(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797748
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】電力変換装置及び電力変換システム
(51)【国際特許分類】
H02M 1/12 20060101AFI20201130BHJP
H02M 1/14 20060101ALI20201130BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20201130BHJP
【FI】
H02M1/12
H02M1/14
H02M7/48 M
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-95561(P2017-95561)
(22)【出願日】2017年5月12日
(65)【公開番号】特開2018-161024(P2018-161024A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2019年9月13日
(31)【優先権主張番号】特願2017-54312(P2017-54312)
(32)【優先日】2017年3月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 光平
(72)【発明者】
【氏名】前川 佐理
(72)【発明者】
【氏名】安住 壮紀
(72)【発明者】
【氏名】葛巻 淳彦
【審査官】
栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−148162(JP,A)
【文献】
特開2005−033895(JP,A)
【文献】
特開2012−165487(JP,A)
【文献】
特開2009−219317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/12
H02M 1/14
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部より入力される電力を変換して出力する第1電力変換回路と、
この第1電力変換回路にDCリンク部を介して接続され、入力される電力を変換して負荷に出力する第2電力変換回路と、
前記第1電力変換回路の出力部及び前記第2電力変換回路の入力部に設けられる平滑コンデンサと、
前記第1電力変換回路の入力部に設けられる第1コモンモード電流抽出回路と、
前記第2電力変換回路の出力部に設けられる第2コモンモード電流抽出回路と、
前記第1コモンモード電流抽出回路と、前記第2コモンモード電流抽出回路とを接続する仮想中性電位線と、
前記DCリンク部と前記仮想中性電位線との間に接続されるY型コンデンサを有するDCリンクフィルタ回路と、
前記第1コモンモード電流抽出回路から、前記DCリンクフィルタ回路における前記Y型コンデンサの接続点に至るまでの経路に挿入される第1コモンモードコイルと、
前記Y型コンデンサの接続点から、前記第2コモンモード電流抽出回路に至るまでの経路に挿入される第2コモンモードコイルとを備え、
前記第1及び第2コモンモードコイルは直列に接続されて、前記DCリンクフィルタ回路内に配置されており、
前記Y型コンデンサは、前記第1及び第2コモンモードコイルの共通接続点と前記仮想中性電位線との間に接続されている電力変換装置。
【請求項2】
前記フィルタ回路は、前記Y型コンデンサの共通接続点と前記仮想中性電位線との間に挿入されるコイルを備える請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記仮想中性電位線と接地電位との間に接続されるLCフィルタ回路を備える請求項1又は2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1コモンモード電流抽出回路の入力部及び/又は前記第2コモンモード電流抽出回路の出力部に外部インピーダンス調整回路を備える請求項1から3の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第2電力変換回路に相当する2以上の並列電力変換回路と、
前記第1電力変換回路の出力部と前記並列電力変換回路の入力部との間を接続する並列DCリンク部と、
前記並列DCリンク部と前記仮想中性電位線との間に接続される並列DCリンクフィルタ回路とを備える請求項1から4の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記仮想中性電位線に挿入される電流制限回路を備える請求項1から5の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の電力変換装置を複数備え、
