(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂である成分(B)がノボラック樹脂(B1),ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2),及びアクリル樹脂(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでなるものである,請求項8に記載の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
本発明のスルホニウム塩は、下記式(1)で表される。
【0023】
[式中、R1〜R8はアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子または水素原子を表し、R9〜R14は互いに独立して、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
n1〜n4は0〜1の整数(なお、0は環同士の直接結合を示す)、m1〜m6はそれぞれR9〜R14の個数を表し、m1、m4、m6は0〜4の整数、m2、m5は0〜3の整数、m3は0〜5の整数を表し、X
−は一価の多原子アニオンを表す。]
【0024】
式(1)において、R1〜R14のうち、アルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、炭素数1〜18の分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル及びイソオクタデシル)、及び炭素数3〜18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4−デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。
【0025】
式(1)において、R1〜R14のうち、アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基(フェニル、トリル、ジメチルフェニル、ナフチル及びビフェニリル等)等が挙げられる。
【0026】
式(1)において、R1〜R14のうち、アルコキシ基としては、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ及びオクタデシルオキシ等)等が挙げられる。
【0027】
式(1)において、R1〜R14のうち、アリールオキシ基としては、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ及びナフチルオキシ等)等が挙げられる。
【0028】
式(1)において、R1〜R14のうち、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、式(2)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基等が挙げられる。
HO(−AO)q− (2)
〔AOはエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基、qは1〜5の整数を表す。〕
【0029】
式(1)において、R1〜R14のうち、ハロゲン原子基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
【0030】
式(1)において、R1〜R14は、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0031】
R1〜R8のうち、好ましくは、アルキル基、アルコシキ基および水素原子であり、特に好ましくはアルキル基である。
【0032】
R9〜14のうち、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基であり、とくに好ましくはアルキル基である。
【0033】
n1〜n4は0〜1の整数、m1〜m6はそれぞれR9〜R14の個数を表し、m1、m4、m6は0〜4の整数、m2、m5は0〜3の整数、m3は0〜5の整数である。n1、n3が1、n2、n4が0、m1〜m6が0、が特に好ましい。
【0034】
式(1)のうち、R1、R2、R5,R6がメチル基であり、n1、n3が1、n2、n4が0、m1〜m6が0であるスルホニウム塩が好ましく、下記式で表されるスルホニウム塩が特に好ましい。
【0036】
式(1)において、X
−は、スルホニウム塩に活性エネルギー線(可視光、紫外線、電子線及びX線等)を照射することにより発生する酸(HX)に対応するアニオンである。X
−は、一価の多原子アニオンであるということ以外には制限がないが、X
−はMY
a−,(Rf)
bPF
6−b−,R
15cBY
4−c−,R
15cGaY
4−c−,R
16SO
3−,(R
16SO
2)
3C
−又は(R
16SO
2)
2N
−で表されるアニオンが好ましい。
【0037】
Mは、リン原子、ホウ素原子又はアンチモン原子を表す。
Yはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
【0038】
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基(炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。)を表す。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。特に好ましいRfとしては、CF
3−、CF
3CF
2−、(CF
3)
2CF−、CF
3CF
2CF
2−、CF
3CF
2CF
2CF
2−、(CF
3)
2CFCF
2−、CF
3CF
2(CF
3)CF−及び(CF
3)
3C−が挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0039】
Pは、リン原子、Fは、フッ素原子を表す。
【0040】
R
15は、水素原子の一部が少なくとも1個の元素又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。そのような1個の元素の例としては、ハロゲン原子が含まれ、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のR
10は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0041】
Bは、ホウ素原子、Gaは、ガリウム原子を表す。
【0042】
R
16は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオロアルキル基は直鎖、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。
【0043】
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
aは4〜6の整数を表す。
bは、1〜5の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜4、特に好ましくは2又は3である。
cは、1〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは4である。
【0044】
MY
a−で表されるアニオンとしては、SbF
6−、PF
6−及びBF
4−で表されるアニオン等が挙げられる。
【0045】
(Rf)
bPF
6−b−で表されるアニオンとしては、(CF
3CF
2)
2PF
4−、(CF
3CF
2)
3PF
3−、((CF
3)
2CF)
2PF
4−、((CF
3)
2CF)
3PF
3−、(CF
3CF
2CF
2)
2PF
4−、(CF
3CF
2CF
2)
3PF
3−、((CF
3)
2CFCF
2)
2PF
4−、((CF
3)
2CFCF
2)
3PF
3−、(CF
3CF
2CF
2CF
2)
2PF
4−及び(CF
3CF
2CF
2CF
2)
3PF
3−で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CF
3CF
2)
3PF
3−、(CF
3CF
2CF
2)
3PF
3−、((CF
3)
2CF)
3PF
3−、((CF
3)
2CF)
2PF
4−、((CF
3)
2CFCF
2)
3PF
3−及び((CF
3)
2CFCF
2)
2PF
4−で表されるアニオンが好ましい。
【0046】
R
15cBY
4−c−で表されるアニオンとしては、(C
6F
5)
4B
−、((CF
3)
2C
6H
3)
4B
−、(CF
3C
6H
4)
4B
−、(C
6F
5)
2BF
2−、C
6F
5BF
3−及び(C
6H
3F
2)
4B
−で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C
6F
5)
4B
−及び((CF
3)
2C
6H
3)
4B
−で表されるアニオンが好ましい。
【0047】
R
15cGaY
4−c−で表されるアニオンとしては、(C
6F
5)
4Ga
−、((CF
3)
2C
6H
3)
4Ga
−、(CF
3C
6H
4)
4Ga
−、(C
6F
5)
2GaF
2−、C
6F
5GaF
3−及び(C
6H
3F
2)
4Ga
−で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C
6F
5)
4Ga
−及び((CF
3)
2C
6H
3)
4Ga
−で表されるアニオンが好ましい。
【0048】
R
16SO
3−で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp−トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
【0049】
(R
16SO
2)
3C
−で表されるアニオンとしては、(CF
3SO
2)
3C
−、(C
2F
5SO
2)
3C
−、(C
3F
7SO
2)
3C
−及び(C
4F
9SO
2)
3C
−で表されるアニオン等が挙げられる。
【0050】
(R
16SO
2)
2N
−で表されるアニオンとしては、(CF
3SO
2)
2N
−、(C
2F
5SO
2)
2N
−、(C
3F
7SO
2)
2N
−及び(C
4F
9SO
2)
2N
−で表されるアニオン等が挙げられる。
【0051】
一価の多原子アニオンとしては、MY
a−、(Rf)
bPF
6−b−、R
15cBY
4−c−,R
15cGaY
4−c−,R
16SO
3−,(R
16SO
2)
3C
−又は(R
16SO
2)
2N
−で表されるアニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO
4−、BrO
4−等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO
3−、ClSO
3−等)、硫酸イオン(CH
3SO
4−、CF
3SO
4−、HSO
4−等)、炭酸イオン(HCO
3−、CH
3CO
3−等)、アルミン酸イオン(AlCl
4−、AlF
