(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(e)において、有機テクスチャリング剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸及びそれらの塩、並びにカルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型の界面活性剤からなる群から選択される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
定義
特許請求の範囲を含めた本明細書全体を通じて、用語「1つを含む」は、特に明記しない限り、用語「少なくとも1つを含む」と同じ意味であると理解されるべきであり、「〜」は、その両端を含むと理解されるべきである。
【0021】
本明細書の続きにおいて、特に明記しない限り、端の値は、与えられている値の範囲に含まれることが規定される。
【0022】
気体及び気体の混合物の割合は、体積%で与えられる。体積流量及び体積%は、1atm及び20℃で与えられる。
【0023】
任意の範囲の濃度の規定では、任意の特定の高い方の濃度を任意の特定の低い方の濃度と関連付けることができるという点に留意すべきである。
【0024】
含有率は、特に明記しない限り酸化物として示される。酸化物は、ここで、組成物を構成する様々な元素の酸化物の統合体として定義される最終的な混合酸化物を意味する。
【0025】
用語「からなる」は、列挙されている成分を必ず含み、不純物などの追加的な列挙されていない酸化物の要素も含み得る実施形態を意味し、不純物は、具体的には、特に全混合酸化物の2重量%未満、より好ましくは1重量%未満の量において、例えば使用される原材料又は出発反応物などのその合成方法に起因し得る。HfO
2は、例えば、混合酸化物中の追加的な要素として列挙され得る。不純物の割合は、誘導結合プラズマ質量分析を使用して決定することができる。
【0026】
本明細書の続きにおいて、用語「比表面積」は、定期刊行の“The Journal of the American Chemical Society,60,309(1938)”に記載されているブルナウアー−エメット−テラー法から策定された標準ASTM D 3663−78に従い、窒素吸着によって測定されるBET比表面積を意味すると理解される。比表面積は、指定の焼成温度及び時間について表される。
【0027】
その終了時に表面積の値が与えられる焼成は、空気中での焼成である。更に、所定温度及び所定の時間について示される比表面積値は、別段の指示がない限り、指示されている時間にわたって保持された温度での焼成に対応する。
【0028】
IUPACによって定義されている希土類元素(REE)又は希土類金属(REM)は、周期律表の一連の17個の化学元素、具体的には15個のランタニド並びにスカンジウム及びイットリウムの1つである。希土類元素は、セリウム(Ce)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、スカンジウム(Sc)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びイットリウム(Y)である。
【0029】
本明細書で使用される用語「炭化水素基」は、主に炭素原子と水素原子とからなる基を意味し、飽和又は不飽和、直鎖、分岐又は環状、脂肪族又は芳香族であり得る。本発明の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリアルキル基、複素環基及び/又はアルキル複素環基であり得る。
【0030】
本明細書で使用される有機基に関連した専門用語「(C
n〜C
m)」(式中、n及びmは、それぞれ整数である)は、この基が1つの基当たりn個の炭素原子〜m個の炭素原子を含有し得ることを示す。
【0031】
本明細書で使用される「アルキル」基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどの直鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルなどの環状アルキル基(又は「シクロアルキル」、又は「脂環式」、又は「炭素環式」基);イソプロピル、tert−ブチル、sec−ブチル及びイソブチルなどの分岐鎖アルキル基;並びにアルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基などのアルキル置換アルキル基を含む、1つ以上の炭素原子を有する飽和炭化水素が含まれる。用語「脂肪族基」には、1〜22個の炭素原子を典型的に有する、直鎖又は分岐鎖を特徴とする有機部位が含まれる。複雑な構造では、鎖は、分岐、橋かけ又は架橋され得る。脂肪族基には、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が含まれる。
【0032】
本明細書で使用される「アルケニル」又は「アルケニル基」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐状であり得る脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。アルケニル基の例としては、これらに限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、i−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等が挙げられる。用語「アルキニル」は、エチニルなどの少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を指す。
【0033】
用語「アリール基」には、不飽和及び芳香族環状炭化水素並びに1つ以上の環を含む不飽和及び芳香族複素環が含まれる。また、アリール基は、テトラリンなどの多環を形成するように、芳香族でない脂肪族環又は複素環と縮合されるか又は架橋され得る。「アリーレン」基は、アリール基の二価類似体である。
【0034】
用語「複素環基」には、環中の炭素原子の1個以上が、例えば窒素、硫黄又は酸素などの炭素以外の元素である、炭素環基に類似した閉環構造が含まれる。複素環基は、飽和又は不飽和であり得る。更に、ピロリル、ピリジル、イソキノリル、キノリル、プリニル及びフリルなどの複素環基は、芳香族性を有し得、その場合、これらは、「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」基と呼ばれる場合がある。
【0035】
組成物
本発明のセリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、好ましくは、酸化物として表される、
− 5〜70重量%のセリウム、好ましくは10〜50重量%のセリウム、
− 20〜80重量%のジルコニウム、好ましくは30〜70重量%のジルコニウム、
− 1〜15重量%のランタン、好ましくは2〜10重量%のランタン、及び
− 0〜20重量%の、セリウム及びランタン以外の少なくとも1種の希土類
を含む。
【0036】
これらの元素は、通常、酸化物として存在する。しかし、これらが少なくとも部分的に水酸化物又はオキシ水酸化物の形態で存在し得ることは除外されない。これらの元素の割合は、例えば、PANalytical Axios−Maxスペクトロメーターを使用するX線蛍光(XRF)などの実験室での標準的な分析手法を使用して決定することができる。好ましくは、セリウムは、セリウム酸化物であり、ジルコニウムは、ジルコニウム酸化物であり、ランタンは、ランタン酸化物であり、及び任意選択的な希土類は、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外の希土類酸化物である。
【0037】
セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、好ましくは、酸化物として表される、
− 5〜70重量%のセリウム酸化物、
− 20〜80重量%のジルコニウム酸化物、
− 1〜15重量%のランタン酸化物、及び
