特許第6797961号(P6797961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797961
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】歩行動作補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   A61H3/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-56003(P2019-56003)
(22)【出願日】2019年3月25日
(65)【公開番号】特開2020-156556(P2020-156556A)
(43)【公開日】2020年10月1日
【審査請求日】2020年9月9日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『活力ある生涯のためのLast 5X イノベーション』委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】高橋 玲
(72)【発明者】
【氏名】牧原 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】澤田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】東 善之
(72)【発明者】
【氏名】大畑 光司
【審査官】 菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−214504(JP,A)
【文献】 特開2013−111408(JP,A)
【文献】 特許第6148766(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの歩行動作に対して補助力を付与するアクチュエータと、サンプリングタイミング毎にユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出する大腿姿勢検出手段と、前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られる股関節角度及び当該股関節角度を微分して得られる股関節角速度を用いて大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段と、一歩行周期中の周期歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定した出力トルクパターンを有し、前記大腿位相角に基づいて認識される一歩行周期中の周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段と、前記補助トルク算出手段によって算出されたトルク値の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段とを備え、
前記大腿位相角算出手段は、当該歩行動作補助装置の主電源がオンされた時点から直近に完了した歩行周期までの所定期間内において前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られた未正規化股関節角度の中で絶対値の最大値を股関節角度用正規化係数として記憶し、且つ、前記所定期間内において得られた未正規化股関節角度を微分して算出される未正規化股関節角速度の中で絶対値の最大値を股関節角速度用正規化係数として記憶し、前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られる未正規化股関節角度を、記憶している前記股関節角度用正規化係数で除して正規化股関節角度を算出し且つ前記未正規化股関節角度を微分して得られる未正規化股関節角速度を、記憶している前記股関節角速度用正規化係数で除して正規化股関節角速度を算出し、前記正規化股関節角度及び前記正規化股関節角速度を用いて大腿位相角を算出するように構成されていることを特徴とする歩行動作補助装置。
【請求項2】
大腿位相角と歩行周期における周期歩行動作タイミングとの関係を規定した歩行動作タイミング関数を有し、前記大腿位相角算出手段から送られてくる大腿位相角を前記歩行動作タイミング関数に適用して歩行周期中の周期歩行動作タイミングを算出する歩行動作タイミング算出手段を備え、
前記補助トルク算出手段は、前記歩行動作タイミング算出手段によって算出された周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出することを特徴とする請求項1に記載の歩行動作補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行動作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人の歩行補助用又はリハビリテーション用の器具として、脚の動きを補助する電動モータ等のアクチュエータが備えられた歩行動作補助装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
前記歩行動作補助装置は、長下肢装具に脱着可能とされ、前記長下肢装具における下腿フレームに前後方向の歩行補助力を付与し得るように構成されている。
【0004】
前記歩行動作補助装置は、前記長下肢装具に脱着可能に装着されるケーシングと、前記ケーシングに支持された前記アクチュエータと、前記アクチュエータからの回転動力によって前記長下肢装具における下腿フレームを前後に押動する駆動アームと、ユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度を検出する大腿姿勢検出手段と、前記大腿姿勢検出手段からの股関節角度に基づいて大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段と、一歩行周期中の歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定した出力トルクパターンを有し、前記大腿位相角に基づいて認識される一歩行周期中の歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段と、前記補助トルク算出手段によって算出されたトルク値の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段とを備えている。
【0005】
前記大腿位相角算出手段は、前記大腿姿勢検出手段から入力される股関節角度θと、前記股関節角度θを微分して得られる股関節角速度ωとに基づき、大腿位相角φ(=−Arctan(ω/θ)+π)を算出する。
【0006】
図10に、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿位相角φ(歩行状態)を一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図を模式的に示す。
【0007】
図10に示すように、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿位相角φは、一歩行周期において0〜2πの間で変化する。
【0008】
詳しくは、大腿がユーザーの鉛直方向に沿った体軸より前方及び後方に位置されている状態の股関節角度θをそれぞれ「正」及び「負」とし、大腿が前方及び後方へ向けて揺動されている状態の股関節角速度ωをそれぞれ「正」及び「負」とした場合において、股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態の大腿位相角φを0とすると、大腿が後方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態、図10中のサンプリングタイミングS(1))から、大腿が遊脚状態で相対的に前方側へ移動してユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「正」の方向に最大となる状態)までの期間(図10の歩行領域A1)においては、大腿位相角φは0からπ/2に変化する。
【0009】
次いで、引き上げた遊脚状態の大腿がユーザーの体軸と一致している状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「正」の方向に最大となる状態)からさらに相対的に前方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「正」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」となる状態)までの期間(図10の歩行領域A2)においては、大腿位相角φはπ/2からπに変化する。
【0010】
そして、遊脚状態の大腿が前方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「正」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態)から、ヒールコンタクトを経て接地して立脚状態となり、当該立脚状態の大腿が相対的に後方側へ揺動されてユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「負」の方向に最大となる状態)までの期間(図10の歩行領域A3)においては、大腿位相角φは位相角πから3π/2に変化する。
【0011】
さらに、立脚状態の大腿がユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「負」の方向に最大となる状態)から相対的に後方側へ揺動されて後方側へ最大揺動された状態(股関節角度が「負」の方向に最大で且つ股関節角速度が「ゼロ」となる状態)までの期間(図10の歩行領域A4)においては、大腿位相角φは3π/2から2πに変化する。
【0012】
ところで、図10において模式的に記載したトラジェクトリ線図は、理解容易化の為に、股関節角度θのスケール(即ち、股関節角度θの振幅)と股関節角速度ωのスケール(即ち、股関節角速度ωの振幅)とを一致させているが、実際には、股関節角度θのスケールと股関節角速度ωのスケールとは一致せず、しかも、両者の相違の程度はユーザー毎に相違し、より厳密に言えば、同一ユーザーにおいても歩行周期によって異なり得る。
【0013】