4−等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF
6−)、カルボン酸イオン(CH
3COO
−、CF
3COO
−、C
6H
5COO
−、CH
3C
6H
4COO
−、C
6F
5COO
−、CF
3C
6H
4COO
−等)、アリールホウ酸イオン(B(C
6H
5)
4−、CH
3CH
2CH
2CH
2B(C
6H
5)
3−等)、チオシアン酸イオン(SCN
−)及び硝酸イオン(NO
3−)等が使用できる。
【0052】
これらのX
−のうち、MY
a−、(Rf)
bPF
6−b−、R
15cBY
4−c−,R
15cGaY
4−c−,R
16SO
3−,(R
16SO
2)
3C
−又は(R
16SO
2)
2N
−で示されるアニオンが好ましく、SbF
6−、PF
6−、(CF
3CF
2)
3PF
3−、(C
6F
5)
4B
−、((CF
3)
2C
6H
3)
4B
−、(C
6F
5)
4Ga
−、((CF
3)
2C
6H
3)
4Ga
−、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、(CF
3SO
2)
3C
−及び(CF
3SO
2)
2N
−がレジストの解像度、パターン形状がよくなる点で更に好ましく、(CF
3CF
2)
3PF
3−、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、(C
6F
5)
4Ga
−、(C
6F
5)
4B
−及び((CF
3)
2C
6H
3)
4B
−、(CF
3SO
2)
3C
−は、更にレジスト組成物への相溶性が良いため特に好ましい。
【0053】
本発明のスルホニウム塩の化学構造は、一般的な分析手法(たとえば、
1H−、
11B−、
13C−、
19F−、
31P−核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル及び/又は元素分析等)によって同定することができる。
【0054】
本発明の光酸発生剤は、式(1)で表されるスルホニウム塩を含有することを特徴とするが、これ以外にも従来公知の他の光酸発生剤を含有させて使用してもよい。
【0055】
他の光酸発生剤を含有する場合、他の光酸発生剤の含有量(モル%)は、本発明の式(1)で表されるスルホニウム塩の総モル数に対して、0.1〜100が好ましく、さらに好ましくは0.5〜50である。
【0056】
他の光酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
【0057】
本発明の光酸発生剤を使用する場合は、カチオン重合性化合物や化学増幅型レジスト組成物への溶解を容易にするため、あらかじめ重合や架橋、脱保護反応等を阻害しない溶剤に溶かしておいてもよい。
【0058】
溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0059】
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、本発明の式(1)で表されるスルホニウム塩100重量部に対して、15〜1000重量部が好ましく、さらに好ましくは30〜500重量部である。使用する溶媒は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
【0060】
本発明のエネルギー線硬化性組成物は、上記光酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含んでなる。
【0061】
エネルギー線硬化性組成物の構成成分であるカチオン重合性化合物としては、環状エーテル(エポキシド及びオキセタン等)、エチレン性不飽和化合物(ビニルエーテル及びスチレン等)、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート及びスピロオルトエステル等が挙げられる{特開平11−060996号公報、特開平09−302269号公報、特開2003−026993号公報等}。
【0062】
エポキシドとしては、公知のもの等が使用でき、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが含まれる。
【0063】
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香環を有する1価又は多価のフェノール(フェノール、ビスフェノールA、フェノールノボラック及びこれらのアルキレンオキシド付加体した化合物)のグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0064】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセンやシクロペンテン環を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られる化合物(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、等)が挙げられる。
【0065】
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール又はこのアルキレンオキシド付加体のポリグリシジルエーテル(1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、脂肪族多塩基酸のポリグリシジルエステル(ジグリシジルテトラヒドロフタレート等)、長鎖不飽和化合物のエポキシ化物(エポキシ化大豆油及びエポキシ化ポリブタジエン等)が挙げられる。
【0066】
オキセタンとしては、公知のもの等が使用でき、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、オキセタニルシルセスキオキセタン及びフェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
【0067】
エチレン性不飽和化合物としては、公知のカチオン重合性単量体等が使用でき、脂肪族モノビニルエーテル、芳香族モノビニルエーテル、多官能ビニルエーテル、スチレン類及びカチオン重合性窒素含有モノマーが含まれる。
【0068】
脂肪族モノビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0069】
芳香族モノビニルエーテルとしては、2−フェノキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル及びp−メトキシフェニルビニルエーテル等が挙げられる。
【0070】
多官能ビニルエーテルとしては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル及びトリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
【0071】
スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン及びp−tert−ブトキシスチレン等が挙げられる。
【0072】
カチオン重合性窒素含有モノマーとしては、N−ビニルカルバゾール及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0073】
ビシクロオルトエステルとしては、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
【0074】
スピロオルトカーボネートとしては、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及び3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
【0075】
スピロオルトエステルとしては、1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン、2−メチル−1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン及び1,4,6−トリオキサスピロ[4.5]デカン等が挙げられる。
【0076】
さらに、1分子中に少なくとも1個のカチオン重合性基を有するポリオルガノシロキサンを使用することができる(特開2001−348482号公報、Journal of Polym. Sci.、Part A、Polym.Chem.、Vol.28,497(1990)等に記載)。
これらのポリオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。
【0077】
これらのカチオン重合性化合物のうち、エポキシド、オキセタン及びビニルエーテルが好ましく、さらに好ましくはエポキシド及びオキセタン、特に好ましくは脂環式エポキシド及びオキセタンである。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
【0078】
エネルギー線硬化性組成物中の本発明の式(1)で表されるスルホニウム塩の含有量は、カチオン重合性化合物100重量部に対し、0.05〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲であると、カチオン重合性化合物の重合がさらに十分となり、硬化体の物性がさらに良好となる。なお、この含有量は、カチオン重合性化合物の性質やエネルギー線の種類と照射量、温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等のさまざまな要因を考慮することによって決定され、上記範囲に限定されない。
【0079】
本発明のエネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、公知の添加剤(増感剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等)を含有させることができる。
【0080】
増感剤としては、公知(特開平11−279212号公報及び特開平09−183960号公報等)の増感剤等が使用でき、アントラセン{アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン等};ピレン;1,2−ベンズアントラセン;ペリレン;テトラセン;コロネン;チオキサントン{チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントン等};フェノチアジン{フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、N−フェニルフェノチアジン等};キサントン;ナフタレン{1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、及び4−メトキシ−1−ナフトール等};ケトン{ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等};カルバゾール{N−フェニルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びN−グリシジルカルバゾール等};クリセン{1,4−ジメトキシクリセン及び1,4−ジ−α−メチルベンジルオキシクリセン等};フェナントレン{9−ヒドロキシフェナントレン、9−メトキシフェナントレン、9−ヒドロキシ−10−メトキシフェナントレン及び9−ヒドロキシ−10−エトキシフェナントレン等}等が挙げられる。
