特許第6797875号(P6797875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797875
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20201130BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20201130BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20201130BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20201130BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H02G3/14
   B60R16/02 610A
   H05K7/00 N
   H05K5/03 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-188633(P2018-188633)
(22)【出願日】2018年10月3日
(65)【公開番号】特開2020-58188(P2020-58188A)
(43)【公開日】2020年4月9日
【審査請求日】2019年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小田 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】川口 清史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信孝
(72)【発明者】
【氏名】小林 武徳
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−140796(JP,U)
【文献】 特開2013−226019(JP,A)
【文献】 特開2003−101256(JP,A)
【文献】 特開2007−318898(JP,A)
【文献】 特開2006−74893(JP,A)
【文献】 特開2000−36678(JP,A)
【文献】 特開2004−186039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H02G 3/14
B60R 16/02
H05K 5/03
H05K 5/02
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、複数の車載負荷の車載電源への接続に用いられる電気接続箱であって、
上部に開口が設けられ、前記接続のための電気機器を収容する箱本体と、
前記開口を塞ぎ、前記開口よりも外側に張り出す張り出し部を有する蓋体と、
前記箱本体の側壁に貫設され、前記電気機器に接続される電線が挿入される挿入口と、
前記張り出し部の前記挿入口に対応する部分から外向きに、前記蓋体の上面と平行に延び、円弧形に上向きに屈曲する延出部と
を備える電気接続箱。
【請求項2】
前記延出部は前記蓋体の上面側に折り返している請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記延出部の延出端は前記蓋体の上面に接触している請求項1又は2に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、複数の車載負荷の車載電源への接続に用いられる電気接続箱(例えば、特許文献1参照)が搭載されている。車載負荷は、ランプ、ワイパ又はモータ等の車載機器である。電気接続箱は、上部に開口が設けられ、電気機器を収容する箱本体と、開口を塞ぐ蓋体とを備える。箱本体には電線の挿入口が設けられており、電線は挿入口に挿入されて電気機器に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−200269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓋体が開口の周縁から張り出している張り出し部を有する場合、該張り出し部における電線に対応する部分が不測の外力による衝撃によって下側に折れ曲がることより、挿入口を挿通する電線が損傷する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、電線の損傷を防止することができる電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電気接続箱は、車両に搭載され、複数の車載負荷の車載電源への接続に用いられる電気接続箱であって、上部に開口が設けられ、前記接続のための電気機器を収容する箱本体と、前記開口を塞ぎ、前記開口の周縁から張り出す張り出し部を有する蓋体と、前記箱本体の側壁に貫設され、前記電気機器に接続される電線が挿入される挿入口と、前記張り出し部の前記挿入口に対応する部分から外向きに延び、円弧形に上向きに屈曲する延出部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上記によれば、電線の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る電気接続箱を備える車両の配電系の構成を示すブロック図である。
図2】電気接続箱の外観斜視図である。