図11に、一のユーザーのある歩行周期におけるトラジェクトリ線図の模式図を示す。
図11に示す例においては、股関節角速度ωのスケールが股関節角度θのスケールの約2倍となっている。
【0014】
図10及び図11の比較から明らかなように、図11は、図10に比して、股関節角度θの絶対値が大きい領域(例えば、サンプリングタイミングS(1)〜S(3))では時間経過に対する大腿位相角φの変化割合(即ち、一のサンプリングタイミングと次のサンプリングタイミングとの間における大腿位相角φの変位割合)が大きくなる一方で、股関節角度θの絶対値の小さい領域(例えば、サンプリングタイミングS(7)〜サンプリングタイミングS(12))では時間経過に対する大腿位相角φの変位割合が小さくなる。
【0015】
ここで、大腿位相角φと、歩行周期中の周期歩行動作タイミングT(即ち、大腿位相角φが一歩行周期中のどのタイミングに位置しているかを、歩行周期に対する百分率を用いて示すタイミング)とは、
T=(φ/2π)×100(%)
の関係を有している。
【0016】
従って、股関節角度θのスケールと股関節角速度ωのスケールとが異なっていると、大腿位相角φに基づいて算出される周期歩行動作タイミングの変化割合が、一歩行周期中における大腿の揺動位置(即ち、股関節角度θの絶対値の大小)に応じて大きく異なり、周期歩行動作タイミングを正確に認識することができず、結果、周期歩行動作タイミングに基づいて算出される、前記アクチュエータが出力すべきトルク値を正確に得ることが困難になる。
【0017】
このように、前記特許文献1に記載の歩行動作補助装置は、歩行補助力の付与対象部位である下腿ではなく、大腿の位相角φに基づいて歩行周期中の周期歩行動作タイミングを認識しており、これにより、下腿の動きに基づいて周期歩行動作タイミングを認識する構成に比して、複雑な構造を要することなく周期歩行動作タイミングを認識できるという効果を有する点においては有効であるが、周期歩行動作タイミングを正確に認識するという点においては改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特許第6148766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、大腿位相角に基づいて、歩行周期に対する百分率である周期歩行動作タイミングを認識し、周期歩行動作タイミングに応じた歩行補助力を下腿に付与するように構成された歩行動作補助装置であって、周期歩行動作タイミングの認識精度を向上させ得る歩行動作補助装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前記目的を達成するために、ユーザーの歩行動作に対して補助力を付与するアクチュエータと、サンプリングタイミング毎にユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出する大腿姿勢検出手段と、前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られる股関節角度及び当該股関節角度を微分して得られる股関節角速度を用いて大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段と、一歩行周期中の周期歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定した出力トルクパターンを有し、前記大腿位相角に基づいて認識される一歩行周期中の周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段と、前記補助トルク算出手段によって算出されたトルク値の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段とを備え、前記大腿位相角算出手段は、当該歩行動作補助装置の主電源がオンされた時点から直近に完了した歩行周期までの所定期間内において前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られた未正規化股関節角度の中で絶対値の最大値を股関節角度用正規化係数として記憶し、且つ、前記所定期間内において得られた未正規化股関節角度を微分して算出される未正規化股関節角速度の中で絶対値の最大値を股関節角速度用正規化係数として記憶し、前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られる未正規化股関節角度を、記憶している前記股関節角度用正規化係数で除して正規化股関節角度を算出し且つ前記未正規化股関節角度を微分して得られる未正規化股関節角速度を、記憶している前記股関節角速度用正規化係数で除して正規化股関節角速度を算出し、前記正規化股関節角度及び前記正規化股関節角速度を用いて大腿位相角を算出するように構成されている歩行動作補助装置を提供する。
【0021】
本発明に係る歩行動作補助装置は、大腿位相角と歩行周期における周期歩行動作タイミングとの関係を規定した歩行動作タイミング関数を有し、前記大腿位相角算出手段から送られてくる大腿位相角を前記歩行動作タイミング関数に適用して歩行周期中の周期歩行動作タイミングを算出する歩行動作タイミング算出手段を備えることができる。
【0022】
この場合、前記補助トルク算出手段は、前記歩行動作タイミング算出手段によって算出された周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出するように構成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る歩行動作補助装置によれば、大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段が、当該歩行動作補助装置の主電源がオンされた時点から直近に完了した歩行周期までの所定期間内において大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られた未正規化股関節角度の中で絶対値の最大値を股関節角度用正規化係数として記憶し、且つ、前記所定期間内において得られた未正規化股関節角度を微分して算出される未正規化股関節角速度の中で絶対値の最大値を股関節角速度用正規化係数として記憶し、前記大腿姿勢検出手段からの角度関連信号に基づいて得られる未正規化股関節角度を、記憶している前記股関節角度用正規化係数で除して正規化股関節角度を算出し且つ前記未正規化股関節角度を微分して得られる未正規化股関節角速度を、記憶している前記股関節角速度用正規化係数で除して正規化股関節角速度を算出し、前記正規化股関節角度及び前記正規化股関節角速度を用いて大腿位相角を算出するように構成されているので、一のサンプリングタイミング及び次のサンプリングタイミング間での大腿位相角の変位の程度を、一歩行周期に亘って均一化させることができ、大腿位相角に基づいて認識される周期歩行動作タイミングの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明に係る歩行動作補助装置が装着可能な長下肢装具の正面図である。
図2図2は、図1におけるII部拡大斜視図である。
図3図3は、図2の分解斜視図である。
図4図4は、図2の縦断斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施の形態に係る歩行動作補助装置が長下肢装具に装着された状態をユーザー幅方向内方且つ前方から視た斜視図である。
図6図6は、前記歩行動作補助装置を装着面の側(ユーザー幅方向内方側)から視た分解斜視図である。
図7図7は、前記歩行動作補助装置及び前記長下肢装具をユーザー幅方向外方から視た分解斜視図である。
図8図8は、前記歩行動作補助装置及び前記長下肢装具の分解縦断面図である。
図9図9は、前記歩行動作補助装置の制御ブロック図である。
図10図10は、前記歩行動作補助装置における制御装置によって算出される股関節角度θ及び股関節角速度ωを一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図であり、股関節角度θのスケール(振幅)と股関節角速度ωのスケール(振幅)とを一致させた状態で示している。
図11図11は、前記歩行動作補助装置における制御装置によって算出される股関節角度θ及び股関節角速度ωを一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図であり、股関節角速度ωのスケール(振幅)が股関節角度θのスケール(振幅)の2倍とされているユーザーのトラジェクトリ線図である。
図12図12は、一歩行周期中の歩行姿勢を時系列で表した模式図である。
図13図13は、前記歩行動作補助装置における制御装置によって実行されるアクチュエータ作動制御モードのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る歩行動作補助装置の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、長下肢装具1を装着したユーザーに対して歩行補助力を提供するものであり、左脚用の長下肢装具及び右脚用の長下肢装具の何れにも装着可能とされている。
【0026】
まず、前記長下肢装具1について、左脚用長下肢装具を例に説明する。
図1に、ユーザーの左脚に装着される左脚用長下肢装具の正面図を示す。
なお、左脚用長下肢装具及び右脚用長下肢装具は、ユーザーの鉛直方向に沿った体軸を通って前後方向に延びる中央垂直面を基準にして左右対称とされる。
【0027】
前記長下肢装具1は、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人が、歩行補助の為、又は、リハビリテーションの為に装着する器具であり、ユーザーの体格に合わせてオーダーメイドされるものである。
【0028】
図1に示すように、前記長下肢装具1は、ユーザーの大腿に装着される大腿装着体11と、前記大腿装着体11を支持した状態で略上下方向に延びる大腿フレーム20と、ユーザーの下腿に装着される下腿装着体31と、前記下腿装着体31を支持した状態で略上下方向に延びる下腿フレーム40とを有している。
【0029】
前記大腿装着体11及び前記下腿装着体31は、それぞれ、ユーザーの大腿及び下腿に装着可能とされる限り種々の形態を取り得る。
本実施の形態においては、前記大腿装着体11は、ユーザーの大腿が挿入可能で且つ大腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
