特許第6798064号(P6798064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6798064
(24)【登録日】2020年11月20日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】製造の管理を支援するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
【請求項の数】12
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2020-508063(P2020-508063)
(86)(22)【出願日】2019年7月9日
(86)【国際出願番号】JP2019027174
【審査請求日】2020年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 茂靖
(72)【発明者】
【氏名】松谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】矢島 祐輔
【審査官】 藤井 浩介
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6287018(JP,B2)
【文献】 特開2018−128766(JP,A)
【文献】 特開2007−38766(JP,A)
【文献】 特開2019−16226(JP,A)
【文献】 特開平4−266156(JP,A)
【文献】 国際公開第2019/064892(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2224384(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のインターフェースを含むインターフェース部と、
複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報を含む管理情報を格納する、1以上のメモリを含んだ記憶部と、
前記インターフェース部及び前記記憶部に接続されたプロセッサ部と
を有し、
製造に関わる複数のリソース種類として、Man、Machine及びMaterialのうちの2以上のリソース種類があり、
前記管理情報は、前記複数のリソース種類の各々について、当該リソース種類に属するリソース毎に、当該リソースに関し実施された工程と、当該工程の実施時刻と、当該リソースが属するリソース種類とは異なる1以上のリソース種類にそれぞれ属し当該リソースに関連した1以上のリソースとを表し、
前記プロセッサ部は、ガントチャートにダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたチャートであるオーバーレイチャートを表示し、
前記ガントチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第1のリソース種類について前記プロセッサ部により前記管理情報を基に作成されたチャートであり、リソースに対応した軸であるリソース軸と、前記リソース軸と直交し時間に対応した軸である時間軸とを有し、
前記ダイヤグラムチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第2のリソース種類について前記プロセッサ部により前記管理情報を基に作成されたチャートであり、
前記オーバーレイチャートにおいて、
前記第1のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第1リソースの各々について、前記時間軸によりカバーされる期間である表示対象期間に当該第1リソースの実施時間帯の少なくとも一部が含まれていれば、前記ガントチャートには、当該少なくとも一部の時間帯を表す帯である実施帯があり、
前記第2のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第2リソースの各々について、当該第2リソースに対応した複数の点を結んだ折れ線が、前記ガントチャート上にあり、当該複数の点の各々は、当該第2リソースについて実施された工程の実施時刻と、当該第2リソースと当該工程とに関連した第1リソースとに対応した位置にプロットされている、
製造管理支援システム。
【請求項2】
前記プロセッサ部が、
前記第1のリソース種類の選択をユーザから受け付け、前記管理情報を基に前記第1のリソース種類の前記ガントチャートを作成し、当該ガントチャートを表示し、
前記表示されたガントチャートに、選択された第2のリソース種類に属する複数の第2リソースにそれぞれ対応した複数の折れ線を有する前記ダイヤグラムチャートを重ねる、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項3】
前記管理情報が、1以上の条件セットを表す情報であるパターン情報を含み、
各条件セットは、第1の条件と第2条件とのセットであり、
各条件セットについて、
当該条件セットにおける第1の条件は、いずれかのリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
当該条件セットにおける第2の条件は、当該条件セットにおける第1の条件に対応したリソース種類とは別のリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
前記選択された第2のリソース種類は、前記プロセッサ部により自動で前記パターン情報に基づき選択されたリソース種類であり、前記第1のリソース種類が満たす第1の条件を含む条件セットにおける第2の条件を満たすリソース種類である、
請求項2に記載の製造管理支援システム。
【請求項4】
前記管理情報が、1以上の条件セットを表す情報であるパターン情報を含み、
各条件セットは、第1の条件と第2条件とのセットであり、
各条件セットについて、
当該条件セットにおける第1の条件は、いずれかのリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
当該条件セットにおける第2の条件は、当該条件セットにおける第1の条件に対応したリソース種類とは別のリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
前記プロセッサ部は、
前記第1のリソース種類と前記第2のリソース種類についていずれかの条件セットが満たされるか否かを、前記管理情報を基に判定し、
判定の結果が真であれば、前記オーバーレイチャートのうち、いずれかの条件セットを満たす情報に対応する箇所を、強調する、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項5】
前記管理情報が、1以上の条件セットを表す情報であるパターン情報を含み、
各条件セットは、第1の条件と第2条件とのセットであり、
各条件セットについて、
当該条件セットにおける第1の条件は、いずれかのリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
当該条件セットにおける第2の条件は、当該条件セットにおける第1の条件に対応したリソース種類とは別のリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、
前記プロセッサ部は、表示対象のオーバーレイチャートを決定する処理である表示対象決定処理を行い、
前記表示対象決定処理は、前記複数のリソース種類のうちの1以上のリソース種類の各々について、
当該リソース種類を前記第1のリソース種類として選択することと、
当該選択した第1のリソース種類以外の1以上のリソース種類の各々を前記第2のリソース種類として選択することと、
前記選択した第1のリソース種類と前記選択した第2のリソース種類とについていずれかの条件セットが満たされるか否かを、前記管理情報を基に判定することと、
当該判定の結果が真であれば、前記選択した第1のリソース種類のガントチャートに前記選択した第2のリソース種類のダイヤグラムチャートが重ねられたオーバーレイチャートを候補に決定することと
を含み、
前記プロセッサ部は、前記表示対象決定処理において1以上の候補が決定されている場合、当該1以上の候補のうちのいずれかの候補としてのオーバーレイチャートを表示する、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項6】
前記管理情報が、第3のリソース種類に属するリソースについて前記表示対象期間に属する時刻にイベントが生じたことを表す情報を含んでいる場合、前記オーバーレイチャートにおいて、前記ガントチャート及び前記ダイヤグラムチャートの少なくとも一つにおける、当該イベントが生じた時刻に対応した位置に、当該イベントを表すオブジェクトが重ねられている、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項7】
前記プロセッサ部は、前記第1のリソース種類に属するリソースの実績と第2のリソース種類に属するリソースの実績との関係が所定の条件を満たさない場合に、前記第3のリソース種類に属するリソースについてのイベントを表すオブジェクトを、前記ガントチャート及び前記ダイヤグラムチャートの少なくとも一つに重ねる、
請求項6に記載の製造管理支援システム。
【請求項8】
前記管理情報は、前記複数のリソース種類の各々について、当該リソース種類に属する各リソースについての実施の計画を表す情報を含み、
前記プロセッサ部は、前記第1のリソース種類及び前記第2のリソース種類の少なくとも1つについて、前記管理情報を基に、実績と計画との乖離が一定値以上の時間帯があるリソースを特定した場合、前記オーバーレイチャートにおいて、当該リソースの当該時間帯に対応した箇所を強調する、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項9】
前記プロセッサ部は、時刻毎の滞留数を算出し、
各設備について、時刻毎の滞留数は、当該時刻に滞留している製品の数であり、
前記オーバーレイチャートにおいて、前記ガントチャート及び前記ダイヤグラムチャートのうちの少なくとも一部の表示態様が、算出された滞留数に依存する、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項10】
前記管理情報は、各製品の計画された工程と計画された実施時間帯とを表す情報と、製品と部品の関係を表す情報と、各部品の手配の計画と実績を表す情報とを含み、
前記第1のリソース種類は、Materialであり、
前記プロセッサ部は、Materialに属する製品のうち、実施時間帯が計画された実施時間帯よりも遅い製品について、Materialのガントチャートについて、下記のうちの少なくとも1つを行う、
