特許第6797984号(P6797984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6797984瞬間地絡停電保護及び漏電警報機能を有する漏電遮断器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797984
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】瞬間地絡停電保護及び漏電警報機能を有する漏電遮断器
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/093 20060101AFI20201130BHJP
   H01H 83/02 20060101ALI20201130BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20201130BHJP
   H02H 3/16 20060101ALI20201130BHJP
   H02H 7/26 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H02H3/093 D
   H01H83/02 E
   H01H83/02 F
   H02H3/08 R
   H02H3/16 B
   H02H7/26 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-154614(P2019-154614)
(22)【出願日】2019年8月27日
(65)【公開番号】特開2020-36528(P2020-36528A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年3月26日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0101375
(32)【優先日】2018年8月28日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519311710
【氏名又は名称】エナジー テクノロジー コリア シーオー エルティーディ
【氏名又は名称原語表記】ENERGY TECHNOLOGY KOREA Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】ハン ソンヨプ
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−285788(JP,A)
【文献】 特開2002−125313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08−3/253
7/22−7/30
H01H 69/00−69/01
71/00−83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線路の合成リーク電流を電圧信号に変換するZCT(1)、
前記電圧信号から実際の合成リーク電流瞬時値(ig)を検出する合成リーク電流検出部(2)、
電源から電源の半周期ごとにハイレベル(High level)とローレベル(Low level)とを繰り返す矩形波信号を出力する同期信号発生器(3)、
前記合成リーク電流瞬時値と同期信号とを用いて、合成リーク電流中の抵抗性リーク電流(Igr)を計算する抵抗性リーク電流算定部(4)、
前記合成リーク電流瞬時値と同期信号とを用いて、合成リーク電流実効値(Ig)を計算する合成リーク電流算定部(5)、
前記抵抗性リーク電流が設定された基準値を超えると、信号を出力する第1コンパレータ(7)、
第2コンパレータ(12)から信号を受けると、漏電遮断器を開放(OFF)する回路遮断機構(9)および接点(10)、
合成リーク電流を遮断するための基準値を設定する合成リーク電流遮断器基準値設定部(11)、
実際の合成リーク電流の大きさが前記合成リーク電流遮断器基準値設定部により設定された基準値を超えると、信号を出力する第2コンパレータ(12)、
漏電警報電流基準値を設定する漏電警報基準値設定部(13)、
抵抗性リーク電流が前記漏電警報電流基準値を超えると、漏電警報信号を出力する第3コンパレータ(14)、および
前記漏電警報信号によってLEDランプを点滅する漏電警報機(15)、を含む漏電遮断器において、
前記抵抗性リーク電流の大きさによって遮断時間を遅延するための基準値を設定する抵抗性リーク電流および遮断時間遅延許容値設定部(6)、
前記第1コンパレータ(7)から信号を受けると、上記の遮断時間を遅延するための基準値だけ、実際に遮断時間を遅延させ、信号を出力する遮断時間遅延部(8)、および
