特許第6797985号(P6797985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6797985印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6797985
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20201130BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20201130BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20201130BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   B41J29/38 104
   B41J29/42 F
   H04N1/00 885
   H04N1/00 350
   G03G21/00 388
   B41J29/38 103
【請求項の数】23
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-155431(P2019-155431)
(22)【出願日】2019年8月28日
(62)【分割の表示】特願2018-96453(P2018-96453)の分割
【原出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-75478(P2020-75478A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2019年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】奥薗 良太郎
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−088454(JP,A)
【文献】 特開2013−183215(JP,A)
【文献】 特開2001−066951(JP,A)
【文献】 特開2007−320051(JP,A)
【文献】 特開2013−162480(JP,A)
【文献】 特開2001−066851(JP,A)
【文献】 特開2011−248070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを実行可能であり、外部装置とネットワークを介して通信可能な印刷装置であって、
人を検知する検知手段と、
記外部装置から送信された第1のシャットダウン要求及び前記外部装置から送信された第2のシャットダウン要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンし、前記受信手段によって受信された前記第2のシャットダウン要求に従って前記検知手段の検知結果に基づき前記印刷装置をシャットダウンするシャットダウン手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1のシャットダウン要求を送信するための第1項目を前記外部装置の表示部に表示させるデータ、及び、前記第2のシャットダウン要求を送信するための第2項目を前記外部装置の表示部に表示させるデータを前記外部装置に送信する送信手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記シャットダウン手段は、少なくとも印刷ジョブを実行している間は、前記第2のシャットダウン要求に従っては前記印刷装置をシャットダウンしない、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記シャットダウン手段は、前記印刷ジョブを実行していても、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記シャットダウン手段は、前記印刷ジョブを実行していても、前記第1のシャットダウン要求に従って、前記印刷ジョブを中断し、前記印刷装置をシャットダウンする、ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記シャットダウン手段は、実行中の印刷ジョブ及び待機中の印刷ジョブを完了させずに、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷ジョブは、コピージョブである、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記データは、前記外部装置のウェブブラウザが前記表示部に情報を表示するためのデータである、ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記シャットダウンの実行中を示す画面を表示する表示手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記シャットダウンは、前記印刷装置内の所定の負荷への電力供給を停止する処理を含む、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
記シャットダウン手段は、前記検知手段の検知結果に関わらず、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
人を検知する検知手段を備え、印刷ジョブを実行可能であり、外部装置とネットワークを介して通信可能な印刷装置の制御方法であって、
記外部装置から送信された前記第1のシャットダウン要求を受信する第1の受信工程と、
記外部装置から送信された前記第2のシャットダウン要求を受信する第2の受信工程と、
前記第1の受信工程で受信された前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする第1のシャットダウン工程と、