図3図2のIII−III線による電気接続箱の断面図である。
図4】実施の形態2に係る電気接続箱の断面図である。
図5】実施の形態3に係る電気接続箱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせても良い。
【0010】
本発明の一態様に係る電気接続箱は、車両に搭載され、複数の車載負荷の車載電源への接続に用いられる電気接続箱であって、上部に開口が設けられ、前記接続のための電気機器を収容する箱本体と、前記開口を塞ぎ、前記開口の周縁から張り出す張り出し部を有する蓋体と、前記箱本体の側壁に貫設され、前記電気機器に接続される電線が挿入される挿入口と、前記張り出し部の前記挿入口に対応する部分から外向きに延び、円弧形に上向きに屈曲する延出部とを備える。
【0011】
本態様にあっては、延出部の延出端が上側に位置することにより、延出部が下側に折れ曲がった場合であっても、延出部の端面が電線に接触することを防止することができる。また、延出部の基端側は円弧状となり、延出部が下側に折れ曲がった場合、電線には円弧状の部分が接触する。したがって、電線の損傷を防止することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る電気接続箱は、前記延出部は前記蓋体の上面側に折り返している。
【0013】
本態様にあっては、延出部の端面が上向きでなくなるので、車両への組み付け等の作業者の指先が延出部の端面に当接することを抑制でき、作業性が向上する。
【0014】
本発明の一態様に係る電気接続箱は、前記延出部の延出端は前記蓋体の上面に接触している。
【0015】
本態様にあっては、延出部の延出端と蓋体の上面との間に隙間がなくなり、車両への組み付け等の作業者の指先が延出部の端面に当接することを抑制でき、作業性が向上する。
【0016】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は実施の形態1に係る電気接続箱を備える車両の配電系の構成を示すブロック図である。図中100は車両であり、車両100は、蓄電装置1と、該蓄電装置1にワイヤーハーネス等の電線を介して接続されている電気接続箱2と、該電気接続箱2にワイヤーハーネス等の電線を介して接続されている複数の負荷3(図中では2個)とを備える。蓄電装置1は、例えばエンジンルームに配され、電気接続箱2は、例えばラゲージルームに配される。
【0017】
蓄電装置1は、蓄電池10と、電気分配箱11とを有する。蓄電池10は、例えば、リチウム電池であり、電池セルが直並列に接続された二次電池である。
【0018】
電気分配箱11は、蓄電池10からの電力を各車載負荷に分配するいわゆるジャンクションボックスである。電気分配箱11は、各車載負荷に電力を分配するための複数の系統を有している。なお、図1においては電気接続箱2に電力を供給する系統のみ示し、他の系統の図示は省略している。
【0019】
電気分配箱11は、例えばシール部材により防水処理された筐体(不図示)の内部に、一つの系統を構成する2つのヒューズ110,111、スイッチ112、抵抗113、スイッチ114等が配されている。2つのヒューズ110,111の一端は蓄電池10の正極に並列に接続されている。ヒューズ110の他端はスイッチ112の一端に接続されている。ヒューズ111の他端は抵抗113を介してスイッチ114の一端に接続されている。スイッチ112,114の他端は、電気接続箱2に接続されている。スイッチ112,114は例えば常開接点であり、図示しないECU(Electronic Control Unit)からの動作指令に応じて選択的にオンする。
【0020】
電気接続箱2は、電気分配箱11から供給される電力を複数の負荷3に分配して供給する。電気接続箱2は、電気分配箱11のスイッチ112,114と各負荷3とにワイヤーハーネス等の電線により接続される電気機器20を有する。電気機器20は、ヒューズ,バスバー等を含む。負荷3は、ランプ、ワイパ又はモータ等の車載機器である。各負荷3の一端は、電気機器20に接続され、他端は蓄電池10の負極に接続されている。
【0021】
上記の構成において、蓄電池10の正極から図中の矢印に示すように、電気分配箱11及び電気接続箱2を介して負荷3に電流が流れ、図中の矢印に示すように、蓄電池10の負極に戻る。
【0022】
ここで、負荷3の起動時に、スイッチ114はオンになる。これにより、抵抗113側に電流を流して、突入電流を低減する。その後スイッチ114がオフになり、スイッチ112がオンになって負荷3に電流を供給する。ヒューズ110,111を設けることにより、所定の電流値以上の電流が流れた場合に電気接続箱2及び負荷3への電力の供給を遮断できる。電気接続箱2において、電気機器20により、各負荷3に電流が供給される。
【0023】
図2は、電気接続箱2の外観斜視図である。図3は、図2のIII−III線による電気接続箱2の断面図である。電気接続箱2は、一面が開口している直方体状の箱本体22と、箱本体22の開口を塞ぐ蓋体23とを備える。箱本体22は、車両100において、蓋体23に覆われた開口の側を上向きとして車両100内に搭載される。
【0024】
箱本体22は、内部に電気機器20を収容している。箱本体22の一の側壁にはワイヤーハーネス200が挿入される挿入口26が設けられている。挿入口26は、一の側壁において上側に設けられており、横方向に長い矩形状をなしている。
【0025】