前記抵抗性リーク電流(Igr)をリアルタイムでパルス幅変調(PWM)パルス信号に変換
するパルス幅変調器(16)、
を含むことが特徴とする漏電遮断器。
【請求項2】
前記抵抗性リーク電流および遮断時間遅延許容値設定部(6)は、抵抗性リーク電流が25〜45[mA]では、遅延時間を200[ms]以内に、抵抗性リーク電流が45〜75[mA]では、遮断遅延時間を100[ms]以内に、抵抗性リーク電流が75[mA]以上では、遮断遅延時間を30[ms]以内に設定する、請求項1記載の漏電遮断器。
【請求項3】
前記パルス幅変調器(16)は、パルス信号の一周期を電源周期の4倍とし、リーク電流の大きさによるパルス幅変調は、抵抗性リーク電流1 [mA]当り電源サイクルの1/2とし、最大5[mA]までのパルス幅変調を行う、請求項1記載の漏電遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、人体感電保護用漏電遮断器に関し、より詳しくは、感電により人体に損傷を与えない範囲内で、遮断時間を遅延して瞬間地絡による停電を防止し、また、漏電火災を予防するための漏電警報機能を有する漏電遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、韓国では交流単相220Vの電線路において、大容量産業用電線路を除いて、人体感電保護用漏電遮断器を義務的に設置するようになっており、該漏電遮断器の感度電流は30[mA]、遮断時間は30[ms]とされている。ところが、交流単相220Vの電線路では、鼠又は鳥類等による瞬間地絡事故、粉塵、湿気、漏水等による数十mA、数十msの瞬間地絡事故が頻繁に発生する。したがって、現行の漏電遮断器は、上記のような瞬間地絡事故の毎に線路が遮断され、電線路がよく停電する不便さがある。
【0003】
さらに、交流単相220Vの電線路では、漏電が発生すると、漏電火災が発生するが、漏電火災を生ずるリーク電流の値は、略5〜10[mA]からである。ところが、現在、設置されている漏電遮断器の感度電流は30[mA]なので、現在の漏電遮断器としては漏電火災を予防することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0610258号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0904665号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10−1097840号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10−1205048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するために為されたものであって、本発明の目的は、瞬間地絡事故の時には、漏電遮断器が作動(OFF)しないようにし、リーク電流が基準値(例えば、5[mA])を超えると、漏電警報信号を出して(例えば、LEDランプを点滅させて)、漏電火災を予防する漏電遮断器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための漏電遮断器のブロック線図は、図1の通りである。大きく3つの技術が適用されている。
【0007】
第一は、ZCTで検出した合成リーク電流から抵抗性リーク電流(Igr)を算定する技術の適用である。なぜならば、瞬間地絡電流、漏電火災が発生し得るリーク電流、人体の感電時の感電電流のすべてが抵抗性リーク電流(Igr)だからである。
【0008】
第二は、人体の感電時、人体に損傷を与えない範囲で、漏電遮断器の遮断時間を遅延させる技術の適用である。人体が感電したときに、人体に損傷を与える感電電流は、感電の持続時間によって異なる。つまり、人体が感電したとき、人体に損傷を与える要因は、感電電流[mA]と感電持続時間[s]との積(乗算)に比例する。したがって、感電電流が小さいときは、感電遮断時間を長くしてもよい。図4において、点線の曲線は、電気用品安全基準K60947−2の附属書Bに規定された、感電電流と安全な遮断時間との関係を図示したものである。例えば、感電電流が30[mA]の場合は、遮断時間を0.3[s]にしてもよい。本発明では、漏電遮断器の遮断時間を、図4に実線で示した曲線のように設定した。したがって、地絡電流30[mA]、地絡時間0.15[s]の瞬間地絡事故では、漏電遮断器が遮断されない。
【0009】
