特許第6797722号(P6797722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797722
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】赤外線センサ
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20201130BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20201130BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   G01J1/02 C
   H01L23/02 F
   H01L23/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-42862(P2017-42862)
(22)【出願日】2017年3月7日
(65)【公開番号】特開2018-146435(P2018-146435A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】田家 良久
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−171170(JP,A)
【文献】 特開2008−198784(JP,A)
【文献】 特開平5−226496(JP,A)
【文献】 特開平6−53355(JP,A)
【文献】 特開2008−292311(JP,A)
【文献】 特開2015−15513(JP,A)
【文献】 特開2016−171157(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2469249(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0253194(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0105245(KR,A)
【文献】 特開2007−139655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 − G01J 1/60
G01J 5/00 − G01J 5/62
G01J 11/00
H01L 21/54
H01L 21/82
H01L 23/00 − H01L 23/04
H01L 23/06 − H01L 23/10
H01L 23/16 − H01L 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板と、
前記第一基板の上面に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、
前記第一基板の、前記赤外線検出素子を有する領域を除く領域に設けられた絶縁層と、
前記赤外線検出素子を覆った状態で前記絶縁層の上面に、接合膜を介して接合され、赤外線を透過可能な第二基板と、
前記絶縁層に埋設され前記赤外線検出素子に電気的に接続されている信号線と、
前記第二基板より外側に設けられ、前記信号線に電気的に接続される出力端子と、
前記信号線の側方において、前記信号線と並び前記絶縁層に埋設されている複数のダミー線と、
前記複数のダミー線のうち、少なくとも一本が、グラウンドと電気的に接続されて形成されたシールド部と、
を備えることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項2】
前記シールド部は、前記信号線を側方から挟むように一対配置されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
【請求項3】
一対の前記シールド部は、他の前記ダミー線よりも前記出力端子に近接して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の赤外線センサ。
【請求項4】
前記第二基板は、前記赤外線検出素子を囲む前記接合膜で前記絶縁層の上面に接合されており、
前記接合膜は、前記グラウンドに電気的に接続されており、
前記シールド部は、前記接合膜に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の赤外線センサ。
【請求項5】
前記接合膜は、前記絶縁層の上面に前記シールド部と対向して配置された対向部を有していることを特徴とする請求項4に記載の赤外線センサ。
【請求項6】
前記接合膜は、前記絶縁層の上面に前記信号線を覆って配置された信号線被覆部を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の赤外線センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、赤外線センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線センサは、第一基板と、赤外線検出素子と、絶縁膜と、第二基板とを備える(例えば特許文献1参照)。赤外線検出素子は第一基板の上面に設けられており、赤外線を検出する。絶縁膜は、第一基板の上面に設けられている。第二基板は蓋状に形成されている。第二基板は、赤外線検出素子を覆った状態で絶縁膜の上面に接合されている。第二基板は、赤外線を透過可能に形成されている。
