(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シャワーヘッド区画(s1〜s12)の前記少なくとも1つのシャワーヘッド開口(22)は、前記シャワーヘッド面(18)の中心領域から前記シャワーヘッド面(18)の周領域へ半径方向に延在する区画領域に対応する、前記シャワーヘッド面(18)の表面領域にわたって分布する複数のシャワーヘッド開口(22)を備える、請求項1に記載のSALD装置。
前記シャワーヘッド区画の前記少なくとも1つのシャワーヘッド開口は前記シャワーヘッド面(18)の中心領域へ開いており、各シャワーヘッド区画(s1〜s12)は、使用時、前記間隙(20)内の半径方向外向きのガス流が各シャワーヘッド区画(s1〜s12)と関連付けられるように、前記シャワーヘッド面(18)の前記周領域へ開いている少なくとも1つの排出開口(26)を備える、請求項1に記載のSALD装置。
前記区画(s1〜s12)の前記少なくとも1つのシャワーヘッド開口(22)は前記シャワーヘッド面(18)の前記周領域へ開いており、各区画(s1〜s12)は、使用時、前記間隙(20)内の半径方向内向きのガス流が各シャワーヘッド区画(s1〜s12)と関連付けられるように、前記シャワーヘッド面(18)の前記中心領域へ開いている少なくとも1つの排出開口(26)を備える、請求項1に記載のSALD装置。
前記SALD装置は、前記シャワーヘッド(16)および前記サセプタ(12)のうちの少なくとも1つの中で、前記回転軸(A)に沿って延在する中心排出チャネル(102)であって、前記中心排出チャネル(102)は、一端が前記間隙(20)内に開いており、もう一端が排出手段(36)に接続されている、中心排出チャネル(102)を含み、
各シャワーヘッド区画(s1〜s12)の前記少なくとも1つの中心排出開口(26)は、前記シャワーヘッド区画によって画定される間隙区画の半径方向内側によって形成され、前記半径方向内側は前記中心排出チャネル(102)と直接連通している、請求項4に記載のSALD装置。
前記シャワーヘッド(16)は、前記間隙(20)の半径方向外側境界を実質的に閉じる周壁を含み、前記シャワーヘッド区画(s1〜s12)の前記少なくとも1つのシャワーヘッド開口(22)は、前記周壁内に収容される、請求項4に記載のSALD装置。
前記シャワーヘッドは、基板を処理している間に前記シャワーヘッド(16)と前記サセプタ(12)との間の相対回転を行うために、前記中心軸(A)周りで回転可能に取り付けられる、請求項1に記載のSALD装置。
前記サセプタ(12)は、基板を処理している間に前記シャワーヘッド(16)と前記サセプタ(12)との間の相対回転を行うために、前記中心軸(A)周りで回転可能に取り付けられ、前記シャワーヘッド(10)は回転不能に取り付けられる、請求項1に記載のSALD装置。
前記間隙(20)内に、前記中心軸(A)周りで接線方向に見ると、第1の前駆物質ガスゾーン、ガス排出ゾーン、パージガスゾーン、ガス排出ゾーン、第2の前駆物質ガスゾーン、ガス排出ゾーン、パージガスゾーンおよびガス排出ゾーンを続いて含む複数の異なるゾーンが存在する、請求項1に記載のSALD装置。
前記切り替え可能シャワーヘッド区画(s1〜s12)の各々の前記多方弁(24)は、少なくとも1つの主接続および少なくとも3つの分岐接続を有し、前記主接続は、前記シャワーヘッド(16)の前記複数のガスチャネルのうちの1つのガスチャネル(64、68、96’)に流体接続されているガス導管(98)に接続され、前記3つの分岐接続は、それぞれ、
第1の前駆物質ガス源(28)、
第2の前駆物質ガス源(30)、および
パージガス源34に流体接続される、請求項1に記載のSALD装置。
各多方弁(24)は、少なくとも2つの追加の、第5の分岐接続および第6の分岐接続を有し、前記第5の分岐接続は、第3の前駆物質ガス源(34)に流体接続され、前記第6の分岐接続は、第4の前駆物質ガス源に流体接続される、請求項11に記載のSALD装置。
前記シャワーヘッド面(18)は、前記中心領域から前記周領域へ実質的に半径方向に延在する切り替え不能区画を画定するように、単一のガス源(28〜34)または排出手段(36)に永続的に接続される第2の複数の区画開口を含み、各切り替え不能シャワーヘッド区画は、各々が前記多方弁アセンブリ(24)と関連付けられる2つの切り替え可能シャワーヘッド区画(s1〜s12)の間に位置決めされる、請求項1に記載のSALD装置。
前記区画開口(22)の半径方向外側において、前記シャワーヘッドには、前記シャワーヘッド面(18)の半径方向外縁に隣接して、前記シャワーヘッド面(18)内で前記シャワーヘッド(16)の全周に沿って延在する外側リング区画(So)を画定する外側リング開口(40)が設けられ、前記外側リング開口(40)は、排出手段(36)および/またはパージガス源(34)に流体接続される、請求項1に記載のSALD装置。
前記区画開口(22)の半径方向内側において、前記シャワーヘッド(16)には、前記シャワーヘッド面(18)の半径方向内縁に隣接して、前記シャワーヘッド面(18)内で前記シャワーヘッド(16)の全周に沿って延在する内側リング区画(Si)を画定する内側リング開口(42)が設けられ、前記内側リング開口(42)は、排出手段(36)および/またはパージガス源(34)に流体接続される、請求項1に記載のSALD装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願において、同様のまたは対応する特徴は、同様のまたは対応する参照符号によって示される。様々な実施形態の記載は、図面に示されている実施例に限定されず、発明を実施するための形態および特許請求の範囲において使用されている参照符号は、実施形態の記載を限定するようには意図されていない。参照符号は、図面に示されている実施例を参照することによって実施形態を説明するために含まれている。
【0010】
図1〜
