(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報が、既に前記ポットに挿入された工具の長手方向に沿った外形プロファイルに対して、干渉せずに前記挿入予定ポットに挿入可能な工具の長手方向に沿った最大外形プロファイルであることを特徴とする請求項1に記載の工具挿入補助装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態、実施例を分けて示す場合があるが、異なる実施形態、実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態、実施例では、前述の実施形態、実施例と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態、実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
【0010】
(1つ実施形態に係る工具挿入補助装置)
はじめに、
図1を参照しながら、本開示の1つの実施形態に係る工具挿入補助装置及びその制御部の説明を行う。本開示の1つの実施形態に係る工具挿入補助装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図1に示す矢印は、信号の進行方向を示す。
工具挿入補助装置2は、作業員が工具を工具マガジンのポットに挿入するときの補助装置である。工具挿入補助装置2は、既にポットに挿入された工具の外形形状に基づいて、工具を挿入する予定のポットに挿入可能な工具の情報を報知することができる。以下、工具を挿入する予定のポットを挿入予定ポットと称する。
本実施形態に係る工具挿入補助装置2は、既にポットに挿入された工具の外形形状に加えて、工具マガジンの形状、ポットの移動経路の形状、及びポットの配置に基づいて、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を報知することができる。
【0011】
工具の外形形状には、工具の外径や工具の長手方向に沿った外形プロファイルをはじめとする、工具の任意の寸法情報が含まれる。工具の外形形状は、工具識別符号と関連付けて工具挿入補助装置2に記憶するのが好ましい。これにより、工具識別符号をインプットすることにより、対応する工具の外形形状を制御処理に用いることができる。
【0012】
(1つ実施形態に係る制御部)
次に、工具挿入補助装置2の制御部100の構成について説明する。
制御部100は、少なくとも工具の識別符号に対応した工具の外形形状を記憶する記憶部200を備える。記憶部200は、更に、工具マガジンの形状、ポットの移動経路の形状、及びポットの配置に関する情報を記憶する。
【0013】
制御部100は、入力された識別符号、及び記憶部200に記憶されたデータに基づいて、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を定める判定部300を備える。挿入可能な工具の情報には、挿入可能な工具の最大外径や最大外形プロファイルをはじめとする寸法情報を含む外形形状や、記憶部200に記憶済みの工具識別符号を例示することができる。
入力装置50としては、キーボード、タッチパネル、音声入力装置をはじめとする任意の入力装置を用いることができる。
【0014】
更に、制御部100は、判定部300で定められた情報を報知する報知部400を備える。ここでは、表示装置60を用いて、情報を表示する場合を示す。例えば、挿入可能な工具の情報として、工具の最大外形の値、最大外形プロファイル、それらを表す模式図、工具識別符号等を表示することができる。
ただし、表示装置60による画像を用いて報知する場合に限られるものではなく、画像の代わりに音声を用いて報知することもできるし、画像及び音声を組み合わせて報知することもできる。
【0015】
以上のように、本実施形態に係る工具挿入補助装置2では、既にポットに挿入された工具の外形形状に基づいて、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を報知するので、容易に高い収納効率で工具を工具マガジンに収納することができる。特に、既にポットに挿入された工具の外形形状に加えて、工具マガジンの形状、ポットの移動経路の形状、及びポットの配置に基づいて、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を報知する場合には、様々なタイプの工具マガジンにおいて、容易かつ確実に高い収納効率で工具を工具マガジンに収納することができる。更に、工具挿入補助装置2の制御部100が記憶部200、判定部300及び報知部400を備えているので、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を効率的に確実に報知することができる。
以上のような構成の制御部100における制御処理の実施例について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
(第1の実施例)
はじめに、
図2及び
図3を参照しながら、制御処理の第1の実施例について説明する。
図2は、制御部における制御処理の第1及び第2の実施例を説明するための図であって、リング状の工具マガジンを模式的に示す側面図である。
図3は、
図2の断面A−Aを模式的に示す断面図であり、第1の実施例に関する、挿入予定ポットへ挿入可能な工具の最大外形を示す図である。
【0017】
図2に示す工具マガジン10では、工具を挿入する複数のポット20が等間隔に円弧状に配置された部材が回転するようになっている(矢印参照)。ここでは、既に工具T1が挿入されたポット20の隣の挿入予定ポット20Xに工具TXを挿入する場合を示す。
【0018】