【0003】
さらに、赤外線センサは、信号線と、出力端子とを備える。信号線は、第一基板に埋設されている。信号線は、赤外線検出素子に電気的に接続されている。出力端子は、絶縁膜の上面で第二基板よりも外側に設けられている。出力端子は、信号線に電気的に接続されている。次に、赤外線センサによる赤外線の検出にかかる処理を説明する。赤外線検出素子は、第二基板を透過した赤外線を検出すると検出信号を出力する。赤外線検出素子から出力された検出信号は、信号線を通り出力端子から出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−139655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般に、赤外線センサでは、赤外線検出素子から出力される検出信号は極めて微弱である。さらに、外部から赤外線センサに入ってきた電磁ノイズ等のノイズが信号線に入ると、ノイズは信号線を通って出力端子から出力される。ここで、ノイズは極めて微弱であるため、検出信号との区別がつかない。このため、出力端子に外部機器が接続していると、外部機器は、出力端子から出力された信号がノイズであっても、その信号を検出信号であると判断して誤動作してしまう。そこで、赤外線センサにおいては、外部機器の誤動作を防ぐために、電磁ノイズ等のノイズによる赤外線センサへの影響を防ぐことが要求されている。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、ノイズの影響を受けにくい赤外線センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の赤外線センサは、第一基板と、前記第一基板の上面に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、前記第一基板の、前記赤外線検出素子を有する領域を除く領域に設けられた絶縁層と、前記赤外線検出素子を覆った状態で前記絶縁層の上面に、接合膜を介して接合され、赤外線を透過可能な第二基板と、前記絶縁層に埋設され前記赤外線検出素子に電気的に接続されている信号線と、前記第二基板より外側に設けられ、前記信号線に電気的に接続される出力端子と、前記信号線の側方において、前記信号線と並び前記絶縁層に埋設されている複数のダミー線と、前記複数のダミー線のうち、少なくとも一本が、グラウンドと電気的に接続されて形成されたシールド部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、赤外線センサの外部からのノイズは、信号線の側方から信号線に入ることなく、少なくとも一本のダミー線により形成されたシールド部に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサは、ノイズが信号線に入るのを抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響を受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【0009】
また、前記シールド部は、前記信号線を側方から挟むように一対配置されていることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、シールド部は、信号線を側方から挟むように一対配置されているので、赤外線センサの外部からのノイズは、信号線の両側方から信号線に入ることなく、シールド部に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサは、ノイズが信号線に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【0011】
また、一対の前記シールド部は、他の前記ダミー線よりも前記出力端子に近接して配置されていることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、一対のシールド部は、他のダミー線よりも出力端子に近接して配置されているので、より広い範囲にわたって信号線の周辺を覆うことができる。これにより、ノイズは、信号線の両側方から信号線に入ることなく、一対のシールド部に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサによれば、ノイズが信号線に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【0013】
また、前記第二基板は、前記赤外線検出素子を囲む前記接合膜で前記絶縁層の上面に接合されており、前記接合膜は、前記グラウンドに電気的に接続されており、前記シールド部は、前記接合膜に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、赤外線検出素子を囲む接合膜がグラウンドに電気的に接続されており、シールド部が接合膜に電気的に接続されているので、ノイズは、信号線の側方から信号線に入ることなく、シールド部および接合膜を通ってグラウンドに送られる。また、ノイズは、第二基板および接合膜を通ってグラウンドに送られる。したがって、本発明の赤外線センサによれば、ノイズが信号線に入るのを赤外線センサ全体で抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【0015】
