【実施例】
【0163】
以下に議論される実施例は、本発明の単なる例示であることを意図しており、決して本発明を限定するものと考えるべきではない。実施例は、以下の実験が、実施された実験の全て又は唯一の実験であることを示すことを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされているが、幾つかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。他に示さない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧又はそれに近い圧力である。
【0164】
実施例1:ヒト化抗CSF1R抗体
様々なヒト化抗CSF1R抗体が以前に開発された。例えば、PCT公開番号WO2011/140249を参照されたい。
【0165】
親のキメラ抗体の可変領域の配列及びヒトアクセプター可変フレームワーク領域の配列と整列させた、ヒト化重鎖可変領域及びヒト化軽鎖可変領域のそれぞれの配列が、
図1(重鎖)及び
図2(軽鎖)に示されている。ヒトアクセプター可変フレームワーク領域配列に対するヒト化可変領域配列の変化が囲まれている。各可変領域のCDRの各々が、囲まれた領域に示され、囲まれた配列の上に「CDR」としてラベル付けされている。
【0166】
以下の表8は、抗体huAb1からhuAb16のヒト化重鎖及びヒト化軽鎖の完全配列を示す。これらの抗体のそれぞれのヒト化重鎖及びヒト化軽鎖の名称及び配列番号を表3に示す。
【0167】
16のヒト化抗体を、以前に記載されているように、ヒト、カニクイザル、及びマウスCSF1R ECDへの結合について試験した。例えば、PCT公開番号WO2011/140249を参照されたい。抗体は、ヒト及びカニクイザルCSF1R ECDの両方に結合するが、マウスCSF1R ECDには結合しないことが見出された。ヒト化抗体はまた、ヒト及びカニクイザルCSF1Rの両方に対するCSF1及びIL−34の結合を遮断し、CHO細胞で発現されるヒトCSF1RのCSF1誘導性及びIL−34誘導性リン酸化を阻害することも見出された。例えば、PCT公開番号WO 2011/140249を参照されたい。
【0168】
ヒトCSF1R ECDへの結合についてのka、kd及びK
Dは、以前に決定され、表4に示されている。例えば、PCT公開番号WO2011/140249を参照されたい。
【0169】
実施例2:抗CSF1R抗体の薬物動態及び薬力学
huAb1の薬物動態(PK)及び毒物動態(TK)は、カニクイザルにおける3回の静脈内(IV)研究で調査されている。試験された用量範囲は、単回投与後に3−150mg/kg、及び反復投与後に3−150mg/kgであった。注入時間は30分であった。反復投与研究での投与間隔は1週間に1回であり、各動物は合計4回の投与を受けた。
【0170】
huAb1クリアランスのメカニズムを解明し、単回投与PK研究におけるサルと比較して、GLP毒性研究の回復群のサルで観察された長期曝露のメカニズムをよりよく理解するのを助けるために、SCIDマウスにおいて、キメラ代替抗体の単一及び反復投与PKを研究した。
【0171】
カニクイザルにおけるhuAb1の1回の30分間のIV注入後のPKプロファイルは、標的介在性クリアランスと一致して、急速な分布、続いて、血漿からのhuAb1の加速された枯渇で終了する遅い終末期によって特徴付けられた。
【0172】
この急速な減少は、標的介在性クリアランスに加えて、huAb1抗体に一部起因する可能性がある。しかしながら、ADA応答を開始する能力を欠いているSCIDマウスにおけるキメラ代替抗体の単回用量投与は、同様のプロフィールを示し、特に低用量で、huAb1の総クリアランスに対する標的介在性クリアランスの寄与を支持していた。
【0173】
観察された最大血漿濃度(Cmax)は、試験した全ての用量レベルで用量に比例して増加したが、無限に外挿された時間ゼロからの血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC∞)の増加は、3mg/kgから10mg/kgの用量比例よりも大きく、10mg/kgから150mg/kgの用量比例であった。加速された末期の減少の前の半減期(t1/2)は1−12日の範囲であり、総クリアランスは0.14−1.25mL/h/kgの範囲であった。要約すると、huAb1は、カニクイザルにおいて飽和可能な非線形クリアランスを有する。
【0174】
CSF1R阻害によってインビボで調節されることが知られている様々な薬力学(PD)マーカーに対するhuAb1の効果を、3つのカニクイザの研究で調べた。これらのマーカーには、CSF1、CD16
+単球、及び骨吸収マーカーが含まれる。
【0175】
CSF1レベル:CSF1の血漿又は血清レベルは、huAb1標的結合の尺度である。CSF1は、CSF1R媒介性エンドサイトーシス及び細胞内分解を介して、正常な生理学的条件下で、マクロファージ(主に脾臓マクロファージ及び肝臓クッパー細胞)によって循環から除去される。正常個体におけるCSF1の定常状態レベルは<1μg/mlである。huAb1はCSF1Rに結合しCSF1が除去されるのを防ぎ、循環CSF1濃度の大幅かつ急速な増加をもたらし、その後CSF1レベルは約10μg/mlの新しい定常状態に達する。パイロット毒性研究において、血漿CSF1及び血漿huAb1の試料を、カニクイザルにおいて4週間週1回投与後にトラフで(投与後7日)得た。データは、最小の生物学的効果が5μg/mLのhuAb1で生じ、半最大応答(EC
50)が8μg/mLのhuAb1であることを示している。
【0176】
CD16
+単球:GLP毒性研究において、CD16
+単球は、インビボでのこの単球亜集団の増殖及び維持を支持するCSF1R経路と一致して、50mg/kg又は150mg/kgのhuAb1の4回の週1回のIV注入を受けたサルで減少した。CD16
+単球の減少は投薬1週間以内に起こり、投薬及び曝露期間を通して持続した。huAb1が消失した後、CD16
+単球は正常ベースラインレベルに回復した。CD16
−単球の亜集団は、huAb1の投与によって影響を受けなかった。
【0177】
骨吸収マーカー:huAb1を反復投与した後のサルにおいて、骨吸収の血漿及び尿マーカーを評価した。尿NTx、血漿CTx及びTRAP5bは全て減少した。効果はhuAb1のクリアランス時に可逆的であった。
【0178】
実施例3:抗CSF1R抗体によるPVNSの治療
huAb1抗体(配列番号53及び60のそれぞれ重鎖及び軽鎖可変領域を含む抗体)を、1mg/kgから4mg/kgの範囲の増加用量でPVNSを有する患者に投与する。huAb1は2週間ごとに投与される患者は28日サイクルで治療され、各サイクルは1日目と15日目に2回の用量からなる。サイクルを完了した後、患者は次のサイクルで増加した用量を投与され得る。
【0179】
症状の改善及び腫瘍体積スコア(TVS)について患者を監視する。huAb1治療の開始前及び開始後に、ベースライン及び治療後の腫瘍組織切除及び滑液を患者から得ることができる。患者は、全体的な応答、免疫関連の応答、及び全生存期間について更に監視される。
【0180】
MRI腫瘍評価は、huAb1の初回投与前の28日以内に実施され、次いで初回投与後にある時間間隔で(例えば、4週間、8週間、16週間、24週間、その後は12−16週間)実施される。健康アウトカム(例えば、機能及び症状)の臨床評価もまた、初回投与後4週間ごとに行われる。huAb1に対する応答は、測定可能な疾患に関してRECISTを用いて評価される。
【0181】
患者は、最良の全体的腫瘍応答(完全寛解[CR]、部分寛解[PR]、安定疾患[SD]又は進行性疾患[PD])に従って分類され得る。適切であれば、最良の全体的腫瘍応答によって層別化された、患者の頻度、比率、及び正確な95%CIが計算される。少なくとも4週間(28日間)の持続時間を有するCR又はPRの最良の全体的腫瘍応答を有する患者は、客観的腫瘍応答を有するものとして更に分類される。
【0182】
患者は、RECIST及び腫瘍体積スコアによって応答について分類される。腫瘍体積スコアは、以下の定義に従って応答を分類する:完全寛解[(CR);治療サイクル後に完全に消失した病変]、部分寛解[(PR);ベースラインと比較して体積スコアの)≧50%の減少]、進行性疾患[(PD);ベースライン時又は他の訪問時であろうと、治療中の最低スコアと比較して体積の≧30%の増加]又は安定疾患[(SD);スコアに基づく従前の基準の何れかを満たしていない]。
【0183】
応答の持続時間は、全体応答(CR又はPR)の最初の文書化から疾患の進行の最初の文書化までの日数として計算される。
【0184】
実施例4:色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)/びまん性腱滑膜巨細胞腫(dt−TGCT)を有する患者における第I/II相臨床試験の要約
色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)及び、びまん性腱滑膜巨細胞腫(dt−TGCT)の一方又は両方を有する患者において、huAb1(FPA008としても知られる)を用いて第I/II相臨床試験が実施される。第I相の目的は、患者におけるhuAb1の推奨用量を決定することであり、第II相は、患者におけるhuAb1の客観的奏功率(ORR)を推定するために行われる。ORR=完全寛解(CR)+部分寛解(PR)。この研究はまた、患者におけるhuAb1の安全性及び耐性を特徴付けるとともに、応答する患者における応答の持続時間を決定し、患者におけるhuAb1の薬物動態を評価する。更に、この研究は、CSF1、IL34、TRAP5b、CTx、及び全血CD14
+/CD16
+単球サブセットの血清レベルの変化によって測定されるhuAb1の薬力学を評価し;CSF1、CSF1R及びCD68について免疫組織化学(IHC)により滑膜生検を評価し;huAb1濃度及び細胞型の変化について滑液を評価し;そして、PVNS用に特別に開発されたOgilvie−Harrisスコアにより(Ogilvie-Harris, 1992; Rhee, 2010)及びEQ−5D−5Lスコアにより(Rabin, 2001; Herdmann, 2011)測定された機能的アウトカムを評価するであろう。
【0185】
第I/II相研究は非盲検であり、患者は何れかの相に登録されるが、両方に登録されることはない。患者は28日サイクルで2週間毎にhuAb1で治療される。治療は1回の28日サイクル後に継続することができる。例えば、初回投与サイクルは、安全性及び薬物動態学的評価のために使用されてもよいが、患者は、例えば、1,2又は3回の、追加の28日サイクルの延長治療期間に、又は疾患の進行まで(24週間前の場合)、許容できない毒性まで、患者若しくは医師の中止の決定まで、又は研究の終了まで参加することができる。
【0186】
第I相では、3人の患者が3つのコホートのそれぞれに登録され、コホートはそれぞれ1mg/KgのhuAb1,2mg/KgのhuAb1又は4mg/KgのhuAb1を投与された。更なるコホートが追加れ得、中間体の3mg/KgのhuAb1コホートが追加され得る。最大耐量(MTD)が第I相で同定されたものと仮定して、用量漸増が4mg/kgより高く継続する場合、第II相の推奨用量(RD)は最大耐量(MTD)である場合とそうでない場合があり得るが、MTDよりも高くはないであろう。第II相研究は、第I相の結果から選択される用量、又は4mg/kg以下であると予想される用量に基づく。第II相用量は、安全性、忍容性、客観的奏功、PK、PD及び非臨床データから外挿された有効曝露の推定値に基づいて同定されるであろう。
【0187】
第II相研究期間は24週間であり、30人の患者が関与する。
【0188】
治療された患者は18歳以上であり、有資格の外科医又は複数の専門分野の腫瘍委員会によって決定されるように、容認できない機能的喪失又は罹患をもたらすであろう、手術不能なPVNS/dt−TGCT又は潜在的に切除可能な腫瘍の組織学的に確認された診断を有する。患者は、MRIでRECIST1.1によって測定可能なPVNS/dt−TGCTを有し得る。
【0189】
治療された患者は、不耐性のために中断されない限り、抗CSF1R抗体又はPLX3397による先行治療を受けていない。しかし患者は、イマチニブ又はニロチニブを用いた先行治療を受けている可能性がある。患者は、初回研究用量の投与の前の12週間以内に、罹患関節の外科手術を受けていない。
【0190】
患者において薬物動態パラメーターが評価されるであろう。以下のPKパラメーターは、適切かつ適用可能な場合、FPA008の濃度−時間データから導出されるであろう(蓄積率や半減期などの他のパラメーターも計算され得る):血清濃度−時間曲線下面積(AUC);最大血清濃度(C
max);最小血清濃度(C
min);クリアランス(CL);定常状態での分布容積(V
ss)。
【0191】
薬力学的(PD)パラメーターもまた評価される:血清−CSF1及びIL34リガンド濃度、CTx、及びTRAP5b骨吸収マーカー濃度;全血−CD14
+/CD16
+単球サブセット;滑膜(任意)−CSF1遺伝子転座について滑膜生検を評価する(以前に行われていない場合)、ベースライン及び治療滑膜生検で、IHC:CSF1及びCSF1Rについて、及び/又はCD68について;滑液(任意)−huAb1濃度;IHCによる上記マーカーの細胞成分。
【0192】
免疫原性は、例えば、血液試料を採取し、huAb1に対する抗薬物抗体について試料をアッセイすることによって評価される。
【0193】
応答性は、例えば以下のように評価される:罹患した関節のMRIは、治療の開始後、4、8、及び16週間のスクリーニングで(又は治療中止まで)行われる。MRIごとの応答は、RECIST1.1及び独立した中央放射線医学審査に基づくTVSを使用して評価されるであろう。更に、良好な腫瘍奏功率がある場合、周囲の骨及び他の関節組織の変化は、全臓器MRIスコア(WORMS)及び関節リウマチMRIスコア(RAMRIS)に基づいて評価され得る。スクリーニング、C1D15(投与前)、C2D1(投与前)、次いで24週間のその後の全てのサイクルの1日目(投与前)に、又は治療が中止されるまで、健康アウトカム(機能、症状)の臨床評価が行われるであろう。治療完了/早期終了時に進行しておらず、研究への参加を継続することに同意した患者は、進行まで14(±2)週ごとに追跡されるべきであり(MRI及び健康アウトカムの評価)、C1D1後52週間まで、患者は局所療法(例えば、切除、放射線)を受けるか、又は新たな全身療法が開始される。
【0194】
有害事象、身体検査、バイタルサイン、12誘導ECG、臨床検査測定の変化を監視することにより、安全性を評価する。
【0195】
全ての分析は記述的であり、用量群及び必要に応じて全体として提示されるであろう。第2相からの患者データは別のグループとして要約されるであろう。RDで投与された全ての患者も要約されるであろう。より低い用量レベルで登録され得る患者の数が少ないため、幾つかの用量レベルを要約のためにまとめることができる。有効性データの欠損値は、欠損として扱われ;有効性のデータは帰属されない。
【0196】