作業者が、入力装置50を用いて、工具T1が挿入されたポット20の隣のポットを挿入予定ポット20Xと指定すると、判定部300は、記憶部200から、ポット20に挿入された工具T1の識別符号に対応した外形形状データ、リング状の工具マガジン10の形状、ポット20の配置に関するデータを読み出す。読み出したデータに基づいて、判定部300は、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報として、工具TXの最大外径DXmaxを定める。また、工具TXの情報として、最大外径DXmax以下の全ての工具の工具識別符号を定めることもできる。報知部400は、判定部300が定めた工具TXの情報を表示装置60に表示する。
【0019】
記憶部200には、ポット20の配置に関するデータとして、隣接するポット20の中心軸間距離DSが記憶されている。よって、記憶部200から読み出された隣接するポット20の中心軸間距離をDS、既にポット20に挿入されている工具T1の最大外径をD1(max)、隣接する工具の干渉を避けるための最低クリアランスをCLとすると、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大外径DXmaxは、
DXmax=(DS−D1(max)/2−CL)×2
として算出することができる。なお、工具T1の最大外径をD1maxではなく、D1(max)と記載してあるのは、後述する第2の実施例に示すように、工具の長手方向に沿った外形プロファイルを考慮して、工具TXの最大外径DXmaxを定める場合があるからである。つまり、工具TXの最大外径DXmaxを、工具T1の最大外径D1maxではなく、工具TXの最大外径DXmaxと長手方向で重なり合う領域における工具T1の最大外径を用いて算出する場合もあり得るからである。このことは、第1〜第5実施例の全てに当てはまる。
挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報として、例えば、最大外径DXmaxに加えて、挿入可能な工具の工具識別符号を、その工具の外径や最低クリアランスCLとともに報知することができる。
【0020】
以上のように、第1の実施例では、工具の最大外径を用いて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定めるので、どのようなプロファイルの工具であっても、確実に互いに干渉しない工具TXを挿入予定ポット20Xに挿入できる。
【0021】
(第2の実施例)
次に、
図2に加えて
図4を参照しながら、制御処理の第2の実施例について説明する。
図4は、
図2の断面A−Aを模式的に示す側面断面図であり、第2の実施例に関する、挿入予定ポットへ挿入可能な長手方向に沿った工具の最大プロファイルを模式的に示す側面断面図である。
上記の第1の実施例では、工具の最大外径を用いて、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を定めたが、第2の実施例では、工具の長手方向に沿った外形プロファイルを考慮して、挿入予定ポットに挿入可能な工具の情報を定める。
【0022】
図4に示す工具において、上記の第1の実施例と同様に、工具の最大外径を用いて判断を行うと、以下のようになる。
既にポット20に挿入された工具T1の最大外径D1max、挿入予定ポット20Xに挿入する工具TXの最大外径DXmax、及びポット中心軸間距離DSの間には、
DS<D1max/2+D1max/2
の関係がある。よって、最大外径を用いて判断すると、工具T1及び工具TXが互いに干渉するので、工具TXを挿入予定ポット20に挿入できないという判断になる。
【0023】
しかし、工具T1が最大外径D1maxを有する長手方向の範囲は、ポット20(20X)の端面から距離L1だけ図面上方へ進んだ位置までである。一方、工具TXが最大外径DXmaxを有する長手方向の範囲は、ポット20(20X)の端面から距離LXだけ図面上方へ進んだ位置から始まる。そして、距離LXの方が距離L1より大きくなっているので、工具T1及び工具TXの最大外径は、長手方向において重なり合わない配置となっている。
【0024】
挿入予定ポット20Xに挿入する工具TXの最大外径DXmaxと長手方向で重なり合う領域の工具T1の外径は、最大外径D1maxより小さい外径D1である。よって、隣接するポット20の中心軸間距離DS、工具T1の対応する外径D1、最低クリアランスCLを用いると、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大外径DXmaxは、
DXmax=(DS−D1/2−CL)×2
として算出できる。このような計算を繰り返して、長手方向における位置及びその位置における挿入可能な最大外径を算出することにより、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの長手方向に沿った最大外形プロファイル定めることができる。
挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報として、例えば、最大外形プロファイルに加えて、挿入可能な工具の工具識別符号を、その工具の概略プロファイルや最低クリアランスCLを示す図ととともに報知することができる。
【0025】
以上のように、第2の実施例では、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報が、既にポット20に挿入された工具T1の長手方向に沿った外形プロファイルに対して、干渉せずに挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの長手方向に沿った最大外形プロファイルとして定められる。これにより、工具の3次元形状を考慮して、より高い収納効率で工具TXを工具マガジン10に収納することができる。
