(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797921
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】3次元対象物の造形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/135 20170101AFI20201130BHJP
B29C 64/264 20170101ALI20201130BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20201130BHJP
B29C 64/106 20170101ALN20201130BHJP
【FI】
B29C64/135
B29C64/264
B33Y10/00
!B29C64/106
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-531580(P2018-531580)
(86)(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公表番号】特表2018-537324(P2018-537324A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】AT2016060120
(87)【国際公開番号】WO2017100811
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年6月25日
(31)【優先権主張番号】A51079/2015
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】518166298
【氏名又は名称】シュタットルマン、クラウス
【氏名又は名称原語表記】STADLMANN, Klaus
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】シュタットルマン、クラウス
【審査官】
浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−331591(JP,A)
【文献】
特開2009−132127(JP,A)
【文献】
特開2006−272916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層(3;30)を時間的に順次現像することにより、ステレオリソグラフプロセスで層全体として3次元対象物(2)を造形する方法であって、前記層の現像は当該層の硬化をトリガする光線による露光によって行う方法において、
前記層(3;30)の少なくとも1つは、分割ライン(33)の両側に位置しかつ実質的に互いに並んだ少なくとも2つの部分領域(3a,3b;21,22;31,32;41,42;51,52;61,62)に分割され、当該部分領域はそれぞれ時間的に別個の現像ステップで現像され、前記分割ライン(33)に沿って延在し所定の幅(B)を有する重なり合い領域(23,34,35,36)が設けられており、該重なり合い領域は、当該重なり合い領域に関与する2つの部分領域の縁部領域を含み、
互いに隣接する部分領域の縁部領域は、前記分割ライン(33)に沿って形状結合的に互いに突入して互いにかみ合って係合し、これらの部分領域は変形ないし破壊することなく互いに解離することが不可能であるよう構成されており、
各重なり合い領域では層の現像が、それぞれ部分的に、前記重なり合い領域に関与する部分領域に所属する現像ステップで行われる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
1つの層(30)において互いに隣接する部分領域(31,32)の重なり合い領域(35;36)における縁部領域(複数)は互いに関連しており、櫛状または鉤状または鳩尾状に互いにかみ合って係合している
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上下に重なる複数の層は、互いに幾何学的に対応する部分領域(複数)(51,52,61,62)に分割され、上下に重なる層の互いに対応する部分領域の縁部領域(複数)は、全体として1つの関連する3次元形状を造形し、このようにして造形された3次元形状は相互にかみ合って係合し、変形ないし破壊することなく互いに解離することが不可能であるよう構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
重なり合い領域(23,43)における分割は、前記重なり合い領域をモザイク状に領域ピースに分割し、そのようにして形成された領域ピースを、前記重なり合い領域に関与する部分領域にランダムに割り当てるように行われる
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記モザイク状の分割は、層の分割に対応して、ピクセルにおいて、またはピクセルの所定の群において行われる
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記部分領域は、時間的に順次露光され、それぞれ1つの層の部分領域は、時間的に直接前後して露光される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