同様に、前記下腿装着体31は、ユーザーの下腿が挿入可能で且つ下腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
【0030】
本実施の形態においては、図1に示すように、前記大腿フレーム20は、前記大腿装着体11のユーザー幅方向Wの外方側において略上下方向に延びる第1大腿フレーム20(1)と、前記大腿装着体11のユーザー内方側において略上下方向に延びる第2大腿フレーム20(2)とを有している。
【0031】
同様に、前記下腿フレーム40は、前記下腿装着体31のユーザー幅方向Wの外方側において略上下方向に延びる第1下腿フレーム40(1)と、前記下腿装着体31のユーザー幅方向Wの内方側において略上下方向に延びる第2下腿フレーム40(2)とを有している。
【0032】
図2に、図1におけるII部拡大斜視図を示す。
また、図3に、図2の分解斜視図を示す。
なお、図3においては、理解容易化の為に構成部材の一部の図示を省略している。
さらに、図4に、図2の縦断斜視図を示す。
【0033】
図1図4に示すように、前記下腿フレーム40は、装具側回動連結部50を介して前記大腿フレーム20にユーザーの膝関節と同軸上の装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結されている。
【0034】
前述の通り、本実施の形態においては、前記大腿フレーム20は前記第1及び第2大腿フレーム20(1)、20(2)を有し、前記下腿フレーム40は前記第1及び第2下腿フレーム40(1)、40(2)を有している。
【0035】
この場合、前記第1下腿フレーム40(1)の上端部が前記第1大腿フレーム20(1)の下端部に第1装具側回動連結部50(1)を介して装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結され、前記第2下腿フレーム40(2)の上端部が前記第2大腿フレーム20(2)の下端部に第2装具側回動連結部50(2)を介して装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結される。
【0036】
詳しくは、図2図4に示すように、前記大腿フレーム20は、上下方向に延びるフレーム本体21cと、前記フレーム本体21cの下端部のユーザー幅方向Wの両側にピン連結又は溶接等によって固着された一対の連結片21a、21bとを有しており、対応する前記下腿フレーム40の上端部が前記一対の連結片21a、21bの間に介挿されている。
【0037】
前記一対の連結片21a、21bには装具側枢支軸線Xと同軸上に大腿フレーム取付孔20aが設けられており、前記下腿フレーム40には装具側枢支軸線Xと同軸上に下腿フレーム取付孔40aが設けられている。
【0038】
前記装具側回動連結部50は、前記大腿フレーム取付孔20a及び前記下腿フレーム取付孔40aによって形成される装具側フレーム取付孔に挿通されて、対応する前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40同士を装具側枢支軸線X回り回動可能に連結する装具側連結具51を有している。
【0039】
図2図4に示すように、前記装具側連結具51は、前記装具側フレーム取付孔内において互いに対して分離可能に螺合される雌ネジ部材52及び雄ネジ部材55を有している。
【0040】
前記雌ネジ部材52は、ユーザー幅方向一方側から前記装具側フレーム取付孔に挿入される筒部53と、前記筒部53のユーザー幅方向一方側から前記装具側フレーム取付孔より径方向外方へ延在されるフランジ部54とを有しており、前記筒部53には自由端側に開くネジ穴が形成されている。
【0041】
一方、前記雄ネジ部材55は、ユーザー幅方向他方側から前記ネジ穴に螺入される雄ネジが形成された筒部56と、前記筒部56のユーザー幅方向他方側から前記装具側フレーム取付孔より径方向外方へ延在されたフランジ部57とを有している。
【0042】
図2図4に示すように、本実施の形態においては、前記雌ネジ部材52が前記大腿装着体11に挿入されるユーザーの大腿の側から前記装具側フレーム取付孔に挿入されており、前記雄ネジ部材55がユーザーの大腿とは反対側から前記雌ネジ部材52に螺合されている。
【0043】
なお、図3及び図4中の符号54aは、前記フランジ部53に設けられた径方向外方突起であり、前記内側連結片21bに形成された凹部22(図3参照)に係合することで、前記雌ねじ部材52が前記内側連結片21b(即ち、前記大腿フレーム20)に対して軸線回り相対回転不能に保持されるようになっている。
【0044】
本実施の形態においては、ユーザーの下腿の最大伸展時における前記下腿フレーム40の装具側枢支軸線X回りの揺動位置が、前記下腿フレーム40の前記大腿フレーム20に対する装具側枢支軸線X回り前方側への揺動端とされている。
【0045】
詳しくは、図3に示すように、前記下腿フレーム40の上端面は、(前記大腿フレーム20に対向する端面)は装具側枢支軸線X回り一方側から他方側へ行くに従って装具側枢支軸線Xからの径方向距離が増大するような傾斜面とされており、前記大腿フレーム20の下端面25(前記下腿フレーム40に対向する端面)は前記下腿フレーム40の上端面45に対応した傾斜面とされている。
【0046】
斯かる構成により、下腿最大伸展時においては、前記下腿フレーム40は、前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回り一方側(ユーザーの下腿が大腿に対して屈曲する方向)へのみ回動が許容され、他方側(ユーザーの下腿が大腿に対して伸展する方向)への回動は禁止されるようになっている。
【0047】
本実施の形態においては、前記長下肢装具1は、図1図4に示すように、さらに、前記下腿フレーム40の前記大腿フレーム20に対する装具側枢支軸線X回り双方向の回動を禁止する為のロック部材70を有している。
【0048】
前記ロック部材70は、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40を囲繞して両フレーム20、40を連結し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回りに相対回転することを防止するロック状態(図2に示す状態)と、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40の連結を解除し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回りに相対回転することを許容する解除状態とを取り得るように構成されている。
【0049】
なお、本実施の形態においては、前記ロック部材70は、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記第1下腿フレーム40(1)に作用する第1ロック部材70(1)と、前記第2大腿フレーム20(2)及び前記第2下腿フレーム40(2)に作用する第2ロック部材70(2)とを有している。
【0050】
本実施の形態においては、図1に示すように、前記長下肢装具1は、さらに、ユーザーが足を載置する足フレーム60を有している。
この場合、前記下腿フレーム40は、下端部が前記足フレーム60に連結される。
【0051】
以下、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100について説明する。
図5に、前記歩行動作補助装置100が左脚用の前記長下肢装具1に装着された状態をユーザー幅方向内方且つ前方から視た斜視図を示す。
また、図6に、前記歩行動作補助装置100を装着面の側から視た分解斜視図を示す。
さらに、図7及び図8に、それぞれ、前記歩行動作補助装置100及び前記長下肢装具1をユーザー幅方向外方且つ前方から視た分解斜視図、及び、分解縦断面図を示す。
【0052】
図5図8に示すように、前記歩行動作補助装置100は、前記長下肢装具1に着脱可能に連結されるケーシング110と、前記ケーシング110に収容され、下腿に対する歩行補助力を出力するアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動的に揺動駆動される駆動アーム150と、一歩行周期中の歩行動作状態を検出する歩行動作状態検出センサ170と、前記アクチュエータの作動制御を司る制御装置500とを備えている。
【0053】
前記ケーシング110は、前記アクチュエータを支持するフレーム115と、前記フレーム115及び前記アクチュエータを囲繞するカバー120とを有している。
【0054】
前記フレーム115は、前記ケーシング110が前記長下肢装具1に装着された状態において略上下方向に延びる上下方向延在壁117と、前記上下方向延在壁117から略水平に延びる水平方向延在壁119とを有している。
【0055】
前記カバー120は、前記第1大腿フレーム20(1)と対向する装着面112を形成する下カバー122と、前記下カバー122に着脱可能に連結される上カバー125であって、前記下カバー122と共働して前記フレーム115及び前記アクチュエータを収容する収容空間を形成する上カバー125とを有している。
【0056】
本実施の形態においては、前記上下方向延在壁117が前記下カバー122の内面にボルト等の締結部材によって連結されることで、前記フレーム115が前記カバー120の収容空間内に固定されている。
【0057】
なお、本実施の形態においては、前記上カバー125は、前記下カバー122に着脱可能に連結される第1上カバー125aと、前記第1上カバー125aに着脱可能に連結される第2上カバー125bとを有している。
【0058】
本実施の形態においては、前記アクチュエータとして、電動モータ130が採用されている。
図6に示すように、前記電動モータ130は、モータ本体132と、前記モータ本体132に連結された出力軸135とを有しており、前記出力軸135から軸線回り一方側の第1方向及び軸線回り他方側の第2方向の双方向の回転動力を出力し得るように構成されている。
【0059】
本実施の形態においては、前記モータ本体132は、前記水平方向延在壁119に載置された状態で前記フレーム115に支持されており、前記出力軸135は前記水平方向延在壁119より下方へ延在されている。
【0060】