図13は、空間的原子層堆積装置(以下、SALD装置)の第1の実施例に関する。
図14〜
図20は、SALD装置の第2の実施例に関する。両方の実施例は、様々な実施形態を含み、本発明の主要な態様を含む。
図21〜
図32は、シャワーヘッド16の様々な区画s1〜s12を、例えば、前駆物質A、前駆物質B、前駆物質C、パージPおよび排出Eなどの、様々な利用可能なガス源28〜34またはガス排出手段36に接続することによって実現することができる、シャワーヘッド10の複数の異なるガス供給構成の実施例を示す。
【0011】
本発明が関連するSALD装置10の2つの実施例が、
図1〜
図20に示されている。一般に、SALD装置は、処理されるべき基板を配置することができる基板支持面14を有するサセプタ14を含む。SALD装置は、基板支持面14aとシャワーヘッド面18との間に間隙20を形成するように、基板支持面14に面し、これに実質的に平行に延在するシャワーヘッド面18を有するシャワーヘッド16をさらに含む。
図12、
図13および
図19、
図20を参照されたい。サセプタ12およびシャワーヘッド16は、シャワーヘッド16の中心に交差し、基板支持面14に実質的に垂直に延在する回転軸A周りで、互いに対して回転可能である。
図7および
図10を参照されたい。
図1〜
図13に示す第1の実施例がその一例である一実施形態において、シャワーヘッド16は回転可能であり、サセプタ12は、例えば、基板をサセプタ12上に装填および装填解除するために、回転方向において固定されているか、または、断続的にしか回転可能でない。
図14〜
図20に示す第2の実施例がその一例である代替的な実施形態において、シャワーヘッド16を回転方向において固定することができ、サセプタ12は回転可能であり得る。
図7、
図9、
図19および
図20に明瞭に示すように、シャワーヘッド16は、複数のガスチャネル64、68、96’を含む。各ガスチャネルは、間隙20へガスを供給し、および/または、間隙20からガスを排出するために間隙20へ開いている、シャワーヘッド16内の少なくとも1つのシャワーヘッド開口22と流体接続されている。各ガスチャネルは、当該ガスチャネルが流体接続されている少なくとも1つの開口22とともに、シャワーヘッド区画s1〜s12を画定し、その結果、シャワーヘッド16は複数のシャワーヘッド区画s1〜s12を含む。
図1〜
図20に示す2つの実施例において、シャワーヘッド区画s1〜s8の数は8個である。
図21〜
図32に示す2つの実施例において、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の数は12個である。数が増えれば作成することができるガスゾーン組み合わせに関して柔軟性が向上するということであれば、任意の数のシャワーヘッド区画s1〜s12が実現可能であることに留意されたい。一般的に、6つのガス区画が最小限である。各シャワーヘッド区画s1〜s12は、実質的にシャワーヘッド面18の中心に隣接する中心領域からシャワーヘッド面18の周領域へ半径方向に延在する間隙区画を決定する。一般に、
図2、
図12、
図8、
図15、
図17、
図19に示すように、区画開口22が、シャワーヘッド面18内に設けられる。しかしながら、代替的に、区画開口22はまた、シャワーヘッド面18の半径方向内縁または半径方向外縁に隣接する間隙20を境界付ける周壁内にも設けられてもよい。
本発明によれば、SALD装置10は、複数の多方弁アセンブリ24を備える。各多方弁アセンブリ24は、シャワーヘッド16の複数のガスチャネルのうちの1つのガスチャネル64、68または96’に流体接続されている。各多方弁アセンブリ24は、多方弁アセンブリ24に流体接続されているそれぞれのガスチャネル64、68または96’を、異なる種類のガスを供給する複数の異なるガス源28、30、32、34のうちの選択される1つに流体接続するように切り替え可能である。
【0012】
図1〜
図20に示す実施例では、シャワーヘッド16は、ガス供給プレート16aおよびガス分配プレート16bを含む。代替的な実施形態において、シャワーヘッド16は、単一部品から構成されてもよい。特に、これは、シャワーヘッド16が回転可能に固定されるときに容易に実現可能であり得る。
本発明によるSALD装置の利点は、参照されている発明の概要に記載されている。
【0013】
シャワーヘッド10の様々な実施形態が可能である。各切り替え可能区画s1〜s12に、例えば、中心領域から周領域へ半径方向に延在する単一列の区画開口22が設けられてもよい。しかしながら、区画開口22はまた、
図1〜
図13の第1の実施例に示すような切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12を形成するために、三角形またはくさび形のパターンにおいて設けられてもよい。加えて、区画開口22のサイズが、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s8の中または間で変化してもよい。また、区画開口22の流出方向は、シャワーヘッド面18に対して垂直であることから逸脱して、非垂直、すなわち、斜めであってもよい。シャワーヘッド18内の切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s8の一区画内の異なる箇所において異なるサイズの区画開口22および/または異なる角度の区画開口22を利用することによって、区画開口22を介して供給されるガス流の量および方向に影響を及ぼすことができる。一実施形態において、様々な区画s1〜s8は、相互に異なる区画開口パターン、相互に異なる区画開口寸法または相互に異なる区画開口角度を有してもよい。
以下において、
図1〜
図20に示す第1の実施例および第2の実施例を説明する。その後、
図21〜
図32を参照しながら、いくつかのプログラム可能性の例を論じる。最後に、従属請求項において特許請求されているものとしての、本発明の様々な実施形態を、図面を参照しながら論じる。
