの曲率半径よりも、大きい、という構成である。
【0066】
斯かる構成によれば、一般的に、タイヤ周方向D3よりもタイヤ径方向D2に大きく変形するタイヤ1(突出部5)に対して、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、周方向底曲面8fの曲率半径よりも、大きくなっている。これにより、タイヤ変形時に発生する大きな応力が径方向底曲面8b,8cに作用するが、当該応力は、径方向底曲面8b,8cで十分に分散される。このように、各曲面8b,8c,8fの曲率半径を適正化することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記開口部8,9は、前記径方向底曲面8b,8cとタイヤ径方向D2の端縁との間に配置される平面状の径方向側平面8d,8eと、前記周方向底曲面8fとタイヤ周方向D3の端縁との間に配置される平面状の周方向側平面8gと、を備え、前記径方向側平面8d,8eが前記突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、前記周方向側平面8gが前記突出部5の表面と成す角度θ3よりも、大きい、という構成である。
【0068】
斯かる構成によれば、径方向側平面8d,8eは、平面状に形成され、径方向底曲面8b,8cと開口部8のタイヤ径方向D2の端縁との間に配置されている。また、周方向側平面8gは、平面状に形成され、周方向底曲面8fと開口部8のタイヤ周方向D3の端縁との間に配置されている。
【0069】
そして、一般的に、タイヤ周方向D3よりもタイヤ径方向D2に大きく変形するタイヤ1(突出部5)に対して、径方向側平面8d,8eが突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、周方向側平面8gが突出部5の表面と成す角度θ3よりも、大きくなっている。これにより、タイヤ変形時に発生する大きな応力が径方向側平面8d,8eに作用するが、当該応力は、径方向側平面8d,8eで十分に分散される。このように、各平面8d,8e,8gが突出部5の表面と成す角度θ1〜θ3を適正化することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、前記サイドウォール部12のタイヤ径方向D2の内側に配置されるビード部11を、備え、前記ビード部11は、内部に配置されるビードコア11bを備え、前記トレッド部13は、タイヤ径方向D2の外側に配置されるトレッドゴム13bと、前記トレッドゴム13bのタイヤ径方向D2の内側に配置されるベルト部13cと、を備え、前記開口部8,9は、前記突出部5のタイヤ径方向D2の両端縁から離れて配置されることで、一対の前記径方向底曲面8b,8cを備え、一対の前記径方向底曲面8b,8cのうち、前記ビードコア11bのタイヤ径方向D2の外側端11fと前記ベルト部13cのタイヤ径方向D2の内側端13eとの間の中央位置12dに対して、近い方8bの曲率半径は、一対の前記径方向底曲面8b,8cのうち、当該中央位置12dに対して遠い方8cの曲率半径よりも、大きい、という構成である。
【0071】
斯かる構成によれば、開口部8,9は、突出部5のタイヤ径方向D2の両端縁からそれぞれ離れて配置されている。これにより、開口部8,9は、一対の径方向底曲面8b,8cを備えている。ところで、一般的に、タイヤ1は、変形時に、硬い素材であるビードコア11bとベルト部13cとの間で、大きく変形し易い。具体的には、一般的に、タイヤ1は、ビードコア11bのタイヤ径方向D2の外側端11fとベルト部13cのタイヤ径方向D2の内側端13eとの間の中央位置12dで、最も大きく変形し易い。
【0072】
そこで、一対の径方向底曲面8b,8cのうち、当該中央位置12dに対して近い方8bの曲率半径は、一対の径方向底曲面8b,8cのうち、当該中央位置12dに対して遠い方8cの曲率半径よりも、大きくなっている。これにより、タイヤ変形時に発生する大きな応力が、当該中央位置12dに近い方の径方向底曲面8bに作用するが、当該応力は、当該径方向底曲面8bで十分に分散される。このように、各径方向底曲面8b,8cの曲率半径を適正化することができる。
【0073】
なお、空気入りタイヤは、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0074】
上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8は、底平面8aと、径方向底曲面8b,8cと、径方向側平面8d,8eとを備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、
図8に示すように、開口部8は、底平面8aと、径方向底曲面8b,8cとを備えおり、径方向側平面8d,8eを備えていない、という構成でもよい。
【0075】
また、例えば、
図9に示すように、開口部8は、径方向底曲面8b,8cと、径方向側平面8d,8eとを備えており、底平面8aを備えていない、という構成でもよい。また、例えば、開口部8は、径方向底曲面8b,8cを備えており、底平面8a及び径方向側平面8d,8eを備えていない、という構成でもよい。
【0076】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8は、底平面8aと、
周方向底曲面8f,8fと、周方向側平面8g,8gとを備えている、という構成である
。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、開口部8は、底
平面8aと、周方向底曲面8f,8fとを備えおり、
周方向側平面8g,8gを備えてい
ない、という構成でもよい。
【0077】
また、例えば、開口部8は、周方向底曲面8f,8fと、周方向側平面8g,8gとを備えており、底平面8aを備えていない、という構成でもよい。また、例えば、開口部8は、周方向底曲面8f,8fを備えており、底平面8a及び周方向側平面8g,8gを備えていない、という構成でもよい。また、例えば、開口部8は、底平面8aと、周方向側平面8g,8gとを備えており、周方向底曲面8f,8fを備えていない、という構成でもよい。
【0078】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8,9は、突出部5のタイヤ径方向D2の両方の端縁からそれぞれ離れて配置されている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、開口部8,9は、突出部5のタイヤ径方向D2の一方の端縁のみから離れて配置されている、という構成でもよい。