・現在時刻が、当該製品の計画された実施時間帯の開始時刻よりも後であり、当該現在時刻に当該製品の部品が少なくとも1つが所定の場所に未配膳であれば、部品不足を意味するオブジェクトを、Materialのガントチャートにおける、当該製品と前記現在時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる、
・当該製品の全ての部品が前記所定の場所に配膳されていれば、配膳完了を表すオブジェクトを、Materialのガントチャートにおける、当該製品と当該全ての部品の配膳が完了した時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる、
・計画された実施時間帯の開始時刻になっても未配膳の部品について配膳完了という最後の状態に至るまでの状態遷移と各状態での部品数と時刻との関係を示すオブジェクトを、Materialのガントチャートにおける、当該製品と当該製品の実施時間帯の開始時刻よりも前の時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる、
請求項1に記載の製造管理支援システム。
【請求項11】
複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報を含む管理情報を参照し、
ガントチャートにダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたチャートであるオーバーレイチャートを表示し、
製造に関わる複数のリソース種類として、Man、Machine及びMaterialのうちの2以上のリソース種類があり、
前記管理情報は、前記複数のリソース種類の各々について、当該リソース種類に属するリソース毎に、当該リソースに関し実施された工程と、当該工程の実施時刻と、当該リソースが属するリソース種類とは異なる1以上のリソース種類にそれぞれ属し当該リソースに関連した1以上のリソースとを表し、
前記ガントチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第1のリソース種類について前記参照された管理情報を基に作成されたチャートであり、リソースに対応した軸であるリソース軸と、前記リソース軸と直交し時間に対応した軸である時間軸とを有し、
前記ダイヤグラムチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第2のリソース種類について前記参照された管理情報を基に作成されたチャートであり、
前記オーバーレイチャートにおいて、
前記第1のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第1リソースの各々について、前記時間軸によりカバーされる期間である表示対象期間に当該第1リソースの実施時間帯の少なくとも一部が含まれていれば、前記ガントチャートには、当該少なくとも一部の時間帯を表す帯である実施帯があり、
前記第2のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第2リソースの各々について、当該第2リソースに対応した複数の点を結んだ折れ線が、前記ガントチャート上にあり、当該複数の点の各々は、当該第2リソースについて実施された工程の実施時刻と、当該第2リソースと当該工程とに関連した第1リソースとに対応した位置にプロットされている、
製造管理支援方法。
【請求項12】
複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報を含む管理情報を参照し、
ガントチャートにダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたチャートであるオーバーレイチャートを表示する、
ことをコンピュータに実行させ、
製造に関わる複数のリソース種類として、Man、Machine及びMaterialのうちの2以上のリソース種類があり、
前記管理情報は、前記複数のリソース種類の各々について、当該リソース種類に属するリソース毎に、当該リソースに関し実施された工程と、当該工程の実施時刻と、当該リソースが属するリソース種類とは異なる1以上のリソース種類にそれぞれ属し当該リソースに関連した1以上のリソースとを表し、
前記ガントチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第1のリソース種類について前記参照された管理情報を基に作成されたチャートであり、リソースに対応した軸であるリソース軸と、前記リソース軸と直交し時間に対応した軸である時間軸とを有し、
前記ダイヤグラムチャートは、前記複数のリソース種類のうちの第2のリソース種類について前記参照された管理情報を基に作成されたチャートであり、
前記オーバーレイチャートにおいて、
前記第1のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第1リソースの各々について、前記時間軸によりカバーされる期間である表示対象期間に当該第1リソースの実施時間帯の少なくとも一部が含まれていれば、前記ガントチャートには、当該少なくとも一部の時間帯を表す帯である実施帯があり、
前記第2のリソース種類に属する複数のリソースである複数の第2リソースの各々について、当該第2リソースに対応した複数の点を結んだ折れ線が、前記ガントチャート上にあり、当該複数の点の各々は、当該第2リソースについて実施された工程の実施時刻と、当該第2リソースと当該工程とに関連した第1リソースとに対応した位置にプロットされている、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、製造の管理の支援のためのコンピュータ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製造管理の支援に関する技術として、特許文献1に開示の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6287018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の可視化技術によれば、個々の製品について、製造時間や待ち時間が長いといった不具合が生じた製品を見つけることはできても、そのような不具合が生じた要因の推定は、特許文献1の可視化技術からはできない。
【0005】
また、不具合の要因を推定できないという問題は、ライン製造方式よりも、異なる複数の品種の製品(完成品のベースとなる部品又は材料)が一部の工程を共有する製造方式(例えば、ジョブショップ製造方式、或いは、セル製造方式)での製造管理の方が生じ易いと考えられる。特許文献1の可視化技術は、ライン製造方式に有効であるが、ライン製造方式以外の製造方式には適用は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
支援システムは、複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報を含む管理情報を参照し、ガントチャートにダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたチャートであるオーバーレイチャートを表示する。製造に関わる複数のリソース種類として、製造管理で言うところのいわゆる3M、すなわちMan(製造に関わる人)、Machine(製造に関わる設備(例えば装置))、Material(製造に関わる製品(又はその部品))について、これらのうちの2以上のリソース種類がある。管理情報は、複数のリソース種類の各々について、当該リソース種類に属するリソース毎に、当該リソースに関し実施された工程と、当該工程の実施時刻と、当該リソースが属するリソース種類とは異なる1以上のリソース種類にそれぞれ属し当該リソースに関連した1以上のリソースとを表す。ガントチャートは、複数のリソース種類のうちの第1のリソース種類について参照された管理情報を基に作成されたチャートであり、リソースに対応した軸であるリソース軸と、リソース軸と直交し時間に対応した軸である時間軸とを有する。ダイヤグラムチャートは、複数のリソース種類のうちの第2のリソース種類について上記参照された管理情報を基に作成されたチャートである。オーバーレイチャートにおいて、複数の第1リソース(第1のリソース種類に属する複数のリソース)の各々について、当該第1リソースの実施時間帯の少なくとも一部が表示対象期間(時間軸によりカバーされる期間)に含まれていれば、ガントチャートには、当該少なくとも一部の時間帯を表す帯である実施帯がある。オーバーレイチャートにおいて、複数の第2リソース(第2のリソース種類に属する複数のリソース)の各々について、当該第2リソースに対応した複数の点を結んだ折れ線が、ガントチャート上にあり、当該複数の点の各々は、当該第2リソースについて実施された工程の実施時刻と、当該第2リソースと当該工程とに関連した第1リソースとに対応した位置にプロットされている。
【発明の効果】
【0007】
上述のオーバーレイチャートによれば、第1のリソース種類と第2のリソース種類のうちの一方のリソース種類に属するリソースの実績とそれらのリソース種類のうちの他方のリソース種類に属するリソースの実績との関係が分かり易い。このため、製造システムに適用されている製造方式に関わらず、一方のリソース種類に属するいずれかのリソースについて不具合が生じた要因をユーザが推定することを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の概要を示す。
図2】一実施形態に係る製造管理支援システムの構成を示す。
図3】管理サーバにおいて実現される機能の一例を示す。
図4】実施実績テーブル群の一例を示す。
図5】実施計画テーブル群の一例を示す。
図6】部品関連テーブル群の一例を示す。
図7】リコメンド判定テーブルの一例を示す。
図8】イベント実績テーブル群の一例を示す。
図9】オーバーレイチャートの一例の概念を示す。
図10】オーバーレイチャートの比較例の概念を示す。
図11】オーバーレイチャート作成処理の流れの一例を示す。
図12】第1の要因推定支援処理の流れの一例を示す。
図13】第2の要因推定支援処理の流れの一例を示す。
図14】イベントマッピングの一例を示す。
図15】オーバーレイチャートの別の一例を示す。
図16】オーバーレイチャートの別の一例を示す。