上下に重なる層において部分領域への層の分割が行われ、種々異なる層にある前記縁部領域は、互いに鏡像的および/または反転した幾何形状を有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
形状結合的に結合して他方の部分領域に突入する領域部分は、形成すべき3次元対象物(2)の外側輪郭から、すなわち所定の最小間隔で離間している
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンティング方法、正確に言えば、複数の層を時間的な順序で(即ち順次)現像することにより、ステレオリソグラフプロセスで3次元対象物を造形する方法に関するものであり、それら層の全体が3次元対象物を形成する。ここで層の少なくとも1つは、実質的に互いに並んだ2つ以上の部分領域に分割され、このように設定された部分領域が互いに別個の現像ステップで現像される。層ないし層の部分領域の現像は、通常、そのための適切な物質の硬化によって行われる。
【背景技術】
【0002】
この形式の方法は公知であり、ステレオリソグラフ法の他に、高速プロトタイプ作成(Rapid Prototyping)、写真凝固法(Fotosolidification)または3Dプリンティング法などの種々の別の呼び方が一般的である。ステレオリソグラフプロセスでは、層ないし層情報を層ごとにまたは連続的に繋ぎ合わせることにより、感光性物質からなる3次元本体が造形される。この形式の作製プロセスでは硬化可能な物質が使用され、例えばデジタルマスキングまたはレーザ光線の移動により形成可能な幾何学的層情報を層ごとに造形することによって、あらかじめ設定された所望の形状を有する3次元対象物(「本体」または「オブジェクト」)を造形する。硬化可能な物質は、通常、液状またはペースト状の感光性材料であり、適切な光による照射の際に硬化し、多くの場合は液状のモノマー組成物である。
【0003】
3次元対象物を感光性材料から造形するための種々の3Dプリンティング方法が公知である。ここでは方法に応じてペースト状、液状または顆粒状の材料が、電磁光線による(例えばUV光線、IR光線による)現像によって硬化される。 一例はステレオリソグラフ方法であり、この方法は、感光性材料を局所的に目的どおりに硬化するために、ピクセルベースのマスキング露光方法を利用する。この方法では、領域ごとに硬化するために、元の層情報を個々の層の部分領域に対する部分情報に変換することができる。
【0004】
ピクセルベースのマスキング露光システム(例えば商品名「DLP」の下でも知られるマイクロミラーデバイスないしMEMS[microelectromechanical systems])を使用して層情報を生成する露光システムは、ピクセルが所定の解像度において特定の大きさの露光領域に制限されている。そのため、あらかじめ設定された露光領域に適合する対象物しか3Dプリンティング方法で生成できない。このことは、ガルバノスキャナを使用する、例えば光学システムのような他の露光方法に対しても当てはまる。
【0005】
大きさに関するこの制限を回避するそれ自体公知の手法は、露光領域に対して過度に大きな層情報を比較的に小さな部分領域に分解し、これら部分領域の形状に順次的に露光することである。
【0006】
この種の方法の一例が特許文献1に記載されている。そこでは複数の投影装置が論理結合によって共に接続され、これにより比較的に大きな露光領域を獲得する。この露光領域は互いに突き合う個別画像の縁部に直線状の重複部、いわゆる「シーム」を有する。さらに特許文献1にはいわゆるグレースケールを使用することが記載されている。すなわち、1/2から1ピクセルの大きさの領域を使用することが記載されており、このピクセルの強度は、1つの層を完全に現像するために必要な全体強度に相当しない。したがって全部の層情報が境界線の設定により個別の領域に分割され、これらの領域が相応の露光シーケンスを介して現像される。ここで領域の縁部は、グレースケールによってそれ自体完全にオーバレイされる(ueberlagert werden)。
【0007】
特許文献2には連続的露光方法が記載されている。この露光方法では、層情報が、所定の解像度においてピクセルベースのマスクの個々の露光面よりも大きく、所属の露光プロセスが、運動装置と同期したビデオの投影によって行われる。これにより、狭いがしかし長さにおいては理論的に制限のない領域を位置選択的に硬化することができる。ラインごとに走査する(Abrastern)ことにより、運動方向に対して横方向の広がりも任意に拡張することができる。これにより、照射強度の変調によって二重に露光される重なり合い領域が得られ、互いに並んで配置されたストライプの結合が達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1946910号
【特許文献2】欧州特許出願公開第1666235号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