図6及び図7に示すように、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は、さらに、バッテリ等の前記電動モータ130の動力源190を有している。
前記動力源190は、前記電動モータ130の上方に位置するように前記上下方向延在壁117に支持されている。
【0061】
前記駆動アーム150は、前記出力軸135に作動連結され、前記出力軸135の第1及び第2方向の回転出力に応じて、駆動側枢支軸線Y回り一方側の第1方向及び他方側の第2方向へ揺動する。
【0062】
図8に示すように、本実施の形態においては、前記駆動アーム150は、伝動ギヤ機構140を介して前記出力軸135に作動連結されている。
【0063】
前記伝動ギヤ機構140は、前記出力軸135に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギヤ142と、前記駆動側ベベルギヤ142と噛合された状態で駆動側枢支軸線Y上に配置された従動側ベベルギヤ144とを有している。
【0064】
前記従動側ベベルギヤ144は、ユーザー幅方向Wに関し、前記出力軸135より前記長下肢装具1に近接する側に配置されている。
そして、前記駆動アーム150の基端部が前記従動側ベベルギヤ144に連結されており、これにより、前記出力軸135の出力に応じて前記駆動アーム150が駆動側枢支軸線Y回りに揺動するようになっている。
【0065】
なお、図8に示すように、前記下カバー122にはアクセス開口123が設けられており、前記従動側ベベルギヤ144及び前記駆動アーム150の基端部は前記アクセス開口123を介して連結されている。
【0066】
前記駆動アーム150の先端部は、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に装着させた状態において前記第1下腿フレーム40(1)に作動連結され、前記駆動アーム150の駆動側枢支軸線Y回りの揺動に応じて前記第1下腿フレーム40(1)を装具側枢支軸線X回りに押動するようになっている。
【0067】
本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は、さらに、前記駆動アーム150の揺動位置を検出する回転センサ160を有している。
詳しくは、図8に示すように、前記従動側ベベルギヤ144には、駆動側枢支軸線Y回り相対回転不能に被検出軸146が連結されており、前記回転センサ160は前記被検出軸146の軸線回りの回転角度を検出するように配置されている。
【0068】
前記歩行動作補助装置100は、上部、下部及び上下中間部の3箇所で前記長下肢装具1に着脱自在に装着される。
【0069】
詳しくは、図6に示すように、前記歩行動作補助装置100は、上部連結機構220、下部連結機構260及び中間連結機構250を有している。
【0070】
図8に示すように、前記中間連結機構250は、前記長下肢装具1に設けられたボールスタッド251と、前記歩行動作補助装置100に設けられ、前記ボールスタッド251がボールジョイントされる収容凹部258とを有している。
【0071】
図8に示すように、前記ボールスタッド251は、前記長下肢装具1の装具側枢支軸線Xと同軸上に立設され、前記歩行動作補助装置100に向けて延びる軸部252と、前記軸部252の先端部に設けられた球頭部255とを有している。
【0072】
本実施の形態においては、前記ボールスタッド251は、前記装具側連結具51を利用して、前記長下肢装具1に立設されている。
【0073】
詳しくは、図4及び図8に示すように、前記ボールスタッド251は、前記装具側連結具51における前記雌ネジ部材52及び前記雄ネジ部材55のうちユーザー幅方向外方側に位置する外方側ネジ部材(本実施の形態においては、前記雄ネジ部材55)に代えて、前記雌ネジ部材52及び前記雄ネジ部材55のうちユーザー幅方向内方側に位置する内方側ネジ部材(本実施の形態においては、前記雌ネジ部材52)にネジ連結されることで、前記長下肢装具1に立設されている。
【0074】
前記ボールスタッド251及び前記内方側ネジ部材のネジ連結は種々の構成によって現出され得る。
例えば、前記ボールスタッド251に、軸線方向に貫通する段付き軸線孔を形成することができる。前記段付き軸線孔は、前記球頭部255が位置する側に開口する大径孔と、軸線方向に関し前記球頭部とは反対側に開口する小径孔と、前記大径孔及び前記小径孔をつなぐ段部とを有するものとされる。そして、前記段付き軸線孔に挿通され且つ前記内方側ネジ部材にネジ連結されるボルト等の締結部材を介して前記ボールスタッド251及び前記内方側ネジ部材を連結させることができる。
【0075】
斯かる構成によれば、前記ボールスタッド251を既存の長下肢装具1に対して、装具側枢支軸線Xと同軸上に容易に立設させることができる。
【0076】
本実施の形態においては、図8に示すように、前記収容凹部258は前記駆動アーム150の基端部に形成されている。
斯かる構成によれば、前記歩行動作補助装置100のユーザー幅方向に関する小型化を図りつつ、装具側枢支軸線X及び駆動側枢支軸線Yを確実に同軸上に位置させることができる。
【0077】
図6に示すように、前記上部連結機構220は、前記装着面112にユーザー幅方向内方側へ延びるように設けられた上部回動軸222と、前記上部回動軸222に軸線回り回動可能に支持された上部締結部材225とを備えている。
【0078】
前記上部締結部材225は、前記上部回動軸222に支持された軸受部227と、前記軸受部227から径方向外方へ延在されたカム部229とを有している。
【0079】
前記カム部229は、外周面と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向距離が前記上部回動軸222の軸線回り一方側へ行くに従って長くなるように構成されている。
【0080】
前記上部連結機構220は、さらに、前記上部回動軸222との間に前記第1大腿フレーム20(1)が介在され得る距離だけ前記上部回動軸222からユーザー前後方向に離間された位置で前記装着面112に設けられた上部受け止め部材246を備えている。
【0081】
本実施の形態においては、前記上部連結機構220は、前記装着面112からユーザー幅方向内方側へ延びるように設けられた上部受け止め軸247を備えており、前記上部受け止め軸247に支持された弾性ローラ248が前記上部受け止め部材246として作用している。
【0082】
前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回り解放位置に位置された状態においては、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に近接させる方向へ移動させることにより前記上部締結部材225及び前記上部受け止め部材246の間のスペース内に前記第1大腿フレーム20(1)を位置させることができ且つ前記第1大腿フレーム20(1)が前記スペース内に位置されている状態において前記歩行動作補助装置100Aを前記長下肢装具1から離間させる方向へ移動させることにより前記スペースから前記第1大腿フレーム20(1)を退出させることができるようになっている。
【0083】
さらに、前記スペース内に前記第1大腿フレーム20(1)が位置されている状態において前記上部締結部材225を前記上部回動軸222回りに解放位置から締結位置へ回動させると、前記カム部229が前記上部受け止め部材246と共働して前記第1大腿フレーム20(1)をユーザー前後方向に関し狭持し、これにより、前記歩行動作補助装置100の上部が前記第1大腿フレーム20(1)に連結された状態が現出される。
【0084】
図6に示すように、本実施の形態においては、前記上部締結部材225は、さらに、前記軸受部227から径方向外方へ延びる操作アーム230を有している。
【0085】
前記操作アーム230は、自由端と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向長さが、前記カム部229の径方向最外端と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向長さよりも大となるように、構成されている。
【0086】
斯かる構成により、前記操作アーム230を介して前記上部締結部材225を前記上部回動軸222回りに容易に回動させることを可能としつつ、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記歩行動作補助装置100の上部に意に反した外力が付加した場合に、前記カム部229を介して前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回りに回動されて前記歩行動作補助装置100の上部及び前記第1大腿フレーム20(1)の連結状態が解除されることを有効に防止することができる。
【0087】
また、図6に示すように、本実施の形態においては、前記上部締結部材225は、前記カム部229よりユーザー幅方向内方側において前記軸受部227から径方向外方へ延びる係合アーム232を有している。
【0088】
前記係合アーム232は、前記上部締結部材225及び前記上部受け止め部材246の間のスペース内に位置されている状態の前記第1大腿フレーム20(1)より、ユーザー幅方向内方側に位置するように、前記上部締結部材225に備えられている。
【0089】
前記係合アーム232には、前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回りに解放位置から締結位置へ回動操作されて前記カム部229が前記上部受け止め部材246と共働して前記第1大腿フレーム20(1)をユーザー前後方向に関し狭持している状態において、前記上部受け止め軸247のうち前記上部受け止め部材246よりユーザー幅方向内方側へ延在した部位に係合する係合溝233が設けられており、前記係合溝233に前記上部受け止め軸247の内方延在部位が係入されることによって、前記歩行動作補助装置100の上部及び前記第1大腿フレーム20(1)の意に反したユーザー幅方向への相対移動が防止されるようになっている。
【0090】
次に、前記下部連結機構260について説明する。
図5図8に示すように、本実施の形態においては、前記駆動アーム150の先端部には、ユーザー前後方向に沿った回動軸205回り揺動可能とされた揺動部材200が設けられており、前記下部連結機構260は前記揺動部材200に設けられている。
