(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る情報処理システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
<1.情報処理システムによる情報処理の概要>
図1は、実施形態に係る情報処理システムにおける情報処理方法を示す図である。
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、識別子情報送信装置10と、通信端末20と、情報提供装置30とを備える。なお、情報処理システム1には、識別子情報送信装置10や通信端末20が複数含まれるが、
図1に示す例では、省略している。
【0011】
識別子情報送信装置10は、内部に識別子情報40を記憶しており、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFIDなどの無線通信によって識別子情報40を通信端末20へ送信する。識別子情報40は、識別子情報送信装置10を識別するための情報であり、識別子情報送信装置10毎に異なる情報である。なお、
図1に示す例では、識別子情報送信装置10は、自動販売機などの無人サービス機器内に設置されるが、識別子情報送信装置10の設置場所は、例えば、その他の店舗内の装置や屋外の装置などであってもよい。
【0012】
通信端末20は、識別子情報送信装置10から送信される識別子情報40を受信し、受信した識別子情報40に基づいてメールアドレス50を生成する。
図1に示す例では、メールアドレス50は、識別子情報40と、日時情報と、端末固有情報と、ドメイン情報とを含む。日時情報は、メールアドレス50を生成した日時であり、端末固有情報は、通信端末20固有の識別情報であり、ドメイン情報は、例えば、情報提供装置30のドメイン名を示す情報である。
【0013】
通信端末20は、メールアドレス50を含むメール送信要求を、情報提供装置30へ送信し、メールアドレス50宛の電子メールを、情報提供装置30から受信する。通信端末20は、受信した電子メールを表示部に表示する。メールアドレス50は、例えば、時限的なメールアドレスとすることができ、この場合、通信端末20は、例えば、所定期間(例えば、3日)経過したメールアドレス50を消去することができる。
【0014】
このように、情報処理システム1は、識別子情報送信装置10の識別子情報40に基づくメールアドレス50に基づき、識別子情報送信装置10の無線通信範囲に入った通信端末20に対して電子メールにより容易に情報提供を行うことができる。そのため、通信端末20の位置が情報提供の範囲か否かを判定する場合に比べ、システム構築を容易に行うことができる。
【0015】
なお、情報提供装置30は、例えば、情報提供者(例えば、広告主や行政など)の提供情報を、識別子情報40に直接または間接的に関連付けて記憶している。情報提供装置30は、メール送信要求に含まれるメールアドレス50から識別子情報40を抽出し、抽出した識別子情報40に関連付けられている提供情報を含む電子メールを通信端末20へ送信する。提供情報は、例えば、文字、静止画、動画等を含み、情報提供者が広告主の場合、例えば、商品やサービスの広告内容を示す情報であり、情報提供者が行政などの場合、例えば、災害の情報や行政活動の情報などである。
【0016】
<2.情報処理システム1>
以下、実施形態に係る情報処理システム1について具体的に説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
【0017】
図2に示すように、情報処理システム1は、複数の識別子情報送信装置10−1〜10−n、複数の通信端末20−1〜20−nおよび情報提供装置30を備える。通信端末20と情報提供装置30とは通信網2を介して情報を送受信する。なお、以下においては、複数の識別子情報送信装置10−1〜10−nの任意の一つまたは全部を識別子情報送信装置10といい、複数の通信端末20−1〜20−nの任意の一つまたは全部を通信端末20という。
【0018】
<2.1.識別子情報送信装置10>
識別子情報送信装置10は、記憶部11と、通信部12とを備える。記憶部11には、識別子情報送信装置10毎に固有の識別子情報40を記憶する。通信部12は、例えば、BluetoothやRFIDなどの無線通信により、記憶部11に記憶された識別子情報40を周期的(例えば、1秒毎)に送信する。なお、識別子情報送信装置10は、通信部12により受信した識別子情報40を記憶部11に記憶することもできる。
