(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラッチハウジングの中に少なくとも部分的に収容されたラッチ機構であって、少なくとも球状部材と、前記球状部材に付勢力を及ぼす付勢部材と、前記付勢力の大きさを調整する止めねじとを含むラッチ機構をさらに含む、請求項8の原子炉システム。
前記支持プレートは、前記炉心バレルの上に配置された上側支持プレート、又は前記炉心バレルの下に配置された下側支持プレートの少なくとも一方である、請求項15の装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、様々な実施形態が、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示の態様によって示す添付図面を参照して十分に記載される。しかしながら、その実施形態は、多くの異なる形態で具体化することができるので、ここに記載の実施形態に限定されるものと解釈するべきではない。とりわけ、様々な実施形態は、方法、システム、媒体又はデバイスとすることができる。したがって、以下の詳細な説明は、限定とするべきではない。
【0020】
明細書及び特許請求の範囲の全体にわたり、以下の用語は、文脈上そうではないことが明確に指示される場合を除き、ここに明示的に関連付けられた意味を有する。「ここに」との用語は、本願に関連付けられた明細書、特許請求の範囲、及び図面を言及する。ここに使用される「一つの実施形態において」との言い回しは、必ずしも同じ実施形態を言及するわけではないが、その可能性もある。さらに、ここに使用される「他の実施形態において」との言い回しは、必ずしも異なる実施形態を言及するわけではないが、その可能性もある。すなわち、以下に説明されるように、本発明の様々な実施形態は、本発明の範囲又は要旨から逸脱することなく容易に組み合わせることができる。
【0021】
加えて、ここに使用されるように、「又は」及び「若しくは」との用語は、論理作用素「OR」であり、文脈上そうでないことが明確に指示される場合を除き「及び/又は」と同等である。用語「に基づいて」は、排他的ではなく、文脈上そうでないことが明確に指示される場合を除き、記載されていない付加的要素に基づくことを許容する。
【0022】
本開示は、一以上の原子炉システムのための支持構造の実施形態を記載する。様々な実施形態において、支持構造は、支持構造の複数の構成部品を結合する一以上のラッチ集合体を含み得る。支持構造は、炉心バレル、上側支持プレート及び下側支持プレートとともに、他の構成部品も含み得る。いくつかの実施形態において、ラッチ集合体は、ロック状態とロック解除状態との間で遷移させることができる。ロック状態にある場合、ラッチ集合体は、2つ以上の構成部品を結合及びロックする。少なくとも一つの実施形態において、ロック状態にある場合、ラッチ集合体は、支持プレートを炉心バレルに結合及びロックする。ラッチ集合体は、ラッチ集合体のラッチハウジングを360度未満回転させることにより、ロック状態とロック解除状態との間で遷移させることができる。少なくとも一つの実施形態において、ラッチ集合体は、ラッチハウジングをほぼ90度回転させることにより、ロック状態とロック解除状態との間で遷移させることができる。ラッチ集合体は、ロック位置のままとなるように付勢することができる。すなわち、ラッチ集合体をロック解除状態に戻るように遷移させるには、最小トルクが必要となる。かかる付勢により、ロック状態からロック解除状態への、意図しない遷移の可能性が低減される。いくつかの実施形態において、ラッチ集合体の一部が、ロック位置において原子炉システムの一部と干渉するように付勢される。
【0023】
様々な実施形態は、ここに記載される特徴の、ゼロ、一つ、いくつか又はすべてを任意の組み合わせで含み得る。少なくとも上述の付勢ゆえに、ラッチ集合体は、地震事象により生じる荷重のような、ただしこれに限られない大きな荷重のもとでもロック状態のままとなり得る。さらに、ラッチ集合体は、燃料交換停止中の炉心への効率的なアクセスを容易にすることができる。すなわち、ラッチ集合体の様々な実施形態は、ボルト、ねじ等のような締結具のような、ただしこれらに限られない従来型締結具よりも効率的となり得る。締結具は、ねじ式締結具としてよい。いくつかの実施形態において、ラッチ集合体により、定期検査のために炉システム構成部品を効率的に取り外すことが容易となる。したがって、ラッチ集合体は、従来型締結具よりも効率的となり得る。
【0024】
ラッチ集合体の様々な実施形態によれば、2つ以上の炉システム構成部品を結合するのに必要な締結具の数が減る。例えば、少なくとも一つの実施形態において、2つ以上の炉システム構成部品を結合するべく4つのラッチ集合体を用いることができる。
【0025】
少なくともいくつかの実施形態において、ラッチ集合体は、相対的に物理的に小さな構成部品を含み得る。したがって、ここに記載されるラッチ集合体の様々な実施形態は、一次冷却材のような、ただしこれに限られない炉冷却材の流れへの影響を最小限のみにする。例えば、炉心支持集合体の外部で炉心支持構成部品を結合しても、ラッチ集合体は、炉心の内部流路を通る一次冷却材の流れの阻止を低減する。ラッチ集合体の様々な実施形態は、例えば、炉容器と炉心バレルとの間に常駐できるほど十分小さくなることにより、炉心支持集合体と炉圧力容器との間のアニュラスにおける一次冷却材の流れの阻止を低減することができる。ラッチ集合体により、炉心支持集合体の構成部品を、低減された数のラッチ集合体によって結合することが可能となる。例えば、8つのラッチ集合体を用いることによって2つの構成部品を固定的に結合することができる。いくつかの実施形態において、ラッチ集合体は、遠隔的に作動させることができる。すなわち、炉心支持集合体の分解を、自動化された治具又はドライバを必要とすることなしに、一以上のラッチ集合体をロック解除位置へと遷移させることによって行うことができる。