この研究で収集されたデータは、要約表と患者データのリストを使用して提示されるであろう。連続変数は、記述統計値、具体的には平均値、中央値、標準偏差(SD)、最小値、及び最大値を使用して要約されるであろう。カテゴリー的な変数は頻度とパーセンテージで要約されるであろう。95%の信頼区間が必要に応じて提示されるであろう。奏功率及び対応する信頼区間(CI)が、有効性を利用可能にするために使用さるであろう。全体で約33から36人の患者がRDで治療されるであろうことが予想される。表6は、対応する95%信頼区間、並びに様々な症例数及び観察された奏功率についての精度を示す。PKパラメーターは、非コンパートメント分析法を用いて計算されるであろうが、適切であれば区分分析方法を用いることも可能である。
【0197】
実施例5:色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)/びまん性腱滑膜巨細胞腫(dt−TGCT)を有する患者における第I/II相臨床試験
1. 序論
1.1. PVNSの背景
色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)は、コロニー刺激因子−1(CSF1)が過剰発現する反応性炎症及びクローン新生物増殖の両方の特徴を有する滑膜の良性腫瘍である。CSF1遺伝子(1p13)のCOL6A3プロモーター(2q35)への一般的な転座は、PVNS患者の約60%に存在する。転座は、滑膜におけるCSF1の過剰発現を伴う。更に、PVNS患者の約40%は、同定されたCSF1転座がない場合にCSF1過剰発現を有する。PVNS及び反応性滑膜炎の全ての症例におけるCSF1過剰発現の一貫した存在は、滑膜病理学のスペクトラムにおけるCSF1の重要な役割及びCSF1/CSF1R相互作用を治療的に標的化する有用性の両方を示唆している(West,2006)。
【0198】
PVNSにおいて、CSF1の過剰発現は滑膜細胞の少数に存在するが、大部分の細胞浸潤物はCSF1Rを発現するがCSF1は発現しない。これは、腫瘍性細胞における異常なCSF1発現を伴う腫瘍景観効果(tumor-landscaping effect)として特徴付けられ、塊を形成する非新生物細胞の異常な蓄積をもたらす。
【0199】
外科手術は、局所化されたPVNSを有する患者のための最適な治療である。再発は患者の8‐20%で発生し、再切除により容易に管理される。PVNS/dt−TGCTはより頻繁に再発する傾向があり(33‐50%)、より高悪性度の臨床経過を有する。患者はしばしば症候性であり、生涯にわたって複数の外科手術を必要とする。切除不能な疾患又は複数回の再発を有する患者のために、CSF1R阻害剤を使用する全身療法は、外科手術の遅延又は回避を助け、機能的アウトカムを改善するのに役立ち得る(Ravi,2011)。
【0200】
CSF1Rの非特異的阻害剤であるイマチニブ(Imatinib)は、29人のPVNS患者において評価を受けている。年齢の中央値は41歳であり、最も一般的な疾患部位は膝であった(n=17;59%)。27名の評価可能な患者のうち5名は、19%の全体的な奏効率について、RECIST(固形癌効果判定基準)あたり完全(n=1)又は部分(n=4)の応答を示した。27人の患者のうち20人(74%)が安定した疾患を有していた。症状の評価が可能な患者22人中16人(73%)において症状の改善が認められた。症状の改善率が高く、全体的に好ましい安全性プロファイルであったにもかかわらず、10人の患者が毒性又は他の理由のどちらかのために治療を中止した(Cassier,2012)。
【0201】
最近、CSF1シグナル伝達の強力な阻害剤に関する2つの研究が、PVNS患者における予備的ではあるが説得力のある臨床活性を示している。CSF1Rキナーゼ阻害剤であるPLX3397、及びCSF1Rを標的とするモノクローナル抗体であるRG7155がPVNS患者において評価されている(Cassier,2014; Tap,2014)。両方の研究において、PVNS患者の大部分は、RECIST、FDG−PET、及び/又はMRIによる疾患体積の尺度である総体積スコアに基づく治療に応答した。
【0202】
PVNSでは、少数の細胞によるCSF1の過剰発現は、腫瘍塊の大部分を構成するCSF1R発現細胞の動員につながる。FPA008は、CSF1R活性化に拮抗し、腫瘍中のCSF1R発現細胞の減少をもたらし、それによって臨床的利益を提供するべきである。
【0203】
1.2. FPA008:分子の説明
FPA008とも呼ばれるHuAB1は、ヘミ二量体交換を防止するために、ヒンジ領域に単一のアミノ酸置換を有するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。FPA008は、受容体チロシンキナーゼであるヒトコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に対して高い親和性で結合する。
【0204】
1.2.1. FPA008を用いた非臨床研究
1.2.1.1. CSF1Rシグナル伝達のFPA008阻害
FPA008は、CSF1R(CHO−CSF1R)を過剰発現するように操作された細胞系において、CSF1及びIL34誘導性CSF1Rリン酸化を阻害し、FPA008がリガンド誘導性CSF1Rシグナル伝達経路の活性化を阻害することを実証する。FPA008はまた、CSF1及びIL34誘導性の末梢血単球の増殖/生存をインビトロで阻害し、FPA008がCSF1及びIL34シグナル伝達経路の開始だけでなく、これらのリガンドに対する初代ヒト単球のその後の生理的応答も阻害することを実証した(詳細については、FPA008 Investigator’s Brochure[IB]を参照)。
【0205】
1.2.2. 非臨床薬物動態及び薬力学
1.2.2.1. 薬物動態
FPA008の薬物動態(PK)及び毒物動態(TK)は、カニクイザルにおける4回の静脈内(IV)研究で調査されている。研究された用量範囲は、単回静脈内ボーラス投与後に3−150mg/kg、及び反復静脈内ボーラス投与後に3−150mg/kgであった。注入時間は30分であった。反復投与研究での投与間隔は1週間に1回であり、各動物は2つの研究において、計4回の投与、1つの研究において計13回の投与を受けた。
【0206】
カニクイザルにおけるFPA008の1回のIVボーラス投与後のPKプロファイルは、標的介在性クリアランスと一致して、急速な分布、続いて、血漿からのFPA008の加速された枯渇で終了する遅い終末期によって特徴付けられた。
【0207】
この急速な減少は、標的介在性クリアランスに加えて、抗FPA008抗体に一部起因する可能性がある。しかしながら、ADA応答を開始する能力を欠いているSCIDマウスにおけるcmFPA008の単回用量投与は、同様のプロフィールを示し、特に低用量で、FPA008の総クリアランスに対する標的介在性クリアランスの寄与を支持していた。
【0208】
観察された最大血漿濃度(C
max)は、試験した全ての用量レベルで用量に比例して増加したが、無限に外挿された時間ゼロからの血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC∞)の増加は、3mg/kgから10mg/kgの用量比例よりも大きく、10mg/kgから150mg/kgの用量比例であった。加速された終末期の減少の前の半減期(t
1/2)は1−12日の範囲であり、総クリアランスは0.14−1.25mL/h/kgの範囲であった。要約すると、FPA008は、カニクイザルにおいて飽和可能な標的介在性クリアランスを有する。
【0209】
1.2.2.2. 薬力学
CSF1R阻害によってインビボで調節されることが知られている様々な薬力学(PD)マーカーに対するFPA008の効果を、3つのカニクイザの研究で調べた(詳細はIBのセクション5.1.1.7に記載されている)。これらのマーカーには、CSF1、CD16
+単球、及び骨吸収マーカーが含まれる。IL34は、適切なアッセイの欠如のためにサルにおいて測定されなかった。
【0210】
CSF1レベル:CSF1の血漿又は血清レベルは、FPA008標的結合の尺度である。CSF1は、CSF1R媒介性エンドサイトーシス及び細胞内分解を介して、正常な生理学的条件下で、マクロファージ(主に脾臓マクロファージ及び肝臓クッパー細胞)によって循環から除去される(Bartocci,1987)。正常個体におけるCSF1の定常状態レベルは<1ng/mlである。FPA008はCSF1Rに結合しCSF1が除去されるのを防ぎ、循環CSF1濃度の大幅かつ急速な増加をもたらし、その後CSF1レベルは約10μg/mlの新しい定常状態に達する。パイロット毒性研究において、血漿CSF1及び血漿FPA008の試料を、カニクイザルにおいて4週間週1回投与後にトラフで(投与後7日)得た。データは、最小の生物学的効果が5μg/mLのFPA008で生じ、半最大応答(EC
50)が8μg/mLのFPA008であることを示している。FPA008はCSF1を上昇させるが、FivePrimeはこれらの上昇は影響を与えないと考えており、その理由は以下である:
・ CSF1Rは、それを介してCSF1がシグナルを送る唯一の同定された受容体であり、これはFPA008によって拮抗される。
・ CSF1のレベルは、FPA008のクリアランスと同時に低下する。
・ FPA008の存在下で、CSF1が上昇すると、極端に高濃度のCSF1がCSF1RからFPA008を置換する可能性が、FPA008細胞効力アッセイで評価された。データは、10μg/mLもの高い濃度のCSF1は、FPA008効力又はCSF1Rシグナル伝達の最大阻害に影響を与えないことを示した。
・ 前臨床のインビボ研究でFPA008が除去されると、CD16
+単球のリバウンド増加は観察されなかった。
【0211】
CD16
+単球:GLP毒性研究において、CD16
+単球は、インビボでのこの単球亜集団の増殖及び維持を支持するために必要なCSF1R経路と一致して、50mg/kg又は150mg/kgのFPA008の4回の週1回のIV注入を受けたサルで減少した。CD16
+単球の減少は投薬1週間以内に起こり、投薬及び曝露期間を通して持続した。FPA008が消失した後、CD16
+単球は正常ベースラインレベルに回復した。CD16
−単球の亜集団は、FPA008の投与によって影響を受けなかった。
【0212】
骨吸収マーカー:FPA008を反復投与した後のサルにおいて、骨吸収の血漿及び尿マーカーを評価した。尿NTX、血漿CTx及びTRAP5bは全て減少した。効果はFPA008のクリアランス時に可逆的であった。
【0213】
1.2.3. 非臨床毒性研究及び結果
非臨床毒性研究の詳細は、IBのセクション5.3に与えられる。全ての毒性研究は、FPA008はげっ歯類に対して交差反応性ではないが、カニクイザル及びヒトCSF1Rに対する類似のインビトロ結合親和性と、ヒトとカニクイザルの組織のパネルを比較する組織交差反応性研究において類似の組織結合プロフィールとを示すため、カニクイザルで実施された。FPA008を用いて4つの非臨床的インビボ毒性研究を行った:3、10、30、及び150mg/kgの用量を用いた単回用量薬物動態学的(PK)/忍容性研究、3、10、及び150mg/kgの4回の週1回のIV用量を用いた用量範囲検索反復用量毒性研究、50mg/kg及び150mg/kgの4回の週1回のIV用量を用いた、30週間の回復期を有する反復投与GLP毒性研究、並びに20、50、100mg/kgの13回の週1回のIV用量を用いた、29週間の回復期を有する亜慢性反復投与GLP毒性研究。
【0214】
カニクイザルにおけるインビボ毒性研究では、FPA008は一般的に良好な耐容性を示した。試験記事関連の知見には、臨床観察、血液学及び臨床化学変化、並びに組織学的変化が含まれた。これらの観察の大部分は非有害であるとみなされた。
【0215】
1.2.3.1. 眼窩周囲浮腫
最も顕著な身体的所見は、FPA008に長時間暴露した後に見られる可逆性眼窩周囲浮腫であった。浮腫の発症は、曝露レベルとは明確な関係を示さなかったが、薬物の全身クリアランス後に浮腫は消散した。眼窩周囲浮腫は、CSF1経路に影響を及ぼす薬剤による既知の副作用である(Ries, 2014)。
【0216】
1.2.3.2. 単球枯渇
主要な血液学的変化は、循環CD16
+単球の減少であり、薬力学的(PD)効果と考えられた。減少した細胞数は、循環からのFPA008のクリアランスにより正常化された。
【0217】
1.2.3.3. 酵素の上昇
FPA008に関連した臨床化学作用には、可逆的に増加したアラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、及びクレアチンキナーゼ(CK)の血清レベルが含まれる。これらの臨床検査値の異常は、終末期又は回復期の剖検時の肝臓、心臓、又は筋組織の傷害の任意の組織病理学的証拠とは関連してなかった。心筋トロポニン、骨格トロポニン、ミオグロビン、及びアルドラーゼもまた、研究の生存中の部分の間に測定され、これらのパラメーターの何れにも変化は検出されず、肝臓又は筋肉傷害の欠如が更に確認された。血清レベルの上昇は、肝臓クッパー細胞の数の減少による血清からのALT、AST、及びCK分子のクリアランスの減少に起因する(Radi,2011)。従って、ALT、AST、及びCKの上昇は、FPA008曝露の非毒性の間接的PD効果と考えられる。
【0218】
1.2.3.4. 細胞外マトリックスの蓄積
終末期剖検における両方の重要な研究における最も注目すべき組織病理学的知見は、透明な空間による粘膜下コラーゲン繊維の可逆的伸張、及び様々な量の青い粒状細胞外マトリックス(ECM)の観察であった。この知見は、多種多様な組織に存在し、一般的に軽度から軽度の重症度であった。それは、食道で最も顕著に見られた。この変化は、炎症細胞と、又はコラーゲン線維、線維芽細胞、又は増殖の領域内の平滑筋細胞の変性若しくは他の変化の任意の徴候と関連していなかった。機能的CSF1を欠くop/opマウスにおいても同様の観察が認められた(Radi,2009)。この出版物において、著者らは、組織マクロファージの減少は、マクロファージによるグリコサミノグリカンのクリアランスの減少に起因して、ECMの観察された蓄積を引き起こす可能性があると仮定した。グリコサミノグリカン、特にヒアルロン酸は、結合組織において顕著であり、マクロファージによって正常に代謝される(Radi,2009)。この変化は、FPA008の間接的なPD効果であると考えられる。青い粒状ECMの蓄積が有害であるという証拠はなかった;組織病理学的知見に相関する関連する臨床的観察又は臓器重量の変化はなかった。加えて、ECMにおけるこれらの変化は、薬物を使わない回復期間中に可逆的であり、従って、非有害であると考えられた。
【0219】
1.2.3.5. その他の知見