前記第2の受信工程で受信された前記第2のシャットダウン要求に従って前記検知手段の検知結果に基づき前記印刷装置をシャットダウンする第2のシャットダウン工程と、を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項13】
前記第1のシャットダウン要求を送信するための第1項目を前記外部装置の表示部に表示させるデータを前記外部装置に送信する第1の送信工程と、
前記第2のシャットダウン要求を送信するための第2項目を前記外部装置の表示部に表示させるデータを前記外部装置に送信する第2の送信工程と、をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項14】
少なくとも印刷ジョブを実行している間は、前記第2のシャットダウン要求に従っては前記印刷装置をシャットダウンしない、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1のシャットダウン工程は、前記印刷ジョブを実行していても、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする工程である、ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項16】
前記第1のシャットダウン工程は、前記印刷ジョブを実行していても、前記第1のシャットダウン要求に従って、前記印刷ジョブを中断し、前記印刷装置をシャットダウンする工程である、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項17】
前記第1のシャットダウン工程は、実行中の印刷ジョブ及び待機中の印刷ジョブを完了させずに、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする工程である、ことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項18】
前記印刷ジョブは、コピージョブである、ことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項19】
前記データは、前記外部装置のウェブブラウザが前記表示部に情報を表示するためのデータである、ことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項20】
前記シャットダウンの実行中を示す画面を表示する表示工程、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項21】
前記シャットダウンは、前記印刷装置内の所定の負荷への電力供給を停止する処理を含む、ことを特徴とする請求項1乃至20の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項22】
記第1のシャットダウン手段は、前記検知手段の検知結果に関わらず、前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンする、ことを特徴とする請求項1乃至21の何れか1項に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項23】
人を検知する検知手段を備え、印刷ジョブを実行可能であり、外部装置とネットワークを介して通信可能な印刷装置のコンピュータを、
記外部装置から送信された前記第1のシャットダウン要求及び前記外部装置から送信された前記第2のシャットダウン要求を受信する受信手段、及び、
前記受信手段によって受信された前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンし、前記受信手段によって受信された前記第2のシャットダウン要求に従って前記検知手段検知結果に基づき前記印刷装置をシャットダウンするシャットダウン手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された端末から送信される要求に従って、電力制御を行う印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力制御の対象となる情報処理装置に接続された端末から、遠隔で情報処理装置の電力制御を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−152709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1に開示される画像形成装置は、端末から送信される電源オフ要求パケットを受信した場合に、電源オフ状態に移行する。しかしながら、当該画像形成装置と物理的に離れた端末からネットワーク経由で当該画像形成装置を電源オフ状態にする場合、当該端末からは画像形成装置の周囲の状況が分からない。このため、画像形成装置の周囲に人などの物体が存在するにも関わらず、電源オフ要求パケットを受信した画像形成装置は、電源オフ状態になってしまう。つまり、引用文献1では、画像形成装置の近くに人がいるにも関わらず、電源オフ要求パケットを受信した画像形成装置が電源オフ状態になってしまう。ユーザからすると、画像形成装置を使用しようと思っていたにも関わらず、突然、電源オフ状態になってしまう。このように、画像形成装置の電源を遠隔から制御する場合には、ユーザの利便性を損なう状況が発生し得る。
【0005】