図17】部品に関する情報の表示の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、「インターフェース部」は、1以上のインターフェースを含み、当該1以上のインターフェースは、ユーザインターフェース部と、通信インターフェース部とのうちの少なくとも1つを含んでよい。ユーザインターフェース部は、1以上のI/Oデバイス(例えば入力デバイス(例えばキーボード及びポインティングデバイス)と出力デバイス(例えば表示デバイス))と表示用計算機とのうちの少なくとも1つのI/Oデバイスを含んでもよいし、当該少なくとも1つのI/Oデバイスに対するインターフェースデバイスを含んでよい。通信インターフェース部は、1以上の通信インターフェースデバイスを含んでよい。1以上の通信インターフェースデバイスは、1以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば1以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし2以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0010】
また、以下の説明では、「記憶部」は、1以上のメモリを含む。記憶部に関して少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリでよい。記憶部は、主に、プロセッサ部による処理の際に使用される。記憶部は、メモリの他に、1以上の不揮発性の記憶デバイス(例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive))を含んでもよい。
【0011】
また、以下の説明では、「プロセッサ部」は、1以上のプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサを含んでもよい。1以上のプロセッサの各々は、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。プロセッサは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路を含んでもよい。
【0012】
また、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ部によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部(例えばメモリ)及び/又はインターフェース部(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主語がプロセッサとされてもよい。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサ部あるいはそのプロセッサ部を有する装置が行う処理としてもよい。また、プロセッサ部は、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでもよい。プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0013】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて情報を説明することがあるが、情報は、どのようなデータ構造で表現されていてもよい。すなわち、情報がデータ構造に依存しないことを示すために、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0014】
また、以下の説明では、「製造管理支援システム」は、一以上の計算機で構成されてよい。具体的には、例えば、計算機が表示デバイスを有していて計算機が自分の表示デバイスに情報を表示する場合、当該計算機が製造管理支援システムでよい。また、例えば、第1計算機(例えば管理サーバ)が表示用情報を遠隔の第2計算機(表示用計算機(例えば管理クライアント))に送信し表示用計算機がその情報を表示する場合(第1計算機が第2計算機に情報を表示する場合)、第1計算機と第2計算機とのうちの少なくとも第1計算機が製造管理支援システムでよい。製造管理支援システムが、インターフェース部、記憶部及びそれらに接続されたプロセッサ部を有してよい。製造管理支援システムにおける計算機が「表示用情報を表示する」ことは、計算機が有する表示デバイスに表示用情報を表示することであってもよいし、計算機が表示用計算機に表示用情報を送信することであってもよい(後者の場合は表示用計算機によって表示用情報が表示される)。また、製造管理支援システムにおける管理サーバ及び製造管理支援システムのうちの少なくとも1つの機能は、少なくとも1つの物理的な計算機(例えばクラウド基盤における物理的な計算リソース)により実行される仮想的な計算機(例えばVM(Virtual Machine))によって実現されてもよい。製造管理支援システムの少なくとも一部が、ソフトウェアディファインドでよい。
【0015】
また、「製品」とは、一般に、製造された品物、すなわち、いわゆる完成品を意味するが、以下の説明において、「製品」とは、製造システムに投入される品物全般を意味する。従って、以下の説明において、「製品」とは、製造システムに投入される前の品物も、製造システム途中にある品物(いわゆる「半製品」)も、製造システムにおける該当の全ての工程を経て出荷可能な状態となった完成品のいずれでもよい。
【0016】
また、以下の説明では、工程x(xは自然数)の工程内のことを「工程x内」と表記し、工程xから工程yへの工程間のことを「工程x−y間」と表記することがある。また、以下の説明では、設備X(Xは自然数)の設備内のことを「設備X内」と表記し、設備Xから設備Yへの設備間のことを「設備X−Y間」と表記することがある。
【0017】
図1は、一実施形態の概要を示す。なお、以下の説明では、工程要素として、工程に属する設備が例として採用されるが、工程要素としては、設備に代えて又は加えて、設備以外の工程要素、例えば作業者があり得る。また、以下の説明では、「UI」は、User Interfaceの略であるが、典型的にはGUI(Graphical User Interface)である。
【0018】
製造管理支援システム100が、I/F(インターフェース)部110、記憶部120及びそれらに接続されたプロセッサ部130を有する。記憶部120が、管理情報272及び支援プログラム150を記憶する。
【0019】
管理情報272は、複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報を含む。具体的には、例えば、製造に関わる複数のリソース種類として、本実施形態では、いわゆる3M、具体的には、Man、Machine及びMaterialという3つのリソース種類があり、管理情報272は、3つのリソース種類の各々について、当該リソース種類に属するリソース毎に、当該リソースに関し実施された工程と、当該工程の実施時刻と、当該リソースが属するリソース種類とは異なる1以上のリソース種類にそれぞれ属し当該リソースに関連した1以上のリソースとを表す。工程の実施時刻は、工程の開始時刻から終了時刻までのうち所定の規則に従い選択された1以上の時刻でよいが、本実施形態では、開始時刻及び終了時刻の両方が採用されている。
【0020】
支援プログラム150は、製造管理の支援の一つとして、製造の状況の可視化を行う。具体的には、支援プログラム150は、プロセッサ部130により実行されることで、管理情報272の分析結果に基づき、第1のリソース種類についてのガントチャート17に第2のリソース種類についてのダイヤグラムチャート18が相対的に重ねられたオーバーレイチャート170を作成し、当該オーバーレイチャート170を表示する。オーバーレイチャート170は、選択操作に応答して段階的に作成されてよい。例えば、まず、ガントチャート17が作成され、その後に、ガントチャート17にダイヤグラムチャート18が重ねられてよい(例えば、ガントチャート17の座標系に従いガントチャート17上にダイヤグラム(図1の例では、作業者毎の折れ線24)が描画されてよい)。「選択操作」は、いずれか1以上の対象を選択するユーザ操作であり、例えば、マウスによる範囲選択や、UI上のGUI部品の操作(例えば、ボタンの押下、プルダウンメニューからの選択)でよい。
【0021】
ガントチャート17は、Material(第1のリソース種類の一例)について管理情報272を基に作成されたチャートである。ガントチャート17は、リソース(ここでは製品)に対応した軸であるリソース軸21と、リソース軸21と直交し時間に対応した軸である時間軸22とを有する。ダイヤグラムチャート18は、Man(第2のリソース種類の一例)について管理情報272を基に作成されたチャートである。オーバーレイチャート170において、複数の製品X〜Z(複数の第1リソースの一例)の各々について、当該製品の実施時間帯の少なくとも一部が表示対象期間(時間軸によりカバーされる期間)に含まれていれば、ガントチャート17には、当該少なくとも一部の時間帯を表す帯である実施帯23がある。オーバーレイチャート170において、複数の作業者A〜C(複数の第2リソースの一例)の各々について、当該作業者に対応した複数の点を結んだ折れ線24が、ガントチャート17上にあり、当該複数の点の各々は、当該作業者について実施された工程の実施時刻と、当該作業者と当該工程とに関連した製品に対応した位置にプロットされている。
【0022】
オーバーレイチャート170によれば、Material及びManのうちの一方のリソース種類に属するリソースの実績とMaterial及びManのうちの他方のリソース種類に属するリソースの実績との関係(例えば、製品と作業者と工程の実施時間との関係)が分かる。このため、製造システムに適用されている製造方式に関わらず、Material及びManのうちの一方のリソース種類に属するいずれかのリソースについて不具合が生じた理由をユーザ(例えば、製造システムの管理者)が推定することを可能にできる。
【0023】
以下、本実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図2は、製造管理支援システム100の構成を示す。
【0025】
製造管理支援システム100は、管理サーバ250と、管理サーバ250に接続された1以上の管理クライアント210とを含む。管理サーバ250には、通信ネットワーク(例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネット)290を介して、管理クライアント210及び製造システム200が接続される。
【0026】