【0026】
本明細書に記載の主題の一以上の実装が、添付図面及び以下の説明に記載される。本主題の他の特徴、側面及び利点が、その記載、図面及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【0027】
図1は、炉心支持集合体25及び中性子反射体15を含む原子炉システム100(原子炉)の模式的な図である。いくつかの実施形態において、原子炉システム100は商用発電加圧水型原子炉である。これは、一次冷却材40の自然循環を利用して炉心20を冷却し、一以上の熱交換器50、60を通して炉心20から二次冷却材へと熱を伝達する。二次冷却材への熱伝達により、蒸気又は過熱蒸気を生成することができる。様々な実施形態において、二次冷却材は少なくとも水を含み得る。蒸気は、蒸気タービンのような、ただしこれに限られない発電機器を駆動することができる。エネルギーを発電機器に伝達するとき、二次冷却材は凝縮され、再加熱のため炉心20に戻される。いくつかの実施形態において、炉心支持集合体25は、
図2Aのラッチ集合体219、又は
図3A〜3Fのラッチ集合体319のような、ただしこれらに限られない一以上のラッチ集合体を含み得る。ラッチ集合体の様々な実施形態は、炉心支持集合体25のような、ただしこれに限られない原子炉システム100の一以上の構成部品を機械的に結合する。したがって、ラッチ集合体は結合器としてよい。少なくとも一つの実施形態において、ラッチ集合体は締結具である。
【0028】
図1の原子炉システム100に関し、炉心20は、円筒形状又はカプセル形状の炉容器70の底部に位置決めされる。様々な実施形態において、炉心20は、複数の核燃料集合体、及び複数の制御棒を含む。核燃料集合体は核分裂性物質を含む。核分裂性物質は、核燃料集合体と制御棒とが十分離れて位置決めされる場合、核分裂反応のような、ただしこれに限られない原子核反応を受け得る。このように、制御棒の位置を能動的に制御することにより、少なくとも原子核反応速度、すなわち発電速度を制御することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、原子炉システム100の動作は少なくとも部分的に受動的動作である。例えば、原子炉システム100は、一次冷却材を循環させる循環ポンプを欠く場合がある。むしろ、原子炉システム100は、原子炉システム100の安全な動作が、少なくとも所定の時間、操作員の介入又は監視なしに通常運転及び緊急状態中に保持されることを確保するべく、少なくとも部分的に物理法則を利用することができる。例えば、少なくとも一次冷却材40の流れは、対流によって駆動することができる。
【0030】
円筒形状又はカプセル形状の格納容器10が炉容器70を取り囲み、水ライン90の下のような炉プールの中に部分的に又は完全に浸漬される。
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、水ライン90は、炉ベイ5の頂面35又はその直下としてよい。炉容器70と格納容器10との間の容積は、炉容器70から炉プールへの熱伝達を低減するべく部分的に又は完全に真空にされる。しかしながら、他の実施形態において、炉容器70と格納容器10との間の容積は少なくとも部分的に、炉容器70と格納容器10との間の熱伝達を増加させる気体又は液体(又はその双方)が充填されてよい。炉容器70は、一次冷却材40を冷却材ライン80まで収容することができる。
【0031】
図1に示される実施形態において、炉心20は、水のような、ただしこれに限られない液体の中に浸漬される。液体は、ホウ素又は他の添加物を含み得る。炉心20の中の又は炉心20に隣接する一次冷却材40は、炉心20が発生した熱を介して加熱される。加熱された一次冷却材40は、炉心20の表面に接触した後、一般に上方へと流れ、対流によりチャネル30へと向かう。加熱された一次冷却材40が一般に上方に流れることは、ライザーのチャネル30内に位置する一次冷却材40の中の矢印によって表される。一次冷却材40は、熱を熱交換器50及び60に与え、熱交換器50及び60を経由して移動するときに冷却される。熱交換器50及び60の頂部から出た後、冷却された一次冷却材40は、一般に下方向に流れ、主に密度差により炉容器70の内壁に沿って駆動される。一次冷却材40のそのような対流により、一次冷却材40から熱交換器50及び60への熱交換が可能となる。炉容器70の底部に到達すると、一次冷却材40は再び炉心20と熱接触し、再加熱される。再加熱された一次冷却材40は再び、一般にチャネル30を通って上方へと流れ、対流サイクルを続ける。熱交換器50及び60は
図1において2つの別個の要素として示されるが、熱交換器50及び60は、ライザーの少なくとも一部まわりに巻かれたらせんコイルのような、ただしこれに限られない任意数のコイルを表してよい。
【0032】
上記説明をまとめると、原子炉システム100の通常運転は、加熱された一次冷却材40が、ライザーの中のチャネル30を通って上昇して熱交換器50及び60と熱接触をする態様で進行する。熱交換器50及び60との熱接触のとき、一次冷却材40は、その熱エネルギーの少なくとも一部を熱交換器50及び60へと与え、ある程度の冷却をする。ある程度の冷却がされた一次冷却材40は、炉容器70の底に向かって沈む。
図1に示される典型的実施形態において、炉容器70内の一次冷却材40は、大気圧を上回る圧力のままなので、冷却材は気化又は沸騰することなく高温に維持することができる。
【0033】
熱交換器50及び60内の二次冷却材(図示せず)は、一次冷却材40から熱交換器50及び60へと与えられた熱エネルギーを介して加熱される。熱交換器50及び60内の加熱された二次冷却材は、沸騰又は気化し始める。二次冷却材の沸騰により発生した蒸気は、蒸気の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する一以上のタービンを駆動するべく使用することができる。凝縮後、二次冷却材は、熱交換器50及び60の基部近くの場所へと戻る。
