(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演算装置は、穀物の生産時における生産情報を取得する第2取得部を有し、前記処理装置は、前記第2取得部が取得した生産情報を表示する表示部を有している請求項3又は4に記載の穀物の管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、穀物の管理システムの概略図を示している。
穀物の管理システムは、収穫した穀物を管理するシステムである。穀物は、籾(米)、麦、粟、稗、そば、豆類等であるが、これらに限定されない。
【0017】
穀物の管理システムは、穀物を収容する容器11、即ち、収容器11に設けられたRFIDタグ(Radio Frequency Identification)10を備えている。また、穀物の管理システムは、RFIDリーダ20を備えている。
まず、収容器11について説明する。
収容器11は、フレキシブルコンテナバッグ(以降、フレコンという)、コンテナ等である。フレコンは、変形自在な材料であって化学繊維等で構成されている。また、コンテナは、金属等で構成されている。この実施形態では、収容器11はコンテナである。
図3に示すように、収容器11は、穀物を収容する収容部12を有している。収容部12は、底部13と、周部14とを有している。底部13は、例えば、平面視で矩形状の板材で構成されている。周部14は、底部13を取り囲んでいて、当該底部13の縁部から起立している。周部14で囲まれた部分が、穀物を挿入する開口部15である。
【0018】
周部14は、縦壁14aと、横壁14bとを含んでいる。縦壁14aは、底部12の4つの縁部のうち、互いに対向する2つの縁部又は当該縁部近傍から起立する板材である。横壁14bは、縦壁14aが設けられていない残りの2つの縁部又は当該縁部近傍から起立し且つ縦壁14aに交差する板材である。説明の便宜上、縦壁14aにおいて、底部12の左の縁部又は縁部近傍から立ち上がる縦壁14aのことを第1縦壁14a1といい、底部12の右の縁部又は縁部近傍から立ち上がる縦壁14aのことを第2縦壁14a2という。また、横壁14bにおいて、底部12の奥の縁部又は縁部近傍から立ち上がる横壁14bのことを第1横壁14b1といい、底部12の手前の縁部又は縁部近傍から立ち上がる横壁14のことを第2横壁14b2という。
【0019】
第1縦壁14a1は、第1横壁14b1の左部と第2横壁14b2の左部とを連結している。第1縦壁14a1は、第1横壁14b1及び第2横壁14b2に直交している。第2縦壁14a2は、第1横壁14b1の右部と第2横壁14b2の右部とを連結している。第2縦壁14a2は、第1横壁14b1及び第2横壁14b2に直交している。開口部15は、第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2により構成されている。したがって、開口部15に穀物を投入することによって、穀物を収容器12に収容することができる。
【0020】
RFIDタグ10は、収容器11、即ち、収容部12に関する情報(容器情報)を送信するタグである。容器情報は、少なくとも収容器11(収容部12)を識別するための識別情報(収容器11を識別するための情報)である。識別情報は、収容器11毎に個別に割り当てられた番号等である。識別情報は、収容器11を識別できるものであれば何でもよく、上述した例に限定されない。なお、容器情報は、収容器11の大きさ(縦、横、容量)の容量情報であったり、RFIDタグ10の取付情報であってもよい。取付情報とは、1個の収容器11に対するRFIDタグ10の取付位置や取付個数を示す情報である。
【0021】
RFIDタグ10は、例えば、RFIDリーダ20からの電波(信号)を電力に変換するパッシブ型である。言い換えれば、RFIDタグ10は、蓄電池を有さないパッシブ型である。RFIDタグ10は、容器情報を記憶する記憶部と、出力部(以下、送信部という)とを有している。記憶部及び送信部は筐体に格納されている。記憶部は、例えば、不揮発性のメモリ等で構成され、容器情報として識別情報を記憶している。なお、容器情報として収容器11の大きさ(縦、横、容量)等を記憶していてもよい。送信部は、RFIDリーダ20からの電波(信号)を受信すると、記憶部に記憶されている容器情報を外部、即ち、RFIDリーダ20に向けて送信する。
【0022】
RFIDタグ10、即ち、記憶部及び送信部を格納する筐体は、収容器11に設けられている。
図3に示すように、1個の収容器11に対して複数のRFIDタグ10が設けられている。複数のRFIDタグ10は、周部14に設けられている。詳しくは、複数のRFIDタグ10は、縦壁14aに設けられた1以上のRFIDタグ10a(縦タグ10aという)と、横壁14bに設けられた1以上のRFIDタグ10b(横タグ10bという)とを含んでいる。
【0023】
この実施形態では、縦タグ10aは、第1縦壁14a1に設けられた第1縦タグ10a1と、第2縦壁14a2に設けられた第2縦タグ10a2とを含んでいる。横タグ10bは、第1横壁14b1に設けられた第1横タグ10b1と、第2横壁14b2に設けられた第2横タグ10b2とを含んでいる。即ち、第1縦壁14a1、第2縦壁14a2、第1横壁14b1、第2横壁14b2のそれぞれに、1個のRFIDタグ10(第1縦タグ10a1、第2縦タグ10a2、第1横タグ10b1、第2横タグ10b2)が取り付けられている。第1縦タグ10a1と、第2縦タグ10a2とは、第1横壁14b1の中央部と第2横壁14b2の中央部を結ぶ中央線L1に対して対称に配置されている。第1横タグ10b1と、第2縦タグ10b2とは、第1縦壁14a1の中央部と第2縦壁14a2の中央部を結ぶ中央線L2に対して対称に配置されている。
