(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797777
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】空調回路のための冷媒供給源を伴うコンデンサ
(51)【国際特許分類】
F25B 39/04 20060101AFI20201130BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20201130BHJP
F28F 3/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
F25B39/04 Y
F25B39/04 G
F25B39/04 S
F28D9/02
F28F3/00 311
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-198831(P2017-198831)
(22)【出願日】2017年10月12日
(62)【分割の表示】特願2015-548374(P2015-548374)の分割
【原出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2018-25389(P2018-25389A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2017年10月25日
【審判番号】不服2019-9707(P2019-9707/J1)
【審判請求日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】1262711
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】イザベル、チッティ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ジャコプ
(72)【発明者】
【氏名】ガエル、デュルベク
【合議体】
【審判長】
平城 俊雅
【審判官】
山田 裕介
【審判官】
林 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−112591(JP,A)
【文献】
特開2012−116462(JP,A)
【文献】
特開平10−122705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/04
F28D 9/02
F28F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調回路のためのコンデンサ(1)であって、コンデンサは、冷凍流体リザーブ(3)に接続されるように構成される筐体(5)を備え、筐体(5)は、冷凍流体と冷却流体との間の熱交換の補足をもたらすように構成される第1の熱交換部(13)を受け入れ、第1の熱交換部(13)は、冷凍流体を冷凍流体リザーブ(3)へ運ぶように構成され、筐体は、リザーブ(3)の出口で冷凍流体と冷却流体との間の熱交換の補足をもたらすように構成される第2の熱交換部(15)を受け入れ、
前記筐体は、積み重ねられたプレート(19)のアセンブリを備え、前記熱交換部(13、15)において、前記プレートは、それらの間に、冷凍流体および冷却流体の循環プレート(21、23)を規定し、前記プレート(19)のアセンブリは、前記第1の熱交換部(13)から前記流体リザーブ(3)へ向かい、その後、前記リザーブから前記第2の熱交換部(15)内へ向かう、前記筐体(5)における冷凍流体の連続的な循環を可能にする冷凍流体の循環経路を与えるように構成され、
前記筺体(5)は、各プレート(19)が延在する方向と平行な長手方向に配置された前記第1の熱交換部(13)及び前記第2の熱交換部(15)を受け入れ、
前記流体リザーブ(3)は、前記筺体(5)の前記長手方向の端面(12、14)間に配置される側面(11’)に対向して配置される、コンデンサ(1)。
【請求項2】
前記熱交換部(13、15)に前記冷却流体が流れる共通の回路(17)を備える請求項1に記載のコンデンサ(1)。
【請求項3】
前記熱交換部(13、15)のそれぞれに関して前記冷却流体が流れる異なる回路(17’、17”)を備える請求項1に記載のコンデンサ(1)。
【請求項4】
前記プレート(19)の積層体は、前記熱交換部(13、15)において延在する冷却流体の少なくとも1つの循環経路を与えるように構成される請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項5】
前記プレート(19)のそれぞれは、前記第1の熱交換部(13)および前記第2の熱交換部(15)の領域で延在する請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項6】
前記プレート(19)の積層体は、前記第1の熱交換部(13)および/または前記第2の熱交換部(15)の領域における冷凍流体の循環プレートと連通する冷凍流体の入口コレクタ(33、37)および/または出口コレクタ(35、39)を備え、および/または、冷却流体の循環プレートと連通する冷却流体の入口コレクタ(22)および/または出口コレクタ(24)を備える請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項7】
冷凍流体の前記入口コレクタ(33)および/または出口コレクタ(39)、ならびに、冷却流体の前記入口コレクタ(22)および/または出口コレクタ(24)は、前記筐体の一側面(11)で、および/または、前記リザーブ(3)と対向するようになっている対向側面(11’)で、開口する請求項6に記載のコンデンサ(1)。
【請求項8】