4週間のGLP研究に独特であったのは、150mg/kgを投与した単独の雌における知見であった。心外膜の軽度の炎症及び心筋細胞の空胞化の終末期犠牲の(terminal sacrifice)顕微鏡的証拠が見られた。この知見の意義は不明であるが、FPA008との関連性を排除することはできない。慢性の軽度の心外膜炎症は、非ヒト霊長類における背景病変であり得る。しかし、細胞の空胞化は、有害な刺激に対する非特異的な細胞応答の初期の兆候であり得る。筋細胞の空胞化は、他の投与された動物の何れにも見つからなかった。この空胞化は変性又は壊死に至らず、記録されたECGに変化をもたらさなかったことに注意することが重要である。回復期又は13週間の毒性研究において、何れの動物においても心臓の変化は検出されなかった。この事象は、4週間の毒性研究において有害な結果であると考えられた。
【0220】
また、4週間の研究では、脾臓臓器の重量が増加し、雌動物における最小から軽度の濾胞過形成の対応する組織病理学的所見が得られた。この知見は、毒性学的に有意でないこと及び非有害であると考えられ、13週間の毒性研究では脾臓過形成は見られなかった。
【0221】
マクロファージが病原体を貪食してそれらを破壊するので(Dale, 2008)、FPA008による治療は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、リーシュマニア(Leishmania)、その他などの細胞内病原体に対する感受性の増加したリスクと関連し得る。自発的な感染はこれまでにFPA008の動物実験で指摘されていないが、臨床研究プロトコールは、最もリスクの高い患者に対する除外基準を含むであろう。患者は、研究中に有害事象及び感染について定期的に監視される。
【0222】
1.2.3.6. 要旨
FPA008についての無毒性量(NOAEL)は、カニクイザルに13回の週1回の用量で投与した場合、100mg/kgであると判定された。
【0223】
FPA008による臨床経験
FPA008は、安全性、薬物動態学(PK)、及びPDバイオマーカーを研究するために、現在、3つの部分で設計された、二重盲検、無作為化、プラセボ対照初回ヒト試験で評価されている。第1部では、8人の健常ボランティアが無作為化(3:1)され、0.2、1、3、又は10mg/kgの用量コホートにつきFPA008又はプラセボの単回静脈内注入を受けた。第2部では、8人の健常ボランティアが無作為化(3:1)され、FPA008又はプラセボの2つの用量を14日間隔で1mg/kg又は3mg/kgで受けた。用量漸増の決定は、用量制限毒性(DLT)にDLT期間を過ぎた起因する有害事象を加えた発生率に基づいていた。第3部は、疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)に反応せず、継続してメトトレキサートを服用しているRA患者における3つの用量レベルの非盲検評価からなる。非盲検部分で、用量レベルあたり3人の被験体が、14日間隔で静脈内に投与されるFPA008の2つの用量を受けるであろう。その後、30人の新規被験体が、FPA008又はプラセボの2つの用量レベルのうちの1つにそれぞれ無作為化(2:2:1)され、14日間毎に静脈内投与される3つの用量を受けるであろう。臨床安全性データは、第3部の患者のためにまだ利用できない。
【0224】
48人の健常ボランティアが第1部と第2部を完了した。これらの被験体のうち36人がFPA008を受け、12人がプラセボを受けた。FPA008は、健常ボランティアで3mg/kgの二重用量まで良好な耐容性を示した。最も一般的なFPA008の治療関連毒性は、顔面腫脹、疲労、及び頭痛とともに、かゆみ、眼瞼浮腫であった。事象は、グレード1又は2であり、自己限定的であった。10mg/kgでは、6名全ての活動性被験体が中程度(グレード2)の眼瞼浮腫又は顔面腫脹を経験し、一部は手足の腫脹、かすみ目、及び体重増加を伴った。事象は最大3ヶ月間持続し、この用量レベルでの長期のPK曝露と一致した。用量制限毒性のプロトコール定義に合致する有害事象はなかった。
【0225】
CKの正常上限の6.8倍までの、及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の正常上限の2.2倍までの用量依存的な上昇が1mg/kg以上で認められ;正常上限の2.1倍までのASTの上昇が3mg/kg以上で生じ、用量の増加に伴ってより多くの割合のボランティアで生じ;1人の被験体で10mg/kgで正常上限の1.2倍までのALTの軽度の上昇が生じた。ピーク値は、薬物投与後2−8週間で生じ、典型的には12週間までに正常化した。これらの上昇は、総ビリルビン、CKアイソザイム、又はトロポニンの臨床的徴候/症状又は異常に関連していなかった。それらは可逆的であり、それらのクリアランスの原因となるKupffer細胞のFPA008媒介性阻害のために期待され(Radi、2011)、組織傷害を表すよりもむしろCSF1Rを阻害する薬理学的効果であると考えられる。
【0226】
この研究で観察された有害事象プロファイルは、CSF1R経路を標的とする他の化合物で報告されているものと比較的類似している(Cassier, 2014; Tap, 2014)。
【0227】
FPA008は、試験した用量範囲において飽和可能な標的介在クリアランスを示した。健常ボランティアで観察されるPK特性は、所望の薬物曝露を維持するために、FPA008を、2週間に1回又はそれより少ない頻度で投与することを支持している。CD16
+単球の減少、骨代謝回転マーカー(CTx、TRAP5b)の減少、並びに血清CSF1及びIL34濃度の用量依存的増加が観察された。
【0228】
1.4. リスク・ベネフィット評価
健常ボランティアにおけるFPA008の安全性、PK、及びPDは、一般に、FPA008の非臨床毒性研究に基づいて予測された。毒性研究のより詳細は、IBに与えられる。
【0229】
非臨床毒性研究において、FPA008は、動物において、最大100mg/kgの高用量で、最大13回の週1回の用量で良好な耐容性を示した。PD効果(CSF1及びCD16
+単球)は、有害事象又は異常な検査所見と関連するものよりもはるかに低い薬物曝露レベルで生じた。
【0230】
マウスモデルから、CSF1及びIL34シグナル伝達の中断に関連する薬理学的に媒介される毒性の潜在的リスクを評価する証拠は、CSF1、IL34、又はCSF1Rの欠失が非致死的であることを示した。CSF1が欠損したマウスは、骨の破骨細胞の喪失を示し、出生時に幾つかの骨髄細胞の欠損を示し(Yoshida, 1990);IL34が欠損したマウスは、表皮中のランゲルハンス細胞及び脳の幾つかの領域におけるミクログリアを欠いており(Wang, 2012; Greter,2012);CSF1Rが欠損したマウスは、骨粗鬆症、並びにランゲルハンス細胞及びミクログリアの欠損の両方を示す(Hamilton、2013)。
【0231】
FPA008のCSF1Rへの結合は、FivePrimeで実施された実験で示されるようにアゴニスト効果を生じない(詳細はIBで提供される)。更に、FPA008はIgG4抗体であり、インビボ試験により、特異的抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)又は補体依存性細胞傷害(CDC)活性がないことが確認された。
【0232】
PVNSは、ほとんどの患者の局所的介入によって管理されるが、一部の患者は、手術若しくは他の利用可能な治療法によってうまく管理されない慢性若しくは再発性の疾患に罹患しているか、又はそれらを有する。イマチニブは少数の患者で有効であるが、その有用性を制限する幾つかのオンターゲット及びオフターゲット毒性を有する。特定のCSF1R阻害剤の予備的報告は、FPA008が、衰弱性疾患であり得る非外科的PVNSの有益な治療法であり得ることを示唆している。
【0233】
2. 研究の目的及びエンドポイント
2.1. 第一の目的
第1相:PVNS/dt−TGCTを有する患者におけるFPA008の推奨用量(RD)を決定する
【0234】
第2相:PVNS/dt−TGCTを有する患者におけるFPA008の客観的奏効率(ORR=CR+PR)を評価する
【0235】
2.2. 第二の目的
PVNS/dt−TGCTを有する患者におけるFPA008の安全性及び忍容性を特徴付ける
【0236】
応答する患者における応答の持続期間を決定する
【0237】
PVNS/dt−TGCTを有する患者におけるFPA008の薬物動態を評価する
【0238】
2.3. 探索目的
CSF1、IL34、TRAP5b、CTx、及び全血CD14
+/CD16
+単球サブセットの血清レベルの変化によって測定されるFPA008の薬力学を評価する
【0239】
選択された患者のCSF1、CSF1R及びCD68マーカーについて免疫組織化学(IHC)によって滑膜生検を評価する
【0240】
選択された患者のFPA008濃度及び細胞性の変化について滑液を評価する
【0241】
PVNSのために特別に開発されたOgilvie−Harrisスコアにより、及びEQ−5D−5Lスコアにより測定した機能的アウトカムを評価する
【0242】
2.4. 主要研究評価項目
第1相:グレード3及びグレード4の有害事象(AE)の発生率並びに用量制限毒性(DLT)として定義される臨床検査異常
【0243】
第2相:RECIST 1.1による確認された客観的奏効の発生率
【0244】
2.5. 副次評価項目
PKパラメーター
【0245】
AEの発生率、臨床検査異常、及びECG異常
【0246】
RECIST 1.1による応答の持続時間
【0247】
2.6. 探索的評価項目
PDパラメーター
【0248】
PVNSのために特別に開発されたOgilvie−Harrisスコアにより、及びEQ−5D−5Lスコアにより測定した症状及び機能的アウトカム
【0249】
3. 研究の全体的な設計及び計画
3.1. 概要
これは第1/2相の研究である。第1相は、FPA008の用量漸増、非盲検、安全性、忍容性、PK、及びPD研究である。患者は研究の第1相又は第2相の何れかに登録されるが、両方に登録されることはない。
【0250】
登録された患者は、28日サイクルで治療される。各サイクルは、1日目と15日目の2用量からなる。
【0251】
3.1.1. スクリーニング期間
全てのスクリーニング評価は、FPA008の最初の注入(付録1)の前に患者が全ての適格基準を満たしていることを確認するために、治験責任医師及び医療モニターによって完了され、再検討されなければならない(付録1)。研究に特有のスクリーニング検査又は手順を行う前に、研究に参加するためのインフォームドコンセントを取得しなければならない。スクリーニング評価は、特に明記しない限り、FPA008の初回投与の前の28日以内に行われるであろう。
【0252】
インフォームド・コンセントフォームの署名後及び最初のFPA008用量の投与前に生じる研究手順関連のAEは、この期間中に収集されるであろう。
【0253】
3.1.2. 第1相(用量漸増)
用量漸増は、MTD又は最大実現可能用量に達するまで継続し、各コホートには最低3人の患者が登録されるであろう。予想される用量レベル及びスケジュールは以下のとおりである:用量レベル1:1mg/kg q2w;用量レベル2:2mg/kg q2w;用量レベル3:4mg/kg q2w。
【0254】
全ての用量漸増決定は、DLT、全体的な安全性及び忍容性の評価に基づいており、各コホートに登録された最後の患者が最初の治療サイクルを完了した後に行われるであろう。用量漸増の決定は、治験責任医師とスポンサーとの間で合意されるであろう。新しい用量レベルを開始するか、又は既存の用量レベルを増やす前に、治験責任医師とスポンサーが、人口統計、FPA008投薬、併用薬、血液学及び血清化学、並びにAEを含むがこれらに限定されない患者データを再検討する、安全に関するテレビ会議が開催され;協議し、用量漸増又は既存用量レベルを増やすことが適切であるとの合意を文書化する。スポンサーと治験責任医師が、安全性及び薬物動態学的データの再検討に続いて、異なる用量漸増スキームを使用すべきであると合意した場合、これは許可されるであろう。安全性、PK及びPDパラメーターの再検討は、最適な標的曝露に達するために、代替の用量レベル又は用量レジメン(例えば、より少ない頻度での投薬又は負荷用量による)を有するコホートを加える決定を通知することができる。
【0255】
次のアルゴリズムが、用量漸増の決定に使用されるであろう。
【0256】
MTDは、28日サイクルの1日目及び15日目に投与されたFPA008を受けた患者の33%未満のDLTに関連する最高用量として定義される。これは、通常、更なる研究に推奨される用量(RD)である。しかし、安全性とPKデータの再検討に基づいて、RDはMTDより低くなる可能性がある。MTDに達しておらず、最も評価されたFPA008の用量が良好な耐容性を示す場合は、データは再検討され、更なる用量漸増が正当かどうかを評価する。更なる用量漸増が適切であると考えられる場合には、プロトコールを修正することができる。
【0257】
第1相の最中にMTDに達していない場合、又は第1相でのその後の治療サイクルで安全性プロファイルにおいて更なる洞察を提供する場合、RDは、全体的な忍容性、安全性、及びPKに基づいて選択することができる。
【0258】
毒性以外の理由(例えば、疾患の進行又は同意の撤回)で患者が2用量を受けず、サイクル1の安全性及びPK評価を完了しない場合、コホートがサイクル1を通して忍容性について評価可能な少なくとも3人の患者を有するように、追加の患者がコホートに登録されるであろう。そのような議論や決定は全て、用量漸増の意思決定プロセスの一環として文書化されるであろう。
【0259】
各患者の開始用量を超える患者内用量漸増は許可されない。
【0260】
有害事象のために患者の用量が減少した場合、AEの解消後並びにスポンサーとの協議及び承認後に、最初に割り当てられた用量への用量漸増が起こり得る。AEがグレード2以上に再発すると、再漸増の機会を持たない恒久的な用量の減少をもたらすであろう。
【0261】
サイクル1(安全性及びPK評価期間)の完了時に、第1相の患者は、サイクル2の1日目から開始される延長治療期間に参加することができる。FPA008は、薬物供給の可用性に制限、又はスポンサーがFPA008を提供することを妨げる可能性のあるその他の問題がないと仮定すると、最大24週間まで、又は疾患の進行(24週間前の場合)、許容できない毒性、患者若しくは医師の中止の決定、死亡、又は研究のスポンサー終了まで、4週間のサイクルで2週間ごとに投与されるであろう。
【0262】
3.1.3. 第2相
第2相における登録は、全体的な安全性、忍容性、客観的対応、PK、PD、及び非臨床データから外挿された有効な曝露の推定値に基づいて、RDがCRCによって特定された時点で開始されるであろう。RDは、≦4mg/kgであると予想される。しかし、PVNS/dt−TGCT患者が健常ボランティアに対して異なる薬物曝露を有する可能性がある。MTDが第1相で特定される場合、用量漸増が4mg/kgより高く継続する場合、RDはMTDである場合もあれば、そうでない場合もある。例えば、MTDに達していない場合、又はMTDでの曝露が有効性のために必要であると考えられるレベルよりもはるかに高い場合、又はその後の治療サイクルが安全性プロファイルにおいて更なる洞察を提供する場合、RDはMTDよりも高用量ではないが異なる用量であり得る。
【0263】
治療は、2週間ごとに24週間まで(12用量以下)又は疾患の進行まで継続する予定である。
【0264】
