(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797913
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】極低温冷却されるボーリングツールの温度管理
(51)【国際特許分類】
B23D 77/02 20060101AFI20201130BHJP
B23C 5/28 20060101ALI20201130BHJP
B23B 51/06 20060101ALI20201130BHJP
B23B 27/10 20060101ALN20201130BHJP
B23B 29/02 20060101ALN20201130BHJP
【FI】
B23D77/02
B23C5/28
B23B51/06 D
!B23B27/10
!B23B29/02 Z
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-523463(P2018-523463)
(86)(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公表番号】特表2019-501028(P2019-501028A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】US2016060534
(87)【国際公開番号】WO2017083192
(87)【国際公開日】20170518
【審査請求日】2019年10月3日
(31)【優先権主張番号】62/254,407
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516213932
【氏名又は名称】5エムイー・アイピー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョージウー,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】アゾパルディ,ドン
【審査官】
山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−519016(JP,A)
【文献】
特開2004−148495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 77/02−77/04,
B23C 5/28,
B23B 27/10,29/02,51/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却剤の漏れおよび冷却剤の排出によって生じる、工作物に対する極低温の冷却剤の効果を軽減する、極低温冷却されるボーリングツールであって、前記ボーリングツールが、
切削ツール挿入物を保持するための少なくとも1つのカートリッジを有するツール本体と、
前記切削ツール挿入物と、冷却剤を前記切削ツール挿入物から大気に案内するための前記ツール本体の内側にある少なくとも1つの内部排出通路とに、極低温冷却剤を供給するための前記ツール本体内部の冷却剤流路であって、
前記切削ツール本体の中の供給通路と、前記カートリッジの中の供給通路とを備える、冷却剤流路と、
前記切削ツール本体の中の前記供給通路を前記カートリッジの中の前記供給通路と連結するための供給伝達管と、
前記切削ツール本体の中の前記供給通路の少なくとも一部をライニングする第1の絶縁管と、前記カートリッジの中の前記供給通路の少なくとも一部をライニングする第2の絶縁管とを備え、前記供給伝達管が、前記第1の絶縁管および前記第2の絶縁管の端部に圧入され、極低温冷却剤が前記冷却剤流路を通って流れるとき、前記供給伝達管ならびに前記第1の絶縁管および前記第2の絶縁管の収縮率により、前記絶縁管の前記圧入部の、前記絶縁管と前記供給伝達管の間の封止が強まり、前記冷却剤流路からの極低温冷却剤の漏れを防止する、極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項2】
前記ツール本体の中の前記供給通路の少なくとも一部をライニングする前記第1の絶縁管に圧入される、前記供給伝達管の第1のニップルと、
前記カートリッジの中の前記供給通路の少なくとも一部をライニングする前記第2の絶縁管に圧入される、前記供給伝達管の第2のニップルと
をさらに備える、請求項1に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項3】