【0019】
識別子情報40は、例えば、領域X、領域Y、領域Zを含む。例えば、領域Xには、設置装置や設置店舗の運営者の識別子情報が含まれ、領域Yには、設定場所の識別子情報が含まれ、領域Zには、販売商品の識別子情報が含まれる。なお、識別子情報40がBluetooth LE(Low Energy)の識別子情報である場合、領域Xは、“UUID(組織)”であり、領域Yは、“major(グルーピング)”であり、領域Zは、“minor(個識別)”である。
【0020】
<2.2.通信端末20>
通信端末20は、第1の通信部21と、第2の通信部22と、表示部23と、制御部25と、記憶部24とを備える。なお、図示しないが利用者が通信端末20を操作するための操作部なども備えている。
【0021】
第1の通信部21は、例えば、BluetoothやRFIDなどの無線通信により識別子情報送信装置10から送信される識別子情報40を受信する。なお、第1の通信部21は、有線によって識別子情報40を受信することもできる。第2の通信部22は、無線通信または有線通信を行う通信部であり、無線または有線により通信網2を介して情報提供装置30との間で情報を送受信する。表示部23は、例えば、液晶ディスプレイであり、情報提供装置30等から取得した情報を表示する。
【0022】
記憶部24は、アドレス記憶部41と、提供情報記憶部42とを備える。アドレス記憶部41は、制御部25によって生成される複数のメールアドレス50−1〜50−nを記憶する。提供情報記憶部42は、情報提供者から送信される情報を記憶する。なお、以下、複数のメールアドレス50−1〜50−nをメールアドレス50という。
【0023】
制御部25は、CPUやRAMなどを備えており、情報提供装置30等から第2の通信部22を介して取得した情報処理プログラムを例えばCPUが実行することにより、識別子情報受信部43、メールアドレス処理部44(アドレス生成部の一例)、メール送信要求部45、メール受信部46(提供情報取得部の一例)および表示処理部47として機能する。また、制御部25は、情報処理プログラムを実行することにより、記憶部24をアドレス記憶部41および提供情報記憶部42として機能させる。
【0024】
ここで、
図3を参照して制御部25による情報処理を説明する。
図3は、通信端末20の情報処理を示すフローチャートであり、制御部25によって繰り返し実行される。
【0025】
図3に示すように、制御部25の識別子情報受信部43は、第1の通信部21を介して、識別子情報送信装置10から識別子情報40を受信したか否かを判定する(ステップS1)。識別子情報40が受信された場合(ステップS1のYes)、メールアドレス処理部44は、受信した識別子情報40に基づいてメールアドレス50を生成し(ステップS2)、生成したメールアドレス50をアドレス記憶部41に記憶する(ステップS3)。
【0026】
なお、メールアドレス処理部44は、アドレス記憶部41にステップS1で取得した識別子情報40を含むメールアドレス50がアドレス記憶部41に記憶されている場合には、ステップS2で生成したメールアドレス50に書き換えて更新することができる。また、この場合、メールアドレス処理部44は、同一の識別子情報40が識別子情報受信部43によって受信された場合、その回数の情報を付加したメールアドレス50を生成することができる。なお、アドレス記憶部41から削除された後に、同一の識別子情報40が識別子情報受信部43によって受信された場合、メールアドレス処理部44は、受信回数を初回とすることもできる。
【0027】
メールアドレス処理部44は、例えば、
図1に示すように、識別子情報40と、日時情報と、端末固有情報と、ドメイン情報とを含むメールアドレス50を生成し、アドレス記憶部41に記憶する。なお、端末固有情報は、例えば、情報処理プログラムに個別に含まれる識別情報であってもよい。また、メールアドレス50は、
図1に示すものに限られず、例えば、日時情報がなくてもよく、また、分秒の単位の情報を含んでもよい。また、第1の通信部21は、識別子情報40が送信される電波の強度を検出し、識別子情報送信装置10からの距離(以下、接近距離と記載する)を多段階に判定することができる。メールアドレス処理部44は、このように判定された接近距離の情報をメールアドレス50に含めることができる。
【0028】