製造システム200は、異なる複数の品種の製品が投入されるようになっていて複数の工程のうちの2以上の工程の工程順が品種毎に異なる製造システム(例えば工場)であり、例えば、ジョブショップ製造システムやセル製造システムである。製造システム200は、複数の工程のための複数の設備(装置)と、複数の工程に関し複数の計測項目について定期的に計測を行う複数のセンサと、複数のセンサにより定期的に得られた複数の計測値を格納し当該複数の計測値を管理サーバ250に送信するサーバといったような装置を有する。製造システム200から、定期的に又は不定期的に、情報(例えば、製造動態データ、設備データ、品質計測データなどのような生データ)が、管理サーバ250に送信され管理サーバ250に格納される。当該情報は、例えば、製品について、製品IDと、工程毎の開始時刻及び終了時刻とを含む。なお、製造システム200は、上述の製造システム(例えば、ジョブショップ製造システムやセル製造システム)以外の製造システム、例えばライン製造システムでもよい。
【0027】
管理クライアント210は、I/F部211、記憶部212及びそれらに接続されたプロセッサ部213を有する。
【0028】
I/F部211は、I/F(通信ネットワーク290に接続される通信インターフェースデバイス)221、入力デバイス(例えば、ポインティングデバイス及びキーボード)222、及び、表示デバイス(情報が表示される物理画面を有するデバイス)223を含む。入力デバイス222及び表示デバイス223が一体となったタッチスクリーンが採用されてもよい。
【0029】
記憶部212は、プロセッサ部213で実行されるコンピュータプログラム、及び、プロセッサ部213に使用される情報を記憶する。具体的には、例えば、記憶部212は、管理クライアントプログラム231及びWebブラウザ232を記憶する。管理クライアントプログラム231は、管理サーバ250と通信し、Webブラウザ232経由で、上述したUIを表示する。
【0030】
管理サーバ250は、I/F部251、記憶部252及びそれらに接続されたプロセッサ部253を有する。
【0031】
I/F部251は、I/F(通信ネットワーク290に接続される通信インターフェースデバイス)261を含む。
【0032】
記憶部252は、プロセッサ部253で実行されるコンピュータプログラム、及び、プロセッサ部253に使用される情報を記憶する。具体的には、例えば、記憶部252は、管理サーバプログラム271及び管理情報272を記憶する。管理サーバプログラム271は、管理クライアントプログラム231と通信する。管理情報272は、製造システム200に投入された製品毎の各工程の開始時刻及び終了時刻のような実績に関する情報を含んでよい。管理情報272は、上述した生データを含んでよい。また、管理情報272は、例えば、実績に関する情報の分析結果に基づき作成された情報と、種々の閾値とを含んでよい。
【0033】
管理サーバプログラム271と、管理クライアントプログラム231と、Webブラウザ232との連携処理によって、UIの表示が実現される。
【0034】
図2が示す構成要素と図1が示す構成要素の関係は、例えば次の通りである。すなわち、I/F部211及び251のうちの少なくともI/F部251が、I/F部110に対応する。記憶部212及び252のうちの少なくとも記憶部252が、記憶部120に対応する。プロセッサ部213及び253のうちの少なくともプロセッサ部253が、プロセッサ部130に対応する。管理サーバプログラム271、管理クライアントプログラム231及びWebブラウザ232のうちの少なくとも管理サーバプログラム271が、支援プログラム150に対応する。
【0035】
図3は、管理サーバ250において実現される機能の一例を示す。
【0036】
管理サーバプログラム271がプロセッサ部253により実行されることで図示の機能、すなわち、入力部301、表示部302及び制御部303が実現される。言い換えれば、管理サーバプログラム271が、入力部301、表示部302及び制御部303を有する。
【0037】
入力部301は、情報の入力のための機能である。入力部301は、ユーザ操作受付部311を含む。ユーザ操作受付部311は、ユーザ操作(画面に対してユーザが入力デバイスを使用して行う操作)を受け付けるための機能である。ユーザ操作受付部311は、期間受付部321及び選択受付部322を含む。期間受付部321は、表示対象期間の指定を受け付けるための機能である。選択受付部322は、上述の選択操作を受け付けるための機能である。
【0038】
表示部302は、情報の表示のための機能である。表示部302は、表示作成部331及び表示実行部333を含む。表示作成部331は、UIの表示作成をする(例えばメモリ部上に描画をする)ための機能である。表示実行部333は、表示作成されたUIの表示を実行するための機能である。
【0039】
制御部303は、制御のための機能である。制御部303は、データ管理部341及び分析部342を含む。
【0040】
データ管理部341は、管理情報272に含まれる情報、例えば、実施実績テーブル群351、実施計画テーブル群352、部品関連テーブル群353、リコメンド判定テーブル354及びイベント実績テーブル群355を管理する。例えば、データ管理部341は、製品、作業者及び設備の実績データを取得し当該実績データを基に管理情報272の少なくとも一部(例えば、実施実績テーブル群351及びイベント実績テーブル群355)を更新する。なお、「実績データ」は、製造の実績を表すデータであり、例えば、製品ID(例えば製品番号)、工程ID(例えば工程番号)、時刻(例えば、当該データの収集時刻、又は、当該工程の開始時刻及び終了時刻)、及び、ステータス(例えば、当該工程での処理中、又は、当該工程の終了)を含んだデータである。データ管理部341は、例えば、定期的に又は不定期的に、製造システム200から実績データを収集し、収集した実績データを基に、管理情報272の少なくとも一部を更新する。
【0041】
分析部345は、管理情報272の分析のための機能である。
【0042】
以下、管理情報272に含まれるテーブルの一例を説明する。なお、製造システム200が、上述したように、複数の工程のうちの2以上の工程の工程順が品種毎に異なる製造システムであり、故に、管理情報272は、図示しないが、品種毎に、当該品種に属する製品の製品IDと、当該品種の工程順とを示す情報を含んでいてよい。
【0043】
図4は、実施実績テーブル群351の一例を示す。
【0044】
実施実績テーブル群351は、複数のリソース種類にそれぞれ対応した複数の実施実績テーブルである。本実施形態では、実施実績テーブル群351は、Material実績テーブル(Materialに対応した実施実績テーブル)401と、Man実績テーブル(Manに対応した実施実績テーブル)402と、Machine実績テーブル(Machineに対応した実施実績テーブル)403である。
【0045】
Material実績テーブル401は、製品毎にレコードを有する。各レコードが、製品ID411、時刻412、工程ID413及びステータス414といった情報を格納する。1つの製品を例に取る(図4の説明において「注目製品」)。製品ID411は、注目製品のIDを表す。時刻412は、注目製品に対する工程の実施時刻(実施の開始時刻又は終了時刻)を表す。時刻の単位は、年月日時分秒の単位で表現されるが、時刻の単位は、それよりも粗くても細かくてもよいし、異なる単位でもよい。工程ID413は、注目製品に施される工程のIDを表す。ステータス414は、注目製品に施される工程のステータス(例えば、工程の“開始”、又は、工程の“終了”)を表す。
【0046】
Man実績テーブル402は、作業者毎にレコードを有する。各レコードが、作業者ID421、時刻422、対象製品423、工程ID424及びステータス425といった情報を格納する。1人の作業者を例に取る(図4の説明において「注目作業者」)。作業者ID421は、注目作業者のIDを表す。時刻422は、注目作業者が製品に施す工程の実施時刻を表す。対象製品423は、注目作業者により工程が施される製品のIDを表す。工程ID424は、注目作業者により施される工程のIDを表す。ステータス425は、注目製品に施される工程のステータス(例えば、工程の“開始”、又は、工程の“終了”)を表す。
【0047】
Machine実績テーブル403は、設備毎にレコードを有する。各レコードが、設備ID431、時刻432、対象製品433、工程ID434及びステータス435といった情報を格納する。1つの設備を例に取る(図4の説明において「注目設備」)。設備ID431は、注目設備のIDを表す。時刻432は、注目設備が製品に施す工程の実施時刻を表す。対象製品433は、注目設備により工程が施される製品のIDを表す。工程ID434は、注目設備により施される工程のIDを表す。ステータス425は、注目製品に施される工程のステータス(例えば、工程の“開始”、又は、工程の“終了”)を表す。
【0048】
図5は、実施計画テーブル群352の一例を示す。
【0049】
実施計画テーブル群352は、複数のリソース種類にそれぞれ対応した複数の実施計画テーブルである。本実施形態では、実施計画テーブル群352は、Material計画テーブル(Materialに対応した実施計画テーブル)501と、Man計画テーブル(Manに対応した実施計画テーブル)502と、Machine計画テーブル(Machineに対応した実施計画テーブル)503である。テーブル501〜503の構成は、それぞれ、テーブル401〜403と同様である。すなわち、テーブル501の各レコードが有する情報511〜514は、実績ではなく計画であるという点を除き、情報411〜414と同じである。テーブル502の各レコードが有する情報521〜525も、実績ではなく計画であるという点を除き、情報421〜425と同じである。テーブル503の各レコードが有する情報531〜535も、実績ではなく計画であるという点を除き、情報431〜435と同じである。
【0050】
図6は、部品関連テーブル群353の一例を示す。
【0051】
部品関連テーブル群353は、部品計画実績テーブル601と、部品テーブル602である。
【0052】
部品計画実績テーブル601は、各部品の発注、納品及び配膳(当該部品を使用する工程の現場へ届いた状態)といった複数の状態に関し計画と実績とを表す。部品計画実績テーブル601は、各部品の発注、納品及び配膳(当該部品を使用する工程の現場へ届いた状態)といった複数の状態に関し計画と実績とを表す。具体的には、例えば、部品計画実績テーブル601は、部品毎にレコードを有する。各レコードが、部品ID611、発注予定日612、納品予定日613、配膳予定日614、発注日615、納品日616、配膳日617及びステータス618といった情報を格納する。1つの部品を例に取る(図6の説明において「注目部品」)。部品ID611は、注目部品のIDを表す。情報612〜614は、注目部品の計画に関する情報であり、情報615〜617は、注目部品の実績に関する情報である。発注予定日612は、注目部品の発注が予定される日を表す。納品予定日613は、注目部品の納品が予定される日を表す。配膳予定日614は、注目部品の配膳が予定される日を表す。発注日615は、注目部品が発注された日を表す。納品日616は、注目部品が納品された日を表す。配膳日617は、注目部品が配膳された日を表す。ステータス618は、注目部品のステータスを表す。