前記供給伝達管に、ねじ切り部分をさらに備え、前記ねじ切り部分が、前記ツール本体にねじ込まれる、請求項2に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項4】
前記切削ツール本体の中の冷却剤排出通路、および前記カートリッジの中のカートリッジ排出通路を備える前記内部排出通路と、
前記切削ツール本体の中の前記冷却剤排出通路を前記カートリッジの中の前記カートリッジ排出通路に連結するための排出伝達管と、
前記ツール本体の中の前記内部排出通路の少なくとも一部をライニングする第3の絶縁管と、
前記カートリッジの中の前記カートリッジ排出通路の少なくとも一部をライニングする第4の絶縁管とをさらに備え、前記排出伝達管が、前記第3の絶縁管および前記第4の絶縁管の端部に圧入され、極低温冷却剤が前記冷却剤排出通路を通って流れるとき、前記排出伝達管ならびに前記第3の絶縁管および前記第4の絶縁管の収縮率により、前記絶縁管の前記圧入部の、前記絶縁管と前記排出伝達管の間の封止が強まり、前記内部排出通路からの極低温冷却剤の漏れを防止する、
請求項1に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項5】
前記ツール本体の中の前記内部排出通路の少なくとも一部をライニングする前記第3の絶縁管に圧入される、前記排出伝達管の第1のニップルと、
前記カートリッジの中の前記カートリッジ排出通路の少なくとも一部をライニングする前記第4の絶縁管に圧入される、前記排出伝達管の第2のニップルと
をさらに備える、請求項4に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項6】
前記排出伝達管に、ねじ切り部分をさらに備え、前記ねじ切り部分が、前記ツール本体にねじ込まれる、請求項5に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項7】
前記切削ツール挿入物を受けるために前記カートリッジに形成されるポケットと、前記ポケットに形成される後壁部と、
前記切削ツール挿入物の下面に形成されるチャネルとをさらに備え、前記切削ツール挿入物が前記カートリッジに取り付けられるとき、前記挿入物の前記下面が、前記ポケットの前記後壁部に当たり、前記チャネルと前記後壁部が冷却剤空洞を形成して前記挿入物を冷却する、
請求項4に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項8】
前記冷却剤空洞に前記カートリッジの中の前記供給通路を連結するカートリッジ供給通路と、
前記挿入物に形成され、前記カートリッジ排出通路に前記冷却剤空洞を連結する挿入物排出ポートとをさらに備え、前記カートリッジ供給通路からの冷却剤が、前記冷却剤空洞に入って前記挿入物を冷却し、前記冷却剤空洞の中の極低温の冷却剤の気化分によって生じる排出物が、前記内部排出通路を通って大気に送り出される、
請求項7に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項9】
前記内部排出通路から大気に極低温冷却剤を排出するための、前記ツール本体上の少なくとも1つの排出ポートと、
前記切削ツール挿入物のアクティブ切削縁部とをさらに備え、前記少なくとも1つの排出ポートと前記切削ツール挿入物の前記アクティブ切削縁部との間の距離が、前記ボーリングツールが使用されることになる工作物の孔の深さよりも長くなるように、前記少なくとも1つの排出ポートが、前記ツール本体の、前記切削ツール挿入物から離れたところに配置され、それによって、前記ツール本体が前記孔に完全に挿入されるとき、前記少なくとも1つの排出ポートが、前記孔の外側にとどまって、前記少なくとも1つの排出ポートからの前記排出物の流れと前記工作物との間の大気バリアを保つ、
請求項8に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項10】
前記第1の絶縁管および前記第2の絶縁管が、ポリテトラフルオロエチレンの管から構成される、請求項1に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項11】
前記供給伝達管が、金属で形成される、請求項1に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項12】
前記供給伝達管が、ステンレス鋼で形成される、請求項1に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項13】