また、制御部25は、情報処理プログラムの実行によって、使用者の情報(例えば、性別、誕生日、郵便番号等)を使用者によって登録可能になっており、制御部25は、使用者から入力された情報を内部の記憶部(不図示)に記憶し、メールアドレス処理部44は、使用者の情報をメールアドレス50に含めることもできる。
【0029】
ステップS3の処理が終了した場合、または、識別子情報40が受信されない場合(ステップS1のNo)、メール送信要求部45は、電子メールの取得タイミングであるか否かを判定する(ステップS4)。電子メールの取得タイミングは、例えば、識別子情報40を取得してメールアドレス50を生成したタイミングであり、また、その後に周期的(例えば、1日ごと)に発生するタイミング(以下、周期タイミングという)である。なお、電子メールの取得タイミングは、上述した受信回数や接近距離に応じて変更することもできる。例えば、メール送信要求部45は、受信回数が多いほど、接近距離が近いほど、周期タイミングの周期を短くすることができる。なお、受信回数に代えて、所定期間内の受信頻度を用いることもできる。
【0030】
電子メールの取得タイミングである場合(ステップS4のYes)、メール送信要求部45は、アドレス記憶部41に記憶したメールアドレス50を含むメール送信要求を行い(ステップS5)、メール受信部46は、受信メールがあるか否かを判定する(ステップS6)。メール受信部46は、受信メールがある場合(ステップS6のYes)、受信メールを提供情報記憶部42に記憶する。表示処理部47は、提供情報記憶部42に記憶された受信メールの内容を表示部23に表示する(ステップS7)。
【0031】
ステップS7の処理が終了した場合、メールの取得タイミングではない場合(ステップS4のNo)、または、受信メールがない場合(ステップS6のNo)、メールアドレス処理部44は、消去対象となるメールアドレス50があるか否かを判定する(ステップS8)。メールアドレス処理部44は、例えば、生成してから所定期間(例えば、3日)経過したメールアドレス50を消去対象とすることができる。
【0032】
消去対象のメールアドレス50がある場合(ステップS8のYes)、メールアドレス処理部44は、消去対象のメールアドレス50をアドレス記憶部41から削除して消去する(ステップS9)。これにより、メールアドレス処理部44は、メールアドレス50を時限的なメールアドレスとすることができる。ステップS9の処理が終了した場合、または、消去対象のメールアドレス50がない場合(ステップS8のNo)、制御部25は
図3に示す処理を終了する。
【0033】
なお、メールアドレス処理部44は、例えば、生成してから消去するまでの期間(以下、消去期間という)を上述した受信回数が増加するにつれて長くすることもできる。これにより、頻繁に受信する識別子情報40を含むメールアドレス50が消去される可能性を低減することができる。また、メールアドレス処理部44は、例えば、接近距離が近いほど消去期間を長くすることもできる。
【0034】
<2.3.情報提供装置30>
情報提供装置30は、
図2に示すように、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。通信部31は、無線通信または有線通信を行う通信部であり、無線または有線により通信網2を介して通信端末20との間で情報を送受信する。
【0035】
記憶部32は、属性情報記憶部51と、提供情報記憶部52とを備える。属性情報記憶部51は、識別子情報40と識別子装置属性とを関連付けて記憶する。識別子装置属性は、識別子情報送信装置10の属性情報であり、例えば、識別子情報送信装置10の設置場所の情報(設置住所、設置装置の種類やメーカ、設置店舗の種別や運営者などの情報)、および、設置装置や設置店舗で販売している商品およびサービス(以下、販売商品という)の情報などである。
【0036】
図4は、属性情報対応テーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、属性情報対応テーブルは、各識別子情報送信装置10の識別子情報40と属性情報とアドレス数とが関連付けられた情報である。
図4に示す属性情報Aは、例えば、設置場所の情報であり、属性情報Bは、例えば、販売商品の情報である。なお、属性情報は、設置場所の情報や販売商品の情報に限定されず、例えば、接近距離の情報、接近時間帯の情報、性別の情報、誕生日の情報、郵便番号の情報、受信回数の情報であってもよい。また、アドレス数は、電子メールを配信可能なメールアドレス50の有効数であり、例えば、制御部33によって設定される。