【0034】
炉心支持集合体25の様々な実施形態は、炉心20における燃料集合体の軸方向(又は鉛直方向)支持を与える。軸方向支持は、燃料集合体の頂部、底部又は両端に与えることができる。炉心支持集合体25は、炉心20における燃料集合体を、炉心支持集合体25の頂端及び底端それぞれに隣接して取り付けられた上側及び下側支持プレートを介して鉛直方向に拘束する。燃料集合体の側方の拘束は、炉心20を取り囲む炉心支持集合体25の中実又は半中実の壁によって達成される。炉心支持集合体25は一般に、通常運転時と、地震事象のような緊急事象時との双方において炉心20における燃料集合体を拘束する。
【0035】
図1に示される実施形態において、反射体15と炉容器70との間のダウンカマー領域が、一次冷却材40の流路を与え得る。少なくとも対流ゆえに、容器70の頂部にあった加熱された一次冷却材40は、ライザーと炉容器70との間のアニュラスの中を、容器70の底端に向かって下方に流れることができる。流路は、まだ炉心20を通して再循環されていない一次冷却材40を、反射体15を冷却するべく反射体15の少なくとも一表面に対流接触するように導く。
【0036】
反射体15又は炉心支持集合体25は、単独又は組み合わせのいずれかで、構造的な支持を与えるとともに、燃料集合体、制御棒集合体及び炉心内計装の鉛直方向の配向安定性を与えることができる。さらに、反射体15又は炉心支持集合体25の一以上は、一次冷却材40に浸漬されかつ運転中の炉心に近接又は隣接する場合に少なくとも60年の平均故障時間(MTTF)を含み得る。したがって、反射体15又は炉心支持集合体25の少なくとも一方は、放射線に対して抵抗性及び/又は耐性となり得る。
【0037】
さらに、反射体15又は炉心支持集合体25の少なくとも一方は、少なくとも
図1に示されるように、閉じた自然循環回路を形成する一方で、受動的対流循環のもとで運転される原子炉システム100における流れ抵抗を最小限にするように構成及び配列することができる。いくつかの実施形態において、一次冷却材40の熱伝達は、受動的対流循環の主要駆動力となる。少なくとも一つの実施形態において、受動的対流循環は、原子炉システム100内の一つ又は複数のポンプによる支援を受けない。反射体15又は炉心支持集合体25の少なくとも一方は、炉心20において発生した中性子を炉心20に向けて少なくとも部分的に後方散乱するとともに、炉容器70及び格納容器10のための中性子及び/又はガンマ線遮蔽を与えることができる。
【0038】
図2Aは、原子炉システム200の一部における循環経路の側面図を示す模式的な図である。
図2Bは、
図2Aの原子炉システム200の一部における循環経路の平面図を示す模式的な図である。
図2A〜2Bの原子炉システム200は、
図1の原子炉システム100と同様の特徴を含み得る。例えば、
図2A〜2Bに示される原子炉システム200の一部は、
図1の原子炉システム100に含まれてよく、又は他の原子炉システムに含まれてよい。原子炉システム100と同様、原子炉システム200も、少なくとも一次冷却材250の受動的対流循環を用いることができる。
【0039】
原子炉システム200の様々な実施形態はラッチ集合体219を含む。ラッチ集合体219は、遠隔的に作動される治具290を介して遠隔的に操作することができる。原子炉システム200は、炉容器210の頂端から炉容器210底端に向かうように一般に下方に受動的対流循環を行う一次冷却材250の流れを含む。一次冷却材250のこのような対流を、少なくとも
図1の原子炉システム100に関連して説明する。一般に下方に向かう一次冷却材250の流れにより、反射体215の冷却が可能となる。反射体215は、炉心220に隣接して及び/又は炉心220まわりに位置決めすることができる。
図1の炉心20と同様に、原子炉システム200の炉心220も核燃料集合体を収容する。
【0040】
原子炉システム200は、
図1の炉心支持集合体25のような、ただしこれに限られない炉心支持集合体を含む。炉心支持集合体は上側支持プレート205を含む。上側支持プレート205は、炉心220、及び
図1のライザーのような、ただしこれに限られないライザーの頂端の上に位置決めされる。炉心支持集合体の様々な実施形態は、炉心220の下に位置決めされた下側支持プレート225を含み得る。例えば、下側支持プレート225は、炉心220の底端の下に位置決めすることができる。下側支持プレート225は、炉容器210の内側表面の周縁まわりに延びるサイズにすることができる。炉容器210は、
図1の炉容器70と同様の特徴を含み得る。
【0041】
炉心支持集合体は、炉容器210の内側表面に隣接するように位置決めされた炉心バレル230を含み得る。炉心バレル230及び炉容器210の構成により、炉心バレル230と炉容器210の内側表面との間に相対的に小さなアニュラス(
図2Bに外側アニュラス255として示される)が画定される。上側支持プレート205、下側支持プレート225及び炉心バレル230は、単独又は組み合わせのいずれかで、炉心220に対する軸方向及び/又は側方の少なくとも一方の支持を与える。支持は、原子炉システム200の通常運転時とともに、地震事象のような緊急事象時にも与えることができる。
【0042】
上側及び/又は下側支持プレート205/225の一以上が、上側及び/又は下側支持205/225を通した流体連通を可能にするための複数の孔、チャネル又はアパチャの少なくとも一つを含み得る。典型的実施形態において、上側及び下側支持プレート205/225それぞれにおける複数のアパチャにより、支持プレートを通る一次冷却材250の流れが可能となる。
図2Aに例示されるように、一次冷却材250は、反射体215と炉心バレル230との間のアニュラス(