【0024】
さて、
図1,3に示すように、RFIDタグ10から送信された容器情報を受信するRFIDリーダ20は、穀物を処理する穀物処理設備200に設けられている。
まず、穀物処理設備200について説明する。
穀物処理設備200は、例えば、穀物を乾燥することが可能な処理設備であって、
図2に示すように、所定の敷地内に建屋201が設けられ、建屋201の内部に、穀物の処理を行う少なくとも1以上の処理装置202が設けられている。
【0025】
処理装置202は、例えば、荷受け機203、乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208等である。なお、処理装置202は、上述したものに限定されず、穀物処理設備200において、荷受け機203、乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208のすべてが設置されている必要はなく、穀物の処理に応じて穀物処理設備200に設置する処理装置202を選択すればよい。
【0026】
図4に示すように、荷受け機203は、穀物を受ける荷受部203Aと、荷受部203Aに入れられた穀物を上方に搬送する縦搬送部203Bとを備えている。荷受部203Aは、例えば、少なくとも上方が開放した箱型の荷受けケース203A1を有している。荷受けケース203A1には、穀物を投入する投入口203A2が形成されている。荷受けケース203A1は、収容器11に入れられている穀物を上方から受けることができる。荷受けケース203A1は、側部も開口されていて上方及び側方から収容器11の穀物を受け入れる形状であってもよく、その他の形状であってもよい。荷受けケース203A1の下部には荷受した穀物を搬送部203Bに送り出す横搬送機構(図示省略)が設けられている。横搬送機構によって荷受部203Aで受けた穀物を縦搬送部203Bに搬送することが可能である。
【0027】
縦搬送部203Bは、横搬送機構によって搬送された穀物、即ち、下部に到達した穀物を上方に搬送する。縦搬送部203Bは、例えば、荷受部203Aに接続された縦長のケーシング203B1と、ケーシング203B1の上部に配置された上スプロケット203B2と、ケーシング203B1の下部に配置された下スプロケット203B3と、上スプロケット203B2、下スプロケット203B3に巻き掛けられたベルト203B4と、ベルト203B4に設けられたバケットとを有している。上スプロケット203B2及び下スプロケット203B3を駆動させることによって、穀物を下部から上方に搬送することができる。なお、縦搬送部203Bの形状及び構成は、上述したものに限定されない。
【0028】
また、上述した荷受け機203は、穀物処理設備200の建屋201内に設置された固定式であっても、建屋201等を移動可能な移動式であってもよい。荷受け機203が移動式の場合は、荷受けケース203A1に、例えば、キャスタ等の移動機構が設けられており、当該移動機構によって移動が可能である。
図5Aに示すように、乾燥機204は、穀物(籾)を投入する投入部204Aと、穀物を一時的に貯留する貯留部204Bと、貯留部204Bで貯留された穀物が供給されて当該供給された穀物を乾燥する乾燥部204Cと、循環部204Dとを有している。
図5Bに示すように、投入部204Aは、貯留部204B及び乾燥部204Cを収容する本体204Fの下部に設けられている。投入部204Aは、下部に行くにしたがって徐々に狭くなる円筒状のホッパーで構成されている。投入部204Aの下部には、穀物を流通させる通路204A1を有する支持台204A2が形成されている。
【0029】
循環部204Dは、穀物を循環させる装置であって、乾燥部204Cで乾燥した穀物を貯留部204Bに送ったり、投入部204Aに投入された穀物を貯留部204Bに送る装置である。循環部204Dは、乾燥後の穀物を横送りする横送り機構230と、横送り機構230で送られた穀物を上方へ送る縦送り機構231とを有している。
縦送り機構231は、本体204Fの側方に設けられ且つ起立した箱型のケーシング232と、ケーシング232の内部に設けられ且つ穀物を上方に運搬する運搬部233と備えている。運搬部233は、ケーシング232の上部及び下部に配置され且つ回転可能なスプロケット233Aと、上下のスプロケット233Aに掛けられたベルト233Bと、ベルト233Bに設けられたバケット233Cとを有している。縦送り機構231によれば、図示省略の駆動モータ等によってスプロケット233Aを回転させてベルト233Bを動かすことにより、ケーシング232の下部の穀物をバケット233Cで掬って、ケーシング232の上部に運搬することができる。ケーシング232の上部に運搬された穀物は、ケーシング232の上部と本体204Fとを繋ぐ連通部233Dを通って、貯留部204Bに運搬される。
【0030】