前記複数の電力変換装置の仮想中性電位線が共通に接続されている電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外部より入力される電力を変換して負荷に出力する装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインバータのような電力変換装置や、モータのような負荷装置が備える金属部材が対地電位と対向するように配置されていると両者の間に寄生容量が形成され、その寄生容量を介して漏れ電流が生じる。漏れ電流は、機械装置の劣化や予期せぬ感電を招くため、可能な限り0Aに近付ける必要がある。また、半導体スイッチング素子の高性能化により電力変換装置の動作高周波が高くなっている。高周波化に伴い、寄生容量のインピーダンスが低下するため、漏れ電流対策がより重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5701631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
漏れ電流を抑制するためには、例えば、コモンモードに対するインピーダンスを高くする。具体的には、接地電位と対向金属との距離を長くしたり、電力線に高いインダクタンスのコモンモードチョークコイルを挿入する等の対策を行う。しかしながら、これらの対策は、何れも電力変換装置を大型化することに繋がるという問題がある。また、漏れ電流対策以外に電磁ノイズの抑制を目的として、接地電位に対しコンデンサを意図的に接続することがある。この場合、ノイズ抑制効果を低周波寄りで効かせるために大容量のコンデンサを選択すると、漏れ電流の増加を招いてしまう。
【0005】
そこで、大型化を回避しつつ漏れ電流を抑制できる機能を備えた電力変換装置及び電力変換システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電力変換装置は、外部より入力される電力を変換して出力する第1電力変換回路と、
この第1電力変換回路にDCリンク部を介して接続され、入力される電力を変換して負荷に出力する第2電力変換回路と、
前記第1電力変換回路の出力部及び前記第2電力変換回路の入力部に設けられる平滑コンデンサと、
前記第1電力変換回路の入力部に設けられる第1コモンモード電流抽出回路と、
前記第2電力変換回路の出力部に設けられる第2コモンモード電流抽出回路と、
前記第1コモンモード電流抽出回路と、前記第2コモンモード電流抽出回路とを接続する仮想中性電位線と、
前記DCリンク部と前記仮想中性電位線との間に接続されるY型コンデンサを有するDCリンクフィルタ回路と、
前記第1コモンモード電流抽出回路から、前記DCリンクフィルタ回路における前記Y型コンデンサの接続点に至るまでの経路に挿入される第1コモンモードコイルと、
前記Y型コンデンサの接続点から、前記第2コモンモード電流抽出回路に至るまでの経路に挿入される第2コモンモードコイルとを備える。
【0007】
尚、ここでの「Y型コンデンサ」とは、2つのコンデンサの一端を共通に接続したもので、前記共通の一端が仮想中性電位線に接続され、2つのコンデンサそれぞれの他端が、DCリンク部において第1,第2電力変換回路間を接続している線路にそれぞれ接続されるものを意味する。
そして、前記第1及び第2コモンモードコイルは直列に接続されて、前記DCリンクフィルタ回路内に配置されており、
前記Y型コンデンサは、前記第1及び第2コモンモードコイルの共通接続点と前記仮想中性電位線との間に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態であり、三相交流入力/三相交流出力構成の電力変換装置を示す機能ブロック図
【
図2】第2実施形態であり、DCリンクフィルタ回路の構成を部分的に示す図
【
図3】第3実施形態であり、第1実施形態の構成をより詳細に示す図
【
図4】第3実施形態の構成を適用した場合に発生する漏れ電流の波形を示す図
【
図5】従来構成を適用した場合に発生する漏れ電流の波形を示す図
【
図6】第4実施形態であり、パワーコンディショナに適用した電力変換装置を示す機能ブロック図
【
図7】第5実施形態であり、第2電力変換回路を並列化した電力変換装置を示す機能ブロック図
【
図8】第6実施形態であり、電力変換装置の構成を簡略的に示す機能ブロック図
【
図9】第7実施形態であり、電力変換装置の構成を簡略的に示す機能ブロック図
【
図10】第8実施形態であり、電力変換装置の構成を簡略的に示す機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について
図1を参照して説明する。
図1は、三相交流入力/三相交流出力構成の電力変換装置を示す。電力変換装置1は、入力側に配置され第1電力変換回路に相当するコンバータ2を備えている。コンバータ2の三相入力端子は、三相交流電源3の各相端子に、外部インピーダンス調整回路4を介してそれぞれ接続されている。外部インピーダンス調整回路4は、各相に対応するコイル4u,4v,4wを有している。
【0010】
また、コンバータ2の三相入力端子には、第1コモンモード抽出回路5が接続されている。第1コモンモード抽出回路5は、例えば図示しない各相に対応するコンデンサを備え、それら3つのコンデンサの一端は対応する相にそれぞれ接続されており、他端は仮想中性電位線6に共通に接続されている。コモンモード抽出回路5は、三相交流電源線に流れるコモンモード電流を抽出して仮想中性電位線6に流す。尚、コモンモード抽出回路5は、三相コンデンサと仮想中性電位線6との間に直列に接続されるコモンモードチョークコイルを備えていても良い。コンバータ2は、入力される三相交流電源を直流電源に変換して出力する。
