(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータによって、再構成の対象となる前記オブジェクトが現実に存在するならば、当該オブジェクトが観察者の眼の位置の周辺に生成する波面を特定することにより、ホログラムが生成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記観察者が再構成された前記オブジェクトを観察することができるように、観察者ウィンドウ内において波動場が干渉する、又は、ホログラムを用いて前記空間光変調器を符号化することが、ビュー空間に干渉を生成することによって、前記表示装置から放射される波動場に前記オブジェクトを再構成させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記観察者の目の位置の周辺における特定された前記波面を前記空間光変調器へ逆変換することにより、当該波面を生成するために前記ホログラムをどのように符号化する必要があるかを判別する、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記観察者ウィンドウにおいて再構成される前記波動場の集合体のエラーを補償するために、前記観察者ウィンドウと前記ホログラム層との間の分布について反復処理が実行される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
ノイズスペックルを減少し、明るさ又は回折効率、及びシーンの前記参照層における明るさの鮮明度を向上させるために、オブジェクトデータセットは、適切な位相分布または擬似ランダム位相分布を示す、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
前記仮想セクション層の各オブジェクトデータセットの距離に対する値は、再構成全体又は再構成の一部がホログラム層の手前、若しくは後方、又は当該ホログラム層の手前および後方に現れるように、変換前に選択又は変更される、
ことを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の方法。
前記符号化は、再構成の際、前記観察者の眼が配置される必要がある観察者平面において、前記ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成されるような符号化である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
ホログラムが、再構成の対象となる前記オブジェクトが現実に存在するならば、当該オブジェクトが観察者の眼の位置の周辺に生成する波面を特定することにより、コンピュータにより生成される、
ことを特徴とする請求項24から26のいずれか1項に記載の表示装置。
前記観察者の追跡が、構成可能な回折光学素子又は走査ミラーにより行なわれるか、又は、前記観察者の眼の位置が追跡され、前記観察者が頭を動かした場合でも観察者ウィンドウを介して観察を継続できるように、仮想観察者ウィンドウの位置が変更されるか、又は、設定可能な回折光学素子によって前記観察者の追跡が行われる、
ことを特徴とする請求項24から26のいずれか1項に記載の表示装置。
前記光学系はレンズを備え、前記レンズに対して前記光源をシフトするか、前記光源若しくは前記レンズを機械的にシフトするか、又は、シャッターLCDパネル上の開口部を電子的にシフトすることにより、前記観察者を追跡するか、
前記光学系はレンズアレイを備え、前記レンズアレイに対して前記光源をシフトするか、前記光源若しくは前記レンズアレイを機械的にシフトするか、又は、シャッターLCDパネル上の開口部を電子的にシフトすることにより、前記観察者を追跡する、
ことを特徴とする請求項24から26のいずれか1項に記載の表示装置。
前記ホログラムは、TFTフラットスクリーンである空間光変調器か、テレビのディスプレイか、マルチメディアデバイスのディスプレイか、ゲームデバイスのディスプレイか、医療用画像表示装置のディスプレイか、又は、軍用情報表示装置のディスプレイに対して符号化される、
ことを特徴とする請求項24から26のいずれか1項に記載の表示装置。
請求項1に記載の方法を用いて前記オブジェクトのオブジェクト情報から前記観察者の左眼のためのホログラムと右眼のためのホログラムとをそれぞれ計算する装置であって、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がホログラフィックデータ又は前記観察者の左眼のための前記ホログラム若しくは右眼のための前記ホログラムでプログラムされる、
ことを特徴とする装置。
請求項1に記載の方法を用いて前記オブジェクトのオブジェクト情報から前記観察者の左眼のためのホログラムと右眼のためのホログラムとをそれぞれ計算する装置であって、データ配信ネットワークがホログラフィックデータを伝達する、
ことを特徴とする装置。
【背景技術】
【0003】
2.用語の定義及び背景の概念
本明細書において、用語「画素」は、SLMの制御可能なホログラム画素を示す。画素は、別個に処理され、ホログラムポイントの離散的な値により制御される。各画素は、ビデオホログラムの1つのホログラムポイントを表す。従って、LCDの場合、個別に処理可能な画面画素に対応するために画素という用語を使用する。DLPの場合、個々のマイクロミラー又はマイクロミラーの小さなグループに対応するために画素という用語を使用する。連続したSLMにおいて、画素は、1つの複素ホログラムポイントを表すSLM上の過渡領域である。従って最も一般的には、画素という用語は、1つの複素ホログラムポイントを表すことができる(例えば、表示できる)最小単位を意味する。色符号化を達成するために、各画素は、3原色の各々でカラーホログラムポイントを表現又は表示するためにサブ画素を含んでもよい。ビデオホログラム符号化の種類に応じて、各カラーホログラムポイントの原色を符号化又は表現するために、更なるサブ画素が使用されてもよい。例えば、Burckhardtの符号化がカラーホログラムについて使用される場合、各画素は9つのサブ画素の構成を必要とする。本明細書において、より分かり易くするために、各画素は、振幅成分及び位相成分を含む1つの離散的なホログラムポイント値により符号化される。前記成分はゼロであってもよい。専用制御器又はドライバは、各サブ画素のために別個の制御信号を使用してサブ画素を制御する。しかし、制御器又はドライバ、並びに制御信号の提供は、本発明の対象ではない。
【0004】
本明細書において、用語「ピッチ」は、SLMの2つの隣接する画素の中心の距離を表す。従って、用語「ピッチ」は、ディスプレイの解像度を特徴付ける。
【0005】
「観察者ウィンドウ」は、制限された仮想ゾーンであり、観察者は、この仮想ゾーンを介して十分に高い視認性の再構成3Dシーン全体を見ることができる。観察者ウィンドウは、観察者の眼の位置に置かれるか又は眼の近くに置かれる。観察者ウィンドウは、X方向、Y方向及びZ方向に移動できる。観察者ウィンドウ内において、波動場は、再構成オブジェクトが観察者に対して可視になるように干渉する。本発明の1つの実現例において、シーンは、観察者ウィンドウを介して閲覧可能であり、観察者ウィンドウのエッジとSLMとの間にわたる錐台の内部に再構成される。各眼のために1つの観察者ウィンドウ、すなわち2つの観察者ウィンドウを含むことができる。更に高度な観察者ウィンドウの構成が可能である。観察者がSLMの背後を見ることができるオブジェクト又はシーン全体を含むビデオホログラムの符号化が可能である。
【0006】
用語「符号化」は、SLMを通過するコヒーレント光又はSLMにより反射されるコヒーレント光が3次元シーンを再構成するように、SLMが制御信号を供給される方法を表す。
【0007】
干渉を可能にする程度まで光が空間的にコヒーレントである場合、本明細書による「光源」は十分にコヒーレントであると考えられるため、少なくとも1次元で十分な解像度を有するホログラフィック再構成が可能になる。空間的コヒーレンスは、光源の横方向の範囲に関連する。LED又は冷陰極蛍光灯のような従来の光源が十分に狭い開口部(アパーチャ:aperture)を介して光を放射する場合、それら従来の光源はそれら要求を満足できる。レーザ光源からの光は、回折限界内で点光源から生じると考えられる。それは、オブジェクトの鮮明な再構成につながる。すなわち、各オブジェクトポイントは、回折限界内のポイントとして再構成される。
【0008】
空間的にインコヒーレントな光源からの光は、横方向に拡大され、再構成オブジェクトのぼけ又はにじみの原因となる。ぼけ又はにじみの度合いは、所定の位置で再構成されたオブジェクトポイントの拡大サイズにより与えられる。ホログラム再構成のために空間的にインコヒーレントな光源を使用するために、開口部の幅を調整することにより、再構成品質と輝度との間の妥協点を見つける必要がある。開口部が小さいと、向上された空間的コヒーレンスが得られるため、ぼけ又はにじみの度合いを低下させる。しかし、開口部が小さいと、輝度も小さくなる。用語「部分的な空間的コヒーレンス」は、そのような光源を表すために使用される。
【0009】
時間的コヒーレンスは、光源のスペクトル線幅に関連する。時間的コヒーレンスを保証するために、光は十分に狭い波長範囲を有する必要がある。高輝度LEDのスペクトル帯域幅は十分に狭く、ホログラフィック再構成に対する時間的コヒーレンスを保証する。SLMにおける回折角は波長に比例し、これは、単色光源のみがオブジェクトポイントの鮮明な再構成をもたらすことを意味する。広いスペクトルにより、オブジェクトポイントは広くなり、オブジェクト再構成はにじむか又はぼける。レーザ光源のスペクトルは、単色であると考えられる。LEDのスペクトル線幅は十分に狭く、適切な再構成を容易にする。
【0010】
殆どのホログラフィックシステムにおいて、符号化ホログラムは、再構成される3Dシーンの変換である。用語「変換」は、変換と同等又は類似する任意の数学的技術又は計算技術を含むように広範囲に解釈されるべきである。数学的な意味における変換は、マクスウェル波動方程式でより正確に記述される物理処理に対する近似値である。フレネル変換(又は、フーリエ変換として周知の特別な種類のフレネル変換)等の変換は2次近似値である。しかし、それら変換は、微分とは異なり基本的に代数的であるため、計算上効率的に処理され、また光学系において正確に実現されるという利点を有する。
【0011】
3.関連技術の説明
従来の光学を使用する3D裸眼立体ディスプレイの欠点は、眼のレンズの調節と視差情報との不整合である。一方では、観察者の眼は3Dシーンの異なる透視図を見て、任意の距離でオブジェクトの深さの印象をシミュレートする。他方では、各透視図は表示面自体に位置付けられる。従って、眼は表示面に焦点を合わせ、各眼は平面画像を見る。これは、視差情報により達成される任意の深さでオブジェクトを見ることと固定された表示面に対する眼の調節との間に不整合が生じる原因となる。この不整合は、喜ばしくない感覚及び眼精疲労の原因になる可能性がある。
【0012】
例えば、特許文献1において説明されるような周知の電子ホログラフィックディスプレイは、適切な深さで3Dシーンのオブジェクトを再構成する制御可能な開口部の画素パターンを供給されるホログラムマトリクスを使用する。これは、従来の立体ディスプレイの不都合を回避できる。小さな開口部からの回折は、3Dシーンを再構成するために使用される。開口部から出現する波面は、観察者に到達する前にシーンのオブジェクトポイントに収束する。このホログラムマトリクスの開口部の直径、すなわちピッチが小さい程、回折角は大きくなる。これにより、観察者により使用される視角が広くなる。その結果、視角を広くするには、向上した解像度を必要とする。
【0013】
N.Fukaya、K.Maeno、K.Sato及びT.Hondaによる非特許文献1において、眼の位置を追跡することにより電子ホログラフィックディスプレイの視域を拡大する方法が説明される。この文献は、ホログラフィックアレイからの光を観察者が位置付けられている可能性のある領域全体に投影する必要がないことを示唆する。照明される領域を観察者の眼に制限することで十分である。従って、大きなホログラムアレイは、別個のホログラムの小さな部分に分割される。各部分は、単一の大きなホログラムではなく1組の小さなホログラムにより符号化される。これにより、観察者は、1つの大きなホログラムからの3Dオブジェクトであるかのように同一の3Dオブジェクトを見る。各ホログラムはオブジェクトを再構成し、その視域は各眼の位置に一致する。観察者が別の位置に移動する場合、観察者は別の1組の小さなホログラムから再構成及び視域を得る。この制約により、非常に小さな画素カウントを有するSLMの使用が容易になる。
【0014】
観察者の横方向(X,Y)の移動を追跡するために、制御可能な走査ミラーは、SLMの光を観察者の眼に投影する。観察者の縦方向(Z)の移動の追跡は、小さなLCD間の相対的な空間を変更することにより行なわれる。
【0015】
文献は、3Dシーンがレンダリングされる角度を相対的に小さくする50mmの再構成の幅について説明する。
【0016】
この方法の欠点は、複数の別個の小さなLCDを含むホログラフィックアレイを製造することが非常に困難なことである。更に、3Dシーンの同一オブジェクトポイントの複数の再構成が見られることを回避する必要がある。これは、SLMのサイズを制限し、従ってオブジェクトのサイズを制限する。
【0017】
大量の計算を低減するために、特許明細書である特許文献2は、観察者により直接見られる電子ホログラムの部分又は変更される部分のホログラム計算を開示する。電子ホログラムアレイは、処理可能なサブ領域から構成される。計算は、特定の位置において観察者の瞳孔と一致するいわゆる有効射出瞳に基づく。観察者の位置が変化する場合、追跡デバイスは、新しい観察者の位置に対して画像を生成するホログラム部分を再計算する。
【0018】
しかし、これは計算数の減少を部分的に無効にし、説明した解決策では、非常に小さなピッチを有する制御可能な大きいSLMを必要とするという欠点は無くならない。
【0019】
特許文献3において説明される計算機ホログラムを再構成するデバイスは、再構成を水平方向のみの(HPO)ホログラムに制限することによりSLMに対する要求を減少する。
【0020】
照明手段は、10nm未満の帯域幅を有する単色光を生成し、水平方向にコヒーレントであるが垂直方向にインコヒーレントである線光源である。ホログラフィック再構成は水平方向にのみ行なわれ、垂直方向のホログラフィック再構成は存在しない。その結果、水平運動視差を有する再構成オブジェクトが得られる。透視図は、垂直運動の際に変化しない。HPOホログラムは、垂直方向のSLMの解像度が全方向視差ホログラムより低いことを必要とする。再構成方向、すなわち水平方向にのみ周期性が存在する。計算負荷は、1次元ラインホログラムについて減少される。
【0021】