第三は、漏電火災を予防するために、漏電火災の原因となる抵抗性リーク電流が基準値以上になると、警報を発する技術の適用である。警報は、最初には、LED等が点滅するようにし、続いて、抵抗性リーク電流値をPWM信号に変換し、この信号を漏電遮断器の外部へ送信可能な接続端子を設置した。したがって、管理者は、この接続端子からPWM信号を出力し、リーク電流の大きさをリアルタイムで有・無線監視することができる。
【発明の効果】
【0010】
現在の漏電遮断器は、電線路における人体感電保護を目的として設置される。しかしながら、漏電遮断器を設置することにより、不要な停電が頻繁に発生する。例えば、鼠又は鳥類等による瞬間地絡、樹木による瞬間地絡、埃や湿気による瞬間地絡等によって漏電遮断器が作動する。特に、雨天の際、街路灯の電線路、交通信号の電線路、等での瞬間地絡による停電は大きな交通渋滞をもたらす。
【0011】
本発明の漏電遮断器では、リーク電流が5[mA]時から、LEDランプの点滅により漏電警報をするようになっている。このような漏電警報からいくつかの効果を得ることができる。
【0012】
第一に、電線路では、年間数百件の漏電火災が発生する。漏電電流の警報を通じて、短絡電流が大きくなる前に、漏電の原因を事前に除去して漏電火災を予防することができる。
【0013】
第二に、220[V]の電線路において5[mA]のリーク電流が流れると、1.1[W]の電力損失が生じ、年間約9.6[KWH]の電力量の損失が発生する。漏電警報を通じて、このような損失を低減させることができる。
【0014】
第三に、電線路に接続された電気機器の漏電状態も点検なされることから、電気機器の故障の予防診断、及び事前保守も可能となる。
【0015】
第四に、漏電箇所に人体が接触して感電することを予防することができる。
【0016】
さらに、本発明の漏電遮断器には、リーク電流信号の出力端子があって、インターネットに接続しておくと、IoT(モノのインターネット)を介してリーク電流の値と警報信号とを遠隔で送ることができる。したがって、電気設備の管理者が、迅速かつ確実に漏電警報が認知できるようになる。
【0017】
以上のように、本発明の漏電遮断器は、人体感電保護はもちろん、瞬間地絡事故による不要な停電を防止し、漏電警報を通じて漏電火災の予防、漏電電力損失の低減、電力設備の事故予防および履歴管理等、多くの機能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の漏電遮断器の構成を示す図である。
図2図2は、電源電圧と合成リーク電流との位相関係を示す図である。
図3図3は、同期信号の波形を示す図である。
図4図4は、感電時の感電電流と安全な遮断時間との関係を示す図である。
図5図5は、本発明漏電遮断器の警報及び遮断特性曲線を示す図である。
図6図6は、リーク電流のパルス幅変調(PWM)信号の波形を示す図である。
図7図7は、本発明の漏電遮断器の回路図である。
図8図8は、マイクロプロセッサの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施形態の漏電遮断器は、大きく3つの部分により構成されている。第一は、ZCTで検出した合成リーク電流瞬時値から抵抗成分リーク電流と合成リーク電流とを算定する部分であり、第二は、人体感電保護のため、抵抗成分リーク電流が許容値を超えると、漏電遮断器を作動させて電線路を遮断する部分であり、第三は、漏電火災を予防するため、抵抗成分リーク電流が許容値を超えると、漏電警報を指示する部分である。図1は、本発明の一実施形態に係る漏電遮断器の具体的な構成を示す。
【0020】
イ.抵抗成分リーク電流及び合成リーク電流を算定する部分
この部分は、ZCT(1)、合成リーク電流検出部(2)、同期信号発生部(3)、抵抗性リーク電流算定部(4)、及び合成リーク電流算定部(5)、により構成されている。ZCT(1)は、通常の映像変流器であり、合成リーク電流検出部(2)は、通常の感度抵抗とアンプとにより構成され、電線路に流れた抵抗性リーク電流と容量性リーク電流の和である合成リーク電流の瞬時値を検出する。図2は、電源電圧v(t)と合成リーク電流瞬時値ig(t)との位相関係を示す。合成リーク電流は、電源電圧よりも位相がθだけ進む。同期信号発生部(3)は、図3のように、電源の半周期毎にハイレベル(high level)とローレベル(low level)とを繰り返す矩形波信号を発生する。
【0021】
抵抗性リーク電流算定部(4)は、上記の合成リーク電流瞬時値ig(t)と同期信号とを用いて、抵抗性リーク電流Igrを算定する。図2において、電源電圧v(t)と合成リーク電流瞬時値ig(t)とを式で表すと、数式(1)及び数式(2)のようになる。