【0037】
提供情報記憶部52は、配信ID、提供情報、配信数および属性情報を関連付けて記憶する。
図5は、提供情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、提供情報テーブルは、配信ID、提供情報、配信数、属性情報および情報提供アドレスを関連付けた情報である。配信IDは、提供情報の識別情報であり、提供情報は配信対象の情報(例えば、テキストや画像を含む情報)である。また、配信数は、提供情報を配信する通信端末20の数であり、属性情報は、提供情報の配信対象に対応する識別子装置属性である。情報提供アドレスは、情報提供者へ通知するメールアドレスであり、情報提供アドレスを送信元とした電子メールに含まれる情報(メール本文、添付ファイルなど)が提供情報として設定される。
【0038】
制御部33は、CPUやRAMなどを備えており、記憶部32に記憶した情報提供プログラムを例えばCPUが実行することにより、提供情報受付部53、メール送信要求受付部54、属性判定部55および提供情報送信部56として機能する。また、制御部33は、情報提供プログラムを実行することにより、記憶部32を属性情報記憶部51および提供情報記憶部52として機能させる。
【0039】
ここで、
図6を参照して制御部33による情報処理を説明する。
図6は、情報提供装置30の情報処理を示すフローチャートであり、制御部33によって繰り返し実行される。
【0040】
図6に示すように、提供情報受付部53は、情報提供者の端末装置(不図示)から通信部31を介して情報提供要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。情報提供要求には、例えば、属性情報および配信数を示す情報を含む。提供情報受付部53は、情報提供要求を受け付けた場合(ステップS10のYes)、情報提供要求に含まれる情報を提供情報テーブルに設定し、提供情報テーブルを更新する(ステップS11)。
【0041】
提供情報受付部53は、受け付けた情報提供要求に対応する情報提供アドレスを生成し(ステップS12)、かかる情報提供アドレスを情報提供者の端末装置へ通知する(ステップS13)。また、提供情報受付部53は、情報提供アドレスを、ステップS10で受け付けられた情報提供要求に含まれる情報に関連付けて提供情報テーブルに設定する。なお、提供情報受付部53は、例えば、情報提供要求に含まれる属性情報を識別可能な情報を含むメールアドレス(例えば、“A社自動販売機”および“配信地域名”の文字または略語を含む)を情報提供アドレスとして生成することができる。これにより、情報提供者は、メールアドレスによって容易に配信対象を認識することができる。
【0042】
情報提供要求を受け付けていない場合(ステップS10のNo)、または、ステップS13の処理が終了した場合、提供情報受付部53は、情報提供アドレスを送信元とした電子メール(以下、提供情報メールという)を受信したか否かを判定する(ステップS14)。提供情報メールを受信した場合(ステップS14のYes)、提供情報受付部53は、提供情報テーブルのうち提供情報メールに含まれる情報提供アドレスに対して提供情報メールに含まれる提供情報の情報を対応付けて提供情報テーブルに設定して更新する(ステップS15)。なお、提供情報メールの本文に配信期間の情報や配信数の情報を含め、提供情報を添付ファイルに含めることもできる。この場合、提供情報受付部53は、提供情報メールに含まれる配信期間の情報や配信数の情報を提供情報テーブルに設定する。
【0043】
ステップS15の処理が終了した場合、または、提供情報メールを受信していない場合(ステップS14のNo)、メール送信要求受付部54は、通信端末20からメール送信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。メール送信要求を受け付けた場合(ステップS16のYes)、属性判定部55は、メール送信要求に含まれるメールアドレス50に含まれる識別子情報40を特定し、特定した識別子情報40に対応する属性情報を属性情報記憶部51から取得する(ステップS17)。
【0044】
提供情報送信部56は、属性情報に対応する提供情報があるか否かを判定する(ステップS18)。例えば、提供情報送信部56は、ステップS17において取得した属性情報に対応する提供情報が提供情報テーブルに設定されている場合に属性情報に対応する提供情報があると判定する。提供情報送信部56は、属性情報に対応する提供情報があると判定すると(ステップS18のYes)、提供情報テーブルから属性情報に対応する提供情報を取得し、取得した提供情報をメール本文または添付ファイルとした電子メールを生成し、メール送信要求を行った通信端末20へ送信する(ステップS19)。