【0081】
増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、1〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜200重量部である。
【0082】
顔料としては、公知の顔料等が使用でき、無機顔料(酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック等)及び有機顔料(アゾ顔料、シアニン顔料、フタロシアニン顔料及びキナクリドン顔料等)等が挙げられる。
【0083】
顔料を含有する場合、顔料の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、0.5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜150000重量部である。
【0084】
充填剤としては、公知の充填剤等が使用でき、溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム及びケイ酸リチウムアルミニウム等が挙げられる。
【0085】
充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、50〜600000重量部が好ましく、さらに好ましくは300〜200000重量部である。
【0086】
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤等が使用でき、非イオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、両性型帯電防止剤及び高分子型帯電防止剤が挙げられる。
【0087】
帯電防止剤を含有する場合、帯電防止剤の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、0.1〜20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.6〜5000重量部である。
【0088】
難燃剤としては、公知の難燃剤等が使用でき、無機難燃剤{三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びアルミン酸カルシウム等};臭素難燃剤{テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン及びデカブロモビフェニルエーテル等};及びリン酸エステル難燃剤{トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等}等が挙げられる。
【0089】
難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、0.5〜40000重量部が好ましく、さらに好ましくは5〜10000重量部である。
【0090】
消泡剤としては、公知の消泡剤等が使用でき、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤及び鉱物油消泡剤等が挙げられる。
【0091】
流動調整剤としては、公知の流動性調整剤等が使用でき、水素添加ヒマシ油、酸化ポリエチレン、有機ベントナイト、コロイド状シリカ、アマイドワックス、金属石鹸及びアクリル酸エステルポリマー等が挙げられる。
光安定剤としては、公知の光安定剤等が使用でき、紫外線吸収型安定剤{ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチレート、シアノアクリレート及びこれらの誘導体等};ラジカル補足型安定剤{ヒンダードアミン等};及び消光型安定剤{ニッケル錯体等}等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤等が使用でき、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
密着性付与剤としては、公知の密着性付与剤等が使用でき、カップリング剤、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤等が挙げられる。
イオン補足剤としては、公知のイオン補足剤等が使用でき、有機アルミニウム(アルコキシアルミニウム及びフェノキシアルミニウム等)等が挙げられる。
着色防止剤としては、公知の着色防止剤が使用でき、一般的には酸化防止剤が有効であり、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられるが、高温時の耐熱試験時の着色防止にはほとんど効力がない。
【0092】
消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤又は、着色防止剤を含有する場合、各々の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、0.1〜20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5000重量部である。
【0093】
溶剤としては、カチオン重合性化合物の溶解やエネルギー線硬化性組成物の粘度調整のために使用できれば制限はなく、上記光酸発生剤の溶剤として挙げたものが使用できる。
【0094】
溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、50〜2000000重量部が好ましく、さらに好ましくは200〜500000重量部である。
【0095】
非反応性の樹脂としては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は、1000〜500000が好ましく、さらに好ましくは5000〜100000である(数平均分子量はGPC等の一般的な方法によって測定された値である。)。
【0096】
非反応性の樹脂を含有する場合、非反応性の樹脂の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150000重量部である。
【0097】
非反応性の樹脂を含有させる場合、非反応性の樹脂をカチオン重合性化合物等と溶解しやすくするため、あらかじめ溶剤に溶かしておくことが望ましい。
【0098】
ラジカル重合性化合物としては、公知{フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)等}のラジカル重合性化合物等が使用でき、単官能モノマー、2官能モノマー、多官能モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートが含まれる。
【0099】
ラジカル重合性化合物を含有する場合、ラジカル重合性化合物の含有量は、本発明の光酸発生剤100部に対して、5〜400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150000重量部である。
【0100】
ラジカル重合性化合物を含有する場合、これらをラジカル重合によって高分子量化するために、熱又は光によって重合を開始するラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
【0101】
ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤等が使用でき、熱ラジカル重合開始剤(有機過酸化物、アゾ化合物等)及び光ラジカル重合開始剤(アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ミヒラーケトン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アシルホスフィン系開始剤等)が含まれる。
【0102】
ラジカル重合開始剤を含有する場合、ラジカル重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
【0103】
本発明のエネルギー線硬化性組成物は、カチオン重合性化合物、光酸発生剤及び必要により添加剤を、室温(20〜30℃程度)又は必要により加熱(40〜90℃程度)下で、均一に混合溶解するか、またはさらに、3本ロール等で混練して調製することができる。
【0104】
本発明のエネルギー線硬化性組成物は、エネルギー線を照射することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
エネルギー線としては、本発明の光酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、低圧、中圧、高圧若しくは超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ又はF
2レーザ等から得られる紫外〜可視光領域(波長:約100〜約800nm)のエネルギー線が好ましい。なお、エネルギー線には、電子線又はX線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。
【0105】
エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の強度やエネルギー線硬化性組成物に対するエネルギー線の透過性に影響を受けるが、常温(20〜30℃程度)で、0.1秒〜10秒程度で十分である。しかしエネルギー線の透過性が低い場合やエネルギー線硬化性組成物の膜厚が厚い場合等にはそれ以上の時間をかけるのが好ましいことがある。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどのエネルギー線硬化性組成物はカチオン重合により硬化するが、必要であればエネルギー線の照射後、室温(20〜30℃程度)〜200℃で数秒〜数時間加熱しアフターキュアーすることも可能である。
【0106】
本発明のエネルギー線硬化性組成物の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、各種被覆材料(ハードコート、耐汚染被覆材、防曇被覆材、耐触被覆材、光ファイバー等)、粘着テープの背面処理剤、粘着ラベル用剥離シート(剥離紙、剥離プラスチックフィルム、剥離金属箔等)の剥離コーティング材、印刷板、歯科用材料(歯科用配合物、歯科用コンポジット)インキ、インクジェットインキ、ポジ型レジスト(回路基板、CSP、MEMS素子等の電子部品製造の接続端子や配線パターン形成等)、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト(半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の永久膜材料等)、MEMS用レジスト、ポジ型感光性材料、ネガ型感光性材料、各種接着剤(各種電子部品用仮固定剤、HDD用接着剤、ピックアップレンズ用接着剤、FPD用機能性フィルム(偏向板、反射防止膜等)用接着剤等)、ホログラフ用樹脂、FPD材料(カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサー、リブ、液晶用配向膜、FPD用シール剤等)、光学部材、成形材料(建築材料用、光学部品、レンズ)、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、封止材、光半導体(LED)封止材、光導波路材料、ナノインプリント材料、光造用、及びマイクロ光造形用材料等が挙げられる。