【0022】
【数1】
【数2】
【0023】
数式(2)を同期信号を用いて、半周期[0〜π]間、積分すると、数式(3)のようになり、積分値Aを2√2で割ると、抵抗性リーク電流Igrが算定される。
【0024】
【数3】
【0025】
合成リーク電流算定部(5)は、合成リーク電流瞬時値ig(t)と同期信号を用いて合成リーク電流実効値Igを算定する。数式(2)の絶対値を、同期信号を用いて、半周期[0〜π]間、積分すると、数式(4)のようになり、積分値Bを2√2で割ると、合成リーク電流実効値Igが算定される。
【0026】
【数4】
【0027】
ロ.瞬間地絡事故による遮断防止部分
本発明では、鼠又は鳥類等による感電、電線路の樹木による接触、埃や水分による地絡、等の瞬間地絡事故の際、電線路が停電しないようにした。つまり、人体に損傷を与えない範囲で、漏電遮断器の遮断時間を遅らせる技術を適用した。
【0028】
従来の人体感電保護用漏電遮断器は、短絡電流が30[mA]で、常に30[ms]以内に漏電遮断器が作動(OFF)するようになっている。ところが、人体が感電した時、人体に損傷を与える要因は、人体感電電流と感電持続時間とに関係する。より詳しくは、感電の際、人体に損傷を与える要因は、感電電流[mA]と感電持続時間[s]との積(乗算)に比例する。したがって、感電電流が小さい時は、感電遮断時間を長くしてもよい。図4において、破線で示された曲線は、電気用品安全基準K60947−2の附属書BのB.4.2.4.1の表B.1に規定された感電電流と安全な遮断時間との関係を図示したものである。例えば、感電電流が30[mA]の場合は、遮断時間を0.3[s]以下とすればよい。
【0029】
本発明では、この基準を準用して漏電遮断器の遮断時間を表1のように選択した。すなわち、図2において、実線で示された曲線のように設定した。感電電流すなわち抵抗性リーク電流が25[mA]以上であると、漏電遮断器を作動させ、その遮断時間は、感電電流の大きさによって異ならせるように設定した。
【0030】
【表1】
【0031】
図1において、抵抗性リーク電流および遮断時間遅延許容値設定部(6)は、上記の表1の内容を設定する。第1コンパレータ(7)は、実際の抵抗性リーク電流が抵抗性リーク電流の設定値の範囲に入ると、信号を出力する。第1コンパレータ(7)から信号が出力されると、遮断時間遅延部(8)は、該当する時間の遅延後、信号を出力する。回路遮断器具(9)は、通常の遮断コイルと接点遮断器具とにより構成されており、遮断時間遅延部(8)から信号が出力されると、接点(10)を開放(OFF)する。
【0032】
図5は、本発明漏電遮断器の遮断特性曲線を示す。電線路の容量性リーク電流Igcが約70[mA]程度までは、容量性リーク電流Igcと無関係に、Igr=25[mA]で遮断器が作動(OFF)する。本発明において、合成リーク電流Igが75[mA]以上では、物理的に抵抗性リーク電流の算定が困難なので、合成リーク電流Igが75[mA]以上であると、図5中の点線のように漏電遮断器が作動(OFF)するようにした。
【0033】
図1において、合成リーク電流遮断基準値設定部(11)は、上記のように75[mA]に設定した。そして、第2コンパレータ(12)は、実際の合成リーク電流(5)が上記の合成リーク電流遮断基準値設定部(11)の設定値を超えると、信号を出力する。この信号は、上記の回路遮断器具(9)を作動させて接点(10)を開放(OFF)する。
【0034】
ハ.漏電火災予防のための漏電警報の部分
電線路では、電線の絶縁劣化、水分や埃等による沿面リーク等により電線路から大地へリーク電流が流れる。そして、このリーク電流は、抵抗性リーク電流である。このようなリーク電流が持続的に流れると、発熱量はだんだん増加し、その時の蓄熱量もだんだん大きくなって、周りの可燃物を発火させ漏電火災が生ずる。漏電火災を引き起こすことができるリーク電流の値は、周囲の環境によって異なるが、通常、5〜10[mA]から漏電火災が発生し得る。したがって、本発明では、抵抗性リーク電流が5[mA]以上であると、漏電警報を作動させ、LEDランプが点滅するようにした。
【0035】
図1において、漏電警報電流基準値設定部(13)には、抵抗性リーク電流5[mA]を設定する。第3コンパレータ(14)は、実際の抵抗性リーク電流値が設定された漏電警報電流基準値5[mA]を超えると、信号を出力して漏電警報器(15)が作動するようにする。本発明では、漏電警報は、小型LEDが秒当り3〜4回点滅する。図5から分かるように、容量性リーク電流の大きさに関係なく、Igr値が5[mA]を超えると、漏電警報が指示される。
【0036】