そこで、本発明は、ネットワークを介して受信したシャットダウン要求に従って適切に情報処理装置をシャットダウンすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置は、印刷ジョブを実行可能であり、外部装置とネットワークを介して通信可能な印刷装置であって、人を検知する検知手段と、前記外部装置から送信された前記第1のシャットダウン要求及び前記外部装置から送信された前記第2のシャットダウン要求を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記第1のシャットダウン要求に従って前記印刷装置をシャットダウンし、前記受信手段によって受信された前記第2のシャットダウン要求に従って前記検知手段の検知結果に基づき前記印刷装置をシャットダウンするシャットダウン手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理装置によれば、ネットワークを介して受信したシャットダウン要求に従って適切に情報処理装置をシャットダウンすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の画像形成装置を含む印刷システムの全体構成を示した図である。
図2】画像形成装置の平面図である。
図3】画像形成装置のハードウェアブロック図である。
図4】センサユニットのブロック図である。
図5】画像形成装置の電源回路図である。
図6】スタンバイ状態における画像形成装置の電源回路図である。
図7】スリープ状態における画像形成装置の電源回路図である。
図8】電源オフ状態における画像形成装置の電源回路図である。
図9】PCから遠隔で画像形成装置をシャットダウンする場合にPCと画像形成装置との間で実行される処理のやり取りを示す図である。
図10】PCに表示される画面を示した図である。
図11】シャットダウン要求を受信した画像形成装置が実行する処理を示したフローチャートである。
図12】シャットダウン指示を受信した画像形成装置が実行する処理を示したフローチャートである。
図13】画像形成装置の表示部に表示される画面を示した図である。
図14】シャットダウン要求を受信した第2実施形態の画像形成装置が実行する処理を示したフローチャートである。
図15】画像形成装置に接近した人を検知するためのアルゴリズムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置を含む印刷システムの全体構成を示した図である。
【0011】
図1に示すように、印刷システム1は、画像形成装置100と、外部装置であるPC(パーソナルコンピュータ)200と、を備えている。この印刷システム1では、画像形成装置100とPC200とがネットワーク300を介して通信可能に接続されている。当該ネットワーク300は、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。画像形成装置100の前面には、赤外線アレイセンサ351が取り付けられている。
【0012】
PC200は、CPU、RAM、HDD等の固定記憶装置を有し、モニタ、キーボード、マウス等が接続された一般的なコンピュータ装置である。PC200は、ウェブブラウザを有しており、キーボードやマウスなどの入力操作によりネットワーク300を介して、画像形成装置100に蓄積されたファイルやデータ、各種設定情報等を閲覧/設定することが可能である。さらに、PC200は、ウェブブラウザを介して、画像形成装置100が提供する画像形成装置100の電源を遮断するリモートシャットダウン機能を実行するためのウェブ画面を取得することができる。なお、PC200は、PCに限定されず、ウェブブラウザを搭載していれば携帯電話やPDAであっても良い。
【0013】
図2は、画像形成装置の平面図である。
【0014】
図2に示すように、赤外線アレイセンサ351は、画像形成装置100の前面に取り付けられている。本実施形態の赤外線アレイセンサ351は、操作部12の近傍に設けられている。この赤外線アレイセンサ351は、約6.0mの検知範囲Rを有している。
【0015】
図3は、画像形成装置のハードブロック図である。
【0016】
図3を参照して、画像形成装置100の全体の動作を制御するコントローラ11の詳細について説明する。
【0017】
図3に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を統括するコントローラ11、操作部12、プリンタ部13、スキャナ部14およびセンサユニット15を備えている。コントローラ11は、操作部12、スキャナ部13、プリンタ部14およびセンサユニット15と電気的に接続されている。このコントローラ11は、CPU301、RAM302、ROM303、電源制御部304、入出力I/F305、およびLANコントローラ306を備えている。そして、CPU301、RAM302、ROM303、電源制御部304、入出力I/F305、およびLANコントローラ306は、システムバス307に接続されている。また、コントローラ11は、HDD308、画像処理部309、スキャナI/F310およびプリンタI/F311を備えている。そして、HDD308、画像処理部309、スキャナI/F310およびプリンタI/F311は、画像バス312に接続されている。
【0018】
CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11で実行される各種処理についても統括的に制御する。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリである。このRAM302は、画像データを一時記憶するためのメモリでもある。ROM303には、装置のブートプログラムなどが格納されている。電源制御部304は、画像形成装置100の各部への電力供給を制御するために、各スイッチの制御を行う。電源制御部304の詳細は後述する。入出力I/F305は、システムバス307と操作部12およびセンサユニット15と接続するためのインターフェース部である。この入出力I/F305は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス307から受け取り操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス307へと出力する。また、入出力I/F305は、センサユニット15によって出力される赤外線アレイセンサ351の検知結果を、電源制御部304に出力する。LANコントローラ306は、画像形成装置100と、ネットワーク300に接続されるPC200との間の情報の入出力を制御する。本実施形態では、LANコントローラ306は、画像形成装置100をシャットダウンさせるための指示(以下、シャットダウン指示とする)をPC200から受信する。