図2Bにおいて内側アニュラス245として示される)の中を下方に対流循環される。少なくとも部分的には炉容器210の、外側に膨らんだ底部ゆえに、一次冷却材250は、容器210の中心に再び向けられ、炉心220を通って上方へと向かう。一次冷却材250が炉心220を通って上方へと向かうと、炉心220内で進行中の核分裂反応から発生した熱エネルギーを介して、熱が一次冷却材250に伝達される。上述のように、一次冷却材250へと与えられた熱の少なくとも一部がその後、原子炉システム100の熱交換器50及び60のような、ただしこれらに限られない熱交換器の中を循環する二次冷却材へと伝達される。
図2A〜2Bには図示しないが、かかる熱交換器は、
図1に関連して説明されるように、原子炉システム200のライザーに隣接して取り付けることができる。
【0043】
様々な実施形態において、反射体215が炉心220を取り囲み、炉心220から漏洩する中性子を後方散乱させる。かかる後方散乱により、中性子は反射されて炉心220へと戻る。少なくとも部分的にはこうした炉心220内で解放された中性子との原子核反応ゆえに、反射体215は加熱され得る。すなわち、反射体215は冷却を必要とする。反射体215の内面235は少なくとも部分的に、炉心220を通る一次冷却材250の一般に上方の流れによって冷却される。反射体215の外面240は少なくとも部分的に、反射体215と炉心バレル230との間にある内側アニュラス245内の一次冷却材250の一般に下方の流れによって冷却される。
【0044】
図2Aに示されるように、一次冷却材250の流れの少なくとも実質的部分の全体が、炉心220を通るように循環され、炉心220をバイパスすることなしに反射体215を通るように流れる。すなわち、一次冷却材250の、内側アニュラス245内の一般に下方の流れと、炉心220内の一般に上方の流れとにより、反射体215の冷却のすべて又は少なくとも実質的部分が与えられる。上述のように、一次冷却材250の一般に下方に向かう流れが、反射体215の外面240を冷却する。一次冷却材250の一般に下方に向かう流れは、反射体215の内面235を冷却する。
【0045】
様々な実施形態において、一以上のラッチ集合体219が、上側支持プレート205を炉心バレル230及び/又は炉心220に結合するべく用いられる。単一のラッチ集合体219のみが
図2Aに示されるが、他の実施形態はそれに限られず、多数のラッチ集合体を、上側支持プレート205を炉心バレル230に結合するように用いてよい。少なくとも一つの実施形態において、2つのラッチ集合体が用いられる一方、他の実施形態においては、4つ、6つ又は8つのラッチ集合体が用いられる。いくつかの実施形態において、上側支持プレート205を炉心バレル230に結合するべく3つの上側ラッチ集合体が、上側支持プレート205まわりに位置決めされる。したがって、ラッチ集合体219は結合器としてよい。いくつかの実施形態において、ラッチ集合体219は締結具である。
【0046】
典型的だが非制限的な実施形態の原子炉システム200には図示しないが、ラッチ集合体219のような、ただしこれに限られない一以上のラッチ集合体が、下側プレート225を炉心バレル230に結合するべく用いられる。例えば、一以上の下側ラッチ集合体を、下側支持プレート225を炉心220に結合するべく下側支持プレート225まわりに位置決めすることができる。上側ラッチ集合体と同様、用いられる下側ラッチ集合体の数は変わり得る。上述のように、一以上の上側及び下側ラッチ集合体はそれぞれを、遠隔作動治具290のような、ただしこれに限られない遠隔作動治具を介して遠隔操作することができる。
【0047】
ラッチ集合体の動作は、ラッチ集合体のロック及び/又はロック解除を含み得る。例えば、ラッチ集合体219がロック解除状態にあると、上側支持プレート205は、炉心バレル230及び/又は炉心220から結合解除される。同様に、ラッチ集合体219がロック状態になると、上側支持プレート205は炉心バレル230に結合される。
図3A〜3Fに関連して説明されるように、一以上のラッチ集合体は、ラッチ集合体の一部の360度未満の回転のような、ただしこれに限られない回転動を介して動作させることができる。典型的実施形態において、ラッチ集合体219がロック解除状態からロック状態へと遷移するのは、ラッチ集合体219の回転部分の完全回転未満の回転を介して行うことができる。他の実施形態において、ラッチ集合体219をロック解除状態からロック状態へと遷移させるのに、一以上の完全回転を要するようにもできる。かかる実施形態において、ラッチ集合体219の回転部分は、少なくともねじ式締結具を含み得る。
【0048】
作動治具290の少なくとも一部は、炉プール内の、
図1の水ライン90よりも上から位置決めすることができる。作動治具290は、
図1の格納容器10及び炉容器70の中に位置決めすることができる。かかる実施形態において、作動治具290は、ラッチ集合体219のロック状態とロック解除状態との間の遷移を含むがこれに限られないラッチ集合体219の操作を行うべく用いられる。様々な実施形態において、作動治具290は、原子炉システム200の他の部分を分解することなくラッチ集合体219に係合するように構成及び配列することができる。いくつかの実施形態において、作動治具290は、原子炉システム200の他の部分を最小限にのみ分解してラッチ集合体219に係合するように構成及び配列することができる。したがって、ラッチ集合体219は、炉プール、又は
図1の炉容器70に封入された一次冷却材を排出することなしに、作動治具290を介して作動させることができる。
【0049】
図3Aは、複数のラッチ集合体319を含みかつ様々な実施形態に整合する原子炉システム300の、他の実施形態の長手方向断面を軸外から見た図を例示する。
図3Bは、
図3Aの原子炉システム300の長手方向断面の側面図を例示する。
図3Cは、
図3A〜3Bの原子炉システム300の平面図を例示する。原子炉システム300は、
図1の原子炉システム100、又は
図2A〜2Bの原子炉システム200の少なくとも一方と同様の特徴を含み得る。
【0050】