公知の方法はいくつかの欠点を有する。別個の現像ステップで形成される部分領域間の境界に、しばしば境界線またはそれどころか隙間が生じ、これが作製された対象物の破壊を引き起こすことがある。さらに材料に依存する老化作用が、とりわけ個別画像の重なり合い領域にグレースケースを使用する場合、不完全な硬化を引き起こす。さらに、部分層情報の直線状の重複領域が、作製された対象物に不均一な強度(ないし剛性)を引き起こし、とりわけ外見を損なうことがある。
【0010】
本発明の課題は、部分領域から構成される層による公知のステレオリソグラフ方法の前記欠点を回避することである。とりわけ、不完全な現像の結果としての、個別画像の重なり合い領域における欠陥および目標破壊個所を回避することが望まれる。改善された3次元結合により比較的に大きな強度(ないし剛性)を達成するために、直線状の重複部の影響を取り除くことが望まれる。とりわけ、対象物の破壊を引き起こし得る、欠陥を伴って形成された境界線によって露光プロセスでエラーが生じるのを回避することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、冒頭に述べた形式の方法から出発して、本発明により、部分領域の少なくとも一方が、同じ層の他方の部分領域に向いた縁部領域内に領域部分を含み、当該領域部分は、前記他方の部分領域に形状結合的(蟻継ぎ式)に結合して、例えば櫛状および/または鉤状および/または鳩尾状に突入していることによって解決される。
本発明の第1の視点において、複数の層を時間的に順次現像することにより、ステレオリソグラフプロセスで層全体として3次元対象物を造形する方法であって、前記層の現像は当該層の硬化をトリガする光線による露光によって行う方法が提供される。該方法において、前記層の少なくとも1つは、分割ラインの両側に位置しかつ実質的に互いに並んだ少なくとも2つの部分領域に分割され、当該部分領域はそれぞれ時間的に別個の現像ステップで現像され、前記分割ラインに沿って延在し所定の幅を有する重なり合い領域が設けられており、該重なり合い領域は、当該重なり合い領域に関与する2つの部分領域の縁部領域を含み、互いに隣接する部分領域の縁部領域は、前記分割ラインに沿って形状結合的に互いに突入して互いにかみ合って係合し、これらの部分領域は変形ないし破壊することなく互いに解離することが不可能であるよう構成されており、各重なり合い領域では層の現像が、それぞれ部分的に、前記重なり合い領域に関与する部分領域に所属する現像ステップで行われることを特徴とする(形態1)。
なお、本願の特許請求の範囲の各請求項に付記した図面参照符号は、専ら説明の理解を助けるためのものであり、図示の形態に限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この解決策は、部分領域における画像情報を全体層情報に繋ぎ合わせるための新たな手法であり、元の全体層情報を個別の部分領域に分割することに基づく。部分領域の間の分離ラインを直線状にまたはわずかだけ湾曲させる代わりに、部分領域の間の境界領域は、これらの部分領域が互いにかみ合って係合し、部分領域が互いに形状結合的に結合した接続に移行するように構成される。そして部分領域の総和が、全体として層ないしこの層の層情報となる。
ここに本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の方法において、1つの層において互いに隣接する部分領域の重なり合い領域における縁部領域(複数)は互いに関連しており、櫛状または鉤状または鳩尾状に互いにかみ合って係合していることが好ましい。
(形態3)形態1の方法において、上下に重なる複数の層は、互いに幾何学的に対応する部分領域(複数)に分割され、上下に重なる層の互いに対応する部分領域の縁部領域(複数)は、全体として1つの関連する3次元形状を造形し、このようにして造形された3次元形状は相互にかみ合って係合し、変形ないし破壊することなく互いに解離することが不可能であるよう構成されることが好ましい。
(形態4)形態1又は3の方法において、重なり合い領域における分割は、前記重なり合い領域をモザイク状に領域ピースに分割し、そのようにして形成された領域ピースを、前記重なり合い領域に関与する部分領域にランダムに割り当てるように行われることが好ましい。
(形態5)形態4の方法において、前記モザイク状の分割は、層の分割に対応して、ピクセルにおいて、またはピクセルの所定の群において行われることが好ましい。
(形態6)形態1〜5の何れかの方法において、前記部分領域は、時間的に順次露光され、それぞれ1つの層の部分領域は、時間的に直接前後して露光されることが好ましい。
(形態7)形態1〜6の何れかの方法において、上下に重なる層において部分領域への層の分割が行われ、種々異なる層にある前記縁部領域は、互いに鏡像的および/または反転した幾何形状を有することが好ましい。
(形態8)形態1〜7の何れかの方法において、形状結合的に結合して他方の部分領域に突入する領域部分は、形成すべき3次元対象物の外側輪郭から、すなわち所定の最小間隔で離間していることが好ましい。
【0013】