【0014】
図1〜
図13に示す第1の実施例は、
図1および
図2に明瞭に示すように、互いに接続され、静止シャフト44上に回転可能に取り付けられているガス供給プレート16aおよびガス分配プレート16bを備えるシャワーヘッド16を含む。サセプタ12もシャフト44に取り付けられており、シャフト44上で上下に動くことができる。任意選択的に、サセプタ12は、例えば、SALD装置10に隣接して位置決めすることができる基板操作ロボットによって基板をその基板支持面14上に配置するために、断続的に回転可能であってもよい。
図1〜
図13の実施例において、基板支持面14は、円形基板を位置決めすることができる4つの円形キャビティ14aを有する。使用時、すなわち、ALDプロセスの間、シャワーヘッド16は回転し、サセプタ12は静止する。サセプタ12は、サセプタ12の基板支持面14と、基板支持面14に向けられているシャワーヘッド面18との間に小さい間隙20が存在する、SALD装置の閉位置において上向きに動かされる。
図9および
図13は、閉状態にあるSALD装置10の第1の実施例を示す。
図10および
図12は、開状態にあるSALD装置10の第1の実施例を示す。
【0015】
図3〜
図5は、シャフト44をより詳細に示す。シャフトは静止しており、シャフトの軸に平行に延在する複数の軸方向チャネル46を含む。軸方向チャネル46は、ガスラインを介してガス源28〜34および/またはガス排出手段36へ接続可能である。シャフトの複数の軸方向高さにおいて、環状溝48が設けられる。各溝48内に、少なくとも1つの横方向チャネル50が開いている。横方向チャネル50は、軸方向チャネル46を、その軸方向チャネル46と関連付けられる環状溝48と流体接続する。ガスは、横方向チャネル50および軸方向チャネル46を介して環状溝48に供給し、または、環状溝48から排出することができる。
【0016】
図6および
図7は、ガス供給プレート16aをより詳細に示す。
図6は、ガス供給プレート16aの底面図を示し、
図7は、
図6の線VII−VIIの断面図を示す。
【0017】
図8は、シャワーヘッド16のガス分配プレート16bの斜視図を示す。すでに述べたように、ガス供給プレート16aおよびガス分配プレート16bは使用時、互いに固定的に接続され、ともにシャワーヘッド16を形成する。第1の実施例において、シャワーヘッド16は、シャフト44上に回転可能に取り付けられる。ガス分配プレート16の上面の構造が、
図8で明瞭にわかり、本明細書においてシャワーヘッド面18として参照される、サセプタ12に面する反対の面の構造は、実質的に同じである。
【0018】
図6に明瞭に示すように、ガス供給プレート16aの底部は、相対的に半径の小さい4つの開口52を含む。これらの開口52は、内側リング開口42が設けられているガス分配プレート16bのリング状チャンバ54(
図8参照)へ開いている。ガス供給プレート16aの底部はまた、相対的に半径の大きい4つの開口56をも含む。これらの開口56は、外側リング開口40が設けられているガス分配プレート16bのリング状チャンバ58(
図8参照)へ開いている。半径の小さい4つの開口52および相対的に半径の大きい4つの開口56の代わりに、十分なガス流を供給または排出するのに十分である任意の数の開口が設けられてもよい。
図7で明瞭にわかるように、開口52および56は、半径方向に延在するチャネル60を介して接続される。半径方向チャネル60は、ガス供給プレート16aの中心開口74へ開いている。中心開口74は、中心開口74を通じて延在するシャフト44を収容する。ガス供給プレート16aは、中心開口74がそれを通じて延在するハブ66を含む。半径方向チャネル60は、シャフト44上の環状溝48のうちの1つと流体接続される。
結果として、例えば、パージガスをシャフト44内の軸方向チャネル46を介して、横方向チャネル50を介してシャフト44の環状溝48へ供給することができる。この環状溝48から、パージガスは、半径方向チャネル60へ、半径方向チャネル60ならびに開口52および56を介して、相対的に半径の小さいリング状チャンバ54および相対的に半径の大きいリング状チャンバ58へ供給することができる。パージガスは、パージガスを供給される間隙20内に内側リング区画S
iおよび外側リング区画S
o(
図21、
図23、
図25参照)を形成するように、シャワーヘッド面18と基盤支持面14との間の間隙20へ流れ込むように、外側リング開口40および内側リング開口42を介してガス分配プレート16bを通る。パージガスを供給する代わりに、同じルートを使用して、内側リング区画S
iおよび外側リング区画S
oからガスを排出することもできる。
【0019】
ガス分配プレート16bの底部も、ガス供給プレート16aのハブ66内で軸方向に延在するガスチャネル64によって形成される8つの開口62を含む。ハブ66内の各軸方向ガスチャネル64は、中心開口74へ延在するハブ66内の横方向ガスチャネル68に接続される。ハブ66内の各横方向ガスチャネル68は、シャフト44上の環状溝48のうちの1つと関連付けられる。ガス供給プレート16bの底部の各開口62は、ガス分配プレート16bの上面上の区画チャンバ70と関連付けられる。区画チャンバ70は、半径方向リブ72によって互いから分離されている。