【0107】
本発明の光酸発生剤は、光照射によって強酸が発生することから、公知(特開2003−267968号公報、特開2003−261529号公報、特開2002−193925号公報等)の化学増幅型レジスト材料用の光酸発生剤等としても使用できる。
【0108】
化学増幅型レジスト材料としては、(1)酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる樹脂及び光酸発生剤を必須成分とする2成分系化学増幅型ポジ型レジスト、(2)アルカリ現像液に可溶な樹脂、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる溶解阻害剤及び光酸発生剤を必須成分とする3成分系化学増幅型ポジ型レジスト、並びに(3)アルカリ現像液に可溶な樹脂、酸の存在下で加熱処理することにより樹脂を架橋しアルカリ現像液に不溶とする架橋剤及び光酸発生剤を必須成分とする化学増幅型ネガ型レジストが含まれる。
【0109】
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、光又は放射線照射により酸を発生する化合物である本発明の光酸発生剤を含んでなる成分(A)及び酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂成分(B)を含有することを特徴とする。
【0110】
上記成分(A)の含有量は、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の固形分中、0.05〜5重量%とすることが好ましい。
【0111】
<酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂成分(B)>
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物に用いられる、前記「酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)」(本明細書において、「成分(B)」という。)は、ノボラック樹脂(B1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)、及びアクリル樹脂(B3)、からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂、又はこれらの混合樹脂若しくは共重合体である。
【0112】
[ノボラック樹脂(B1)]
ノボラック樹脂(B1)としては、下記一般式(b1)で表される樹脂を使用することができる。
【0114】
上記一般式(b1)中、R
1bは、酸解離性溶解抑制基を表し、R
2b、R
3bは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
【0115】
更に、上記R
1bで表される酸解離性溶解抑制基としては、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基、炭素数3〜6の環状のアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、又はトリアルキルシリル基が好ましい。
【0116】
ここで、上記R
1bで表される酸解離性溶解抑制基の具体例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基1−エトキシ−1−メチルエチル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリル基及びトリ−tert−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。
【0117】
[ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)]
ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)としては、下記一般式(b4)で表される樹脂を使用することができる。
【0119】
上記一般式(b4)中、R
8bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R
9bは、酸解離性溶解抑制基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表す。
【0120】
上記炭素数1〜6のアルキル基は、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜6の分枝鎖状のアルキル基、炭素数3〜6の環状のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0121】
上記R
9bで表される酸解離性溶解抑制基としては、上記R
1bに例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
【0122】
更に、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;マレイン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどのビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニルなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物類などを挙げることができる。
【0123】
[アクリル樹脂(B3)]
アクリル樹脂(B3)としては、下記一般式(b5)〜(b10)で表される樹脂を使用することができる。
【0126】
上記一般式(b5)〜(b7)中、R
10b〜R
17bは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分枝鎖状のアルキル基、フッ素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状フッ素化アルキル基若しくは炭素数3〜6の分枝鎖状フッ素化アルキル基を表し、X
bは、それが結合している炭素原子とともに炭素数5〜20の炭化水素環を形成し、Y
bは、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基を表し、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、pは0〜4の整数であり、qは0又は1である。
【0127】
一般式(b8)、一般式(b9)及び一般式(b10)において、R
18b、R
20b及びR
21bは、相互に独立に、水素原子又はメチル基を示し、一般式(b8)において、各R
19bは、相互に独立に、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基又はCOOR
23b基(但し、R
23bは水素原子、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基若しくは炭素数3〜4の分枝鎖状アルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す。)を示し、一般式(b10)において、各R
22bは、相互に独立に、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体又は炭素数1〜4の直鎖状アルキル基若しくは炭素数3〜4の分枝鎖状のアルキル基を示し、かつR
22bの少なくとも1つが該脂環式炭化水素基若しくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR
22bが相互に結合して、それぞれが結合している共通の炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成し、残りのR
22bは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基若しくは炭素数3〜4の分枝鎖状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を表す。
【0128】
上記成分(B)の中でも、アクリル樹脂(B3)を用いることが好ましい。
【0129】
また、成分(B)のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは10,000〜600,000であり、より好ましくは50,000〜600,000であり、更に好ましくは230,000〜550,000である。このような重量平均分子量とすることにより、レジストの樹脂物性が優れたものとなる。
【0130】
更に、成分(B)は、分散度が1.05以上の樹脂であることが好ましい。ここで、「分散度」とは、重量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。このような分散度とすることにより、レジストのメッキ耐性及び樹脂物性が優れたものとなる。
【0131】
上記成分(B)の含有量は、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の固形分文中、5〜60重量%とすることが好ましい。
【0132】
<アルカリ可溶性樹脂(C)>
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、レジストの樹脂物性を向上させるために、更にアルカリ可溶性樹脂(本明細書において、「成分(C)」という。)を含有させることが好ましい。成分(C)としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、アクリル樹脂及びポリビニル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0133】
上記成分(C)の含有量は、上記成分(B)100重量部に対して、5〜95重量部とすることが好ましく、より好ましくは10〜90重量部とされる。5重量部以上とすることによりレジストの樹脂物性を向上させることができ、95重量部以下とすることにより現像時の膜減りを防ぐことができる傾向がある。
【0134】
<酸拡散制御剤(D)>
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き安定性などの向上のために、更に酸拡散制御剤(D)(本明細書において、「成分(D)」という。)を含有させることが好ましい。成分(D)としては、含窒素化合物が好ましく、更に必要に応じて、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。