患者が、MRIにより安定した測定可能な疾患又はそれ以上である安定した又は改善する症状を持っているように見えるが、耐え難い又はグレード3以上の有害事象を抱えて場合、スポンサー契約では25−50%の用量の減少が認められる。
【0265】
3.2. 手順
患者は、安全性評価(DLT及び他のAE、バイタルサイン、ECG、臨床検査)、ECOGパフォーマンスステータス(PS)の決定、及び身体検査を受けるであろう(付録1)。更に、全ての患者のPK及びPD分析のために血液サンプルが収集されるであろう(付録2)。
【0266】
罹患した関節のMRIは、治療の開始後、4、8、及び16週間のスクリーニングで行われる。MRIは、過去6週間以内に既に実施されていない場合、又は腫瘍の進行が以前に決定された場合を除き、30日目(±7日)と90日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問時に実施されなければならない。進行しておらず、長期フォローアップを開始した患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14(±2)週ごとにMRIを受けるべきである。MRIごとの応答は、RECIST 1.1及び独立した中央放射線医学審査に基づくTVSを使用して評価されるであろう。
【0267】
健康アウトカム(機能、症状)の臨床評価は、試験薬物の初回投与後4週間ごとに行われるであろう。
【0268】
安全性は、AE、並びに身体検査、体重、バイタルサイン、12誘導ECG、及び検査室測定の変化を監視することにより評価されるであろう。AEの評価は、国立がん研究所(NCI)−有害事象の共通用語基準(CTCAE)、バージョン4.03で提供されるガイドラインに従うであろう。研究中に血液試料も、薬物血清濃度、及び抗薬物抗体(ADA)(すなわち、FPA008に対する抗体応答)の決定のために、スケジュールされた時点で採取されるであろう(付録2)。
【0269】
利用可能なアーカイブ腫瘍組織を有し、オプションのリサーチサンプルインフォームドコンセントフォームに署名した患者では、以前に行われていない場合、組織はCSF1遺伝子転座について評価されるであろう(付録1)。更に、CSF1及びCSF1R及びCD68マーカーが決定されるであろう。
【0270】
適用されるオプションのリサーチサンプルインフォームドコンセントフォームに署名した患者の場合、FPA008治療を開始する前及び適格基準が満たされた後に、ベースラインの腫瘍組織切除(≧0.5cmから≦2cm)及び滑液(該当する場合)が患者から取得されるであろう。ベースライン組織試料は、組織が評価可能かどうかを決定するために病理学者によって再検討されるであろう。スクリーニング組織試料が評価可能である場合、その後の生検は、FPA008のサイクル2、1日目投与の前に行われるであろう(付録1)。
【0271】
研究の第1相又は第2相に登録された患者は、28日サイクルで最大24週間まで、又は疾患の進行、許容できない毒性、患者若しくは医師の中止の決定、又は研究のスポンサー終了まで、FPA008による治療を継続することができる。依然として応答(CR、PR又ははSD)しながら治療を中止する応答患者は、他の治療法がPVNS/dt−TGCTの治療のために開始されない限り、又は同意が取り消されない限り、応答の持続期間を決定するために、長期フォローアップ期間中に14(±2)週間隔でフォローアップスキャンを受けるべきである。
【0272】
全ての患者は、予定された訪問で又は中間期で撤退しているか又は撤退するかにかかわらず、3回の治療終了時のフォローアップ訪問のために診療所に戻るべきである。
【0273】
AEは、FPA008の初回用量が投与される時点から、FPA008の最終投与後90日目(±7日間)まで評価されるであろう(セクション6.2.1.1を参照)。全ての重篤な有害事象(SAE)は、インフォームド・コンセントフォームに署名した後に、最終投与後90日目(±7日)まで収集されるであろう(セクション6.2.1.1を参照)。
【0274】
3.3. 研究設計の理論的根拠
この研究の第1相構成要素は、PVNS/dt−TGCT患者におけるFPA008の安全性、PK、PD、及び予備的有効性を評価するための用量漸増、非盲検研究である。3+3の用量漸増設計は、新規な抗がん治療の初期段階の試験の標準である。
【0275】
第2相構成要素は、応答速度がCSF1Rシグナル伝達経路の他の強力な阻害剤であるPLX3397及びRG.7155について報告されたものと類似していると仮定して、約20%の精度で客観的奏効率を推定するように設計された一段階の試験である。第2相構成要素は、将来の試験のために標的集団におけるFPA008の安全性、PK、及び生物学的影響をより詳細に調査することも可能にするであろう。
【0276】
4. 研究適格性及び撤回基準
4.1. 患者と研究センターの計画数
第1相:PVNS/dt−TGCTを有する約12ー15人の患者が登録されるであろう。第1相における登録は、MTDに達するまで、又は第2相のためのRDが定義されるまで継続されるであろう。
【0277】
第2相:PVNS/dt−TGCTを有する約30人の患者が登録されるであろう。調査は、北米、ヨーロッパ、アジアの約12の治験センターで実施されるであろう。
【0278】
4.2. 研究参加のための組み入れ基準
第1相又は第2相に登録する患者は、以下の全ての組み入れ基準を満たす必要がある:
1. 研究特有の評価の前に、機関審査委員会/独立倫理委員会が承認したインフォームドコンセント形式を理解し署名する
2. 年齢≧18歳
3. 資格のある外科医又は多分野の腫瘍委員会によって決定される、許容できない機能的喪失又は罹患率をもたらすであろう手術不能なPVNS/dt−TGCT又は潜在的に切除可能な腫瘍の組織学的に確認された診断(スクリーニング中にCRFに文書化されなければならない)
4. MRIでRECIST1.1によって測定可能なPVNS/dt−TGCT
5. ECOGパフォーマンスステータス≦1
6. 全ての研究手順に従う意思と能力
7. 性的に活発な患者(すなわち、12ヶ月連続の無月経によって定義された閉経を経験していないか、又は永続的な避妊手術をした妊娠可能性のある女性、及び永続的な避妊手術をしていない男性)、2つの効果的な避妊方法を使用する意欲、そのうちの1つは、FPA008の最終投与から6ヶ月まで、物理的障壁法(コンドーム、ペッサリー、又は子宮頚部/ボルト(vault)キャップ)でなければならない。他の効果的な避妊方法は、スクリーニングの少なくとも6ヶ月前に永続的な避妊(子宮摘出及び/又は両側卵巣摘出、又は手術による両側卵管結紮、又は精管切除)である。55歳未満の女性はFSH>40であるべきである。妊娠可能性の女性患者は、研究の少なくとも90日前から安定した経口避妊薬治療又は子宮内又はインプラント装置を使用しているか、生き方として性交を避ける必要がある。
【0279】
これらの組み入れ基準の免除は認められない
【0280】
4.3. 研究参加のための除外基準
第1相又は第2相に登録する患者は、次の何れかの基準が適用される場合、除外される:
1. 抗CSF1R抗体による先行治療
2. 不耐性(すなわち、以前のキナーゼ阻害剤に対する非進行性)のために中断されない限り、PLX3397による先行治療;イマチニブ又はニロチニブによる先行治療は可能である
3. CK及び肝機能検査(ALT、AST、及び総ビリルビンを含む)、スクリーニング時にその地域の臨床検査標準値の範囲外
4. 以下のように定義される不十分な臓器又は骨髄機能:ヘモグロビン<10g/dL、絶対好中球数<1.5x10
9/L、血小板数<100×10
9/L、血清クレアチニン>1.5xULN、又はクレアチニンクリアランスの計算値<30mL/分
5. 初回研究用量投与の前12週間以内の罹患関節の任意の外科手術(実行される場合、ベースライン滑膜生検を除く)
6. 臨床的に重要な筋肉障害(例えば、筋炎)、最近の未解決の筋肉傷害、又は血清CKレベルを上昇させることが知られている任意の状態の現在又は病歴
7. 初回研究用量投与の1年前までのうっ血性心不全又は心筋梗塞の病歴
8. NYHA>クラス2の心機能の低下
9. 不安定狭心症などの制御されない、又は重大な心臓障害
10. スクリーニングでのECG上の有意な異常。スクリーニング時に男性のQTcF>450msec、又は女性のQTcF>470msec
11. MRIへの禁忌及び静脈内ガドリニウムベース造影剤の使用
12. 以前の生物学的薬剤に対する重度のアレルギー性、アナフィラキシー性、又は他の注入関連反応の病歴
13. FPA008の初回投与の28日前までの何れかの抗がん療法による治療又は治験薬による別の治療的臨床研究への参加
14. 以前の生物製剤に対するADAの既知の病歴
15. Tween20(ポリソルベート20)に対する感受性の既知の病歴
16. 低温殺菌されていない牛乳の定期的な消費、又はリステリア又は他のそのような病原体などの日和見細胞内感染への曝露の既知の重大な危険性。
17. 治療の初日の前28日以内に任意のワクチンを受けた免疫学的ワクチン応答を高めることへのFPA008の効果は知られていない。研究中はインフルエンザ又は他のワクチン接種を行うことがあり得るが、ワクチン接種の安全性と有効性へのFPA008の影響は未知である。
18. 治験責任医師の意見では、患者をCSF1R阻害剤に曝露する危険性がある、慢性の活動的な臨床的に有意な感染(ウイルス性(例えば、HBV、HCV)、細菌性、真菌性、又はその他)の現在未解決の感染又は病歴。
19. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する既知の陽性試験
20. 活動性TB
21. スクリーニング時の潜伏TBに対する陽性試験(Quantiferon試験)
22. 以前の悪性腫瘍の病歴:
・ 治療的に治療された非黒色腫皮膚悪性腫瘍
・ in situの子宮頸がん
・ 再発の証拠無しに2年以上前に治療的に治療された固形腫瘍
23. 末梢静脈アクセスの欠如又は薬物投与若しくは試験試料の収集を妨害する任意の状態
24. 治験責任医師の意見では、患者の安全性にリスクをもたらしたり、研究参加又は個々の患者の結果の解釈を妨げたりする制御不能な医学的状態又は精神障害
25. 研究及びフォローアップ手順の実施及び/又は遵守ができない。
【0281】
これらの除外基準の免除は認められない。
【0282】
4.4. 患者の離脱及び交替
患者は、治療を中止するか、いつでも研究から撤退する権利を有する。患者は、以下の基準のうちの少なくとも1つが適用されるまで、FPA008治療のサイクル(最大6サイクルまで)を繰り返し続けることができる:
・ 患者の要請又は法的に認定された代理人からの要請による同意の撤回
・ 患者の基礎疾患の進行
・ 患者に許容できない安全上のリスクをもたらすであろう事象
・ 臨床状態の評価に有意な程度で影響を及ぼし、治療の中止を要求する併発疾患
・ 研究中の任意の時点で陽性妊娠検査
・ スポンサー又はその認定代理人の特定の要請(例えば、研究が患者の安全の理由のために終了した場合)。
【0283】
FPA008の終了日及び理由は文書化され、治験責任医師は治療終了時のフォローアップ訪問を行うためにあらゆる努力をしなければならない。安全のためFPA008の最終投与から90日間(±7日)患者を追跡する。進行中の重篤な有害事象(SAE)を持つ者は、解消又は安定化のどちらかまで追跡されるであろう。
【0284】
早期に中止する患者のデータは、研究データベースの一部として残されるであろう。
【0285】
4.5. 患者の同定及び登録
患者は書面によるインフォームド・コンセントを提供し、全ての組み入れ基準を満たし、除外基準を満たしてはならない。研究に登録された患者のために、治験責任医師及びスポンサー又はその被指名者によって、組み入れ基準又は除外基準の放棄は認められないであろう。患者を登録する前に、全ての適格基準を満たす必要がある。試験の第1相に適格とされた患者は、最初に利用可能なコホートに登録されるであろう。第2相では、約30人の患者のコホートが登録されるであろう。合計で約42−45人の患者が研究に登録されるであろう。
【0286】
治験責任医師は、非適格の知見が誤りとみなされる場合、又は急性の知見が重複試験の適格基準を満たす可能性が高い場合、登録前に適格検査室検査及びバイタル/ECGを繰り返してもよい。
【0287】
5. 研究薬
5.1. FPA008製剤
本試験の治験薬はFPA008である。FPA008の治験供給はスポンサー(又は指名人)によって研究センターに提供され、訓練されたヘルスケア専門家による臨床研究で患者に投与されるであろう。
【0288】
FPA008製剤の簡単な説明を以下に示す:
・ 処方:FPA008原体は、20mMのL−ヒスチジン、142mMのLアルギニン、及び0.01%のポリソルベート20を含有するpH6.3緩衝液中の20mg/mLのFPA008からなる。
・ どのように供給されるか:FPA008製剤は、ブチルゴムストッパーとフリップアップアルミシールを備えた5mLのISO6Rタイプ1ガラスバイアルに、無菌で無色の発熱物質を含まない無菌溶液としてIV投与用に供給される。各バイアルには、FPA008の20mg/mL溶液(バイアルあたり約100mg)の最低5mLが含まれている。
・ 保存条件:2−8℃(36−46°F)。
・ FPA008バイアル及びカートンには、現地の規制に従ってラベルが貼られるであろう。
【0289】
5.2. 投与
FPA008の用量は、この研究の患者に体重に基づいて投与されるであろう。
【0290】
研究薬剤師(又はその他の責任者)は、投与のための溶液を用意するであろう。患者の体重に基づいてバイアルの数を計算した後、試験薬物が約100mLの0.9%塩化ナトリウム溶液で希釈するであろう。調製したFPA008は、調製後6時間以内(周囲温度)で投与すべきである。FPA008注入用のIV投与セットは、0.22μmのインラインフィルター又は0.22μmのシリンジフィルターを含まなければならない。FPA008は医学的管理下で、末梢静脈又は中心静脈カテーテルを介して約30分間にわたって静脈内注入で投与されるであろう。
【0291】
患者が注入の完了前に注入反応を経験する場合、注入を止めなければならず、患者は、徴候及び症状、並びに局所臨床プロトコールに従って速やかに管理されなければならないであろう。全ての徴候及び症状が解消されれば、注入はより遅い速度で再開され得る。徴候及び症状が改善されない場合は、注入を再開するべきではない。試験薬物注入の終了後、少なくとも1時間、患者は、注意深い観察下で保持されるべきである。
【0292】
全てのバイアルは一回のみの使用である。治験薬の調製及び投与に関する指示は、Pharmacy Manualに記載されているであろう。
5.3. 開始用量及び用量の変更
【0293】
第1相におけるFPA008の開始用量レベル及びコホート間のその後の用量漸増は、セクション3.1.2に記載されている。第2相におけるFPA008の用量は、研究の第1相からのデータの評価によって決定されるであろう。
【0294】
5.3.1. コホート間のFPA008の用量漸増