前記第3の絶縁管および前記第4の絶縁管が、ポリテトラフルオロエチレンの管から構成される、請求項4に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【請求項14】
前記排出伝達管が、金属で形成される、請求項4に記載の極低温冷却されるボーリングツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この装置は、熱に関連した工作物の孔形状の歪みを抑えるための、極低温冷却されるボーリングツールの温度管理に関する。
【背景技術】
【0002】
極低温冷却剤を切削ツールに応用して切削縁部の摩耗を軽減することが、平削り、旋削、および他の金属切削工程において好都合であることが証明されている。極低温冷却される切削ツールをシリンダボーリングなどのボーリング作業に使用することは、ツールから大気に排出される冷却剤、およびツール内部の冷却剤流路からの極低温冷却剤の漏れにより、ツールからの極低温冷却剤がシリンダ壁部と接触することによって引き起こされる、孔の変形の原因となる場合があることが分かっている。ツール本体内部の冷却剤流路での漏れに関しては、切削挿入物を保持する調整可能カートリッジと切削機本体との間の界面を封止することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
冷却剤を孔内に排出しない、極低温冷却剤を使用するボーリング作業用切削ツールを作り出すことが、好都合なはずである。
ツール内部の冷却剤流路からの冷却剤の漏れが最小限にされる、極低温冷却剤を使用するボーリング作業用切削ツールを作り出すことが、好都合なはずである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図2】工作物の円筒形の孔の中にある、
図1のボーリングツールの側面図である。
【
図3】切削ツール挿入物を保持するカートリッジの斜視図である。
【
図6】部分的に断面をとった、ボーリングツールの前部分の詳細斜視図である。
【
図7】ボーリングツールの前部分の側断面図である。
【
図8】
図7に示されるセクション8の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、参照符号10で全体を示されるボーリングツールの、前端部の端面斜視図である。ボーリングツール10は、概ね円筒形の外表面12を有するツール本体11と、ツールを回転駆動装置に連結するための軸柄端部13と、工作物と係合する前端部14とを有することができる。前端部14は、複数の切削ツール挿入物16を支持することができる。ボーリングツール10は、ボーリングツール10の軸柄端部13から前端部14まで延在して冷却剤を切削ツール挿入物16に案内するツール本体の中の冷却剤送り通路17を含む、ツール内部の冷却剤流路15と、挿入物16から軸柄端部13まで冷却剤を戻すように案内するための複数の内部排出通路18とを有してもよい。冷却剤流路15は、ツール本体の中の径方向供給通路52と、以下でより詳しく説明されるように切削ツール挿入物16が取り付けられるカートリッジ30の中の、カートリッジ供給通路55も含む。
【0006】
冷却剤送り通路17は、ツールの回転軸20に沿って配置されてもよく、内部排出通路18は、送り通路17とツールの外表面12との間に配置されてもよい。内部排出通路18は、ツール本体11の外表面12から間隔を空けて配置されて、ツール本体11の外表面12に対する、冷却剤の冷却効果を軽減することがきる。使用される冷却剤は、液体窒素(LN2)などの極低温冷却剤でも、産業上の機械加工作業で使用される他の任意の極低温冷却剤でもよい。冷却剤送り通路17と内部排出通路18はどちらも、プラスチックなどの極低温で共用可能な熱絶縁材料21でライニングされてもよい。好ましい実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の管またはライニングが使用されたが、他の材料が使用されてもよい。ボーリングツール10は、ツールの前端部14の外周部の周りに間隔を空けて配置される複数の切削ツール挿入物16を有してもよい。各挿入物16は、切削作業中に工作物と係合するアクティブ切削縁部39を有してもよい。示されている実施形態では5つの切削ツール挿入物16が存在しているが、必要に応じて、これより多い、または少ない切削ツール挿入物16が提供されてもよい。
【0007】
図2は、内燃機関などの工作物23のシリンダ孔24などの円筒形の孔の中にある、