【0135】
また、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、基板との接着性を向上させるために、接着助剤を更に含有させることもできる。使用される接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。
【0136】
また、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させるために、界面活性剤を更に含有させることもできる。
【0137】
また、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、酸、酸無水物、又は高沸点溶媒を更に含有させることもできる。
【0138】
また、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、基本的に増感剤の必要がないが、感度を補完するものとして、必要により、増感剤を含有できる。このような増感剤としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、前記のものが挙げられる。
【0139】
これらの増感剤の使用量は、上記式(1)で表されるスルホニウム塩の合計重量100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部である。
【0140】
また、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物には、粘度調整のため有機溶剤を適宜配合することができる。有機溶剤としての具体例は前記のものが挙げられる。
【0141】
これらの有機溶剤の使用量は、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物を(例えば、スピンコート法)使用して得られるフォトレジスト層の膜厚が5μm以上となるよう、固形分濃度が30重量%以上となる範囲が好ましい。
【0142】
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の調製は、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、必要に応じ、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて分散、混合させてもよい。また、混合した後で、更にメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて濾過してもよい。
【0143】
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、支持体上に、通常5〜150μm、より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは10〜100μmの膜厚のフォトレジスト層を形成するのに適している。このフォトレジスト積層体は、支持体上に本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物からなるフォトレジスト層が積層されているものである。
【0144】
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。この基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板やガラス基板などが挙げられる。特に、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、銅基板上においても良好にレジストパターンを形成することができる。配線パターンの材料としては、例えば銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが用いられる。
【0145】
上記フォトレジスト積層体は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、上述したように調製した化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の溶液を支持体上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。支持体上への塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜150℃、好ましくは80〜140℃で、2〜60分間程度とすればよい。
【0146】
フォトレジスト層の膜厚は、通常5〜150μm、好ましくは10〜120μm、より好ましくは10〜100μmの範囲とすればよい。
【0147】
このようにして得られたフォトレジスト積層体を用いてレジストパターンを形成するには、得られたフォトレジスト層に、所定のパターンのマスクを介して、光又は放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線又は可視光線を部位選択的に照射(露光)すればよい。
【0148】
ここに、「光」は、酸を発生するために光酸発生剤を活性化させる光であればよく、紫外線、可視光線、遠紫外線を包含し、また「放射線」は、X線、電子線、イオン線等を意味する。光又は放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザー、LEDランプなどを用いることができる。また、放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、50〜10,000mJ/cm
2である。
【0149】
そして、露光後、公知の方法を用いて加熱することにより酸の拡散を促進させて、この露光部分のフォトレジスト層のアルカリ溶解性を変化させる。ついで、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパターンを得る。
【0150】
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブンなどを用いて乾燥させる。
【0151】
このようにして得られたレジストパターンの非レジスト部(アルカリ現像液で除去された部分)に、例えばメッキなどによって金属などの導体を埋め込むことにより、メタルポストやバンプなどの接続端子を形成することができる。なお、メッキ処理方法は特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。メッキ液としては、特にハンダメッキ、銅メッキ、金メッキ、ニッケルメッキ液が好適に用いられる。残っているレジストパターンは、最後に、定法に従って、剥離液などを用いて除去する。
【0152】
本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物はドライフィルムとしても使用できる。このドライフィルムは、本発明の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物からなる層の両面に保護膜が形成されたものである。化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物からなる層の膜厚は、通常10〜150μm、好ましくは20〜120μm、より好ましくは20〜80μmの範囲とすればよい。また、保護膜は、特に限定されるものではなく、従来ドライフィルムに用いられている樹脂フィルムを用いることができる。一例としては、一方をポリエチレンテレフタレートフィルムとし、他方をポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムからなる群より選ばれる1種とすることができる。
【0153】
上記のような化学増幅型ポジ型ドライフィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、上述したように調製した化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の溶液を一方の保護膜上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。乾燥条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は60〜100℃で、5〜20分間程度でよい。
【0154】
このようにして得られた化学増幅型ドライフィルムを用いてレジストパターンを形成するには、化学増幅型ポジ型ドライフィルムの一方の保護膜を剥離し、露出面を上記した支持体側に向けた状態で支持体上にラミネートし、フォトレジスト層を得、その後、プレベークを行ってレジストを乾燥させた後に、他方の保護膜を剥離すればよい。
【0155】
このようにして支持体上に得られたフォトレジスト層には、支持体上に直接に塗布することにより形成したフォトレジスト層に関して上記したのと同様の方法で、レジストパターンを形成することができる。
【0156】
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物は、光又は放射線照射により酸を発生する化合物である本発明の光酸発生剤を含んでなる成分(E)と、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(F)と、架橋剤(G)とを含有することを特徴とする。
【0157】
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(F)
本発明における「フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂」(以下、「フェノール樹脂(F)」という。)としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が用いられる。これらのなかでも、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂が好ましい。尚、これらのフェノール樹脂(F)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0158】
また、上記フェノール樹脂(F)には、成分の一部としてフェノール性低分子化合物が含有されていてもよい。
上記フェノール性低分子化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0159】
架橋剤(G)
本発明における「架橋剤」(以下、「架橋剤(G)」ともいう。)は、前記フェノール樹脂(F)と反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものであれば、特に限定されない。上記架橋剤(G)としては、例えば、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたベンゼンを骨格とする化合物、オキシラン環含有化合物、チイラン環含有化合物、オキセタニル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む)等を挙げることができる。