前記筐体の両側の側面(11、11’)で、一方では、前記第1の熱交換部(13)における冷凍流体の前記入口コレクタ(33)と前記第2の熱交換部(15)の冷凍流体の前記出口コレクタ(39)とが、他方では、前記第2の熱交換部(15)における冷凍流体の前記入口コレクタ(37)と前記第1の熱交換部(13)の冷凍流体の前記出口コレクタ(35)とが、開口する請求項6に記載のコンデンサ(1)。
【請求項9】
積み重ねられた前記プレート(19)のアセンブリが直方体を形成するように延在し、冷却流体の前記入口コレクタ(22)および前記出口コレクタ(24)、ならびに、前記第1の熱交換部(13)における冷凍流体の前記入口コレクタ(33)および前記第2の熱交換部(15)の冷凍流体の前記出口コレクタ(39)は、前記筐体(5)のうち前記プレート(19)の積み重ね方向に延在する4つの角に沿って平行に方向付けられる請求項6から8のいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項10】
前記第1の熱交換部(13)における冷凍流体を流体の複数の循環通路(43)に従って方向付けるために、前記第1の熱交換部(13)は、前記プレート(19)と平行な隔壁(41)であって前記第1の熱交換部(13)の冷凍流体の前記入口コレクタ(33)および前記出口コレクタ(35)において交互に配置される隔壁(41)を備える請求項6から9のいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項11】
前記プレート(19)の積層体は、前記第1の熱交換部(13)と前記第2の熱交換部(15)との間での冷凍流体の循環を妨げる障壁(26)を規定するように構成される請求項1から10のいずれか一項に記載のコンデンサ(1)。
【請求項12】
冷凍流体の循環プレートを規定する前記プレート(19)は、前記障壁(26)を規定する隆起部を有する金属シートによって形成される請求項11に記載のコンデンサ(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンデンサ(1)とリザーブ(3)とのアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用の、空調回路のための冷凍流体リザーブを有するコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
この分野では、長い間、車両の前面に配置されるコンデンサが知られてきた。これらのコンデンサは、コンデンサ内を流れる冷凍流体と流入する空気流との間で熱交換をもたらす。コンデンサは、時として、冷凍流体のリザーブまたはボトルを伴い、リザーブの出口で冷凍流体のサブ冷却(sub−cooling)の実行を可能とする部分が設けられている。
【0003】
また、冷却液を用いて冷凍流体を冷却するための第1の熱交換ユニットと、冷却液による冷凍流体のサブ冷却のための第2の熱交換ユニットとを備え、これらの熱交換ユニット間に冷凍流体リザーブが介在するコンデンサも知られている。これらのユニットは積み重ねられたプレートを備え、該プレートは、それらの間に、冷凍流体プレートが2つの冷却流体プレート間に配置されるように冷凍流体の循環プレートを規定する。しかしながら、プレートの2つの積層体を伴うそのような解決策は、一体化の度合いが低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
何らかの改良を与えようとする試みでは、プレートに対して横方向に配置され、冷凍流体リザーブが積層体に組み込まれるコンデンサが提案されてきた。しかしながら、そのようなリザーブは作動に関して最良の形態ではない。これは、積層体の高さに対応するリザーブの軸方向高さが、使用されるプレートの数によって制限されるからである。
【0005】
したがって、そのようなコンデンサを改良する必要性があり、また、これに関し、本発明は、空調回路のためのコンデンサであって、該コンデンサが、ボトルとしても知られる冷凍流体リザーブに接続されるように構成される筐体を備え、筐体が、冷凍流体と冷却流体との間の第1の熱交換部を受け入れ、第1の熱交換部が、冷凍流体を冷凍流体リザーブへ運ぶように構成され、筐体が、リザーブの出口で冷凍流体と冷却流体との間の熱交換の補足をもたらすように構成される第2の熱交換部を受け入れる、コンデンサを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結果として、冷凍流体リザーブは、筐体に閉じ込められず、代わりに、長さに関して、好ましくは筐体の長さにわたって、自由に延在可能であり、例えば、減じられた空間要件で大きな長さにわたって延在するために、筐体の長手サイドに隣接している。また、1つの同じアセンブリに2つの熱交換領域が存在し、それにより、コンデンサの構成要素の数を制限することができる。
【0007】
冷凍流体リザーブは、有利には、好ましくはそれぞれ内に又は外に延在する冷凍流体の入口チューブ及び出口チューブを備えるフランジによって、筐体に固定される。
【0008】
コンデンサは、有利には、熱交換部の少なくとも1つの冷却液回路を備え、該回路は、熱交換部に共通であってもよく、あるいは、熱交換部ごとに異なってもよい。
【0009】
コンデンサは、有利には、積み重ねられたプレートのアセンブリを備え、熱交換部において、それらのプレートは、それらの間に、特に冷凍流体プレートが2つの冷却流体プレート間に配置されるように、冷凍流体および冷却流体の循環プレートを規定し、積み重ねられたプレートのアセンブリは、第1の熱交換部から流体リザーブへ向かい、その後、リザーブから第2の熱交換部内へ向かう、筐体における冷凍流体の連続的な循環を可能にする冷凍流体の循環経路を与えるように構成される。