【0053】
部品テーブル602は、各部品について、使用される製品及び工程を表す。具体的には、例えば、部品テーブル602は、部品毎にレコードを有する。各レコードが、部品ID621、使用工程622、品種623及び対象製品624といった情報を格納する。1つの部品を例に取る(図6の説明において「注目部品」)。部品ID621は、注目部品のIDを表す。使用工程622は、注目部品の配膳先の工程のIDを表す。品種623は、注目部品が搭載される製品が属する品種のIDを表す。対象製品624は、注目部品が搭載される製品のIDを表す。
【0054】
図7は、リコメンド判定テーブル354の一例を示す。
【0055】
リコメンド判定テーブル354は、リソース種類間の関係に関する1以上のリコメンド条件と、1以上のリコメンド条件の各々について当該リコメンド条件を満たす推定される要因とを表す。具体的には、例えば、リコメンド判定テーブル354は、リコメンド条件毎にレコードを有する。各レコードは、リコメンド条件701及び推定要因702といった情報を格納する。1つの部品を例に取る(図7の説明において「注目リコメンド条件」)。
【0056】
リコメンド条件701は、リコメンド条件を表す情報である。リコメンド条件701は、第1の実績状況711及び第2の実績状況712といった情報を含む。
【0057】
第1の実績状況711は、注目リコメンド条件に関わるリソース種類ペア(2つのリソース種類A及びB)のうちのリソース種類Aに属するリソースの実績状況を表す。第1の実績状況711は、リソース種類761、該当状況762及び閾値763といった情報を含む。リソース種類761は、リソース種類AのIDを表す。該当状況762は、リソース種類Aに属するリソースの該当する状況(例えば、“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値以上”)を表す。閾値763は、当該状況に従う値(例えば、直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差)と比較される閾値を表す。
【0058】
第2の実績状況722は、注目リコメンド条件に関わるリソース種類ペア(2つのリソース種類A及びB)のうちのリソース種類Bに属するリソースの実績状況を表す。第2の実績状況722は、リソース種類771、該当状況772及び閾値773といった情報を含む。リソース種類771は、リソース種類BのIDを表す。該当状況772は、リソース種類Bに属するリソースの該当する状況(例えば、“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値未満”)を表す。閾値773は、当該状況に従う値と比較される閾値を表す。
【0059】
推定要因702は、注目リコメンド条件を満たす要因として推定される要因を表す。
【0060】
リコメンド判定テーブル354によれば、例えば、下記が可能である。
・或る製品について或る工程が終了したにも関わらず次の工程が開始されないという停滞が生じていることと、当該次の工程を担当する作業員が忙しいということとが、関係していることの特定。
・当該製品の停滞の要因が当該作業員の忙しさにあるとの推定。
【0061】
リコメンド判定テーブル354の1以上のレコードにおける少なくとも一部の情報は、ユーザから手動で入力された情報に従い追加又は変更された情報でもよいし、機械学習の結果として追加又は変更された情報でもよい。
【0062】
以上のリコメンド判定テーブル354は、1以上の条件セットを表す情報であるパターン情報の一例である。各条件セットは、第1の条件と第2条件とのセットである。各条件セットについて、当該条件セットにおける第1の条件は、いずれかのリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件であり、当該条件セットにおける第2の条件は、当該条件セットにおける第1の条件に対応したリソース種類とは別のリソース種類について工程間の時刻と工程内の時刻とのうちの少なくとも1つについての条件である。リコメンド条件701が、条件セットを表す情報の一例である。第1の実績状況711が、第1の条件を表す情報の一例である。第2の実績状況712が、第2の条件を表す情報の一例である。
【0063】
図8は、イベント実績テーブル群355の一例を示す。
【0064】
イベント実績テーブル群355は、複数のリソース種類にそれぞれ対応した複数のイベントイベントテーブルである。本イベント形態では、イベント実績テーブル群355は、Materialイベントテーブル(Materialに対応したイベント実績テーブル)801と、Manイベントテーブル(Manに対応したイベント実績テーブル)802と、Machineイベントテーブル(Machineに対応したイベント実績テーブル)803である。
【0065】
Materialイベントテーブル801は、製品毎にレコードを有する。各レコードが、製品ID811、時刻812、工程ID813及びイベント814といった情報を格納する。1つの製品を例に取る(図8の説明において「注目製品」)。製品ID811は、注目製品のIDを表す。時刻812は、注目製品に対する工程について発生したイベントの発生時刻(例えば、イベントの開始時刻又は終了時刻)を表す。イベント814は、当該イベントの内容(例えば概要又は種類)を表す。
【0066】
Manイベントテーブル802は、作業者毎にレコードを有する。各レコードが、作業者ID821、時刻822、対象製品823、工程ID824及びイベント825といった情報を格納する。1人の作業者を例に取る(図8の説明において「注目作業者」)。作業者ID821は、注目作業者のIDを表す。時刻822は、注目作業者が製品に施す工程について発生したイベントの発生時刻を表す。対象製品823は、注目作業者により工程が施される製品のIDを表す。工程ID824は、注目作業者により施される工程のIDを表す。イベント825は、注目製品に施される工程についてのイベントの内容を表す。
【0067】
Machineイベントテーブル803は、設備毎にレコードを有する。各レコードが、設備ID831、時刻832、対象製品833、工程ID834及びイベント835といった情報を格納する。1つの設備を例に取る(図8の説明において「注目設備」)。設備ID831は、注目設備のIDを表す。時刻832は、注目設備が製品に施す工程について発生したイベントの発生時刻を表す。対象製品833は、注目設備により工程が施される製品のIDを表す。工程ID834は、注目設備により施される工程のIDを表す。イベント825は、注目製品に施される工程についてのイベントの内容を表す。
【0068】
イベント実績テーブル群355の1以上のレコードにおける少なくとも一部の情報は、ユーザから手動で入力された情報に従い追加又は変更された情報でもよいし、上述の生データを基に追加又は変更された情報でもよい。また、少なくとも1つのリソース種類について、少なくとも1つのイベントに関し、イベントの発生時刻に代えて、当該イベントが生じていた期間を特定するための情報(例えば、イベントの開始時刻と終了時刻)が、イベント実績テーブルに格納されていてもよい。
【0069】
図9は、本実施形態に係るオーバーレイチャートの一例の概念を示す。なお、以下の説明では、第nのリソース種類(nは自然数)に属するリソースを「第nリソース」と呼ぶことにする。
【0070】
オーバーレイチャート170は、第1のリソース種類(例えばMaterial)のガントチャート17に、第2のリソース種類(例えばMan)のガントチャート19の変換後のダイヤグラムチャート18が相対的に重ねられたチャートである。各リソース種類について、ガントチャートもダイヤグラムチャートも、当該リソース種類に属する複数のリソースの各々の実績を表す実績チャートに相当する。
【0071】
第1のリソース種類の実績チャートとして、ガントチャートが採用される。1つのリソース種類について、当該リソース種類に属する各リソースについての実施(例えば、稼働又は作業)の時間帯を並べて見る場合には、第1の軸をリソース軸とし第2の軸(第1の軸と直交する軸)を時間軸とするガントチャートが、全リソースを俯瞰する上で視認性が良好である。そして、ガントチャートは、製造管理において一般的に利用されているチャートである。そのため、第1のリソース種類の実績チャートがガントチャートであれば、表示内容をユーザが理解し易いと考えられる。
【0072】
ユーザは、第1のリソース種類について、ガントチャート17から、実施帯23(実施の時間帯を表す帯)の長さや、実施帯23間の長さから、不具合が生じている第1リソース(例えば、実施帯23間が十分に長いことが表す停滞が生じている第1リソース)を見つけることができる。なお、各第1リソースについて、表示対象期間(ガントチャート17の時間軸によりカバーされる期間)に当該第1リソースの実施時間帯の少なくとも一部が含まれていれば、ガントチャート17には、当該少なくとも一部の時間帯を表す実施帯23がある。
【0073】
同様に、ユーザは、第2のリソース種類についても、ガントチャート19から、実施帯28の長さや、実施帯28間の長さから、不具合が生じている第2リソース(例えば、実施帯28間が十分に短いことが表す高負荷が生じている第2リソース)を見つけることができる。
【0074】
しかし、ガントチャート17やガントチャート19からは、不具合が生じているリソースを見つけることができても、その不具合の要因を推測することはできない。
【0075】
そこで、第1のリソース種類のガントチャート17と第2のリソース種類のガントチャート19とを重ね合わせることを検討する。ガントチャート17とガントチャート19との重ね合わせの結果の一例として、図10に示すオーバーレイチャート10が考えられる。オーバーレイチャート10によれば、第1のリソース種類(第1のリソース種類及び第2のリソース種類のうちベースとされた方のリソース種類の一例)に属する各第1リソースについて、実施帯23の他に、当該第1リソースについての実施に関わる第2リソースについて、実施帯28が描画される。
【0076】
しかし、単純に2つのガントチャートを重ね合わせただけでは、ユーザが着目した第2リソースと第1リソースについての実施との関係(例えば、履歴及び流れ)を辿りづらく、前後工程の実施(例えば作業)の影響が分かりづらい。故に、リソースについて生じた不具合の要因を推測することは、困難である。
【0077】