− 0〜20重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外の少なくとも1種の希土類酸化物
を含む。
【0038】
セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、
− 5〜70重量%のセリウム酸化物、好ましくは10〜50重量%のセリウム酸化物、
− 20〜80重量%のジルコニウム酸化物、好ましくは30〜70重量%のジルコニウム酸化物、及び
− 1〜15重量%のランタン酸化物、好ましくは2〜10重量%のランタン酸化物
を含み得、好ましくはこれらから構成され得る。
【0039】
セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、1種の希土類、2種の希土類又は3種の希土類など、セリウム及びランタン以外の1種又は複数の希土類も含み得る。これは、イットリウム、ネオジウム及び/又はプラセオジウムであり得る。好ましくは、これは、イットリウム酸化物、ネオジウム酸化物及び/又はプラセオジウム酸化物であり得る。
【0040】
セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、酸化物として表される、1〜20重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外の1種又は複数の希土類酸化物など、1〜20重量%の、セリウム及びランタン以外の1種又は複数の希土類を含み得る。セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、例えば、イットリウム酸化物、ネオジウム酸化物及び/又はプラセオジウム酸化物など、1〜15重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外の希土類酸化物を含み得る。
【0041】
好ましくは、本発明のセリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、酸化物として表される1〜15重量%のスズ酸化物を含まない。より好ましくは、本発明の組成物は、組成物の総重量に対する酸化物として表される1〜15重量%のスズ酸化物を含まない。
【0042】
例えば、本発明のセリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、
− 1〜10重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外のネオジウム酸化物又はプラセオジウム酸化物などの第1の希土類酸化物、及び
− 1〜15重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外のイットリウム酸化物などの第2の希土類酸化物
を含み得る。
【0043】
セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、
− 10〜50重量%のセリウム酸化物、
− 30〜80重量%のジルコニウム酸化物、
− 1〜10重量%のランタン酸化物、及び
− 1〜15重量%の、セリウム酸化物及びランタン酸化物以外の希土類酸化物
を含み得、好ましくはこれらから構成され得る。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、セリウムとジルコニウムとをベースとする混合酸化物は、重量で表される、セリウム酸化物よりも多いジルコニウム酸化物を含む。特に、セリウム酸化物に対するジルコニウム酸化物の重量比は、1.0〜9.0に含まれ得る。
【0045】
ある実施形態によれば、混合酸化物中のFe、Cu、Mo、W、Cr、V、Mn、Co、Ni、Bi、Nb、Ti及びSnの合計量は、0.1重量%又は0.01重量%未満であり、この割合は、混合酸化物の総重量に対して表される。
【0046】
別の実施形態によれば、混合酸化物中の元素Rh、Pd、Pt、Ag、Au、Ir、Ru及びOsの合計の割合は、0.01重量%又は0.001重量%未満であり、この割合は、混合酸化物の総重量に対して表される。より具体的には、混合酸化物は、これらの金属を全く含まない。
【0047】
本発明の混合酸化物は、好ましくは、空気中で4時間にわたる1000℃での焼成後、55〜70m
2/g、好ましくは60〜70m
2/gに含まれる比表面積(SBET)を有する。
【0048】
本発明の混合酸化物は、好ましくは、空気中で4時間にわたる1100℃での焼成後、40〜50m
2/gに含まれる比表面積(SBET)を有する。
【0049】
本発明の混合酸化物は、空気中で4時間にわたる1000℃での焼成後、20〜50nmに含まれる、好ましくは20〜40nmに含まれる数の平均孔径も有し得る。
【0050】
本発明の混合酸化物は、空気中で4時間にわたる1000℃での焼成後、0.2〜0.5mL/gに含まれる、好ましくは0.3〜0.4mL/gに含まれる全細孔容積を有し得る。
【0051】
全細孔容積及び孔径は、通常のN
2ポロシメトリーによって測定することができる。これは、主に、毛管凝縮現象及び等価置換容積の原理を利用する細孔サイズ分布のガス吸着法決定を含む。
【0052】
使用される比表面積及び細孔サイズ分析計は、MicrometricsのTristarII(3020)であり得る。特に、次の通りに試料を最初に脱気して開始することができる。アウトガスの位置に試料管を取り付け、真空脱気バルブを開け、最初に90℃に設定した温度に加熱し、15分加熱し、次いで200℃の加熱温度に設定し、1時間脱気する。真空脱気のための標準圧力は、0.05mbar未満である。冷却後、分析を開始する。
【0053】
ここで、指示のために及び説明全体を通じて、示される空隙率は、ASTM D 4284(1983)標準(水銀圧入ポロシメトリーによって触媒の細孔容積分布を測定するための標準法)に準拠した窒素圧入ポロシメトリーによって測定される。示したASTMは、水銀に関する一方、示した空隙率は、N
2空隙率である。
【0054】
上で示した空隙率測定方法は、1〜200nmに含まれる孔径について公知の方法で得ることを可能にし、細孔サイズのプロットは、細孔サイズの関数としての細孔容積を与える(V=f(d)、Vは、細孔容積を意味し、dは、孔径を意味する)。この細孔サイズのプロットから、これも公知の方法で、微分dV/dlogDを与える曲線(C)を得ることができる。この曲線は、細孔の直径による1つのピークを有し、特定の孔径の材料の細孔によって生じる最大容積に対応する。
【0055】
本発明の混合酸化物は、好ましくは、空気中で4時間にわたる1000℃での焼成後、12〜18nmに含まれる、好ましくは13〜16nmに含まれる平均径を有する結晶から構成される。
【0056】
結晶の平均径は、X線回折(XRD)法によって決定することができる。XRDによって測定される値は、2つの最も強い回折線の幅に基づいて、及びシェラーモデルを用いて計算されるコヒーレント範囲のサイズに対応する。
【0057】
本発明の組成物は、pH調整剤及び分散剤などの様々な可能な添加剤も含み得る。
【0058】
ある実施形態によれば、混合酸化物は、以下に開示され、且つ昇温還元曲線(TPR)から測定される比率Kによって表すことができる、エージングに対する改善された耐性を示す。
【0059】
TPRにより、触媒の還元特性を評価することが可能である。この手法では、その割合が慎重に制御される水素を含有する還元ガスの雰囲気下において、制御された温度で試料によって消費される水素の体積である。エージングされた触媒は、石英製の反応器内に入れられる。TPRのために使用される装置は、ライン中のガスの注入を制御するための一連のソレノイドバルブ、ガスを導くための一連のリダイレクトバルブ、試料が入っておりガスのラインと連結されている石英製の反応器(U型、ダウンフロー反応器、温度は反応器内部の熱電対によって測定される)、反応器がその中に入っている加熱炉、水のトラップ、及び反応器出口でガスの熱伝導度を測定する熱伝導度型検出器(TCD)を含む。Micromeriticsから市販されている装置Autochem 2920を使用することができる。
【0060】