【0019】
HDD308は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納する。画像処理部309は、画像処理を行うためのものであり、RAM302に記憶された画像データを読み出し、JPEG、JBIGなどの拡大または縮小および、色調整などの画像処理を行う。スキャナI/F310は、スキャナ部13のスキャナ制御部331と通信するためのインターフェース部である。プリンタI/F311は、プリンタ部14のプリンタ制御部341と通信するためのインターフェース部である。画像バス312は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバスやIEEE1394等のバスで構成されている。
【0020】
スキャナ部13は、原稿から光学的に画像を読み取り画像データを生成する。スキャナ制御部331とスキャナ部332とを有している。スキャナ部332は、給紙部にセットされた原稿をスキャナ部13の読取位置まで搬送するための紙搬送用のモータなどを含み、物理的に駆動するデバイスである。スキャナ制御部331は、スキャナ部332の動作を制御する。スキャナ制御部331は、スキャナ処理を行う際にユーザによって設定された設定情報をCPU301との通信により受信し、当該設定情報に基づいてスキャナ部332の動作を制御する。
【0021】
プリンタ部14は、電子写真方式に従って記録媒体(用紙)に画像を形成する。このプリンタ部14は、プリンタ制御部341とプリンタ部342とを有している。プリンタ部342は、感光ドラムを回転させるモータ、定着器を回転させるモータ、および紙搬送モータなどを含み、物理的に駆動するデバイスである。プリンタ制御部341は、プリンタ部342の動作を制御する。プリンタ制御部341は、プリント処理を行う際にユーザによって設定された設定情報をCPU301との通信により受信し、当該設定情報に基づいてプリンタ部342の動作を制御する。
【0022】
センサユニット15については、後述する。
【0023】
図4は、センサユニットの詳細を示したブロック図である。
【0024】
図4に示すように、センサユニット15は、赤外線アレイセンサ351と、赤外線アレイセンサ351から出力される情報を解析するマイコン352と、を有している。
【0025】
赤外線アレイセンサ351は、赤外線を受信するサーモパイル素子1a〜8hが格子状に配列されたセンサである。赤外線アレイセンサ351の各サーモパイル素子1a〜8hは、人などから放射される赤外線を受信して、温度を示す情報をマイコン352に出力する。この温度を示す情報は、例えば、電圧値である。マイコン352は、参照電圧値とサーモパイル素子1a〜8hから出力される電圧値とを比較して、人などの物体の温度を測定する。なお、マイコン352に出力される温度を示す情報は、アナログ値であってもデジタル値であっても良い。本実施形態の赤外線アレイセンサ351は、画像形成装置100に接近する人を検知するために設けられている。そのため、赤外線アレイセン351は、人の温度を正確に測定することができるように、服などで覆われていない顔に向くように、斜め上方に向けて取り付けられている。なお、この赤外線アレイセンサ351の取り付け方向は、斜め上方に限定されず、人の足元に向くように斜め下方向に向けても良い。
【0026】
また、マイコン352は、サーモパイル素子1a〜8hから出力される温度を示す情報に基づいて、人が画像形成装置100に接近したかどうかを判断する。そして、マイコン352が、人が画像形成装置100に接近したと判断した場合には、電源制御部304に人が画像形成装置100に接近したことを示す情報を出力する。マイコン352は、所定温度(例えば、30℃)以上の温度を示す情報を出力するサーモパイル素子1a〜8hの数が、所定数以上(例えば、20素子以上)になった場合に、人が画像形成装置100に接近したと判断する。なお、人が画像形成装置100に接近したと判断するための方法、上記した方法に限定されない。例えば、所定時間の間に、所定温度(例えば、30℃)以上の温度を示す情報を出力するサーモパイル素子1a〜8hが所定数以上増加した場合に、人が画像形成装置100に接近したと判断しても良い。また、サーモパイル素子1a〜8hの内の何れかのサーモパイル素子(例えば、e列、f列、g列およびh列のサーモパイル素子1e〜8h)が、所定温度以上の温度を示す情報を出力した場合に、人が画像形成装置100に接近したと判断しても良い。
【0027】
電力制御部304は、マイコン352によって人が画像形成装置100に接近したと判断された場合には、スリープ状態の画像形成装置100をスタンバイ状態に移行するよう制御する。また、画像形成装置100の周囲から人がいなくなったと判断された場合には、スタンバイ状態の画像形成装置100をスリープ状態に移行してもよい。
【0028】
なお、人が画像形成装置100に接近することを検知するセンサとして、サーモパイル素子が格子状に配置された赤外線アレイセンサを用いる例について説明したが、センサの種類は、赤外線センサに限定されない。例えば、センサの種類は、光を検知する光センサ、物理力で変形するひずみセンサ、磁気を検知する磁気センサ、焦電効果を利用する焦電センサなどを利用しても良い。また、赤外線アレイセンサに使用される素子の配列も格子状である必要はなく、素子がライン状に配列されていても良いし、1つの素子であっても良い。
【0029】
<画像形成装置100の電源回路図について>
図5は、画像形成装置の電源回路図である。上記した画像形成装置100の各部には、電源ユニット40によって生成された電力が供給される。この電源ユニット40は、第1電源供給部410と、第2電源供給部411と、第3電源供給部412と、を有している。