特許文献4は、ホログラフィックステレオグラムが符号化されるホログラム面とは空間的に異なる再構成可能な画像面を有する計算されたホログラフィックステレオグラムに関する。3次元オブジェクト又はシーンは、周知の画素構造とは異なる構造を有するいわゆるホロピクセルを含むアレイにより再構成される1次元ホログラフィックビュー(HPOホログラム)の積み重ねとして捕捉又は合成される。ハードウェアは、閲覧可能な画像を生成するために計算された回折パターンを生成する。生成モジュールは、ホログラム面とは空間的に異なる1つ以上の画像面において、干渉パターンによりホログラフィックステレオグラムを再構成する。
【0022】
デバイスは、ホログラフィックに再構成された1つ以上の像平面を介して3次元シーンの1つ以上の一連のパララックスビューを投影する。像平面は、ソフトウェアを介して、ホログラム平面から離れた任意の場所で特定され、可変のプロジェクタ画素数によりポピュレートされる。更に、特定の実施形態において、ホログラム面及び画像面は、調整可能な距離で離間される。画像面は、深さと解像度との少なくともいずれかが可変であってもよい。
【0023】
上述のSLMの画素とは異なり、ホロピクセルは、非常に複雑な構造を有し、いくつかのホログラムビューを再構成できる。
【0024】
観察者ウィンドウが眼の瞳孔より僅かに大きい範囲に減少したため、出願人の前特許出願である特許文献5は、SLMのピッチに対する要求及びホログラフィックアレイの計算負荷を非常に減少する。デバイスは、十分にコヒーレントな光を提供する少なくとも1つの光源と、フーリエ変換レンズと、各々が1つ以上の開口部を含む複数の画素のマトリクスを有するホログラフィックアレイとを含む。各開口部の位相又は振幅は制御可能であり、観察者平面は光源の像平面に位置付けられる。観察者平面において、少なくとも1つの観察者ウィンドウは、周期間隔においてビデオホログラムの変換として形成され、観察者ウィンドウにより、観察者は3次元シーンの再構成を観察できる。観察者ウィンドウの最大範囲(すなわち、X次元、Y次元)は、フーリエ変換平面(これは光源の像平面と同等である)における周期間隔に対応してもよい。再構成錐台は、表示領域と観察者ウィンドウとの間にわたり、前記錐台は、ビデオホログラムの3次元シーン全体を含む。上述のように、観察者ウィンドウは、観察者の眼に制限され、眼に対して位置付けられる。付録IIは、特許文献5の更なる面及び拡張機能を列挙する。拡張機能は、本発明の範囲内である。
【0025】
4.発明の技術背景
共通のホログラフィックアレイは、光波のコヒーレントな重ね合わせにより3Dオブジェクト又は3Dシーンの光波面を再構成する。そのために、空間光変調器(SLM)は、SLM(これはホログラフィックアレイであってもよい)に符号化された波紋を表示する。符号化ホログラムは、3Dシーンの変換である。SLMは、バックライトにより提供される光波を回折し、シーンを再構成する。
【0026】
本質的に、ホログラムがホログラムポイントでサンプリングされる電子ホログラムを表示することにより問題を招く。サンプリングされたホログラムは、観察者平面の周期間隔において符号化波紋の周期的な繰り返しの特性を常に有する。それら繰り返しは、同一オブジェクト又はオブジェクトポイントの複数の再構成を引き起こす。
【0027】
ホログラムの再構成の寸法が周期間隔を超える場合、隣接する回折次数はオーバラップする。解像度が徐々に減少すると、すなわちピッチが大きくなると、再構成のエッジは、隣接する回折次数をオーバラップすることにより次第に歪曲される。周期的な再構成観察者ウィンドウのオーバラップが回避される必要があるため、再構成の使用可能な範囲は徐々に制限される。
【0028】
SLMの視域は、最大回折角に依存する。最大値は、SLMの画素ピッチにより規定される。
【0029】
一般に周知であるように、フーリエホログラムにおいて、シーンは、ホログラフィックアレイの画素の符号化の直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換として再構成平面において再構成される(すなわち、オブジェクト再構成はアレイのフーリエ平面にある)。この再構成は、周期間隔で周期的に継続する。前記周期間隔の範囲は、ホログラフィックアレイの画素ピッチに反比例する。
【0030】
より大きな周期間隔及び従ってより広い視角が達成される場合、要求されるピッチ(及びホログラフィックアレイの各画素のサブ画素の範囲)は照明光の波長に更に近くなる。大きなシーンを再構成できるように、アレイ領域は十分に大きい必要がある。それら2つの条件(小さなピッチ及び大きな領域)には、大量の画素を有する大きなホログラフィックアレイが必要である。
【0031】
電子ホログラムの再構成をレンダリングするために、十分に大きな視域が提供される必要がある。従来のホログラフィックアレイにおいて、視域は、少なくとも眼の間隔を範囲に含む必要があり、最大約10μmの画素ピッチを要求する。電子ホログラムをリアルタイムに計算するために、高価なハードウェア及び速い計算速度が必要とされる。
【0032】
リアルタイムにホログラムを生成する機器に対する計算負荷は、ホログラムの複雑性に依存する。全方向視差ホログラムは、水平方向及び垂直方向の波のコヒーレントな重ね合わせによりオブジェクトをホログラフィックに再構成する。十分に大きな観察者ウィンドウ又は観察者領域を仮定すると、再構成オブジェクトは、実際のオブジェクトのように、水平方向及び垂直方向の動作視差により見ることができる。しかし、大きな観察者領域は、水平方向及び垂直方向に高解像度のSLMを要求する。
【0033】
SLM及び演算装置(例えば、専用ASIC、主装置CPU、別個のスタンドアロンデバイス等)に対する要求は、水平視差のみの(HPO)ホログラム又は垂直視差のみの(VPO)ホログラムに制限することにより減少される。
【0034】
水平視差のみのホログラムが使用される場合、ホログラフィック再構成は水平方向にのみ行なわれ、垂直方向のホログラフィック再構成は存在しない。その結果、水平運動視差を有する再構成オブジェクトが得られる。透視図は、垂直運動の際に変化しない。HPOホログラムは、垂直方向のSLMの解像度が全方向視差ホログラムより低いことを必要とする。再構成方向、すなわち水平方向にのみ周期性が存在する。従って、計算負荷は、1次元ラインホログラムについて減少される。
【0035】
再構成が垂直方向にのみ行なわれる垂直視差のみのホログラムも可能であるが、一般的ではない。その結果、垂直運動視差を有する再構成オブジェクトが得られる。水平方向の運動視差は存在しない。左眼及び右眼に対する異なる透視図は、別個に作成される必要がある。これは、観察者ウィンドウの時間多重化又は空間多重化により行なわれる。
【0036】
VPOホログラム及びHPOホログラムは、オブジェクトの距離に眼の焦点を合わせる(すなわち、眼レンズの曲率を適応させる)。
【0037】
一般に、従来の電子ホログラフィックディスプレイの観察者ウィンドウは、眼の瞳孔よりかなり大きい(すなわち、再構成オブジェクトは大きな領域にわたり適切に見られる)。その結果、観察者が位置しない空間の領域に光を投影するには多くの労力が必要とされる。従って、電子ホログラフィックディスプレイ全体が光波面を制御するのに必要とされる性能は非常に高い。
【0038】
十分に大きな観察者ウィンドウ又は観察者領域を仮定すると、再構成オブジェクトは、実際のオブジェクトのように、水平方向及び垂直方向の動作視差を容易にする。しかし、大きな観察者領域は、ホログラフィックアレイの水平方向及び垂直方向の解像度が高いことを必要とする。
【0039】
ホログラムを符号化する1つの周知の方法は、迂回位相効果に基づく周知のBurckhardtの符号化により振幅を変調する従来の液晶ディスプレイを使用する方法である。符号化は、原色及び画素毎に3つの隣接するサブ画素が必要である。この符号化は、−1次回折、0次回折、1次回折、2次回折、3次回折等と呼ばれる3種類の回折次数を提供する。第1の種類である0次回折、3次回折等は非回折光を含む。それら次数は、再構成を提供しない。第2の種類である1次回折、4次回折等は符号化オブジェクトの再構成を含む。それに対して、第3の種類である−1次回折、2次回折等は深さを逆にしたオブジェクトの再構成を含む。これは、その再構成が不適切であることを意味する。適切な再構成は、1次回折、4次回折等のみを含む。LCD開口部の有限の開口部のために、回折パターンの強度は高次回折に向けて減衰する。従って、観察者ウィンドウを1次回折に位置付けることが有利である。
【0040】
Burckhardtの符号化により提供される周期間隔は、1次回折、0次回折及び−1次回折のような3つの隣接する回折次数のグループを含む。各周期間隔のサイズは、P
diffr=λ*d/pにより与えられる。式中、λは照明光の波長を定義し、dはホログラムと観察者平面との間の距離であり、pはサブ画素のピッチである。
【0041】
オブジェクトが1次回折でのみ正確に再構成されるため、観察者ウィンドウは、周期間隔P
diffrの1/3のみを範囲に含むことができる。周期間隔のサイズが照明光の波長に依存するため、カラーホログラムの場合、観察者ウィンドウのサイズは使用される原色の最短波長により制限される。
【0042】
位相変調SLMがフーリエホログラムにおいて使用される場合、周期間隔は、オブジェクトの深さを逆にした再構成を含まない。しかし、非回折光が更に存在する。従って、周期間隔全体が観察者ウィンドウとして使用されるわけではない。非回折光は、観察者ウィンドウから除外される必要がある。
【0043】
複素変調SLMが使用される場合、単一画素は、1つの複素値を符号化するために使用される。従って、観察者平面の各周期間隔は1つの回折次数のみを含む。そのため、周期間隔全体が観察者ウィンドウについて使用される。
【0044】
一般に、観察者ウィンドウは、1つの周期間隔内に位置付けられる必要がある。しかし、SLM上の複素値ホログラムの符号化方法に依存して、観察者ウィンドウは周期間隔より小さい必要がある。
【0045】
電子ホログラムに起因する光の伝播は、フレネル変換又はフーリエ変換により記述される。フレネル変換は近視野光分布を記述し、フーリエ変換は有限距離における遠視野光分布を記述する。遠視野光分布は、集光レンズにより有限距離にシフトされる。
【0046】
特許出願である特許文献5により周知である解決策は、この符号化領域を制限する概念に基づくため、再構成されたシーンポイントから生じる光は、1つの観察者ウィンドウに制限される。従って、デバイスは、観察者平面のフーリエ変換の1つの周期間隔においてビデオホログラムを再構成する。再構成された3次元シーンは、各眼の前に位置付けられる観察者ウィンドウを介して観察される。再構成シーンは再構成錐台内で可視であり、シーンはアレイ面上、アレイ面の手前又は背後に再構成される。これにより、手頃なハードウェアの費用及び計算力で300万画素近い解像度の従来のアレイを使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0066】
ビデオホログラムを再構成するデバイスは、SLM(この例においては、ホログラフィックアレイHAである)、十分にコヒーレントな光源LS及び光集束システムFを具備する。光源は、制御可能なシャッター手段によりローカルで制御及び誘導される線状のバックライト又はLEDアレイ等の仮想照明手段により実現され、点光源又は線光源のアレイを形成する。ホログラフィックアレイ自体は、規則的なパターンで構成される画素から成る。各画素は、照明された複数の透過型開口部(サブ画素)を含む。各サブ画素の開口部は、別個に処理可能であり、位相と振幅との少なくともいずれかに関して制御可能であり、ビデオホログラムのシーケンスを表すホログラフィック複素数を介して符号化される通過する照明光に影響を与える。
【0067】
観察者平面OPにおいて、少なくとも1つの観察者ウィンドウOWは、ビデオホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換として周期間隔において形成される。観察者ウィンドウOWは、観察者の眼OEが3次元シーンの再構成3D−Sを閲覧することを可能にする。観察者ウィンドウOWの最大範囲は、光源LSの像平面と同一であるフーリエ逆変換の観察者平面OPにおける周期間隔に対応する。
【0068】
本発明の好適な実施形態において、3次元シーンに関する情報は透過型SLM HAにおいて符号化される。照明された画素構成は、いくつかの開口部(カラーディスプレイに対するサブ画素)を含む。照明光の振幅及び位相の空間制御は、符号化画素パターンにより達成される。しかし、本発明の基本的な概念は、説明したSLMに限定されない。半透過型及び反射型アレイ、あるいはFreedericksz画素等の光波の位相を直接変調するアレイが使用されてもよい。
【0069】
(
図1)
図1は、集束手段Fを介してSLMであるアレイHAを照明する光源LSを示す。本発明の好適な実施形態において、線状光源は光源LSを形成し、集束手段Fは、光源LSのコヒーレント光を観察者平面OPに撮像する垂直に配置された円柱レンズである。
【0070】
図1は、周知のBurckhardtの符号化を使用するデバイスを示す。観察者平面OPは、回折次数を含むビデオホログラムの逆変換のフーリエ平面と一致する。
【0071】
光源LSは、フーリエ変換レンズを表す集束手段Fを介して観察者平面OPに撮像される。ビデオホログラムにより符号化されたSLM HAは、観察者平面OPにおいてフーリエ逆変換としてホログラムを再構成する。SLM HAの周期的な開口部は、例えばいわゆる迂回位相効果により、高次回折へのホログラフィック符号化が行なわれる観察者平面OPにおいて等距離で離間して交互に配置される回折次数を作成する。光の強度が高次回折に向けて減少するため、1次回折又は−1次回折は
図2に示す観察者ウィンドウOWとして使用される。ここでは、再構成の寸法は、観察者平面OPにおける1次回折の周期間隔の寸法と一致するように選択された。その結果、高次回折は、ギャップを形成せずに、またオーバラップせずに共に位置付けられる。
【0072】
(
図2)
図2に示すように、観察者平面OPにおける選択された1次回折は、ビデオホログラムの再構成である。それは、オブジェクト自体の再構成ではないが、再構成オブジェクトと同一位置に位置付けられる実際のオブジェクトにより生成される観察者ウィンドウOWにおける波面である。従って、ビデオホログラム再構成(すなわち、オブジェクト再構成ではない)は、実際の3次元シーン3D−Sを表さない。それは、観察者ウィンドウOWとして使用されるだけであり、3次元シーン3D−Sの再構成は、その観察者ウィンドウOWを介して観察される。シーンは、SLMと観察者ウィンドウOWとの間にわたる再構成錐台RFの内部に位置付けられる。シーン3D−Sはビデオホログラムのフレネル変換としてレンダリングされ、観察者ウィンドウOWはフーリエ変換の一部である。
図2は、3Dシーンの単一のオブジェクトポイントPによるSLM HAのホログラフィック符号化を示す。従来のホログラフィック再構成において、1次回折は、オブジェクトの再構成を構成する。再構成オブジェクトはフーリエ平面にある。
図2の実現例において、観察者平面はフーリエ平面と一致する。
【0073】
図2は、対応するホログラフィック符号化を示す。3次元シーンは、ポイントP1〜P3(