TPR曲線は、試料の温度の関数としての熱伝導度型検出器のシグナルの強度を与える。曲線とベースラインとの間の面積が計算され、ベースラインは、30℃での曲線上の点から引かれたX軸と平行な直線である。TCDの校正曲線を利用して、面積が水素の体積へ変換される。
【0061】
TPRは、0.1重量%のロジウムの割合における、混合酸化物へのロジウム酸化物の分散物からなる粉末の形態の触媒に対して行われ、この割合は、混合酸化物の重量を基準としたロジウムの重量として計算される(すなわち混合酸化物100部当たり0.1重量部のロジウム)。試験される触媒は、以下に開示する過酷な条件下でエージングされる。
【0062】
触媒は、混合酸化物にRh
IIIの硝酸塩水溶液を過剰に含浸させ、乾燥させ、空気中で500℃において4時間にわたって焼成することによって調製される。使用できる混合酸化物は、粉末形態であり、レーザー回折によって決定されるメジアン径d
50(体積分布)は、1〜20μmである。触媒の粉末は、等級分けされた大きさを示す。そのために、250μmのふるいを通り抜け、次いで125μmのふるいに保持された触媒のフラクションのみが保持される。触媒の粉末を調製するために、500℃での焼成工程の終了時に得られた固体を錠剤の形態に圧縮することができ、圧縮された錠剤を粉砕することができる。圧縮は、好ましくは、3500〜4000barの圧力下で行うことができる。触媒の粉末を作製するための別の方法は、500℃での焼成工程の終了時に得られる固体の顆粒化及び顆粒化された粉末の粉砕を含み得る。
【0063】
触媒のエージングは、以下に詳述される一連の3つの工程E
1〜E
3であって、
・E
1:触媒(1,0g)は、N
2下で周囲温度から145℃まで(昇温速度:5℃/分)、次いで24L/hの体積流量のH
2O(10%)、O
2(10%)、及びN
2(80%)の雰囲気下において1450℃から1100℃まで(昇温速度:8.55℃/分)加熱され、
・E
2は、温度が1100℃に到達すると開始し、触媒は、その後、24L/hの体積流量のH
2O(10%)及びN
2(90%)の雰囲気下において1100℃で6時間にわたって加熱され、O
2(0.65L/h)及びCO(0.65L/h)は、90秒毎に1回の注入の頻度で交互に注入され、
・6時間後、E
2は、完了され、及びE
3は、開始し、触媒は、温度に応じた雰囲気下において1100℃から周囲温度まで冷却され、
− 1100℃から780℃まで(降温速度:20℃/分)、工程E2の雰囲気並びにO
2及びCOの交互注入は、維持され、
− その後、780℃から700℃まで(降温速度:10℃/分)、雰囲気は、H
2O(10%)と、O
2(10%)と、N
2(80%)との混合物であり、及び体積流量は、24L/hであり、
− 700℃から450℃まで(降温速度:6℃/分)、雰囲気は、21,5L/hの体積流量のO
2(10%)とN
2(90%)との混合物であり、
− その後、450℃から周囲温度まで(温度の制御なし)、雰囲気は、21,0L/hの体積流量のN
2である、
一連の3つの工程E
1〜E
3において、1,0gの触媒に対して行われる。
【0064】
過酷なエージングは、排気ライン中で熱いガスと接触する際に触媒が耐える過酷な条件を再現する。工程E
1は、排気ガス中に常に存在する蒸気の存在下で試料を1100℃の臨界温度に至らせることを意図している。使用される雰囲気は、試料のプレコンディションング又は偏りを回避するためにリーンでもリッチでもない。
【0065】
工程E
2により、触媒は、リーンからリッチへと交互に切り替えられる雰囲気に曝される。この工程は、活性種(ここではRh)の失活に対応する条件を再現し、エージングの重要な工程である。このメカニズムは、「燃料カットエージング」として公知であり、SAE論文2014−01−1504(“a comparison of fuel−cut ageing during retardation and fuel−cut during acceleration”)に記載されている。このメカニズムは、触媒が例えば高速での過酷な条件化にある場合に見られる。加速段階中、エンジンは、より多くの燃料を必要とし、触媒と接触する雰囲気は、CO及び未燃の炭化水素(HC)が豊富である。加速段階の終了時、エンジンは、より少ない量の燃料のみを必要とし、触媒と接触する雰囲気は、O
2が豊富である。O
2の存在及び触媒に吸着したCO/HCの存在は、急速な酸化をもたらし、且つ発熱も引き起こす。発熱は、貴金属を劣化及び酸化させ得る。触媒と接触する雰囲気の切り替えを再現するために、工程E
2は、O
2及びCOの注入を交互に切り替えることを特徴とし、各注入の継続時間は90秒である。
【0066】
工程E
3は、触媒表面上の触媒種の改質なしに触媒が制御された方法で冷却される工程E
1と類似する。
【0067】
本発明の混合酸化物は、
K=V
H2/%Ce×100
(式中、
− V
H2は、TPRから決定される、エージングされた触媒によって30〜180℃で消費された触媒1g当たりの水素のmL単位での水素の体積であり、TPRは、30mL/分の体積流量のH
2(10%)とAr(90%)との還元雰囲気下で行われ、温度は、周囲温度から850℃まで10℃/分の昇温速度で上昇し、
− %Ceは、酸化物として表される混合酸化物中のセリウムの重量割合である)
によって定義される比率Kによっても特徴付けられる。
【0068】
比率Kは、好ましくは、10.0%以上、より好ましくは12.0%以上、特に15.0%以上である。
【0069】
水素のml/CeO
2のgで表される比率Kは、混合酸化物中に存在するセリウムの量を基準とした水素の体積を表す。Kにより、異なるセリウムの割合を有するエージングされた触媒の還元可能性を比較することができる。そのため、Kが高いほど、すなわち30〜180℃で消費される水素の体積が大きいほど、触媒はより活性である。これは、貴金属(Rh)と混合酸化物との間の良好な相互作用の維持に起因して、過酷なエージング後でも「低い」温度まで還元可能であることを反映している。
【0070】
T
maxは、30〜850℃の範囲での最も高い強度のTPR曲線上の地点の温度である。本発明の混合酸化物は、エージングされた触媒が250℃以下、好ましくは200℃以下のT
maxを示すものである。これは、過酷なエージングにもかかわらず「低い」温度で還元可能であることに対応し、これは、過酷なエージングにもかかわらず貴金属(Rh)と混合酸化物との間に維持された強い相互作用によって説明することができる。
【0071】
方法
工程(a)では、塩基性化合物と、水溶液であって、少なくともジルコニウム塩化物塩と、セリウム塩と、任意選択的にセリウム塩及びランタン塩以外の少なくとも1種の希土類塩とを含む水溶液との間の反応が行われ、前記水溶液は、水酸化物の析出物を形成するために硫酸アニオン(SO
42−)を含む。
【0072】
セリウム塩は、セリウムの硝酸塩、塩化物塩、硫酸塩、リン酸塩又は炭酸塩であり得、硝酸塩/塩化物塩の混合物などのこれらの塩の混合物であり得る。セリウム塩は、セリウム(III)塩と、任意選択的にセリウム(IV)塩とから構成され得る。セリウム塩は、酸と塩基との中和反応から、又は水酸化セリウムなどのセリウム化合物の酸を用いた溶解から通常生じるイオン性化合物である。これらは、生成物が電気的に中性であるようにセリウムカチオンとアニオンとから構成される。
【0073】
希土類塩は、例えば、プラセオジウムの硝酸塩及びネオジウムの硝酸塩、イットリウム(III)の塩化物(YCl
3)、又はイットリウムの硝酸塩(Y(NO
3)
3)など、硝酸塩、塩化物塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩又は炭酸塩であり得る。本発明の溶液は、1種又は複数の希土類塩も含み得る。
【0074】
ジルコニウム塩化物塩は、好ましくは、ZrOCl
2である。
【0075】
水溶液は、ジルコニウム及びセリウムの元素1モル当たり0.5〜2モルの硫酸アニオン(SO
42−)を含み得る。この比率SO
42−/(Zr+Ce)は、好ましくは、0.7〜1.5の範囲である。硫酸アニオンは、反応媒体中に硫酸又は硫酸塩を添加することによって得ることができる。
【0076】