本実施形態では、図9に例示のオーバーレイチャート170の通り、各第2リソース(図9の例では各作業者)については、実施帯28に代えて折れ線24が採用される。具体的には、上述したように、オーバーレイチャート170において、各第2リソースについて、当該第2リソースに対応した複数の点を結んだ折れ線24が、ガントチャート17上にあり、当該複数の点の各々は、当該第2リソースについて実施された工程の実施時刻と、当該第2リソースと当該工程とに関連した第1リソース(図9の例では製品)とに対応した位置(座標)にプロットされている。このように、第1のリソース種類の実績チャートをガントチャート17とし第2リソース種類の実績チャートをダイヤグラムチャート18としガントチャート17にダイヤグラムチャート18を重ねることで、各第1リソースの実施帯23に複数の第2リソースの複数の折れ線24が関連付く。このため、ユーザが着目する第2リソースがいずれの第1リソースについて工程の実施を行ってきたかを辿ることが容易である。結果として、第1リソースに対する第2リソースの影響を把握し易く、故に、第1リソースについて生じた不具合の要因を推測できる。すなわち、単純に2つのガントチャート17及び19を重ね合わせることではユーザにとって不具合を推定することは困難であったが、本実施形態に係るオーバーレイチャート170からは、ユーザは不具合を推定し易い。例えば、図9に例示のオーバーレイチャート170によれば、ユーザは、次のことがわかる。すなわち、箇所(実施帯間)901によれば、製品Xの停滞が長く、箇所901に関連する箇所(線分)902によれば、作業者Cが高負荷の状況である。従って、ユーザは、製品Xの停滞の要因が、製品Xについて作業者Cによる工程開始待ちであることを、推定できる。そのように推定された要因に対する対処として、例えば、前工程のトラブル等の状況を確認したり、作業員の配置を変更したりすることが考えられる。
【0078】
また、表示デバイスが有するディスプレイ画面の限られた表示範囲において、第1のリソース種類のガントチャート17をベースとして第2のリソース種類の観点での前後工程のつながりについての視認性が向上する。
【0079】
オーバーレイチャート170では、第2リソース毎に、折れ線24の表示態様(例えば、色、太さ、線種)は異なっていてもよい。
【0080】
また、オーバーレイチャート170において、第1のリソース種類のガントチャートには、2以上の第2のリソース種類にそれぞれ対応した2以上のダイヤグラムチャートが重ねられてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、管理サーバプログラム271が、実施実績テーブル群351とリコメンド判定テーブル354を基に、第1のリソース種類と第2のリソース種類についていずれかのリコメンド条件が満たされているか否かを判定してよい。当該リコメンド条件が見つかった場合、管理サーバプログラム271が、オーバーレイチャート170における、当該満たされているリコメンド条件に該当する箇所を、強調してよい。これにより、ユーザは、第1のリソース種類と第2のリソース種類との互いの影響に関し着目すべき状況を迅速に特定できる。なお、図9の例では、次の通りである。満たされたリコメンド条件に関し、第1のリソース種類についての条件は、“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値以上”であり、第2のリソース種類についての条件は、“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値未満”である。オーバーレイチャート170における該当箇所は、製品Xについての箇所901と、作業者Cについての箇所902である。箇所901及び902の各々が強調される。図9の例では、強調は、枠の表示や線を太くすることであるが、それに代えて、テキストの表示等の他の方法が採用されてよい。
【0082】
以下、本実施形態で行われる処理の幾つかの例を説明する。
【0083】
図11は、オーバーレイチャート作成処理の流れの一例を示す。図11の説明では、第1のリソース種類をMaterialとし、第2のリソース種類をManとする。
【0084】
S1101では、管理サーバプログラム271は、Material実績テーブル401(図4参照)を参照し、表示対象期間に時刻(時刻412が表す時刻)が含まれる各製品について、ガントチャートを作成する。表示対象期間は、ユーザから指定された期間でよいが、管理サーバプログラム271により自動決定された期間でもよい。ガントチャートは、上述したように、リソース軸(例えば縦軸)と、リソース軸と直交する時間軸(例えば横軸)とを有する。リソース軸における座標を「リソース座標」と言い、「時間軸」における座標を「時間座標」と言うことができる。
【0085】
S1102では、管理サーバプログラム271は、N個の実施帯の各々にインデックスiを割り振る。Nは、ガントチャートにおける実施帯の数である。iは、自然数であり、1からの通し番号である。図11の説明において、インデックスiの実施帯を「実施帯i」と言う。
【0086】
S1103では、管理サーバプログラム271は、i=1の実施帯に着目する。
【0087】
S1104では、管理サーバプログラム271は、実施帯iに対応する製品ID及び工程IDを取得する。「実施帯iに対応する製品ID」は、実施帯iのリソース座標に対応した製品の製品IDである。「実施帯iに対応する工程ID」は、実施帯iを表す時刻412及びステータス414に対応した工程ID413が表す工程IDである。
【0088】
S1105では、管理サーバプログラム271は、S1105で取得した製品ID及び工程IDに対応するレコード(当該製品IDを表す対象製品423と当該工程IDを表す工程ID424とを格納したレコード)をMan実績テーブル402から取得する。
【0089】
S1106では、管理サーバプログラム271は、S1106で取得したレコードから、ステータス425が“開始”又は“終了”である時刻422を特定し、特定した時刻422が表す時刻と対象製品423が表す製品IDとに対応した位置(リソース座標及び時間座標)に点をプロットする。管理サーバプログラム271は、プロットした点に、S1106で取得したレコードにおける作業者ID421が表す作業者IDを関連付ける。
【0090】
S1107では、管理サーバプログラム271は、i=Nか否か、すなわち、N個の実施帯についてS1104〜S1106を行ったか否かを判定する。S1107の判定結果が偽の場合(S1107:No)、管理サーバプログラム271は、iを1インクリメントし(S1108)、S1104以降を行う。
【0091】
S1107の判定結果が真の場合(S1107:Yes)、S1109で、管理サーバプログラム271は、S1106で関連付けられた作業者ID毎に、同じ作業者IDに対応した点同士を時系列の順に線で結ぶ。
【0092】
以上のようにして、MaterialのガントチャートにManのダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたオーバーレイチャートが作成される。すなわち、Materialのガントチャートにおける座標系に従い、作業者毎に、当該作業者による実施の時刻と実施の対象の製品とに対応した座標に点がプロットされ、点同士が線で結ばれる。各製品について、点は、作業者による実施の時刻に依存するため、必ずしも、製品に対応した実施帯の両端にプロットされるとは限らない。例えば、実施帯間に点がプロットされることがあり得る。
【0093】
本実施形態では、オーバーレイチャートに関わるリソース種類の選択は、ユーザにより行われてもよいし管理サーバプログラム271により行われてもよい。いずれのケースについても、不具合の要因の推定を支援する処理である要因推定支援処理が行われる。以下、それぞれのケースの一例を説明する。
【0094】
<ユーザによりリソース種類が選択されるケース>
【0095】
図12は、第1の要因推定支援処理の流れの一例を示す。なお、図12の例によれば、第1のリソース種類としてMaterialがユーザにより選択済であり、第2のリソース種類としてManがユーザにより選択済である。図12に例示の第1の要因推定支援処理は、例えば、Material及びManが選択された後にユーザから所定の指示(例えば、製造実績のチェックの指示)を受け付けたときに開始されてよい。
【0096】
S1201では、管理サーバプログラム271は、Materialについてのガントチャートのうち停滞箇所に対するユーザ指定(例えば、クリック又はタッチ)を受け付ける。停滞箇所とは、いずれかの製品について停滞の長いことを表す箇所(例えば、実施帯間が長い箇所)であり、ユーザが着目する箇所の一例である。ユーザ指定は、ユーザ操作の一例である。
【0097】
S1202では、管理サーバプログラム271は、S1201で指定された停滞箇所の後ろに続く実施帯に対応する製品ID及び工程IDを特定し、当該製品ID及び工程IDをキーとして、Man実績テーブル402から、対応するレコードを取得する。
【0098】
S1203では、管理サーバプログラム271は、S1202で取得されたレコードから作業者IDを特定する。
【0099】
S1204では、管理サーバプログラム271は、S1203で特定された作業者IDをキーとして、Man実績テーブル402から、対応するレコードを取得する。ここでは、当該作業者IDを表す作業者ID421を持つ全てのレコードが取得される。
【0100】
S1205では、管理サーバプログラム271は、S1204で取得されたレコードを時系列順(時刻422が表す時刻の昇順)に並べる。管理サーバプログラム271は、その時系列順のレコードから、S1202でキーとした製品ID及び工程IDに対応する作業(工程)の直前に実施した作業(工程)のステータス425“完了”を表すレコードを特定する。
【0101】
S1206では、管理サーバプログラム271は、S1205で特定されたレコードが表す時刻(つまり前工程の終了時刻)と、S1202でキーとした製品ID及び工程IDに対応するレコードが表す作業(工程)の開始時刻(ステータス425“開始”に対応した時刻422が表す時刻)との差を算出する。
【0102】
S1207では、管理サーバプログラム271は、S1206で算出された差(D)が、リコメンド判定テーブル354における閾値715(“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値未満”に対応した閾値715)が表す閾値(Th)未満か否かを判定する。
【0103】
S1207の判定結果が真の場合(S1207:Yes)、S1208で、管理サーバプログラム271は、S1203で特定された作業者IDが表す作業者を停滞の要因候補と判定する。
【0104】
S1207の判定結果が偽の場合(S1207:No)、S1209で、管理サーバプログラム271は、S1203で特定された作業者IDが表す作業者が停滞の要因がではなく要因は別に存在すると判定する。