【0045】
なお、提供情報送信部56は、メールアドレス50に含まれる端末固有情報に基づいてすでに送信した提供情報については電子メールを生成しない。これにより、同一の通信端末20に対して同じ提供情報を送信することを抑制することができる。この場合、提供情報送信部56は、提供情報に対応付けて提供情報を送信した通信端末20の端末固有情報を記憶部32に記憶する。また、提供情報送信部56は、例えば、配信した提供情報毎に配信した通信端末20の数が提供情報テーブルに設定された配信数になった場合、電子メールの生成を行わないことができる。
【0046】
ステップS19の処理が終了した場合、メール送信要求を受け付けていない場合(ステップS16のNo)、または、属性情報に対応する提供情報がない場合(ステップS18のNO)、制御部33は、
図6に示す処理を終了する。
【0047】
このように、情報提供装置30は、情報提供者から指定された属性情報に対応する識別子情報送信装置10の無線通信範囲へ進入した通信端末20へ情報提供者の提供情報を送信することができる。そのため、情報提供者は、情報提供を行う対象を容易に特定することができる。
【0048】
また、情報提供装置30は、情報提供者からの提供情報と指定属性情報とに基づいて、提供情報の対象となる識別子情報40を特定し、特定した識別子情報40を含むメールアドレス50宛の電子メールを生成できる。情報提供者は識別子装置属性を選択して情報提供を行うことができることから、情報提供を容易に行うことができる。
【0049】
また、情報提供者は、情報提供アドレスを送信元とした提供情報メールを送信することにより、通信端末20へ情報提供を行うことができることから、情報提供をさらに容易に行うことができる。一方、情報処理システム1の運営者は、提供情報メールを受信する度に課金することができることから、課金処理が容易になる。
【0050】
<3.変形例>
実施形態に係る情報処理システム1は、上述した構成および動作に限定されない。例えば、情報提供装置30の制御部33は、提供情報の対象となる識別子情報40を含むメールアドレス宛の電子メールを予め生成して記憶部32に記憶しておくこともできる。この場合、属性判定部55は、ステップS10において情報提供要求を新たに受け付けた場合に、属性情報を取得し、提供情報送信部56は、新たに受け付けた提供情報を含む電子メール(宛先メールアドレスの部分を除く)を生成することもできる。この場合、提供情報送信部56は、メール送信要求を受け付けた場合に、メール送信要求からメールアドレス50に含まれる識別子情報40を取得し、取得した識別子情報40に対応する電子メールを記憶部32から取得し、宛先メールアドレスの部分を付加して通信端末20へ送信することができる。
【0051】
また、上述した実施形態では、所定期間が経過したメールアドレス50を通信端末20が消去したが、情報提供装置30の制御部33が通信部31から所定期間経過したメールアドレス50の消去要求を通信端末20へ送信してもよい。この場合、通信端末20の制御部25は、消去要求に対応するメールアドレス50をアドレス記憶部41から消去することができる。なお、情報提供装置30の制御部33は、所定期間経過したメールアドレス50を含むメール送信要求を無視することもできる。制御部33は、制御部25と同様に、所定期間経過したか否かは、例えば、メールアドレス50に含まれる日時情報に基づいて判定する。
【0052】
また、上述した実施形態では、通信端末20のアドレス記憶部41にメールアドレス50を記憶したが、識別子情報40を記憶部24に記憶してもよい。この場合、制御部25は、メール取得タイミングで、メールアドレスを生成してメール送信要求を行うことができる。通信端末20は、通信端末20の位置(例えば、緯度および経度)を検出する位置検出部を備えており、制御部25は、例えば、周期タイミングにおいて、この位置検出部によって検出された位置の情報(以下、位置情報という)をメールアドレス50に含めることができる。これにより、情報提供装置30の制御部33は、識別子情報40に加え、現在の位置情報に基づいて提供情報を選択することができる。情報提供者は、指定属性情報として、提供情報を配信する位置を示す情報を設定することができる。