【0091】
斯かる構成を備えることにより、前記上部連結機構220及び前記中間連結機構250と前記下部連結機構260とのユーザー幅方向に関する相対位置を適宜調整することが可能となり、ユーザーの体格に応じてオーダーメイドされる種々の形状の長下肢装具1に適切な状態で前記歩行動作補助装置100を取り付けることが可能となる。
【0092】
即ち、前記長下肢装具1は、ユーザーの体格に合わせてオーダーメイドされるものであり、前記第1下腿フレーム40(1)に対する前記第1大腿フレーム20(1)のユーザー幅方向W(図1参照)に関する傾斜角度及び/又は曲り形状は、長下肢装具1毎に相違する。
【0093】
この点に関し、前記駆動アーム150の先端部に前記揺動部材200をユーザー幅方向揺動可能に連結させ、前記揺動部材200に前記下部連結機構260を設けることにより、前記第1下腿フレーム40(1)に対する前記第1大腿フレーム20(1)のユーザー幅方向Wに関する傾斜角度及び/又は曲り形状が異なる種々の長下肢装具1に対して、前記歩行動作補助装置100を適切に装着させることができる。
【0094】
前記下部連結機構260は、前記上部連結機構220と実質的に同一構成を有している。
具体的には、図6に示すように、前記下部連結機構260は、ユーザー幅方向内方側へ延びるように前記揺動部材200に設けられた下部回動軸262と、前記下部回動軸262に軸線回り回動可能に支持された下部締結部材265とを備えている。
【0095】
前記下部締結部材265は、前記下部回動軸262に支持された軸受部(図示せず)と、前記軸受部から径方向外方へ延在されたカム部(図示せず)とを有している。
【0096】
前記カム部は、外周面と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向距離が前記下部回動軸262の軸線回り一方側へ行くに従って長くなるように構成されている。
【0097】
図6に示すように、前記下部連結機構260は、さらに、前記下部回動軸262との間に前記第1下腿フレーム40(1)が介在され得る距離だけ前記下部回動軸262からユーザー前後方向に離間された位置で前記揺動部材200に支持された下部受け止め部材286を備えている。
【0098】
本実施の形態においては、前記下部連結機構260は、ユーザー幅方向内方側へ延びるように前記揺動部材200に設けられた下部受け止め軸287を備えており、前記下部受け止め軸287に支持された弾性ローラ288が前記下部止め部材286として作用している。
【0099】
前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回り解放位置に位置された状態においては、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に近接させる方向へ移動させることにより前記下部締結部材265及び前記下部受け止め部材286の間のスペース内に前記第1下腿フレーム40(1)を位置させることができ且つ前記第1下腿フレーム40(1)が前記スペース内に位置されている状態において前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1から離間させる方向へ移動させることにより前記スペースから前記第1下腿フレーム40(1)を退出させることができるようになっている。
【0100】
さらに、前記スペース内に前記第1下腿フレーム40(1)が位置されている状態において前記下部締結部材265を前記下部回動軸262回りに解放位置から締結位置へ回動操作させると、前記カム部が前記下部受け止め部材286と共働して前記第1下腿フレーム40(1)をユーザー前後方向に関し狭持し、これにより、前記歩行動作補助装置100の下部が前記第1下腿フレーム40(1)に連結された状態が現出される。
【0101】
図6に示すように、本実施の形態においては、前記下部締結部材265は、さらに前記軸受部から径方向外方へ延びる操作アーム270を有している。
【0102】
前記操作アーム270は、自由端と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向長さが、前記カム部269の径方向最外端と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向長さよりも大となるように、構成されている。
【0103】
斯かる構成により、前記操作アーム270を介して前記下部締結部材265を前記下部回動軸262回りに容易に回動させることを可能としつつ、前記第1下腿フレーム40(1)及び前記歩行動作補助装置100の下部に意に反した外力が付加した場合に、前記カム部を介して前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回りに回動されて前記歩行動作補助装置100の下部及び前記第1下腿フレーム40(1)の連結状態が解除されることを有効に防止することができる。
【0104】
また、図6に示すように、本実施の形態においては、前記下部締結部材265は、前記カム部269よりユーザー幅方向内方側において前記軸受部267から径方向外方へ延びる係合アーム272を有している。
【0105】
前記係合アーム272は、前記下部締結部材265及び前記下部受け止め部材286の間のスペース内に位置されている状態の前記第1下腿フレーム40(1)より、ユーザー幅方向内方側に位置するように、前記下部締結部材265に備えられている。
【0106】
前記係合アーム272には、前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回りに解放位置から締結位置へ回動操作されて前記カム部が前記下部受け止め部材286と共働して前記第1下腿フレーム40(1)をユーザー前後方向に関し狭持している状態において、前記下部受け止め軸287のうち前記下部受け止め部材286よりユーザー幅方向内方側へ延在した部位に係合する係合溝273が設けられており、前記係合溝273に前記下部受け止め軸287の内方延在部位が係入されることによって、前記歩行動作補助装置100の下部及び前記第1下腿フレーム40(1)の意に反したユーザー幅方向への相対移動が防止されるようになっている。
【0107】
次に、前記歩行動作補助装置100の制御構造について説明する。
図9に、前記歩行動作補助装置100の制御ブロック図を示す。
前記歩行動作補助装置100は、前記歩行動作状態検出センサ170として、大腿姿勢検出手段510を有しており、前記制御装置500は、大腿位相角φに基づいて歩行周期中の歩行状態(周期歩行動作タイミング)を認識し、当該歩行状態に適した歩行補助力が下腿に付与されるように前記電動モータ130の作動制御を行うように構成されている。
【0108】
即ち、前記歩行動作補助装置100は、補助力を付与する部位である下腿では無く、下腿とは異なる部位である大腿の動きを検出し、この大腿の動きに基づいて歩行周期中の歩行状態を認識し、この歩行状態に応じた歩行補助力を補助力付与対象部位である下腿に対して付与するように構成されている。
【0109】
具体的には、前記大腿姿勢検出手段510は、サンプリングタイミング毎にユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出可能とされている。
その上で、前記歩行動作補助装置100は、図9に示すように、前記角度関連信号に基づいて大腿位相角φを算出する大腿位相角算出手段550と、前記大腿位相角φに基づいて認識される歩行状態において出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段570と、前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段580とを備えている。
【0110】
図9に示すように、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角φに基づき、当該大腿位相角φが一歩行周期中のどの歩行状態にあたるか(即ち、歩行周期に対する百分率で規定される歩行動作タイミング)を算出する歩行動作タイミング算出手段560を有しており、前記補助トルク算出手段570は、歩行動作タイミングに基づき、出力すべき補助力のトルク値を算出するように構成されている。
【0111】
前記補助トルク算出手段570は、一歩行周期中の周期歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定した出力トルクパターンを有するものとされ、前記歩行動作タイミング算出手段560によって算出された周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して出力すべきトルク値を算出するように構成される。
【0112】
図9に示すように、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100においては、前記制御装置500が、前記大腿位相角算出手段550、前記歩行動作タイミング算出手段560、前記補助トルク算出手段570及び前記作動制御手段580として作用する。
【0113】
即ち、前記制御装置500は、前記大腿姿勢検出手段510や人為操作部材等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む演算部と、制御プログラムや制御データ等を記憶するROM,設定値等を電源を切っても失われない状態で保存し且つ前記設定値等が書き換え可能とされた不揮発性記憶手段及び前記演算部による演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM等を含む記憶部とを有するものとされる。
【0114】
前記大腿姿勢検出手段510は、一歩行周期中において、予め定められた所定サンプリングタイミング毎に前記角度関連信号を検出する。
【0115】
前記大腿姿勢検出手段510は、大腿の前後揺動角度(股関節角度θ)を直接又は間接的に検出し得る限り、ジャイロセンサ、加速度センサ、ロータリーエンコーダ、さらには、筋電流や筋肉の堅さを測定するセンサ等の種々の形態を有し得る。
【0116】