図8において、リブ72は非常に広く、区画チャンバ70と同様の寸法であるが、リブは相対的に細く、区画チャンバ70よりもはるかに小さい横方向寸法にすることもできる。各区画チャンバ70内には、ガス分配プレート16bの上面から、シャワーヘッド面18を形成する底面へ延在する区画開口22が設けられている。したがって、間隙20内に、ガスをそこに供給することができ、または、ガスをそこから排出することができる、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s8が存在する。切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s8へのガスの供給は、シャフト44内の軸方向に延在するガスチャネル46および横方向ガスチャネル50を介してシャフト44上の環状溝48へガスを供給することによって行うことができる。その後、環状溝に供給されたガスは、ハブ66内の横方向ガスチャネル68およびハブ66内の軸方向ガスチャネル64のうちの1つに入る。ガスは、ガス供給プレート16bの底面内の開口62を介して、関連付けられる区画チャンバ70内に流れる。ガスは、区画チャンバ70内で容易に分散し、その後、その区画チャンバ70内の区画開口22を通って、間隙20に入り、間隙20内の半径方向に延在する区画を充填する。代替的に、同じルートを使用して、シャフト44内の軸方向に延在するガスチャネル46のうちの1つを真空ポンプのような排気装置と接続することによって、間隙20内の半径方向に延在する区画からガスを排出することができる。
図9は、閉状態にある第1の実施例を示す。ガス供給プレート16aは透明にされており、その結果、その中に延在するガスチャネルおよびガス分配プレート16bの上面が見えている。この
図9から、ガス供給プレート16aの底面内の様々な開口52、56、62が、ガス分配プレート16bの上面上の様々なチャンバ54、58、70にどのように接続されるかが明らかである。
図9は、ガス導管98がシャフト44内の軸方向に延在するチャネル46に接続されていることを概略的に示す。このガス導管98は、多方弁アセンブリ24に接続されており、多方弁アセンブリ24を介して軸方向に延在するガスチャネル46を、選択されるガス源28、30、32、34またはガス排出手段36に接続することができる。各軸方向に延在するガスチャネル46は、ガス源28、30、32、34のうちの選択される1つまたはガス排出手段36に接続可能であるように、関連付けられるガス導管98および関連付けられる多方弁アセンブリ24に同様に接続される。
第1の実施例は、8つのガス区画s1〜s8のみを含むことに留意されたい。実際には、ガス区画の数は一般により多くなる。
【0020】
図10は、開状態にある第1の実施例の斜視図である。この開状態において、基板を配置し、および/または、サセプタ12から除去することができる。これは、手作業で、または、ピックアンドプレース・ロボットによって自動的に行うことができる。
【0021】
図11は、SALD装置の第1の実施例の上面図を示し、
図12および
図13に示す断面図の切断線を示す切断線XII−XIIを示す。
図12において、SALD装置10は開状態にあり、
図13において、SALD装置は閉状態にある。
【0022】
図14〜
図20は、本発明によるSALD装置10の第2の実施例を示す。第2の実施例の装置10の様々な部分は、
図14および
図15に与えられている分解図に明瞭に示されている。第2の実施例において、シャワーヘッド16は静止しており、サセプタ12は、ALDプロセスの間、回転する。加えて、各区画内でのガスの上から下への流れの代わりに、各区画内での流れの主な方向は、半径方向内向きである。
【0023】
図14および
図15は、SALD装置の第2の実施例の様々な部分を明瞭に示す。シャワーヘッド16は、使用時、互いに固定的に接続されているガス供給プレート16aおよびガス分配プレート16bを含む。サセプタ12は、モータ78によって回転することができる中心シャフト76に接続されている。中心シャフト76は上下に動くこともできる。このプロセスは、同じモータ78によって行うことができる。代替的な実施形態においては、サセプタ12の上下運動を実施するために、第2の駆動装置が存在してもよい。例えば、モータ78が、上下に可動な支持体の上に取り付けられてもよい。第2の実施例において、モータ78は、ハウジング80、より詳細にはその下部チャンバ82(
図19および
図20参照)内に収容されている。ハウジング80の側壁84は上向きに延在し、シャワーヘッド16が、側壁84の上縁に固定的に取り付けられる。サセプタは、ハウジング80の上部チャンバ86内に収容される。上部チャンバ86および下部チャンバ82は、中心シャフト76がそれを通じて延在する中心開口90を有する隔壁88によって、互いから実質的に分離されている。側壁84は開口92を含み、開口92を介して、基板をサセプタ12へ、および、サセプタ12から動かすことができる。開口92には、図示されていない閉鎖手段を設けることができ、その結果、開位置において、チャンバ86の内外に基板を動かすことができ、閉位置において、チャンバ86は気密にシールされる。基板を動かすことは、手作業で、または、代替的に、図示されていないピックアンドプレース・ユニットによって自動的に行うことができる。サセプタ12上に基板を配置するとき、または、サセプタ12から基板を除去するとき、サセプタ12は、下向きの位置へ動かされ、その結果、SALD装置が開状態になる。この開状態は、
図16、
図17および
図19に示されている。ALDプロセスの間、サセプタ12は、サセプタ12の基板支持面14と、シャワーヘッド16のシャワーヘッド面18との間に小さい間隙20を残すように、上向きに動かされる。この間隙20は
図19に示されている。
【0024】
図14に明瞭に示すように、ガス分配プレート16bの上面は、複数のリングセグメント形状チャンバ94を含む。この実施例において、リングセグメント形状チャンバ94は、ガス分配プレート16bの半径方向外側位置に位置決めされる。ガス供給プレート16aは、それぞれのガス導管98を接続することができる複数の接続ニップル96を有する。1本のガス導管98が、
図16に概略的に示される。各接続ニップル96は、関連付けられるリングセグメント形状チャンバ94へ開いているガスチャネル96’(
図19参照)を含む。各リングセグメント形状チャンバ94内に、ガス分配プレート16bを通じて、本明細書においてシャワーヘッド面18として示されているその底面へ延在する区画開口22が設けられている。