水溶液は、不活性ガスを用いて予め脱気され得る。特に水溶液を不活性ガスと接触させることができる。この接触は、例えば、水溶液の上に不活性ガスを循環させることにより、又は不活性ガスで前記水溶液が飽和に達するまで水溶液中に不活性ガスを注入することにより構成され得る。「不活性ガス」又は「不活性雰囲気」は、本明細書のために、例えば窒素若しくはアルゴンであり得る気体又は酸素を含まない雰囲気を意味する。接触は、溶液中へ不活性ガスを吹き込むことであり得る。用語「不活性ガス」又は「不活性雰囲気」は、本明細書のために、酸素を含まない雰囲気又は気体を意味することが意図され、気体は、例えば、窒素又はアルゴンであることが可能である。接触は、吹き込みによって行われ得る。
【0077】
水酸化物型の生成物は、特に塩基性化合物として使用することができる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及びアンモニア水を挙げることができる。二級、三級、又は四級アミンが使用され得る。この塩基性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液、アンモニアガス又はそれらの混合物であり得、アンモニア水溶液が好ましい。塩基性化合物の量は、溶液のpH変化をトレースすることによって容易に決定され得る。通常、十分な量は、溶液のpHが7以上であるような量であり、好ましい量は、pHが7〜11であるような量である。
【0078】
工程(a)において反応を行うために、接触は、任意の順序で反応物を導入することによって行うことができる。しかし、塩基を含有する媒体へ溶液を導入することが好ましい。この反応は、不活性雰囲気中、特に密閉された反応器内又は不活性ガスをスイープした状態の半分密閉された反応器内のいずれかで行われ得る。接触は、通常、撹拌されている反応器内で行われる。
【0079】
この工程は、通常、5〜50℃に含まれる温度で行われる。
【0080】
工程(b)において、析出物からの液体媒体の分離は、例えば、Nutscheフィルター法、遠心分離、フィルタープレス又はデカンテーションによって実施され得る。析出物は、任意選択的に水で洗浄され得る。洗浄は、特にSO
42−、Na
+及びCl
−イオンなどのイオンの量を、特にこれらのイオンのそれぞれについて500ppm以下、好ましくは300ppm以下の量まで減らすことを可能にし、ppmは、酸化物として表される固体析出物中の各イオンの重量として表される。更に、析出物は、任意選択的に乾燥され得、特に40〜80℃に含まれる温度で乾燥され得る。
【0081】
工程(c)において、工程(b)で得られた固体は、水性媒体中で且つ任意選択的にランタン塩の存在下で加熱される。
【0082】
ランタン塩は、好ましくは、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩又は炭酸塩からなる群から選択され、好ましくは硝酸塩である。
【0083】
この熱処理は、通常、60℃〜200℃、より具体的には95℃〜150℃に含まれる温度で媒体を加熱し、これを維持することを含む。この処理の継続時間は、1時間〜4時間であり得る。
【0084】
この処理は、不活性雰囲気下で行う必要もあり、工程(a)のためのこの雰囲気に関する記述がここでも同様に適用される。同様に、処理は、撹拌されている反応器内で行われ得る。
【0085】
熱処理後、得られた混合水酸化物に対して洗浄が行われ得る。洗浄は、固/液分離あり又はなしで様々な方法で行われ得る。したがって、これは、例えばフロンタル濾過、沈降又は遠心分離により、固体粒子を液相から分離することによって行われ得る。得られた固体は、次に水相に再懸濁される。方法は、十字流濾過によって行うこともできる。この洗浄は、必要に応じて、例えば所定の導電率の懸濁液が得られるまで任意選択的に繰り返され得、導電率は、この懸濁液中に存在する不純物の量の尺度である。
【0086】
任意選択的な工程(d)において、特にランタン塩を特に液体又は固体の形態で添加することが可能である。ランタン塩は、上で定義したものと同じである。全てのランタン塩は、工程(c)で添加され得、むしろ全てのランタン塩が工程(d)で添加され得ることに留意しなければならない。工程(c)で一部のランタン塩を添加し、工程(d)で残りの部分のランタン塩を添加することも可能である。
【0087】
工程(e)では、有機テクスチャリング剤が、その前の工程(c)で得られた懸濁液に添加される。
【0088】
有機テクスチャリング剤は、通常、混合酸化物の多孔質構造、特にメソ多孔質構造を制御することができる界面活性剤などの有機化合物を意味する。「メソ多孔質構造」は、基本的には、用語「メソ細孔」によって表される、2〜50nmに含まれる直径の細孔を特に含む構造を記述する。
【0089】
典型的には、これらの構造は、細孔が非常に幅広い細孔サイズ分布で、概してランダムに分布しているアモルファス又は結晶性の化合物である。
【0090】
有機テクスチャリング剤は、直接又は間接的に添加され得る。これは、その前の工程で得られた懸濁液に直接添加することができる。これは、例えば、有機テクスチャリング剤の溶媒を含む組成物に最初に添加され得、その後、前記組成物は、先に得られた懸濁液に添加される。
【0091】
焼成工程(g)後に得られる組成物の重量に対する添加剤の重量パーセンテージとして表される使用される有機テクスチャリング剤の量は、通常、5〜100%、より具体的には15〜60%である。
【0092】
有機テクスチャリング剤は、析出物の二次粒子及び一次粒子の表面上に吸着され得る。例えば、一次粒子上に吸着された有機テクスチャリング剤は、析出物のメソ細孔のサイズ及び細孔容積の増加をもたらすであろう。
【0093】
有機テクスチャリング剤は、好ましくは、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸及びそれらの塩、並びにカルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型の界面活性剤からなる群から選択される。この添加剤に関しては、特許出願である国際公開第98/45212号パンフレットの教示を参照することができ、この文献に記載されている界面活性剤を使用することができる。
【0094】
アニオン型の界面活性剤としては、エトキシカルボキシレ−ト、エトキシル化脂肪酸、サルコシネート、ホスフェートエステル、サルフェート(アルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、及びサルフェート化アルカノールアミドエトキシレート等)、並びにスルホネート(スルホスクシネート及びアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンスルホネート等)を挙げることができる。
【0095】
非イオン性界面活性剤としては、アセチレン系界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルカノールアミド、アミンオキシド、エトキシル化アルカノールアミド、長鎖エトキシル化アミン、エチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマー、ソルビタン誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリルエステル及びそれらのエトキシル化誘導体、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシル化オイル及びアルキルフェノールエトキシレートを挙げることができる。ブランド名Igepal(登録商標)、Dowanol(登録商標)、Rhodamox(登録商標)及びAlkamide(登録商標)として販売されている製品を特に挙げることができる。
【0096】
カルボン酸に関しては、脂肪族モノカルボン酸又はジカルボン酸、及びこれらの中でもより具体的には飽和の酸を使用することが特に可能である。脂肪酸、より具体的には飽和脂肪酸も使用され得る。そのため、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸を挙げることができる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸を挙げることができる。