箱本体22の他の側壁には、2個のコネクタ25が突設されており、コネクタ25を介して、電気機器20が図示しない電線に接続される。コネクタ25は図示の個数に限られず、接続される電線の本数に対応して設けられていればよい。
【0026】
挿入口26の下縁部には、外向きに張り出す鍔部26aが設けられている。また、箱本体22の開口の縁部には、挿入口26以外の部分において、開口に沿って外向きに張り出す鍔部22aが設けられている。
【0027】
蓋体23は、矩形板状をなし、外寸が箱本体22の開口の外寸よりも大きい。蓋体23は、その周縁部に、開口の周縁から張り出す張り出し部23aを有する。蓋体23の一辺の中央部には、延出部27が設けられている。
【0028】
延出部27は、張り出し部23aの一辺の中央部から外向きに延び、円弧形に上向きに屈曲している。延出部27は、蓋体23の上面に対して、略垂直をなすように延びている。延出部27の基端側は、円弧状に屈曲している。延出部27により、蓋体23の上面側から流れ落ちる液体が、挿入口26を経て箱本体22内に浸入することを防止することができる。
【0029】
蓋体23の周縁部には、延出部27以外の部分に、下方向に延設された延設部23bが設けられている。蓋体23は、延出部27を挿入口26に対応させて、箱本体22の鍔部22aに下面を当接して載置され、ねじ201により4隅をねじ止めして固定されている。延設部23bは、蓋体23及び鍔部22bの隙間から離れて位置して対向しており、延設部23bにより、蓋体23の下面をつたって蓋体23及び箱本体22の隙間から水が浸入することを防止することができる。
【0030】
蓋体23の上面は、周縁部を除いて隆起している。これにより、蓋体23は上側から液体が流れてきた場合に外側に流し出すことができる。
【0031】
図3に示すように、箱本体22の底壁には、複数の孔22bが厚さ方向に貫設している。したがって、電気接続箱2の内部に水が浸入した場合であっても、孔22bにより電気接続箱2の内部の液体が外部に排出される。
【0032】
以上のように、延出部27の延出端27aが上側に位置することにより、不測の外力により延出部27が下側に折れ曲がった場合であっても、延出部27の端面が電線に接触することを防止することができる。また、延出部27の基端側は円弧状をなしているので、延出部27が下側に折れ曲がった場合、ワイヤーハーネス200には円弧状の部分が接触する。したがって、ワイヤーハーネス200の損傷を防止することができる。
【0033】
また、延出部27において、蓋体23の上面に対して略垂直に折り曲げるだけであるので、加工が容易であり、コストを低減することができる。
【0034】
なお、挿入口26は箱本体22の側壁の上下方向中間部に設けられていてもよい。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態2は、延出部の形状が実施の形態1と異なる。図4は、実施の形態2に係る電気接続箱の断面図である。実施の形態2に係る延出部27は、蓋体23の上面側に折り返している。これにより、延出部27の延出端27aは、上向きでなく、延出部27は、蓋体23の上面に対して平行に延びることになる。また、実施の形態1と同様に延出部27の基端側が円弧状をなしている。
【0036】
以上の構成により、実施の形態1と同様に、延出部27が下側に折れ曲がった場合であっても、延出端27aの端面が電線に接触することを防止することができる。また、延出部27の基端側は円弧状をなしているので、延出部27が下側に折れ曲がった場合、ワイヤーハーネス200には円弧状の部分が接触する。したがって、ワイヤーハーネス200の損傷を防止することができる。
【0037】
また、延出部27の延出端27aが上向きでないので、電気接続箱2の車両100への設置等の作業の作業者の指先が延出部27の端面に当接することを抑制でき、作業性が向上する。
【0038】
(実施の形態3)
実施の形態3は、延出部の形状が実施の形態1及び2と異なる。図5は、実施の形態3に係る電気接続箱の断面図である。実施の形態3に係る延出部27は、蓋体23の上面側に折り返し、延出端27aは、蓋体23の上面に接触している。また、実施の形態1と同様に延出部27の基端側は円弧状をなしている。
【0039】
以上の構成により、実施の形態1と同様に、延出部27が下側に折れ曲がった場合であっても、延出端27aの端面が電線に接触することを防止することができる。また、延出部27の基端側は円弧状をなしているので、延出部27が下側に折れ曲がった場合、ワイヤーハーネス200には円弧状の部分が接触する。したがって、ワイヤーハーネス200の損傷を防止することができる。
【0040】
また、延出部27の延出端27aが上向きでないので、電気接続箱2の車両100への設置等の作業の作業者の指先が延出端27aの端面に当接することを抑制でき、作業性が向上する。
【0041】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1 蓄電装置
10 蓄電池
11 電気分配箱(車載機器)
100 車両
110,111 ヒューズ
112,114 スイッチ
113 抵抗
2 電気接続箱
20 電気機器
22 箱本体
22a 鍔部
22b 孔
23 蓋体
23a 張り出し部
23b 延設部
25 コネクタ
26 挿入口
26a 鍔部
27 延出部
27a 延出端
200 ワイヤーハーネス
3 負荷(車載負荷)
図1
図2
図3
図4
図5