図15に明瞭に示すように、シャワーヘッド面18は、半径方向に延在するリブ100によって互いから分離されている、複数の半径方向に延在する区画形状チャンバを含む。各半径方向に延在する区画形状チャンバは、間隙20内にガス区画s1〜s8を画定する。シャワーヘッド面18上の各区画形状チャンバは、中心排出開口26(
図19、
図20参照)を介して、ガス分配プレート16b内の中心排出チャネル102へ開いている。中心排出チャネル102はまた、ガス供給プレート16a内にも延在し、その結果、シャワーヘッド16は、中心排出チャネル102を含む。代替的に、中心排出チャネル102は、サセプタ12を通じて、および、少なくとも部分的にシャフト76を通じて延在してもよい。
【0025】
第2の実施例の使用時、ガスは、接続ニップル96のガスチャネル96’を通じてリングセグメント形状チャンバ94へ供給され得る。これらのリングセグメント形状チャンバ94において、ガスは、均等に分散することができ、その結果、そのリングセグメント形状チャンバ94と接続されているすべての区画開口22が、実質的に同じ量のガスを供給される。ガスは区画開口22を出て、シャワーヘッド面18とサセプタ12の基板支持面14との間の間隙20内に到達する。シャワーヘッド16の中心排出チャネル102は、例えば、真空源などの排出装置36に接続される。結果として、ガスは、間隙20内の各区画s1〜s8内で半径方向内向きに流れる。ガスは、流れ抵抗が最も小さい経路に沿って流れ、したがって、ごく少量のみが、リブ100の間の中の領域よりもサセプタ12に対する間隔が小さい、半径方向延在リブ100のうちの1つを通過し得る。大部分は、間隙20内の半径方向延在区画s1〜s8を画定する、半径方向延在区画チャンバ内に留まり、半径方向外側領域から中心排出チャネル102へ流れる。接続ニップル96のいくつかは、排出手段36にも接続され得る。
【0026】
図16に明瞭に示すように、ガス導管98は、多方弁アセンブリ24を含み、多方弁アセンブリ24を介して、ガス導管98は、異なる種類のガスを供給するために、様々なガス源28〜34に選択的に接続することができる。代替的に、多方弁アセンブリ24は、ガス導管98を排出手段36に接続することもできる。多方弁アセンブリ24を切り替えることによって、関連付けられる切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s8は、所望のガスを供給され得、または、一実施形態では、排出区画に転換され得る。したがって、様々なガスゾーンZを間隙20内に作成することができる。様々なガスゾーンZのシーケンスおよび長さは、様々な多方弁アセンブリ24を切り替えることによって、単純に変更することができる。
【0027】
ここで、
図21、
図23、
図25に示す実施例を論じる。これらの実施例は、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の数が8個の代わりに12個であることを前提として、
図1〜
図13に示す第1の実施例に基づく。これらの図において、通常下に向けられているシャワーヘッド面18が、概略的に示されている。ストライプの円は、サセプタ12上に位置決めされている、処理されるべき基板Wの位置を表す。シャワーヘッド16は、各々が排出区画Eによって分離されている12個の切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12を含む。また、外側リング区画S
oおよび内側リング区画S
iも示されている。ハッチングは、各区画s1〜s12に供給されるガスの種類を示す。
【0028】
図21に示す例において、区画s1、s5、s9は、前駆物質ガスAを供給される。区画s3、s7およびs11は、前駆物質ガスBを供給される。区画s2、s4、s6、s8、s10およびs12は、前駆物質ガスAとBとの間に良好なガス分離を生成するように、パージガスを供給される。外側リング区画S
oおよび内側リング区画S
iは、パージガスを供給される。
【0029】
代替的に、外側リング区画S
oおよび内側リング区画S
iは、排出手段36に接続されてもよい。
図22は、サセプタが
図21のシャワーヘッドに対して回転しているときの、シャワーヘッドのそれぞれの切り替え可能シャワーヘッド区画を通る基板の順次的な経過を示す。
図22は、いずれの種類のガスまたは排出に基板の部分が順次的に暴露されるかを明瞭に示している。この実施例では、基板の各部分の順次的な暴露は、前駆物質ガスA、排出E、パージガス、排出E、前駆物質ガスB、排出E、パージガス、排出Eであり、その後、同じ暴露シーケンスが繰り返される。基板の異なる部分が順次的に同じガスシーケンスに暴露されるが、シーケンスは時間的にシフトされ得、その結果、1つの瞬間においては、基板の異なる部分は異なるガスに暴露され得ることが理解されよう。
【0030】
図23に示す例において、区画s1およびs7は、前駆物質ガスAを供給される。区画s3、s4、s5、s9、s10、s11は、前駆物質ガスBを供給される。区画s2、s6、s8およびs12は、前駆物質ガスAとBとの間に良好なガス分離を生成するように、パージガスを供給される。ここでも、外側リング区画S
oおよび内側リング区画S
iは、パージガスを供給される。この実施例においては、各々が3つの後続する区画によって形成される2つの相対的に大きいゾーンが作成される。第1の大きいゾーンの区画s3、s4、s5および第2の大きいゾーンの区画s9、s10、s11には、前駆物質ガスBが供給される。これらの2つの大きいゾーンの間には、各々が単一の区画によって形成され、前駆物質ガスAが供給される、2つの小さいゾーンが延在する。これらのゾーンは、すべてが同じ1区画分のサイズを有するパージガスゾーン、すなわち、区画s2、s6、s8およびs12によって分離される。
図24は、サセプタが
図23のシャワーヘッドに対して回転しているときの、シャワーヘッドのそれぞれの切り替え可能シャワーヘッド区画を通る基板の順次的な経過を示す。