【0053】
また、上述した実施形態では、識別子情報送信装置10が周期的に識別子情報40を送信したが、識別子情報送信装置10は、自装置が収納される装置からの要求にしたがって識別子情報40を送信することもできる。例えば、識別子情報送信装置10が自動販売機に内蔵されている場合、自動販売機で商品が購入されたタイミングで識別子情報送信装置10に対して識別子情報40を送信するように要求することができる。これにより、自動販売機で商品を購入した使用者に限定して提供情報を送信することができる。
【0054】
なお、制御部25は、記憶部24に記憶する識別子情報40やメールアドレス50を暗号化して記憶することができ、これによりセキュリティを向上させることができる。また、制御部25は、暗号化した識別子情報40やメールアドレス50を含むメール送信要求を送信することができ、これによっても、セキュリティを向上させることができる。この場合、情報提供装置30によって復号化が行われる。また、メールアドレスのドメインが他のメールサーバである場合、情報提供装置30の制御部33は、生成した電子メールをメールサーバに送信することもできる。
【0055】
上述した実施形態では、情報提供者が広告主や行政である場合の例を説明したが、情報提供者は、情報提供を受ける利用者の雇用者であってもよい。この場合、識別子情報40として、事業所や部課などのセグメント毎の情報を設定し、識別子情報送信装置10は、事業所や部課などのセグメント毎に設置する。この場合、例えば、識別子情報40の受信頻度が所定以上である通信端末20に対して、セグメント毎の情報を提供することにより、事業所や部課などのセグメント毎に適切な情報を配信することができる。
【0056】
また、情報提供者が例えば病院や介護施設の運営者である場合、識別子情報40を患者毎や被介護者毎に設定し、識別子情報送信装置10を患者や被介護者の居室(例えば、病室)に配置することができる。この場合、情報提供装置30は、通信端末20に対して、患者の診察情報(例えば、診察記録、検査記録、手術所見、レントゲン写真、看護記録などを含む)や被介護者の介護情報を提供することができる。
【0057】
ところで、情報提供者が情報提供を受ける利用者の雇用者(例えば、企業、病院、介護施設の運営者)であり、情報提供を受ける利用者が被雇用者(例えば、企業の従業員、医師、看護師、介護者など)である場合、被雇用者以外の者が通信端末20を利用して情報を得ることができないようにすることが望ましい。
【0058】
そこで、例えば、被雇用者(以下、単に利用者と記載する)が携帯する利用者情報送信装置60から送信される利用者の識別子情報(以下、利用者識別子情報と記載する)を通信端末20Aが受信している場合に限り、通信端末20Aが情報提供装置30から情報を受信できるように構成することもできる。
【0059】
図7は、他の実施形態に係る情報処理システム1Aの構成を示す図である。なお、以下においては、
図2に示す情報処理システム1と異なる点について主に説明し、情報処理システム1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して適宜説明を省略する。
図7に示すように、情報処理システム1Aは、識別子情報送信装置10−1〜10nと、通信端末20A−1〜20A−n(以下、通信端末20Aと総称する)と、情報提供装置30と、利用者情報送信装置60とを備える。
【0060】
利用者情報送信装置60は、識別子情報送信装置10と同様に、記憶部61と、通信部62とを備える。記憶部61には、通信端末20Aの利用者に対応する識別子情報である利用者識別子情報70を記憶する。通信部62は、例えば、通信部12と同様の構成であり、例えば、BluetoothやRFIDなどの無線通信により、記憶部61に記憶された利用者識別子情報70を周期的(例えば、1秒毎)に送信する。なお、利用者情報送信装置60は、通信部62により受信した利用者識別子情報70を記憶部61に記憶することもできる。
【0061】
図7に示す通信端末20Aは、上述した通信端末20と一部の機能が例えば以下の点で異なる。例えば、識別子情報受信部43Aは、識別子情報送信装置10から送信される識別子情報40を受信し、さらに、利用者情報送信装置60から送信される利用者識別子情報70を受信することができる。
【0062】