【0010】
積み重ねられたプレートのアセンブリは、有利には、熱交換部において延在する冷却流体の循環経路、好ましくは第2の熱交換部から第1の熱交換部に延在する冷却流体の循環経路を、与えるように構成される。変形において、積み重ねられたプレートのアセンブリは、前述した異なる回路とそれぞれ関連付けられる2つの異なる経路を規定してもよい。
【0011】
特に、プレートの積層体は、第1の熱交換部と第2の熱交換部との間での冷凍流体の循環を妨げる障壁を規定するように構成される。
【0012】
そのようなことから、プレートのそれぞれは、有利には、第1の熱交換部および第2の熱交換部の領域で材料が連続した状態で延在する。
【0013】
したがって、冷凍流体の循環プレートを規定するコンデンサプレートは、第1の熱交換部と第2の熱交換部との間での冷凍流体の循環を妨げる障壁を規定するように隆起部を備えてもよい。
【0014】
プレートの積層体は、有利には、第1の熱交換部および/または第2の熱交換部の領域において冷凍流体の循環プレートと連通する冷凍流体の入口コレクタおよび/または出口コレクタを備え、及び/又は、冷却液の循環プレートと連通する冷却液の入口コレクタおよび/または出口コレクタを備える。
【0015】
冷凍流体の入口コレクタおよび/または出口コレクタ、ならびに、冷却流体の入口コレクタおよび/または出口コレクタは、有利には、筐体の一方のサイドおよび/またはリザーブと対向するように意図されている反対サイドで開口する。
【0016】
一方では第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタと第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタとが、また他方では第2の交換部における冷凍流体の入口コレクタと第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタとが、有利には、筐体の対向する両側で開口する。
【0017】
一緒にあるいは別々に解釈されてもよい本発明の他の実施形態によれば、
− コレクタは、開口および/または流体入口および/または出口フランジを介して筐体から開口する;
− 第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタは、筐体における冷凍流体の入口開口と対向して配置され、また、第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタは、リザーブにおける冷凍流体の入口開口と対向して配置される;
− 第1の熱交換部は、第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタと第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタとの間で筐体において延在する;
− 第2の交換部における冷凍流体の入口コレクタは、リザーブの冷凍流体の出口開口と対向して配置され、また、第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタは、筐体の冷凍流体の出口開口と対向して配置される;
− 第2の熱交換部は、第2の交換部内の冷凍流体の入口コレクタと第2の熱交換部の冷凍流体の出口コレクタとの間に延在する;
− 第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタおよび第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタは、筐体の2つの両側の側面近傍で開口する;
− 冷却液の入口コレクタおよび出口コレクタは、有利には、同じ両側の側面近傍で開口する;
− 積み重ねられたプレートのアセンブリは、直方体体積を成して延在し、例えば筐体の直方体体積に対応する;
− 冷却液の入口コレクタおよび出口コレクタ、ならびに、第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタおよび第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタは、筐体の4つの縁に沿って平行に方向付けられる;
− 冷凍液の循環プレートおよび冷却液の循環プレートは異なる断面を有する;
− 流体の複数の循環通路に従って、例えば、一方の通路から他方の通路への流体の循環方向の逆をたどって、第1の熱交換部における冷凍流体を方向付けるように、第1の熱交換部は、プレートと平行な隔壁であって、冷凍流体の入口コレクタおよび冷凍流体の出口コレクタにおいて交互に配置される隔壁を備える。
【0018】
また、本発明は、前述したコンデンサプレート、および、そのようなコンデンサと対応するリザーブとのアセンブリに関する。
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明のこれらの特徴および他の特徴について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係るコンデンサの一実施形態の斜視図である。
【
図3】
図2の線B−Bに沿ったコンデンサの概略断面である。
【
図4】
図2の線A−Aに沿ったコンデンサの概略断面である。
【
図5】
図4のコンデンサの入口コレクタおよび出口コレクタの部分拡大図である。
【
図6】構成変形例に係るコンデンサの冷凍流体の経路の概略断面である。
【
図7】構成変形例に係るコンデンサの冷却流体の経路の概略断面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明において、同一の参照数字は、同一または同様の要素を示すために使用される。