【0097】
カルボン酸の塩、特にアンモニウム塩も使用することができる。
【0098】
例としては、ラウリン酸及びラウリン酸アンモニウムをより具体的に挙げることができる。
【0099】
最後に、カルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型のものから選択される界面活性剤を使用することが可能である。
【0100】
表現「カルボキシメチル化脂肪族アルコールエトキシレート型の生成物」は、鎖の末端にCH
2−COOH基を含むエトキシル化又はプロポキシル化脂肪族アルコールからなる生成物を意味することを意図する。
【0101】
これらの生成物は、式:
R
1−O−(CR
2R
3−CR
4R
5−O)
n−CH
2−COOH
(式中、R
1は、その長さが通常最大で22個の炭素原子、好ましくは少なくとも12個の炭素原子である飽和又は不飽和の炭素をベースとする鎖を意味し;R
2、R
3、R
4及びR
5は、同一であり得、且つ水素を表し得、或いはR
2は、CH
3基などのアルキル基を表し得、R
3、R
4及びR
5は、水素を表し;nは、50以下、より具体的には5〜15(両端値を含む)であり得るゼロではない整数である)
に対応し得る。界面活性剤は、R
1が、それぞれ飽和若しくは不飽和であり得る上の式の生成物、又は−CH
2−CH
2−O−基と−C(CH
3)−CH
2−O−基との両方を含む生成物の混合物からなり得ることが留意されるであろう。
【0102】
工程(f)において、析出物は、例えば、Nutscheフィルター法、遠心分離又はフィルタープレスによって液体媒体から分離される。析出物は、任意選択的に、水溶液、好ましくは例えばアンモニア水溶液などの塩基性pHの水で洗浄され得る。更に、析出物は、任意選択的に、次の工程での効率を向上させるのに適した程度まで乾燥され得る。
【0103】
工程(g)では、本発明の組成物を得るために、前の工程で得られた析出物が焼成される。焼成温度は、通常、250〜900℃の範囲から適切に選択することができる。温度の選択は、必要に応じて、比表面積及び嵩密度の必要値に応じて行うことができる。比表面積が重要である触媒又は触媒担体を調製する実用的な観点から、工程(g)における焼成温度は、好ましくは、250〜1100℃、より好ましくは500〜1000℃であり得る。焼成の継続時間は、温度に応じて適切に決定され得、好ましくは1〜20時間であり得る。
【0104】
工程(g)後、得られた組成物は、粉砕又は微粉化され得る。この微粉化は、所望の粒子サイズの粉末を得るために、ハンマーミルなどの通常の粉砕機で十分に行われ得る。本方法によって得られた組成物は、上述の微粉化によって所望の粒子サイズを与えられ得る。組成物の好ましい平均粒子サイズは、0.5〜50μmである。
【0105】
上述した工程の終了時、ダブルインパクトジェット処理又は湿式粉砕装置の超音波処理装置などの公知の解凝集装置内で得られた組成物を処理することができる。
【0106】
本発明は、上に開示した方法によって得られる混合酸化物にも関する。
【0107】
方法は、下に示される実施例1〜10でも説明されている。本発明の他の特徴、詳細及び利点は、以下の説明を読むことで更に詳細に明らかになるであろう。
【0108】
用途
本発明のある実施形態によれば、本発明は、少なくとも本発明の組成物を含む触媒系にも関する。本発明は、少なくとも本発明の組成物を含む、ウォッシュコートとも呼ばれるコーティングにも関する。ウォッシュコートは、一般的に基材(多くの場合にセラミック又は金属製である)の上にコーティングされ、ウォッシュコートの上に貴金属が堆積される。このコーティングは、基材上にその後堆積させることができる懸濁液を形成するために、組成物を担体と混合することによって得られる。
【0109】
本発明のこれらの触媒系及びより詳細には組成物は、複数の用途を有し得る。これらは、例えば、炭化水素又は他の有機化合物の脱水、水硫化、水素化脱窒素、脱硫、水素化脱硫、脱ハロゲン化水素、改質、水蒸気改質、分解、水素化分解、水素添加、脱水素、異性化、不均化、オキシ塩素化、脱水素環化;内燃機関からの排ガスの酸化及び/又は還元反応、Claus反応、処理;リーンバーン条件下で作動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの内燃機関によって排出される煤煙の脱金属、メタン化、転化、COの酸化、低温酸化(200℃未満、実際には更に100℃未満)による空気の精製、触媒酸化などの様々な反応の触媒作用に特に適しており、そのため、様々な反応の触媒作用に利用可能である。
【0110】
触媒作用におけるこれらの使用の場合、本発明の組成物は、貴金属と組み合わせて用いることができる。これらの金属の性質及びこれらの組成物への後者の組み込み手法は、当業者によく知られている。例えば、金属は、白金、ロジウム、パラジウム、金又はイリジウムであり得、これらは、特に含浸によって本組成物に組み込まれ得る。
【0111】
述べられた用途の中でも、内燃機関からの排ガスの処理(自動車の後燃え触媒作用)は、特に有利な用途である。
【0112】
このような理由のため、本発明は、上述した触媒系を使用することを特徴とする、内燃機関からの排ガスを処理する方法にも関する。
【0113】
別の有利な使用は、200℃未満、実際には更に100℃未満の温度での空気の精製であり、この空気は、一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタン又はオゾンタイプ、一般には脂肪酸、炭化水素、特に芳香族炭化水素などの揮発性有機化合物又は大気汚染物質、及び窒素酸化物(NO
2を与えるためのNOの酸化のための)のタイプ並びに悪臭化合物タイプの少なくとも1種の化合物を含む。
【0114】
そのため、本発明は、空気を精製する方法であって、前記空気は、特に一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタン、オゾン、揮発性有機化合物、大気汚染物質、脂肪酸、炭化水素、芳香族炭化水素、窒素酸化物又は悪臭化合物を含み、方法は、ガスを本発明の触媒系と接触させる工程を含む、方法にも関する。このタイプの化合物としては、より具体的にはエタンチオール、吉草酸及びトリメチルアミンを挙げることができる。この処理は、処理されるべき空気を、上述した又は上に詳細に記載した方法によって得られる本発明の組成物又は触媒系と接触させることによって行われる。
【0115】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示するために含められる。言うまでもなく、本発明は、記載される実施例に限定されない。
【実施例】
【0116】
比較例1:ZCL 65/30/5
この実施例は、次のそれぞれの酸化物の重量パーセンテージとしての割合:65%−30%−5%でジルコニウム酸化物と、セリウム酸化物と、ランタン酸化物とを含有する組成物の調製に関する。
【0117】
111mLのジルコニウム硝酸塩水溶液ZrO(NO
3)
2([ZrO
2]=292g/L及びd=1.451kg/L)、及び58.6mLのセリウム硝酸塩水溶液Ce
IV([CeO
2]=256g/L及びd=1.436kg/L)、及び5.5mLのランタン硝酸塩水溶液([La
2O
3]=454g/L及びd=1.687kg/L)が入っている第1のビーカー内に324mlの水を入れた。
【0118】
撹拌しながら、傾斜刃撹拌ローターを備えた反応器内にアンモニア水溶液(12mol/L)を入れ、その後、0.5リットルの総体積を得るために及び析出させるカチオンに対して40%化学量論過剰のアンモニア水を得るために体積を蒸留水で埋める。
【0119】
硝酸塩溶液を、500rpmの速度で攪拌されている反応器内へ60分かけて導入する。得られた析出物懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレス鋼製のオートクレーブ内に入れる。媒体の温度を攪拌しながら2時間にわたって150℃にする。60℃未満の温度まで冷却した後、得られた懸濁液に33gのラウリン酸を添加する。懸濁液を1時間攪拌し続ける。