図1のボーリングツールの側面図である。それぞれの内部排出通路18は、切削ツール本体11の外表面12に形成された排出ポート26に連結される。排出ポート26は、切削ツール本体11の、切削ツール挿入物16から離れたところに配置され、その結果、ツール本体11の前部分の切削ツール挿入物16のアクティブ切削縁部39が、示されるようにシリンダ孔24を貫通し、円筒形の孔24から出た外側にあるとき、ポート26は、円筒形の孔24の外側にある。このように、ボーリングツール10は、排出ポート26と切削ツール挿入物16のアクティブ切削縁部との間の軸方向距離27が、ツール10が使用されることになる孔24の深さ28よりも長くなるように設計される。
【0008】
図3は、切削ツール挿入物16を保持するカートリッジ30の詳細図である。カートリッジ30は、カートリッジ取付けボルト(図示せず)を受けてカートリッジ30をツールの前端部14に取り付けることができる1つまたは複数の取付け穴31と、カートリッジ30を屈曲させて、切削ツール挿入物16のアクティブ切削縁部39の位置を調整することによってツール10の切削直径を調整する、径方向調整ねじ35とを有してもよい。カートリッジ30は、切削ツール挿入物16を受けるポケット32と共に形成されてもよい。切削ツール挿入物16は、挿入物取付けボルト34により、ポケット32の後壁部33に対して保持されてもよい。挿入物取付けボルト34は、挿入物の上面37と挿入物16の下面38との間に延在してもよい、挿入物取付けボルト穴36を貫通することができる。
【0009】
図4は、切削ツール挿入物16の下面38の斜視図である。下面38は、挿入物16の外縁部の周りに延在する、立てられた外側リム41と、挿入物取付けボルト穴36を囲む、立てられた内側リム42とを有してもよい。立てられた外側リム41と立てられた内側リム42は、共通平面上にある。挿入物16の立てられた外側リム41と立てられた内側リム42の間に、チャネル43が形成されてもよい。切削ツール挿入物16がカートリッジ30に取り付けられるとき、挿入物の立てられた外側リム41および立てられた内側リム42はポケット32の後壁部33に当たり、以下でより詳しく説明されるように、チャネル43と後壁部33は冷却剤空洞45を形成する。挿入物16の2つの面に、挿入物排出ポート47が形成されてもよい。挿入物排出ポート47は、挿入物の下面38に形成されるチャネル43と通じ、挿入物16がカートリッジポケット32に取り付けられるとき、カートリッジ30に形成されるカートリッジ排出通路49と位置合わせされてもよい。
【0010】
図5は、
図4の切削ツール挿入物16の上面37の斜視図である。
図6は、部分的に断面をとった、ツールの前端部14の上半分を示すボーリングツール10の前面斜視図であり、
図7は、ツールの前端部14の上半分の側断面図である。カートリッジ30は、ツール本体11の前端部14の座面51に取り付けられ、切削ツール挿入物16は、カートリッジ30に取り付けられる。冷却剤流路15は、ツール本体の中の軸方向冷却剤送り通路17および径方向供給通路52を含み、ならびにカートリッジ30の中のカートリッジ供給通路55を含む。ツール本体11の中の径方向供給通路52は、座面51で終端する。径方向供給通路52の上部分に供給伝達管54が挿入され、径方向供給通路52を、カートリッジ30の中に形成されるカートリッジ供給通路55と接合してもよい。以下でより詳しく説明されるように、カートリッジ供給通路55は、挿入物16の中の冷却剤空洞45に冷却剤を送達することができる。供給伝達管54は、カートリッジ30の中に延在する部分62を有してもよく、ツール本体11の中にねじ込まれるねじ切り部分60を有してもよい。
【0011】
カートリッジ排出通路49は、カートリッジ30の中に形成され、ポケット32からカートリッジ30の底面57まで延在してもよい。排出伝達管58は、カートリッジ排出通路49を、ツール本体11の中に形成される、座面51からツール本体11の中に形成される内部排出通路18まで延在する径方向排出通路59と接合する。
図1および
図2に示されるように、内部排出通路18は、ツールの軸柄端部13に向かって、ボーリングツール10に沿って軸方向に延在してもよく、排出ポート26のうちの1つと通じていてもよい。内部排出通路18は、極低温で共用可能な絶縁体でライニングされて、内部排出通路18内の冷却剤とツール本体11との間の熱伝達を最小限にすることができる。排出ポート26は、
図2に示されるようにツール本体11が孔24に完全に挿入されるとき、排出ポート26が工作物23の円筒形の孔24の外側にとどまるように、ツール本体の外表面12に配置されてもよい。