【0022】
図1〜
図4に示されるように、本発明は、図示されない空調回路、特に自動車用の空調回路のための、冷凍流体リザーブ3またはボトルを有するコンデンサ1に関する。冷凍流体は、例えば、R134aという名で知られる流体または同様のものである。そのコンデンサ1は、冷凍流体リザーブ3に接続されるように構成される筐体5、好ましくは本ケースにおけるように直方体筐体、を備え、冷凍流体リザーブ3は、筐体5から離れるようにあるいは本ケースにおけるように筐体5に隣接して固定されるように設けられてもよい。
【0023】
リザーブ3は、本ケースでは、筐体の側面11’と対向して、すなわち、筐体の長手方向端面12、14間に配置される筐体の面と対向して配置される。したがって、リザーブは、コンデンサの長い長さにわたって空間体積を小さくして延在することができる。
【0024】
図1および
図4において分かるように、冷凍流体リザーブ3は、2つのチューブ7、9、すなわち、冷凍流体がそのリザーブに入る入口チューブと冷凍流体がそのリザーブから出る出口チューブとをそれぞれ備えるフランジによって筐体5に固定される。
【0025】
筐体5は、本ケースでは冷却液との熱交換によって冷凍流体の凝縮を確保するようになっている第1の熱交換部13と、本ケースではリザーブ3からの出口で冷却液による冷凍流体のサブ冷却をもたらすための第2の熱交換部15とを受け入れる。このようにして、2つの熱交換部が1つの同じ構造ユニットに組み込まれる。
【0026】
冷却液は熱交換部13、15の冷却液回路17内で流れ、この回路は、
図3に示されるようにこれらの熱交換部に共通であってもよく、あるいは、
図7に示されるように熱交換部ごとに異なってもよい。冷却液は例えばグリコール水である。
【0027】
図3〜
図5を参照すると、コンデンサ1はプレート19のアセンブリを備え、これらのプレートは、積み重ね方向、ここではプレートに対して実質的に直交する方向に従って積み重ねられる。有利には、それらのプレートは、材料が第1および第2の熱交換部13、15にわたって連続する状態で延在する。熱交換部において、プレートは、それらの間に、冷凍流体循環プレート21を規定し、それにより、冷凍流体プレート21(
図4)は、冷却液回路17(
図3)の2つの冷却流体プレート23間に配置されるようになっている。循環プレートは、本ケースでは、異なる高さを有する。
【0028】
プレートは、特にアルミニウムおよび/またはアルミニウム合金の、金属シートによって構成される。これらのプレートは例えばスタンピング加工によって形成される。これらのプレートは、外周隆起縁部の領域ではんだ付けすることによって互いに組み付けられてもよい。
【0029】
積み重ねられたプレート19のアセンブリは、本ケースでは筐体5を構成し、該筐体5は、積み重ねられたプレート19のアセンブリを受け入れるように更に形成されてもよい。
【0030】
積み重ねられたプレート19のアセンブリは、
図4に矢印に従って示されるように、第1の熱交換部13から流体リザーブ3へ向かい、その後、そのリザーブから第2の熱交換部15内へ向かう、筐体5における冷凍流体の連続的な循環を可能にする冷凍流体の循環経路を与えるように構成される。
【0031】
したがって、第1の熱交換部13において凝縮される冷凍流体が冷凍流体リザーブ3へ運ばれ、それにより、冷凍流体の気相/液相の分離が引き起こされ、及び/又は、冷凍流体の濾過および/または脱水がもたらされる。
【0032】
積み重ねられたプレート19のアセンブリは、熱交換部13、15において延在する冷却流体の循環経路17、より具体的には、向流冷却をもたらすべく
図3に矢印に従って示されるように第2の熱交換部15から第1の熱交換部13へ延びる冷却流体の循環経路17を与えるように更に構成される。
【0033】
プレート19の積層体は、第1および/または第2の熱交換部の領域における冷凍流体の循環プレートと連通する冷凍流体の入口コレクタ33、37および/または出口コレクタ35、39を備える。その積層体は、冷却液の循環プレートと連通する冷却液の入口コレクタ22および/または出口コレクタ24を更に備える。
【0034】
コレクタ22、24、33、35、37、39は、リザーブ3と対向して配置される筐体の側面11’の領域や反対側の側面11の領域で、すなわち、プレートの積み重ね方向に対して垂直に向けられる筐体の両側面の領域で開口する。これは、コレクタ22、24、33、35、37、39が有利には互いに平行に且つ積み重ね方向と平行に延在するからである。
【0035】
本ケースでは、積み重ね方向に対して垂直な側面11、11’の領域において対向する態様で、一方では、第1の交換部13内の冷凍流体の入口コレクタ33と第2の交換部15の冷凍流体の出口コレクタ39とが、他方では、第2の交換部15内の冷凍流体の入口コレクタ37と第1の交換部13の冷凍流体の出口コレクタ35とが開口する。どのようにしてそのような特徴によりリザーブ3が長さに関して第1の交換部における冷凍流体の入口コレクタ33の真下の位置まで延在できるのかに気付くことができる。
【0036】
冷却液の入口コレクタ22および出口コレクタ24は、本ケースでは、リザーブ3と対向して配置される側面11’と反対側の側面11で開口する。
【0037】
冷却液の入口コレクタ22および出口コレクタ24、第1の熱交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33、および、第2の熱交換部の冷凍流体の出口コレクタ39は、ここでは冷却液の入口チューブ29および出口チューブ31としてならびに冷凍流体の入口チューブ25および出口チューブ27として形成される筐体の開口に通じる。他のコレクタ35、37はリザーブのチューブ7、9で開口する。
【0038】