【0030】
第1電源供給部410は、プラグPを介して供給される交流電力を直流電力(例えば、5.1V(第1の出力電力))に変換する。そして、当該直流電力が、第1電源系統のデバイス(CPU301、RAM302、ROM303、電源制御部304、入出力I/F305、LANコントローラ306、HDD308、センサユニット15、および操作部12のボタン122)に供給される。
【0031】
第2電源供給部411は、プラグPを介して供給される交流電力を直流電力(例えば、12V(第2の出力電力))に変換する。この直流電力は、第2電源系統のデバイス(操作部12の表示部121、画像処理部309、プリンタ部14のプリンタ制御部341、およびスキャナ部13のスキャナ制御部331)に供給される。
【0032】
また、第3電源供給部412は、プラグPを介して供給される交流電力を直流電力(例えば、24V)に変換して、第3電源系統のデバイス(プリンタ部342、およびスキャナ部332)に電力を供給する。
【0033】
また、第1電源供給部410と第1電源系統のデバイスとの間には、ユーザの操作によってオン状態またはオフ状態となる電源スイッチ416が設けられる。電源制御部304には、電源スイッチ416の状態(オン状態もしくはオフ状態)を示す信号Aが入力されている。電源制御部304に入力される信号Aがオフ状態を示す場合、画像形成装置100のCPU301は、シャットダウン処理を実行する。このシャットダウン処理とは、ファイルのクローズ処理、RAM302の内容をHDD308に退避させる処理、ネットワークの切断処理、などを実行してから、交流電源から画像形成装置100に電力が供給されるのを停止する。
【0034】
また、電源ユニット40は、電源スイッチ416と並列に配置されるFET(電界効果トランジスタ)からなるスイッチ417を有する。このスイッチ417は、電源制御部304から出力される制御信号Bによって、オン状態からオフ状態、またはオフ状態からオン状態になる。上記したシャットダウン処理を実行する場合に、電源制御部304の制御によって、スイッチ417がオフ状態になる。
【0035】
電源スイッチ416には、ソレノイド416aが設けられている。電源制御部304から出力される制御信号Cに応じて、当該ソレノイド416aに電圧が印加されて電源スイッチ416がオフ状態になる。画像形成装置100に設けられるオートシャットダウン機能、リモートシャットダウン機能が実行される場合に、電源制御部304から出力される制御信号Bの状態に応じて、ソレノイド416aが駆動されて電源スイッチ416がオフ状態になる。オートシャットダウン機能は、スリープ状態でユーザの操作およびジョブの実行が無い状態で所定時間が経過した場合に、画像形成装置100にシャットダウン処理をさせる機能である。また、リモートシャットダウン機能は、PC200から送信されるシャットダウン指示に応じて、画像形成装置100にシャットダウン処理をさせる機能である。
【0036】
プラグPと第2電源供給部411との間には、リレースイッチ418が設けられる。また、プラグPと第3電源供給部412との間には、リレースイッチ419が設けられる。リレースイッチ418および419は、電源制御部304から出力される制御信号Dによって、オン状態からオフ状態、またはオフ状態からオン状態になる。画像形成装置100がスリープ状態に移行する場合に、リレースイッチ418およびリレースイッチ419がオフ状態になる。
【0037】
電源スイッチ416とCPU301、ROM303およびHDD304との間には、スイッチ420が設けられる。スイッチ420は、電源制御部304から出力される制御信号Eによって、オン状態からオフ状態、またはオフ状態からオン状態になる。
【0038】
第2電源供給部411とプリンタ制御部341との間には、スイッチ421aが設けられている。また、第3電源供給部412とプリンタ部342との間には、スイッチ421bが設けられている。これらのスイッチ421aおよびスイッチ421bは、電源制御部304から出力される制御信号Fによって、オン状態からオフ状態、またはオフ状態からオン状態になる。
【0039】
第2電源供給部411とスキャナ制御部331との間には、スイッチ422aが設けられている。また、第3電源供給部412とスキャナ部332との間には、スイッチ422bが設けられている。これらのスイッチ422aおよびスイッチ422bは、電源制御部304から出力される制御信号Gによって、オン状態からオフ状態、またはオフ状態からオン状態になる。
【0040】
<画像形成装置の電力状態について>
画像形成装置100は、スタンバイ状態、スリープ状態、および電源オフ状態となる。なお、画像形成装置100は、上記した状態以外の状態(例えば、稼動(印刷実行中、スキャン実行中など)状態、ハイバネーション状態など)になっても良い。
【0041】
図6は、スタンバイ状態の画像形成装置を示す図である。スタンバイ状態は、印刷の実行やスキャンの実行が完了したときに移行する状態である。スタンバイ状態では、プラグPを介して第1〜第3電源系統デバイスに電力が供給されている状態である。スタンバイ状態では、スイッチ416、417、418、419、420、421a、421b、422aおよび422bがオン状態となる。
【0042】