【0160】
これらの架橋剤(G)のなかでも、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、オキシラン環含有化合物が好ましい。更には、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用することがより好ましい。
【0161】
本発明における架橋剤(G)の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。この架橋剤(G)の配合量が1〜100重量部である場合には、硬化反応が十分に進行し、得られる硬化物は高解像度で良好なパターン形状を有し、耐熱性、電気絶縁性に優れるため好ましい。
また、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用する際、オキシラン環含有化合物の含有割合は、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物の合計を100重量%とした場合に、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
この場合、得られる硬化膜は、高解像性を損なうことなく耐薬品性にも優れるため好ましい。
【0162】
架橋微粒子(H)
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、得られる硬化物の耐久性や熱衝撃性を向上させるために架橋微粒子(以下、「架橋微粒子(H)」ともいう。)を更に含有させることができる。
【0163】
架橋微粒子(H)の平均粒径は、通常30〜500nmであり、好ましくは40〜200nm、更に好ましくは50〜120nmである。
この架橋微粒子(H)の粒径のコントロール方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合により架橋微粒子を合成する場合、使用する乳化剤の量により乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールすることができる。
尚、架橋微粒子(H)の平均粒径とは、光散乱流動分布測定装置等を用い、架橋微粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。
【0164】
架橋微粒子(H)の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、0.5〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量部である。この架橋微粒子(H)の配合量が0.5〜50重量部である場合には、他の成分との相溶性又は分散性に優れ、得られる硬化膜の熱衝撃性及び耐熱性を向上させることができる。
【0165】
密着助剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、基材との密着性を向上させるために、密着助剤を含有させることができる。
上記密着助剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤等が挙げられる。
【0166】
密着助剤の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、0.2〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部である。この密着助剤の配合量が0.2〜10重量部である場合には、貯蔵安定性に優れ、且つ良好な密着性を得ることができるため好ましい。
【0167】
溶剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために溶剤を含有させることができる。
上記溶剤は、特に制限されないが、具体例は前記のものが挙げられる。
【0168】
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、必要により、増感剤を含有できる。このような増感剤としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、前記のものが挙げられる。
【0169】
これらの増感剤の使用量は、上記式(1)で表されるスルホニウム塩の合計重量100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部である。
【0170】
他の添加剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、必要に応じて他の添加剤を本発明の特性を損なわない程度に含有させることができる。このような他の添加剤としては、無機フィラー、クエンチャー、レベリング剤・界面活性剤等が挙げられる。
【0171】
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法により調製することができる。また、各成分を中に入れ完全に栓をしたサンプル瓶を、ウェーブローターの上で攪拌することによっても調製することができる。
【0172】
本発明における硬化物は、前記化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物が硬化されてなることを特徴とする。
前述の本発明にかかる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物は、残膜率が高く、解像性に優れていると共に、その硬化物は電気絶縁性、熱衝撃性等に優れているため、その硬化物は、半導体素子、半導体パッケージ等の電子部品の表面保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜材料等として好適に使用することができる。
【0173】
本発明の硬化物を形成するには、まず前述の本発明にかかる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を支持体(樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハーやアルミナ基板等)に塗工し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行い、フェノール樹脂(F)と架橋剤(G)との反応を促進させる。次いで、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを得ることができる。更に、絶縁膜特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、硬化膜を得ることができる。
【0174】
樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、又はスピンコート法等の塗布方法を用いることができる。また、塗布膜の厚さは、塗布手段、組成物溶液の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、h線ステッパー、i線ステッパー、gh線ステッパー、ghi線ステッパー等の紫外線や電子線、レーザー光線等が挙げられる。また、露光量としては使用する光源や樹脂膜厚等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚1〜50μmでは、100〜50000J/m2程度である。
【0175】
露光後は、発生した酸によるフェノール樹脂(F)と架橋剤(G)の硬化反応を促進させるために上記PEB処理を行う。PEB条件は樹脂組成物の配合量や使用膜厚等によって異なるが、通常、70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分程度である。その後、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することによって所望のパターンを形成する。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等を挙げることができる。現像条件としては通常、20〜40℃で1〜10分程度である。
【0176】
更に、現像後に絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、加熱処理を行うことによって十分に硬化させることができる。このような硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、50〜250℃の温度で、30分〜10時間程度加熱し、組成物を硬化させることができる。また、硬化を十分に進行させたり、得られたパターン形状の変形を防止するために二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50〜120℃の温度で、5分〜2時間程度加熱し、更に80〜250℃の温度で、10分〜10時間程度加熱して硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブンや、赤外線炉等を使用することができる。
【実施例】
【0177】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、各例中の部は重量部を示す。
【0178】
(製造例1)2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレンの合成 2−ブロモ−9、9−ジメチルフルオレン3.0部,チオフェノール1.8部,水酸化カリウム(純分85%)1.1部及びN−メチルピロリドン6.5部を混合し120℃で1時間攪拌し均一溶解させた。その後180℃で10時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却後,トルエン6.5部を投入、溶解させ、イオン交換水6.5部にてpHが中性になるまで洗浄した。トルエン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,褐色結晶状の生成物を得た。これにメタノール20部を加え,超音波洗浄器でメタノール中に分散し,約15分間静置してから上澄みを除く操作を3回繰り返して,生成した固体を洗浄し,ロータリーエバポレーターで溶媒を留去することにより,白色結晶状の2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレンを2.7部(収率80%)で得た。生成物は
1H−NMRにて同定した。
【0179】
(製造例2)2−[(フェニル)スルフィニル]−9,9−ジメチルフルオレンと2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレンを含む混合物の合成 製造例1で合成した2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレン2.0部,アセトニトリル4.6部,硫酸0.033部及び35%過酸化水素水溶液0.31部を均一混合し,65℃で3時間反応させた。反応液をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,黄色オイル状の2−[(フェニル)スルフィニル]−9,9−ジメチルフルオレン49%と2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレンを51%を含む混合物2.05部を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/1:容量比)で単離した後,