ここで「形状結合的に結合した接続」とは、部分領域の少なくとも1つが所属の部分領域と接続されており、接続領域の幅が所属の部分領域に向かう方向で増大しないことを意味する。ここでは部分領域が、小さなまたはそれどころか減少する幅を備える接続領域を介して所属の部分領域と接続されていると、特に好ましい。これは例えば鳩尾式の接続の場合である。または部分領域の主要部よりも小さな幅を有する「ネック状」部分を介する接続の場合である。形状結合的に結合した接続では、接続された複数の部分を互いに解離することは、例えば他方の部分領域に突入する1つまたは複数の領域部分を引き離すことにより、この部分を変形またはそれどころか破壊しないと不可能である。部分領域における構成部材の強度(ないし剛性)も他の手法と比較して高められる。なぜなら、部分領域が互いにかみ合って係合することにより、亀裂が広がることが困難だからである。これら部分領域は順次現像され、全体として所望の層領域を形成し、これらの層領域(複数)がさらに、全体として形成すべき3次元対象物を造形する。
【0014】
本発明の有利な一視点では、1つの層において互いに隣接する部分領域の縁部領域は関連している。これらの部分領域は、ここでは櫛状および/または形状結合的に接合して互いにかみ合って係合することができる。この視点の好ましい一実施形態によれば、互いに隣接する部分領域の縁部領域は、区分分割ライン(Aufteilungslinie)に沿って互いにかみ合って係合することができ、この区分分割ラインは、縁部領域ないし部分領域が形状どおりに互いに押し合う(ないし突き合う ein formwahrendes Auseinanderruecken)ことを許容しないよう構成される。このようにして、部分領域間で対象物内部の結合を格段に改善することができる。
【0015】
この視点の一変形は、上下に重なる複数の層への、関連する縁部領域の形成を拡張する。対応して、上下に重なる複数の層は、互いに幾何学的に対応する部分領域に分割することができる。ここで上下に重なる層の互いに対応する部分領域の縁部領域は、全体として1つの関連する3次元形状を造形する。そしてこのようにして造形された3次元形状は相互にかみ合って係合し、この3次元形状が形状どおりに互いに押し合う(突き合う)ことを許容しないよう構成される。
【0016】
本発明の有利な一発展形態によれば、1つの層内で互いに隣接する少なくとも2つの部分領域は、それぞれ他方の部分領域に形状結合的(蟻継ぎ式)に結合して突入する領域部分を含むことができる。
【0017】
本発明の一形態では、1つの層の互いに隣接する2つの部分領域の間に重なり合い領域を設けることができ、この重なり合い領域は当該重なり合い領域に関与する2つの部分領域の縁部領域を含む。これらの縁部領域は、それぞれ他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含む。ここで各重なり合い領域では層の現像が、それぞれ部分的に、重なり合い領域に関与する部分領域に所属する現像ステップで行われる。好ましくは、重なり合い領域内にある関与する2つの部分領域は、形成すべき層ないし層情報を基準にして互いに相補形である。この構成では、重なり合い領域における分割は、例えば重なり合い領域をモザイク状に領域ピースに分割し、そのようにして形成された領域ピースを、重なり合い領域に関与する部分領域にランダムに割り当てることによって行うことができる。このランダム(zufaellig)な分割により、確実で安定した移行が得られ、この移行は同時に、規則的な構造によるパターン形成を回避する。部分領域が可及的に微細部分をもって(feingliedrig)互いにかみ合って係合することを達成するために、モザイク状の分割が、層のピクセルへの、またはピクセルの所定の群への分割と合致適合して行われると有利であり得る。
【0018】
層の現像は、通常、層の硬化をトリガする光線による露光によって行うことができる。物質の硬化をトリガするのに適するこの種の光線は、ここでは放射線(aktinische Strahlung)と称される。
【0019】
通常、現像プロセスは、部分領域が時間的に前後(順次)して露光されるように、好ましくはそれぞれ1つの層の部分領域が時間的に直接前後(即ち連続)して露光されるように構成される。
【0020】
さらに、上下に重なる層における部分領域への層の分割は、種々異なる層(例えば連続する層)の縁部領域が互いに鏡像的および/または反転した幾何形状を有するように行うことができる。
【0021】
形成すべき本体の形状が、その外側輪郭に関して損なわれるのを回避するために、形状結合的に結合して他方の部分領域に突入する領域部分は、形成すべき3次元対象物の外側輪郭から好ましくは所定の最小間隔で離間していると有利である。
【0022】
本発明のさらなる一発展形態では、すべての層または個々の層の現像を、複数の(すなわち2以上の)露光工程で行うことができる。ここで1つの層の露光工程は、時間的な順序で(即ち順次継続して)、それぞれ実質的に層全体に対して行われる。この場合、本発明は、露光工程の少なくとも1つにおいて、該当する層が、実質的に互いに並んだ少なくとも2つの部分領域に分割され、これらの部分領域がそれぞれ別個の現像ステップで現像されるように構成することができる。ここで、同じ露光工程内では、同じ層の他方の部分領域に向いた縁部領域内にあるこれら部分領域の少なくとも1つは、他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含んでいる。