原子炉システム300は、炉心バレル318、反射体ブロック323〜325、下側支持プレート326又は上側支持プレート328の少なくとも一つを含む。いくつかの実施形態において、下側支持プレート326は下側炉心プレートを含み得る。原子炉システム300は、複数の上側ラッチ集合体319、及び複数の下側ラッチ集合体319を含む。上側ラッチ集合体319は、上側支持プレート328を炉心バレル318に選択的に結合及びロックする。同様に、下側ラッチ集合体は、下側支持プレート326を炉心バレル318に選択的に結合及びロックする。
【0051】
図3A〜3Cには図示しないが、少なくとも原子炉システム100及び原子炉システム200と同様、原子炉システム300も、
図1の原子炉容器70、又は
図2の炉容器210のような、ただしこれらに限られない炉容器を含む。原子炉容器は、炉心バレル318、反射体ブロック323〜325、下側支持プレート326又は上側支持プレート328の一以上を収容することができる。原子炉システム300は、原子炉システム100及び/又は200の反射体15及び/又は反射体215それぞれのような、ただしこれらに限られない反射体を含み得る。反射体は反射体ブロック323〜325を含み得る。下側支持プレート326は、複数の下側支持ポスト327を含み得る。少なくとも一つの実施形態において、下側支持ポスト327は、共有燃料ピンとしてよい。いくつかの実施形態は、下側支持プレート326の下側支持ポスト327に類似する上側支持プレート328の上側支持ポストを含み得る。いくつかの実施形態において、炉心バレル318は、少なくとも部分的に上側支持プレート328を支持する。一以上の反射体ブロック323〜325は、上側支持プレート328及び/又は下側支持プレート326に対し、少なくとも部分的な長手方向及び/又は側方の支持を与えることができる。
【0052】
様々な実施形態において、上側支持プレート328は、一以上の上側ラッチ集合体319を介して複数の上側支持ブロック320に結合される。
図3A〜3Cに示される典型的実施形態において、上側支持プレート328は、一以上の上側ラッチ集合体319を介して上側支持ブロック320(及びひいては炉心バレル318)に選択的に結合及びロックされる。上側支持ブロック320は、溶接、ボルト締め又は他の結合技術を介して永続的に炉心バレル318に結合することができる。したがって、上側支持プレート328は、上側支持ブロック320を介して炉心バレル318に結合される。上側支持プレート328は、フランジ329のような、ただしこれに限られない一以上のフランジを含み得る。フランジ329は、上側支持ブロック320の頂面の上方に延びる。上側ラッチ集合体319がフランジ329を上側支持ブロック320に結合するとき、上側炉心プレート328は、上側支持ブロック320及び炉心バレル318に固定される。
【0053】
典型的だが非制限的な実施形態において、原子炉システム300は、一以上の下側炉心支持ブロック321を含む。いくつかの実施形態において、下側炉心支持ブロック321は、一以上の炉心支持ブロックを含み得る。下側支持プレート326は、一以上の下側ラッチ集合体319を介して、下側炉心支持ブロック321(及びひいては炉容器)に選択的に結合及びロックされる。下側炉心支持ブロック321は、溶接又は他の結合技術を介して、少なくとも
図1に示される構成のような、原子炉システム300の炉心を収容する炉容器の下側部分に永続的に結合することができる。下側炉心支持ブロック321は、下側炉心プレート326から炉容器へと側方荷重及び圧縮荷重を伝達する。
図3Aに示されるのは一つの下側支持ブロック321のみであるが、他の実施形態はそれに制約されず、複数の下側支持ブロックを含み得る。例えば、原子炉システムは、複数の下側ラッチ集合体319を介して下側支持プレート326に結合された複数の下側支持ブロックを含み得る。
【0054】
上側及び下側支持プレート328及び326はそれぞれ、上側又は下側支持プレート328/326の周縁を超えて一般に径方向に延びる複数のフランジを含み得る。ここに記載されるように、径方向との用語は、湾曲表面の曲率の局所半径の方向に一般に平行な方向を言及する。いくつかの実施形態において、フランジ329は、上側支持プレート328の周縁から離れるように側方に延びる。
図3Cの平面図に示されるように、上側支持プレート328が炉心バレル318の上にある場合、上側支持プレート328のフランジ329は、炉心バレル318の周縁を超えて一般に径方向に延びる。
図3Cは、4つの上側ラッチ集合体319を介して炉心バレル318の4つの上側支持ブロック320に結合された4つのフランジ329を示すが、他の実施形態はそれに限られない。例えば、4つを超える又は4つ未満のフランジが、上側支持プレート328から径方向に延びてよい。様々な実施形態において、フランジの数は、上側支持プレート328を炉心バレル318に結合する結合箇所の数に等しい。結合箇所の数は、原子炉システム300への予測される静的及び/又は動的な動作荷重、並びに地震事象による地震荷重のような破局的荷重の少なくとも一つに基づき得る。
【0055】
図3D〜3Fは、支持プレートのフランジ329を炉心バレルの支持ブロック320に結合するラッチ集合体319の様々な実施形態及び図を例示する。
図3D〜3Fに示されるラッチ集合体319は、
図2Aのラッチ集合体219、又は
図3A〜3Cの上側及び下側ラッチ集合体319を含むがこれらに限られない、ここに記載されるラッチ集合体のいずれかと同様の特徴を含み得る。
図3Dは、上側又は下側支持ブロック320に対応する上側又は下側支持プレートのフランジ329を結合及びロックするラッチ集合体319の側面図を示す。
図3Eは、
図3Dのラッチ集合体319及び支持ブロック320の側面図を例示する。
図3Fは、
図3D及び3Eのラッチ集合体319の拡大側面図を例示する。
図3C〜3Fのラッチ集合体319は、
図1、2A〜2B、及び3A〜3Cそれぞれの原子炉システム100、200又は300のいずれかに含めてよい。