図3を参照)等の離散的なポイントから構成される。底辺である観察者ウィンドウOW及び頂点であるシーン3D−Sの選択されたポイントPを含む角錐PYは、そのポイントを介して延長され、SLM HAに投影される。投影領域A1は、ビデオホログラムにおいて作成され、そのポイントは投影領域A1において単独でホログラフィックに符号化される。位相値を計算するために、ポイントPからホログラムの画素までの距離が判定される。この再構成3D−Sは、観察者ウィンドウより大きい。観察者ウィンドウOWのサイズは、周期間隔により制約される。従来のホログラフィック再構成において、周期間隔は再構成オブジェクトのサイズを制約するが、それは本実現例には該当しない。その結果、本実現例は、同一の画素ピッチを有するディスプレイにより、従来のホログラフィック方法を使用して可能である再構成オブジェクトより非常に大きい再構成オブジェクトが生成されることを可能にする。再構成オブジェクトは、再構成錐台RFの内部のいずれの場所にも現れることが可能である。
【0074】
ポイントPがホログラム全体において符号化される場合、再構成は周期間隔を超えて拡大される。隣接する回折次数からの視域はオーバラップし、その結果、閲覧者はオブジェクトポイントPの周期的な連続を見る。そのように符号化された面の輪郭は、複数のオーバラップによりぼけて見える。
【0075】
(
図3)
図3は、オブジェクトポイントP1〜P3を有する3次元シーン3D−Sの符号化を示す。図示するように、各オブジェクトポイントP1〜P3は、SLM HAの対応する制限された符号化領域においてのみ単独で符号化される。それら領域は、図中符号A1〜A3により規定される。オブジェクトポイントP1及びP2の位置は、深さ情報において異なる。従って、SLMにおいて、符号化領域A1及びA2はオーバラップする。
【0076】
(
図4)
図4は、
図3の状況を更に詳細に示す。
【0077】
光源LSは、観察者平面OPに撮像される。レンズF又はレンズアレイは、光源LSを撮像する。フレネルホログラムと比較すると、フーリエホログラムは、非回折光が観察者平面OPの小さなスポットに集束されるという利点を有する。それらスポットが観察者ウィンドウの外側にある場合、非回折光は、妨害する背景として不可視である。
【0078】
コヒーレント光源の場合、撮像された光源のサイズは、レンズにおける収差及び回折により制限され、通常、人間の眼の解像度と比較して非常に小さい。LED又はLEDアレイのような空間的にインコヒーレントな光源が使用される場合、撮像された光源のサイズは、光源の開口部及びレンズの倍率により判定される。
【0079】
本発明の好適な一実施形態において、光源のアレイ及びレンズのアレイが使用され、全ての光源の画像は一致する必要がある。これは、単純な幾何学的な構成によると、光源アレイのピッチがレンズアレイのピッチより僅かに大きい必要があることを意味する。光源及びレンズが適切に位置合わせされる場合、回折パターンは、観察者平面OPにおいて可視であり、単一光源及び単一レンズが使用されているかのような回折パターンに見える。
【0080】
光の分布を均質化するため又は観察者平面における強度を増加するために、光の分布を形成する追加の光学素子が存在してもよい。それらは、ディフューザーシート又はレンズであってもよい。
【0081】
純粋なホログラフィックセットアップに対して、観察者の追跡は、光源をレンズ(アレイ)に対してシフトすることにより達成される。これは、光源又はレンズ(アレイ)を機械的にシフトすることにより行なわれてもよく、あるいはシャッターLCDパネル上の開口部を電子的にシフトすることにより行なわれてもよい。追跡は、設定可能な回折光学素子又は走査ミラーにより行なわれてもよい。
【0082】
垂直方向のホログラフィックオブジェクト再構成及び水平方向の裸眼立体画像分離が組み合わされる場合、水平方向の追跡は、SLM上のVPOホログラムの水平方向のシフトにより行なわれる。
【0084】
付録I:本発明の別の実施形態の詳細な説明
付録II:理論上の背景;好適な実施形態に対する詳細及び拡張機能
付録III:内容が参考として取り入れられている特許文献5の主な概念及び拡張機能の概要
<<付録I>>
計算機ビデオホログラムを計算する方法及びデバイスに関する更なる実施形態
(付録I:実施形態の背景)
本実施形態は、計算機ホログラム(CGH)を計算する方法及びデバイスに関し、特に、各々が複素値データを表示する個々に制御可能なホログラムセルから構成されるビデオホログラム等のリアルタイムホログラム又は略リアルタイムホログラムに関する。静止画に加え、リアルタイムビデオホログラムは特に興味深い。電子ホログラフィの目的は、リアルタイムでCGHを実現することである。電子ホログラムディスプレイは、照明光を空間変調することによりオブジェクトポイントを再構成する制御可能な画素を含む空間光変調器(SLM)であるのが効果的である。本明細書中、リアルタイムホログラムをビデオホログラムと呼ぶ。ビデオホログラムは、別個に構成されるセルを示さない光学式SLM又は音響光学変調器(AOM)等も範囲に含むと、当業者には理解される。
【0085】
写真のように格納されるか又は干渉パターンの形で別の適切な方法で格納される従来のホログラムとは異なり、ビデオホログラムは、3次元シーンのシーケンスから離散的なホログラムデータを計算した結果として存在する。計算処理中、中間データは、例えばコンピュータの電子記憶媒体、グラフィックスプロセッサ、グラフィックスアダプタ又は他のハードウェア構成要素等の電子手段により格納される。3Dシーンデータは、干渉パターン又は2Dデータの3D変換等の任意の方法で生成される。
【0086】
(付録I:背景の概念)
空間光変調器(SLM)は、複素値データ、すなわち光の各色成分の振幅の大きさ及び位相を空間的に制御するデバイスである。色は、空間的又は時間的に多重化されることにより符号化される。SLMは、各々がホログラムデータの離散的な値セットにより別個に処理及び制御される複数の制御可能なホログラムセルを含んでもよい。SLMは、連続していてもよく、離散的なセルを含まない。セルに基づくSLMにおいて空間多重化することにより色符号化を達成するために、セルの各画素は、各々が3つ以上の原色のうち1つを表示する複数の色サブ画素を含んでもよい。使用されるビデオホログラム符号化の種類に依存して、各原色を符号化するために更なるサブ画素が使用されてもよい。例えば、周知のBurckhardtの符号化のような迂回位相符号化は、色成分毎に3つのサブ画素の構成を必要とする。3つの色成分を考慮すると、ホログラムセルに対するサブ画素数の合計は9になる(すなわち、3原色が存在する。それら3原色の各々について3つのサブ画素が存在し、合計9つのサブ画素になる。これに対して、周知のLeeの符号化は4つのサブ画素を必要とする。二相符号化は、ホログラムセルの各色について2つのサブ画素を必要とする。
【0087】
各ホログラムセルは、少なくとも所定の色成分の振幅及び位相情報を含むホログラムデータの1つの離散的なセットにより符号化される。前記データは、ゼロであってもよく又は標準値を有してもよく、あるいは任意に選択されてもよい。ビデオホログラムのホログラムデータは、SLMを駆動する方式に従って連続的に更新されてもよい。ホログラム全体が数千のセルから構成されるため、数千のホログラムデータの離散的なセットが存在する。
【0088】
ホログラムデータセットは、3次元シーンを再構成するために時間シーケンスの一部として単一のビデオホログラムセルを符号化するのに必要な全ての情報を含む。
【0089】
専用ドライバは、離散的なホログラムデータセットを使用して、SLMの対応するサブ画素を制御する特定の制御信号を提供する。ドライバ及び制御信号の提供は、使用されるSLMの種類に特有であり、本実施形態の対象ではない。透過型又は反射型液晶ディスプレイ、マイクロ光学電気機械マイクロシステム、あるいは連続した光学式SLM及び音響光学変調器等の多くの種類のSLMが、本実施形態と組み合わされて使用される。
【0090】
変調光は、適切に制御された振幅及び位相でホログラムから出現し、光波面の形で自由空間を通って観察者に向けて伝播して、3次元シーンを再構成する。ホログラムデータセットを使用してSLMを符号化することにより、ディスプレイから放射される波動場は、表示空間において干渉を起こすことにより所望の3次元シーンを再構成する。
【0091】
本実施形態は、所定の波長に対する振幅及び位相の少なくともいずれかを計算することにより、必要な波の変調についてホログラムセル毎にリアルタイム制御データ又は略リアルタイム制御データを提供する。
【0092】
(付録I:実施形態の概要)
以下の内容は、
図V1〜
図V5を参照する。
【0093】
本実施形態の目的は、計算機ビデオホログラムの計算を高速化する方法を提供することである。前記ビデオホログラムにより、空間解像度及び再構成品質を維持しつつ、3次元シーンを同時に再構成できる。本実施形態は、所定のビデオホログラムの対話式のリアルタイム再構成又は略リアルタイム再構成、及び転送手段を可能にする。別の目的は、大きな計算機ホログラフィック再構成が生成されるのを可能にする方法を提供することであり、それら再構成は、ホログラム自体の大きさ以上であってもよい。
【0094】
この目的は、ビデオホログラムデータセットが2次元オブジェクトデータセットの一部又は全てから計算されるように、3次元シーンのオブジェクトを定義するオブジェクトデータが複数の仮想セクション層に配置される計算機ビデオホログラムを計算する方法により達成される。尚、各層は、2次元オブジェクトデータセットを定義する。方法は:
−(a)第1の変換において、仮想セクション層の各2次元オブジェクトデータセットが2次元波動場分布に変換され、波動場分布がビデオホログラム層から有限距離にある参照層の仮想観察者ウィンドウのために計算されるステップと、
−(b)セクション層の全ての2次元オブジェクトデータセットについて、仮想観察者ウィンドウに対する計算された2次元波動場分布が加算され、観察者ウィンドウデータセット集合体を定義するステップと、
−(c)第2の変換において、観察者ウィンドウデータセット集合体が参照層からビデオホログラム層に変換され、計算機ビデオホログラムについてビデオホログラムデータセットを生成するステップとから成る。
【0095】
3次元シーンを定義するオブジェクトデータは、2次元シーンを定義するが、2次元画像又はビデオデータを3次元データに変換するための追加の深さ情報を含むデータである。用語「3次元」は、「2次元」を範囲に含む。深さ情報は、全てのオブジェクトデータセットについて同一であってもよい。従って、ホログラムを生成するデバイスは、入力及びユーザが表示したいものによって3次元モードから2次元モードに切り替えられる。
【0096】
・用語「層」は、再構成されるシーンを構成するポイントを記述できる任意の種類の定義可能な仮想構造を範囲に含むと広範囲に解釈されるべきである。従って、用語「層」は、任意の仮想平行面のセット及びそれらポイントを空間的に定義できる任意のアルゴリズムを含む。しかし、仮想平面セクションは、計算上処理するのに最も効率的な層の形である。
【0097】
・用語「平面」は、非平面を含むように広範囲に解釈されるべきである。参照平面は、ホログラムのフーリエ平面(これは、照明光源の像平面と同一である)と一致してもよい。しかし、許容度があり、フーリエ平面に十分に近接して置かれた観察者の眼は、適切に再構成されたシーンを見る。画素カウントが増加すると、許容度は増加する。
【0098】
・1つの実現例において、第1の変換はフレネル変換であり、第2の変換はフーリエ変換である。用語「変換」は、変換と同等であるか又は類似する任意の数学的な技術又は計算技術を含むと広範囲に解釈されるべきである。通常の数学的な意味で使用される変換は、マクスウェル波動方程式でより正確に記述される物理処理に対する近似値であり、フレネル変換(又はフーリエ変換として周知の特別な種類のフレネル変換)等の変換は2次近似値である。しかし、それら変換は、微分とは異なり代数的であるため、計算上効率的に処理されるという重要な利点を有する。
【0099】
・観察者ウィンドウの再構成された波動場集合体のエラーを補償するために、反復処理は、観察者ウィンドウにおける分布とホログラム層との間で実行されてもよい。
【0100】
ノイズスペックルを減少し、明るさ又は回折効率及びシーンの参照層における明るさの定義を向上させるために、オブジェクトデータセットは、擬似ランダム位相分布等の適切な位相分布を示してもよい。
【0101】
従来技術の解決策とは異なり、本実施形態による上記ステップの最初の2つのステップを実行することにより、単一の波動場集合体のホログラムは回折公式を使用して計算される。全ての個々の波動場が重ね合わされるために、その波動場集合体は、3次元シーンに関する光情報全体を実現された精度内で含む。
【0102】
本実施形態の好適な実施形態において、セクション層に対する全てのオブジェクトデータセットは、同一総数の離散的なマトリクスポイントを割り当てられる。マトリクスポイント数がホログラムの走査ポイント数と同一である場合、高速なアルゴリズムが計算処理全体に対して使用されるのが好ましく、補間又はオーバーサンプリング等、解像度を各層に適応させる処理ステップは不必要になる。全ての層に対するマトリクスポイント数は、ホログラムディスプレイにおけるSLMの符号化画素数から得られる。
【0103】
特許文献5により周知であるビデオホログラムディスプレイと本実施形態を組み合わせた場合の主な利点は、ホログラム層の波動場集合体に対する参照データセットを変換する前に、参照層の観察者ウィンドウの領域がSLM光変調器マトリクスの領域より非常に小さくなるように制限されることである。観察者ウィンドウの最大範囲は、参照層においてホログラムを再構成する場合に再構成のために使用される光源の画像を含む層における周期間隔と一致する。これにより、本実施形態による計算機ビデオホログラムが他の解決策と比較して低い回折角を実現する必要があり、参照層及びホログラム層に対するデータセットが同一数のマトリクスポイント値を有する場合には更にその必要があるという結果が得られる。光変調器マトリクスに対する振幅値の計算のため、処理速度に対する要求は大幅に減少する。特に、現在の閲覧者の位置を追跡する周知の位置検出及び追跡デバイスと組み合わせると、観察者ウィンドウの寸法はかなり最小化され、その特長から利益を得る。更に、上述した特許文献5は、再構成されるシーンの単一ポイント毎に実行される多くの計算を必要とする動作を要求する。本実施形態を使用すると、単一オブジェクトポイント毎に多くの計算を必要とする動作を実行する必要はなく、第1の変換(各セクション層から観察者の眼が位置する参照平面の仮想観察者ウィンドウへ)が、層の個々のオブジェクトポイントではなくセクション層全体に対して実行される。仮想観察者ウィンドウからホログラム層へ戻す第2の変換は、全てのオブジェクトポイントに対する情報を符号化するが、単一動作であるためより効率的である。
【0104】