次のコホートへの用量漸増は、前の用量コホートがDLT期間を完了した後にのみ開始される。CRC憲章によるCRCによる用量漸増決定の可能性がある前に、少なくとも3人の安全評価可能な患者には、安全性データの28日間(DLT期間)が利用可能でなければならない。コホート内の患者が適切な安全性データを欠いている場合(例えば、研究から早期に離脱したりプロトコールのコンプライアンスが低下した状態であるなど)、追加の患者がコホートに登録されるであろう。
【0295】
各連続用量コホートにおける用量漸増は、段階的に進行するであろう。第1のコホート又は前の用量コホートについての全ての安全情報は、CRCによって再検討されるであろう。
【0296】
コホート内の2人以上の患者において用量制限毒性が生じるまで、用量漸増は継続されるであろう。用量漸増を中止する決定は、MTD又は適切な薬力学的効果を示す用量レベルに達することに基づいて、スポンサー及び治験責任医師によって共同で行われる。
【0297】
コホート1では、3人の患者が、注入によって与えられる1mg/kgのFPA008の開始用量で最初に登録されるであろう。DLT(セクション5.3.3)の発生は、その後のコホートで用量を段階的に増やすかどうかを決定するであろう。
【0298】
用量漸増決定のルールを表2に要約する。
【0299】
最大耐量
RDの選択は、臨床応答データ並びにPK及びPDプロファイルに基づく。スポンサーと治験責任医師は、最高計画用量の4mg/kgに達する前に用量の用量漸増を中止することを決定し得るか、又は安全性、PK、及びPDデータが異なる用量レベルの評価を支持する場合、より高い(>4mg/kg)若しくは中間(3mg/kg)用量を評価する可能性がある。
【0300】
MTDまでの漸増は意図されていないが、しかし、起きる可能性がある。そうであれば、MTDは、計画された28日サイクルの1日目及び15日目に投与されたFPA008を受けた患者の33%未満の、サイクル1におけるDLTに関連する最高用量として定義される。
【0301】
第1相の最中にMTDに達していない場合、又は第1相でのその後の治療サイクルで安全性プロファイルに関して更なる洞察を提供する場合、RDは、全体的な忍容性、PK、及び進行中の臨床評価から外挿された有効な曝露の推定値に応じて選択することができる。
【0302】
5.3.1.1. 最低用量レベルでの毒性
1mg/kgの初回用量レベルが予期せずMTDを超えていると判明した場合、どのように進行するかの決定は、安全性、忍容性、及びPKデータに基づいて行われ;治験責任医師とスポンサーの間で合意されるであろう。
【0303】
より低い用量レベルを次のコホートとして選択することができる。
【0304】
5.3.2. コホート内の用量漸増
開始用量を超える患者内用量漸増は許可されない。有害事象のために患者の用量が減少した場合、AEの解消後並びにスポンサーとの協議及び承認後に、最初に割り当てられた用量への用量漸増が起こり得る。AEがグレード2以上に再発すると、再漸増のない恒久的な用量の減少をもたらすであろう。
【0305】
5.3.3. 用量制限毒性
DLTは、治療のサイクル1の間に起こる次の事象の何れかとして定義され、FPA008に関連してCRCによる同意を得て治験責任医師によって評価される。適用できる場合、事象はNCI CTCAE(バージョン4.03)に従って分類されるであろう。
・ 以下を除く任意のグレード≧3関連事象:
・ 臨床的又は検査上の異常がない場合ALT、AST、又はCKの上昇について、以下のDLT定義が適用される:
・ CKに関連するDLT:CK>10×正常値の上限(ULN)
・ ALT又はASTに関連するDLT:
・ ALT又はAST>8×ULN
・ ALT又はAST>3×ULN、及び関連する総ビリルビン>2×ULN
【0306】
DLT評価期間(サイクル1)中にDLTを経験した第1相の患者は、研究治療から除外されるであろう。DLT評価期間中に用量制限とみなされるサイクル1の後のサイクルで毒性を経験している患者は、研究において研究参加を中止する必要はない。
【0307】
5.3.4. 用量変更基準
以下のガイドラインに従って、第1相のDLT期間を超えて長期間治療を受けている患者、又は第2相の任意の患者については、用量の減量が許容され得る。これらのガイドラインに該当しない用量の減量又は中断が治験責任医師によって考慮されている場合は、スポンサーとの協議と承認が必要となるであろう。
【0308】
患者は、有害事象又は他の事象のために、2回までの連続した投与(投与の間で6週間まで)を逃すことがあり、療が中断してから6週間以内に、事象が、ベースラインに戻るか、又はグレード1以下になると治験薬を再開する場合がある。有害事象のために6週間以上の追加投薬を省略すると、スポンサーが認めていない限り、患者は研究を中止する必要があるであろう。患者は、予定された休暇のため又は必要に応じて他の個人的な理由のために逃した用量を含め、研究に参加する過程で用量を逃してもよいが、しかし連続して2回用量以下である。
【0309】
サイクル2、FPA008の1日目の注入は、28日間のDLTウインドウの完了後にのみ投与することができる。その後の注入は全て、±3日のウインドウで行うことができる。患者は7日以内にFPA008の2回の用量を有するべきではない。各サイクルの初回投与は各サイクルの1日目と考えられ、治療遅延がない限り、28日ごとにサイクルが繰り返されるであろう。患者は、1日目の治療が最後の治療から6週間以内である限り、次のサイクルの1日目の治療遅延を有することができる。
【0310】
患者が、CK>5×ULNであるが<10×ULNである上昇を有する場合、付随する徴候、症状、及び更なる検査所見について治験責任医師による評価に基づいて、次回の予定された研究治療は、最後に投与された治療用量から最大28日まで延期されることができる(表3)。
【0311】
ALT又はASTの上昇の場合:
・ いつでも、ALT又はASTの上昇が、>3×ULNであり、>2×ULNの総ビリルビンの上昇を伴う場合、FPA008は保持されるべきであり、患者は安全性のフォローアップに引き込まれなければならない。
・ ALT又はASTが、>3×ULNであるが<5×ULNまで上昇し、ビリルビンは>2×ULNとならない場合、次回の予定された訪問で試験を繰り返す必要があり、ALT又はASTが持続的に高いが、依然として<5×ULNである場合、用量は最大28日まで遅延させることができる。2つの連続用量間の最小間隔は7日未満にすることはできない。
・ 患者が、ALT又はASTが>5×ULNであるが<8×ULNである上昇を有する場合、付随する徴候、症状、及び更なる検査所見について治験責任医師による評価に基づいて、次回の予定された研究治療は、最後に投与された治療用量から最大28日まで延期されることができる。
・ 患者が研究治療に起因するグレード3以上のALT若しくはASTの有害事象、又は帰属に関係なくALT若しくはASTの上昇が>8xULNを経験した場合、治験薬を中止し、患者を研究治療から撤退させるべきである。ALT又はASTの上昇が>3×ULNであり、総ビリルビンの>2×ULNの上昇を伴う患者にも治療からの撤退が起こるはずである。
【0312】
CKの上昇の場合:
・ CKの上昇>10×ULNで治療を中止する必要がある
記:表3は、上記のALT、AST、及びCK以外の有害事象に適用される。
【0313】
有害事象のために患者の用量が減少した場合、AEの解消後並びにスポンサーとの協議及び承認後に、最初に割り当てられた用量への用量漸増が起こり得る。AEがグレード2以上に再発すると、再漸増のない恒久的な用量の減少をもたらすであろう。
【0314】
5.3.5. 研究薬物注入中の用量中断
FPA008の注入は、注入中に何れかのAE≧グレード3が発生した場合に停止しなければならない。注入中に患者に気管支痙攣又は呼吸困難が起こった場合、注入を中止する必要がある。
【0315】
更に、注入中にそれほどひどくないAE(グレード1又は2)が発生した場合、治験責任医師の裁量で、注入速度を低下又は停止させることができる。グレード3以下の重度のAEが6時間以内に解消した場合、注入は前回の半分の速度で再開することができる。同じAEが再開注入中にいつでも同じ重症度で再び現れる場合、注入を中止し、治験薬の更なる投与はスポンサー(又は被指名人)との協議無しには起こらないであろう。
【0316】
患者が注入反応を経験する場合、注入の間、並びに注入後に30分毎に、最小1時間の間、そして注入反応の解消までの間、患者のバイタルサイン(体温、血圧、脈拍、及び呼吸数)を監視する必要がある。
【0317】
全身性過敏症反応は、医師の直接監督下で、治験拠点で有効な治療プロトコールに従って管理されるべきである。しかし、このようなプロトコールがない場合は、付録6で提供されている標準化された治療プロトコールを使用すべきである。
【0318】
5.4. 盲検化及び盲検解除
盲検化及び盲検解除は、これが非盲検研究であるので適用されない。
【0319】
5.5. 薬物説明責任
治験責任医師又は適切な資格のあるスタッフは、研究を通じて正確な治験薬説明責任記録を維持する責任がある。
【0320】
治験責任医師は、使用されていない治験薬をスポンサー(又は被指名人)に返却する責任があり、治験責任医師の所持品に供給品が残っていないことを確認しなければならない。研究拠点では、文書化された廃棄手続のスポンサー(又は被指名人)の承認が得られた時点で、サイトポリシーに従って、使用済み又は部分的に使用された治験薬バイアルを破棄することが認められている。研究拠点で受け取り、調剤され、返却され、処分される全ての治験薬の正確な記録は、研究の最中及び完了時に薬物在庫ログを使用して照合され、記録されなければならない。
【0321】
5.6. 治験薬のコンプライアンス
認定された訓練を受けた拠点の担当者のみがFPA008を管理できる。研究要件において訓練された薬局員は、割り付けられた治療の遵守を監視するであろう。FPA008は、訓練された医療従事者により、末梢静脈又は中心静脈カテーテルを介して約30分間にわたって注入されるであろう。投与された研究薬物の記録(日付、開始時刻と終了時刻、及び調製の時間に対して投与される用量)は、患者の電子症例報告書(eCRF)に記録されるであろう。
【0322】
5.7. 併用薬と治療
薬草及びその他の非伝統的な治療薬を含む全ての併用薬は、eCRFにおいて捉えられるべきである。次のパラメーターが収集さるであろう:一般名、投与経路、開始日、停止日、投与量、頻度、及び適応症。併用薬の投与量又はレジメンの変化も、eCRFに記録しなければならない。
【0323】
スクリーニングでは、患者は過去28日間にどのような薬を服用したかを尋ねられるであろう。その後の研究訪問のたびに、患者は、前回の訪問以後の併用薬の変更について質問されるであろう。
【0324】
研究を通して、治験責任医師は、以下を除いて、適切な支持療法を提供するために必要と思われる併用薬又は治療を処方することができる。
・ 他の実験薬又は装置
・ イマチニブ又はニロチニブのようなPVNSの治療のための他の全身投薬
・ 慢性コルチコステロイド≧10mg/kgプレドニゾン(又は同等物)
【0325】
患者が禁止薬物を使用する場合、又は腫瘍切除を受けた場合、スポンサーは、患者が研究から撤退すべきかどうかについての決定のために相談する必要がある。
【0326】
患者は、標準的な診療により決められた鎮痛薬を開始又は継続することができる。必要に応じて輸血が許可される。
【0327】
FPA008の初回投与では、ルーチン的な前投薬は投与されないであろう。患者が吐き気、嘔吐、又はその他の注入関連AEを発症した場合、その後のFPA008の注入に先立って、治験責任医師の裁量により、患者に制吐薬、ステロイド又は抗ヒスタミン薬を事前に投与することができる。この処置は、機関の標準的な慣習に従って管理され、患者のeCRFにおいて捉えられるべきである。
【0328】
6. 評価のパラメーターと方法
FPA008の安全性は、AE、並びに身体検査(体重を含む)、バイタルサイン、12誘導ECG、疾患に関連する徴候及び症状、並びに臨床検査室測定の変化を監視することにより評価されるであろう。血液試料は免疫原性について評価されるであろう。
【0329】
6.1. 腫瘍応答パラメーター
MRIは、スクリーニング(初回投与の前の28日以内)、治療の開始後4,8、及び16週間(付録1)で行われる。再イメージングが予定されている場合、用量投与の1週間以内にMRIを完了する必要がある。全ての患者は、腫瘍評価が過去6週間以内に実施されていない場合、又は腫瘍の進行が以前に決定された場合を除き、30日目(±7日)と90日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問時で腫瘍応答パラメーターを評価しなければならない。
【0330】
スクリーニング、C1D15(投与前)、C2D1(投与前)、次いで24週間のその後の全てのサイクルの1日目(投与前)に、又は治療が中止されるまで、健康アウトカム(機能、症状)の臨床評価が行われるであろう。
【0331】
治療終了時のフォローアップ期間後に進行していない患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14週間(±2週間)ごとに追跡されるべきである(セクション7.2.10を参照)
【0332】
RECIST 1.1(Eisenhauer,2009)と放射線学的に測定可能な疾患のTotal Volume Score(Tap,2014)を使用して応答が評価されるであろう。MRIは腫瘍の放射線学的測定に使用されるであろう。
【0333】
びまん性PVNSの線形測定は、幾つかの要因によって複雑になる。腫瘍は特徴的にアモルファスであり、形状が変動することがあるので、連続線形測定と腫瘍体積の変化との相関は、測定が行われる場所に依存する。しかしながら、特定の位置で腫瘍と隣接組織とのコントラストが乏しいため、これらの測定が正確に行われる場所が限定される。更に、線形測定は、連続的に取得された画像上の断面の面の変動に対して非常に脆弱である。それにもかかわらず、腫瘍学の臨床試験におけるRECISTの長年の伝統を考慮すると、RECIST 1.1のガイドラインによるように、関節又は腱鞘の2つまでの測定可能な腫瘍位置の線形測定は、この研究では参考として使用されるであろう。
【0334】
放射線学的応答もTVSによって評価されるであろう。TVSは、CSF1Rチロシンキナーゼ阻害剤の治療効果を示すPVNSの最近の研究に用いられている。
【0335】
PVNSの臨床的影響は、主として、限定された関節周囲及び関節周囲の空間内での腫瘍増殖によって引き起こされる質量効果及び局所的構造損傷に起因すると考えられている。腫瘍の成長は、関節の屈曲を妨げ、また、腫瘍が局所骨及び軟部組織に侵入すると、関節の構造的及び機能的完全性を破壊する可能性がある。従って、PVNSの臨床試験におけるイメージングの目的は、腫瘍体積の変化を監視し、局所組織への関連する損傷を監視することである。
【0336】
びまん性PVNSの体積定量化は、腫瘍の不規則な形状、腫瘍とその周囲構造との間の不均一なコントラスト、及び静脈内ガドリニウムベースの造影剤による可変増強によって複雑になる。腫瘍のマージンは、特定の場所で描写することが難しく、自動セグメンテーションは信頼性が低く、マニュアルセグメンテーションは主観的となる。ヘモジデリン沈着は、通常、ヘモジデリンの分布が変動し、不均一であり、必ずしも腫瘍に限定されないので、実質的にコントラストを改善しない。更に、生存可能な腫瘍を不活性な瘢痕組織又は病巣内及び病巣周囲の液貯留から区別することは困難であり得る。このような状況下では、半定量的順序尺度を用いた視覚的スコアリングは、通常、関節炎の臨床試験における滑膜肥厚評価の経験であるように、体積定量化よりも信頼性が高い。関節炎のための抗炎症療法の評価のためにMRIを使用する試験は、半定量的スコアリングに基づいている。