また、前記接合膜は、前記絶縁層の上面に前記シールド部と対向して配置された対向部を有していることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、シールド部と対向して配置された対向部を有しているので、対向部以外の領域に他の配線を配索することができる。よって、本発明によれば、ノイズの影響を受けにくいとともに、配線の設置の自由度を高めることができる赤外線センサを提供することができる。
【0017】
また、前記接合膜は、前記絶縁層の上面に前記信号線を覆って配置された信号線被覆部を有していることを特徴としている。
【0018】
この構成によれば、接合膜は、絶縁層の上面に信号線を覆って配置された信号線被覆部を有しているので、ノイズが信号線の上方から信号線に入ろうとしても接合膜に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサは、ノイズが信号線に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、赤外線センサの外部からのノイズは、信号線の側方から信号線に入ることなく、少なくとも一本のダミー線により形成されたシールド部に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサは、ノイズが信号線に入るのを抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響を受けにくい赤外線センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一の実施形態の赤外線の平面図である。
図2図1のII−II断面図である。
図3図1のA部の拡大図である。
図4図3のIV−IV断面図である。
図5図3のV−V断面図である。
図6】本発明の第二実施形態の赤外線センサの断面図である。
図7】第二実施形態の赤外線センサの出力端子および出力端子の周囲の平面図である。
図8図7のVIII−VIII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一実施形態)
以下、図1から図5を参照し、本発明の第一実施形態の赤外線センサ1について説明する。
図1は、第一実施形態の赤外線センサの平面図である。
図1に示すように赤外線センサ1は、第一基板3(ベース基板)と、赤外線検出素子5と、絶縁層7と、第二基板9(リッド基板)とを備える。
【0022】
第一基板3は、シリコンにより矩形状に形成されている。赤外線検出素子5は、矩形状に形成されている。赤外線検出素子5は、第一基板3の上面13(内面)の中央部分に設けられている。赤外線検出素子5は、赤外線を検出して検出信号を出力する。
絶縁層7は、第一基板3の、赤外線検出素子5を有する領域を除く領域に設けられている。具体的に絶縁層7は、第一基板3の上面13のうち、赤外線検出素子5よりも外側の領域に設けられている。絶縁層7は、絶縁性を有する材料により形成されている。絶縁層7としては、例えば二酸化ケイ素(SiO2)等のシリコン酸化膜やシリコン窒化膜(SiNx)等が挙げられる。
【0023】
第二基板9は、縁部に凸部41を有する蓋状に形成されている。後述する通り、凸部41の内側は、第一基板3の上面13と第二基板9とを対向させて接合した際に、キャビティCを形成する。
第二基板9は、シリコンにより形成されている。これにより第二基板9は、赤外線を透過することが可能になっている。
第二基板9は、赤外線検出素子5を覆った状態で絶縁層7の上面11に接合膜15を介して接合されている。これにより第二基板9は、接合膜15を介して第一基板3に接合されている。接合膜15は、導電性を有している。接合膜15は、第一接合膜17と、第二接合膜19とを備える。
【0024】
第一接合膜17は、第一接合膜本体部17aと、信号線被覆部17bとを有している。
第一接合膜本体部17aは、絶縁層7の上面11において赤外線検出素子5の外周側に設けられている。具体的に第一接合膜本体部17aは、赤外線検出素子5を囲む矩形の枠状に設けられている。
複数の信号線被覆部17bは、赤外線検出素子5を挟んで両側(図1中では左右側)において、第一接合膜本体部17aと直交するように設けられている。信号線被覆部17bは、絶縁層7の上面11の内外方向(図1中では左右方向)に長く延びるように形成されている。
【0025】
第一接合膜17は、金属材料により薄膜状に形成されている。第一接合膜17としては、タンタル層(Ta層)の上に金層(Au層)を重ねてなる薄膜、窒化チタン層(TiN層)の上にアルミ層(Al層)を重ねてなる薄膜等が挙げられる。第一接合膜17は、グラウンド(図示せず)に接続されている。グラウンドは、第一基板3の下面(外面)に設けられている。グラウンドは、第一基板3の上面11に設けられても良い。