1H−NMRにて同定した。含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
【0180】
〔実施例1〕化合物AG−1の合成
製造例1で合成した2−[(フェニル)スルフィニル]−9,9−ジメチルフルオレンと2−(フェニルチオ)−9,9−ジメチルフルオレンを含む混合物2.05部,無水酢酸2、0部及びメタンスルホン酸1.55部を均一混合し,65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し,イオン交換水5.0部中に投入し,ジクロロメタン5.0部で抽出し,水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。これにトルエン10部を加え,撹拌した後,30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い,生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,淡黄色固体の化合物AG−1を2.0部(収率90%)で得た。生成物は
1H−NMRにて同定した。化合物AG−1の構造は表1に記載した。
【0181】
〔実施例2〕化合物AG−2の合成
実施例1で合成した化合物AG−1を1.0部、ジクロロメタン5.0部に溶解させ、そこへトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部、イオン交換水5.0部を加え、室温下1時間攪拌した。有機層をイオン交換水5.0部で5回洗浄し、これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,淡黄色固体の化合物AG−2を1.35部(収率90%)で得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−2であることを確認した。化合物AG−2の構造は表1に記載した。
【0182】
〔実施例3〕化合物AG−3の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにリチウムテトラキスペンタフルオロボレート(アルドリッチ製)1.1部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.65部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−3であることを確認した。化合物AG−3の構造は表1に記載した。
【0183】
〔実施例4〕化合物AG−4の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにヘキサフルオロアンチモン酸カリウム0.41部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.1部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−4であることを確認した。化合物AG−4の構造は表1に記載した。
【0184】
〔実施例5〕化合物AG−5の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガレート1.2部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.7部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−5であることを確認した。化合物AG−5の構造は表1に記載した。
【0185】
〔実施例6〕化合物AG−6の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにヘキサフルオロリン酸カリウム0.28部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−6であることを確認した。化合物AG−6の構造は表1に記載した。
【0186】
〔実施例7〕化合物AG−7の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.51部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.16部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−7であることを確認した。化合物AG−7の構造は表1に記載した。
【0187】
〔実施例8〕化合物AG−8の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにトリフルオロメタンスルホン酸カリウム0.3部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がAG−8であることを確認した。化合物AG−8の構造は表1に記載した。
【0188】
〔実施例9〕化合物AG−9の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにカンファースルホン酸カリウム0.41部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.1部を得た。H−NMRによりこの固体がAG−9であることを確認した。化合物AG−9の構造は表1に記載した。
【0189】
〔実施例10〕化合物AG−10の合成
実施例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.8部の代わりにp−トルエンスルホン酸ナトリウム0.30部とした以外は実施例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMRによりこの固体がAG−10であることを確認した。化合物AG−10の構造は表1に記載した。
【0190】
〔比較例1〕化合物H−1の合成
4−[(フェニル)スルフィニル]ビフェニル1.0部、4−(フェニルチオ)ビフェニル1.1部,無水酢酸2.2部及びメタンスルホン酸1.73部を均一混合し,65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し,イオン交換水5.0部中に投入し,ジクロロメタン5.0部で抽出し,水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。これにトルエン10部を加え,撹拌した後,30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い,生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,淡黄色固体の化合物H−1を2.0部(収率90%)で得た。生成物は
1H−NMRにて同定した。化合物H−1の構造は表1に記載した。
【0191】
〔比較例2〕化合物H−2の合成
比較例1で合成した化合物H−0を1.0部、ジクロロメタン5.0部に溶解させ、そこへトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部、イオン交換水5.0部を加え、室温下1時間攪拌した。有機層をイオン交換水5.0部で5回洗浄し、これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより,淡黄色固体の化合物H−2を1.4部(収率90%)で得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−2であることを確認した。化合物H−2の構造は表1に記載した。
【0192】
〔比較例3〕化合物H−3の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにリチウムテトラキスペンタフルオロボレート(アルドリッチ製)1.2部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.75部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−3であることを確認した。化合物H−3の構造は表1に記載した。
【0193】
〔比較例4〕化合物H−4の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにヘキサフルオロアンチモン酸カリウム0.47部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.1部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−4であることを確認した。化合物H−4の構造は表1に記載した。
【0194】
〔比較例5〕化合物H−5の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガレート1.3部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.8部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−5であることを確認した。化合物H−5の構造は表1に記載した。
【0195】
〔比較例6〕化合物H−6の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにヘキサフルオロリン酸カリウム0.31部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−6であることを確認した。化合物H−6の構造は表1に記載した。
【0196】
〔比較例7〕化合物H−7の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0.57部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.2部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−7であることを確認した。化合物H−7の構造は表1に記載した。
【0197】
〔比較例8〕化合物H−8の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにトリフルオロメタンスルホン酸カリウム0.32部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMR、F−NMRによりこの固体がH−8であることを確認した。化合物H−8の構造は表1に記載した。
【0198】