第1の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33および第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタ39は、筐体の2つの長手方向端面12、14の近傍で開口する。同様に、冷却液の入口コレクタ22および出口コレクタ24は、筐体の対向する長手方向端面12、14の近傍で開口する。
【0039】
図示の平行六面体形態において、冷却液の入口コレクタ22および出口コレクタ24、ならびに、第1の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33および第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタ39は、有利には、筐体の4つの縁に沿って平行に方向付けられてもよい。このようにすると、入口チューブおよび出口チューブ22、24、25、27は、有利には、ボトルと対向して配置される側面11’の反対側の側面11の4つの角の領域に配置される。コレクタ22、24、33、39が筐体の対向する側面の領域内に配置されることにより、冷凍流体および冷却液が最大範囲にわたって流れる。
【0040】
第1の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33は、筐体内の冷凍流体の入口チューブ25と対向して配置され、また、第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタ35は、本ケースではリザーブを筐体に固定するためのフランジのチューブのうちの第1のチューブ7と連通するリザーブ3内の冷凍流体の入口開口と対向して配置される。第1の熱交換部は、第1の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33と第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタ35との間で筐体内において延在する。
【0041】
第2の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ37は、ここではリザーブを筐体に固定するためのフランジのチューブのうちの第2のチューブ9と連通するリザーブ3の冷凍流体の出口開口と対向して配置され、また、第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタ39は、筐体の冷凍流体の出口チューブ27と対向して配置される。第2の熱交換部は、第2の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ37と第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタ39との間で延在する。
【0042】
このようなことから、プレート19の積層体は、第1の熱交換部13と第2の熱交換部15との間での冷凍流体の循環を妨げる障壁を規定するように構成される。
【0043】
図5において更に明確に分かるように、冷凍流体の循環プレートを規定する第1のプレートとして称されるプレート19は、障壁を規定する隆起部26を有する。隆起部の高さは、冷凍流体プレートの高さに対応する。隆起縁部は、第1のプレートの幅にわたって、すなわち、本ケースでは、積み重ね方向に対して垂直な側面11、11’を接続する筐体の側面16の一方から反対側の側面18まで延在する。
【0044】
第1のプレート19は、その長手方向側面の一方の両端近傍に、一方では、第1の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ33のための第1の穴を有し、他方では、第2の交換部の冷凍流体の出口コレクタ39のための第2の穴を有する。第1のプレートは、隆起部26の一方側および他方側に、第1の交換部の冷凍流体の出口コレクタ35のための第3の穴、および、第2の交換部内の冷凍流体の入口コレクタ37のための第4の穴を更に有する。第1のプレートは、その反対側の長手方向側面の両端近傍にカラーを有し、このカラーは、隆起部26の高さと同一の高さを有し、対象としている冷凍流体プレートの一方側および他方側に配置される冷却液プレート間の連通を可能にするために穴が設けられる。
【0045】
第2のプレートとして称される積層体の他のプレートは、冷却液プレートを規定するために使用される。これらのプレートには、第1のプレートのカラーおよび穴と協働してコレクタ22、24、33、35、37、39を規定できるようにする穴およびカラーが設けられる。
【0046】
ここで、構成変形例について説明する。
【0047】
先に示したように、熱交換部13、15は、
図7に示されるようにそれぞれ異なる冷却液回路17’、17”を備えてもよく、矢印は、冷却液についてのそれらの回路17’、17”のそれぞれの冷却液の流れ方向を表す。したがって、第2のプレートには、所望の冷却回路の数に応じて、障壁を形成する隆起部が設けられてもよく、あるいは設けられなくてもよい。
【0048】
また、
図6に示されるように、矢印43に従った異なる連続した循環通路に応じて、例えば、流体の循環が曲がりくねった循環などの一方の通路から他方の通路まで正反対の方向をたどる通路に従って、第1の熱交換部13内の冷凍流体を方向付けるために、第1の熱交換部13は、プレート19と平行な隔壁41であって冷凍流体の入口コレクタ33内および冷凍流体の出口コレクタ35内において交互に配置される隔壁41を備えてもよい。
【0049】
このように、本発明は、特に自動車の空調回路のための、リザーブを有するコンデンサであって、簡単な構造と効率的な作動とを有するコンデンサを提供する。