【0337】
TVSスケールは、関節によって異なる、最大限に膨張した滑膜腔の推定体積の、又は最大限に膨張した腱鞘(関連する腱の直径の3倍であると仮定)の10%増分に基づいている。従って、最大に膨張した滑膜腔又は腱鞘の体積に等しい腫瘍が10点、その体積の70%の腫瘍が7点、その体積の2倍の腫瘍が20点となるであろう。
【0338】
TVSによる個々の患者のアウトカムは、以下の基準に従って分類される。
・ 完全寛解(CR):完全に消失した病変
・ 部分寛解(PR):ベースラインと比較して体積スコアの)≧50%の減少
・ 進行性疾患(PD):ベースライン時又は他の訪問時の治療中の最低スコアと比較して体積の≧30%の増加
・ 安定疾患(SD):研究中のスコアに基づく従前の基準の何れにも合致しない。
記:FPA008の初回投与から28日(4週間)以内に患者の標準治療の一部として実施された腫瘍評価は、スクリーニング中に繰り返される必要はない。
【0339】
6.2. 安全性パラメーター
6.2.1. 検査値
実験的評価は、確立された方法によって各研究現場の実験室で局所的に行われるであろう。研究を開始する前に、治験責任医師は、スポンサー(及び/又は被指名人)に、測定の通常の範囲及び単位のリストを提供するであろう。
【0340】
血液試料は、標準的な静脈穿刺法を用いて採取されるべきである。以下の検査値(表5)は、評価のスケジュール(付録1)に従って決定されるであろう。
【0341】
本研究の目的上、患者の治療管理の変更(例えば、投与遅延、追加の薬剤又は監視の必要性)につながる異常な検査結果は臨床的に重要であると考えられ、eCRFのAEのページに記録されるであろう。SAE基準を満たす値は、SAEとして報告する必要がある。
【0342】
AEと薬物療法との関係についての治験責任医師の決定及び実施された対策は、文書化され、eCRFに記録されるであろう。
【0343】
6.2.2. バイタルサイン
バイタルサインには、座位血圧、脈拍、呼吸数、及び体温が含まれるであろう。全てのバイタルサインは、患者が少なくとも5分間休息した後に得られるであろう。バイタルサインは、評価のスケジュール(付録1)に従って実施されるであろう。
【0344】
6.2.3. 心電図
12誘導ECGは、評価のスケジュール(付録1)に従って実施されるであろう。治験責任医師は、ECGを再検討し、この再検討を元の文書に文書化し、研究中に発生した臨床的に重要な変化をeCRFのAEとして記録する必要がある。
【0345】
6.2.4. 妊娠
妊娠は除外基準であり、妊娠可能性のある女性は研究中に妊娠を検討してはならない。FPA008の初回投与の前の5日未満の陰性の血清妊娠検査は必須である。生殖可能性のある患者(男性及び女性)は、研究中及び最後の治療後6ヶ月間、2つの効果的な避妊法を実施しなければならない(セクション4.2)。
【0346】
6.2.5. 身体検査
身体検査は、評価のスケジュール(付録1)に従って実施されるであろう。
【0347】
身長と体重を含む完全な身体検査がスクリーニングで行われるであろう。イベントのスケジュール(付録1)ごとに完全な身体検査を実施する必要がある。
【0348】
6.2.6. 免疫原性
FPA008に対する免疫応答として定義される免疫原性は、全患者からの全抗FPA008抗体の測定によって評価されるであろう。免疫原性試験は、スクリーニング、確認、及び滴定からなるであろう。
【0349】
免疫原性評価のための試料は、付録2に指定された時点で各患者から採取されるであろう。免疫原性試験のための試料は、実験室マニュアルに記載されている指示に従って収集され処理されるであろう。
【0350】
6.2.7. ECOGパフォーマンスステータス
ECOGパフォーマンスステータスは、スクリーニング時、投与前72時間以内、治療終了時のフォローアップ期間を通じて(付録1)評価されるであろう。
【0351】
6.3. 薬物動態パラメーター
この研究では、血清FPA008の測定のための試料は、付録2に概説されるように集められるであろう。サンプリングにより、曝露(AUC)、C
max、C
min(トラフ濃度)、CL及びV
ssの測定が可能になるであろう。蓄積比及び半減期などの他のPKパラメーターも許容されるデータとして計算することができる。
【0352】
これらの試料は、別の実験室マニュアルに記載されている指示に従って収集され処理されるであろう。
6.4. 薬力学的パラメーター
【0353】
以下の探索的エンドポイントが評価されるであろう(付録2)。
・ 血清:CSF1及びIL34リガンド濃度、CTx及びTRAP5b骨再吸収マーカー濃度
・ 全血−CD14
+/CD16
+単球サブセットレベル
【0354】
以下の手順(付録1を参照)は、適用可能なオプション研究インフォームドコンセントフォームに署名した患者にのみ適用される。これらの手順の目的は、炎症(滑膜及び滑液)の局所バイオマーカーの変化対するFPA008の影響、及び罹患関節(滑液)へのFPA008の分布を理解することである。
・ 滑膜(任意)
− 前処置でCSF1遺伝子転座について(前に行わなかった場合)滑膜生検を評価する
− ベースライン及び治療滑膜生検で、以下についてIHC:
・ CSF1及びCSF1R
・ CD68
・ 滑液(任意)
− FPA008濃度;IHCによる上記マーカーの細胞成分。
【0355】
6.5.患者及び臨床医が報告したアウトカムメジャー
スクリーニング、C1D15(投与前)、C2D1(投与前)、次いで24週間のその後の全てのサイクルの1日目(投与前)に、又は治療が中止されるまで、及び治療終了時のフォローアップ期間を通じて、健康アウトカム(機能、症状)の臨床評価が行われるであろう。進行しておらず、長期フォローアップを開始した患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14週間(±2週間)ごとに追跡されるべきである。次のツールを使用して、症状及び機能的アウトカムに関する探索的エンドポイントデータが収集するであろう。
・ Ogilvie−Harris(OH)スケール(付録4):このツールは、PVNS患者のために特別に開発され(Ogilvie-Harris, 1992)、他のPVNS刊行物(De Ponti,2003; Rhee, 2010)において使用されている。このツールの特徴は次のとおりある:
− それは臨床医が報告したアウトカム(CRO)メジャーである
− それは、4つのドメインのそれぞれについて0−3の間隔スケールに基づいている。
・ 痛み
・ 滑膜炎/滲出
・ 関節可動域
・ 機能的能力
− それは、重度の障害、痛み及び機能喪失を示すスケールの下限(最小スコア=0)並びに障害のないことを示す高い値(最大スコア=12)を使用する。スコアは次のように合計して分類できる。
・ 不良状態(0−3点)
・ 正しい状態(4−6点)
・ 良い状態(7−9点)
・ 優れた状態(10−12点)
− 他の場所特有のアウトカム指標(WOMAC、KOOSなど)に対して、この研究で選択されており、理由は、
・ それは、PVNSの影響を受ける関節において使用することができる
・ それは、PVNSの症状(痛み及び滑膜炎/滲出)に対処することにより、PVNSの疾患に特異的である
・ それは、回答者の負担が少ない−4つの「質問」
− しかし、膝のPVNSを有する患者においてのみ公開されており、SF−36又はEQ−5D−5Lスケールのような究極の判断基準のアウトカムメジャーに対して検証されていない。従って、EQ−5D−5Lスケール(患者が報告したアウトカム)もこの研究で使用されるであろう。
・ EQ−5D−5L(付録5):これは、2001年(Rabin)に最初に公開された健康状態のよく知られた一般的な尺度であり、以下の特徴を含む:
− 複数の国で数多くの病気や慢性疾患に使用されている
− 患者が報告したアウトカム(CRO)メジャーである
− 能動的PVNS臨床試験(MCS110、Novartis)における機能評価として使用される
− 死亡(又は死亡よりも悪い)健康状態に固定されたスケールの下限(最小スコア= 0)及び完全な健康状態に固定された高い値(最大スコア=100)とする5つのドメインのそれぞれについて0−5の間隔スケールに基づいている:
・ (1)運動性
・ (2)身の回りの管理
・ (3)通常の活動
・ (4)痛み/不快感
・ (5)不安/うつ病
− また、VASを使用して、応答者の現在の健康状態を、0=「最悪の健康状態」、100=「最高の健康状態」とする20cmの縦線で測定する。
−それは複数の国で検証され、119言語で利用可能である。回答者の負担はわずか6問で、紙、ウェブ、タブレットなど幾つかのメディアで利用できる。
【0356】
7. 研究行動
7.1. 患者評価の概要
28日目(4週間)までの最初のスクリーニング期間の後、患者は28日サイクルにおいて2週間(±3日)ごとにFPA008で治療され、FPA008は約30分間にわたって投与されるであろう。全ての評価時点は、指定された期間内に完了されるべきである。患者がインフォームドコンセントに署名する前に行われた評価は、標準治療であることが確認された場合にのみ許容される。
【0357】
詳細な患者評価のスケジュールは付録1及び付録2に示されている。PK、PD、及び免疫原性データのサンプリング及び処理のための指示は、別個のプロトコール特異的実験マニュアルに記載されている。
【0358】
7.2. 訪問による研究評価と手順
7.2.1. スクリーニング期間(−28日目から0日目)
研究に参加することに完全に同意した患者は、FPA008の初回注入の投与の前28日(4週間)以内にスクリーニング評価を受けるであろう(特に明記しない限り)。患者が全ての組み入れ基準を満たし、かつ除外基準に違反していないかどうかを判断するために、以下の手順を実施する(付録1):
・ 書面で署名されたインフォームドコンセントは、研究に特有の手順の前に収集しなければならない
・ 完全な医療及び病歴
・ 人口統計及びベースライン特性
・ バイタルサイン(5分間の休息後の座位血圧、脈拍、呼吸数、及び体温[℃])
・ 身長と体重を含む精密身体検査
・ ECOGパフォーマンスステータス評価
・ 12誘導ECG(スクリーニング時に必要とされ、研究中に臨床的に示された場合)
・ 該当する場合は、AE報告
・ 前治療薬及び併用薬の文書化
・ クォンティフェロン試験(潜伏TBのために)
・ 表5に概説されているような臨床安全性検査(ANAを含む)
・ Ogilvie−Harris及びEQ−5D−5L評価
・ 任意のアーカイブ組織
・ 任意の滑膜生検
・ 任意の滑液吸引液
・ 妊娠可能性のある女性のためのサイクル1の第1日の5日前の血清妊娠試験(β−ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン[β−HCG])
・ 放射線イメージング:罹患関節のMRIは、FPA008の初回注入の前の28日以内に行うべきである。MRIが、初回研究注入から28日以内に患者の標準治療の一部として実施される場合、結果を文書化したものが提供され、評価に適切であれば繰り返される必要はない。
【0359】
記:研究治療の開始前に患者の適格性を確認するために、プロトコール固有の患者登録用紙をスポンサー(又は被指名人)に提出する必要がある。
【0360】
7.2.2. 治療の割り当て(投薬割り当て)
これは非盲検研究である。登録番号は、治験責任医師(又は被指名人)にFAX又は電子メールで送付されるであろう。スポンサー(又は被指名人)は、特定のコホート内で治療された患者数の記録を維持し、新たに登録された患者がどの治療コホートに割り当てられるかを決定するであろう。
【0361】
7.2.3. 第1相及び第2相:サイクル1、1日目
次の手順が行われるであろう。
・ FPA008注入前(特に明記しない限り、≦72時間以内):
− 適格性の確認
− スクリーニングからの変化をとらえるために医療及び病歴を更新する
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
− 体重記録
− バイタルサイン(5分間の休息後の座位血圧、脈拍、呼吸数、及び体温[℃])
− ECOGパフォーマンスステータス評価
− 検尿とANAを除外した、表5に概説されている臨床安全性検査
− FPA008の初回投与の≦5日前に、妊娠可能性のある女性にのみ血清β−hCG(地元の研究室で評価)が実施されるであろう。
−付録2に概説されているように、PK、ADA、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取(≦4時間以内)。
・ 研究薬物投与:FPA008をIV注入により約30分間投与する。
・ FPA008投与後:
− 付録2に概説されているように、PK、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取(±5分)。
− IV注入の完了後の以下の時点で、投与後のバイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃]):
o 5分、15分、30分、及び1時間
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0362】
7.2.4. 第1相及び第2相:サイクル1、2日目
付録2に概説されているように、PK、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取。
【0363】
該当する場合は、AE報告
【0364】
併用薬の再検討
【0365】
7.2.5. 第1相及び第2相:サイクル1、8日目
研究患者は8日目(±2日)に研究センターに戻るであろう。治療は行わないであろう。
【0366】
次の評価が完了するであろう。
・ バイタルサイン(5分間の休息後の座位血圧、脈拍、呼吸数、及び体温[℃])
・ ANAを除外した、表5に概説されている臨床安全性検査
・ 付録2に概説されているように、PK、血清バイオマーカー、CD14
+/CD16
+単球試料の採取。
・ 該当する場合は、AE報告
・ 併用薬の再検討
【0367】
7.2.6. 第1相及び第2相:サイクル1、15日目
研究患者は15日目に研究センターに戻り、次の評価が完了するであろう。
・ FPA008注入前(特に明記しない限り、≦72時間以内):
− 体重記録
− バイタルサイン(5分間の休息後の座位血圧、心拍数、呼吸数、及び体温[℃])
− 検尿とANAを除外した、表5に概説されている臨床安全性検査
− Ogilvie−Harris及びEQ−5D−5L評価
− 付録2に概説されているように、PK、ADA、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取(≦4時間以内)。
− 治療及び病歴の更新
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