横送り機構230は、本体204Fの下部であって、乾燥部204Cの下方に設けられている。横送り機構230は、穀物を横送り可能なスクリュ230Aと、スクリュ230Aで横送りされた穀物を縦送り機構231に流す通路230Bとを有している。通路230Bは、投入部204Aの下部に設けた通路204A1と連通していて、スクリュ230Aを駆動モータ等によって回転することによって通路230B内の穀物を、通路204A1を経てケーシング232の下部に送ることが可能である。
【0031】
なお、乾燥機204は、当該乾燥機204の制御を行う制御装置204Eを有している。制御装置204Eは、乾燥終了後の穀物の水分量等が予め設定された目標値となるように、乾燥部204Cの乾燥温度や循環部204Dの循環速度等を制御する。
図1に示すように、放冷タンク205は、乾燥機204で乾燥した穀物を所定時間に貯留することで放冷するタンクである。籾摺機206は、放冷タンク205で放冷した穀物の籾摺りを行う装置である。
【0032】
色選機207は、籾摺り後の穀物等の色彩検査や色彩選別を行う装置である。色選機207は、ホッパー207Aと、撮像部207Bと、インジェクタ207Cと、を有している。ホッパー207Aは、穀物を入れると共に穀物を落下させる部材である。撮像部207Bは、落下中の穀物を撮像する装置であり、インジェクタ207Cは、色選結果に基づいて不良とされた穀物を分別する。
【0033】
計量器208は、色選機207による色選などが行われた後の穀物の計量を行うもので、穀物を入れるホッパー208Aと、ホッパー208Aの下部に設けられた台座208Bと、計量部208Cとを有している。
ホッパー208Aは、穀物を入れる容器であり、台座208Bは、穀物を入れるフレコンやコンテナ等の収容部材を置く台である。計量部208Cは、収容部材に入れられた穀物の重量を測定する装置である。
【0034】
乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208の間には、ベルトコンベヤー等で構成された搬送装置が設けられ、当該搬送装置によって穀物を上流側から下流側へと運搬することが可能である。
RFIDリーダ20は、RFIDタグ10等の外部に電波(信号)を出力して、当該RFIDタグ10から送信された様々な情報(識別情報、容量情報、取付情報等)を受信可能な装置である。なお、RFIDリーダ20は、時刻等の時間を計時する計時部を有していてもよい。この場合は、RFIDリーダ20は、RFIDタグから送信された容器情報を受信した時刻などの時間情報を、容器情報と共に外部に出力可能である。
【0035】
図6Aに示すように、RFIDリーダ20は、荷受け機203に設けられている。RFIDリーダ20は、荷受けケース203A1の投入口203A2の近傍であって荷受けケース203A1の内壁203A3に設けられている。
図6Bに示すように、RFIDリーダ20は、投入口203A2の近傍であって荷受けケース203A1の外壁203A4に設けられていてもよいし、
図6Cに示すように、ケーシング203B1に設けられていてもよいし、その他の箇所に設けられていてもよい。
【0036】
図1に示すように、RFIDリーダ20は、穀物処理設備200に設けられたネットワークNに接続可能である。ネットワークNは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であって、少なくとも穀物処理設備200に設けられた処理装置202とRFIDリーダ20とを接続する。この実施形態では、荷受け機203、乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208と、RFIDリーダ20とがネットワークNにより接続されている。なお、穀物処理設備200に設けるネットワークNにおいて、接続方式は有線であっても無線であってもよく、接続方式は限定されない。
【0037】
RFIDリーダ20は、RFIDタグ10から送信された容器情報を受信すると、当該容器情報を一時的に保持し、外部から容器情報の要求がある場合などに、保持した容器情報をネットワークNに送信する。また、RFIDリーダ20が計時部を有している場合は、容器情報を受信した時刻等の時間情報を一時的に保持し、外部から容器情報の要求がある場合などに、容器情報及び一時的に保持した時間情報をネットワークNに送信する。なお、RFIDリーダ20は、容器情報を受信した時点で受信した容器情報、又は、容器情報及び時間情報をネットワークに出力してもよい。
【0038】
穀物の管理システムは、演算装置220を備えている。演算装置220は、コンピュータ[サーバ、携帯端末(スマートフォン、タブレット、PDA等)]である。この実施形態では、演算装置220は、穀物処理設備200に設置されたサーバであるとして説明を行う。サーバ220は、ネットワークNに接続可能である。サーバ220は、ネットワークNを通じて、荷受け機203、乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208の稼働情報を取得することが可能である。稼働情報は、荷受機203の場合、荷受け時間(時間情報)、荷受け量、搬送量等である。稼働情報は、乾燥機204の場合、例えば、張り込み中、乾燥中、停止中、乾燥開始時間、乾燥終了時間、乾燥中の水分量、乾燥温度、乾燥中の乾燥重量、乾燥開始時の穀物の水分量、乾燥終了時の穀物の水分量等である。稼働情報は、放冷タンク205の場合、張り込み開始時間、張り込み量、排出量、排出開始時間、放冷時間等である。稼働情報は、籾摺機206の場合、籾摺開始時間、籾摺終了時間、籾摺り量等である。稼働情報は、色選機207の場合、色選結果(色彩条件、良好の割合、不良の割合)、色彩開始時間、色彩終了時間等である。稼働情報は、計量器208の場合、計測結果(例えば、出荷量、袋詰数、袋詰量)、計量開始時間、計量終了時間等である。なお、稼働情報は、上述したものに限定されない。