【0012】
図8および
図9において最もよく理解されるように、供給伝達管54は、ねじ切り部分60を有してもよく、ツール本体11にねじ込まれてもよい。供給伝達管54は、両端部にニップルを有してもよい。第1のニップル61は、径方向供給通路52をライニングする第1の絶縁管66に圧入されてもよく、第2のニップル62は、カートリッジ供給通路55をライニングすることができる第2の絶縁管67に圧入されてもよい。供給伝達管54は金属で形成されてもよく、好ましい実施形態では、ステンレス鋼が使用された。他の材料または金属が使用されてもよい。第1の絶縁管66および第2の絶縁管67は、それぞれ、プラスチックやナイロンなどの、極低温で共用可能な熱絶縁材料から構成されてもよい。好ましい実施形態では、PTFE管が使用された。他の材料が使用されてもよい。
【0013】
戻って
図6および
図7を参照すると、排出伝達管58は、第1の端部でツール本体11の径方向排出通路59と通じ、第2の端部でカートリッジ30の中に形成されるカートリッジ排出通路49と通じることができる。排出伝達管は、金属で形成され、供給伝達管54と同様の構成であってもよいが、異なるサイズで作られて、排出流の流量要件に対応してもよい。排出伝達管58は、ねじが切られてもよく、ツール本体11にねじ込まれてもよい。排出伝達管58は、両端部にニップルを有してもよい。第1のニップル63は、径方向排出通路59をライニングする第3の絶縁管68に圧入されてもよく、第2のニップル64は、カートリッジ排出通路49をライニングする第4の絶縁管69に圧入されてもよい。第3の絶縁管68および第4の絶縁管69は、それぞれ、プラスチックやナイロンなどの極低温で共用可能な熱絶縁材料から構成されてもよい。好ましい実施形態では、PTFE管が使用された。他の材料が使用されてもよい。
【0014】
冷却剤供給通路は、冷却剤送り通路17から、切削ツール挿入物16によって形成される冷却剤空洞45まで延在してもよく、径方向供給通路52と、供給伝達管54の端部からカートリッジ30を通ってカートリッジポケット32の後壁部33の供給出口70まで延在するカートリッジ供給通路55とを含んでもよい。供給出口70は、挿入物16の下面38の立てられた外側リム41と立てられた内側リム42との間に形成される冷却剤空洞45と位置合わせされる。
【0015】
使用の際、極低温冷却剤は、外部供給源からツール本体11の冷却剤送り通路17に供給されてもよい。極低温剤は、冷却剤送り通路17から、ツール本体11の中に取り付けられる径方向供給ライン52および供給伝達管54に入ることができる。極低温剤は、供給伝達管54から、カートリッジ供給通路55に入ることができる。カートリッジ供給通路55からの冷却剤は、挿入物16の下面38の冷却剤空洞45に入ることができ、挿入物16、特に、工作物23と接触する挿入物の切削縁部39を冷却する。冷却剤空洞45内の極低温の冷却剤の気化分によって生じる排出物は、カートリッジ排出通路49を通って切削ツール本体11の中の排出伝達管58、排出通路18、そして冷却剤を大気に排出する排出ポート26に送り出されてもよい。
図2に示されるように、排出ポート26は、工作物の孔24の外側にあり、ポートからの極低温排出物の流れと工作物23との間の大気バリアを保つ。
【0016】
ツール本体11の中の流路を通る極低温冷却剤の流れが、伝達管54および伝達管58の両端部と嵌合される絶縁管66〜69を含む、流路を形成する構成要素を冷却する。絶縁管66〜69の収縮は、金属の伝達管54および伝達管58の収縮より大きいので、絶縁管66〜69が収縮するとき、絶縁管66〜69は、第1の絶縁管66および第2の絶縁管67と供給伝達管54との間、ならびに第3の絶縁管68および第4の絶縁管69と排出伝達管58との間の封止を強める。伝達管54および伝達管58と接した絶縁管66〜69の収縮は、嵌合する部品の収縮率の差による漏れ防止用封止を生み出す。排出ポート26をシリンダ孔24の外側に配置すること、排出ポート26を工作物材料23から離すように向けること、ならびに冷却剤送り通路および内部排出通路の中の極低温剤が、これらの通路がツール本体11とカートリッジ30の間を横断する場所で漏れるのを防止することにより、極低温の冷却剤の孔24に対する効果が軽減され、工作物内の円筒形の孔24の真円度、直線性および円筒度が保たれる。
【0017】
このように本発明を説明してきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に入ることが意図される、種々の修正および変更が明らかになろう。