なお、挿入予定ポット20Xに工具TXを挿入した後、隣接する工具T1だけをポット20から引き抜くことができないので、工具TXの挿入予定ポット20Xへの挿入に際しては、工作機械の特性やプログラム等に基づいて、工具T1及び工具TXが先に使用される可能性を含めた判断を行うことが好ましい。
【0026】
以上のように、第1、第2の実施例の何れにおいても、記憶部200に、隣接するポット20の中心軸間距離DSが記憶され、挿入予定ポット20Xに隣接するポット20に工具T1が挿入されているとき、判定部300が、挿入予定ポット20X及び隣接するポット20の中心軸間距離DS、並びに隣接するポット20に挿入されている工具T1の外形形状に基づいて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定めることができる。
これにより、隣接するポット20間における工具の干渉を防いで、工具を容易に高い収納効率で工具マガジン10に収納することができる。
【0027】
(第3の実施例)
次に、
図5を参照しながら、制御処理の第3の実施例について説明する。
図5は、制御部における制御処理の第3の実施例を説明するための図であって、コーナー部を有するチェーンタイプの工具マガジンを模式的に示す側面図である。
図5には、工具を挿入する複数のポット20を備えたチェーンタイプの工具マガジン10が示されている。工具マガジン10には、4つのコーナー部を有する角形の移動経路が形成され、この移動経路に沿ってポット20が移動するようになっている(矢印参照)。
【0028】
隣接するポット20の中心軸間距離を考えると、工具マガジン10の直線状の移動経路における中心軸間距離よりも、矢印Eで示すような、コーナー部における中心軸間距離DSCの方がより小さくなる。よって、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報は、最も小さい中心軸間距離DSCを用いて定める必要がある。
第3の実施例では、記憶部200に、コーナー部Eを有する工具マガジン10の形状、ポット20の移動経路の形状、及びポット20の配置が記憶されている。そして、最も中心軸間距離が小さくなるコーナー部Eにおける中心軸間距離DSCを用いて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定める。
【0029】
記憶部200には、ポット20の配置に関するデータとして、コーナー部Eにおける隣接するポット20の中心軸間距離DSCが記憶されている。よって、例えば、最大外径を用いて定める場合であれば、記憶部200から読み出した中心軸間距離DSC、既にポット20に挿入された工具T1の最大外径D1(max)、最低クリアランスCLを用いて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大外径をDXmaxは、
DXmax=(DSC−D1(max)/2−CL)×2
として算出することができる。
なお、工具の長手方向に沿った外形プロファイルを用いる場合においても、中心軸間距離DSCを用いて、同様に挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定めることができる。この場合、工具TXの最大外径DXmaxを、工具TXの最大外径DXmaxと長手方向で重なり合う領域における工具T1の最大外径を用いて算出することができる。
【0030】
(第4の実施例)
次に、
図6を参照しながら、制御処理の第4の実施例について説明する。
図6は、制御部における制御処理の第4の実施例を説明するための図であって、U字形部を有するチェーンタイプの工具マガジンを模式的に示す側面図である。
図6には、工具を挿入する複数のポット20を備え、矢印Fで示すようなU字形部を有するチェーンタイプの工具マガジン10が示されている。U字形部Fを有する工具マガジン10では、挿入予定ポット20Xが移動経路上を移動するとき、U字形部Fの領域で近接して通過するポット20に工具T1が挿入されているとき、中心軸間距離DSUが最も小さくなる。
【0031】
その場合、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報は、最も小さい中心軸間距離DSUを用いて定める必要がある。
第4の実施例では、記憶部200に、U字形部Fを有する工具マガジン10の形状、ポット20の移動経路の形状、及びポット20の配置が記憶されている。そして、U字形部Fにおいて近接して通過するポット20との間の中心軸間距離を考慮した、最も小さな値になる中心軸間距離DSUを用いて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定める。
【0032】
記憶部200には、ポット20の配置に関するデータとして、U字形部Fにおけるポット20の中心軸間距離DSUが記憶されている。よって、例えば、最大外径を用いて定める場合であれば、記憶部200から読み出した中心軸間距離DSU、既にポット20に挿入された工具T1の最大外径D1(max)、最低クリアランスCLを用いて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大外径をDXmaxは、
DXmax=(DSU−D1(max)/2−CL)×2
として算出することができる。
なお、工具の長手方向に沿った外形プロファイルを用いる場合においても、中心軸間距離DSUを用いて、同様に挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定めることができる。この場合、工具TXの最大外径DXmaxを、工具TXの最大外径DXmaxと長手方向で重なり合う領域における工具T1の最大外径を用いて算出することができる。第4の実施例の場合、工具TX及び工具T1が隣接して配置されていないので、挿入予定ポット20Xに工具TXを挿入した後、工具T1を自由にポット20から引き抜くことができる。