図3D〜3Fのラッチ集合体319は、ここに記載される上側又は下側ラッチ集合体としてよい。したがって、
図3D〜3Fの支持ブロック320は、
図3Aの下側支持ブロック321又は上側支持ブロック320のような、ただしこれらに限られない下側又は上側支持ブロックとしてよい。フランジ329は、
図3Aの上側支持プレート328又は下側支持プレート326のような、ただしこれらに限られない上側又は下側支持プレートに含めることができる。
【0056】
図3D〜3Fの組み合わせに示されるように、ラッチ集合体319は、ラッチハウジング350、(ボルト370のような、ただしこれに限られない)円柱部材、ワッシャ356及びナット352を含む。
図3Fは、ラッチハウジング350の中心に又はその近くにあるラッチハウジング350を貫通して延びる主要ボア382又はボア孔を示す。すなわち、主要ボア382は中心ボアとしてよい。ラッチハウジング350の主要ボア382は、ワッシャ356及びナット352の中心ボアに整合し得る。いくつかの実施形態において、ワッシャ356は、ベルビルワッシャ、円錐皿ばね、円錐ばねワッシャ、皿ばね、又は皿ばねワッシャの少なくとも一つとしてよい。円柱部材又はボルト370は細長部材としてよい。ボルト370は長手方向軸を含み得る。ラッチハウジング350の主要ボア382がボルト370を受容するとき、ラッチハウジング350は、ボルト370の長手方向軸まわりに回転可能となる。したがって、主要ボア382の中心軸は、ボルト370の長手方向軸、及びラッチハウジング350の回転軸に一致し得る。
【0057】
少なくとも
図3Eに示されるように、ラッチハウジング350の主要ボア382、並びにワッシャ356及びナット352の中心ボアは、ボルト370を受容するサイズとされる。ボルト370は、支持ブロック320に結合され、支持ブロック320の頂面から上方に延びる。ボルト370は、ねじ止め、溶接、又は他のそうした結合技術を介して支持ブロック320に結合することができる。ボルト370は、永続的に支持ブロック320に結合してよい。少なくとも一つの実施形態において、ボルト370は、ひとたび支持ブロック370に結合されると、支持ブロック320に対して回転しない。他の実施形態において、ボルト370は、支持ブロック320に対して回転しない。ラッチハウジング350、ワッシャ356及びナット352は、ボルト370の上方に位置決めされ得る。ナット352は、複数のねじを介してボルト370に結合してよい。ナット352がボルト370に結合されると、ラッチハウジング350の位置は、支持ブロック320の頂面に固定される。
【0058】
図3Fに示されるように、ラッチハウジング350は、2つの側部ボア380を含む。各側部ボア380は、一般に鉛直方向においてラッチハウジング350の底面とラッチハウジング350の頂面との間に延びる。他の実施形態において、ラッチハウジング350は、2つ未満の又は2つを超える側部ボアを含み得る。側部ボア380の軸は、ラッチハウジング350の中心(及び回転)軸に平行であるが当該軸からずらされ得る。ラッチ機構390は、側部ボア380の一つの中に位置決めされる。ラッチ機構390は、球状部材358、湾曲ディスク360、付勢部材362、平坦ディスク364及び固定ねじ366の少なくとも一つを含む。球状部材358はボールベアリングとしてよい。少なくとも
図3Fに示されるように、球状部材358の少なくとも一部がラッチハウジングの下側表面から突出するので、球状部材358は突起部材としてよい。付勢部材362は、ばね又はエラストマー部材としてよい。少なくとも一つの実施形態において、付勢部材362は、らせんコイルばねとしてよい。
図3Fは、2つの側部ボア380の一方のみがラッチ機構390を含むことを示す。しかしながら、他の実施形態はそれに限られず、ラッチ機構は、ここに記載されるのと同様に側部ボア380それぞれに含まれてよい。
【0059】
少なくとも
図3D及び3Eの文脈で記載されるように、ラッチ機構390は、(上側又は下側)支持プレートのフランジ329をラッチ集合体319に結合及びロックするように作動することができる。上側支持プレートの非制限的な実施形態において、ラッチ機構390は、作動されると、(少なくとも
図3A〜3Bに示される)上側支持プレート328の(少なくとも
図3D〜3Eに示される)フランジ329を、支持ブロック320に結合及びロックする。上述のように、フランジ329が上側支持プレート328に結合されると、上側支持プレート328は炉心バレル318に結合及びロックされる。
【0060】
一以上のラッチ集合体319を定位置に配置するべく、原子炉システム300を炉圧力容器内で組み立てることができる。反射体ブロック323〜325は、下側支持プレート326上に支持される。上から見ると、炉心バレル318が、反射体ブロック323〜325を取り囲むように位置決めされ、上側支持ブロック320は、一以上の溶接を介して炉心バレル318に永続的に結合される。少なくとも
図3B及び3Eに示されるように、上側支持ブロック320の少なくとも一部が、ボルト370又は細長部材を含む。ボルト370は、上側支持ブロック320の頂面から延び、溶接、ねじ止め又は他の適切な結合機構の一以上を介して上側支持ブロック320に結合される。上側支持プレート328は、フランジ329もまた、支持ブロック320の(
図3Dの)肩部表面392上に載置されるように反射体ブロック323の頂部に位置決めされる。
図3Eに示されるように、フランジ329は、少なくともボルト370を含む支持ブロック320の頂部が上方に貫通して延びることができる孔、アパチャ又はボアを含む。
【0061】
ラッチ集合体319を、支持ブロック320及びフランジ329上の、
図3Dに示される定位置に配置するべく、ラッチハウジング350を、ボルト370の上方に位置決めすることができる。ボルト370は、(