図24は、いずれの種類のガスまたは排出に基板の部分が順次的に暴露されるかを明瞭に示している。この実施例では、基板の一部分の順次的な暴露は、前駆物質ガスA、排出E、パージガス、排出E、前駆物質ガスB、排出E、前駆物質ガスB、排出E、前駆物質ガス、排出E、パージガス、排出Eであり、その後、同じ暴露シーケンスが繰り返される。
【0031】
図25に示す実施例においては、区画s1は前駆物質ガスAを供給されて、第1のゾーンを形成する。区画s3、s4は、前駆物質ガスBを供給されて、第2のゾーンを形成する。区画s6およびs7は前駆物質ガスCを供給されて第3のゾーンを形成し、最後に、区画s9、s10およびs11は前駆物質ガスDを供給されて第4のゾーンを形成する。
【0032】
図26は、サセプタが
図25のシャワーヘッドに対して回転しているときの、シャワーヘッドのそれぞれの切り替え可能シャワーヘッド区画を通る基板の順次的な経過を示す。
図26は、いずれの種類のガスまたは排出に基板の部分が順次的に暴露されるかを明瞭に示している。この実施例において、基板の一部分の順次的な暴露は、前駆物質ガスA、パージガス、前駆物質ガスB、前駆物質ガスB、パージガス、前駆物質ガスC、前駆物質ガスC、パージガス、前駆物質ガスD、前駆物質ガスD、前駆物質ガスDである。前駆物質ガスおよび/またはパージガスへの各暴露の間に、基板の上記部分は、排出区画Eを通過する。
図27、
図29、
図31に示す実施例は、切り替え可能シャワーヘッドガス区画s1〜s12の数が8個の代わりに12個であることを前提として、
図14〜
図20に示す第2の実施例に基づく。
図27、
図29、
図31の実施例においては、半径方向内向きの流れが、ガス区画s1〜s12内で優勢である。ガスは、間隙20の外周リング領域において、
図14〜
図20の第2の実施例を参照しながら説明したように供給される。
図27、
図29、
図31において、リング領域のハッチングは、区画ごとに異なり、いずれの種類のガスが特定の区画において供給されているかを示すことが明瞭にわかる。ここでも、ストライプの円は、シャワーヘッド16に対する処理されるべき基板の位置を表す。中心排出チャネル102も、図面に明瞭に示されている。
【0033】
図27の実施例において、ガス区画s1、s5およびs9は、前駆物質ガスAが供給される3つのゾーンを形成するように、前駆物質ガスAを供給される。ガス区画s3、s7およびs11は、前駆物質ガスBが供給される3つのゾーンを作成するように、前駆物質ガスBを供給される。前駆物質ガスゾーンAおよびBは各々、ガス区画s2、s4、s6、s8、s10およびs12によって形成されるパージガスゾーンによって分離される。
図28から容易にわかるように、基板の部分は、続いて前駆物質ガスA、パージガス、前駆物質ガスB、パージガス、およびその後、再び同じ暴露シーケンスに暴露される。
【0034】
図29の実施例において、前駆物質ガスAの第1のゾーンは区画s1、s2およびs3によって作成される。前駆物質ガスAの第2のゾーンは区画s7、s8およびs9によって作成される。これら2つのゾーンの間に、ガス区画s5およびs11によって形成される前駆物質ガスBの2つのゾーンがある。それぞれの前駆物質ガスゾーンは、区画s4、s6、s10およびs12によって形成されるパージガスゾーンによって分離される。
図30から明瞭であるように、基板の部分は、続いて前駆物質ガスAの大きいゾーン、小さいパージガスゾーン、前駆物質ガスBの小さいゾーン、パージガスゾーン、およびその後、再び同じ暴露シーケンスに暴露される。
【0035】
図31の実施例において、前駆物質ガスAの小さい第1のゾーンが区画s1によって作成される。区画s2はパージガスゾーンを作成する。区画s3およびs4は、前駆物質ガスBのゾーンを作成する。区画s5はパージガスゾーンを作成する。
【0036】
区画s6およびs7は、前駆物質ガスCのゾーンを作成する。区画s8はパージガスゾーンを作成する。区画s9、s10およびs11は前駆物質ガスDのゾーンを作成し、最後に、区画s12はパージガスゾーンを作成する。
図32から容易にわかるように、基板の部分は、続いて前駆物質ガスAの小さいゾーン、パージガス、前駆物質ガスBのより大きいゾーン、パージガス、前駆物質ガスCのより大きいゾーン、パージガス、前駆物質ガスDの大きいゾーンおよび最後にパージガスに暴露される。
【0037】
これらすべての変形形態およびさらにより多くの変形形態は、各切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12が流体接続される様々な多方弁アセンブリ24を切り替えることによって容易に得ることができる。
以下において、従属請求項の主題でもある様々な実施形態を説明する。
【0038】
その一例が
図9および
図16に示されている一実施形態において、各多方弁アセンブリ24は、それぞれの多方弁アセンブリ24に流体接続されているそれぞれのガスチャネル64、68、96’をガス排出手段36と流体接続するように切り替え可能である。したがって、切り替え可能シャワーヘッド区画は、前駆物質またはパージガスを供給する機能を有することができるだけでなく、排出ゾーンとして使用することもできる。
【0039】
介在する排出ゾーンEは、様々な種類の前駆物質ガスA、B、C、Dの分離を改善するために有益であり得る。
図21、
図23および
図25の実施例において、排出ゾーンEは固定されており、異なる種類のガスを供給されるように切り替え可能ではない。これは、すべて同じ前駆物質ガスBを注入する区画s3、s4およびs5によって形成されるガスゾーンが、排出ゾーンEによって中断されることを意味する。これはスペースを取るが、ガスゾーン内の反応副産物の濃度を低減し、これは化学反応の完了に対して好影響を有し得る。しかしながら、これらの排出ゾーンEも切り替え可能であるとすると、作成され得る前駆物質ゾーンA、Bならびに任意選択的にCおよびDは、排出ゾーンEによって中断される必要がないことになる。これによって、特定の種類のガスのゾーン内で、ガスがそのゾーン内で排出される必要がなくなるため、シャワーヘッド16の効率を向上させる。結果として、そのようなシステムではガス消費がより少なくなる。