本実施形態の更なる実施形態において、セクション層の各オブジェクトデータセットは、参照層までの距離に依存する仮想領域サイズに基づく。セクション層の領域は、各観察者ウィンドウのエッジからビデオホログラムのSLMのエッジにわたる想像上の面から得られる。各データセットにおけるマトリクスポイント値の数が同一であるため、個々のマトリクスポイントに割り当てられる領域は、参照層までの距離に比例して変化する。スライスとしても周知であるセクション層のオブジェクトデータセットに元のオブジェクトデータを割り当てることにより、各セクション層上のマトリクスポイントを記述する2次元座標系の各マトリクスポイントにシーンの離散的なオブジェクトポイント値を割り当てる。セクション層に対するオブジェクトポイントのローカル位置に応じて、元のオブジェクト情報は、空間位置に最近接する座標系のマトリクスポイントに割り当てられる。セクション層の距離に依存する領域は、シーンのセクション層を記述するための領域に依存するオブジェクトポイント解像度が大きくなる程、セクション層が参照層に対してより近接して位置付けられるという結果を招く。これは、シーンの前景が詳細に再構成される一方で、背景の同一シーンの要素が非常に低い解像度で再構成されることを意味する。しかし、より離れた仮想セクション層は、シーンの背景について非常に大きなビュー領域を再構成できる。この種のシーンの再構成は、一方ではシーンの前景及び背景の要素の非常に自然な表現を提供し、他方では必要な計算力を最小限にすることを助長する。
【0105】
本実施形態の好適な実施形態において、仮想セクション層の各オブジェクトデータセットの距離に対する値は、再構成全体又は再構成の一部がホログラム層の手前又は背後に現れるように、変換前に選択又は変更される。このように、閲覧者の眼の前の空間の深さにおける再構成の自然な位置及び合成ビデオホログラムの深さ効果の慎重な増幅又は減少は、ソフトウェア設定のみを介して実現される。
【0106】
特許文献5により周知である従来の方法に従って符号化する場合、再構成された3次元シーンは、光変調器マトリクスにより制御される波動場の形で閲覧者の眼の前の自由空間に現れる。計算するのに使用される想像上のセクション層は、観察者ウィンドウの前の空間において再構成の位置を定義し、参照層に対して有限距離に位置付けられる。光近接場における一般的な条件によると、これにより、波動場集合体に対するホログラフィックに再構成されたシーンの各光点の光の寄与が球面波として伝播し、参照層の観察者ウィンドウの目標波面に寄与する。参照層における各オブジェクトデータセットの変換は、フレネル変換による適切な近似値で表される。そのために、全てのオブジェクトデータセットの全てのオブジェクトポイントの振幅値は、参照層までの各セクション層の距離に依存するフレネル位相因子と乗算される。
【0107】
フレネル位相因子は、元の各セクション層と参照層との間の座標の2乗差及び他の因子に依存する指数部を有する。多くのフレネル変換を実行するために、多くの処理時間及び計算力が必要とされる。本実施形態の好適な実施形態によると、この欠点は、個々のステップが球面波因子との乗算の形の更なる処理ステップと共に高速フーリエ変換(FFT)を使用して実行されるように、困難なフレネル変換をそれらステップに分割することにより補償される。この方法は、グラフィックス及びホログラフィアダプタの少なくともいずれか等の専用電子ハードウェアがビデオホログラムを計算するのに使用されるという利点を有する。そのようなハードウェアは、スライス及び画像レンダリング等の他のビデオ処理ステップを行なう周知のモジュール、並びに高速フーリエ変換ルーチンを使用してフレネル変換を実行する少なくとも1つの特定のプロセッサモジュールを含む少なくとも1つの専用グラフィックスプロセッサを含む。必要なFFTルーチンを含むデジタル信号プロセッサ(DSP)であるそのようなプロセッサは、周知の方法を使用して安価に製造される。一般的なグラフィックスプロセッサにおける最近の利点は、いわゆる共有アルゴリズムを使用してセクション層のデータを参照層にフーリエ変換するような動作を可能にすることである。
【0108】
波動場の計算を簡単化するために、元のセクション層と参照層との間の光の伝播を記述する変換は、高速フーリエ変換(FFT)及び球面波を記述する位相因子との2回の乗算を含むように変更される。第1の位相因子は、元のセクション層の座標及び元のセクション層と参照層との間の距離に依存する。第2の位相因子は、参照層の座標及び元のセクション層と参照層との間の距離に依存する。光学系における光の照準に依存して、それら位相因子の一方又は双方が定数に設定されてもよい。
【0109】
従って、セクション層の分布を参照層に変換する手順は、3つのステップに分割される。
【0110】
1.各オブジェクトポイントの振幅は、第1の位相因子により乗算される。
【0111】
2.各オブジェクトポイントの光の複素振幅を元のセクション層から参照層に変換するために、生成された積が第1の高速フーリエ変換において使用される。
【0112】
3.生成された変換は、第2の位相因子と乗算される。
【0113】
シーンのビデオホログラム集合体に対するホログラムデータセットを生成するために、参照データセットのホログラム層への変換は、フレネル変換による光波伝播を記述する変換により表される。このステップを実行できるように、変換は上述のステップに従って実行されるが、この変換前に、参照層の全てのセクション層に対する参照データは複素加算により重ね合わされる。このフレネル変換のために、位相因子の一方又は双方が、光学系における光の照準に応じて定数に設定されてもよい。
【0114】
本実施形態の特定の利点は、波動場集合体に対する参照データセットが全てのセクション層の計算された参照データセットを加算することにより生成されることである。ホログラム層における変換後、その波動場集合体は、3次元シーン情報全体を含むため、ビデオホログラムに対する基礎としての役割を果たす。これにより、全てのセクション層の2次元画像及び従って3Dシーン全体を同時に再構成できる。
【0115】
符号化処理又は技術上の限界によるビデオホログラムにおける一般的なエラーを減少させたい場合、別の利点が得られる。ビデオホログラムの再構成エラーを減少するために、反復処理が使用されてもよい。従来技術において、再構成された3次元シーンのオブジェクトデータは、元の3次元オブジェクトシーンと比較される必要がある。再構成された3次元オブジェクトシーンとホログラム層との間の変換を多く含む複雑な反復処理は、所望の再構成品質が達成されるまで実行される。本実施形態の方法は、非常に単純な反復処理を有利に可能にする。参照データセットがオブジェクト情報全体を含むため、反復処理は、ホログラム層と2次元である参照層との間の変換を含む。
【0116】
今日の画像レンダリング技術による高品質の再構成は、そのような補正処理なしでは不可能である。
【0117】
ビデオホログラムは、スライサ手段を有するデジタル信号処理デバイスを使用して計算されるのが好ましい。デジタル信号処理デバイスは、トモグラフィックシーンセクション層の離散的なマトリクスポイントのオブジェクトポイントを含む別個のオブジェクトデータセットが各セクション層について定義されるように、実際の又は仮想の3次元シーンの光振幅の空間分布に対する離散的なオブジェクト値を含むオブジェクト情報を並列仮想セクション層のマトリクスポイントと共に割り当てる。ビデオホログラムのホログラムデータセットは、それらオブジェクトデータセットから計算される。本実施形態によると、信号処理デバイスは:
有限距離に位置付けられる参照層に対する波動場の別個の2次元分布を各オブジェクトデータセットから計算する第1の変換手段及び変換されたオブジェクトデータセットを層毎にバッファリングするバッファメモリ手段と、
参照データセットにおける波動場集合体の表現を生成するために、変換されたオブジェクトデータセットを加算する加算手段と、
シーンのビデオホログラム集合体に対するホログラムデータセットを生成するために、参照層に対して平行に、有限距離に位置付けられるホログラム層において参照(集合体)データセットを変換する第2の変換手段とを更に具備する。
【0118】
デジタル信号処理デバイスは、フレネル変換を実行する少なくとも1つの独立して動作する変換手段を具備し、前記変換手段は:
・元のデータセットのマトリクスポイント値の振幅値と球面波を記述する第1の位相因子とを乗算する第1の乗算手段であり、前記因子の指数部が元の各層(L
m又はRL)における座標の2乗及び目標層(RL又はHL)までの距離(D
m)に依存する第1の乗算手段と、
・第1の乗算手段の積を元のセクション層から目標層に変換する高速フーリエ変換手段と、
・その変換と球面波を記述する別の位相因子とを乗算する第2の乗算手段であり、前記因子の指数部が目標層における座標の2乗及び目標層と元の層との間の距離に依存する第2の乗算手段とを含む。
【0119】
上述のように、光学系における光の照準に依存して、それら位相因子の一方又は双方が定数に設定されてもよい。
【0120】
デジタル信号処理デバイスは、同時に変換ルーチン(TR1、TR2)を実行する独立して動作するいくつかのサブプロセッサを有するマルチプロセッサであってもよい。少なくともある特定の数の変換を同時に実行できるように、リソースマネージャは、3次元シーンの内容に依存して、計算に必要な変換を利用可能な変換ルーチンに動的に割り当てることを要求される。参照層において変換されたデータセットは、バッファメモリ手段にバッファリングされる。
【0121】
このようにシーンの内容に依存して、データセットは、あらゆる時点でアクティブにされ、ある特定のセクション層におけるシーンの動作中に変化が起こらない場合には数回使用される。
【0122】
高速フーリエ変換を実行する場合、仮想セクション層のオブジェクトデータセットは、N個の離散的なオブジェクトポイント値を割り当てられる。前記数字Nは、2のn乗である。
【0123】
(付録I:図面の簡単な説明)
好適な実施形態及び添付の図面を使用して、本実施形態による機能原理を以下に詳細に説明する。
【0124】
図V1は、3次元シーンを再構成するための構成及びビデオホログラムを計算するのに必要な参照層を示す図である(一定の比率ではない)。
【0125】
図V2は、本実施形態に従ってビデオホログラムを計算する信号処理デバイスを示す概略図である。
【0126】
図V3は、
図V1に類似する、本実施形態による計算の主なステップを示す図である。
【0127】
図V4は、変換手段の機能原理を示す図である。
【0128】
図V5は、計算機ホログラムのマトリクスポイント値を補正するために実行されるサブステップを示す図である。
【0129】
(付録I:実施形態の詳細な説明)
以下の内容は、
図V1〜
図V5を参照する。
【0130】
ホログラムプロセッサを使用するビデオホログラムの計算は、RGB又はRGB準拠の形式で光振幅の空間分布に対する値を含む実際の又は仮想の3次元シーンの元のオブジェクト情報に基づく。それら値は、周知のファイル形式で利用可能であり、ホログラムプロセッサによりデータメモリから呼び出される。3次元シーンの離散的な各オブジェクトポイントについてオブジェクトポイントファイル形式がBMPである場合、このオブジェクト情報は、例えば各2次元座標に対する複素カラーオブジェクトポイントデータR
0、G
0、B
0のセットを含む。データメモリMEMは、3次元シーンの深さ情報z
0を更に提供する。深さ情報z
0が第1のビデオ画像ファイルにおいて既に提供されたか、又は追加の情報を含む少なくとも1つの第2のファイルからプロセッサにより計算されるかは、各ポイントに対する深さ情報z
0にとって重要ではない。
【0131】
複雑な処理を理解し易くするために、3つの空間座標の1つ(ここではy座標)が以下の説明において無視される。シーンのオブジェクトポイントをM個のセクション層L
1...L
MのマトリクスポイントP
11...P
MNに割り当てることにより、N個のマトリクスポイント値を含むオブジェクトデータセットOS
1...OS
Mを生成する。全てのデータセットは、同一数N個のマトリクスポイント値を含む。この数字Nは、N1個の複素値を表すことができる光変調器マトリクスの画素数N1により判定される。高速フーリエ変換アルゴリズムがフーリエ変換の計算に使用される場合、Nは2の累乗、すなわちN=2
nに減少される必要がある。尚、nは整数であり且つN≦N1である。例えばN1=1280画素のディスプレイの場合、各データセットは、N=1024のマトリクスポイント値を含む。しかし、2
n個の入力値を必要とするわけではない他のフーリエ変換アルゴリズムが使用されてもよく、従ってディスプレイ全体の解像度N1が使用される。
【0132】
図V2と関連して理解されるように、
図V1は、好適な実施形態を示し、計算のために
図V2に示すスライサによりシーンをM個の仮想セクション層L
1...L
Mに分割する方法を示す。スライサは、データメモリMEMに格納された元のオブジェクト情報の深さ情報zを周知の方法で解析し、マトリクスポイントP
mnを含むシーンの各オブジェクトポイントを割り当て、セクション層L
mに対応するオブジェクトデータセットOS
mに一致したマトリクスポイント値を入力する。添え字に関しては、0≦m≦M且つ1≦n≦Nである。ここで、Nは、各層のマトリクスポイントPの数であり、データセットのマトリクスポイント値の数である。一方では、シーンが実際に存在するか否かに関わらず、セクション層L
1...L
Mは任意に定義され、シーンの離散的なオブジェクトデータセットを判定する。他方では、同一のセクション層L
1...L
Mは、ビデオホログラムに対する再構成されたシーン3D−Sの空間位置を定義することを意図する。従って、
図V1及び
図V2は、ビデオホログラムについてローカルに定義されたようなシーンの所望の再構成3D−Sを示す。計算を実行できるように、更なる定義が必要である。各セクション層L
mは、閲覧者の眼E
L/E
Rが近くに存在する観察者ウィンドウOWを有する参照層RLまでの距離D
mのところに位置付けられる。ビデオホログラムは、参照層までの距離D
Hのところに位置付けられるホログラム層HLに配置される。
【0133】
図V2に示すように、ホログラムマトリクスの計算は、以下のステップを実行することにより継続される。
【0134】
・シーンが存在した場合、参照層RLの波動場集合体に寄与するものとして各セクション層L
mのオブジェクトポイントの複素振幅A
11...A
MNを生成する波動場を判定するために、参照層RLのセクション層L
1...L
MのオブジェクトデータセットOS
1...OS
Mを変換するステップ。
【0135】
・シーンが再構成される場合、観察者ウィンドウOWに現れる波動場集合体を定義する参照データセットRSを形成するために、構成要素
を含む変換されたオブジェクトデータセットDS
1...DS
Mを加算するステップ。
【0136】
・D
Hの距離に位置付けられるホログラム層HLにおいてホログラムデータセットHSを形成して、ビデオホログラムを符号化するためのマトリクスポイント値H
1...H
n...H
Nを得るために、参照層RLの参照データセットRSを逆変換するステップ。
【0137】
ビデオホログラムに対するN個の画素値は、ホログラムデータセットの典型的な複素値から得られる。ビデオホログラムにおいて、それら値は、シーン再構成中に光を変調するための波の位相及び振幅値を表す。
【0138】
観察者ウィンドウOWにおける閲覧者に対して3D−Sを再構成する方法を上述した。オブジェクトが実際に閲覧されているかのような実際の3次元法で3次元シーンを認識できるように、各眼に対する各観察者ウィンドウにおいて、種々のホログラムが必要とされる。