〔比較例9〕化合物H−9の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにカンファースルホン酸カリウム0.46部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.1部を得た。H−NMRによりこの固体がH−9であることを確認した。化合物H−9の構造は表1に記載した。
【0199】
〔比較例10〕化合物H−10の合成
比較例2においてトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム0.9部の代わりにp−トルエンスルホン酸ナトリウム0.33部とした以外は比較例2と同様にして淡黄色固体1.0部を得た。H−NMRによりこの固体がH−10であることを確認した。化合物H−10の構造は表1に記載した。
【0200】
【表1】
【0201】
なお、表1中カチオン(CA−1、CA−2)は以下化学式で表される。
【0202】
【化8】
【0203】
(エネルギー線硬化性組成物の調製及びこの評価)
本発明の光酸発生剤(スルホニウム塩)および比較例の光酸発生剤(スルホニウム塩)を、表2に示した配合量で溶媒−1(プロピレンカーボネート)に溶解した後、カチオン重合性化合物であるエポキシド(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業株式会社製、セロキサイド2021P)に表2の配合量(重量部)で均一混合して、エネルギー線硬化性組成物(実施例C1〜C5、比較例C1〜C5)を調製した。
【0204】
【表2】
【0205】
なお、AG−6とH−6は、ヘキサフルオロリン酸塩であり、AG−2〜5やH2〜5のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム塩よりも、発生する酸の強度が弱く、カチオン重合に対する活性が低いため、スルホニウム塩の配合量を多くした。また、それに伴い、溶媒の配合量も多くした。
【0206】
<光感応性(光硬化性)>
上記で得たエネルギー線硬化性組成物をアプリケーター(40μm)でポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布した。PETフィルムに紫外線照射装置を用いて、フィルターによって波長を限定した紫外光を照射した。なお、フィルターはIRCF02フィルター(アイグラフィックス株式会社製、340nm未満の光をカットするフィルター)を使用した。照射後、40分後の塗膜硬度を鉛筆硬度(JIS K5600−5−4:1999)にて測定し、以下の基準により評価し(硬化後の塗膜厚は約40μm)、これらの結果を表3に示した。鉛筆硬度が高いほど、エネルギー線硬化性組成物の光硬化性が良好であること、すなわちスルホニウム塩のカチオン重合性化合物に対する重合開始能(スルホニウム塩の光感応性)が優れていることを示す。
【0207】
(評価基準)
◎:鉛筆硬度が2H以上
○:鉛筆硬度がH〜B
△:鉛筆硬度が2B〜4B
×:液状〜タックがあり、鉛筆硬度を測定できない
【0208】
(紫外光の照射条件)
・紫外線照射装置:ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製)
・ランプ:1.5kW高圧水銀灯
・フィルター:IRCF02フィルター(アイグラフィックス株式会社製)
・照度(365nmヘッド照度計で測定):145mW/cm
2【0209】
・積算光量(365nmヘッド照度計で測定):
条件−1:50mJ/cm
2
条件−2:100mJ/cm
2
条件−3:200mJ/cm
2【0210】
<貯蔵安定性>
上記で得たエネルギー線硬化性組成物を遮光下80℃で加熱して、1ヶ月保存した後、加熱前後の配合試料の粘度を測定し、下記基準により評価した。粘度の上昇がないものほど貯蔵安定性が良い。
(評価基準)
×:加熱後の粘度変化が1.5倍以上。
○:加熱後の粘度変化が1.5倍未満。
【0211】
【表3】
【0212】
表3の結果からわかるように、本発明の光酸発生剤は比較用の光酸発生剤に比べて365nm以上の紫外光でのカチオン重合性化合物の硬化性能(光感応性)が優れていることがわかった。
【0213】
〔化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の評価〕
<評価用試料の調製>
表4に示す通り、光酸発生剤である成分(A)1重量部、樹脂成分(B)として、下記化学式(Resin−1)で示される樹脂40重量部、及び樹脂成分(C)として、m−クレゾールとp−クレゾールとをホルムアルデヒド及び酸触媒の存在下で付加縮合して得たノボラック樹脂60重量部を、溶媒−2(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に均一に溶解させ、孔径1μmのメンブレンフィルターを通して濾過し、固形分濃度40重量%の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物(実施例P1〜P8)を調製した。
また比較例も表4に示した配合量で同様に行い、化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物(比較例P1〜P11)を調製した。
【0214】
【表4】
【0215】
【化9】
【0216】
【化10】
【0217】
<感度評価>
シリコンウェハー基板上に、上記実施例P1〜P8および比較例P1〜P11で調製したポジ型レジスト組成物をスピンコートした後、乾燥して約20μmの膜厚を有するフォトレジスト層を得た。このレジスト層をホットプレートにより130℃で6分間プレベークした。プレベーク後、TME−150RSC(トプコン社製)を用いてパターン露光(i線)を行い、ホットプレートにより75℃で5分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた浸漬法により、5分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素でブローして10μmのラインアンドスペース(L&S)パターンを得た。更に、それ以下ではこのパターンの残渣が認められなくなる最低限の露光量、すなわちレジストパターンを形成するのに必要な最低必須露光量(感度に対応する)を測定した。
【0218】
<貯蔵安定性評価>
また、上記で調製した化学増幅型ポジ型レジスト組成物を用いて、調製直後と40℃で1ヶ月保存後の感光性(感度)評価を上記の通りに行い、貯蔵安定性を次の基準で判断した。
○:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%未満
×:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%以上
【0219】
<パターン形状評価>
上記操作により、シリコンウエハー基板上に形成した10μmのL&Sパターンの形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定し、パターン形状を次の基準で判断した。結果を表5に示す。
◎:0.90≦Lb/La≦1
○:0.85≦Lb/La<0.90
×:Lb/La<0.85
【0220】
【表5】
【0221】
表5に示される通り、実施例P1〜P8の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、比較例P1〜P11のように従来の光酸発生剤を用いた場合よりも高感度であり、貯蔵安定性やパターン形状に優れることが分かる。
【0222】
[化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物の評価]
<評価用試料の調製>
表6に示す通り、光酸発生剤である成分(E)1重量部、フェノール樹脂である成分(F)として、p−ヒドロキシスチレン/スチレン=80/20(モル比)からなる共重合体(Mw=10,000)を100重量部、架橋剤である成分(G)として、ヘキサメトキシメチルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−390」)を20重量部、架橋微粒子である成分(H)として、ブタジエン/アクリロニトリル/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン=64/20/8/6/2(重量%)からなる共重合体(平均粒径=65nm、Tg=−38℃)を10重量部、密着助剤である成分(I)として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社製、商品名「S510」)5重量部を、溶剤−3(乳酸エチル)145重量部に均一に溶解して、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物(実施例N1〜N8)を調製した。
また比較例も表6に示した配合量で同様に行い、化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物(比較例N1〜N11)を調製した。
【0223】
【表6】
【0224】
<感度評価>
シリコンウェハー基板上に、各組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱乾燥して約20μmの膜厚を有する樹脂塗膜を得た。その後、TME−150RSC(トプコン社製)を用いてパターン露光(i線)を行い、ホットプレートにより110℃で3分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた浸漬法により、2分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素でブローして10μmのラインアンドスペースパターンを得た。更に、現像前後の残膜の比率を示す残膜率が95%以上のパターンを形成するのに必要な最低必須露光量(感度に対応する)を測定した。
【0225】
<貯蔵安定性評価>
また、上記で調製した化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いて、調製直後と40℃で1ヶ月保存後の感光性(感度)評価を上記の通りに行い、貯蔵安定性を次の基準で判断した。
○:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%未満
×:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%以上
【0226】
<パターン形状評価>
上記操作により、シリコンウエハー基板上に形成した20μmのL&Sパターンの形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定し、パターン形状を次の基準で判断した。結果を表7に示す。
◎:0.90≦La/Lb≦1
○:0.85≦La/Lb<0.90
×:La/Lb<0.85
【0227】
【表7】
【0228】
表7に示される通り、実施例N1〜N8の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物は、比較例N1〜N11のように従来の光酸発生剤を用いた場合よりも高感度であり、貯蔵安定性やパターン形状に優れることが分かる。