本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100においては、前記大腿姿勢検出手段510は、大腿の前後揺動角速度を検出可能な3軸角速度センサ(ジャイロセンサ)511(図9参照)を有するものとされており、前記大腿位相角算出手段550が、前記3軸角速度センサ511によって検出される大腿の角速度を積分することで、大腿の前後揺動角度である股関節角度θを算出するように構成されている。
【0117】
なお、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、3軸加速度センサ515を有しており、前記大腿位相角算出手段550は、静止時に前記3軸加速度センサ515によって検出される検出値に基づき、ユーザーの体軸(鉛直軸)を基準とした股関節角度(大腿の前後揺動角度)を算出するように構成されている。
【0118】
これに代えて、前記3軸加速度センサ515を有さないように構成することも可能である。
この場合には、前記大腿位相角算出手段550によって算出される股関節角度θ(大腿の前後揺動角度)は、前記歩行動作補助装置100の主電源がオンされた時点を基準とした大腿前後揺動角度となる。
【0119】
従って、この場合には、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルターを用いて、股関節角度θ(大腿の前後揺動角度)の基準が、その大腿前後揺動角度の中央値となるように補正することができる。
若しくは、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルターを用いる代わりに、算出した股関節角度θ(大腿の前後揺動角度)の正方向最大値と負方向最大値との偏差を検出し、前記偏差に基づき股関節角度θ(大腿の前後揺動角度)の基準が、その大腿前後揺動角度の中央値となるように補正することができる。
【0120】
ロータリーエンコーダによって体軸に対する大腿の前後揺動角度を検出し、この検出値を股関節角度θとして用いることも可能であるが、本実施の形態においては、前記3軸角速度センサ511によって検出される角速度に基づいて股関節角度を算出することにより、前記歩行動作補助装置100の設計自由度を向上させている。
【0121】
即ち、ロータリーエンコーダによって股関節角度θ(体軸に対する大腿前後揺動角度)を検出する場合には、胴体に固定された胴体側検出子と、大腿と一体的に揺動するように大腿に固定された大腿側検出子との相対移動角度を検出する必要があり、従って、前記固体側検出子及び前記大腿側検出子がそれぞれ胴体及び大腿に対して位置ズレしないように、前記両検出子を装着する必要がある。
【0122】
これに対し、前記3軸角速度センサ511によって検出される角速度に基づいて股関節角度θを算出する方法によれば、前述のような制限を受けることが無く、前記歩行動作補助装置100の設計自由度を向上させることができる。
【0123】
前述の通り、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100においては、前記大腿姿勢検出手段510は、前記3軸角速度センサ511に加えて、3軸加速度センサ515を有している。
【0124】
この場合、前記大腿位相角算出手段550は、前記3軸角速度センサ511からの角速度データに基づき算出される第1オイラー角の高周波成分と前記3軸加速度センサ515からの加速度データに基づき算出される第2オイラー角の低周波成分とを合算して合算オイラー角を算出し、前記合算オイラー角から算出される股関節角度θと前記股関節角度θから算出される股関節角速度ωとに基づいて大腿位相角φを算出するように構成される。
【0125】
詳しくは、図9に示すように、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に前記3軸角速度センサ511からセンサ座標軸を基準とした角速度データを入力し、前記角速度データを所定の変換式を用いてセンサ座標軸とグローバル座標軸(鉛直方向を基準とする空間座標軸)との相関を示す角速度データ(オイラー角速度)に変換する。
そして、前記大腿位相角算出手段550は、前記角速度データ(オイラー角速度)を積分することで前記第1オイラー角を算出する。
【0126】
好ましくは、前記大腿位相角算出手段500は、静止時に前記3軸角速度センサ511から入力される角速度データを用いて、所定サンプリングタイミング毎に前記3軸角速度センサ511から入力されるセンサ座標軸を基準とした角速度データのドリフト除去を行うことができる。
【0127】
また、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に前記3軸加速度センサ515からセンサ軸を基準とした加速度データをローパスフィルタ520を介して入力し、静止時に入力される加速度データと重力加速度とに基づき、前記ローパスフィルタ520を介して入力された前記加速度データから、センサ座標軸とグローバル座標軸(鉛直方向を基準とする空間座標軸)との相関を示す前記第2オイラー角を算出する。
【0128】
そして、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルター530を介して得られる前記第1オイラー角の高周波成分とローパスフィルタ535を介して得られる前記第2オイラー角の低周波成分とを合算して得られる前記合算オイラー角及び大腿の向きを示す単位ベクトルから、股関節角度θを算出する。
【0129】
好ましくは、前記大腿位相角算出手段550は、前記加速度センサ515からの加速度データに基づきヒールコンタクトを検出し、ヒールコンタクト検出時には前記3軸角速度センサ511からの角速度データから算出される補正オイラー角を前記合算オイラー角に加えることで、ドリフト除去を図ることができる。
【0130】
大腿位相角φは下記アルゴリズムによって算出される。
前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に、股関節角度θを算出すると共に、これを微分して股関節角速度ωを算出する。
【0131】
例えば、前記大腿位相角算出手段550は、歩行周期基準タイミングから第k番目のサンプリングタイミングS(k)(kは1以上の整数)での股関節角度θ(k)を算出すると、これを微分して当該サンプリングタイミングS(k)での股関節角速度ω(k)を算出する。
【0132】
前記歩行周期基準タイミングは、例えば、ヒールコンタクト、若しくは、ヒールコンタクトから所定時間経過後のタイミングとされ得る。
【0133】
ヒールコンタクトのタイミングは、種々の方法によって認識することができる。
例えば、ユーザーの体軸(鉛直軸)を基準として大腿が前方側及び後方側へ向けて揺動している際の股関節角速度ωをそれぞれ正及び負とした場合に、算出される股関節角速度ωが正値からゼロへ移行したタイミングから所定位相角Δαだけ進行した時点をヒールコンタクト時点として認識するように構成することができる。
【0134】
これに代えて、前記歩行動作補助装置100にヒールコンタクトを検出するヒールコンタクト検出手段を備え、前記大腿位相角検出手段550は、前記ヒールコンタクト検出手段によって検出されたタイミングをヒールコンタクト時点として認識することも可能である。前記ヒールコンタクト検出手段は、例えば、踵の接地を検出可能な圧力センサとされ得る。
【0135】
さらに、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100におけるように、前記加速度センサ515が備えられている場合には、前記加速度センサ515を前記ヒールコンタクト検出手段として兼用することができる。
【0136】
そして、前記大腿位相角算出手段550は、前記サンプリングタイミングS(k)での股関節角度θ(k)及び股関節角速度ω(k)に基づき、前記サンプリングタイミングS(k)での大腿位相角φ(k)(=−Arctan(ω(k)/θ(k))+π)を算出する。
【0137】
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、大腿位相角φ(k)の算出を、股関節角度θ(k)及び股関節角速度ω(k)に代えて、正規化股関節角度θa(k)及び正規化股関節角速度ωa(k)を用いて行うように構成されているが、以下においては、大腿位相角φ(k)の算出アルゴリズムの理解容易化の為に、まず、股関節角度θ(k)及び股関節角速度ω(k)を用いて大腿位相角φ(k)を算出する構成を説明し、正規化股関節角度θa(k)及び正規化股関節角速度ωa(k)については後述する。
【0138】
図10に、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿位相角φ(歩行状態)を一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図を模式的に示す。
【0139】
図10に示すように、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿位相角φは、一歩行周期において0〜2πの間で変化する。
【0140】
詳しくは、大腿がユーザーの鉛直方向に沿った体軸より前方及び後方に位置されている状態の股関節角度θをそれぞれ「正」及び「負」とし、大腿が前方及び後方へ向けて揺動されている状態の股関節角速度ωをそれぞれ「正」及び「負」とした場合において、股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態の大腿位相角φを0とすると、大腿が後方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態、図10中のサンプリングタイミングS(1))から、大腿が遊脚状態で相対的に前方側へ移動してユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「正」の方向に最大となる状態)までの期間(図10の歩行領域A1)においては、大腿位相角φは0からπ/2へ変化する。
【0141】
次いで、引き上げた遊脚状態の大腿がユーザーの体軸と一致している状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「正」の方向に最大となる状態)からさらに相対的に前方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「正」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」となる状態)までの期間(図10の歩行領域A2)においては、大腿位相角φはπ/2からπへ変化する。