【0039】
サーバ220は、RFIDリーダ20が受信した容器情報と、処理装置202における処理とを対応付ける対応付け部221を備えている。対応付け部221は、サーバ220に格納されたプログラム等で構成されている。対応付け部221は、RFIDリーダ20が受信した識別情報と当該識別情報を受信した時間情報と、稼働情報に含まれる時間とに基づいて、処理装置202における処理と識別情報とを対応付ける。対応付け部221は、例えば、RFIDリーダ20が受信した識別情報及び時間情報によって、所定の収容器11の穀物を何時何分に荷受け機203で荷受けしたかの情報を取得する。対応付け部221は、荷受けした時刻(時間情報)と、各処理装置202(荷受け機203、乾燥機204、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208)で示された様々な時間を用いて、各処理装置202において行った処理と収容器11との関係を対応付ける。
図7は、サーバ220がネットワークNを介して各処理装置202から取得した稼働情報である。
【0040】
図7に示すように、荷受け機203のRFIDリーダ20が、「00020501」で示される識別情報を17時にRFIDタグ10から受信している。これにより、識別情報が「00020501」である収容器11の穀物が荷受け機203によって荷受けされたことを把握することができる。説明の便宜上、識別情報が「00020501」である収容器11のことを、収容器Aという。穀物処理設備200に設置された所定の乾燥機204のことを、乾燥機Aという。
【0041】
対応付け部221は、
図7に示された稼働情報に含まれる時間と、荷受け機203の荷受け時間(荷受け時刻)とを比較して、処理装置202において収容器Aに収容された穀物が処理された状況を判断する。収容器Aの穀物の荷受け時刻は17時であるのに対して、乾燥機Aの乾燥開始時刻が18時であり、穀物を荷受けしてから乾燥機Aで乾燥を開始するまでの経過時間が1時間であることから、対応付け部221は、当該乾燥機Aに収容器Aの穀物が張り込まれて、乾燥が開始されたものと判定する。即ち、荷受け機203で荷受けをしてから所定の乾燥機Aに張り込むまでの標準時間が操業実績等に基づいて定められており、当該標準時間はサーバ220に記憶されている。対応付け部221は、荷受け時刻から乾燥開始時刻までの経過時間がサーバ220に記憶された標準時間内であるため、対応付け部221は収容器Aの穀物が乾燥機Aに張り込まれたものと判定する。
【0042】
なお、対応付け部221は、荷受け機203の搬送量及び荷受け時刻に基づいて、穀物が乾燥機Aに到達するまでの実際の到達時刻を求め、当該到達時刻と乾燥機Aにおける乾燥開始時刻とを比較して、到達時刻が乾燥開始時刻と略一致している場合、収容器Aの穀物が乾燥機Aに張り込まれたと判断してもよい。
したがって、対応付け部221は、収容器Aの識別情報と乾燥機Aの稼働情報(乾燥温度、乾燥開始時の穀物の水分量、乾燥終了時の穀物の水分量等)とを対応付ける。対応付けられた収容器Aの識別情報と乾燥機Aの稼働情報とは、サーバ220に記憶される。説明の便宜上、対応付けられた所定の収容器の識別情報と所定の乾燥機の稼働情報とのことを「対応処理情報」という。
【0043】
図7に示すように、乾燥機の乾燥終了時間から放冷タンク205の張り込み開始時間までの経過時間(第1経過時間)、放冷タンク205の排出開始時間から籾摺機206の籾摺開始時間までの経過時間(第2経過時間)、籾摺機206の籾摺終了時間から色選機207の色彩開始時間までの経過時間(第3経過時間)、色選機207の色彩終了時間から計量器208の計量開始時間までの経過時間(第4経過時間)を、対応付け部221は計算する。対応付け部221は、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間、第4経過時間のいずれも穀物が処理装置202間を移動する標準時間以内である場合、対応付け部221は、収容器Aの穀物が
図7で示された処理装置202で所定の時刻に処理されたものであると判断する。つまり、
図8に示すように、対応付け部221は、乾燥機204における第1処理A、放冷タンク205における第2処理B、籾摺機206における第3処理C、色選機207における第4処理D、計量器208における第5処理Eで処理したものと判断し、処理装置の処理(第1処理A、第2処理B、第3処理C、第4処理D、第5処理E)における稼働情報と、収容器Aの識別情報(00020501)とをそれぞれ対応付ける。
【0044】
以上によれば、穀物処理設備200は、少なくとも1以上の処理装置202と、収容器11に設けられたRFIDタグ10から送信された容器情報を受信するRFIDリーダ20と、を備えている。したがって、収容器11に収容した穀物を処理装置202によって処理するために、収容器11が穀物処理設備202に到着した際に、RFIDリーダ20によって収容器11の容器情報を簡単に取得(把握)することができる。また、RFIDリーダ20は、少なくとも1つの処理装置202に設けられている。そのため、処理装置202によって穀物を処理する際に、処理する穀物を収容した収容器11の容器情報を簡単に把握することができる。