図7は、スリープ状態の画像形成装置を示す図である。スリープ状態は、実行中のプログラムが展開されるRAM302への通電とスタンバイ状態への復帰に必要な箇所に電力が供給される状態である。操作部12の各種ボタン122の操作を受け付けたり、PC200からジョブを受信したり、することができる状態である。ユーザによってボタン122操作されたり、PC200からジョブを受信したりした場合に、RAM302に展開されているプログラムを用いて処理を再開することができる。このため、電源オフ状態からスタンバイ状態に移行するのに比べて、スリープ状態からスタンバイ状態に高速に復帰することができる。スリープ状態で、操作部12のボタン122の何れかがユーザによって押下されると、信号Hの状態が変化する(例えば、Hiレベルになる)。また、スリープ状態で、センサユニット15のマイコン352が画像形成装置100に接近する人を検知した場合、マイコン352から出力される信号Iの状態が変化する(例えば、Hiレベルになる)。また、スリープ状態で、LANコントローラ306がジョブなどを受信すると、LANコントローラから出力される信号Iの状態が変化する(例えば、Hiレベルになる)。電源制御部304は、入力される信号H、信号Iまたは信号Jの状態が変化すると、画像形成装置100をスタンバイ状態に移行するよう制御する。具体的には、電源制御部304は、信号D、信号F、および信号Gを制御する。これにより、スイッチ418、419、421a、421b、422aおよび422bがオン状態になる。なお、図7に示すように、スリープ状態では、スイッチ416、417および420がオン状態になるが、スイッチ418、419、421a、421b、422aおよび422bがオフ状態となっている。
【0043】
図8は、電源オフ状態の画像形成装置を示す図である。電源オフ状態は、プラグPを介して画像形成装置100に電力が供給されていない状態である。具体的には、電源スイッチ416がオフ状態になっている場合には、画像形成装置100は、電源オフ状態となる。図8に示すように、電源状態では、スイッチ416、417、418、419、420、421a、421b、422aおよび422bがオフ状態となる。
【0044】
<リモートシャットダウン処理>
本実施形態の画像形成装置100は、リモートシャットダウン機能を有している。リモートシャットダウン機能は、ネットワーク300を介してPC200から送信されるシャットダウン指示に基づいて、画像形成装置100がシャットダウン処理を実行する機能である。
【0045】
図9は、PCから遠隔で画像形成装置をシャットダウンする場合にPCと画像形成装置との間で実行される処理のやり取りを示す図である。図10(A)−(D)は、PCの表示部に表示される画面である。
【0046】
まず、ユーザは、PC200から画像形成装置100の状態や、画像形成装置100の消耗品の残量などを確認するためのリモートUI画面Aを表示するために、ウェブブラウザを起動する。そして、PC200は、リモートUI画面A(図10(A))を取得するための要求を画像形成装置100に要求する。当該要求を受信した画像形成装置100は、リモートUI画面AをPC200に提供する。
【0047】
そして、ユーザは、PC200から画像形成装置100をシャットダウンさせるために、リモートUI画面Aに表示されるシャットダウンボタン701を選択する。シャットダウンボタン700が選択されると、PC200は、画像形成装置100に対してシャットダウン要求を送信するための画面Bを取得するための要求を画像形成装置100に要求する。当該要求を受信した画像形成装置100は、画像形成装置100のシャットダウンを要求するための画面B(図10(B))をPC200に提供する。図10(B)に示すように、画面Bには、画像形成装置100に対してシャットダウン処理を要求するためのリモートシャットダウン要求ボタン801が表示される。
【0048】
リモートシャットダウン要求ボタン801がユーザによって選択されると(S500)、PC200から画像形成装置100に対してシャットダウン要求が送信される(S501)。画像形成装置100は、PC200からシャットダウン要求を受信した場合、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在するかどうかを確認する(S502)。画像形成装置100は、赤外線アレイセンサ351の検知領域に人が存在するか否かに応じて、応答画面Cまたは応答画面Dを送信する(S503)。
【0049】
検知領域Rに人が存在しない場合、PC200は、図10(C)に示した応答画面Cを表示する。図10(C)に示すように、応答画面Cには、画像形成装置100に対してシャットダウン処理を指示するためのシャットダウン指示ボタン901、およびシャットダウン処理の要求をキャンセルするためのキャンセルボタン902が表示される。なお、シャットダウン指示ボタン901を、以下、SDボタン901とする。
【0050】
また、検知領域Rに人が存在する場合、PC200は、図10(D)に示した応答画面Dを表示する。図10(D)に示すように、応答画面Dには、強制シャットダウン指示ボタン1001(以下、強制SDボタン1001とする)、シャットダウン待機指示ボタン1002(以下、待機指示ボタン1002とする)、およびキャンセルボタン1003が表示される。強制SDボタン1001は、画像形成装置100を強制的にシャットダウン処理させるために設けられている。また、待機指示ボタン1002は、検知領域Rから人がいなくなったときにシャットダウン処理を実行させるために設けられている。また、キャンセルボタン1003は、シャットダウン処理の要求をキャンセルするために設けられている。
【0051】
PC200は、画像形成装置100から取得した応答画面Cまたは応答画面Dを、ウェブブラウザ上に表示する。リモートシャットダウンを実行するためのボタン901、1001または1002がユーザによって選択されると(S504)、PC200から画像形成装置100に対してリモートシャットダウン指示が送信される(S505)。画像形成装置100は、PC200からリモートシャットダウン指示を受信した場合、その指示に従ってリモートシャットダウン処理を実行する(S506)。具体的には、応答画面Cにおいて、SDボタン901が選択されると、画像形成装置100は、当該ボタン901の押下に従って、シャットダウン処理を実行する。また、応答画面Dにおいて、強制SDボタン1001が押下されると、画像形成装置100は、検知領域Rに人が存在しても、シャットダウン処理を実行する。また、応答画面Dにおいて、待機指示ボタン1002が押下されると、画像形成装置100は、検知領域Rから人が存在しなくなったタイミングで、シャットダウン処理を実行する。