【0105】
以上が、第1の要因推定支援処理の流れの一例である。その処理の説明を、例えば下記のように総括することができる。
【0106】
管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類の選択をユーザから受け付け、管理情報272(例えば、第1のリソース種類に対応した実績テーブル)を基に第1のリソース種類のガントチャートを作成し、当該ガントチャートを表示してよい。管理サーバプログラム271は、表示されたガントチャートに、選択された第2のリソース種類に属する複数の第2リソースにそれぞれ対応した複数の折れ線を有するダイヤグラムチャートを重ねてよい。このように、ユーザが選択したリソース種類についてのガントチャートをベースに、オーバーレイチャートが作成されるので、ユーザにとって、着目するリソース種類について生じた不具合を特定することや、その不具合の要因を推定することが、容易であることが期待される。なお、第2のリソース種類の選択は、ユーザによって行われてもよいが、管理サーバプログラム271によって自動で行われてもよい。例えば、管理サーバプログラム271は、リコメンド判定テーブル354に基づき、第1のリソース種類により満たされる第1の実績状況711を含むリコメンド条件701における第2の実績状況712を満たすリソースが属するリソース種類を特定し、当該リソース種類を第2のリソース種類として選択してよい。これにより、ユーザが着目するリソース種類について生じた不具合の要因であり得るリソースが属するリソース種類が自動で特定されるので、不具合の要因を推定することに関しユーザを一層支援することができる。第1のリソース種類のガントチャート上には、特定された不具合の要因であり得るリソースについての折れ線のみが描画されてもよいし、選択された第2のリソース種類に属する各リソースの折れ線が描画されてもよい。
【0107】
また、管理サーバプログラム271は、第2のリソース種類の選択をユーザから受け付け、管理情報272(例えば、第2のリソース種類に対応した実績テーブル)を基に第2のリソース種類のダイヤグラムチャートを作成し、当該ダイヤグラムチャートを表示してよい。管理サーバプログラム271は、表示されたダイヤグラムチャートの背面に、選択された第1のリソース種類のダイヤグラムチャートを重ねてもよい。すなわち、先にダイヤグラムチャートが表示されその後にそのダイヤグラムチャートがガントチャートに重ねられることでオーバーレイチャートが作成されてもよい。
【0108】
<管理サーバプログラム271によりリソース種類が選択されるケース>
【0109】
図13は、第2の要因推定支援処理の流れの一例を示す。図13に例示の第2の要因推定支援処理は、例えば、ユーザから所定の指示(例えば、製造実績のチェックの指示)を受け付けたときに開始されてよい。
【0110】
S1301では、管理サーバプログラム271は、複数のリソース種類から第1のリソース種類を選択する。
【0111】
S1302では、管理サーバプログラム271は、複数のリソース種類のうち第1のリソース種類以外のリソース種類から、第2のリソース種類を選択する。
【0112】
S1303では、管理サーバプログラム271は、実施実績テーブル群351のうちの第1のリソース種類に対応した実績テーブルを参照し、停滞箇所を特定する。図13において、「停滞箇所」とは、実施時間帯間の長さ(或る工程の開始時刻と直前の工程の終了時刻との差)が一定値以上である箇所を意味する。また、図13において、「実施時間帯」とは、或る工程の開始時刻から当該工程の終了時刻までの時間帯を意味する。
【0113】
S1304では、管理サーバプログラム271は、S1303で特定した停滞箇所の後ろに続く実施時間帯に対応する所定種類のID(例えば、製品ID、工程ID、作業者ID及び設備IDのうちの少なくとも1つ)をキーとして、第2のリソース種類に対応する実績テーブルから、対応するレコードを取得する。
【0114】
S1305では、管理サーバプログラム271は、S1304で取得されたレコードから、第2のリソース種類について主となるID(典型的には、第2のリソース種類に属するリソースのID)を取得する。
【0115】
S1306では、管理サーバプログラム271は、S1305で取得されたIDをキーとして、第2のリソース種類に対応する実績テーブルから、レコードを取得する。
【0116】
S1307では、管理サーバプログラム271は、S1306で取得されたレコードを時系列順に並べ、その時系列順のレコードから、S1304でキーとしたIDに対応する工程の直前に実施された工程のステータス425“完了”を表すレコードを特定する。
【0117】
S1308では、管理サーバプログラム271は、S1307で取得されたレコードが表す時刻(つまり前工程の終了時刻)と、S1304でキーとしたIDに対応するレコードが表す工程の開始時刻(ステータス425“開始”に対応した時刻422が表す時刻)との差を算出する。
【0118】
S1309では、管理サーバプログラム271は、S1308で算出された差(D)が、リコメンド判定テーブル354における閾値715(“直前の工程の終了時刻と次の工程の開始時刻との差が閾値未満”に対応した閾値715)が表す閾値(Th)未満か否かを判定する。
【0119】
S1309の判定結果が真の場合(S1309:Yes)、S1310では、管理サーバプログラム271は、S1305で取得されたIDが表す第2リソースを停滞の要因候補と判定する。
【0120】
S1309の判定結果が偽の場合(S1309:No)、S1311では、管理サーバプログラム271は、停滞の要因が別にあると判定する。
【0121】
S1312では、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類以外の各リソース種類を第2のリソース種類として選択したか否かを判定する。
【0122】
S1312の判定結果が偽の場合(S1312:No)、S1313で、管理サーバプログラム271は、第2のリソース種類として未選択のリソース種類のうちのいずれかを第2のリソース種類として選択する。その後、処理がS1303に戻る。
【0123】
S1312の判定結果が真の場合(S1312:Yes)、S1314で、管理サーバプログラム271は、各リソース種類を第1のリソース種類として選択したか否かを判定する。
【0124】
S1314の判定結果が偽の場合(S1314:No)、S1315で、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類として未選択のリソース種類のうちのいずれかを第1のリソース種類として選択する。その後、処理がS1302に戻る。
【0125】
S1314の判定結果が真の場合(S1314:Yes)、S1316で、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類に関する停滞とその停滞の要因候補としての第2リソースとの組に関する情報の一覧を表示する。その一覧からいずれかの組がユーザにより指定された場合、管理サーバプログラム271は、指定された組に属する第1のリソース種類のガントチャートと、指定された組に属する第2のリソース種類のダイヤグラムチャートとが重ねられたオーバーレイチャートを作成して表示してよい。
【0126】
以上が、第2の要因推定支援処理の流れの一例である。その処理の説明を、例えば下記のように総括することができる。
【0127】
管理サーバプログラム271は、表示対象のオーバーレイチャートを決定する処理である表示対象決定処理を行ってよい。表示対象決定処理は、複数のリソース種類のうちの1以上のリソース種類の各々について、下記を含んでよい。
・当該リソース種類を前記第1のリソース種類として選択すること。
・当該選択した第1のリソース種類以外の1以上のリソース種類の各々を第2のリソース種類として選択すること。
・選択した第1のリソース種類と選択した第2のリソース種類とについていずれかの条件セットが満たされるか否かを、リコメンド判定テーブル354を基に判定すること。
・当該判定の結果が真であれば、選択した第1のリソース種類のガントチャートに選択した第2のリソース種類のダイヤグラムチャートが重ねられたオーバーレイチャートを候補に決定すること。
【0128】
管理サーバプログラム271は、表示対象決定処理において1以上の候補が決定されている場合、当該1以上の候補のうちのいずれかの候補としてのオーバーレイチャートを表示してよい。これにより、ユーザは、リソース種類1つ1つを選択すること無しに(第1のリソース種類と第2のリソース種類のいずれも選択しなくても)、不具合が生じているリソースが属するリソース種類のガントチャート(又はダイヤグラムチャート)にその不具合の要因の可能性があるリソースが属するリソース種類のダイヤグラムチャート(又はガントチャート)が重ねられたオーバーレイチャートを見ることができる。このため、製造管理に関しユーザの作業負担が軽減することが期待される。
【0129】
本実施形態では、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類と第2のリソース種類のうちの少なくとも1つの選択(指定)をユーザから受け付けることができるが、それに加えて、第3のリソース種類の選択(指定)を受け付けることもできる。例えば、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類を受け付けるUI(例えばGUI部品)と、第2のリソース種類を受け付けるUIとのうちの少なくとも1つを提供できるが、それに加えて、第3のリソース種類を受け付けるUIを提供することもできる。第3のリソース種類がユーザ又は管理サーバプログラム271により選択された場合、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類のガントチャートと第2のリソース種類のダイヤグラムチャートとが重ねられたオーバーレイチャートに、第3のリソース種類のイベントマップを重ねることができる。具体的には、例えば、第3のリソース種類に対応したイベント実績テーブルが、当該第3のリソース種類に属する第3リソースについて表示対象期間に属する時刻にイベントが生じたことを表す情報を含んでいる場合、管理サーバプログラム271は、オーバーレイチャートにおいて、ガントチャート及びダイヤグラムチャートの少なくとも一つにおける、当該イベントが生じた時刻に対応した位置に、当該イベントを表すオブジェクト(例えばマーク)を重ねてもよい。これにより、第1のリソース種類と第2のリソース種類の少なくとも1つについて生じた不具合の要因をユーザにとって推定し易くなることが期待される。また、第3のリソース種類のイベントマップは、ガントチャート及びダイヤグラムチャートよりも情報量が少ないので、イベントマップが重ねられることでオーバーレイチャートの情報量が増えても、良好な視認性を維持することができる。なお、イベントオブジェクト(イベントを表すオブジェクト)は、当該イベントオブジェクトが表すイベントが生じた期間に応じた長さを有していてもよい。イベントオブジェクト1401の表示態様は、当該イベントオブジェクト1401が表すイベントの種類に依存してよい。