【0023】
本発明の枠内で、露光およびひいては層情報の形成は連続的に行うこともできる。例えばこのことは、露光面と光源との相対的運動によって達成することができ、例えばマスキング露光システム(例えばDMP,DLP)を使用することができる。このシステムの形成された露光パターンは、露光面または光源の位置に応じて、位置に対応してまたは相対速度に対応して連続的に変化し、これが連続的な投影となる。
【0024】
さらなる構成および利点も含めて本発明を、以下、添付図面に示された非制限的な実施例に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】それぞれ部分領域に分割される複数の層からなる一つの3次元対象物の構造を示す図である。
【
図2a】2つの部分領域への一層の分割を示す図であり、層は、3次元対象物のための層情報を有する。
【
図2b】2つの部分領域への層の分割を示す図である。
【
図2d】櫛状に噛合する境界領域を備える重なり合い領域の分割を示す図である。
【
図2e】鉤状に噛合する境界領域を備える重なり合い領域の分割を示す図である。
【
図3】2つの部分領域にランダムに割り当てることにより重なり合い領域のピクセルの分割を行う一実施形態を示す図である。
【
図4】ランダムな割り当てとグレースケールにより重なり合い領域のピクセルの分割を行う一実施形態を示す図である。
【
図5】上下に重なる層が互いにかみ合って噛合される本発明の一実施形態を示す図である。
【実施例】
【0026】
図1の斜視図は、空間領域1を示し、この空間領域内で3次元本体2がステレオリソグラフ方法によって形成される。通常のやり方によれば、空間領域1は上下に重なる複数の層3に分割される。これらの層3は、好ましくは同じ厚さを有する。空間領域1内に上下に重なる複数の層情報4から3次元本体2が形成される。ここで層情報は、形成すべき本体2にしたがって現像される、層内の領域を表す。参照符号4により、例えば最上層の層情報が示されている。
図1は、例として2つの層3a,3bも示し、これらの層はそれぞれその中に含まれる層情報4a,4bを備える。層情報4,4a,4bは、時間的に順次続いて、例えば最上層から始まって下方に進みながら現像され(別の変形実施例では、場合により逆方向に)、これにより本体2が層ごとに形成される。本体2の形状は任意に選択することができる。本体2は保持部(図示せず)によって保持される。この保持部と本体は、形成された第1の層情報4(すなわち、ここでは最上層の層情報)を介して接続されており、通常は作製過程の間、接続されたままである。多くの場合、本体2は、形成された第1の層におけるこの保持箇所は別にして、全体領域1の内部に存在する。しかしながら本体2はさらに、空間領域1の1つまたは複数の側面に当接して配されることができ、例えば図示の実施例に示すように、本体2は、全体領域1の前面に当接して配されることができる。
【0027】
本発明によれば、1つの層内の感光性材料の現像は、少なくとも2つの時間的に別個の現像ステップで行われ、これらの現像ステップは、層のそれぞれ1つの部分領域を現像する。そのために層は、層内で実質的に互いに並んだ2つ以上の部分領域に分割され、同じ層の他方の部分領域に対向する縁部領域内にある部分領域は、他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含む。これらの部分領域が順次現像され、全体としてそれぞれ一層の所望の層領域を形成する。したがってすべての層の部分領域が、全体として3次元本体全体を形成する。
【0028】
層3,3a,3bは、
図1では、本発明の部分領域にすでに分割にして示されている。図示の実施形態では、層の分割は実質的に同じであるが、しかし本発明の枠内で分割は層ごとに変化してもよい。
【0029】
図2aから2eには、1つの層が2つの部分領域に分割されることが示されている。
図2aは、3次元対象物の層情報40を備える例としての層30を示す。層30は、例えば個別の露光プロセスに対してはこれが過度に大きいから、または別の理由で、2つの部分領域31,32に分割され、これらの部分領域は、例として
図2bに示すように分割ライン33の両側にある。ここに図示の分割ライン33は直線である。しかし分割ラインは、別の実施形態では湾曲することができ、または直線状若しくは屈曲した曲線部分から構成することができる。かくて、
図2cに示す如く、分割ラインに沿って延在する重なり合い領域(または移行領域)34が設定され、これは例えば図示の実施例では、分割ラインに沿って一定の幅Bを有する。しかし重なり合い領域の幅は、分割ラインの経過に沿って変化することもできる。これは特に、分割ラインが湾曲している場合、または種々の配向を有する部分ピースから構成される場合である。したがって重なり合い領域は2つの部分領域に新たに分割され、一方の部分領域に所属する領域部分は、他方の部分領域に所属する(隣り合う)領域部分の間に突入する。このようにして2つの部分領域31,32の形状結合的に結合した接続が得られる。多数のうちの例として、