【0040】
図1〜
図13に示す第1の実施例がその一例であり、
図21、
図23および
図25に示すシャワーヘッドがその例である一実施形態において、上記シャワーヘッド区画s1〜s12の少なくとも1つのシャワーヘッド開口22は、シャワーヘッド面18の中心領域からシャワーヘッド面18の周領域へ半径方向に延在する区画領域に対応する、シャワーヘッド面18の表面領域にわたって分布する複数のシャワーヘッド開口22を含む。これには、使用時、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の区画領域の実質的に全体が、そのそれぞれの切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の複数の区画開口22が、関連付けられる多方弁アセンブリ24を介して流体接続されているガス源からガスを供給されるという効果がある。したがって、上記切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12によってガスを供給される、間隙20の区画領域全体にわたる下向きの流れを生成することができる。
【0041】
いずれの図にも実施例が示されていない代替的な実施形態において、上記シャワーヘッド区画の少なくとも1つのシャワーヘッド開口22は、シャワーヘッド面18の中心領域へ開いている。その実施形態において、各シャワーヘッド区画s1〜s12は、使用時、間隙20内の半径方向外向きのガス流が各シャワーヘッド区画s1〜s12と関連付けられるように、シャワーヘッド面18の周領域へ開いている少なくとも1つの排出開口を備える。
【0042】
半径方向外向きの流れは、基板面積の良好な被覆率をもたらすことができる。
図14〜
図20の第2の実施例がその一例であり、
図27、
図29および
図31に示すシャワーヘッドもその例であるまた別の代替的な実施形態において、上記区画s1〜s12の少なくとも1つのシャワーヘッド開口22はシャワーヘッド面18の周領域へ開いており、各区画s1〜s12は、使用時、間隙20内の半径方向内向きのガス流が各シャワーヘッド区画s1〜s12と関連付けられるように、シャワーヘッド面18の中心領域へ開いている少なくとも1つの排出開口26を備える。
【0043】
半径方向内向きのガス流はさらに、基板面積のさらにより良好な被覆率をもたらすことができる。
【0044】
その例が
図14〜
図20および
図27、
図29、
図31に示されている、切り替え可能シャワーヘッド区画内の半径方向内向きのガス流を有する一実施形態において、シャワーヘッド16およびサセプタ12のうちの少なくとも1つの中に、回転軸Aに沿って延在する中心排出チャネル102を設けることができ、中心排出チャネル102は、一端が上記間隙20内に開いており、もう一端が排出手段36に接続されている。そのような実施形態において、各区画s1〜s12の少なくとも1つの中心排出開口26は、中心排出チャネル102と直接連通している間隙区画の半径方向内側によって形成することができる。
【0045】
すべての前駆物質ガスおよびパージガスが中心で排出されるため、そのような実施形態には、構造が相対的に単純であるという利点がある。これには、前駆物質ゾーンをパージガスゾーンによって単純に分離することによって、前駆物質ガスの十分な分離を得ることができるため、介在する排出ゾーンを避けることができるという有益な効果がある。間隙20内で、使用される前駆物質ガスは中心で排出される。
【0046】
例が図示されていない一実施形態において、シャワーヘッド16は、間隙20の半径方向外側境界を実質的に閉じる周壁を含むことができる。任意選択的に、上記シャワーヘッド区画s1〜s12の少なくとも1つのシャワーヘッド開口22は、周壁内に収容することができる。特に、間隙20内のガス流が半径方向内向きである変形形態において、そのような構成は、構造の観点から有益であり得る。
図1〜
図13に示す第1の実施例がその一例である一実施形態において、シャワーヘッド16は、基板を処理している間にシャワーヘッド16とサセプタ12との間の相対回転を行うために、中心軸A周りで回転可能に取り付けることができる。
【0047】
そのような構造は、シャワーヘッド16へのガスの供給の観点では相対的に複雑である。しかしながら、処理されている間に基板が静止しており、サセプタの回転から生じる遠心力を受けないという利点がある。
【0048】
図14〜
図20に示す第2の実施例がその一例である代替的な実施形態において、サセプタ12は、基板を処理している間にシャワーヘッド16とサセプタ12との間の相対回転を行うために、中心軸A周りで回転可能に取り付けることができ、シャワーヘッド10は回転可能でないように取り付けられる。
【0049】
そのような実施形態はいくらかより単純な構造を有することができる。しかしながら、処理中に基板が回転することは、望ましくない場合がある。
【0050】
これら2つの直近の実施形態の間での選択は、処理される必要がある基板の種類に応じて決まり得る。
【0051】
各切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12を所望のガス源28〜34または排出手段36と接続するように、使用時、それぞれのシャワーヘッド区画s1〜s12の多方弁アセンブリ24を所望の位置において切り替えることによって、間隙20内にゾーンが作成される。各ゾーンは、中心軸A周りで接線方向に見ると、1つまたは複数の連続した切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12を含む。
【0052】