【0045】
処理装置202は、収容器11に収容された穀物を荷受けする荷受け機203と、荷受け機203で荷受けした穀物の乾燥を行う乾燥機204とを含み、RFIDリーダ20は、荷受け機203に設けられている。そのため、乾燥機204によって穀物を乾燥する処理を行う前であって、収容器11が荷受け機203に近づき、当該荷受け機203が穀物を受け取った際に収容器11の容器情報を取得することができる。その結果、乾燥機204にて穀物の乾燥を行う前に、取得した容器情報によってどの収容器11に入っていた穀物を乾燥機204にて乾燥するかを把握することができる。
【0046】
穀物の管理システムは、RFIDリーダ20が受信した容器情報に対応する収容器11と処理装置202の処理とを対応付けるサーバ220を備えている。そのため、少なくともどの収容器11に入っていた穀物を、どの処理装置202にて処理したかをサーバ220側で把握又は管理することができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態における穀物の管理システムを示している。第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0047】
図9に示すように、サーバ220は、第1取得部222と、判定部223と、報知部224とを備えていてもよい。第1取得部222、判定部223及び報知部224は、サーバ220に格納されたプログラム等から構成されている。
第1取得部222は、乾燥予定(乾燥計画)を取得するものである。
図10は、乾燥予定(乾燥計画)の一例を示している。
図10に示すように、乾燥予定とは、所定の乾燥機と当該所定の乾燥機に張り込みを行う穀物を収容する収容器11との対応関係を示すものである。即ち、乾燥予定は、少なくとも時間、乾燥機、収容器との関係を示すものである。
【0048】
乾燥予定は、例えば、コンバイン等で穀物を収穫後に、作業者が所持する携帯端末、穀物処理設備200に設置されたサーバ220とは異なる外部サーバ、作業者等の自宅或いは会社に設置されたパーソナルコンピュータ等の外部コンピュータ225によって作成することが可能である。この実施形態では、外部コンピュータ225は、外部サーバであるとして説明を続ける。また、説明の便宜上、サーバ220のことを第1サーバ220、外部サーバ225のことを第2サーバ225という。
【0049】
まず、乾燥予定は、穀物の収穫と関係するため、穀物の収穫及び収穫した穀物を収容器11に排出する作業について説明する。
図11は、穀物を収穫する収穫機の1つであるコンバイン40と、穀物を収容する収容器11との関係を示した図である。
図9、11に示すように、コンバイン40は、機体41と、走行装置42と、運転席43と、原動機44と、グレンタンク45と、刈取装置(収穫部)46と、測定装置47と、制御装置48と、脱穀装置(図示省略)と、排出部49とを有している。また、コンバイン40は、通信装置16を有している。走行装置42は機体41の下部に設けられている。運転席43、原動機44、脱穀装置及びグレンタンク45は機体41に設けられている。刈取装置46は、機体41の前部に設けられている。刈取装置46は、穀物を刈り取る装置である。脱穀装置は、刈り取った穀物を脱穀する装置である。グレンタンク45は、脱穀された穀物を貯留するタンクである。走行装置42は、クローラ装置から構成されていて、運転席43の近傍に配置した操作部材を操作することによって、前進、後進、旋回(ターン)等を行うことができる。走行装置42は、クローラ装置で構成しているがこれに限定されず、前輪、後輪等を有する装置であってもよい。制御装置48は、原動機44を制御したり、脱穀装置を制御したり、刈取装置46を制御する装置である。
【0050】
測定装置47は、穀物の特性を測定可能な装置であって、穀物の水分量、タンパク量などを測定する装置である。具体的には、測定装置47は、穀物に含まれる水分量を測定する水分測定部47aと、穀物のタンパク量を測定する食味測定部47bとを有している。水分測定部47a及び食味測定部47bは、グレンタンク45の内部、又は、グレンタンク45の周囲に設けられている。
【0051】
食味測定部47bは、グレンタンク45に入る穀物に対して近赤外線(近赤外線光)を照射して、透過光の分光分析に基づいて吸収スペクトルを解析し、その解析結果により、穀物に含まれるタンパク質等の成分量(タンパク質含有率)、即ち、タンパク量を求める。水分測定部47aは、穀物の誘電率を用いて当該穀物の水分量を測定したり、或いは、穀物の電気抵抗を用いて当該穀物の水分量(水分含有率)を測定したり、穀物に赤外線或いはマイクロ波等を照射することで水分量を測定するセンサ等である。なお、水分測定部47aは、水分を検出するものであればどのような装置であってもよい。
【0052】
なお、測定装置47は、穀物の収穫量を測定する収穫量測定部47cを含んでいてもよい。収穫量測定部47cは、グレンタンク45の下部に設けられている。収穫量測定部47cは、グレンタンク45の重量を測定して当該グレンタンク45の重量を収穫量に換算するロードセル等で構成されている。以下、説明の便宜上、穀物の水分量及びタンパク量とのことを「穀物特性情報」といい、当該穀物特性情報及び穀物の収穫量のことを「収穫情報」という。
【0053】