図2dは、櫛状に噛合する境界領域を備える重なり合い領域35を示し、
図2eは、鉤状に互いにかみ合って係合する領域部分を備える重なり合い領域36を示す。
【0030】
分割は例えば、重なり合い領域を分割ラインに沿って順次続く領域部分(複数)にセグメント化し、これら領域部分(複数)を当接する部分領域(複数)に交互に割り当てることによって行うことができる。領域部分は、例えば平行に配向されたストライプまたは矩形とすることができ、これにより
図2dに示すような櫛状の分割を形成することができる。付加的に領域部分は、突起または蛇行パターンを形成することができ、これによりこれら領域は互いに絡み合うことができる。これらすべての場合で、形状結合的に結合してそれぞれ他方の部分領域に突入する領域部分を備える歯合部が得られ、ここで好ましくは、一層内で互いに隣接する部分領域の縁部領域はそれぞれ関連している。
図2dと2eの例に基づいて理解できるように、重なり合い領域34内において分割ラインは複雑な区分分割ラインによって置換され、この区分分割ラインに沿って互いに隣接する部分領域の縁部領域は互いにかみ合って係合する。このようにして2つの部分領域の緊密な接続が保証され、とりわけ、縁部領域が互いに押し合う(突き合う)ことは不可能であり、重なり合い領域にまたはその近傍に変形または破損が生じることがない。
【0031】
本発明によれば、部分領域内に形成された画像情報は、層ごとにその位置および広がりが変化するだけではなく、形成された幾何形状も変化することもできる。このことは、例えば、部分領域ないし重なり合い領域に形成されたパターンは、先行の層および/または次に形成すべき層のパターンから、この領域において異なること(ができること)を意味する。
【0032】
したがって例えばもっとも簡単な場合、重なり合い領域またはその一部分において層ごとに、先行の層の重なり合い領域におけるパターンの幾何学的情報の鏡像および/または反転を形成することができる。この鏡像は、例えば分割ラインまたは重なり合い領域の中央ラインにおいて、またはこれに対して垂直のラインにおいて行うことができる。点鏡像を(例えば、該当する領域の中心において)行うこともできる。反転は、2つの関与する部分領域への領域部分の割り当てを入れ替えることを意味する。または言い替えてグレースケールで表現すれば、反転は、グレースケール値xを値1−xにより置き換えることを意味する。したがって鏡像および/または反転されたパターン、 ないし形状結合的に結合されたパターンの反転された形状は、異なる層の順次連続する重なり合い領域で使用される。このことは、重なり合い領域におけるパターンの計算を簡素化する。
【0033】
重なり合い領域は、モザイク状に領域ピースに分割することもでき、その場合、モザイク状の領域ピースは、前もって設定された手順に従い、またはランダム(zufaellig)に(例えば、擬似ランダム数発生器によって)関与する部分領域に割り当てられる。特に簡単で、それでも効率的な特別の場合では、モザイク状の分割をピクセルにしたがって(または、例えば各n×mピクセルごとにピクセル領域を備える所定のピクセル群にしたがって、ここでnとmは正の整数であり、n=m>1も可である)行うことができ、これらのピクセルが層のラスタベースの現像(rasterbasierten Entwicklung)の基礎とされる。
【0034】
図3は、3ピクセルの幅を有する重なり合い領域23の分割の一例を示す。重なり合い領域のピクセルは、無秩序に(ランダムに)一方の部分領域21または他方の部分領域22に割り当てられ、このことは図には相応のハッチングによって示されている。
【0035】
本発明の方法は、グレースケールによる露光と組み合わせることもできる。この場合、重なり合い領域における部分領域またはピクセル(ないしピクセル群)の割り当ては、2つの部分領域に対して直接行われるのではなく、0と1の間の値を取ることのできるグレー値に対して、0%から100%の間の値に対応して行われる。グレー値は、重なり合い領域における露光のために、ステレオリソグラフプロセスでは既知である。ここでは、1つの領域に対して現像のために必要な露光量がそれぞれ部分的に、2つの関与する部分領域の2つの現像ステップにおいて供給され、それにより全体として必要な露光量が達成される。例えばそれぞれ50%、またはそれぞれ40%と60%である(x=0.4=40%のグレースケールに対応して)。境界事例においてx=100%のグレースケール値は、第1の部分領域の露光ステップですべての露光が行われることを意味し、一方、x=0%は、露光が第2の部分領域の露光ステップで(だけ)行われることを意味する。
【0036】
重なり合い領域の幅Bと位置は同じとすることができ、または層ごとに変化することができる。したがって例えば、層nにおいては重なり合いストライプをB=5ピクセル列から形成することができ、先行の層n−1においては4ピクセル列から、後続の層n+1においては8ピクセル列から形成することができる。この数はもちろん単なる例である。したがって重なり合い領域ないしその中に形成された部分領域の広がりは、層ごとに変化することができる。
【0037】
図4は、グレースケールによる