図3Eに示されるように)ラッチハウジング350の主要ボア382に受容される。ワッシャ356及びナット352がその後、ラッチハウジング350の上方に位置決めされ、ナット352はボルト370に固定される。ラッチ集合体319がロック及びロック解除状態(又は位置)間で遷移することは、(ボルト370の長手方向軸、又はラッチハウジング350の中心若しくは回転軸まわりに)ラッチハウジング350を、実質的に90度に等しい角度を介して回転させることを含む。なお、ボルト370の長手方向軸は、ラッチハウジング350の主要ボア382の軸に整合される。
【0062】
フランジ329はアパチャを含む。アパチャは非対称形状を含む。
図3Cに示されるように、フランジ329のアパチャの非対称形状は、細長い楕円の形状としてよい。なお、フランジ329の非対称形状の長手方向軸は、支持プレート328の周縁に実質的に接する方向である。
図3Cのフランジの非対称形状は、非制限的な典型的実施形態であり、他の実施形態は、他の配向を有する他の非対称形状を含み得る。ラッチハウジングもまた非対称形状を含む。いくつかの実施形態において、フランジの非対称形状は、ラッチハウジングの非対称形状と実質的に同等である。いくつかの回転配向において、ラッチハウジングがアパチャにより受容可能とされる一方、他の回転配向においては、ラッチハウジングはアパチャにより受容可能とならない。回転されてアパチャにより受容可能とされないと(ロック状態)、ラッチハウジングは、支持プレートの変位を拘束する。回転されてアパチャにより受容可能とされると(ロック解除状態)、ラッチハウジングは、支持プレートの変位を拘束しない。
【0063】
ラッチハウジングの非対称形状は、フランジのアパチャの非対称形状に整合し得る。同様に、ラッチハウジングの中心ボアに整合した軸まわりのラッチハウジングの回転ゆえに、ラッチハウジングの非対称形状は、フランジのアパチャの非対称形状に反整合する。
【0064】
図3Cに示されるように、ラッチハウジングが回転されてラッチハウジングの非対称形状が、フランジのアパチャの非対称形状に整合すると、ラッチハウジングはアパチャにより受容可能となる。したがって、支持プレート328は、支持ブロック320の上方に持ち上げられて支持ブロック320から離れる。すなわち、ラッチハウジングの非対称形状がフランジのアパチャの非対称形状に整合すると、ラッチ集合体は、ロック解除の状態又は位置となる。
【0065】
対照的に、ラッチハウジングが回転されてラッチハウジングの非対称形状がフランジのアパチャの非対称形状に反整合すると、ラッチハウジングは、アパチャにより受容可能とならない。ラッチハウジングの非対称形状とフランジのアパチャの非対称形状との反整合により、支持プレートの鉛直方向変位が拘束される。すなわち、ラッチハウジングの非対称形状がフランジのアパチャの非対称形状に反整合すると、ラッチ集合体は、ロック解除の状態又は位置となる。
【0066】
図3Cに示されるように、ラッチハウジング(及びフランジのアパチャ)の非制限的な典型的非対称形状は、細長い楕円の形状である。当該形状の非対称性により、一般に細長い方向の長手方向軸が画定される。ラッチハウジングの長手方向軸は、ラッチハウジングの回転軸でもある中心ボア382の軸に対して実質的に垂直である。
【0067】
一般に
図3Cに示されるように、ラッチ集合体319がロック状態となるのは、ラッチハウジング350が回転されて(ボルト370の長手方向軸に実質的に垂直な)ラッチハウジング350の長手方向軸が、上側プレート328の中心から実質的に径方向となるときである。すなわち、ラッチハウジング350が回転されてラッチハウジング350の(長手方向軸に沿った)長さ方向が、炉心バレル318の隣接側面に対して実質的に平行となると、ラッチハウジング350はロック位置となり得る。
【0068】
ラッチハウジング350は、ラッチハウジング350を(ボルト370の長手方向軸まわりに)ほぼ90度の回転(又はそれ以外の360度未満の回転)をさせることによりロック解除位置へと遷移し得る。すなわち、ラッチ集合体319がロック解除状態になるのは、ラッチハウジング350が回転されてラッチハウジング350の長手方向軸が、ラッチハウジング350に対応する上側プレート328の周縁の一部の接線に実質的に直交するときである。
【0069】
図3Eに示されるように、ラッチハウジング319がロック位置にあると、球状部材358の一部は、フランジ329の頂面上の窪み378の中に位置決めされる。
図3Cは、フランジ329が2つの窪みを含むフランジ329の一実施形態を示す。フランジ329の各窪みは、フランジ329におけるアパチャの非対称形状の細長い側部の一つに配置される。
図3Eに図示しないが、第2の球状部材はまた、フランジ329の頂面上の第2の窪みの中に位置決めされ得る。さらに以下に記載されるように、ラッチハウジングがロック位置まで回転されると、各窪みが、ラッチハウジングに含まれる球状部材358の一つの少なくとも一部を受容する。
【0070】
図3E及び3Fの組み合わせに示されるように、球状部材358は、付勢部材362によって下向きに付勢され得る。ラッチハウジング350が回転されて、
図3Dに示されるように球状部材358がフランジ329の窪み378に整合するようになると、付勢部材362は、球状部材358をフランジ329の窪み378へと付勢する。
【0071】
これらの典型的な、ただし非制限的な実施形態において、平坦ディスク364が、付勢部材362に隣接しかつその上に位置決めされる一方、湾曲ディスク360は、付勢部材362に隣接しかつその下に位置決めされる。湾曲ディスク360の下側湾曲表面は、球状部材359の一部を受容するサイズとされた窪みを含み得る。平坦ディスク364の平坦下側表面及び湾曲ディスク360の平坦上側表面により、付勢部材362が球状部材358をフランジ329の窪み378へと付勢することができる安定した表面が確保される。湾曲ディスク360の下側湾曲表面に含まれる窪みは、球状部材358を受容する半球状窪みとしてよい。半球状窪みが球状部材358と嵌合すると、付勢部材362により及ぼされる力は実質的に球状部材358に伝達される。