【0033】
実施例3及び実施例4の何れの場合においても、既にポット20に挿入された工具T1の外形形状に加えて、コーナー部を有するまたはU字形部を有するといった工具マガジン10固有の形状、ポット20の固有の移動経路の形状、及びポット20の配置に基づいて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を報知するので、様々なタイプの工具マガジン10において、容易かつ確実に高い収納効率で工具を工具マガジン10に収納することができる。
【0034】
(第5の実施例)
次に、
図7A及び
図7Bを参照しながら、制御処理の第5の実施例について説明する。
図7A及び
図7Bは、制御部における制御処理の第5の実施例を説明するための図であって、固定ラック形式の工具マガジンを模式的に示す側面断面図であり、
図7Aには、特に挿入予定ポットへ挿入可能な工具の最大外形を示し、
図7Bには、特に挿入予定ポットへ挿入可能な工具の最大長さを示す。
【0035】
図7A及び
図7Bでは、工具が挿入される複数のボット20が取り付けられたラック30を備えた工具マガジン10が示されている。ラック30には、複数のポット20が上下に並んだ柱状部が複数並んで配置されている。ここでは、隣接する柱状部30A及び30Bの上側の領域が図示されている。工具TXを用いて説明すれば、図示されていない工具交換装置により、工具TXの長手方向及び挿入可能ポット20Xの長手方向が略一致した状態で、工具TXを図面左側に移動させることにより、工具TXを挿入可能ポット20Xの中に挿入することができる。工具TXが挿入可能ポット20Xに挿入された状態から、工具交換装置により、工具TXを図面右側に移動させることにより、工具TXを挿入可能ポット20Xから引き抜くことができる。その後、引き抜いた工具TXを図面前後方向に移動させることにより、ラック30と干渉することなく、工具TXを工作機械の装着場所へ移動させることができる。
【0036】
第5の実施例では、
図7A及び
図7Bに示す2つの観点から、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定める必要がある。
まず、
図7Aに示すような、既にポット20に挿入された工具T1の外形形状に基づいて、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定める。この場合については、
図3を参照しながら説明した方法で、最大外径DXmaxを定めることができる。つまり、隣接するポット20の中心軸間距離DS、工具T1の最大外径D1(max)、最低クリアランスCLを用いると、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大外径DXmaxは、
DXmax=(DS−D1(max)/2−CL)×2
として算出することができる。
【0037】
一方、
図7Bに示すような、工具TXの出し入れ時(工具交換時)においては、工具TX及びラック30の間の干渉を考慮する必要がある。柱状部30Aに取り付けられた挿入予定ポット20Xに対して工具TXを挿入するまたは引き抜く場合、工具TXの最大長さLXmaxは、隣接する柱状部30Bと干渉しない長さである必要がある。
つまり、挿入予定ポット20Xの端面から隣接する柱状部30Bの側面までの間の距離をRLとし、ポット20の端面及び工具TXの間に要する最低クリアランスをCL1とし、柱状部30Bの側面及び工具TXの間に要する最低クリアランスをCL2とすると、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの最大長さLXmaxは、
LXmax=RL−CL1−CL2
として算出することができる。
【0038】
挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報として、例えば、最大外径DXmax及び最大長さLXmaxに加えて、挿入可能な工具の工具識別符号を、その工具の外径及び長さLとともに報知することができる。
なお、隣接する工具との干渉に基づく工具TXの情報に関し、工具TXの最大外径でなく、工具TXの長手方向に沿った外形プロファイルを用いる場合においても、同様に工具TXの情報を定めることができる。
【0039】
以上のように、第5の実施例では、記憶部200に、ラック30を含む工具マガジン10の形状、及びポット20の配置が記憶され、判定部300が、ポット20に対する工具TXの引き抜き方向、及び引き抜き方向に工具TXを引き抜いたときの工具マガジン10(詳細には、柱状部30B)との干渉を考慮して、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定める。
【0040】
このように、引き抜き方向に工具を引き抜いたときの工具マガジン10との干渉を考慮して、挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を定めるので、ラック式工具マガジンをはじめとする様々なタイプの工具マガジン10において、工具を高い収納効率で工具マガジンに収納することができる。
【0041】
本開示の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【解決手段】 工具を工具マガジン10のポット20に挿入するときの補助装置であって、既にポット20に挿入された工具T1の外形形状に基づいて、工具を挿入する予定の挿入予定ポット20Xに挿入可能な工具TXの情報を報知する工具挿入補助装置を提供する。