【0011】
コンバータ2の出力端子は、DCリンク部7を介して、出力側に配置され第2電力変換回路に相当するインバータ8の入力端子に接続されている。DCリンク部7には、DCリンクフィルタ回路9が挿入されている。フィルタ回路9は、コモンモードチョークコイル10及び11の直列回路を備え、コイル10の一端はコンバータ2の出力端子に、コイル11の一端はインバータ8の入力端子にそれぞれ接続されている。つまり、コイル10及び11の直列回路は、コンバータ2からインバータ8に至るまでの経路に挿入されている。コイル10,11は、それぞれ第1,第2コモンモードチョークコイルに相当する。
【0012】
コイル10及び11の共通接続点には、2つのコンデンサ12a,12bの一端がそれぞれ接続されており、コンデンサ12a,12bの他端は仮想中性電位線6に共通に接続されている。以下では、この他端が共通に接続された2つのコンデンサ12a,12bを、Y型コンデンサ12と称すことがある。フィルタ回路9は、所謂T型コモンモードフィルタである。また、コンバータ2の出力端子間と、インバータ8の入力端子間には、それぞれ平滑コンデンサ13,14が接続されている。
【0013】
インバータ8の各相出力端子は、負荷である三相モータ15の各相ステータコイルに接続されている。また、上記各相出力端子と仮想中性電位線6との間には、第1コモンモード抽出回路5と同様の第2コモンモード抽出回路16が接続されている。モータ15の筐体と電源3とは、それぞれ大地Eに接地されている。また、仮想中性電位線6と大地Eとの間には、LCフィルタ回路17が接続されている。LCフィルタ回路17は、仮想中性電位線6と大地Eとの間に接続されるコンデンサ18と、このコンデンサ18に並列に接続されるコイル19及びコンデンサ20の直列回路を備えている。
【0014】
以上のように構成される本実施形態によれば、特許文献1の従来構成に比較して、DCリンク部7にDCリンクフィルタ回路9を備え、加えて、DCリンクフィルタ回路9と大地Eとの間にLCフィルタ回路17を備えることで、漏れ電流の抑制効果をより高めることができる。また、外部インピーダンス調整回路4を設け、仮想中性電位線6側のインピーダンスを相対的に低下させることで、漏れ電流の抑制効果を更に高めることができる。
【0015】
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図2は、DCリンクフィルタ回路9に替わる第2実施形態のDCリンクフィルタ回路21の構成を部分的に示すものである。DCリンクフィルタ回路21は、Yコンデンサ12の共通接続点と仮想中性電位線6との間に、コイル22が挿入されている。このようなDCリンクフィルタ回路21を用いることで、漏れ電流を抑制する周波数の選択性を高めることができる。
【0016】
(第3実施形態)
図3に示す第3実施形態の電力変換装置23は、第1実施形態における電力変換装置1の各構成部分をより具体的に示すと共に、一部の構成を変更したものである。第1コモンモード抽出回路5は、第1実施形態で説明したように各相に対応するコンデンサ5u,5v,5wを備えている。第2コモンモード抽出回路16は、各相に対応するコンデンサ16u,16v,16wと、これらと仮想中性電位線6との間に接続されるコモンモードチョーコイル16A,16B,16Cとを備えている。
【0017】
コンバータ2及びインバータ8は、6個のスイッチング素子を三相ブリッジ接続して構成されている。各スイッチング素子には、還流ダイオードGA逆並列に接続されており、各相アーム間には、それぞれコンデンサが並列に接続されている。尚、モータ15については、各相ステータコイル15u,15v,15wと共に、配線抵抗や配線インダクタンス,大地Eとの間に形成される寄生容量を示している。また、LCフィルタ回路17についてはバリエーションとして、仮想中性電位線6と大地Eとの間に接続する方向を第1実施形態とは逆にしている。
【0018】
LCフィルタ回路17の時定数は、共振現象によって、コンバータ2,インバータ8におけるスイッチング周波数よりも高い周波数でピークが生じる漏れ電流の成分を抑制するため、前記ピークが生じる周波数で低インピーダンスとなるように設定する。この時、LCフィルタ回路17の合計容量は、スイッチング周波数での漏れ電流成分が問題にならない程度に設定する。
【0019】
図5は特許文献1の従来構成,
図4は第3実施形態の構成についてそれぞれ発生する漏れ電流波形を示したものである。第3実施形態の構成では、漏れ電流の最大振幅が、従来構成に対して1/4程度となっている。
【0020】
(第4実施形態)
図6に示す第4実施形態の電力変換装置31は、例えば太陽光発電装置等に使用されるパワーコンディショナに適用した場合である。電源32は例えば太陽電池であり、直流電力を生成して出力する。第1電力変換回路に相当するDC−DCコンバータ33は、電源32に外部インピーダンス調整回路34を介して接続されている。外部インピーダンス調整回路34は、例えばコモンモードチョークコイルで構成されている。DC−DCコンバータ33の入力端子と仮想中性電位線6との間には、第1コモンモード抽出回路35が接続されている。DC−DCコンバータ33は、入力される直流電圧を異なる電圧に変換して出力する。