排出部49は、グレンタンク45に貯留された穀物を外部に排出するもので、例えば、縦送り部49aと、横送り部49bとを有している。縦送り部49aは機体41の幅方向及び上下方向に揺動自在に支持されていて、所定の位置で停止させて、横送り部49bの先端部に設けられた排出口49b1から穀物を排出する。
コンバイン40には、RFIDタグ10の容器情報を受信可能なRFIDリーダ240が設けられている。RFIDリーダ240は、排出部49に設けられている。具体的には、RFIDリーダ240は、横送り部49bの先端部、即ち、排出口49b1の近傍に設けられている。
図12に示すように、横送り部49bの先端部には下向きに開放された筒体49b2が設けられ、筒体49b2の内面により排出口49b1が形成されている。RFIDリーダ240は、筒体49b2の外面に取付けられている。
【0054】
通信装置16には、RFIDリーダ240が接続されている。また、通信装置16は、測定装置47(食味測定部47b、水分測定部47a及び収穫量測定部47c)に接続されている。通信装置16は、近距離、又は、長距離の通信を行う装置で構成されている。例えば、通信装置16は、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)等により無線通信を行う通信モジュール、携帯電話通信網により無線通信を行う通信モジュール、データ通信網により無線通信を行う通信モジュールのいずれかである。通信装置16は、RFIDリーダ240が受信した容器情報、穀物特性情報(水分量、タンパク量)を第2サーバ225に送信可能である。
【0055】
第2サーバ225は、受信した容器情報に含まれる識別情報、予め登録されている乾燥機の識別情報に基づいて、
図10に示すような乾燥予定を作成する。例えば、第2サーバ225に、処理設備200に設置された3台の乾燥機(乾燥機A、乾燥機B、乾燥機C)が登録され且つ2台の収容器(収容器A、収容器B)が登録されていたとする。第2サーバ225は、乾燥機Aを示す識別情報に収容器Aの識別情報を割り当てることにより、収容器Aの穀物を乾燥機Aで乾燥するという乾燥予定と、乾燥機Cを示す識別情報に収容器Bの識別情報を割り当てることにより、収容器Bの穀物を乾燥機Cで乾燥するという乾燥予定とを作成する。乾燥予定の作成時には、乾燥開始時間及び乾燥終了時間を設定することが好ましい。また、乾燥予定の作成においては、収容器11に収容された穀物の水分量を考慮して設定することが好ましい。第2サーバ225は、乾燥予定を記憶する。
【0056】
なお、第2サーバ225における乾燥予定の作成は一例であって、上述した方法に限定されない。例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ等を第2サーバ225に接続することによって乾燥予定を作成する乾燥予定画面を表示し、乾燥予定画面上において、作業者がインターフェースを用いて、所定時刻における乾燥機と収容器との関係を手動で割り当てることによって乾燥予定を作成してもよい。また、穀物の収穫後に乾燥予定を作成しているが、収穫時又は収穫前に乾燥予定を作成してもよい。
【0057】
第1サーバ220の第1取得部222は、当該第1サーバ220に対して定期的或いは不定期に第2サーバ225に接続する接続指令を出力する。第1サーバ220は、接続指令に基づいて第2サーバ225に接続し、第1取得部222は、第2サーバ225で作成された乾燥予定を取得する。
第1サーバ220の判定部223は、乾燥予定の取得後、乾燥機204の稼働情報を取得して、稼働情報で示された乾燥機204と収容器11との対応関係(第1対応関係)が、乾燥予定で示された所定の乾燥機Aと収容器11との対応関係(第2対応関係)と異なるか否かを判定する。即ち、判定部223は、まず、対応付け部221によって求められた対応処理情報(稼働情報で示された乾燥機204と収容器11との対応関係を示す情報)を取得して、対応処理情報と乾燥予定とを比較する。
【0058】
図13Aは、対応処理情報及び乾燥予定の一例を示している。
図13Bは、対応処理情報及び乾燥予定の他の例を示している。
図13Aに示すように、対応処理情報に基づけば、18時から収容器Aの穀物を乾燥機Aで乾燥しており、一方、乾燥予定に基づけば、18時から収容器Aの穀物を乾燥機Aで乾燥する予定になっている。
図13Aに示すように、所定の時刻において対応処理情報で示された乾燥機と収容器との関係(組み合わせ)と、乾燥予定で示された乾燥機と収容器との関係(組み合わせ)が一致している場合、判定部203は、第1対応関係と第2対応関係とが一致していると判断する。
【0059】
図13Bに示すように、対応処理情報に基づけば、18時から収容器Bの穀物を乾燥機Aで乾燥しており、一方、乾燥予定に基づけば、18時から収容器Aの穀物を乾燥機Aで乾燥する予定になっている。
図13Bに示すように、所定の時刻において対応処理情報で示された乾燥機と収容器との関係(組み合わせ)と、乾燥予定で示された乾燥機と収容器との関係(組み合わせ)とが一致していない場合、判定部223は、第1対応関係と第2対応関係とが一致していないと判断する。
【0060】