【0120】
その後、懸濁液を、ブフナー漏斗を通してろ過し、次いでアンモニア水溶液で洗浄する。その後、得られた生成物を700℃で4時間保持して焼成する。
【0121】
比較例2:ZCL 65/30/5
この実施例は、次のそれぞれの酸化物の重量パーセンテージとしての割合:65%−30%−5%でジルコニウム酸化物と、セリウム酸化物と、ランタン酸化物とを含有する組成物の調製に関する。
【0122】
一方がセリウム硝酸塩とジルコニウム硝酸塩とからなり、他方がランタン硝酸塩からなる、2つの硝酸塩溶液を予め調製した。111mLのジルコニウム硝酸塩水溶液ZrO(NO
3)
2([ZrO
2]=265g/L及びd=1.408kg/L)、及び58.5mLのセリウム硝酸塩水溶液CeIV([CeO
2]=270g/L及びd=1.43kg/L)が入っている第1のビーカー内に324mlの水を入れた。5.5mLのランタン硝酸塩水溶液([La
2O
3]=454g/L及びd=1.687kg/L)を第2のビーカー内に入れた。
【0123】
撹拌しながら、傾斜刃撹拌ローターを備えた反応器内にアンモニア水溶液(12mol/L)を入れ、その後、0.5リットルの総体積を得るために及び析出させるカチオンに対して40%化学量論過剰のアンモニア水を得るために体積を蒸留水で埋める。予め調製した2つの溶液を一定に撹拌し続ける。
【0124】
硝酸塩の第1の溶液を、500rpmの速度で撹拌されている反応器内に45分かけて入れ、硝酸塩の第2の溶液を15分かけて入れ、撹拌を250rpmに固定する。得られた析出物懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレス鋼製のオートクレーブ内に入れる。媒体の温度を攪拌しながら2時間にわたって150℃にする。60℃未満の温度まで冷却した後、得られた懸濁液に33gのラウリン酸を添加する。懸濁液を1時間攪拌し続ける。
【0125】
その後、懸濁液を、ブフナー漏斗を通してろ過し、次いでアンモニア水溶液で洗浄する。その後、得られた生成物を700℃で4時間保持して焼成する。
【0126】
比較例3:ZCL 65/30/5
この実施例は、30%、65%、5%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウム、ジルコニウム、ランタンをベースとする組成物の調製に関する。
【0127】
最初に、87.5リットルの水と12.9リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との共塩化物溶液を調製し、2.42リットルのLaCl水溶液
3([C]=1.44mol/L及び密度1.29kg/L)及び10.6リットルのZrOCl
2(36.2重量%のZrO
2 LOI(強熱減量)63.6%)水溶液も添加する。その後、106リットルのNaOH水溶液(10.8重量% 密度;1.099kg/L)を添加することにより、この溶液を1時間で析出させる。析出後、1時間中に98℃まで加熱する。塩化物及びナトリウムイオンを除去するためにスラリーを洗浄した。再パルプ化後、1時間撹拌しながら3.7kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0128】
比較例4:ZCY 55/30/15
この実施例は、次のそれぞれの酸化物の重量パーセンテージとしての割合:55%−30%−15%でジルコニウム酸化物と、セリウム酸化物と、イットリウム酸化物とを含有する組成物の調製に関する。
【0129】
一方がセリウム硝酸塩とジルコニウム硝酸塩とからなり、他方がイットリウム硝酸塩からなる、2つの硝酸塩溶液を予め調製した。1.96リットルのジルコニウム硝酸塩水溶液ZrO(NO
3)
2([ZrO
2]=280g/L及びd=1.45mol/L)、及び1.1リットルのセリウム硝酸塩水溶液CeIV([CeO
2]=275g/L及びd=1.43kg/L)が入っている第1のビーカー内に3.93リットルの水を入れた。0.75リットルのイットリウム硝酸塩水溶液([Y
2O
3]=200g/L及びd=1.42kg/L)及び0.5リットルの水を第2のビーカー内に入れた。
【0130】
撹拌しながら、傾斜刃撹拌ローターを備えた反応器内にアンモニア水溶液(12mol/L)を入れ、その後、0.5リットルの総体積を得るために及び析出させるカチオンに対して40%化学量論過剰のアンモニア水を得るために体積を蒸留水で埋める。予め調製した2つの溶液を一定に撹拌し続ける。
【0131】
硝酸塩の第1の溶液を、500rpmの速度で撹拌されている反応器内に45分かけて入れ、硝酸塩の第2の溶液を15分かけて入れ、撹拌を250rpmに固定する。得られた析出物懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレス鋼製のオートクレーブ内に入れる。媒体の温度を攪拌しながら2時間にわたって150℃にする。60℃未満の温度まで冷却した後、得られた懸濁液に33gのラウリン酸を添加する。懸濁液を1時間攪拌し続ける。
【0132】
その後、懸濁液を、ブフナー漏斗を通してろ過し、次いでアンモニア水溶液で洗浄する。その後、得られた生成物を700℃で4時間保持して焼成する。
【0133】
比較例5:ZCLY 48/22/15/15
この実施例は、次のそれぞれの酸化物の重量パーセンテージとしての割合:48%−22%−15%−15%でジルコニウム酸化物と、セリウム酸化物と、ランタン及びイットリウム酸化物とを含有する組成物の調製に関する。
【0134】
一方がセリウム硝酸塩とジルコニウム硝酸塩とからなり、他方がランタン及びイットリウムの硝酸塩からなる、2つの硝酸塩溶液を予め調製した。1.71リットルのジルコニウム硝酸塩水溶液ZrO(NO
3)
2([ZrO
2]=285g/L及びd=1.4kg/L)、及び0.8リットルのセリウム硝酸塩水溶液Ce
IV([CeO
2]=275g/L及びd=1.43kg/L)が入っている第1のビーカー内に3.78リットルの水を入れた。0.75リットルのイットリウム硝酸塩水溶液([Y
2O
3]=200g/L及びd=1.42kg/L)及び0.5リットルのランタン硝酸塩水溶液([La
2O
3]=300g/L及びd=1.6kg/L)を第2のビーカー内に入れた。
【0135】
撹拌しながら、傾斜刃撹拌ローターを備えた反応器内にアンモニア水溶液(12mol/L)を入れ、その後、0.5リットルの総体積を得るために及び析出させるカチオンに対して40%化学量論過剰のアンモニア水を得るために体積を蒸留水で埋める。予め調製した2つの溶液を一定に撹拌し続ける。
【0136】
硝酸塩の第1の溶液を、500rpmの速度で撹拌されている反応器内に45分かけて入れ、硝酸塩の第2の溶液を15分かけて入れ、撹拌を250rpmに固定する。得られた析出物懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレス鋼製のオートクレーブ内に入れる。媒体の温度を攪拌しながら2時間にわたって150℃にする。60℃未満の温度まで冷却した後、得られた懸濁液に33gのラウリン酸を添加する。懸濁液を1時間攪拌し続ける。
【0137】
その後、懸濁液を、ブフナー漏斗を通してろ過し、次いでアンモニア水溶液で洗浄する。その後、得られた生成物を700℃で4時間保持して焼成する。
【0138】
比較例6:ZC 58/42
この実施例は、次のそれぞれの酸化物の重量パーセンテージとしての割合:58%−42%でジルコニウム酸化物とセリウム酸化物とを含有する組成物の調製に関する。
【0139】
1.71リットルのジルコニウム硝酸塩水溶液ZrO(NO
3)
2([ZrO
2]=280g/L及びd=1.451kg/L)及び1.26リットルのセリウム硝酸塩水溶液CeIV([CeO
2]=275g/L及びd=1.7kg/L)が入っている第1のビーカー内に2.54リットルの水を入れた。
【0140】
撹拌しながら、傾斜刃撹拌ローターを備えた反応器内にアンモニア水溶液(12mol/L)を入れ、その後、0.5リットルの総体積を得るために及び析出させるカチオンに対して40%化学量論過剰のアンモニア水を得るために体積を蒸留水で埋める。