【0079】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8,9は、突出部5のタイヤ周方向D3の両方の端縁からそれぞれ離れて配置されている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、開口部8,9は、突出部5のタイヤ周方向D3の一方の端縁のみから離れて配置されている、という構成でもよい。
【0080】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、周方向底曲面8fの曲率半径は、開口部8の最大深さ寸法W1以上である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、周方向底曲面8fの曲率半径は、開口部8の最大深さ寸法W1よりも、小さい、という構成でもよい。
【0081】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、周方向底曲面8fの曲率半径よりも、大きい、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、径方向底曲面8b,8cの曲率半径は、周方向底曲面8fの曲率半径以下である、という構成でもよい。
【0082】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、径方向側平面8d,8eが突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、周方向側平面8gが突出部5の表面と成す角度θ3よりも、大きい、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、径方向側平面8d,8eが突出部5の表面と成す角度θ1,θ2は、周方向側平面8gが突出部5の表面と成す角度θ3以下である、という構成でもよい。
【0083】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、中央位置12dに近い方の径方向底曲面8bの曲率半径は、当該中央位置12dから遠い方の径方向底曲面8cの曲率半径よりも、大きい、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、中央位置12dに近い方の径方向底曲面8bの曲率半径は、当該中央位置12dから遠い方の径方向底曲面8cの曲率半径以下である、という構成でもよい。
【0084】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1は、第1突出部5だけでなく、第2突出部6を備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、空気入りタイヤは、第1突出部5のみ備えており、第2突出部6を備えていない、という構成でもよい。
【0085】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1ブロック3は、タイヤ幅方向D1の外側端に凹部を備えていない、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、第2ブロック4のトレッド面13aにおけるタイヤ幅方向D1の外側端縁が、第1ブロック3の当該外側端縁よりもタイヤ幅方向D1の内側に位置する、という構成であれば、第1ブロック3は、タイヤ幅方向D1の外側端にプロファイル面S2に対して凹状となる凹部を備えていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2突出部6は、開口部を備えていない、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、第2突出部6は、開口部を備えている、という構成でもよい。
【0087】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8,9は、複数の突出部5,6の1/2(即ち、第1突出部5のみ)に備えられている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、開口部8,9は、複数の突出部5,6の少なくとも一つに備えられていればよい。なお、開口部8,9は、複数の突出部5,6の少なくとも1/4に備えられている構成が好ましく、少なくとも1/3に備えられている構成がより好ましく、少なくとも1/2に備えられている構成がさらに好ましい。
【0088】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1突出部5は、全て同じ形状であり、第2突出部6は、全て同じ形状である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、第1突出部5は、複数の異なる形状を備え、それぞれタイヤ周方向D3に順番に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、第2突出部6は、複数の異なる形状を備え、それぞれタイヤ周方向D3に順番に配置されている、という構成でもよい。
【0089】
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、開口部8,9は、一つの突出部5に対して二つ備えられている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、開口部は、一つの突出部5に対して一つ又は三つ以上備えられている、という構成でもよい。
【0090】
また、空気入りタイヤ1においては、突出部5,6は、一対のサイドウォール部12のうち、少なくとも一方に備えられていればよい。例えば、突出部5,6は、一対のサイドウォール部12のうち、車両装着時に外側に配置されるサイドウォール部12に、少なくとも備えられていればよい。
【0091】
また、空気入りタイヤ1においては、突出部5,6が、一対のサイドウォール部12の両方に備えられている構成に対して、開口部8,9は、一方側のサイドウォール部12の突出部5にのみ備えられている、という構成でもよく、両方のサイドウォール部12の突出部5に備えられている、という構成でもよい。例えば、開口部8,9は、一対のサイドウォール部12のうち、車両装着時に外側に配置されるサイドウォール部12の突出部5に、少なくとも備えられている、という構成でもよい。