このように区画を切り替え可能であることは、供給することができるガス種類、および、同じSALD装置によってもたらすことができる暴露時間に関して非常に高い柔軟性をもたらすことができ、その結果、1つのSALD装置において、各前駆物質について、区画幅と、シャワーヘッドに対するサセプタの回転速度との最適な組み合わせを選択することによって、各前駆物質について暴露時間を最適化しながら、異なる前駆物質および化学物質を用いる複数のALDプロセスを実行することができる。
その一例が
図21に示されている一実施形態において、間隙20内に、中心軸A周りで接線方向に見ると、第1の前駆物質ガスゾーン、ガス排出ゾーン、パージガスゾーン、ガス排出ゾーン、第2の前駆物質ガスゾーン、ガス排出ゾーン、パージガスゾーンおよびガス排出ゾーンを続いて含むことができる複数の異なるゾーンが存在し得る。
【0053】
そのような構成は、単純なSALD堆積プロセスには十分であり得る。
【0054】
その一例が
図9および
図16に示されている一実施形態において、切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の各々の多方弁24は、少なくとも1つの主接続を有し、少なくとも3つの分岐接続を有することができる。主接続は、シャワーヘッド16の複数のガスチャネルのうちの1つのガスチャネル64、68または96’に流体接続されているガス導管98に接続される。3つの分岐接続は、それぞれ、第1の前駆物質ガス源28、第2の前駆物質ガス源30、およびパージガス源34に流体接続することができる。
【0055】
先行する実施形態を詳述すると、各多方弁24は、少なくとも1つの追加の分岐接続を有してもよい。第4の分岐接続は、ガス排出手段36に流体接続してもよい。
またさらに詳述すると、各多方弁24は、少なくとも2つの追加の、第5および第6の分岐接続を有してもよい。第5の分岐接続は、第3の前駆物質ガス源34に流体接続してもよい。第6の分岐接続は、第4の前駆物質ガス源Dに流体接続してもよい。
【0056】
その例が
図21、
図23および
図25に示されている一実施形態において、シャワーヘッド面18は、中心領域から周領域へ実質的に半径方向に延在する切り替え不能シャワーヘッド区画を画定するように、単一のガス源28〜34または排出手段36に永続的に接続される第2の複数の区画開口を含むことができる。各切り替え不能シャワーヘッド区画は、各々が上記多方弁アセンブリ24と関連付けられる2つの切り替え可能シャワーヘッド区画s1〜s12の間に位置決めすることができる。
図21、
図23および
図25に示す実施例において、Eによって示されている区画が、切り替え不能シャワーヘッド排出区画である。
【0057】
図1〜
図20に示す第1の実施例および第2の実施例がその例である一実施形態において、シャワーヘッド16およびサセプタ12のうちの少なくとも1つが上下に可動であり、その結果、間隙20の高さが調整可能である。したがって、例えば、サセプタ12から基板を除去するか、または、サセプタ12上に基板を配置するために、サセプタ12とシャワーヘッド16との間の間隙20を増大させることができる。
【0058】
図1〜
図13に示す第1の実施例および
図21、
図23および
図25の実施例がその一例であるまた別の実施形態において、シャワーヘッド開口22の半径方向外側において、シャワーヘッドには、シャワーヘッド面18の半径方向外縁に隣接して、シャワーヘッド面18内でシャワーヘッド16の全周に沿って延在する外側リング区画S
oを画定する外側リング開口40を設けることができる。外側リング開口40は、排出手段36および/またはパージガス源34に流体接続することができる。そのような外側リング区画S
oは、有害である可能性がある前駆物質ガスが環境に漏出するのを防止する。
【0059】
図示されていないまた別の実施形態において、シャワーヘッドには、シャワーヘッド面の外縁に隣接して、シャワーヘッド面内で、シャワーヘッドの全周に沿って延在する第1の外側リング区画および第2の外側リング区画をそれぞれ画定する、第1の外側リング開口および第2の外側リング開口を設けることができる。一方の外側リング区画を、他方の外側リング区画に隣接して、他方の外側リング区画に対して半径方向外向きに位置決めすることができ、一方の外側リング区画を排出手段に流体接続することができ、他方をパージガス源に流体接続することができる。
【0060】
図1〜
図13に示す第1の実施例および
図21、
図23および
図25の実施例がその一例であるまた別の実施形態において、区画開口22の半径方向内側において、シャワーヘッド16には、シャワーヘッド面18の半径方向内縁に隣接して、シャワーヘッド面18内でシャワーヘッド16の全周に沿って延在する内側リング区画S
iを画定する内側リング開口42を設けることができる。内側リング開口42は、排出手段36またはパージガス源34のいずれかに流体接続することができる。したがって、有害である可能性がある前駆物質ガスの半径方向内側への漏出も防止される。ここでも、代替的に、シャワーヘッド面18の内縁に隣接して、シャワーヘッド面18の全周にわたって延在する2つの内側リング区画を画定する2セットの内側リング開口を設けることもできる。第1の内側リング区画は排出手段36に接続することができ、第2の内側リング区画はパージガス源34に接続することができる。
本発明は、記載されている以外の様態で実践されてもよいことが理解されよう。上記の記載は、限定ではなく例示であるように意図されている。したがって、下記の特許請求項の範囲から逸脱することなく、上記に記載されている本発明に修正を行うことができることは、当業者には理解されよう。様々な実施形態は、組み合わされて適用されてもよく、または、互いから別個に適用されてもよい。上記の発明を実施するための形態において使用されている参照符号は、実施形態の記載を、図面に示されている実施例に限定するようには意図されていない。図面は実施例を表しているに過ぎず、実施形態は、図面の実施例に示されている特定の方法以外の方法で具現化されてもよい。