図3の分割の一変形例を示す。ここでもハッチングによって、重なり合い領域43にあるピクセルが部分領域41と42に割り当てられていることが示されている。点で示したピクセル44は、グレースケールを受け取る。例えばグレースケールの値は50%であり、すなわちピクセルは、2つの部分領域41と42の2つの露光ステップでそれぞれ半分が露光される。別の変形例では、グレースケールは種々異なって選択することができる。例えばグレースケールは、交互にまたはランダムに分散して値30%と70%を取ることができる。もちろん別のグレースケール値およびそれより多数のグレースケール値を、所望の適用に応じて使用することもできる。
【0038】
さらなる一変形例が
図5と6に示されている。一ピクセル(または領域部分)に100%超の露光量が供給される場合、このことは他の層よりも厚い厚さを有する層領域を引き起こす。このようにして、それぞれその上の層に突入するピンまたは歯(凸状部)を成形することができる。例えば
図5において部分領域51は、部分領域52への境界に歯53を有し、これらの歯は、例えば「通常の」露光量の200%の露光により、部分領域のメイン領域に形成することができる。歯53は、その上の層の部分領域61の開口部60に突入している。これらの開口部は0%の露光に相当する。上方の層の他方の領域62も歯を有し、これらの歯は(図示しない)第3の層に係合することができる等々。
図6は、
図5の上方の(第2の)層に対する平面図であり、部分領域61と62の間の分割ラインに沿って、上方へ突き出たその下の層の歯53が示されている。
【0039】
本発明のこの視点は、層およびその部分領域の幾何学的情報を、これが形成された対象物の層の歯合に全体的に寄与するように変換することを可能にし、一方、破損または分離を容易に形成することになる単純な直線状の縫い目(シーム)の形成が回避される。
【0040】
本発明によれば、互いに隣接する少なくとも2つの部分領域が少なくとも部分的に重なり合うことによって形成される部分領域の総和により層情報が形成され、この層情報は、形成すべき対象物の所望の層幾何形状と再び幾何学的に一致する。本発明の枠内で、1つの部分領域の重なり合い領域にあるそれぞれの1つの部分領域は、少なくとも総和で、形成すべき層の露光面の一部分である。ここで露光プロセスは、種々の露光時間、順序および強度を、部分領域とこれの所属する部分領域との間に有することができる。
【0041】
一般的に、上下に重なる複数の層は、部分領域に−ただし好ましくは必ずしも互いに幾何学的に対応しない部分領域に−分割することができ、これらの部分領域は形状結合的に結合して互いにかみ合って係合する。ここでは、上下に重なる層の互いに対応する部分領域の縁部領域は、さらに全体で、関連する3次元形状を形成することができ、このようにして形成された3次元形状は、相互に互いにかみ合って係合し、形状どおりに互いに押し合う(突き合う)ことを許容しないよう構成される。
【0042】
もちろん本発明は、図示の実施例に制限されるものではなく、むしろ本発明は、特許請求の範囲によるすべての構成を含む。本発明によれば、重なり合い領域が「セクタ」(すなわち部分領域)に分割され、これらのセクタが、隣接する部分領域間の分離ラインである元の境界線を介して交差し、その点に関しては元の幾何学的情報にもはや相当しない。関与する部分領域のセクタの重なり合いによって初めて、層領域の元の幾何学的情報が復元される。
【0043】
部分領域の対応のセクタを組み合わせることにより、それぞれの層の完全な層情報が再び得られる。このことは例えば、対応するセクタがそれらの幾何学的情報を互いに補完することによって、すなわち互いに相補的であることによって行われる。これにより、層の露光過多が回避される。これは、上記のグレースケール、例えば値xとx−1のグレースケールと組み合わせて行うこともできる。グレースケールの代わりに、ピクセルベースの露光システムではパルス幅変調(PWM)を達成することもできる。
【0044】
さらに、重なり合い領域内に形成された部分領域、すなわち「セクタ」が、部分領域の層情報の元の幾何形状、とりわけ形成すべき3次元本体の表面に相当する輪郭を考慮すると有利である。例えばセクタは、部分領域の幾何形状の輪郭、すなわち分割ラインの一部分を含むことができる。本体の形成の際には、少なくとも本体の外側輪郭が得られることはそのまま必要であり、あるいは正確に結像されるべきであるから、例えば2ピクセルの所定の最小間隔を外側輪郭から置いて初めて本発明による複雑な分割が行われると有利である。例えばこの場合、擬似ランダム発生器は、本体の外側表面から間隔を置いて初めて、本発明の重なり合い領域における部分領域ないしピクセルの分割を開始することになる。(最小)間隔は、例えばピクセルまたは絶対単位(例えばミリメートル)で定義されるオフセットにしたがって設定することができる。
【0045】