【0139】
第2の観察者ウィンドウに対するホログラムマトリクスは同様に計算されるが、変更されたマトリクスポイント値を使用して計算される。その変更は、シーン3D−Sについて閲覧者の両眼の位置が異なることによる結果である。同時に動作するFFTルーチンを含む搭載されたマルチチャネルデジタル信号プロセッサにおいて、2つのホログラムマトリクスは、互いに完全に独立して同時に計算される。必要な計算力を低減するために、内容の違いを殆ど示さない又は全く示さないオブジェクトデータセットの計算結果は合わせて使用されてもよい。これは、映像の背景を示すセクション層にも当てはまるだろう。両眼は、僅かにずれた角度から同一シーンを見る。
【0140】
本実施形態の特定の特徴によると、デジタル信号処理デバイスはオブジェクトデータセットマネージャを含む。変換のために2つの信号プロセッサチャネルのうち一方に2つの同一のオブジェクトデータセットのうち一方のみを交互に割り当てることにより余分な処理を回避するために、オブジェクトデータセットマネージャは対応するオブジェクトデータセットの内容を比較する。
【0141】
周知の解決策とは異なり、再構成は、観察者ウィンドウOWから光変調器マトリクスLMにわたる想像上の接続面A1及びA2により定義される錐台形状の空間の仮想観察者ウィンドウを介して閲覧される。3D−Sの再構成は、ビデオホログラム層HLの手前、背景又はその層の上に現れてもよく、あるいはその層と交差してもよい。
【0142】
観察者ウィンドウのサイズは、眼の横方向のサイズを範囲に含む場合に十分であり、特別な場合には、そのサイズは瞳孔のサイズまで減少されてもよい。ホログラム層まで1mの距離で配置される1×1cm
2の観察者ウィンドウを仮定すると、計算機ビデオホログラムに必要とされる画素数は、従来の符号化方法を有する光変調器マトリクスと比較して1/2,500...1/10,000に減少する。
【0143】
図V3は、計算に必要とされる変換を実行する選択された層の位置を示す。第1の仮想セクション層L
1及び別の1つの層L
mのみが示される。しかし、参照層RLのセクション層L
1...L
Mの波動場を計算するために、全ての波動場の寄与が常に必要とされる。計算力を節約するために、3次元動画シーンを処理する場合、変換された個々のデータセットDS
1...DS
Mはバッファリングされ、内容に変化があるまで、後続するいくつかのビデオホログラムについて再利用される。
【0144】
図V4は、参照層RLまでD
mの距離にあるセクション層L
mのオブジェクトデータセットOS
mの振幅値A
m1...A
mn...A
mNの変換方法を詳細に示す。この複雑な処理を理解し易くするために、1次元の変換のみが示される。式(1)は、フレネル変換の基礎的な部分を示す。
【0145】
(1)
式中、項
は、座標x
mを含む層から座標x
0を含む層へのフーリエ変換、すなわちD
mの距離に位置付けられるセクション層から参照層へのフーリエ変換の基礎的な部分を示す。
【0146】
上述のように、光学系の光の照準に依存して、2次位相因子の一方又は双方が1であってもよい。
【0147】
(2)
式(2)は、層L
mの対応する位相因子F1
mnと乗算されたマトリクスポイント値の振幅A
mnを定義する。
【0148】
最後に、式(3)は、(2)のフーリエ変換及び位相因子との乗算の結果を示す。ここで、位相因子は、参照層の観察者ウィンドウOWの座標x
0及び各セクション層の参照層までの距離に依存する。式(3)は、参照層の観察者ウィンドウのマトリクスポイントの複素振幅を定義する。
【0149】
(3)
上記解決策により、専用デジタル信号プロセッサ回路が、ちらつきのないリアルタイム再構成の形式である両眼に対する動画シーンのビデオホログラムのシーケンスの計算を実行できるように、計算処理を加速できる。
【0150】
観察者ウィンドウOWの再構成された波動場集合体のエラーを補償するために、本実施形態の好適な実施形態において、
図V5に示す反復処理が観察者ウィンドウOWにおける分布とホログラム層HLとの間の計算に適用される。
【0151】
(付録I:本実施形態の特徴)
以下の内容は、
図V1〜
図V5を参照する。
【0152】
1.ビデオホログラムデータセット(HS)が2次元オブジェクトデータセット(OS
1...OS
M)の一部又は全てから計算されるように、3次元シーンのオブジェクトを定義するオブジェクトデータが複数の仮想セクション層(L
1...L
M)に配置される計算機ビデオホログラムを計算する方法であり、各層が2次元オブジェクトデータセット(OS
m)を定義する方法であって:
(a)第1の変換(TR1)において、仮想セクション層の各2次元オブジェクトデータセット(OS
n)が2次元波動場分布に変換され、前記波動場分布が前記ビデオホログラム層(HL)から有限距離(D
M)にある参照層(RL)の仮想観察者ウィンドウ(OW)について計算されるステップと、
(b)セクション層(L
1...L
M)の全ての2次元オブジェクトデータセットについて、前記仮想観察者ウィンドウ(OW)に対する前記計算された2次元波動場分布(DS
1...DS
M)が加算され、観察者ウィンドウデータセット集合体(RS)を定義するステップと、
(c)第2の変換(TR2)において、前記観察者ウィンドウデータセット集合体(RS)が前記参照層から前記ビデオホログラム層(HL)に変換され、前記計算機ビデオホログラムについて前記ビデオホログラムデータセット(HS)を生成するステップとから成る方法。
【0153】
2.前記ビデオホログラムデータセット(HS)の前記データは、前記ビデオホログラムの均等に離間されたポイントに割り当てられ、前記ポイントは、マトリクスとして編成される特徴1記載の方法。
【0154】
3.前記セクション層(L
1...L
M)、前記ホログラム層(HL)、前記参照層(RL)及び前記仮想観察者ウィンドウ(OW)は平面である特徴1記載の方法。
【0155】
4.前記ビデオホログラム層(HL)、前記セクション層及び前記仮想観察者ウィンドウは互いに平行である特徴1から3のいずれか1項に記載の方法。
【0156】
5.再構成されたシーンが前記仮想観察者ウィンドウ(OW)を介して見られるように、観察者の少なくとも一方の眼は、前記仮想観察者ウィンドウに近接して位置付けられる特徴1から4のいずれか1項に記載の方法。
【0157】
6.2つ以上の仮想観察者ウィンドウ(OW)が存在する特徴1から5のいずれか1項に記載の方法。
【0158】
7.前記オブジェクトデータ(R
1,G
1,B
1,z
1...R
P,G
P,B
P,z
P)はオブジェクトデータセット(OS
1...OS
M)に割り当てられ、前記オブジェクトデータセットの全てが前記観察者ウィンドウデータセット集合体(RS)及び前記ホログラムデータセット(HS)として同一数(N個)の値のマトリクス構造を含み、全てのデータセット(OS
1...OS
M,RS,HS)に対する値の数及び構造は、前記ビデオホログラムを符号化するのに使用される画素数から得られる特徴1記載の方法。
【0159】
8.前記2次元オブジェクトデータセット(OS
1...OS
M)及び前記観察者ウィンドウデータセット集合体(RS)は、前記ビデオホログラムデータセット(HS)として同一のマトリクス構造を有する特徴2記載の方法。
【0160】
9.前記参照層の前記仮想観察者ウィンドウ(OW)は、前記参照層の周期間隔のサイズ以下となるように設定され、完全に1つの周期間隔内に位置付けられる特徴1から8のいずれか1項に記載の方法。
【0161】
10.前記参照層は、前記ホログラムのフーリエ平面と一致する特徴1から9のいずれか1項に記載の方法。
【0162】
11.各オブジェクトデータセット(OS
m)は、前記参照層(RL)までの距離(D
m)に依存する対応するセクション層(L
m)の領域に基づく特徴1記載の方法。
【0163】
12.各セクション層の領域は、前記仮想観察者ウィンドウ(OW)のエッジ及び前記ビデオホログラムのエッジを接続する想像上の面(A1、A2)との交差部分により定義される特徴11記載の方法。
【0164】
13.前記仮想参照層(RL)までの距離(D
1...D
m)を有する前記セクション層(L
m)は、再構成されたシーン(3D−S)全体又はその一部が前記ホログラム層(HL)の手前及び背後の少なくともいずれかに現れるように設定される特徴1記載の方法。
【0165】
14.前記第1の変換はフレネル変換であり、前記フレネル変換は:
元のセクション層(L
m)の各オブジェクトポイントの振幅値A
mnと球面波(F1
mn)を記述する第1の位相因子とを乗算するサブステップであり、前記因子の指数部が前記元のセクション層(L
m)の座標(x
m,y
m)の2乗及び前記元のセクション層(L
m)と参照層(RL)との間の距離(D
m)に依存するサブステップと、
前記元のセクション層(L
m)から前記参照層(RL)への第1の高速フーリエ変換(FFT)を使用して前記元のセクション層(L
m)の各オブジェクトポイント(A
m1...A
mN)に対する前記計算された積を変換するサブステップと、
前記計算された変換
と球面波(F2
mn)を記述する第2の位相因子とを乗算するサブステップであり、前記因子の指数部が前記参照層(RL)の座標(x,y)の2乗及び前記元のセクション層(L
m)までの距離(D
m)に依存するサブステップとを含む特徴1記載の方法。
【0166】
15.前記第2の変換はフレネル変換であり、前記フレネル変換は:
前記参照データセット(RS)の各複素振幅値
と球面波(F3
n)を記述する第3の位相因子とを乗算するサブステップであり、前記因子の指数部が前記参照層(RL)の座標(x
0,y
0)の2乗及び前記参照層(RL)と前記ホログラム層(HL)との間の距離(D
m)に依存するサブステップと、
前記参照層(RL)から前記ホログラム層(HL)への第2の高速フーリエ変換(FFT)を使用して前記複素振幅値
の前記計算された積を変換するサブステップと、
符号化に使用される前記ホログラムデータセット(HS)について所望のホログラム値(H
1...H
N)を得るために、前記計算された変換(H'
1...H'
N)と球面波(F4
n)を記述する第4の位相因子とを乗算するサブステップであり、前記因子の指数部が前記ホログラム層(HL)の座標(x,y)の2乗及び前記ホログラム層(HL)と前記参照層(RL)との間の距離(D
H)に依存するサブステップとを含む特徴1記載の方法。
【0167】
16.球面波(F1
mn、F2
mn)を記述する前記位相因子の一方又は双方が定数に設定されてもよい特徴14又は15記載の方法。
【0168】
17.前記第1の変換と前記第2の変換との少なくともいずれかはフーリエ変換である特徴1記載の方法。
【0169】
18.反復することにより前記計算機ビデオホログラムのポイント値を補正するために、
A)元の3次元シーンからの前記観察者ウィンドウデータセット(RS)が前記第1の変換に対する目標関数として定義されるサブステップと、
B)前記ホログラムデータセット(HS)のマトリクスポイント値(H
1...H
N)を取得するために、前記目標関数の前記元の複素振幅値
を前記ホログラム層(HL)に逆変換するサブステップと、
C)光変調器マトリクス(LM)について前記ホログラムデータセット(HS)のパラメータ(Paramn)を微分するサブステップと、
D)前記仮想観察者ウィンドウ(OW)における更新された複素振幅値
の分布を取得するために、パラメータ(Paramn)の前記微分を前記参照層(RL)に変換するサブステップと、
E)前記目標関数の元の値
と更新された複素振幅値
の前記分布との差分(Δ)を形成するサブステップと、
F)前記差分(Δ)を前記ホログラム層(HL)における差分ポイント値(ΔH
1...ΔH
N)の分布に逆変換するサブステップと、
G)前記ビデオホログラムデータセット(HS)から前記分布(ΔH)を減算し、前記ホログラムデータセットを更新するサブステップと、
H)ステップC)〜G)を繰り返すサブステップと、
I)近似精度が達成された場合に反復を終了するサブステップとを含む特徴1記載の方法。
【0170】
19.深さ情報は、全てのオブジェクトデータセットについて同一である特徴1から18のいずれか1項に記載の方法。
【0171】
20.ホログラムを生成するデバイスは、入力とユーザが選択したものとの少なくともいずれかに基づいて、3次元モードから2次元モードに切り替えられる特徴19記載の方法。
【0172】
21.ビデオホログラムに対するビデオホログラムデータセット(HS)がオブジェクトデータセットの一部又は全てから計算されるように、3次元シーンのオブジェクトを定義するオブジェクトデータを複数の仮想セクション層(L
1...L
M)に割り当てるデジタルスライサ手段を有する計算機ビデオホログラムを計算するデジタル信号処理デバイスであり、各セクション層が別個のオブジェクトデータセット(OS
n)を定義するデバイスであって:
(a)有限距離(D
M)にある参照層(RL)の仮想観察者ウィンドウについて別個の2次元波動場分布を各オブジェクトデータセット(OS
m)から計算する第1の変換手段(TR1)及び変換されたオブジェクトデータセットをバッファリングするバッファメモリ手段と、
(b)観察者ウィンドウデータセット集合体(RS)の波動場表現を生成するために、全てのセクション層の前記変換されたオブジェクトデータを加算する加算手段(AD)と、
(c)前記ビデオホログラム集合体について前記ホログラムデータセット(HS)を生成するために、前記観察者ウィンドウデータセット(RS)を前記参照層(RL)と平行で、有限距離に位置付けられるホログラム層(HL)に変換する第2の変換手段(TR2)とを具備するデバイス。
【0173】
22.変換を実行する少なくとも1つの独立して動作する変換手段(TR1、TR2)を具備し、前記デバイスは:
元のオブジェクトデータセット(OS
m)の値の振幅値
と球面波(F1
mn/F3
n)を記述する第1の位相因子とを乗算する第1の乗算手段(M1)であり、前記因子の指数部が前記元の各層(L
m又はRL)の座標(x
m,y
m)の2乗及び目標層(RL又はHL)までの距離(D
m)に依存する第1の乗算手段(M1)と、
−前記第1の乗算手段(M1)の積を元の層(L
m/RL)から前記目標層(RL/HL)に変換する高速フーリエ変換手段(FFT)と、
−前記変換と球面波(F2
mn/F4
n)を記述する別の位相因子とを乗算する第2の乗算手段(M2)であり、前記因子の指数部が前記目標層の座標の2乗及び目標層と元の層との間の距離に依存する第2の乗算手段(M2)とを含む特徴21記載のデバイス。
【0174】
23.前記高速フーリエ変換を実行するために、全てのデータセットは複数(N個)の離散的なマトリクスポイント値を有し、前記数字(N)は2のn乗である特徴22記載のデバイス。
【0175】
24.頻繁に繰り返して発生する計算ルーチンを独立して同時に実行するマルチチャネルデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む特徴21記載のデバイス。
【0176】