メールアドレス処理部44Aは、識別子情報40に基づいてメールアドレス50を生成してアドレス記憶部41に記憶し、さらに、利用者情報送信装置60から送信される利用者識別子情報70に基づいてメールアドレス(以下、便宜上、利用者メールアドレスと記載する)を生成してアドレス記憶部41に記憶する。なお、利用者識別子情報70に基づくメールアドレスの生成方法は、識別子情報40に基づく上述のメールアドレス50(以下、便宜上、場所メールアドレスと記載する)の生成方法と同じである。
【0063】
メール送信要求部45Aは、識別子情報受信部43Aによって識別子情報40および利用者識別子情報70が共に受信されており、かつ、操作部26への利用者の操作(例えば、情報取得のための操作)が行われた場合に、電子メールの取得タイミングであると判定する。メール送信要求部45Aは、電子メールの取得タイミングであると判定した場合、識別子情報受信部43によって受信されている識別子情報40および利用者識別子情報70にそれぞれ対応する利用者メールアドレスおよび場所メールアドレスを含むメール送信要求を行う。
【0064】
なお、「識別子情報40および利用者識別子情報70が共に受信」とは、厳密な意味での同時受信ではなく、例えば、所定期間(例えば、識別子情報40や利用者識別子情報70が送信される時間間隔よりも長い期間)において、識別子情報40と利用者識別子情報70とがそれぞれ受信されることを意味する。また、メール送信要求部45Aは、操作部26への利用者の操作の有無に拘わらず、識別子情報受信部43Aによって識別子情報40および利用者識別子情報70が共に受信されている場合に、電子メールの取得タイミングであると判定することもできる。
【0065】
情報提供装置30のメール送信要求受付部54は、メール送信要求に含まれる利用者メールアドレスの利用者識別子情報70を特定する。記憶部32には、メール取得が許可された利用者識別子情報が記憶されており、メール送信要求受付部54は、例えば、特定した利用者識別子情報70と一致する利用者識別子情報が記憶部32に記憶されている場合に限り、メール送信要求を受け付けることができる。
【0066】
一方、特定した利用者識別子情報70と一致する利用者識別子情報が記憶部32に記憶されていない場合、制御部33は、メール送信要求は受け付けず、通信端末20Aへ電子メールを送信しない。このように、利用者メールアドレスを情報提供装置30の認証用として用いることができる。
【0067】
情報提供装置30の属性判定部55は、メール送信要求に含まれるメールアドレス50の識別子情報40を特定し、かかる識別子情報40に対応する属性情報(例えば、患者IDや被介護者ID)を属性情報記憶部51から取得する。そして、制御部33は、かかる属性情報に対応する提供情報(例えば、患者の診察情報や被介護者の介護情報)を提供情報記憶部52から取得し、当該取得した提供情報をメール本文または添付ファイルに含む電子メールを通信端末20Aへ送信する。通信端末20Aは、情報提供装置30から送信される電子メールに含まれる提供情報を表示部23に表示する。
【0068】
このように、情報処理システム1Aにおいて、識別子情報40を含むメールアドレスと利用者識別子情報70を含むメールアドレスとに基づいて、電子メールを取得する。そのため、例えば、識別子情報送信装置10が患者の居室に配置されている場合、患者の居室に訪問して看護する看護師は、利用者情報送信装置60を携帯することで、患者の診療記録を通信端末20Aで閲覧することができる。また、例えば、識別子情報送信装置10が事業所に配置されている場合、事業所を訪問した従業員は、利用者情報送信装置60を携帯することで、訪問した事業所の情報を通信端末20Aで閲覧することができる。
【0069】
なお、情報提供装置30の制御部33は、メール送信要求に含まれる利用者識別子情報70および識別子情報40に対応する提供情報を記憶部32から取得し、当該取得した提供情報をメール本文または添付ファイルに含む電子メールを通信端末20Aへ送信することもできる。例えば、制御部33は、利用者識別子情報70に対応する利用者が識別子情報40に対応する被利用者(例えば、患者や被介護者)に関する情報(例えば、診察情報や介護情報)を書き込むための情報(以下、書込み用情報と記載する)を電子メールで通信端末20Aへ送信することができる。
【0070】
また、メール送信要求部45Aは、識別子情報受信部43Aによって識別子情報40および利用者識別子情報70が共に受信されていない場合、メール送信要求を行わないこともできる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。