【0141】
硝酸塩溶液を、500rpmの速度で攪拌されている反応器内へ60分かけて導入する。得られた析出物懸濁液を、撹拌ローターを備えたステンレス鋼製のオートクレーブ内に入れる。媒体の温度を攪拌しながら2時間にわたって150℃にする。60℃未満の温度まで冷却した後、得られた懸濁液に33gのラウリン酸を添加する。懸濁液を1時間攪拌し続ける。
【0142】
その後、懸濁液を、ブフナー漏斗を通してろ過し、次いでアンモニア水溶液で洗浄する。その後、得られた生成物を700℃で4時間保持して焼成する。
【0143】
実施例1:ZCL 65/30/5
この実施例は、30%、65%、5%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウム、ジルコニウム、ランタンをベースとする組成物の調製に関する。
【0144】
最初に、19リットルの水と16.7リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との最初の共塩化物溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)15.2kgを添加し、その後、65リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。その後、103リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−イオンを、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、125℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で5重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0145】
実施例2:ZCLY 50/40/5/5
この実施例は、40%、50%、5%、5%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、イットリウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0146】
最初に、21リットルの水と12.53リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)の水溶液20kgを添加し、最終的な酸化物で5%となるようにイットリウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、59リットルの硫酸(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、100リットルのNaOH水溶液(10.8重量% 密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、125℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で5重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0147】
実施例3:ZCLN 76/15/4/5
この実施例は、76%、15%、4%、5%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、ネオジウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0148】
最初に、21リットルの水と6.27リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)23.46kgを添加し、最終的な酸化物で5%となるようにネオジウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、58リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、100リットルのNaOH水溶液(10.8重量% 密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で4重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0149】
実施例4:ZCLN 64/25/4/7
この実施例は、64%、25%、4%、7%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、ネオジウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0150】
最初に、29リットルの水と10.4リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)19.1kgを添加し、最終的な酸化物で5%となるようにネオジウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、54リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、100リットルのNaOH水溶液(10.8重量% 密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で4重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0151】
実施例5:ZCLN 66/15/4/15
この実施例は、66%、15%、4%、15%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、ネオジウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0152】
最初に、33リットルの水と6.2リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%ZrO
2 LOI 63.6%)20.3kgを添加し、最終的な酸化物で15%となるようにネオジウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、58リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、104リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で4重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0153】
実施例6:ZCLN 73/20/2/15
この実施例は、73%、20%、2%、15%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、ネオジウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0154】
最初に、24リットルの水と8.3リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)22.5kgを添加し、最終的な酸化物で15%となるようにネオジウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、58リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、114リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で2重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0155】
実施例7:ZCLY 60/30/5/5
この実施例は、60%、30%、5%、5%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、イットリウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0156】