【0142】
そして、遊脚状態の大腿が前方側へ最大揺動された状態(股関節角度θが「正」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態)から、ヒールコンタクトを経て接地して立脚状態となり、当該立脚状態の大腿が相対的に後方側へ揺動されてユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「負」の方向に最大となる状態)までの期間(図10の歩行領域A3)においては、大腿位相角φは位相角πから3π/2へ変化する。
【0143】
さらに、立脚状態の大腿がユーザーの体軸と一致する状態(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「負」の方向に最大となる状態)から相対的に後方側へ揺動されて後方側へ最大揺動された状態(股関節角度が「負」の方向に最大で且つ股関節角速度が「ゼロ」となる状態)までの期間(図10の歩行領域A4)においては、大腿位相角φは3π/2から2πへ変化する。
【0144】
前記歩行動作タイミング算出手段560は、大腿位相角φを、歩行周期に対する百分率である周期歩行動作タイミングに変換する変換関数を有しており、前記大腿位相角算出手段550から送られてくるサンプリングタイミングS(k)での大腿位相角φ(k)を前記変換関数に適用して前記サンプリングタイミングS(k)が歩行周期中のどの周期歩行動作タイミングT(k)にあたるか(即ち、一歩行周期を100%とした場合に、大腿位相角φ(k)がどの周期歩行動作タイミングT(k))に相当するか)を算出する。
【0145】
ここで、前記周期歩行動作タイミングT(k)は、
T(k)=(φ(k)/2π)×100(%)
によって算出される。
【0146】
前記補助トルク算出手段570は、周期歩行動作タイミングと出力すべきトルク値との関係を規定した出力トルクパターンを有しており、前記歩行動作タイミング算出手段560から送られてくる周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して当該サンプリングタイミングS(k)において出力すべきトルク値P(k)を算出する。
前記出力トルクパターンはユーザー毎に作成され、予め、前記補助トルク算出手段570に記憶される。
【0147】
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出されたトルク値の補助力を出力するように、前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を実行する。
【0148】
このように、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、歩行補助力の付与対象部位である下腿とは異なる大腿の位相角(大腿位相角φ)に基づいて歩行周期中の歩行状態(周期歩行動作タイミング)を把握し、前記歩行状態に応じた補助力を下腿に対して出力するように構成されている。
従って、歩行時に複雑な動きを行う下腿の動作に基づいて歩行状態(周期歩行動作タイミング)を認識する構成に比して、歩行状態を正確に認識することができ、歩行状態に適した補助力を出力することができる。
【0149】
また、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角φをその時点で記憶されている位相パターン関数に適用して、歩行状態(周期歩行動作タイミング)を算出するように構成されている。
従って、歩行周期中にイレギュラーな歩行動作が生じたとしても、修正された状態の補助力を出力することができる。
【0150】
また、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100においては、前記大腿位相角算出手段550は、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画されるトラジェクトリ線図上のプロット点のベクトル長が所定の閾値を越えている場合にのみ、股関節角度θ及び股関節角速度ωに基づく大腿位相角φを算出して、大腿位相角φを前記歩行動作タイミング算出手段に送信する一方で、前記ベクトル長が所定の閾値以下の場合には、アクチュエータ作動禁止信号を出力する。
【0151】
従って、前記歩行動作補助装置100を装着したユーザーが意に反して姿勢変動を起こした場合に、歩行動作を開始していないにも拘わらず、前記アクチュエータ(前記電動モータ130)が歩行補助力を出力することを有効に防止することができる。
【0152】
さらに、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、前述の通り、大腿位相角φに基づき一の歩行周期中における歩行状態を認識した上で、前記アクチュエータ(前記電動モータ130)によって下腿に対して歩行補助力を付与するように構成されている。
従って、脳卒中等によって片麻痺を有するユーザーに対しても的確な歩行補助力を供給することができる。
【0153】
即ち、電動モータ等のアクチュエータによって歩行補助力を付与するように構成された従来の歩行補助装置は、前記アクチュエータによって補助力が付与される制御対象部位の動きを検出し、その検出結果に基づき前記アクチュエータの作動制御を行うように構成されている。
【0154】
例えば、大腿に対して歩行補助力を供給する従来の歩行補助装置においては、大腿の動きの検出結果に基づき、大腿に対して歩行補助力を付与するアクチュエータの作動制御を行うものとされている。
また、下腿に対して歩行補助力を供給する従来の歩行補助装置においては、下腿の動きの検出結果に基づき、下腿に対して歩行補助力を付与するアクチュエータの作動制御を行うものとされている。
【0155】
しかしながら、脳卒中等の為に片麻痺を有する患者の場合、大腿の歩行動作(股関節回りの前後揺動動作)は比較的正常に行えるものの、下腿の歩行動作(膝関節回りの前後揺動動作)は正常に行えないことが多い。
【0156】
このような患者に対して下腿への歩行補助力を付与しようとすると、前記従来の歩行補助装置においては、正常な歩行動作を行えない下腿の動きに基づいて、下腿に対して歩行補助力を提供するアクチュエータの作動制御を行うことになり、的確な歩行補助力を提供することができないおそれがある。
【0157】
これに対し、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は、前述の通り、大腿位相角φに基づいて、下腿に対して歩行補助力を付与する前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を行うように構成されている。
従って、ユーザーが脳卒中等によって片麻痺を有する場合であっても、下腿に対して的確な歩行補助力を供給することができる。
【0158】
ここで、前記正規化股関節角度θa(k)及び前記正規化股関節角速度ωa(k)について説明する。
前述の通り、本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、前記大腿位相角φ(k)を算出する際に、前記大腿姿勢検出手段510からの角度関連信号に基づいて算出される股関節角度θ(k)(以下、適宜、未正規化股関節角度θ(k)とも言う)及び前記未正規化股関節角度θ(k)を微分して得られる股関節角速度ω(k)(以下、適宜、未正規化股関節角速度ω(k)とも言う)の代わりに、前記正規化股関節角度θa(k)及び前記正規化股関節角速度ωa(k)を用いるように構成されている。
【0159】
詳しくは、前記大腿位相角算出手段550は、未正規化股関節角度θ(k)を、記憶している股関節角度用正規化係数Aで除して前記正規化股関節角度θa(k)を算出し且つ未正規化股関節角速度ω(k)を、記憶している股関節角速度用正規化係数Bで除して前記正規化股関節角速度ωa(k)を算出し、前記正規化股関節角度θa(k)及び前記正規化股関節角速度ωa(k)を用いて大腿位相角φ(k)(=−Arctan(ωa(k)/θa(k))+π)を算出する。
【0160】
斯かる構成によれば、歩行周期中の歩行状態(周期歩行動作タイミング)を正確に認識することができる。
【0161】
即ち、図10においては、理解容易化の為に、大腿位相角φのトラジェクトリ線図を、股関節角度θのスケール(振幅)と股関節角速度ωのスケール(振幅)とを一致させた状態で模式的に示しているが、実際には、股関節角度θのスケール(振幅)と股関節角速度ωのスケール(振幅)とは一致せず、両者はユーザー毎に相違し、より厳密に言えば、同一ユーザーにおいても歩行周期によって異なり得る。
【0162】
図11に、一のユーザーのある歩行周期におけるトラジェクトリ線図の模式図を示す。
図11に示す例においては、股関節角速度ωのスケール(振幅)が股関節角度θのスケール(振幅)の約2倍となっている。
【0163】
なお、図10及び図11中のS(1)は、股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の際のサンプリングタイミングであり、サンプリングタイミングS(2)〜S(12)は、サンプリングタイミングS(1)に後続するサンプリングタイミングである。
また、大腿位相角φ(2)〜φ(12)は、それぞれ、サンプリングタイミングS(2)〜S(12)での測定値に基づいて得られる大腿位相角である。
【0164】
図10及び図11の比較から明らかなように、図11は、図10に比して、股関節角度θの絶対値が大きい領域(例えば、サンプリングタイミングS(1)〜S(3))では時間経過に対する大腿位相角φの変化割合(即ち、一のサンプリングタイミングと次のサンプリングタイミングとの間における大腿位相角φの偏差)が大きくなる一方で、股関節角度θの絶対値が小さい領域(例えば、サンプリングタイミングS(7)〜サンプリングタイミングS(12))では時間経過に対する大腿位相角φの変位割合が小さくなる。
【0165】
前述の通り、サンプリングタイミングS(k)での大腿位相角φ(k)を、歩行周期に対する百分率を用いて規定する歩行動作タイミング(周期歩行動作タイミングT(k))で表すと、
T(k)=(φ(k)/2π)×100(%)
となる。
【0166】