・ 研究薬物投与:FPA008をIV注入により30分間投与する。
・ FPA008投与後:
− 注入終了後15分(±5分)のPK試料採取(付録2に概説されているように)
− IV注入の完了後の以下の時点で、投与後のバイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃]):
o 5分、15分、30分、及び1時間
− 12誘導ECG(PK/PD試料採取後約30分以内)
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0368】
7.2.7. 第1相:サイクル1の終了
第1相の患者の場合、サイクル1の終了時に、FPA008を継続して投与することで患者が恩恵を受ける可能性があると治験責任医師が判断した場合、延長治療期間への参加が提供される場合がある。
【0369】
患者が延長治療期間(サイクル2以降)を継続している場合は、セクション7.2.8に記載されている手順に進む。
【0370】
患者がFPA008の更なる用量を受ける資格がない場合、患者は治療終了時のフォローアップ訪問のために診療所に戻るであろう。
【0371】
7.2.8. 第1相延長治療/第2相サイクル2及びその後のサイクル
第1相延長治療は、第2サイクル、第1日に開始してもよい患者が疾患の進行又は容認できない毒性の何れかを経験する場合、投薬は中止されるであろう。
【0372】
注入の各訪問時に、患者はFPA008の各投与後、安全監視のための全投与後評価が完了するまで研究現場に留まること。別途記載がない限り、訪問ごとに以下の評価が行われるであろう(付録1):
【0373】
7.2.8.1. 第1相及び第2相:サイクル2及びその後のサイクル、1日目
試験薬物の各注入前(特に明記しない限り、≦72時間以内):
− バイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃])
− サイクル2,4、及び6での体重を含む精密身体検査
− ECOGパフォーマンスステータス評価
− Ogilvie−Harris及びEQ−5D−5L評価
− 検尿とANAを除外した、表5に概説されている臨床安全性検査
− 付録2に概説されているように、サイクル2、3、及び5の1日目に、PK、ADA、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取(≦4時間以内)。
− ベースラインの腫瘍測定値を評価するために使用されたのと同じ物理的又は放射線学的パラメーターを用いた罹患関節のMRIは、C2D1、C3D1、及びC5D1の1週間以内に行われるべきである
− 付録1に概説されているように、用量投与の2日前までの任意の滑膜生検(サイクル2のみ)
− 付録1に概説されているように、用量投与の2日前までの任意の滑液吸引液(サイクル2のみ)
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0374】
研究薬物投与:FPA008をIV注入により約30分間投与する。
【0375】
研究薬物投与後:
− IV注入の完了後の以下の時点で、投与後のバイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃]):
− 5分、15分、30分、及び1時間
− サイクル3及び5の1日目に注入終了後15分(±5分)のPK試料採取(付録1)
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0376】
7.2.8.2. 第1相及び第2相:サイクル2及びその後のサイクル、15日目
試験薬物の各注入前(特に明記しない限り、≦72時間以内):
− バイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃])
− 検尿とANAを除外した、表5に概説されている臨床安全性検査
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0377】
研究薬物投与:
− FPA008をIV注入により約30分間投与する。
【0378】
研究薬物投与後:
− IV注入の完了後の以下の時点で、投与後のバイタルサイン(5分間の休息後の座位心拍数、血圧、呼吸数、及び体温[℃]):
o 5分、15分、30分、及び1時間
− 12誘導ECG(PK/PD試料採取後約30分以内)
− 該当する場合は、AE報告
− 併用薬の再検討
【0379】
7.2.9. 治療終了時のフォローアップ期間
患者は、FPA008の最終注入後、約30日目(±7日)、60日目(±7日)、及び90日目(±7日)の3回、研究センターに戻り、治療終了時のフォローアップ期間を完了するであろう。
【0380】
次の評価が行われるであろう。
・ バイタルサイン(5分間の休息後の座位脈拍、血圧、呼吸数、及び体温[℃])
・ 30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問のみ12誘導ECG
・ 30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問のみ精密身体検査体重は全ての訪問時に記録される
・ ECOGパフォーマンスステータス評価
・ 表5に概説されているような臨床安全性検査(30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問のみにてANAを含む)
・ 付録2に概説されているように、PK、ADA、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取。
・ 妊娠可能性のある女性の血清β−hCG(現地の研究室で評価)
・ 30日目(±7日)と90日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問時で罹患関節のMRI、Ogilvie−Harris、EQ−5D−5Lの評価前の6週間以内に行った場合、又は腫瘍の進行が以前に判定された場合は、これらを省略することができる。治療の中止に進んでおらず、研究への参加を継続することに同意した患者は、進行まで14(±2)週ごとに追跡されるべきであり、C1D1後52週間まで、患者は局所療法(例えば、切除、放射線)を受けるか、又は新たな全身療法が開始される。
・ 該当する場合は、AE報告
・ 併用薬の再検討
【0381】
7.2.10. 長期フォローアップ期間
進行していない患者は、治療終了時のフォローアップ期間を完了した後、長期フォローアップを継続すべきである。患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14週間(±2週間)ごとに追跡されるであろう。
【0382】
次の評価が行われるであろう:
・ 検尿とANAを除外した臨床安全性検査
・ 付録2に概説されているように、PK、ADA、血清バイオマーカー及びCD14
+/CD16
+単球試料の採取。
・ 罹患関節のMRI、Ogilvie−Harris、EQ−5D−5Lの評価
・ 該当する場合、研究治療に関連すると考えられる進行中の有害事象のAE報告
・ 併用治療(局所療法(例えば、切除、放射線)又は新しい全身療法のみ)の報告
【0383】
8. 統計的方法
データベースロックの前に、別個の統計分析計画(SAP)が確定されることになり、以下に概説する分析のための詳細な方法を提供する。
【0384】
計画された分析からの逸脱は、最終的な統合研究報告書に記載され、正当化されるであろう。
【0385】
8.1. 研究患者
8.1.1. 患者の配置
DLT、安全性、有効性、PK、及びPDについて評価可能な患者の数及びパーセンテージが提示されるであろう。撤退の理由も要約されるであろう。
【0386】
8.1.2. プロトコールの逸脱
逸脱のタイプによるプロトコール逸脱を有する患者の数とパーセンテージの要約が提供されるであろう。逸脱はデータベースロックの前にSAPで定義されるであろう。
【0387】
8.1.3. 分析集団
以下の分析集団が研究のために定義される:
・ 安全集団−FPA008の少なくとも1用量の任意の部分を受けている全ての患者
・ DLT評価可能な集団−FPA008の少なくとも2用量を受け、治療のサイクル1を完了したか、又はサイクル1でDLTを経験した研究の第1相に登録された全ての患者。
・ PK評価可能な集団−FPA008の少なくとも1用量を受けており、PKプロファイルの決定のために描かれた適切なPK評価を有する全ての患者。
・ 有効性評価可能な集団−適格基準を満たし、FPA008の少なくとも1用量を受け、ベースライン時に測定可能な腫瘍病変を有し、少なくとも1回のベースライン後の疾患評価を有する全ての患者。
・ 治療意図集団(ITT)−登録患者全員。ベースライン後に疾患の評価のない患者は、非応答者とみなされるであろう。
【0388】
8.2. 一般的な考慮事項
全ての分析は記述的であり、用量群及び必要に応じて全体として提示されるであろう。第2相からの患者データは別のグループとして要約されるであろう。RDで投与された全ての患者も要約されるであろう。この研究で収集されたデータは、要約表と患者データのリストを使用して提示されるであろう。連続変数は、記述統計値、具体的には有効な症例の数、算術平均、中央値、標準偏差(SD)、最小値、及び最大値を使用して要約されるであろう。カテゴリー的な変数は頻度とパーセンテージで要約されるであろう。
【0389】
プロトコールに記述されているデータ分析方法を変更するには、プロトコールの主要特徴を変更する場合にのみ、プロトコールの修正が必要であろう。SAPは、データベースロックの前に確定されるであろう。最終的なSAPに記載されている方法の変更は、臨床研究報告書に記載され、正当化されるであろう。
【0390】
8.3. 人口統計、ベースライン特性、及び併用薬
人口統計データ、病歴、他のベースライン特性、付随する疾患、及び併用薬は、コホート及び全体として要約されるであろう。研究実施のための基準が満たされているかどうかを判断するために、対応する表とリストが提供されるであろう。これらには、プロトコール逸脱、治験薬の説明責任、及び研究の一般的な実施に影響を与える可能性があるその他のデータの評価が含まれるであろう。
【0391】
8.4. 治療コンプライアンス
治療投与は、用量投与、用量改変又は遅延、累積用量、平均用量、注入回数、及び治療期間を含むコホートによって要約されるであろう。
【0392】
8.5. 腫瘍応答の分析
患者は、最良の全体的腫瘍応答(完全寛解[CR]、部分寛解[PR]、安定疾患[SD]又は進行性疾患[PD])に従って分類されるであろう。適切であれば、最良の全体的腫瘍応答によって層別化された、患者の頻度、比率、及び正確な95%CIが計算されるであろう。少なくとも4週間(28日間)の持続時間を有するCR又はPRの最良の全体的腫瘍応答を有する患者は、客観的腫瘍応答を有するものとして更に分類されるであろう。客観的腫瘍応答を有する患者のリストが提示されるであろう。
【0393】
患者は、RECIST1.1及び腫瘍体積スコアによって応答について分類されるであろう。腫瘍体積スコアは、以下の定義に従って応答を分類する:完全寛解[(CR);研究の終わりまでに完全に消失した病変]、部分寛解[(PR);ベースラインと比較して体積スコアの)≧50%の減少]、進行性疾患[(PD);ベースライン時又は他の訪問時であろうと、研究中の最低スコアと比較して体積の≧30%の増加]又は安定疾患[(SD);研究中にスコアに基づく従前の基準の何れかを満たしていない]。
【0394】
現地での再検討に加えて、全てのMRIスキャンが一元的に再検討され、腫瘍応答の局所的評価と中央評価の間の一致が決定されるであろう。
【0395】
応答の持続時間は、全体応答(CR又はPR)の最初の文書化から疾患の進行又は死亡の何れか早いほうまでの最初の最初の文書化までの日数として計算されるであろう。データ分析の時点で生存しており進行していない患者は、腫瘍応答の最終評価の時点で打ち切られるであろう。
【0396】
残存病変の切除が決定されるように適切に応答する患者では、手術の時点で応答の持続期間が打ち切られるであろう。
【0397】
8.6. 安全性分析
安全性分析は、研究の両段階で、そして全ての患者を合わせて別々に実施されるであろう。FPA008少なくとも1用量の任意の部分を受ける全ての患者のデータが、安全性分析に含まれるであろう。AE、臨床検査室情報、バイタルサイン、ECOGパフォーマンスステータス、体重、ECG、及び併用薬/手順は表にされてまとめられるであろう。
【0398】
有害事象は全体的に要約され、重篤な有害事象、中止につながる有害事象、死に至る有害事象、及びNCI CTCAEバージョン4.03のグレード3以上の有害事象について要約されるであろう。
【0399】
体重とバイタルサインは、記述的に要約されるであろう(N、平均、標準偏差、中央値、最小値、最大値)。ECOGパフォーマンスステータスは分類的かつ記述的に要約されるであろう。
【0400】
コホート及び全体としての検査値には、患者数と治療のベースライングレードと最大グレードによって分類されたパーセンテージが表示されたシフトテーブルが提供されるであろう。顕著な検査値の変化は、治療においてベースライングレード0からグレード3(非血液学的)又はグレード4(血液学的)へのシフト、又は治療においてベースラインのグレード1からグレード4へのシフトであると定義される。臨床検査値が著しく変化した患者の数とパーセンテージは、コホート及び全体として集計されるであろう。
【0401】
8.7. 有効性の分析
有効性の分析は記述的となるであろう。全体的な応答率は、頻度とパーセンテージで要約されるであろう。CR患者及びPR患者の応答の持続期間は、記述統計値(N、算術平均、標準偏差、中央値、最小値、及び最大値)により並びに分類的に要約されるであろう。応答と応答の持続期間は、RECIST 1.1を使用して決定されるであろう。Kaplan−Meier法が、応答の持続期間とPFSを要約するために使用されるであろう。
【0402】
8.8. 薬物動態分析
個々の及び平均(±SD)血清FPA008濃度−時間データが表にされ、用量レベルによってプロットされるであろう。FPA008 PKパラメーターは、Phoenix WinNonLin( Certara LP、St. Louis、MO)での静脈内注入インプットによる非コンパートメント解析(NCA)法を用いて、血清薬物濃度−時間データから計算されるであろう。代わりの方法を考えることもできる。推定される個々の及び平均(±SD)PKパラメーターが表にされ、用量レベルによって要約されるであろう。血清FPA008の濃度−時間データ及び推定PKパラメーターについては、他の記述統計値が報告されることがある。可能であれば、用量比例、薬物蓄積、及び定常状態の達成が評価されるであろう。
【0403】
FPA008曝露に対する免疫原性の影響が評価されるであろう。
【0404】
8.9. 中間分析
正式な中間分析は計画されていない。
【0405】
安全データはスポンサーとCROによって定期的に再検討されるであろう。第1相では、スポンサー(及び/又は被指名人)と治験責任医師は、用量の漸増又は段階的縮小の前に、各用量コホートの安全性データを再検討するであろう。延長治療期間の有害事象データは、利用可能であれば医療モニターに提示されるであろう。