最初に、28リットルの水と12.5リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)18.5kgを添加し、最終的な酸化物で5%となるようにイットリウム硝酸塩を添加した。その後、59リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、114リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、100g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で5重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0157】
実施例8:ZCLY 50/30/5/15
この実施例は、50%、30%、5%、15%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、イットリウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0158】
最初に、31リットルの水と12.5リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)15.4kgを添加し、最終的な酸化物で15%となるようにイットリウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、47.4リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、105リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、100g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で5重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0159】
実施例9:ZCLY 60/24/4/12
この実施例は、60%、24%、4%、12%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、イットリウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0160】
最初に、30リットルの水と10リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)18.5kgを添加し、最終的な酸化物で12%となるようにイットリウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、51.2リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、106リットルのNaOH水溶液(10.8重量% 密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。エージング後、最終的な酸化物中で4重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3を入れた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0161】
実施例10 ZCLY 60/24/4/12
この実施例は、60%、24%、4%、12%のそれぞれの酸化物の重量割合のセリウムと、ジルコニウムと、ランタンと、イットリウムとをベースとする組成物の調製に関する。
【0162】
最初に、30リットルの水と10リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L及び密度1.33kg/L)との溶液を調製し、ZrOCl
2水溶液(36.2重量%のZrO
2 LOI 63.6%)18.5kgを添加し、最終的な酸化物で12%となるようにイットリウム硝酸塩の水溶液を添加した。その後、51.2リットルの硫酸水溶液(8.77重量%及び密度1.05kg/L)を添加した。硫酸を入れた後、析出の開始前に溶液を2時間混合し続ける。その後、106リットルのNaOH水溶液(10.8重量%;密度1.099kg/L)が予め入っている析出槽内にこの溶液を50分で移した。析出中の撹拌速度は、220rpmであった。SO
42−、Na
+及びCl
−を、各イオンについて200ppm未満まで除去するために濾過によってスラリーを洗浄し、再パルプ化した。再パルプ化後、最終的な酸化物中で4重量%のLa
2O
3が得られるようにLa(NO
3)
3の溶液を入れた。80g/Lで1時間、98℃でスラリーをエージングさせた。1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加した。その後、懸濁液を濾過し、700℃で3時間焼成した。
【0163】
表面積(SBET)
上の実施例で調製した混合酸化物に対して、所定の温度及び所定の時間において空気中で焼成を行った。混合酸化物の比表面積(SBET)は、標準ASTM D 3663−78に従う窒素吸着によって測定し、表1に報告した。
【0164】
【0165】
結果として、本発明の組成物は、特に従来の方法によって製造された先行技術の組成物と比較してより大きい耐熱性を有しているようである。
【0166】
触媒の調製及び試験
ZrO
2混合酸化物(50%)−CeO
2(40%)−La
2O
3(5%)−Y
2O
3(5%)の調製
25リットルの水、16.7リットルのCeCl
3水溶液([C]=1.53mol/L;密度1.33kg/L)、及び15kgのZrOCl
2(36.2重量%のZrO
2;LOI 63.6%)から溶液を調製し、これを56リットルの硫酸(8.8重量%;密度1.05kg/L)に添加した。得られた溶液を2時間撹拌したままにする。
【0167】
容器の底に100リットルのNaOH水溶液(10.8重量%、密度1.099kg/L)が入っている撹拌されている状態の容器に溶液を注ぎ入れた。その後、最終的な混合酸化物中で5%のイットリウム酸化物が得られるように、適切な量のイットリウム硝酸塩の水溶液を5分で添加した。
【0168】
得られた析出物を、SO
42−イオン、Na
+及びCl
−のそれぞれが300ppm未満の含有量になるまで一連の濾過−水中への再分散によって洗浄した。水中への再分散(80g/Lに再分散)後、析出物を97℃で1時間加熱する。その後、最終的な混合酸化物中で5%のランタン酸化物La
2O
3が得られるように、適切な量のLa(NO
3)
3の水溶液を添加する。その後、1時間撹拌しながら3.5kgのラウリン酸を添加する。懸濁液を濾過し、固体を750℃で3時間焼成する。その後、固体を約4μmの平均粒径d
50まで粉砕する。これは、71m
2/gの比表面積を示す。
【0169】
得られた混合酸化物は、次の比表面積を示す。
・1000℃で4時間焼成後:58m
2/g
・1100℃で4時間焼成後:37m
2/g
【0170】
予め得た過剰の混合酸化物をRh
III硝酸塩水溶液に含浸し、乾燥し、空気中で500℃において4時間焼成することによって触媒を調製した。1〜20μmのメジアン径d
50を有する粉末形態の混合酸化物を使用する。混合酸化物粉末を蒸留水に分散させることで30.0重量%の分散液を得る(混合酸化物10.0gを秤量した)。その後、0.1%のロジウムの割合を得るために必要とされる量のロジウム硝酸塩(III)水溶液をこの分散液に添加し、硝酸によってpHを4の値にする。分散液を1時間撹拌し、その後、生成物をオーブン内で120℃において乾燥し、乾燥した固体を空気中で500℃において4時間焼成する。その後、30トンの圧力を2分間粉末に加えることで固体全体を直径32mmの円筒状のペレットの形態に圧縮する。その後、ペレットをモルタル中で解凝集することで粉末を得る。これをふるい分けして、250μmのふるいを通り抜け且つ125μmのふるいによって保持された粉末のフラクションのみを保持した。
【0171】
触媒のエージングは、上で詳述した一連の3つの工程E
1〜E
3において1,0gの触媒に対して行われる。その後、複数のパラメーターを測定し、それらは表2に報告されている。
【0172】