通常、漏電遮断器は、分電盤の中に設置されるので、管理者が定期的に分電盤の扉を開けて見て初めて漏電警報を確認することができる。このような欠点を補うために、ユーザーが、必要によって、リモートでリーク電流値を監視(モニタリング)することができるように、本発明の漏電遮断器には、信号出力端子(17)を設置した。
【0037】
図1において、パルス幅変調器(16)は、抵抗性リーク電流算定部(4)で算定された抵抗性リーク電流をパルス幅変調(PWM)を行う。変調されたパルス信号は、上記の信号出力端子(17)に接続される。図6は、上記のパルス幅変調器(16)からのリーク電流をパルス幅変調(PWM)したパルス信号波形である。信号の一周期Pは、4Tであって、ここでTは電源の周期であり、韓国の場合は、1/60秒、つまり16.6[ms]である。パルス幅Sは、リーク電流の大きさによって決定され、表2の通りである。つまり、リーク電流を1[mA]単位で5[mA]までパルス信号に変調する。より具体的には、パルス幅変調器(16)は、パルス信号の一周期を電源周期の4倍とし、例えば、リーク電流の大きさによるパルス幅変調は、抵抗性リーク電流1[mA]当り電源サイクルの1/2とし、最大5[mA]までのパルス幅変調を行う。
【0038】
【表2】
【0039】
図7は、図1の漏電遮断器を電子回路として具現化した一実施例である。まず、コンデンサC1、ツェナーダイオードZ、ダイオードD及びコンデンサC2を用いて、5[V]の直流電源を作る。これは、アンプL1、L2、及びマイクロプロセッサL3が作動するに必要な電力である。ZCT、感度抵抗R1及びアンプL1は、図1においてZCT(1)と合成リーク電流検出部(2)の役割をし、これを用いて合成リーク電流瞬時値igを得る。抵抗R4及びアンプL2は、図1の同期信号発生部(2)の役割をし、これを用いて図3のような同期信号を得る。この同期信号は、電源の半周期毎にハイレベルとローレベルとを繰り返す。
【0040】
マイクロプロセッサL3は、図1において、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(11)、(12)、(13)、(14)、(16)の役割をする。図8は、マイクロプロセッサの作動を示す。まず、図3のような同期信号をpin2から読み込み、「yes」期間(半周期の99%)中、合成リーク電流瞬時値をpin[1]から読み込んで、抵抗性リーク電流Igrと合成リーク電流Ig(実効値)とを算定する。次に、「no」期間(半周期の1%)中には、上記の算定したIgrとIgとの大きさによって定められた遮断遅延時間の後に遮断器作動(OFF)信号をpin[5]へ出力する。そして、Igrが5[mA]以上であると、pin[3]へ漏電警報信号を出力し、IgrをPWM信号に変調したパルス信号をpin[8]へ出力する。図7において、LEDは、マイクロプロセッサL3のpin[3]に接続され、漏電警報時に秒当り3〜4回点滅する。図7において、出力端子Tは、図1の信号出力端子(17)の役割をし、この端子からパルス信号を出力することができる。図7において、遮断コイルとSCR Sとは、図1においての回路遮断器具(9)に該当し、マイクロプロセッサL3のpin[5]から遮断信号(OFF)が出力されると、SCR Sを作動させて漏電遮断器の接点が開放される。
【0041】
以上、本発明の特定の好ましい実施例について説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限らず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく、当該本発明が属する技術分野で通常の技術を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能なことはもちろんであり、そのような変形は、請求の範囲に記載の範囲内にあるものである。
【符号の説明】
【0042】
1:ZCT
2:合成リーク電流検出部
3:同期信号発生部
4:抵抗性リーク電流算定部
5:合成リーク電流算定部
6:抵抗性リーク電流及び遮断時間遅延許容値設定部
7:第1コンパレータ
8:時間遅延部
9:回路遮断器具
10:接点
11:合成リーク電流遮断基準値設定部
12:第2コンパレータ
13:漏電警報電流基準値設定部
14:第3コンパレータ
15:漏電警報器
16:パルス幅変調器
17:信号出力端子
C1:コンデンサ
C2:コンデンサ
Z:ツェナーダイオード
D:ダイオード
L1:アンプ
L2:アンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8