25.同時に実行される変換ルーチン(TR1、TR2)を含む独立して動作する複数のサブプロセッサと、少なくともある特定の数の変換を同時に実行できるように、前記3次元オブジェクトの内容に依存して計算に必要な前記変換を前記利用可能な変換ルーチンに動的に割り当てるリソースマネージャとを含む特徴21記載のデバイス。
【0177】
26.双方の眼のために前記ホログラムデータセット(HS
L、HS
R)を同時に計算するマルチチャネルプロセッサである特徴21記載のデバイス。
【0178】
27.前記2つの信号プロセッサチャネルのうち一方において変換等を1回のみ実行し、他方のチャネルにおいて前記変換を共用するために、ホログラム計算における対応するオブジェクトデータセット(OS
m)の内容を異なる元のオブジェクトデータと比較するオブジェクトデータセット制御手段を含む特徴21記載のデバイス。
【0179】
28.球面波(F1
mn/F3
n、F2
mn/F4
n)を記述する前記位相因子のうち1つ又は全てが定数に設定されてもよい特徴21記載のデバイス。
【0180】
29.入力とユーザが選択したものとの少なくともいずれかに基づいて、3次元モードから2次元モードに切り替えられる特徴21記載のデバイス。
【0181】
<<付録II>>
付録IIにおいて、ビデオホログラム及びビデオホログラムを再構成するデバイスに関する一実施形態の更なる面を添付の図面と関連して示し、説明する。
【0182】
理論上の背景:好適な実施形態に対する詳細及び拡張機能
この節では、上述の実施形態に対する更なる理論上の背景を与える。
【0183】
1.回折次数及び観察者ウィンドウ
回折パターンの周期的な繰り返しの説明
a)SLM上のホログラムの画素化により、回折パターンはビュー平面において周期的に繰り返される。観察者ウィンドウは、1つの周期間隔内に存在する必要がある。すなわち、観察者ウィンドウは周期間隔より小さい必要がある。SLMの画素ピッチ及びSLM上の複素値ホログラムの符号化方法は、周期間隔のサイズ及びそのうち観察者ウィンドウとして使用される量を判定する。
【0184】
b)殆どの場合、標準的なLCDパネルは振幅を変調し、ホログラムを表示する振幅変調SLMとして使用される。振幅変調SLMの複素値ホログラムデータを符号化する1つの方法は、迂回位相効果に基づくBurckhardtの符号化である。1つの複素値を符号化するために、3つの隣接する画素のセットが必要とされる。
【0185】
Burckhardtの符号化において、回折次数(−1次回折、0次回折、1次回折、2次回折、3次回折等)は3つの種類に分類される。
【0186】
・オブジェクト再構成を含まない非回折光を含む0次回折、3次回折等
・オブジェクトの再構成を含む1次回折、4次回折等
・深さを逆にしたオブジェクトの再構成を含む−1次回折、2次回折等
再構成オブジェクトは、1次回折、4次回折等で見られる。LCD画素の有限開口部により、回折パターンの強度は高次回折に向けて減衰する。従って、観察者ウィンドウを1次回折に位置付けることが有利である。
【0187】
単一の回折次数が周期的に繰り返されず、1次回折、0次回折及び−1次回折のセットが共に繰り返される。従って、周期間隔は1次回折、0次回折及び−1次回折を含む。そのサイズは以下の式により与えられる。
【0188】
P
diffr=λ*d/p
dはホログラムとビュー平面との間の距離であり、pは画素ピッチであり、λは波長である。
【0189】
オブジェクトが−1次回折又は0次回折ではなく1次回折で再構成されるため、観察者ウィンドウは、周期間隔全体を範囲に含むことができず、1次回折のみを範囲に含む。1次回折のサイズは周期間隔P
diffrの1/3である。
【0190】
c)複素変調SLMによると、単一画素は1つの複素数を符号化するために使用される。従って、ビュー平面の各周期間隔は1つの回折次数のみを含む。周期間隔全体は、観察者ウィンドウとして使用される。
【0191】
位相変調SLMがフーリエホログラムにおいて使用される場合、周期間隔は、深さを逆にしたオブジェクトの再構成を含まない。しかし、非回折光が存在する。従って、周期間隔全体が観察者ウィンドウとして使用されるわけではないが、その殆どが使用される。非回折光は、観察者ウィンドウから除外される必要がある。
【0192】
d)一般に、観察者ウィンドウは1つの周期間隔内に存在する必要があると言えるだろう。各周期間隔は、再構成オブジェクトに加え非回折光及び場合によっては深さを逆にしたオブジェクトを含む。観察者ウィンドウについて使用される周期間隔の一部は、SLM及び符号化方式に依存する。回折次数内の観察者ウィンドウの位置及びサイズは、適切に判定される必要がある。再構成オブジェクトのみが観察者ウィンドウにおいて見られ、深さを逆にしたオブジェクト又は非回折光は見られないことを考慮すべきである。
【0193】
e)観察者ウィンドウのサイズの一般的な量的説明:
専門用語において、周期間隔は、再構成オブジェクトが見られる回折次数に加え、非回折光及び深さを逆にしたオブジェクトを含む回折次数を含む(符号化技術に応じて)。周期間隔の範囲は、主に画素ピッチにより判定される。すなわち、所定のSLMについて固定される。これは、符号化技術を最適化することにより、観察者ウィンドウが拡大されることを意味する。
【0194】
1つの複素数を符号化するために、N画素が必要とされる場合、観察者ウィンドウの最大サイズは周期間隔の1/Nである。例えば:
・(殆どの)振幅変調SLMに対するBurckhardtの符号化:
複素数毎に3画素=>観察者ウィンドウの最大サイズ=周期間隔の1/3
・(殆どの)位相変調SLMに対する2重位相符号化:
複素数毎に2画素=>観察者ウィンドウの最大サイズ=周期間隔の1/2
・(殆どの)位相変調SLMに対するキノフォーム符号化:
複素数毎に1画素=>観察者ウィンドウの最大サイズ=周期間隔
2.観察者ウィンドウのサイズ
a)従来の電子ホログラフィックディスプレイにおいて、ホログラムはオブジェクトのフーリエフレネル変換として計算される。これにより、低解像度のSLMが使用される場合、オブジェクトサイズは小さくなる。それに対して、電子ホログラフィックディスプレイにおいては、ホログラムは観察者ウィンドウのフーリエ変換として計算される。
【0195】
これにより、低解像度のSLMが使用される場合、観察者ウィンドウは小さくなる。観察者ウィンドウはウィンドウとしての役割のみを果たし、観察者はそのウィンドウを介して再構成3Dシーンを閲覧できる。観察者ウィンドウが瞳孔より大きく、瞳孔が適切に追跡される場合、小さな観察者ウィンドウでも問題はない。
【0196】
b)SLMにより定義される錐台及び観察者ウィンドウにおける複数のオブジェクトの再構成の発生は、以下の場合に回避される:
・符号化領域が適切に制限される。これは、幾何学的な構成(
図2及び付録III、概念Cを参照)を使用して行なわれる。オブジェクトは、オブジェクトポイントにおいてサンプリングされる。各オブジェクトポイントのホログラム情報は、サイズ及び位置が
図3に示される小さな符号化領域においてのみ符号化される。符号化領域又は全てのオブジェクトポイントの基本/投影ホログラムは、ホログラム上に重ね合わされる。
【0197】
・投影ホログラムの重ね合わせに相当することは、オブジェクトをオブジェクト平面にスライスすることである。オブジェクトは、錐台により制限される。各オブジェクト平面は、フレネル変換で観察者ウィンドウに伝播され、そこで全てのフレネル変換が加算される。合計したフレネル変換は、ホログラム平面にフーリエ変換される。この方法は、複数の再構成が観察者ウィンドウから見られないことを本質的に示す。
【0198】
c)この方法に基づいて、試作ディスプレイが構築された。69μmの画素解像度の市販の20”単色LCDパネルを使用すると、2mの距離にあるサイズが6mmの観察者ウィンドウが可能である。その結果、20”画面の電子ホログラフィックディスプレイが得られる。
【0199】
3.いくつかの観察者ウィンドウの多重化
瞳孔より僅かに大きいサイズに観察者ウィンドウを縮小することにより、解像度(及びSLMの画素数)は非常に減少される。これは、1人の観察者に対して、少なくとも2つの観察者ウィンドウが必要であることを示す。各観察者ウィンドウにおいて、オブジェクトの再構成の適切な透視図が見られる。観察者ウィンドウの時間多重化又は空間多重化が使用される。
【0200】
a)時間多重化は、観察者ウィンドウが逐次的に生成されることを意味する。これは、光源及びホログラムパネル(SLM)の同期切替えにより行なわれる。閲覧者の眼は、順次照明される。ちらつきを回避するために、切替え速度は、十分に速い速度、すなわち好ましくは少なくとも25Hzである必要がある。これは、大きな単色パネルとして現在殆ど入手できない高速LCDパネルを必要とする。
【0201】
b)空間多重化は、全ての観察者ウィンドウが同時に表示されることを意味する。観察者ウィンドウは、オーバラップ又はクロストークが発生しないように、ビュー平面において空間的に分離されることを考慮する必要がある。これは、例えばバリアマスク等のビームスプリッタ及びSLM上の2つ以上のホログラムをインターレースすることにより行なわれる。プリズムマスク又はレンティキュラマスク等、画像分離/ビームスプリッティングに対する他の光学素子又は裸眼立体ディスプレイにより周知の技術が使用される。
【0202】
4.水平視差及び/又は垂直視差
全方向視差ホログラムは、水平方向及び垂直方向の波のコヒーレントな重なり合いによりホログラフィックにオブジェクトを再構成する。十分に大きな観察者ウィンドウ又は観察者領域を仮定すると、再構成オブジェクトは、実際のオブジェクトのように水平方向及び垂直方向の運動視差を容易にする。しかし、大きな観察者領域は、SLMの水平方向及び垂直方向の解像度が高いことを必要とする。
【0203】
SLMに対する要求は、水平視差のみの(HPO)ホログラムに制限することにより低減されることが多い。ホログラフィック再構成は水平方向にのみ行なわれ、垂直方向のホログラフィック再構成は存在しない。その結果、水平運動視差のみを有する再構成オブジェクトが得られる。透視図は、垂直運動に対して変化しない。HPOホログラムは、全方向視差ホログラムと比較して垂直方向のSLMの解像度が低いことを要求する。再構成方向、すなわち水平方向にのみ周期性が存在する。計算負荷は、1次元ラインホログラムについて減少される。
【0204】
垂直視差のみの(VPO)ホログラムも可能であるが、一般的ではない。ホログラフィック再構成は、垂直方向にのみ行なわれる。その結果、垂直運動視差を有する再構成オブジェクトが得られる。眼の調節(眼レンズの曲率をオブジェクトの距離に適応させる)は、HPOホログラムで達成されるのと同様に、VPOホログラムにより達成される。水平方向の運動視差は存在しない。左眼及び右眼に対する異なる透視図は、別個に作成される必要がある。これは、上述のように、観察者ウィンドウの時間多重化又は空間多重化により行なわれる。
【0205】
5.カラーホログラム
カラーホログラムは、時間多重化又は空間多重化により生成される。時間多重化の場合、R光源、G光源及びB光源は、SLMの対応するホログラムの内容と同期して切り替えられる。空間多重化の場合、Rホログラム、Gホログラム及びBホログラムの3つは、空間的にコヒーレントな白色光源、あるいは別個のR光源、G光源及びB光源により照明されるインターレースされたR画素、G画素及びB画素に表示される。
【0206】
6.連続したSLM
ホログラムを含む媒体である画素化SLM(例えば、LCDパネル)は、再構成オブジェクト及び観察者ウィンドウの周期的な繰り返しを招く。本明細書に説明される方法を使用することにより、オブジェクトの複数の再構成が観察者により見られることを回避する。従って、本発明の方法は画素化SLMに適用されるのが好ましい。
【0207】
しかし、本発明の方法は、光学式空間光変調器(OASLM)等の連続したSLMにも適用される。OASLM自体が連続的であるため、観察者に対して複数の再構成を排除する実施形態の面を要求しない。しかし、OASLMは、通常、画素構造を有する電気的SLMにより光学的に処理される。その結果、OASLM上の残りの画素構造を得るため、観察者ウィンドウにおけるオブジェクトの周期的な繰り返しが発生する可能性がある。従って、本発明の方法をOASLM又は他の連続したSLMに適用することは有用であるだろう。
【0208】
7.HPOホログラム及び空間多重化の組合せ
水平に位置合わせされた観察者ウィンドウの空間多重化は、VPO−垂直視差のみの−ホログラムと組み合わされて使用されるのが好ましい。水平に位置合わせされた観察者ウィンドウは、SLMから生じるビームを水平に分割するビームスプリッティング素子を必要とする。VPOホログラムは、水平方向に空間的にインコヒーレントである水平な線光源により照明される。従って、観察者ウィンドウは、従来の裸眼立体ディスプレイと同様に処理されるビームスプリッティングに対する光学素子によってのみ水平方向に制限される。周期間隔及び回折次数による観察者ウィンドウの制限は垂直方向にのみ当てはまり、水平な線光源は空間的にコヒーレントである。水平方向において、回折とビームスプリッティングとの間の相互干渉は存在しない。
【0209】
実際には、HPOホログラムと水平に位置合わせされた観察者ウィンドウの空間多重化とを組み合わせることが可能である。しかし、ビームスプリッティング及び回折は水平方向に動作するため注意する必要がある。
【0210】
8.光源のコヒーレンス
時間的コヒーレンスと空間的コヒーレンスとを区別する必要がある。
【0211】
a)空間的コヒーレンスは、光源の横方向の範囲に関する。レーザ光源からの光は、点光源(回折限界内であり、モード純度に依存する)から生じると考えられ、オブジェクトの鮮明な再構成を導く。すなわち、各オブジェクトポイントはポイント(回折限界内の)として再構成される。LED又はCCFL等の空間的にインコヒーレントな光源からの光は、横方向に拡大され、再構成オブジェクトのにじみの原因になる。にじみの量は、所定の位置において再構成されたオブジェクトポイントの拡大されたサイズにより与えられる。ホログラム再構成について空間的にインコヒーレントな光源を使用するために、開口部の幅を調整することにより、再構成品質と輝度との間の妥協点を見つける必要がある。開口部が小さいと、向上された空間的コヒーレンスが得られるため、ぼけ又はにじみの度合いを低下させる。しかし、開口部が小さいと、輝度も小さくなる。用語「部分的な空間的コヒーレンス」は、光源を説明するために使用される。
【0212】
b)時間的コヒーレンスは、光源のスペクトル線幅に関連する。SLMにおける回折角は波長に比例し、これは、単色光源のみがオブジェクトポイントの鮮明な再構成をもたらすことを意味する。広いスペクトルにより、オブジェクトポイントは広くなり、オブジェクト再構成はにじむ。レーザ光源のスペクトルは、単色であると考えられる。LEDのスペクトル線幅は十分に狭く(FWHMが約20nm)、適切な再構成を容易にする。
【0213】
9.点光源及び視差
全方向視差を有するホログラムの場合、1つの単一回転対称レンズ又は回転対称レンズのアレイと組み合わせて1つ以上の点光源が使用される必要がある。HPO又はVPOを有するホログラムの場合、1つ以上の線光源が、単一の円柱レンズ又は円柱レンズ(レンティキュラ)のアレイと組み合わせて使用される。線光源及びレンズは、平行に位置合わせされる必要がある。