【0052】
<PCからシャットダウン要求を受信した場合に画像処理装置で実行される処理>
図11は、シャットダウン要求を受信した画像形成装置が実行するフローチャートである。CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラムをRAM302に展開しることによって、図11に示したフローチャートが実行される。
【0053】
まず、CPU301は、PC200からシャットダウン要求を受信したか否かを判断する(S601)。シャットダウン要求は、画面B(図10(B)参照)に表示されるリモートシャットダウン要求ボタン801がユーザによって選択されることによって、PC200から画像形成装置100に送信される。
【0054】
そして、CPU301が、当該シャットダウン要求を受信したと判断した場合(S601:Yes)、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人がいるかどうかを確認する(S602)。具体的には、CPU301は、センサユニット12のマイコン352から赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人がいるか否かを示す情報を取得する。そして、CPU301が赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在していないと判断した場合には(S603:No)、CPU301は、LANコントローラ306に応答画面Cを送信させる(S604)。一方、CPU301が赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在していると判断した場合には(S603:Yes)、CPU301は、LANコントローラ306に応答画面Dを送信させる(S605)。
【0055】
<PCからシャットダウン指示を受信した場合に画像処理装置で実行される処理>
図12は、PCからシャットダウン指示を受信した場合に画像形成装置100が実行する処理を示すフローチャートである。図13(A)は、画像形成装置の表示部に表示されるシャットダウン要求待ちを示すステータス表示例である。図13(B)は、画像形成装置の表示部に表示されるシャットダウン実行画面を示す。
【0056】
まず、CPU301は、PC200からシャットダウン指示を受信しているか否かを判断する(S701)。このシャットダウン指示は、SDボタン901、強制SDボタン1001、および待機指示ボタン1002が選択された場合に、PC200から画像形成装置100に送信される。
【0057】
CPU301が、シャットダウン指示を受信していると判断した場合は(S701:YES)、当該シャットダウン指示の種類を確認する(S702)。シャットダウン指示が、SDボタン901または強制SDボタン1001が選択されたことによって送信されたシャットダウン指示である場合(S702:Yes)、CPU301は、画像形成装置100に格納されているジョブをキャンセルする(S703)。S703においてキャンセルされるジョブは、プリントジョブやコピージョブなどであって、実行中のジョブおよび実行待ちのジョブを含む。
【0058】
これに対して、待機指示ボタン1002が選択されたことによって送信されたシャットダウン指示である場合(S702:No)、CPU301は、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人がいるか否かを判断する(S704)。CPU301が赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在していないと判断した場合は(S704:No)、画像形成装置100内に未処理のジョブが存在するか否かを確認する(S705)。CPU301が未処理のジョブが存在すると判断した場合(S705:YES)は、未処理のジョブが全て処理されるまで赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在するか否かを確認する(S704)。このように、本実施形態では、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人がいる場合に、画像形成装置100がシャットダウン処理をするのが制限されている。画像形成装置100は、PC200から送信されるシャットダウン指示を受信しても、すぐにはシャットダウン処理を実行しない。検知領域Rから人がいなくなったときに、画像形成装置100は、シャットダウン処理を行う。
【0059】
一方、CPU301が赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在していると判断した場合は(S704:Yes)、図13(A)に示すように、シャットダウン処理が実行待ちであることを示す画面Dを表示部121に表示する(S706)。そして、CPU301が、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在するか否かを判断する(S707)。赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在しなくなった場合には(S707:No)、CPU301hは、画像形成装置100内に未処理のジョブが存在するか否かを確認する(S708)。
【0060】