さらにセクタの露光は多重に行うことができる。すなわち、さらなる露光ステップにおいて、2つの部分領域に所属する各2つのセクタに対して付加的に、異なる時間順序および強度で行うことができる。とりわけ1つの層を複数(k>1)の露光工程で露光することができ、これらの露光工程は、(例えば所望の最終強度の1/kの露光強度による)露光のそれぞれ一部分を提供する。各工程では部分領域への層の別の分割を行うことができ、これにより工程(複数)の重なり合い領域が区別される。したがって1つの工程における1つの領域ピースは、重なり合い領域の1つのセクタに相当することができ、このセクタは、それぞれの工程の関与する部分領域のうちの1つに相当する強度により一度露光することができる。その他の工程では、領域ピースを1つの部分領域の中央に置くことができ、したがってこれらの工程では、それぞれの部分領域に応じた強度で露光が行われる。これに対する一変形例では、特定の領域ピースに対して付加的に、種々の工程の強度値を、強度の総和が同じに留まるように、すなわち所望の露光強度に留まるように変化することができる。このことは付加的に、1つの層および複数の層における部分領域とセクタの互いに結び付きを改善することができる。
ここに、本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]複数の層を時間的に順次現像することにより、ステレオリソグラフプロセスで層全体として3次元対象物を造形する方法。該方法において、前記層の少なくとも1つは、実質的に互いに並んだ少なくとも2つの部分領域に分割され、当該部分領域がそれぞれ別個の現像ステップで現像される。該方法において、前記部分領域の少なくとも一方が、同じ層の他方の部分領域に対向する縁部領域内に領域部分を含む。当該領域部分は、前記他方の部分領域に形状結合的に結合して突入するよう構成される。
[付記2]上記の方法において、1つの層において互いに隣接する部分領域(複数)の縁部領域(複数)は互いに関連しており、櫛状および/または形状結合的に結合して互いにかみ合って係合している。
[付記3]上記の方法において、互いに隣接する部分領域の縁部領域(複数)は、区分分割ラインに沿って互いにかみ合って係合する。前記区分分割ラインは、縁部領域(複数)が形状どおりに互いに押し合うことを許容しないよう構成される。
[付記4]上記の方法において、上下に重なる複数の層は、互いに幾何学的に対応する部分領域(複数)に分割される。上下に重なる層の互いに対応する部分領域の縁部領域(複数)は、全体として1つの関連する3次元形状を造形する。このようにして造形された3次元形状は相互にかみ合って係合し、形状どおりに互いに押し合うことを許容しないよう構成される。
[付記5]上記の方法において、1つの層内で互いに隣接する少なくとも2つの部分領域は、それぞれ他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含む。
[付記6]上記の方法において、1つの層の互いに隣接する2つの部分領域の間に重なり合い領域が設けられている。当該重なり合い領域は、この重なり合い領域に関与する2つの部分領域の縁部領域を含む。
前記縁部領域は、それぞれ他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含む。
各重なり合い領域では層の現像が、それぞれ部分的に、前記重なり合い領域に関与する部分領域に所属する現像ステップで行われる。
[付記7]上記の方法において、重なり合い領域における分割は、前記重なり合い領域をモザイク状に領域ピースに分割し、そのようにして形成された領域ピースを、前記重なり合い領域に関与する部分領域にランダムに割り当てるように行われる。
[付記8]上記の方法において、前記モザイク状の分割は、層の分割に対応して、ピクセルにおいて、またはピクセルの所定の群において行われる。
[付記9]上記の方法において、前記層の現像は、当該層の硬化をトリガする光線による露光によって行う。
[付記10]上記の方法において、前記部分領域は、時間的に順次露光され、好ましくはそれぞれ1つの層の部分領域は、時間的に直接前後して露光される。
[付記11]上記の方法において、上下に重なる層において部分領域への層の分割が行われる。前記種々異なる層にある前記縁部領域は、互いに鏡像的および/または反転した幾何形状を有する。
[付記12]上記の方法において、形状結合的に結合して他方の部分領域に突入する領域部分は、形成すべき3次元対象物の外側輪郭から、すなわち所定の最小間隔で離間している。
[付記13]上記の方法において、少なくとも1つの層の現像が複数の露光工程で行われる。
1つの層の露光工程は、時間的に順次して、それぞれ実質的に層全体に対して行われる。
露光工程の少なくとも1つにおいて、該当する層が、実質的に互いに並んだ少なくとも2つの部分領域に分割され、これらの部分領域がそれぞれ別個の現像ステップで現像される。
同じ露光工程内では、同じ層の他方の部分領域に向いた縁部領域内にあるこれら部分領域の少なくとも1つは、他方の部分領域に形状結合的に結合して突入する領域部分を含んでいる。
【符号の説明】
【0046】
1 空間領域
2 3次元本体
3 複数の層
3a,3b 層
4 最上層の層情報
4a,4b 層情報
21,22 部分領域
23 重なり合い領域(縁部領域)
30 層
31,32 部分領域
33 分割ライン
34,35,36 重なり合い領域(縁部領域)
40 層情報
41,42 部分領域
43 重なり合い領域(縁部領域)
44 ピクセル
51,52 部分領域
53 歯
60 開口部
61,62 部分領域