従って、股関節角度θのスケール(振幅)と股関節角速度ωのスケール(振幅)とが異なっていると、大腿位相角φに基づいて算出される周期歩行動作タイミングの変化割合が、一歩行周期中における大腿の揺動位置(即ち、股関節角度θの絶対値の大小)に応じて大きく変動することになり、結果、周期歩行動作タイミングを正確に認識することができず、前記アクチュエータが出力すべきトルク値を正確に得ることが困難になる。
【0167】
この点を考慮して、本実施の形態においては、未正規化股関節角度θ(k)を股関節角度用正規化係数Aで除して正規化股関節角度θa(k)を算出し且つ未正規化股関節角度θ(k)を微分して得られる未正規化股関節角速度ω(k)を股関節角速度用正規化係数Bで除して正規化股関節角速度ωa(k)を算出し、正規化股関節角度θa(k)及び正規化股関節角速度ωa(k)を用いて大腿位相角φ(k)(=−Arctan(ωa(k)/θa(k))+π)を算出している。
【0168】
斯かる構成によれば、大腿位相角φ(k)の算出基礎となる股関節角度θa(k)及び股関節角速度ωa(k)の間のスケール(振幅)の差異を防止乃至は低減でき、歩行周期に亘って、周期歩行動作タイミングを精度良く認識することができる。
【0169】
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、所定期間内において前記大腿姿勢検出手段510からの角度関連信号に基づいて得られた未正規化股関節角度θのうちの絶対値の最大値を前記股関節角度用正規化係数Aとして記憶し、且つ、前記所定期間内において得られた未正規化股関節角度θを微分して算出された未正規化股関節角速度ωのうちの絶対値の最大値を前記股関節角速度用正規化係数Bとして記憶するように、構成されている。
【0170】
斯かる構成によれば、ユーザー毎に異なる歩行の「クセ」に応じた前記股関節角度用正規化係数A及び前記股関節角速度用正規化係数Bを得ることができ、周期歩行動作タイミングの認識精度を向上することができる。
【0171】
これに代えて、前記大腿位相角算出手段550が、予め入力されている人為入力股関節角度及び人為入力股関節角速度をそれぞれ前記股関節角度用正規化係数A及び前記股関節角速度用正規化係数Bとして記憶するように変形することも可能である。
この変形例において、前記人為入力股関節角度及び前記人為入力股関節角速度は、ユーザーの過去の歩行データに基づき、ユーザー毎に設定され得る。
【0172】
前記変形例において、好ましくは、前記大腿位相角算出手段550は、所定期間内において前記大腿姿勢検出手段510からの角度関連信号に基づいて得られた未正規化股関節角度θのうちの絶対値の最大値を前記人為入力股関節角度に代えて前記股関節角度用正規化係数Aとして上書き保存し、且つ、前記所定期間内において得られた未正規化股関節角度θを微分して算出された未正規化股関節角速度ωのうちの絶対値の最大値を前記人為入力股関節角速度に代えて前記股関節角速度用正規化係数Bとして上書き保存するように構成され得る。
【0173】
本実施の形態及び前記変形例において、前記所定期間は、例えば、直近に完了した所定回数の歩行周期、若しくは、当該歩行動作補助装置100の主電源がオンされた時点から直近に完了した歩行周期までの期間とされ得る。
前記所定回数は、1回以上の整数で適宜設定することができる。
【0174】
次に、歩行動作に必要な歩行補助力について説明する。
図12に、一歩行周期中の歩行姿勢を時系列で表した模式図を示す。
図12に示すように、一歩行周期は、ユーザーの体軸(鉛直軸)より前方側で踵を接地させるヒールコンタクト時点を含むヒールコンタクト期(踏み出した足が接床する前後の期間)X1と、ヒールコンタクト後に当該ヒールコンタクトした脚を接地させた状態で後方側へ相対移動させる立脚期(接床した下腿が身体に対して相対的に後方に移動する期間)X2と、立脚期X2の終了時点から立脚していた脚の下腿を引き上げる遊脚期の初期段階X3aと、引き上げた下腿を前方側へ相対移動させて、ヒールコンタクトへ導く遊脚期の後期段階X3bとを含んでいる。
【0175】
歩行補助力には、下腿を大腿に対して伸展方向に押動する力と、下腿を大腿に対して屈曲方向へ押動する力とが含まれ、歩行周期中の動作タイミングに応じて必要な歩行補助力の方向が異なる。
【0176】
例えば、前記ヒールコンタクト期X1及び立脚期X2においては、下腿を膝関節回り膝伸展方向へ回動させて膝折れを防止する伸展方向の歩行補助力が必要となる。
遊脚期の初期段階X3aにおいては、下腿を膝関節回り膝屈曲方向へ回動させて脚の引き上げを補助する屈曲方向の歩行補助力が必要となる。
また、前記遊脚期の後期段階X3bにおいては、下腿を膝関節回り膝伸展方向へ回動させる歩行補助力が必要となる。
【0177】
そして、前記4段階の何れの段階又は全ての段階において歩行補助力が必要か、及び/又は、必要な段階においてどの程度の大きさの歩行補助力が必要かは、ユーザー毎、及び/又は、ユーザーの回復程度に応じて異なる。
この点を踏まえて、ユーザー毎、及び、ユーザーの回復程度毎に応じて、前記出力トルクパターンが設定される。
【0178】
図13に、前記歩行動作補助装置100における前記制御装置500によるアクチュエータ作動制御モードのフローを示す。
【0179】
起動信号入力に応じて前記制御装置500が前記アクチュエータ作動制御モードを起動する。
起動信号は、例えば、スタートボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
【0180】
前記アクチュエータ作動制御モードが起動されると、前記大腿位相角算出手段550は、ステップS11で、所定回数の歩行周期が完了しているか否かを判断する。
所定回数の歩行周期が完了しているか否かは、後述するステップS18において算出される大腿位相角φ(k)が予め設定されている歩行周期基準角に戻る回数をカウントしておき、このカウント回数が所定回数に達しているか否かで判断することができる。
【0181】
ステップS11がYESの場合にはステップS12へ移行し、ステップS11がNOの場合にはステップS12をバイパスしてステップS13へ移行する。
前記アクチュエータ作動制御モードの起動直後においては、ステップS11においてNO判定され、ステップS13へ移行する。
なお、ステップS12については後述する。
【0182】
ステップS13において、前記大腿位相角算出手段550は、前記大腿姿勢検出手段510からの一のサンプリングタイミングS(k)での角度関連信号に基づき当該一のサンプリングタイミングS(k)での非正規化股関節角度θ(k)を算出し、ステップS14において、未正規化股関節角度θ(k)に基づき前記一のサンプリングタイミングS(k)での未正規化股関節角速度ω(k)を算出する。
【0183】
ステップS15において、前記大腿位相角算出手段550は、未正規化股関節角度θ(k)を、記憶している股関節角度用正規化係数Aで除して、サンプリングタイミングS(k)での正規化股関節角度θa(k)を算出し、且つ、未正規化股関節角速度を、記憶している股関節角速度用正規化係数Bで除して、サンプリングタイミングS(k)での正規化股関節角速度ωa(k)を算出する。
【0184】
前記大腿位相角算出手段550は、ステップ16において、正規化股関節角度θa(k)及び正規化股関節角速度ωa(k)に基づきトラジェクトリ線図を作成し、ステップS17において、トラジェクトリ線図上のプロット点のベクトル長(プロット点と原点との距離)が閾値を越えているか否かを判断する。
【0185】
前記ステップS17がNOの場合、前記大腿位相角算出手段550は、歩行動作が開始されていないと判断して、アクチュエータ作動禁止信号を出力する(ステップS25)。
この場合、前記アクチュエータ作動制御モードは、ステップS11に戻る。
【0186】
前記ステップS17がYESの場合には、前記大腿位相角算出手段550は、歩行動作が行われていると判断して、正規化股関節角度θa(k)及び正規化股関節角速度ωa(k)に基づき大腿位相角φ(k)を算出し、前記歩行動作タイミング算出手段560に送信する(ステップS18)。
【0187】
前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記大腿位相角算出手段550からの大腿位相角φ(k)から周期歩行動作タイミングT(k)を算出し、前記補助トルク算出手段570に送信する(ステップS19)。
【0188】
前記補助トルク算出手段570は、前記歩行動作タイミング算出手段560からの保存周期歩行動作タイミングT(k)を、記憶する出力トルクパターンに適用して、このタイミング(サンプリングタイミングS(k))において前記アクチュエータが出力すべき歩行補助力の大きさ及び方向を取得し、前記作動制御手段580に送信する(ステップS20)。
【0189】
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出された大きさ及び方向の歩行補助力が出力されるように前記アクチュエータの作動制御を行う(ステップS21)。
【0190】
ステップS22において、前記制御装置500は、前記アクチュエータ作動制御モードの終了信号が入力されているか否かを判断し、終了信号の入力が無い場合にはステップS11へ戻り、終了信号が入力された場合には当該制御モードを終了する。
なお、終了信号は例えば、終了ボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
【0191】
ステップS22からステップS11へ戻ると、前記大腿位相角算出手段550は、前記ステップS18においてカウントしている歩行周期の回数が所定回数に達したか否かを判定し、YESの場合にはステップS12へ移行する。
【0192】
ステップS12において、前記大腿位相角算出手段550は、所定回数の歩行周期内において前記大腿姿勢検出手段510からの角度信号に基づいて得られた未正規化股関節角度θの中の絶対値の最大値を前記股関節角度用正規化係数Aとして上書きし、且つ、所定回数の歩行周期内において前記大腿姿勢検出手段からの角度信号に基づいて得られた未正規化股関節角度θを微分して算出された未正規化股関節角速度ωの中の絶対値の最大値を前記股関節角速度用正規化係数Bとして上書きする。
【符号の説明】
【0193】
100 歩行動作補助装置
130 電動モータ(アクチュエータ)
510 大腿姿勢検出手段
550 大腿位相角算出手段
560 歩行動作タイミング算出手段
570 補助トルク算出手段
580 作動制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13