【0026】
第二接合膜19は、第二基板9の下面(内面)に設けられている。具体的に第二接合膜19は、第一接合膜本体部17aと対向するように、赤外線検出素子5を囲んで設けられている。第二接合膜19は、赤外線検出素子5を囲む矩形の枠状に形成されている。第二接合膜19の両側部23,23(図1中では左右側部)は、複数の信号線被覆部17bと直交して配置されている。第二接合膜19の一方の両側部23,23は、この状態で第一接合膜本体部17aと接合されている。第二接合膜19の他方の両側部25,25(図1中では上下側部)は、絶縁層7の上面11の第一接合膜本体部17aに接合されている。
【0027】
第二接合膜19は、金属材料により薄膜状に形成されている。第二接合膜19は、第一接合膜17と同じ材料により形成されている。
第一接合膜17がタンタル層および金層から成る場合には、第二接合膜19もタンタル層および金層から成る。この場合には、第一接合膜17の金層と第二接合膜19の金層とが接合する。第一接合膜17が窒化チタン層およびアルミ層から成る場合には、第二接合膜19も窒化チタン層およびアルミ層から成る。この場合には、第一接合膜17のアルミ層と第二接合膜19のアルミ層とが接合する。
【0028】
図1に示すように、絶縁層7の上面11には、複数の接続端子31および複数の出力端子33が設けられている。各接続端子31は、絶縁層7の上面11において、信号線被覆部17bの内端(赤外線検出素子5側の端)に近接して設けられている。各接続端子31は、赤外線検出素子5に対して例えばワイヤボンディング等により電気的に接続されている。また、各接続端子31は、後述の信号線51(図2参照)の一端に電気的に接続されている。
【0029】
各出力端子33は、絶縁層7の上面11において信号線被覆部17bの外端(赤外線検出素子5側と反対側の端)に近接して設けられている。各出力端子33は、第二基板9よりも外側に設けられている。各出力端子33の入力側は、後述の信号線51(図2参照)の他端に電気的に接続されている。各出力端子33は、例えば外部機器に対して電気的に接続されている。
【0030】
図2は、図1のII−II断面図である。
図2に示すように第二基板9の下面39には、凸部41が下方に突出して設けられている。具体的に凸部41は、第二基板9の下面39において赤外線検出素子5を囲むように設けられている。凸部41は、赤外線検出素子5を囲む矩形の枠状に形成されている。凸部41の下面43には、上述の第二接合膜19が設けられている。第二基板9は、凸部41により第二接合膜19を介して絶縁層7の上面11に接合されている。第二基板9と絶縁層7との間にはキャビティCが形成されている。キャビティCの雰囲気は、減圧雰囲気にされている。キャビティCには、上述の赤外線検出素子5が配置されている。
【0031】
図2に示すように絶縁層7には、複数の信号線51が埋設されている。具体的に複数の信号線51は、第一基板3の厚さ方向において、中央部よりも上方に埋設されている。各信号線51は、接続端子31、第一接合膜17および出力端子33の下方にわたって配置されている。各信号線51は、窒化チタン(TiN)、アルミシリコン合金(AlSi)、窒化チタン(TiN)の順に合金属をスパッタリング等により積層して成膜することで形成されている。
【0032】
図2に示すように、絶縁層7には、各信号線51の一端と接続端子31とを繋ぐ部分に第一ビア55が設けられている。各信号線51の一端は、第一ビア55を介して接続端子31に電気的に接続されている。
また、第一基板3には、各信号線51の他端と出力端子33とを繋ぐ部分に第二ビア57が設けられている。各信号線51の他端は、第二ビア57を介して出力端子33に電気的に接続されている。
これにより赤外線検出素子5は、複数の配線、複数の接続端子31、複数の第一ビア55、複数の信号線51、複数の第二ビア57を介して複数の出力端子33に電気的に接続されている。
【0033】
図3は、図1のA部の拡大図である。
図4は、図3のIV−IV断面図である。
図3および図4に示すように、絶縁層7には、複数のダミー線61が各信号線51と並んで埋設されている。具体的に複数のダミー線61は、信号線51の両側方(信号線51の長さ方向と直交する方向)に配置されている。各ダミー線61は、信号線51の長さ方向に沿って長く形成されている。
【0034】
図3に示すように、複数のダミー線61のうち、信号線51を側方から挟むように配置されている一対のダミー線61は、出力端子33に近接している。一対のダミー線61は、信号線51とともに第一接合膜17の信号線被覆部17bに覆われている。
ここで、第一基板3の絶縁層7において各信号線51の両側方にダミー線61を並べて配置していることにより、信号線51,51間の段差をダミー線61によって小さくでき、より平坦にすることができる。よって、赤外線センサ1は、絶縁層7に信号線51を埋設しても、信号線51近傍における第一基板3の絶縁層7の上面11をより平坦に形成することができる。この結果、第一基板3と第二基板9とが接合膜15を介して接合されるので、キャビティCの気密性を確保することができる。
【0035】
図5は、図3のV−V断面図である。