【0406】
8.10. 症例数の決定
用量群当たり3人の患者(DLTの場合には6人に症例数を増加する)が、新規の抗がん剤の漸増用量の安全性を決定するのために適切であると一般に受け入れられている。DLTが3人の患者のうちの1人に観察された場合、3人の追加の患者が同じ用量レベルで登録されるであろう。用量レベルで治療された3−6人の患者のうち2人がDLTを経験するまで、用量漸増が続くであろう。MTDは、サイクル1の間に患者の33%未満がDLTを経験する最大用量として定義される。MTDが決定された後、FPA008の安全性、PK、PD、及び予備的有効性を更に特徴づけるために、その用量レベルで追加の患者を募集することができる。第1相では、12−15人の患者が登録されることが予想される。
【0407】
PVNS/dt−TGCTを有する患者におけるFPA008のORRを推定する目的のために、約30人の患者が第2相に登録されるであろう。更に、合計で約33から36人の患者が全体でRDに登録されるであろう。以下の表6は、対応する95%CI、並びに様々な症例数及び観察された奏功率についての精度を示すAgresti、1998)。
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略語及び定義のリスト
ADA 抗薬物抗体
ADCC 抗体依存性細胞媒介性細胞傷害
AE 有害事象
ALT アラニントランスアミナーゼ
ANC 絶対好中球数
ANOVA 分散分析
AST アスパラギン酸トランスアミナーゼ
AUC 血清濃度−時間曲線下面積
β−HCG β−ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン
BUN 血液尿素窒素
CBC 全血球数
CK クレアチニンキナーゼ
C
max 最大血清濃度
C
min 最小血清濃度
CL クリアランス
CO
2 二酸化炭素(炭酸水素)
CR 完全寛解
CRC コホート審査委員会
CRO 臨床医が報告したアウトカム
CRO 医薬品開発業務受託機関
CSF1 コロニー刺激因子−1
CT コンピュータ断層撮影
CTx コラーゲンI型C末端テロペプチド
CTCAE 有害事象の共通用語基準
DLT 用量制限毒性
dt−TGCT びまん性腱滑膜巨細胞腫
eCRF 電子症例報告書
ECG 心電図
ECOG 米国東海岸がん臨床試験グループ
FDA 食品医薬品局
FNA 穿刺吸引
GCP 優良臨床試験基準
GLP 優良試験所基準
HIV ヒト免疫不全ウイルス
IB 治験責任医師のパンフレット
ICF インフォームドコンセントフォーム
ICH 医薬品規制調和国際会議
IEC 独立倫理委員会
IHC 免疫組織化学
IND 治験新薬(適用)
INR 国際標準化比
IRB 機関審査委員会
IV 静脈内
LDH 乳酸脱水素酵素
LVEF 左心室駆出率
MCH 平均赤血球ヘモグロビン
MCHC 平均赤血球ヘモグロビン濃度
MCV 平均赤血球容積
MRI 磁気共鳴画像法
MTD 最大耐量
NCI 国立がん研究所
NOAEL 無毒性量
NTX N末端テロペプチド
NYHA ニューヨーク心臓協会
ORR 客観的奏効率
PD 進行性疾患
PD 薬力学
PET ポジトロン断層撮影
PFS 無増悪生存
PK 薬物動態
PR 部分寛解
PRO 患者が報告したアウトカム
PS パフォーマンスステータス
PT プロトロンビン時間
PTT 部分トロンボプラスチン時間
PVNS 色素性絨毛結節性滑膜炎
QTc 補正QT時間
RBC 赤血球
RD 推奨用量
RECIST 固形がんの治療効果判定のためのガイドライン
SAE 重篤な有害事象
SAP 統計分析計画
SD 安定疾患
t
1/2 半減期
TB 結核
TRAP5b 酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5b
TVS 腫瘍体積スコア
ULN 正常値の上限
V
ss 定常状態での分布容積
WBC 白血球
評価スケジュールの注意点
a. 規定されていない限り、計画された時点から±72時間以内に手順を完了し、FPA008注入の投与日と同期させる。
b. 臨床的評価、臨床検査、又は追加の非特定試験は、臨床的に示されていれば、いつでも得ることができる。
c. 完全な身体検査は、治験責任医師が決定したように、特に身体的所見を解消するために、スクリーニング時、サイクル2、4、6の1日目、30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問時に行われるであろう。対象となる身体検査は、AE報告をフォローアップするためにいつでも行われるべきである。
d. 身長は、スクリーニングでのみ記録する必要がある。体重はサイクル1、1日目及び15日目、及びその後のサイクルの1日目及び治療終了時のフォローアップ訪問時に記録される。
e. バイタルサインは、座位での脈拍、血圧、呼吸数、及び体温を含む。投与前及びIV注入完了後、以下の時点:投与後5分、15分、30分、及び1時間で測定する。
f. クォンティフェロン試験(潜伏TBのために)を含むスクリーニング検査、及び妊娠可能な全ての女性(FPA008の初回投与から6ヵ月未満で卵管結紮を受けている者を含む)は血清妊娠検査が行われるであろう。
g. 臨床安全性検査(表5):
血液学は、百分率によるCBC、血小板、ヘモグロビン、ヘマトクリット、RBC、及びRBC指数を含む。
化学には、CK(クレアチンキナーゼ)、AST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)、ALT(アラニントランスアミナーゼ)、トロポニン(心臓及び骨格)、CKアイソザイム、二酸化炭素、ビリルビン(直接及び合計)、BUN(血液尿素窒素)、カルシウム、塩化物、クレアチニン、グルコース、LDH(乳酸脱水素酵素)、リン酸、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、及び該当する場合は血清妊娠が含まれる。臨床的に指示される場合、いつでも追加の試験を受けることができる。
尿検査は、スクリーニング時及び治療終了時のフォローアップ訪問時にのみ行われ、臨床的に指示される場合、いつでも繰り返すことができる。
INR、PTT及びAPTTを含む凝固。
h. ECG記録を、スクリーニング時、全てのサイクルについて15日目に投与後約30分で、及び30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問で取得する。追加のECGはいつでも取得する必要があり、かつ/又は血清CK若しくは心筋トロポニンが上昇している場合;異常(洞性頻拍を除く)である場合は、異常が解消されるか臨床的に安定するまで(臨床的に指示される場合)、ECGを取得する必要がある。可能であれば、各患者のECGは同じ機械から取得されるべきである。変動性を最小限に抑えるために、各ECG評価の前に患者が約5分以上休息状態にあることが重要である。心拍数の変化を防ぐために、各ECGの評価ごとに一貫して体位を維持する必要がある。ECG前の休息及びECG記録中は、周囲の気を散らすもの(テレビ、ラジオ、会話など)を避ける必要がある。
i. 罹患関節のMRIは、スクリーニング中、並びに4(C2D1)週、8(C3D1)週、及び16(C5D1)週の7日以内に行われるであろう。患者は、MRIを、過去6週間以内に既に実施されていない場合、又は腫瘍の進行が以前に決定された場合を除き、30日目(±7日)と90日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問時に実施するべきである。進行しておらず、長期フォローアップを開始した患者は、MRIを、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、応答の持続期間中、14週間ごとに(±2週間)MRIを実施すべきである。MRIごとの応答は、RECIST 1.1及び独立した中央放射線医学審査に基づくTVSを使用して評価されるであろう。
j. 妊娠可能な全ての女性(FPA008の初回投与から6ヵ月未満で卵管結紮を受けている者を含む)は、スクリーニング時及び治療終了時のフォローアップ訪問時に血清妊娠検査を受けるであろう。
k. スクリーニング、C1D15(投与前)、C2D1(投与前)、次いで24週間のその後の全てのサイクルの1日目(投与前)に、又は治療が中止されるまで、Ogilvie−Harris、EQ−5D−5Lの評価が行われるであろう。これらは、治療終了時のフォローアップ訪問の前6週間以内に行われた場合は省略することができる。進行しておらず、長期フォローアップを開始した患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14週間(±2週間)ごとに追跡されるべきである。
l. 利用可能であれば、任意のアーカイブ腫瘍組織がスクリーニングで採取されるであろう。
m. 任意の滑膜生検が、スクリーニング時及びC2D1用量投与の2日前までに採取されるであろう。
m. 任意の滑液吸引液が、スクリーニング時及びC2D1用量投与の2日前までに抽出されるであろう。
o. 血液試料が、PK、ADA、及びPDのために採取されるであろう。採取時間については、付録2を参照。
p. 全血が採取され、CD14
+/16
+単球の分析のために試験施設に一晩で輸送されるであろう。採取時間については、付録2を参照。
q. ANA検査は、スクリーニング時及び30日目(±7日)の治療終了時のフォローアップ訪問で実施されるであろう。
r. FPA008研究薬物は、24週間の28日サイクルで2週間ごと(±3日)に投与されるであろう。サイクル2、FPA008の1日目の注入は、28日間のDLTウインドウの完了後にのみ投与することができる。その後の注入は全て、±3日のウインドウで行うことができる。患者は7日以内にFPA008の2回の用量を有するべきではない。各サイクルの初回投与は各サイクルの1日目と考えられ、治療遅延がない限り、28日ごとにサイクルが繰り返されるであろう。患者は、1日目の治療が最後の治療から6週間以内である限り、次のサイクルの1日目の治療遅延を有することができる。FPA008は約30分かけて投与されるであろう。
s. 治療期間を完了するか又は早期に終了する全患者について、研究治療の最終投与から30日目(±7日)、60日目(±7日)及び90日目(±7日)で実施される。帰属にかかわらず、(重篤な有害事象を含む)全ての有害事象は、研究治療の最終投与から90日後まで記録されるであろう。進行中の有害事象は、事象がベースライン・グレードに解消され、事象が治験責任医師によって安定であると評価され、観察された変化について満足のゆく説明があり、患者がフォローアップに属していない、又は患者が同意を撤回するまで追跡されるであろう。
t. 進行していない患者は、治療終了時のフォローアップ期間を完了した後、長期フォローアップを継続すべきである。患者は、進行まで、患者が局所治療(例えば、切除、放射線)を受けるまで、又は新しい全身療法が開始されるまで、C1D1後に最大52週間まで、14週間(±2週間)ごとに追跡されるべきである。
u. 長期フォローアップ期間中は、進行中の有害事象のみが研究治療に関連すると考えられる。
v. 長期フォローアップ期間中は局所治療(例えば、切除、放射線)又は新しい全身療法のみが記録されるであろう。
・ 我々は、あなたの健康状態が今日どのように良いか又は悪いかを知りたい。
・ このスケールは0から100まで番号が付けられる。
・ 100はあなたが想像できる最高の健康状態を意味する。
0はあなたが想像できる最悪の健康状態を意味する。
・ あなたの健康状態が今日どのようであるかを示すために、スケール上にXをマークしてください。
・ 今度は、あなたが記入した番号を下の四角に記入してください。
【0408】
付録6:全身性過敏症反応の管理
研究薬物を投与するスタッフは、注入後最初の180分間にわたる全身性過敏症反応(例えば、全身性発疹、蕁麻疹、感情麻痺、気管支収縮、動悸)の可能性について、全ての患者を注意深く監視し、喘息の既往歴やアレルギー性注射に対する全身性の反応を有する患者に特に注意を払う必要がある。
【0409】
全ての全身性過敏症の症状は、適切なeCRFのページにおいて捉えられ、過敏症反応によるものであると同定されるであろう。
【0410】
全身性過敏症反応は、治験拠点で有効な治療プロトコールに従って管理されるであろう。そのようなプロトコールがない場合、以下の標準化された処置プロトコールが使用されるであろう:
・ 治験責任医師の裁量で、臨床的に軽度の反応(例えば、一般的な発疹又はかゆみ、蕁麻疹)は、25から50mgのBenadryl(登録商標)(塩酸ジフェンヒドラミン)で、できるだけ早く治療する。観察期間は、必要に応じて、症状及び兆候が解消又は安定するまで3時間を超えて延長される。臨床的に軽度の反応を経験した患者は、研究薬物を投与し続けてもよい。
・ 臨床的に中程度の反応(例えば、低血圧、息切れ、顔面浮腫)は、直ちに治療され、医学的に示された支援的治療処置が始められる(例えば、静脈内注射、コルチコステロイド、昇圧剤、酸素、気管支拡張剤、ジフェンヒドラミン、及びアセトアミノフェン)。バイタルサインは、正常化するまで10分間隔で監視される。観察期間は、必要な場合、症状及び兆候が解消するまで3時間を超えて延長される。臨床的に中程度の反応の場合、患者は研究薬物でそれ以上の治療を受けるべきではない。
・ 臨床的に重度の反応(例えば、顕著な低血圧、失神、重度の気管支収縮、舌又は喉の腫れ、重大な血管浮腫)は、治験責任医師の直接監督下で直ちに治療され、医学的に示された支援的治療処置が始められる(例えば、静脈内注射、コルチコステロイド、昇圧剤、酸素、気管支拡張剤、ジフェンヒドラミン、及びアセトアミノフェン)。治験責任医師が患者の安全を確保する必要があると考える限り、少なくとも10分間隔でバイタルサイン及びシステムを監視する。臨床的に重度の反応の場合、患者は研究薬物でそれ以上の治療を受けるべきではない。
【0411】
これらの臨床分類は、全身過敏症反応を経験した患者の治療を推奨する目的のためである。これらの分類は、eCRF内の全身過敏症の事象の重篤度を評価するためには使用されないであろう。これらの事象の重篤度は、NCI CTCAE v4.03で提示されている採点方式ごとに文書化されるであろう。
【0412】
この試験の予備データは、1mg/kgという低用量の治療を受けている患者は、以下に挙げられる、PVNSのOgilive−Harrisスコアに従って幾つかのパラメーターの臨床的改善を実証したことを示している:
1)例えば、重度(0点)から無し(3点)まで痛みを軽減すること、
2)例えば20%以上の喪失から喪失無しまで関節可動域を増すこと、及び
3)例えば、何らかの活動を有することが可能から全ての活動を有することが可能まで、機能的能力を増大させること。
治療の改善効果は、治療を受けた患者の少なくとも一部が、洗濯及び更衣動作及び他の身の回りの管理の活動において能力を改善したため、EQ−5D−5L評価でも見られた。
【0413】
配列の表
表5は、本明細書で議論される特定の配列を提供する。全てのポリペプチド及び抗体配列は、他に指示がない限り、リーダー配列無しで示される。