【0072】
図3Fに示されるように、付勢部材362から球状部材358に及ぼされる力を調整するべく止めねじ366を用いることができる。かかる調整は、止めねじ366を介して付勢部材362への予荷重を調整することを含む。止めねじ366は、ディスク360/364を封止するべく側部ボア380の内部ねじに係合する。止めねじ366を介して付勢部材362への予荷重を調整することにより、付勢部材362から球状部材358に及ぼされる力の量が調整される。止めねじ366の調整を介して付勢部材362が球状部材358に及ぼす力を調整することにより、ラッチハウジング350をロック位置とロック解除位置との間で遷移させるのに必要なトルクを調整することができる。
【0073】
ひとたびラッチハウジング350がフランジ329の頂部に位置決めされると、ボルト370が主要ボア382により受容され、ラッチ集合体350は、ラッチハウジング350の回転によりロック状態とロック解除状態との間で遷移することができる。
図3D〜3Eに示されるように、ラッチ集合体319がロック状態となるようにラッチハウジング350が回転されると、フランジ329は、支持ブロック320の頂部においてラッチ集合体319を介してロックされる。ロック位置において、球状部材(複数可)358は、フランジ329頂面の各窪み378に受容されて嵌合する。さらに、ロック位置にあるときラッチハウジング350は、支持ブロック320の頂面、及びフランジ329にわたって延びるので、支持プレートの上方変位を拘束する。
【0074】
ラッチ集合体319は、ラッチハウジング350に四分の一回転、又はほぼ90度の回転をさせることにより、ロック状態からロック解除状態へと調整することができる。他の実施形態において、その遷移は、360度未満の他の角度値の回転によって達成することができる。
図3Cに示されるように、かかる回転により、ラッチハウジング350は、フランジ329を通る孔、アパチャ又はボアに整合する。ラッチハウジング350がフランジ329のアパチャに整合すると、フランジ329は、ラッチ集合体319の上方へと持ち上げられる。
【0075】
様々な実施形態において、球状部材358が、フランジ329の対応する窪み378に受容されると、付勢部材362を介した球状部材358の窪み378への付勢により、ラッチハウジング350の回転に対する抵抗が得られる。かかる抵抗力は、窪み378から部材358を変位させるべくラッチハウジング350への最小トルクを必要とする。ひとたび変位されると、ラッチハウジング350は回転可能となる。上述のように、この最小トルクは、止めねじ366によって調整することができる。
【0076】
ラッチ集合体319は、ラッチハウジング350に四分の一回転、又はほぼ90度の回転(時計回り又は反時計回りのいずれか)をさせることにより、ロック解除位置からロック位置へと調整することができる。様々な実施形態において、ワッシャ356は、ラッチハウジング350の回転をナット352から分離することにより、ラッチハウジング350の回転は、ナット352を回転させないか、又はナット352を無視できる量だけ回転させる。この特徴により、ナット352がボルト370に対して回転しないことが確保されるので、ラッチハウジングがボルト370まわりに回転されてロック及びロック解除位置間で遷移するときに、ナット352がボルト370から分離されることがなくなる。
【0077】
ねじ式締結具のような従来型締結具と比べ、ここに記載のラッチ集合体の様々な実施形態は、ラッチハウジングの回転位置を介して、ラッチ集合体がロック状態又はロック解除状態にあることの明確かつ視覚的な指示を与える。例えば、ねじ式締結具は、放射線誘発脆化、繰り返しの使用、又はその他の理由により、緩んでいることが監視者にとって視覚的にわからずに、経時的に緩み得る。すなわち、監視者は、炉心集合体の一以上の構成部品を結合する従来型締結具が経時的に緩んだことを決定することができない。対照的に、ラッチ集合体319の(ロック又はロック解除)状態は、炉心バレル318又は支持プレートのアパチャに対するラッチハウジング350の回転位置又は配向に少なくとも部分的に基づいて視覚的に決定することができる。
【0078】
さらに、ラッチ集合体319は、遠隔からロック状態とロック解除状態との間で遷移させることができる。例えば、炉圧力容器、格納容器、及びさらには炉プールの外部の場所から延びる治具を、ラッチハウジングを90度回転させるのに用いることができる。例えば、
図2Aに示されるように、遠隔作動治具290は、炉プールの水ライン90の上から位置決めし、炉心集合体の特定の構成部品を接続するラッチ集合体を(対応ラッチハウジングの四分の一回転を介して)操作(例えばロック又はロック解除)するように延ばすことができる。対照的に、伝統的なねじ式コネクタは、炉容器内の人による操作を必要とする。炉容器へのアクセスを可能とすることは、費用のかかるシャットダウン、原子炉発電モジュールの複数部分の分解、及び炉心を介した潜在的放射線被曝を引き起こす。
【0079】
ラッチ集合体319の構成部品のすべて又はいくつかを、ステンレス鋼等のような耐腐食性材料から作ることができる。さらに、ラッチ集合体319の構成部品のすべて又はいくつかを、放射性エネルギーの蓄積又は放射性粒子相互作用に起因する脆化に耐える材料から作ることもできる。
【0080】
本発明の好ましい実施形態が例示及び記載されたが、上述のように、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく多くの変更が可能である。したがって、本発明の範囲は、好ましい実施形態の開示によっては限定されない。その代わり、本発明は、全面的に以下の特許請求の範囲を参照することによって決定するべきである。
【0081】
排他的な所有権及び特権が請求される本発明の実施形態が以下に定められる。