図5に示すように、第一基板3の絶縁層7には、一対のダミー線61と第一接合膜17の信号線被覆部17bとを繋ぐ部分に第三ビア71が設けられている。これにより、一対のダミー線61は、第三ビア71および信号線被覆部17bを介して第一接合膜17に電気的に接続されている。第一接合膜17は、上述のようにグラウンドに電気的に接続されている。これにより、信号線51を側方から挟むように配置されている一対のダミー線61は、第一接合膜17を介してグラウンドに電気的に接続されることで、シールド部63として機能する。
【0036】
次に、以上のように構成されている赤外線センサ1において、赤外線の検出にかかる処理を説明する。
赤外線が第二基板9を透過すると、赤外線検出素子5は、その赤外線を検出して検出信号を出力する。赤外線検出素子5から出力された検出信号は、複数の配線や複数の接続端子31、複数の第一ビア55、複数の信号線51、複数の第二ビア57を通り、複数の出力端子33から出力される。複数の出力端子33から出力された検出信号は、外部機器に送られて所定の動作が行われる。
【0037】
次に、赤外線センサ1の耐ノイズ性について説明する。
外部から赤外線センサ1に入ってくる例えば電磁ノイズ等のノイズは、信号線51の両側方に隣接しているシールド部63に入ると、第三ビア71、第一接合膜17の順に通ってグラウンドに送られる。また、ノイズは、第二接合膜19に入った場合には、第二接合膜19、第一接合膜17の順に通ってグラウンドに送られる。また、ノイズは、信号線51を覆う第一接合膜17の信号線被覆部17bに入った場合には、第一接合膜17を通ってグラウンドに送られる。さらに、ノイズは、第一基板3または第二基板9に入った場合には、第一基板3または第二基板9、接合膜15の順に通ってグラウンドに送られる。
【0038】
次に、第一実施形態の赤外線センサ1の作用効果を説明する。
【0039】
第一実施形態の赤外線センサ1は、第一基板3と、第一基板3の上面13に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子5と、第一基板3の、赤外線検出素子5を有する領域を除く領域に設けられた絶縁層7と、赤外線検出素子5を覆った状態で絶縁層7の上面11に、接合膜15を介して接合され、赤外線を透過可能な第二基板9と、を備える。また、第一実施形態の赤外線センサ1は、絶縁層7に埋設されて赤外線検出素子5に電気的に接続されている信号線51と、第二基板9よりも外側に設けられて信号線51に電気的に接続される出力端子33と、信号線51の側方において、信号線51と並び絶縁層7に埋設されている複数のダミー線61と、を備える。さらに、第一実施形態の赤外線センサ1は、複数のダミー線61のうち、少なくとも一本(本実施形態では一対)のダミー線61がグラウンドと電気的に接続されて形成されたシールド部63を備える。
【0040】
この構成によれば、赤外線センサ1の外部からのノイズは、信号線51の側方から信号線51に入ることなく、少なくとも一本(本実施形態では一対)のダミー線61により形成されたシールド部63に入ってグラウンドに送られる。したがって本発明の赤外線センサ1は、ノイズが信号線51に入るのを抑制することが可能になる。よって、本実施形態によれば、出力端子33からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響を受けにくい赤外線センサ1を提供することができる。
【0041】
また、第一実施形態の赤外線センサ1は、シールド部63が信号線51を側方から挟むように一対配置されている。
【0042】
この構成によれば、シールド部63は、信号線51を側方から挟むように一対配置されているので、赤外線センサ1の外部からのノイズは、信号線51の両側方から信号線51に入ることなく、シールド部63に入ってグラウンドに送られる。したがって本実施形態の赤外線センサ1は、ノイズが信号線に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本実施形態によれば、出力端子33からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサ1を提供することができる。
【0043】
また、第一実施形態の赤外線センサ1は、一対のシールド部63が他のダミー線61よりも出力端子33に近接して配置されている。
【0044】
この構成によれば、一対のシールド部63は、他のダミー線61よりも出力端子33に近接して配置されているので、より広い範囲にわたって信号線51の周辺を覆うことができる。これにより、ノイズは、信号線51の両側方から信号線51に入ることなく、一対のシールド部63に入ってグラウンドに送られる。したがって本実施形態の赤外線センサ1によれば、ノイズが信号線51に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本実施形態によれば、出力端子33からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサ1を提供することができる。
【0045】
また、第一実施形態の赤外線センサ1は、第二基板9が赤外線検出素子5を囲む接合膜15で絶縁層7の上面11に接合されており、接合膜15は、グラウンドに電気的に接続されており、シールド部63は、接合膜15に電気的に接続されている。