【0214】
線光源は、より高い輝度であるという利点を有し、レンティキュラは、回転対称レンズのアレイより製造するのが容易である。
【0215】
しかし、HPO又はVPOについて他の組合せが可能である。
・点光源及び回転対称レンズ/レンズアレイ。
・点光源及び円柱レンズ/レンティキュラ。
・線光源及び回転対称レンズ/レンズアレイ。
【0216】
10.光源及びレンズの組合せ
光源は、空間的にコヒーレントな光源(例えば、レーザ)又は部分的な空間的コヒーレンスを十分に有する光源(例えば、十分に小さな開口部を含むLED)であってもよい。
【0217】
異なる種類の光源の構成は以下の通りである:
−1つの点光源
−点光源の1Dアレイ
−点光源の2Dアレイ
−1つの線光源
−線光源のアレイ
線光源及びアレイの好ましい方位を以下に説明する。
【0218】
異なる種類のレンズの構成は以下の通りである:
−1つの大きな回転対称レンズ
−回転対称レンズの1Dアレイ
−回転対称レンズの2Dアレイ
−1つの大きな円柱レンズ
−円柱レンズ(レンティキュラ)のアレイ
円柱レンズ及びレンズアレイの好ましい方位を以下に説明する。簡単にするため、用語「回転対称レンズ」及び「円柱レンズ」はレンズの球断面及び非球面断面と呼ばれる。非球面断面は、球面収差を低減するために使用されてもよい。光源及びレンズの好ましい組合せが存在する。
【0219】
a)1つの点光源及び1つの回転対称レンズ
この組合せは、小さなディスプレイにおいて最も簡単なものである。これは、全方向視差ホログラムに対して使用されるのが好ましい。より大きいディスプレイの場合、すなわち対角線が数インチより大きい場合、要求される高輝度の点光源及び大型レンズにより、この組合せは不適切になる。
【0220】
b)点光源の2Dアレイ及び回転対称レンズの2Dアレイ
この組合せは、大きな全方向視差ホログラムにおいて好適である。各点光源は、1つのレンズに対応する。各光源は、全輝度のうち要求された量を多くの光源に分割することを容易にするレンズアレイの単一レンズのみを照明する必要がある。これは、各光源の強度に対する要求を減少する。また、レンズアレイは、同一の焦点距離を有する大きな単一レンズと比較して、製造するのが非常に容易であり、大きくない。
【0221】
c)垂直に位置合わせされた線光源のアレイ及び垂直に位置合わせされた円柱レンズ(垂直に位置合わせされたレンティキュラ)のアレイ。この組合せは、HPOホログラムにおいて使用される。垂直に位置合わせされた円柱レンズは、水平方向に光を集束し、HPOホログラムを結果として得る。運動視差は、垂直方向に存在しない。各線光源は、1つのレンティキュラに対応する。点光源の2Dアレイ及びレンズの2Dアレイと比較すると、レンティキュラは、レンズの2Dアレイより製造するのが容易であるという利点がある。線光源における輝度に対する要求は、点光源に対するものより低い。光束は、線上に分布され、小さな1つのスポットに集中されない。
【0222】
d)水平に位置合わせされた線光源のアレイ及び水平に位置合わせされた円柱レンズ(水平に位置合わせされたレンティキュラ)のアレイ
この組合せは、VPOホログラムにおいて使用される。水平に位置合わせされた円柱レンズは、垂直方向に光を集束し、VPOホログラムを結果として得る。追加の手段がない場合、水平方向の運動視差は存在しない。各線光源は、1つのレンティクルに対応する。光源及びレンティキュラの組合せは、従来の裸眼立体画像分離に対する光学素子と更に組み合わされてもよい。垂直方向の波のコヒーレントな重ね合わせを含むVPOホログラムは、水平方向の裸眼立体画像分離により影響を受けず、また水平方向の波のコヒーレントな重ね合わせを含むHPOホログラムは、垂直方向の裸眼立体画像分離により影響を受けない。その結果、ホログラフィック及び裸眼立体ディスプレイの組合せを得る。垂直方向のホログラフィック再構成は、眼の調節を満足する。空間多重化と共に裸眼立体画像分離は、左眼及び右眼に対する異なる透視図を生成する。
【0223】
11.光源の種類
光源を生成する異なる実現例が存在する。例えば、以下の通りである。
【0224】
a)単一点光源は、レーザダイオード又は別の種類のレーザであってもよい。十分な空間的コヒーレンスを保証するために、ダイオードの開口部が十分に小さい場合、LEDは使用される。追加の開口部が追加される必要があってもよい。
【0225】
b)点光源のアレイは、例えば以下により生成される:
・レーザ、LED等の単一点光源のアレイ。
・光ファイバ束に結合される単一のレーザ又はLED。ファイバ束の出力は適切に配置され、所望の光源アレイを形成する。
・いくつかのレーザ、LED、CCFL等から構成される大きな領域の照明。それら光源から生じる光は、開口部のアレイにより形成される。この開口部のアレイは、静的又は構成可能であってもよい。例えばそのアレイは、所望の点光源の場所においてのみ透過的であるLCDパネル(シャッターパネル)であってもよい。LCDパネルの構成可能な開口部は、観察者の追跡のために光源をシフトするのに使用されるのが好ましい。
【0226】
c)線光源のアレイは、例えば以下により生成される。
【0227】
・レーザ、LED等の複数の列に位置合わせされる点光源のアレイ
・1Dディフューザシート、レンティキュラ等により一方向に拡大される点光源のアレイ
・いくつかのレーザ、LED、CCFL等から構成される大きな領域の照明。それら光源から生じる光は、縞のような開口部のアレイにより形成される。この開口部のアレイは、静的又は構成可能であってもよい。例えばそのアレイは、所望の線光源の場所においてのみ透過的であるLCDパネル(シャッターパネル)であってもよい。LCDパネルの構成可能な開口部は、観察者の追跡のために光源をシフトするのに使用されるのが好ましい。
【0228】
d)点光源又は線光源の構成可能なアレイを生成するために広い領域の照明及びLCD上の開口部の代わりに、OLEDパネルが使用されてもよい。OLEDパネルは、100μmの桁のピッチを有する小さな有機発光ダイオードのアレイである。点光源又は線光源の所望のアレイは、適切なOLED画素がオンにされた場合に生成される。
【0229】
e)単一点光源、点光源のアレイ及び線光源のアレイを生成するために、CCFL、金属蒸気ランプ(例えば、水銀灯)等の他の光源が使用されてもよい。十分な空間的コヒーレンスを保証するために、適切な開口部が適用される必要がある。
【0230】
f)特徴を示す単一ホログラム又はレンズのアレイにより再現される単一光源。出力は、点のアレイ又は線/列、あるいは任意に形成された波面を含む拡大光線のアレイ/線/列であってもよい。例えば、線のアレイは、ホログラムに対する照明の役割を直接果たすために形成される。
【0231】
12.相互にインコヒーレントな光源及びサブホログラム
通常、光源のアレイの光源は、相互にインコヒーレントである。これは、それら光源の間に固定した位相関係が存在しないことを意味する。異なる光源から生じる波のコヒーレントな重なり合いは存在しない。
【0232】
これは、光源のアレイによりレンズのアレイを介して照明されるホログラムに関して、ホログラム全体を含む媒体/SLMにわたりコヒーレントな再構成が存在しないことを意味する。ホログラムは、個々の光源及びレンズに属するいくつかのサブホログラムに分割される。各サブホログラムは、コヒーレントに照明され、そのサブホログラム上で符号化されるサブオブジェクトを再構成する。サブホログラム間に相互のコヒーレンスが存在しないため、サブオブジェクトは、コヒーレントに重なり合わないが、インコヒーレントに重なり合う。その結果、振幅ではなく強度を追加し、再構成オブジェクトの強度は小さくなる。しかし、いくつかのサブオブジェクトから構成される再構成オブジェクトは存在する。
【0233】
相互にインコヒーレントな光源の影響は、従来のホログラムに対するものより小さい。オブジェクトポイントに対するホログラム情報は、ホログラム全体で符号化されず、小さな符号化領域においてのみ符号化される。符号化領域の一般的なサイズは、数ミリメートルである。これは、光源の一般的なピッチ及び従ってレンズアレイの一般的なピッチと略同一のサイズである。従って、符号化領域は、多くの相互にインコヒーレントな光源ではなく、少数の相互にインコヒーレントな光源により照明される。
【0234】
多くの小さな符号化領域のホログラムを構成し、多くの相互にインコヒーレントな光源の照明を分割することにより、LEDのような低コヒーレンス光源の使用を容易にする。コヒーレンスは、ホログラム全体にわたってではなく、数ミリメートルの範囲を有する領域にわたってのみ必要とされる。20”ホログラムのコヒーレントな照明は、レーザのような高コヒーレンス光源を必要とする。
【0235】
13.観察者平面における光源の集束
フーリエホログラムは、光源が観察者平面に撮像されることを必要とする。撮像は、レンズ又はレンズアレイを使用して行なわれる。フレネルホログラムと比較して、フーリエホログラムは、非回折光が観察者平面の小さなスポットに集束されるという利点を有する。それらスポットが観察者ウィンドウの外側にある場合、非回折光は、妨害する背景として不可視である。
【0236】
コヒーレント光源の場合、撮像された光源のサイズは、レンズにおける回折及び収差により制限され、通常は非常に小さい(人間の眼の解像度と比較して)。空間的にインコヒーレントな光源(例えば、LED)の場合、撮像された光源のサイズは、光源の開口部及びレンズの倍率により判定される。
【0237】
光源のアレイ及びレンズのアレイが使用される場合、全ての光源の画像は重なる必要がある。これは、単純な幾何学的な構成に従って、光源アレイのピッチがレンズアレイのピッチより僅かに大きい必要があることを意味する。光源及びレンズが適切に位置合わせされる場合、回折パターンは、観察者平面において可視であり、単一光源及び単一レンズが使用されているかのような回折パターンに見える。
【0238】
光の分布を均質化するため又は観察者平面における強度を増加するために、光の分布を形成する追加の光学素子が存在してもよい。それらは、ディフューザーシート又はレンズであってもよい。
【0239】
14.追跡
純粋なホログラフィックセットアップにおいて、観察者の追跡は、光源をレンズ(アレイ)に対してシフトすることにより達成される。これは、光源又はレンズ(アレイ)を機械的にシフトすることにより行なわれてもよく、あるいはシャッターLCDパネル上の開口部を電子的にシフトすることにより行なわれてもよい。追跡は、構成可能な回折光学素子又は走査ミラーにより行なわれてもよい。
【0240】
垂直方向のホログラフィックオブジェクト再構成及び水平方向の裸眼立体画像分離が組み合わされる場合、水平方向の追跡は、SLM上のVPOホログラムの水平方向のシフトにより行なわれる。
【0241】
15.SLMの種類
SLMは、セルに基づく/画素化SLM又は連続したSLMであってもよい。
【0242】
セルに基づくSLM
・液晶(透過型又は反射型)
・振幅変調
・位相変調
・組み合わされた振幅及び位相変調
MOEMS(マイクロ光学電気機械マイクロシステム)
・ピストン
・他の種類のセルに基づくSLM
連続したSLM
・光学式SLM(OASLM)
・音響光学変調器(AOM)
・他の種類の連続したSLM
16.特有の実施形態の説明
特有の一実施形態において、20”画面の単色LCDパネルは、ホログラムを含む媒体として使用される。画素ピッチは、垂直方向に69μmであり、水平方向に207μmである。LCDは、光の振幅を変調する。
【0243】
ホログラムは、水平な線光源のアレイ及び水平に位置合わせされたレンティクルを含むレンティキュラにより照明される。水平な線光源のアレイは、高出力赤色LEDのアレイにより照明されるLCDシャッターパネル上の透明なスリットにより生成される。
【0244】
水平な線光源は、垂直に空間的にコヒーレントである。水平に位置合わせされたレンティクルと共に、水平な線光源は、VPOを含むフーリエホログラムの再構成を容易にする。ホログラムを含むLCDは振幅変調するため、Burckhardtの符号化が使用される。これは、1つの複素数を符号化するために3画素が必要とされることを意味する。従って、対応するピッチは、3*69mm=207mmであり、2mの距離において6mmの観察者ウィンドウのサイズとなる。観察者ウィンドウ、非回折光及び深さを逆にした画像(1次、0次及び−1次)のセットの周期間隔は、69μmの画素ピッチにより判定され、2mの距離において18mmである。観察者ウィンドウは、瞳孔より僅かに大きいため、瞳孔の慎重な追跡を必要とする。これは、眼の位置を検出するアイファインダにより達成される。それらデータは、垂直の位置及びLCDシャッターパネル上の線光源のピッチを制御するために使用される。
【0245】
上述した技術を使用して、各眼はホログラムを見るが、ホログラムがVPOであるため同一の透視図を使用してホログラムを見る。従って、裸眼立体画像分離が追加される。垂直に位置合わせされたレンティキュラは、ホログラムを含むLCDと観察者との間に配置される。2つのホログラム(一方は左眼の透視図に対するものであり、他方は右眼の透視図に対するものである)は、偶数列の左眼の透視図及び奇数列の右眼の透視図等のホログラムを含むLCD上でインタレースされる。左眼は、左眼の透視図を含む再構成のみを見て、右眼は右眼の透視図を含む再構成のみを見る。観察者は、ホログラムを含むLCD上のホログラムの内容を水平にシフトすることにより水平に追跡される。
【0246】
3Dを閲覧するのに必要な全ての情報が提供される。VPOホログラムにより、眼の調節を行ない、裸眼立体画像分離は視差情報を提供する。空間多重化の代わりに時間多重化も可能である。しかし、これは十分に高速なディスプレイを必要とし、そのようなディスプレイは所望のサイズ及び解像度でまだ入手可能ではない。
【0247】
<<付録III>>
以下の付録IIIは、内容が参考として取り入れられている特許文献5の主な概念及び拡張機能を要約する。
【0248】
解釈の要点:
コンピュータ又は演算装置という用語は、計算が可能な任意の装置又は構成要素を意味する。これは、ASIC、主CPU、DSP等を範囲に含む。
【0249】
光源は、任意の照明源を意味するため、別個の光源のアレイを含む。
【0250】
(概要A.像平面における観察者ウィンドウ)
オブジェクトのホログラム再構成が閲覧されることを可能にするビデオホログラフィに対する表示装置であり、ホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む装置であって;
装置は、観察者の眼がほぼ光源の像平面に配置される場合に再構成が見られるように動作可能である装置。
【0251】
追加の特徴:
・再構成は、ホログラムのフレネル変換である。
・装置は、観察者の眼が配置される必要があるビュー平面において、ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成されるように動作可能である。
・ホログラフィック再構成は、像平面上に形成される仮想観察者ウィンドウ及びホログラムにより定義されるボリューム内の任意の場所で発生でき、観察者は、その像平面を介して再構成を閲覧できる。