【0021】
DC−DCコンバータ33の出力端子は、DCリンク部7を介して第2電力変換回路に相当するDC−ACインバータ36の入力端子に接続されている。インバータ36の出力端子は、外部インピーダンス調整回路37を介して負荷38に接続されている。インバータ36は、入力される直流電力を単相交流電力に変換して負荷38に出力する。負荷38は、例えば商用交流電源系統の単相交流電源線である。インバータ36の出力端子と仮想中性電位線6との間には、第2コモンモード抽出回路39が接続されている。尚、コモンモード抽出回路35,39については、漏れ電流やノイズの発生状況に応じてインピーダンス調整が必要となる場合に接続すれば良い。
以上のように構成される第4実施形態によれば、電力変換装置31をパワーコンディショナに適用できる。
【0022】
(第5実施形態)
図7に示す第5実施形態の電力変換装置41は、DCリンク部7に2つの第2電力変換回路が並列に接続された構成である。DCリンク部7と、負荷42との間に外部インピーダンス調整回路43を介して接続されるコンバータ44は、DC−DC変換を行う。外部インピーダンス調整回路43は、コモンモードチョークコイル43aと、負荷42側の端子間に接続されるコンデンサ43bとを備えている。コンバータ44の出力端子と仮想中性電位線6との間には、第2コモンモード抽出回路39が接続されている。仮想中性電位線6には電流制限回路45が挿入されている。電流制限回路45は、仮想中性電位線6に過大な電流が流れるのを阻止するために配置され、例えば抵抗単体やインダクタ単体の他に、RC並列回路等の周波数特性を考慮したもので構成される。
【0023】
コンバータ2の出力端子には、もう1つのDCリンクフィルタ回路46を介して、平滑コンデンサ47,インバータ8及び三相モータ15が接続されている。フィルタ回路46は並列DCリンクフィルタ回路に相当する。インバータ8の各相出力端子は、それぞれコモンモード抽出回路16の入力端子に接続されている。DCリンクフィルタ回路46を構成するY型コンデンサの共通接続点は、仮想中性電位共有線48を介して仮想中性電位線6に接続されている。コモンモード抽出回路16と仮想中性電位共有線48との間には、もう1つの電流制限回路49が接続されている。
【0024】
尚、仮想中性電位共有線48の接続形態は図示したものに限らず、電力線でない部分に接続すれば良い。複数の周波数で漏れ電流が大きくなる場合には、該当する周波数でLCフィルタ回路17が低インピーダンスとなるように時定数を設計する。
【0025】
以上のように構成される第5実施形態によれば、DCリンク部7に、第2電力変換回路であるコンバータ44,インバータ8を並列に接続し、且つ仮想中性電位線6を共有することでそれぞれ動作させる構成おいても、漏れ電流を抑制できる。
【0026】
(第6〜第8実施形態)
第6〜第8実施形態は、第1及び第2コモンモードチョークコイルを挿入する位置のバリエーションを示す。尚、これらの実施形態に対応する
図8から
図10では、第1実施形態に対応する構成の符号を付して簡略的に示しており、DCリンク部9におけるY型コンデンサ12も1つのコンデンサのシンボルで示している。
【0027】
図8に示す第6実施形態では、コモンモードチョークコイル11を、インバータ8からコモンモード抽出回路16に至るまでの経路に挿入したものである。
図9に示す第7実施形態では、コモンモードチョークコイル10を、コモンモード抽出回路5からコンバータ2に至るまでの経路に挿入したものである。
【0028】
図10に示す第8実施形態では、コモンモードチョークコイル10をコモンモード抽出回路5からコンバータ2に至るまでの経路に挿入すると共に、コモンモードチョークコイル11をインバータ8からコモンモード抽出回路16に至るまでの経路に挿入したものである。これらのように構成した場合も、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0029】
(その他の実施形態)
第1電力変換回路は、ダイオード整流により電力変換を行う構成でも良い。
第1〜第4,第6〜第8実施形態において、仮想中性電位線6に電流制限回路を挿入しても良い。
第1〜第4,第6〜第8実施形態の電力変換装置を2以上並列に用いる際に、それらの仮想中性電位線6を共通に接続することで電力変換システムを構成しても良い。
第5実施形態において、第2電力変換回路以降の構成を3並列以上接続しても良い。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
図面中、1は電力変換装置、2はコンバータ、4は外部インピーダンス調整回路、5はコモンモード抽出回路、6は仮想中性電位線、7はDCリンク部、8はインバータ、9はDCリンクフィルタ回路、10及び11はコモンモードチョークコイル、12はY型コンデンサ、13及び14は平滑コンデンサ、15は三相モータ、16はコモンモード抽出回路、17はLCフィルタ回路である。