演算装置220は、所定の乾燥機204と当該所定の乾燥機204に張り込みを行う穀物を収容する収容器11との対応関係を示す乾燥予定を取得する第1取得部222と、稼働情報で示された乾燥機204と収容器11との対応関係が乾燥予定で示された所定の乾燥機204と収容器11との対応関係と異なるか否かを判定する判定部223と、稼働情報が乾燥予定と異なる場合に報知を行う報知部224と、を有している。そのため、乾燥機204による穀物の乾燥が乾燥予定通りに行われているか否かを簡単に確認することができる。また、乾燥機204による穀物の乾燥において、乾燥予定と異なる収容器11の穀物の乾燥が行われていることを確認した場合には、次の乾燥予定を変更することで、乾燥予定の変更後の穀物処理設備200における処理を最適化することができる。
【0061】
上述した第1実施形態、第2実施形態では、RFIDリーダ20を荷受け機203に設けていたが、穀物処理設備200に設けた荷受け機203が移動式である場合、穀物処理設備200に荷受け機203が設置されていない場合、穀物処理設備200に荷受け機203が設置されているものの一部の乾燥機204に荷受け機203が連結されていない場合は、
図14に示すように、RFIDリーダ20を乾燥機204に設けることが好ましい。言い換えれば、荷受け機203に代えて、乾燥機204にRFIDリーダ20を設けてもよい。
【0062】
詳しくは、RFIDリーダ20は、投入部204Aの外面の上部に取付けられている。RFIDリーダ20は、ネットワークNに接続されていて、投入部204Aに投入された穀物を収容した収容器11の識別情報をネットワークNに出力する。RFIDリーダ20は、時刻等の時間を計時する計時部を有していてもよい。この場合は、RFIDリーダ20は、RFIDタグから送信された容器情報を受信した時刻などの時間情報を、容器情報と共にネットワークNに出力することができる。
【0063】
なお、RFIDリーダ20と乾燥機204の制御装置204Eとは、直接、ケーブル等により接続されていてもよい。このようにすれば、制御装置204Eが、乾燥機204の投入部204Aに穀物を投入した時点で、収容器11の識別情報を含む容器情報を取得することができる。また、制御装置204Eは、当該制御装置204Eが取り付けられた乾燥機204の識別情報を記憶する記憶部204E1と、乾燥機204の処理と所定の収容器11の識別情報とを対応付ける対応付け部221Aを有していることが好ましい。制御装置204Eの対応付け部221Aは、RFIDリーダ20が容器情報を受信し、当該容器情報に示された識別情報と、記憶部204E1に記憶された識別情報とを時間情報と共に記憶する。対応付け部221Aは、収容器11の識別情報を取得後、穀物の乾燥が開始されると、当該乾燥機204における第1処理Aにおける稼働情報と、収容器11の識別情報とをそれぞれ対応付ける。
【0064】
処理装置202は、乾燥機204を含み、RFIDリーダ20は、乾燥機204に設けられている。乾燥機204にRFIDリーダ20が設けられているため、乾燥機204側で張り込まれた穀物を収容した収容器11が何であるかを簡単に把握することができる。
[第3実施形態]
図15は、第3実施形態における穀物の管理システムを示している。第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
図15に示すように、乾燥機204には、乾燥機204に関する情報(装置情報)を送信するRFIDタグ250が設けられている。RFIDタグ250は、投入部204Aの周囲、例えば、投入部204Aの外面の上部に取付けられている。装置情報は、少なくとも乾燥機204を識別するための識別情報を含んでいる。
RFIDタグ250は、例えば、RFIDリーダ20からの電波(信号)を電力に変換するパッシブ型である。言い換えれば、RFIDタグ250は、蓄電池を有さないパッシブ型である。RFIDタグ250は、装置情報を記憶する記憶部251と、出力部(以下、送信部という)252とを有している。記憶部251及び送信部252は筐体に格納されている。記憶部251は、例えば、不揮発性のメモリ等で構成され、装置情報として識別情報を記憶している。送信部252は、RFIDリーダ20からの電波(信号)を受信すると、記憶部251に記憶されている装置情報を外部、即ち、RFIDリーダ20に向けて送信する。RFIDタグ250、即ち、記憶部251及び送信部252を格納する筐体は、投入部204Aに設けられている。
【0066】
図16は、運搬車21に搭載した収容器11の穀物を乾燥機204に投入するまでの流れを示す図である。なお、説明の便宜上、収容器11に設けたRFIDタグ10のことを「容器RFIDタグ」といい、乾燥機204に設けたRFIDタグ250のことを「装置RFIDタグ」という。なお、荷受け機203は、移動式である。
図16に示すように、穀物を収容した収容器11を搭載した運搬車21が穀物処理設備200に到着後、収容器11内の穀物を荷受け機203に張り込むために当該収容器11を荷受機203に近づけると、荷受け機203のRFIDリーダ20は、収容器11の容器RFIDタグ10から送信された容器情報を受信する。荷受け機203への穀物の投入が完了すると、荷受け機203は、当該荷受け機203に投入された穀物を乾燥する所定の乾燥機204に向けて移動させる。荷受け機203が所定の乾燥機204に到着すると、荷受け機203のRFIDリーダ20は、所定の乾燥機204の装置RFIDタグ250から送信された装置情報を受信する。RFIDリーダ20は、受信した容器情報及び装置情報をネットワークNに送信する。ネットワークNに送信された容器情報及び装置情報は、ネットワークNに接続した様々なコンピュータによって取得することが可能である。例えば、サーバ220は、容器情報及び装置情報を取得することができ、取得した容器情報及び装置情報を関連付けて記憶したり、表示したりすることができる。したがって、RFIDリーダ20は、穀物を荷受けしてから乾燥機204に張り込むまでの間に、容器RFIDタグ10から送信された容器情報と、装置RFIDタグ250から送信された装置情報とを受信する。そのため、RFIDリーダ20が受信した容器情報と装置情報とを対応付けることができる。即ち、穀物処理設備200に到着した収容器11と、当該収容器11に収容された穀物を乾燥する乾燥機204とをRFIDリーダ20によって結びつけることができる。