【0046】
この構成によれば、赤外線検出素子5を囲む接合膜15がグラウンドに電気的に接続されており、シールド部63が接合膜15に電気的に接続されているので、ノイズは、信号線51の側方から信号線51に入ることなく、シールド部63および接合膜15を通ってグラウンドに送られる。また、ノイズは、第二基板9および接合膜15を通ってグラウンドに送られる。したがって、本実施形態の赤外線センサ1によれば、ノイズが信号線51に入るのを赤外線センサ1全体で抑制することが可能になる。よって、本発明によれば、出力端子33からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサ1を提供することができる。
【0047】
また、第一実施形態の赤外線センサ1は、接合膜15が絶縁層7の上面11に信号線51を覆って配置された信号線被覆部17bを有していることを特徴としている。
【0048】
この構成によれば、接合膜15は、絶縁層7の上面11に信号線51を覆って配置された信号線被覆部17bを有しているので、ノイズが信号線51の上方から信号線51に入ろうとしても接合膜15に入ってグラウンドに送られる。したがって本実施形態の赤外線センサ1は、ノイズが信号線51に入るのをさらに抑制することが可能になる。よって、本実施形態によれば、出力端子33からノイズが出力されるのを防ぐことができるので、ノイズの影響をさらに受けにくい赤外線センサ1を提供することができる。
【0049】
また、第一実施形態の赤外線センサ1では、第一基板3の絶縁層7において各信号線51の両側方にダミー線61を並べて配置している。これにより、信号線51,51間の段差が小さくなる。よって、第一実施形態の赤外線センサ1は、第一基板3の絶縁層7に信号線51を埋設しても、信号線51近傍における第一基板3の絶縁層7の上面11を平坦に形成することができる。この結果、第一基板3と第二基板9とが接合膜15を介して接合されるので、キャビティCの気密性を確保することができる。
【0050】
(第二実施形態)
続いて、図6から図8を参照し、本発明の第二実施形態の赤外線センサ101について説明する。
図6は、第二実施形態の赤外線センサの断面図である。なお、図6は、第一実施形態の図1におけるII−II断面に相当する断面図である。
図6に示すように第二実施形態の赤外線センサ101では、第一接合膜17は、第一接合膜本体部17aと、一対の対向部113とを備える。第一接合膜17は、第二接合膜19と接合している。一対の対向部113は、第一接合膜本体部17aの内端から赤外線検出素子5に向けて延びて形成されている。
【0051】
図7は、第二実施形態に係る赤外線センサの出力端子および出力端子の周囲の平面図である。
図8は、図7のVIII−VIII断面図である。
図7および図8に示すように、対向部113は、絶縁層7の上面11にシールド部63と対向して配置されている。
図8に示すように第一基板3の絶縁層7には、シールド部63と対向部113とを繋ぐ部分に第四ビア115が設けられている。シールド部63は、第四ビア115を介して対向部113に電気的に接続されている。これにより二本のシールド部63は、第一接合膜17(接合膜15)を介してグラウンドに電気的に接続されている。
【0052】
次に、第二実施形態の赤外線センサ101の作用効果を説明する。
第二実施形態の赤外線センサ101では、接合膜15は、絶縁層7の上面11に二本のシールド部63と対向して配置された二本の対向部113を有している。
これにより第一基板3の上面13には、対向部113以外の領域に他の配線を配索することができる。よって、第二実施形態によれば、ノイズの影響を受けにくいとともに、配線の設置の自由度を高めることができる赤外線センサ101を提供することができる。その他の作用効果は、第一実施形態で説明した通りである。
【0053】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0054】
上述の各実施形態では、第一基板3の第一接合膜17と第二基板9の第二接合膜19との接合方法については特に限定されることはない。したがって、第一基板3の第一接合膜17と第二基板9の第二接合膜19との接合方法としては、例えば熱圧着でもよいし金属拡散接合でもよい。また、第一基板3の第一接合膜17と第二基板9の第二接合膜19とをそれぞれ金錫合金(AuSn)で形成し、共晶温度まで加熱および溶融することで接合する、いわゆる共晶接合で接合してもよい。
【0055】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0056】
1,101・・・赤外線センサ 3・・・第一基板 4・・・赤外線検出素子 7・・・絶縁層 9・・・第二基板 11・・・絶縁層の上面 13・・・第一基板の上面 15・・・接合膜 17・・・第一接合膜(接合膜) 17b・・・信号線被覆部 上面 19・・・第二接合膜(接合膜) 33・・・出力端子 51・・・信号線 61・・・ダミー線 63・・・シールド部 113・・・対向部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8