S703において格納されているジョブがキャンセルされた場合、CPU301は、図13(B)に示すように、シャットダウン処理が実行中であることを示す画面Eを表示部121に表示するよう制御する(S709)。また、S705またはS708において未処理のジョブが存在しなくなったと判断された場合、CPU301は、図13(B)に示すように、画面Eを表示部121に表示するよう制御する(S709)。画面Eが表示された後、CPU301は、シャットダウン処理を実行する。具体的には、CPU301は、HDD308に格納されている制御プログラムに従って、ファイルのクローズ処理、RAM302の内容をHDD308に退避させる処理、ネットワークの切断処理、などを実行する(S710)。さらに、CPU301は、交流電源からプラグPを介して供給される電力が停止されるように、電源制御部304を制御する。電源制御部304は、スイッチ416、417、418、419、420、421a、421b、422aおよび422bをオフ状態にする。これにより、画像形成装置100が電源オフ状態に移行する(S711)。なお、電源スイッチ416は、電源制御部304がソレノイド416aに電圧を印加することによって、オフ状態になる。
【0061】
上記したように、本発明の第1実施形態によれば、画像形成装置100の近傍に人が存在する場合は、強制的にシャットダウン処理を実行するか、人が存在しなくなった後にシャットダウン処理を実行するか、をPC200の画面上で選択することができる。
【0062】
<第2実施形態>
第1実施形態では、画像形成装置100がPC200から2種類のシャットダウン指示が送信されることをついて述べた。2種類のシャットダウン指示とは、人の存在に関わらず画像形成装置100をシャットダウンさせる指示と、人が存在しなくなったことを1つの条件に画像形成装置100をシャットダウンさせる指示である。
【0063】
第2実施形態では、PC200からは1種類のシャットダウン指示が送信される。第2実施形態において、PC200から送信される1種類のシャットダウン指示は、上記した応答画面C(図10(C)参照)のOKボタン901が押下された場合に、画像形成装置100に送信される。第2実施形態では、ユーザに強制シャットダウンかシャットダウン待機かを選択させる画面は表示されない。図14に示すように、画像形成装置100は、当該シャットダウン指示を受信した場合に(S801:Yes)、人が存在するか否かを確認して(S802、S803)、人が存在するならば人がいなくなるまでシャットダウンを遅延させる(S803:Yes)。一方、画像形成装置100は、当該シャットダウン指示を受信した場合に(S803:No)、人が存在するか否かを確認して、人が存在しないならば即座にシャットダウンを実行する(S804)。
【0064】
第2実施形態では、PC200からシャットダウン指示を受信した後に、画像形成装置100に接近する人が存在するか否かを判断している。
【0065】
<他の実施形態>
上記した実施形態では、赤外線アレイセンサ351の複数の素子が所定温度以上の温度を検知した場合に検知領域Rに人が存在すると判断したが、本発明はこの判断に限定されない。例えば、図15に示すように、斜め上方向に向けて取り付けられた赤外線アレイセンサ351の特定の素子が熱を検知した場合に、人が画像形成装置10に接近していると判断しても良い。具体的には、仮想的なライン6013より上側のe行目〜h行目の素子1e〜8hがユーザの熱を検知した場合に、マイコン602は、人が画像形成装置10に接近した判定する。一方、ライン6013より上側のe行目〜h行目の素子1e〜8hがユーザの熱を検知していない場合には、人が画像形成装置10に接近していないと判定する。ライン6013より下側のa行目〜d行目の素子1a〜8dが人の熱を検知したとしても、その人は通行人であると判断する。この他の実施形態では、仮想的なライン6013より上側のe行目〜h行目の素子1e〜8hがユーザの熱を検知した場合に、画像形成装置100がシャットダウンされるのを制限する。上記構成によれば、画像形成装置10の検知領域Rに人は存在するが、当該人が通行人であるような場合には、シャットダウンを行うことができる。
【0066】
なお、遠隔のPC200から送信される指示に応じてシャットダウン処理を行うリモートシャットダウン機能について説明した。しかしながら、本発明はリモートシャットダウンに限定されない。具体的には、オートシャットダウン機能やウィークリーシャットダウン機能を実行する場合に、本発明を適用しても良い。オートシャットダウン機能は、ユーザが使用しない状態で所定時間が経過した場合に、シャットダウン処理が実行される機能である。また、ウィークリーシャットダウン機能は、予め指定した時刻にシャットダウン処理が実行される機能である。
【0067】
なお、上記した実施形態では、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在しなくなったとCPU301が判断した場合(S704:No,S707:No)、シャットダウン処理を実行する例について説明した。赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在しなくなっても、所定時間はシャットダウン処理が実行しないように制御しても良い。赤外線アレイセンサ351の検知領域Rに人が存在しなくなっても、所定時間はシャットダウン処理が制限される。これにより、赤外線アレイセンサ351の検知領域Rから一時的に人が存在しなくなったとしても、前記所定時間の間に人が検知領域Rに戻ってくれば、シャットダウン処理が実行されない。
【0068】
なお、シャットダウン処理では、ファイルのクローズ処理などを行う例について説明したが、ファイルのクローズ処理などを行わずに、交流電源から画像形成装置100に電力が供給されるのを停止しても良い。
【0069】
また、上記した実施形態では、プリンタ部を備える画像形成装置について説明したが、本発明は、PCなどの情報処理装置にも適用可能である。
【0070】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をコンピュータパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0071】
100 画像形成装置
301 CPU
306 LANコントローラ
351 赤外線アレイセンサ
352 マイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15