【0067】
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、収容器11に設けられたRFIDタグ10から送信された容器情報を受信するRFIDリーダ20を、荷受け機203又は乾燥機204に取付けているが、穀物処理設備200の様々な個所に取付けてもよい。
RFIDリーダ20を取付ける変形例について、
図2を用いて説明する。
図2には、RFIDリーダ20を取付ける箇所が複数示されているが、少なくとも1か所にRFIDリーダ20を取付ければよい。なお、複数の箇所にRFIDリーダ20を設けても問題は無い。
【0068】
図2に示すように、穀物処理設備200の敷地と他の道路との境界には、運搬車21が敷地内に入るための入口200Aが設けられている。入口200Aの近傍にRFIDリーダ20が取り付けられている。例えば、入口200Aの周囲にポール、フェンス等の支持体を設け、この支持体にRFIDリーダ20を取付けてもよい。穀物処理設備200の建屋201には、収容器11を建屋201内に搬入する搬入口201Aが設けられている。搬入口201Aの近傍にRFIDリーダ20が取り付けられている。例えば、搬入口201Aを構成する壁の上部にRFIDリーダ20を取付ける。建屋201の内部であって、建屋201の柱、壁、床等にRFIDリーダ20を取付ける。また、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208の少なくとも1以上にRFIDリーダ20を取付ける。
[第4実施形態]
図17は、第4実施形態における穀物の管理システムを示している。第4実施形態では、第1実施形態と異なる構成について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。また、第4実施形態は、第2実施形態又は第3実施形態にも適用可能である。
【0069】
図17に示すように、サーバ220は、第2取得部230を有している。第2取得部230は、サーバ220に格納されたプログラム等から構成されている。第2取得部230は、穀物の生産時における生産情報を取得する。サーバ220は、作業者が所持する携帯端末、サーバ220とは異なる外部サーバ、作業者等の自宅或いは会社に設置されたパーソナルコンピュータ等の外部コンピュータ225に接続可能である。外部コンピュータ225は、生産情報として、例えば、生産者名、穀物の品種、穀物を作付した圃場、圃場で行った農作業及び農作業時期、容器情報等が記憶されている。なお、外部コンピュータ225は、コンバイン40に設けた通信装置16から容器情報、穀物特性情報、収穫情報等を受信し、受信した情報(容器情報、穀物特性情報、収穫情報)を生産情報として記憶してもよい。
【0070】
サーバ220の第2取得部230は、例えば、所定時間毎(例えば、1日毎)に生産情報の要求を外部コンピュータ225に行う。外部コンピュータ225は、第2取得部230からの要求に応じて、生産情報をサーバ220に送信する。サーバ220が生産情報を受信すると、受信した生産情報を第2取得部230は取得する。
図17に示すように、処理装置202は、生産情報を表示する表示部231を有している。例えば、乾燥機204は液晶等で構成された表示部231を有している。
【0071】
乾燥機204(制御装置204E)は、サーバ220に対して、張り込みされた穀物の生産情報の要求を行う。サーバ220は、対応付け部221において対応付けられた乾燥機204と収容器11との関係である対応処理情報に基づき、張り込まれた穀物の生産情報を割り出し、割り出した生産情報を、生産情報を要求した乾燥機204に送信する。乾燥機204は、生産情報を受信すると表示部231に現在、乾燥処理を行っている生産情報を表示する。なお、乾燥機204以外の処理装置202(荷受け機203、放冷タンク205、籾摺機206、色選機207、計量器208)が表示部231を有していてもよく、生産情報の取得は乾燥機204と同様でサーバ220に対して行う。
【0072】
サーバ220は、穀物の生産時における生産情報を取得する第2取得部230を有し、処理装置202は、第2取得部230が取得した生産情報を表示する表示部231を有している。そのため、処理装置202の表示部231には、穀物の処理を行う際に、生産者名、穀物の品種、圃場、農作業、農作業時期、容器情報などを表示することができる。作業者は、穀物の処理時に生産情報を把握することができる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、上述した実施形態では、収容器11に複数のRFIDタグ10を設けているが、これに代え、1個の収容器11に1個のRFIDタグ10を設けても良い。