・別個の観察者ウィンドウが存在し、各眼のために1つの観察者ウィンドウが存在する。
・観察者ウィンドウは、約1cm×1cmである。
・観察者の眼の場所は追跡され、装置は、観察者が頭を動かした時でも各観察者ウィンドウを介してビューを維持できるように、仮想観察者ウィンドウの位置を変更できる。
・ホログラムを含む媒体は、TFTフラットスクリーンである。
・装置は、テレビである。
・装置は、マルチメディアデバイスである。
・装置は、ゲームデバイスである。
・装置は、医療用画像表示装置である。
・装置は、軍用情報表示装置である。
【0252】
概要Aは、他の状況において応用を見つける。
【0253】
A.表示装置及びコンピュータを使用してオブジェクトのホログラフィック再構成を生成する方法であり、装置がホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む方法であって:
(a)ホログラムを含む媒体上にホログラムを生成するためにコンピュータを使用するステップと;
(b)観察者が再構成を閲覧することを可能にするために、観察者の眼の平面とほぼ一致するように光源の像平面を構成するステップとから成る方法。
【0254】
B.ビデオホログラムを定義するデータでプログラムされたデータキャリアであり、キャリア上のデータは、上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータであるデータキャリア。
【0255】
C.ビデオホログラムを定義するデータを配信する方法であり、データは、ネットワークを介して配信され、表示装置において受信され、データは、上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータである方法。
【0256】
D.上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるために、ビデオホログラムを定義するデータを表示装置に供給できる演算装置。
【0257】
E.上述のように表示装置において使用される場合の表示画面。
【0258】
F.上記装置により生成されるホログラフィック再構成。
【0259】
(概要B.大きなオブジェクト再構成)
オブジェクトのホログラフィック再構成が生成されることを可能にするビデオホログラフィに対する表示装置であり、ホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む装置であって;
再構成オブジェクトのサイズはホログラムを含む媒体と関連付けられる周期間隔ではなくディスプレイのサイズにより判定され、周期間隔は観察者ウィンドウのサイズを判定し、再構成画像はその観察者ウィンドウを介して見られる装置。
【0260】
追加の特徴:
・観察者ウィンドウは、光源の像平面に配置される。
・装置は、観察者の眼が配置される必要がある観察者平面において、ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成されるように動作可能である。
・ホログラフィック再構成は、観察者ウィンドウ及びホログラムにより定義されるボリューム内の任意の場所で発生できる。
・各眼のために1つの観察者ウィンドウが存在する。
・観察者ウィンドウは、約1cm×1cmである。
・観察者の眼の場所は追跡され、装置は、観察者が頭を動かした時でも各観察者ウィンドウを介してビューを維持できるように、仮想観察者ウィンドウの位置を変更できる。
・ホログラムを含む媒体は、TFTフラットスクリーンである。
・装置は、テレビである。
・装置は、マルチメディアデバイスである。
・装置は、ゲームデバイスである。
・装置は、医療用画像表示装置である。
・装置は、軍用情報表示装置である。
【0261】
概要Bは、他の状況において応用を見つける。
【0262】
A.表示装置及びコンピュータを使用してオブジェクトのホログラフィック再構成を生成する方法であり、装置がホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む方法であって:
a)ホログラムを含む媒体上にホログラムを生成するためにコンピュータを使用するステップと;
b)再構成オブジェクトのサイズがホログラムを含む媒体と関連付けられる周期間隔ではなくディスプレイのサイズにより判定されるように光学系及びホログラムを構成するステップであり、周期間隔が観察者ウィンドウのサイズを判定し、再構成オブジェクトがその観察者ウィンドウを介して見られるステップとから成る方法。
【0263】
B.ビデオホログラムを定義するデータでプログラムされたデータキャリアであり、キャリア上のデータは、上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータであるデータキャリア。
【0264】
C.ビデオホログラムを定義するデータを配信する方法であり、データは、ネットワークを介して配信され、表示装置において受信され、データは、上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータである方法。
【0265】
D.上記Aの方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるために、ビデオホログラムを定義するデータを表示装置に供給できる演算装置。
【0266】
E.上述のように表示装置において使用される場合の表示画面。
【0267】
F.上記装置により生成されるホログラフィック再構成。
【0268】
(概要C.観察者ウィンドウからのホログラムの計算)
1.ビデオホログラムを符号化する方法であって:
(a)再構成されるオブジェクト上のポイントを選択するステップと;
(b)観察者ウィンドウを定義するステップであり、再構成オブジェクトがその観察者ウィンドウを介して見られるステップと;
(c)観察者ウィンドウのエッジからポイントを通り、ホログラムを含む媒体の一部分のみを形成する領域について面を追跡するステップと;
(d)領域においてポイントを単独で再構成するために必要とされるホログラフィック情報をホログラムを含む媒体上に符号化するステップとから成る方法。
【0269】
追加の特徴:
・再構成オブジェクトは、複数のポイントを含む。
・符号化は、再構成の際、観察者の眼が配置される必要があるビュー平面において、ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成させるような符号化である。
・再構成は、仮想観察者ウィンドウ及びホログラムにより定義されるボリューム内の任意の場所で発生でき、観察者は、その仮想観察者ウィンドウを介して再構成を閲覧できる。
・各眼のために1つの観察者ウィンドウが存在する。
・観察者ウィンドウは、約1cm×1cmである。
・観察者ウィンドウのサイズは、ホログラムの周期間隔の関数として計算される。
・観察者の眼の場所は追跡され、装置は、観察者が頭を動かした時でも各観察者ウィンドウを介してビューを維持できるように、仮想観察者ウィンドウの位置を変更できる。
・ホログラムを含む媒体は、TFTフラットスクリーンである。
・ホログラムを含む媒体は、テレビのディスプレイである。
・ホログラムを含む媒体は、マルチメディアデバイスのディスプレイである。
・ホログラムを含む媒体は、ゲームデバイスのディスプレイである。
・ホログラムを含む媒体は、医療用画像表示装置のディスプレイである。
・ホログラムを含む媒体は、軍用情報表示装置のディスプレイである。
【0270】
概要Cは、他の状況において応用を見つける。
【0271】
A.表示装置及びコンピュータを使用してオブジェクトのホログラフィック再構成を生成する方法であり、装置がホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む方法であって:
(a)ホログラムを含む媒体上にホログラムを生成するためにコンピュータを使用するステップであり、ホログラムが特徴1の方法を使用して符号化されたステップと;
(b)再構成オブジェクトが可視となるように、光源及び光学系を使用してホログラムを照明するステップとから成る方法。
【0272】
B.ビデオホログラムを定義するデータでプログラムされたデータキャリアであり、キャリア上のデータが上記方法を使用して符号化されたデータキャリア。
【0273】
C.ビデオホログラムを定義するデータを配信する方法であり、データがネットワークを介して配信され、表示装置において受信され、データが上記方法を使用して符号化された方法。
【0274】
D.ビデオホログラムを定義するデータを表示装置に供給できる演算装置であり、データが上記方法を使用して符号化された演算装置。
【0275】
E.上記方法を使用して符号化されたデータを表示するように動作可能な表示装置において使用される場合の表示画面。
【0276】
F.上記方法を使用して符号化されるホログラムから生成されるホログラフィック再構成。
【0277】
(概要D.小さな領域への符号化)
定義された視点から可視であるオブジェクトの単一ポイントを再構成するのに必要な情報を符号化する領域を含むビデオホログラムであって:
領域は、(a)再構成画像の単一ポイントについて情報を単独で符号化し、(b)そのポイントについて情報を符号化するための唯一のホログラムの領域であり、ホログラム全体の一部分を形成するためにサイズが制限され、サイズは、高次回折によるポイントの複数の再構成が定義された視点において不可視であるようなサイズであることを特徴とするビデオホログラム。
【0278】
追加の特徴:
・符号化は、再構成の際、観察者の眼が配置される必要があるビュー平面において、ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成させるような符号化である。
・再構成は、仮想観察者ウィンドウ及びホログラムにより定義されるボリューム内の任意の場所で発生でき、観察者は、その仮想観察者ウィンドウを介して再構成を閲覧できる。
・観察者ウィンドウは、約1cm×1cmである。
・各眼のために1つの観察者ウィンドウが存在する。
・観察者ウィンドウのサイズは、ホログラムの周期間隔の関数として計算される。
・観察者の眼の場所は追跡され、装置は、観察者が頭を動かした時でも各観察者ウィンドウを介してビューを維持できるように、仮想観察者ウィンドウの位置を変更できる。
・再構成オブジェクトは、複数のポイントを含む。
・ホログラムは、TFTフラットスクリーンであるホログラムを含む媒体に符号化される。
・ホログラムは、テレビのディスプレイに符号化される。
・ホログラムは、マルチメディアデバイスのディスプレイに符号化される。
・ホログラムは、ゲームデバイスのディスプレイに符号化される。
・装置は、医療用画像表示装置である。
・装置は、軍用情報表示装置である。
【0279】
概要Dは、他の状況において応用を見つける。
【0280】
A.オブジェクトのポイントを再構成できるビデオホログラムを符号化する方法であって:
その単一ポイントについてホログラム情報の領域に単独で符号化するステップであり、領域は、そのポイントに対する情報を符号化するためのホログラムの唯一の領域であり、ホログラム全体の小さな一部分を形成するためにサイズが制限され、サイズは、高次回折によるポイントの複数の再構成が定義された視点において不可視であるようなサイズであるステップから成る方法。
【0281】
B.ビデオホログラムを定義するデータでプログラムされたデータキャリアであり、キャリア上のデータが上述のように表示装置にホログラムを生成させるようなデータであるデータキャリア。
【0282】
C.ビデオホログラムを定義するデータを配信する方法であり、データは、ネットワークを介して配信され、表示装置において受信され、データは、上述のように表示装置にホログラムを生成させるようなデータである方法。
【0283】
D.上述のように表示装置にホログラムを生成させるために、ビデオホログラムを定義するデータを表示装置に供給できる演算装置。
【0284】
E.上述のようにホログラムを表示する場合の表示画面。
【0285】
F.上述のようにホログラムから生成される場合のホログラフィック再構成。
【0286】
G.ホログラフィック再構成を生成できる表示装置であり、上述のようにホログラムで符号化されたディスプレイを含む装置。
【0287】
(概要E.時系列符号化)
オブジェクトのホログラフィック再構成が見られることを可能にする計算機ホログラフィに対する表示装置であり、ホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む装置であって;
装置は、観察者の左眼及び右眼のためにホログラムを含む媒体上のホログラムを時系列に再符号化するように動作可能である装置。
【0288】
追加の特徴:
・再構成は、ホログラムのフレネル変換である。
・装置は、観察者の眼が配置される必要があるビュー平面において、ホログラムの直接フーリエ変換又は逆フーリエ変換が生成されるように動作可能である。
・ホログラフィック再構成は、像平面上に形成される仮想観察者ウィンドウ及びホログラムにより定義されるボリューム内の任意の場所で発生でき、観察者は、その像平面を介して再構成を閲覧できる。
・各眼について1つの観察者ウィンドウが存在する。
・観察者ウィンドウは、約1cm×1cmである。
・観察者の眼の場所は追跡され、装置は、観察者が頭を動かした時でも各観察者ウィンドウを介してビューを維持できるように、仮想観察者ウィンドウの位置を変更できる。
・ホログラムを含む媒体は、TFTフラットスクリーンである。
・装置は、テレビである。
・装置は、マルチメディアデバイスである。
・装置は、ゲームデバイスである。
・装置は、医療用画像表示装置である。
・装置は、軍用情報表示装置である。
【0289】
概要Eは、他の状況において応用を見つける。
【0290】
A.表示装置及びコンピュータを使用してオブジェクトのホログラフィック再構成を生成する方法であり、装置がホログラムを含む媒体を照明するために光源及び光学系を含む方法であって:
(a)観察者の左眼及び右眼のためにホログラムを含む媒体上のホログラムを時系列に再符号化するステップから成る方法。
【0291】
B.ビデオホログラムを定義するデータでプログラムされたデータキャリアであり、キャリア上のデータは、上記Aに記載の方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータであるデータキャリア。
【0292】
C.ビデオホログラムを定義するデータを配信する方法であり、データは、ネットワークを介して配信され、表示装置において受信され、データは、上記Aに記載の方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるようなデータである方法。
【0293】
D.上記Aに記載の方法に従って表示装置にホログラフィック再構成を生成させるために、ビデオホログラムを定義するデータを表示装置に供給できる演算装置。
【0294】
E.上記Dに定義されるように表示装置において使用される場合の表示画面。
【0295】
F.上記Dに記載の装置により生成されるホログラフィック再構成。