【0130】
上述したように、イベントオブジェクトは、ガントチャート及びダイヤグラムチャートのいずれに重ねられてもよい。例えば、下記のうちの少なくとも1つが採用されてもよい。例えば、管理サーバプログラム271は、第3リソースについて生じたイベントが第1リソースと第2リソースのいずれに最も関連するかを判定し、関連すると判定された方のリソースが属するリソース種類に対応したチャートに、イベントオブジェクトを重ねてもよい。
図14(a)に例示するように、イベントオブジェクト1401がガントチャートに重ねられる。具体的には、イベントオブジェクト1401が、当該イベントオブジェクト1401が表すイベントが生じた第3リソースのIDに対応する第1リソースID(例えば、製品ID)と、当該イベントが生じた時刻とに対応した位置(座標)に重ねられる。図14(a)の例で言えば、第1のリソース種類がMaterialであり、第2のリソース種類がManのため、第3のリソース種類はMachineである。従って、イベントオブジェクト1401が表すイベントは、設備について生じたイベントである。イベントオブジェクト1401は、例えば、時間軸方向に延びた矩形のオブジェクトであり、実施帯の表示範囲(帯状の範囲)の隣(リソース軸方向に沿っての隣)に重ねられる。イベントオブジェクト1401は、イベントを表すテキストを有してよい。
図14(b)に例示するように、イベントオブジェクト1402がダイヤグラムチャートに重ねられる。具体的には、イベントオブジェクト1402が、当該イベントオブジェクト1402が表すイベントが生じた第3リソースのIDに対応する第2リソースID(例えば、作業者ID)と、当該イベントが生じた時刻とに対応した位置(座標)に重ねられる。
【0131】
また、本実施形態では、管理サーバプログラム271は、第3のリソース種類がユーザから選択されたことに代えて、第1のリソース種類に属するリソースの実績と第2のリソース種類に属するリソースの実績との関係が所定の条件を満たさない場合に(例えば、リコメンド判定テーブル354が表すいずれのリコメンド条件を満たさない場合に)、第3のリソース種類に属するリソースについてのイベントを表すイベントオブジェクトを、ガントチャート及びダイヤグラムチャートの少なくとも一つに重ねてよい。例えば、イベントオブジェクトを重ねることは、図12のS1209や図13のS1311が行われたことを契機に行われてよい。これにより、第1のリソース種類の実績と第2のリソース種類の実績との関係からは不具合の要因の推測ができない場合にはイベントオブジェクトがマッピングされるので、当該不具合の要因を推測できる可能性を高めることができる。
【0132】
上述の説明では、主に、一例として、第1のリソース種類としてMaterialが採用され、第2のリソース種類としてManが採用されるが、第1のリソース種類も第2のリソース種類も上述の例に限られない。例えば、図15(a)に例示するように、第1のリソース種類がManであり、第2のリソース種類がMaterialでもよいし、図15(b)に例示するように、第1のリソース種類がMaterialであり、第2のリソース種類がMachineでもよい。
【0133】
また、本実施形態では、管理サーバプログラム271は、第1のリソース種類及び第2のリソース種類の少なくとも1つについて、実施実績テーブル群351と実施計画テーブル群352とを基に、実績と計画との乖離が一定値以上の時間帯があるリソースを特定した場合、オーバーレイチャートにおいて、当該リソースの当該時間帯に対応した箇所を強調してよい。これにより、不具合の要因を推測できる可能性が高まることが期待される。なお、具体的には、例えば、下記のうちの少なくとも1つが採用されてよい。
図16(a)に示すように、第1のリソース種類について、第1リソース毎に、計画された実施時間帯を表すオブジェクトである計画帯1601が、例えば、実施帯23の表示範囲(時間軸方向に延びた帯状の範囲)の隣に表示される。これにより、実施帯23の表示を維持しつつ、計画帯1601の表示が可能である。そして、実際の実施時間帯との乖離が一定値以上の計画された実施時間帯があれば、当該計画された実施時間帯に対応した計画帯1601Xが強調される。
図16(a)に示すように、少なくとも1つの第2リソースについて、計画された実施時間帯との乖離が一定値以上の実際の実施時間帯があれば、符号1602が例示する通り、当該実施時間帯に対応した線分が、強調される。
・図示しないが、少なくともMaterialに対応した実施計画テーブルが表す計画は、標準タイム(ST)とリードタイム(LT)とを表していてもよい。STは、工程毎に設けられた基準となる作業実施時間である。LTは、品種に対応した一連の工程の開始から終了までの基準となる作業実施時間である。管理サーバプログラム271は、Material実績テーブル401から、各製品について、実際のSTとLTとを算出してよい。算出された実際のSTとの乖離が一定値以上である計画されたSTがある場合、ガントチャート又はダイヤグラムチャートのうち当該STに対応した箇所が、管理サーバプログラム271により強調されてよい。また、算出された実際のLTとの乖離が一定値以上である計画されたLTがある場合、ガントチャート又はダイヤグラムチャートのうち当該LTに対応した箇所が、管理サーバプログラム271により強調されてよい。
【0134】
また、本実施形態では、時刻毎の滞留数を算出してよい。時刻毎の滞留数は、当該時刻に滞留している製品の数である。また、滞留数は、例えば、Material以外のリソース種類に属するリソース、例えば、設備毎又は作業者毎に算出されてよい。オーバーレイチャートにおいて、ガントチャート及びダイヤグラムチャートのうちの少なくとも一部の表示態様が、算出された滞留数に依存してよい。これにより、不具合の要因を推測できる可能性が高まることが期待される。なお、具体的には、例えば、下記のうちの少なくとも1つが採用されてよい。
図16(b)に示すように、第1のリソース種類について、第1リソース毎に、時間軸に沿って長いヒートマップ1611が、例えば、実施帯23の表示範囲(時間軸方向に延びた帯状の範囲)の隣に表示される。ヒートマップ1611は、時刻毎の滞留数を濃さで表現したマップである。ヒートマップ1611は、例えば、濃い程に滞留数が多い。これにより、実施帯23の表示を維持しつつ、時刻毎の滞留数の把握が可能である。なお、第1リソースが製品の場合、ヒートマップ1611は、当該製品について工程を実施する第2リソース(又は他種のリソース)について算出された滞留数を表してもよい。第1リソースが作業者又は設備の場合、ヒートマップ1611は、当該作業者又は当該設備について算出された滞留数を表してよい。
図16(b)に示すように、第2のリソース種類について、参照符号1612が示すように、折れ線のうち、滞留数が一定値以上の箇所が、強調される。
【0135】
また、本実施形態では、第1のリソース種類がMaterialの場合、管理サーバプログラム271は、実施実績テーブル群351、実施計画テーブル群352及び部品関連テーブル群353(各製品の計画された工程と計画された実施時間帯とを表す情報と、製品と部品の関係を表す情報と、各部品の手配の計画と実績を表す情報の一例)を基に、Materialに属する製品のうち、実施時間帯が計画された実施時間帯よりも遅い製品について、Materialのガントチャートについて、下記のうちの少なくとも1つを行ってよい。なお、図17(a)〜図17(c)のいずれにおいても、各製品について、白色の矩形オブジェクトが、計画された実施時間帯を表すオブジェクトであり、白色の矩形オブジェクトの下に配置されている灰色の矩形オブジェクトが、実際の実施時間帯を表すオブジェクトである。また、ここでの「Materialのガントチャート」は、オーバーレイチャートにおけるガントチャートでもよいし、オーバーレイチャートとは別のガントチャート(例えば、ダイヤグラムチャートが重ねられる前のガントチャート)でもよい。
図17(a)に示すように、現在時刻が、当該製品の計画された実施時間帯の開始時刻よりも後であり、当該現在時刻に当該製品の部品が少なくとも1つが所定の場所に未配膳であれば(符号1701は、現在時刻を表すオブジェクト)、管理サーバプログラム271は、部品不足を意味するオブジェクト1702を、Materialのガントチャートにおける、当該製品と前記現在時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる。これにより、ユーザは、現在時刻において少なくとも一部の部品が配膳に至っていない製品を特定することができ、以って、不具合の要因を推測できる可能性が高まることが期待できる。
図17(b)に示すように、当該製品の全ての部品が前記所定の場所に配膳されていれば、管理サーバプログラム271は、配膳完了を表すオブジェクト1711を、Materialのガントチャートにおける、当該製品と当該全ての部品の配膳が完了した時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる。これにより、ユーザは、過去において、計画された実施開始時刻からどの程度遅れて全ての部品が配膳に至ったかがわかり、以って、不具合の要因を推測できる可能性が高まることが期待できる。
図17(c)に示すように、計画された実施時間帯の開始時刻になっても未配膳の部品について配膳完了という最後の状態に至るまでの状態遷移と各状態での部品数と時刻との関係を示すオブジェクト(例えばヒートマップ)1721を、管理サーバプログラム271は、Materialのガントチャートにおける、当該製品と当該製品の実施時間帯の開始時刻よりも前の時刻とに該当する位置又はその近傍に、重ねる。これにより、ユーザは、過去において、各製品について、工程が終了し次の工程が開始されるまで、部品状態と部品数とがどのように遷移したかがわかり、以って、不具合の要因を推測できる可能性が高まることが期待できる。
【0136】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。
【0137】
例えば、上述した実施形態では、複数のリソース種類として、Man、Machine及びMaterialのいわゆる3Mが採用されたが、3Mのうちの一つに代えて他のリソース種類が採用されてもよいし、3Mに加えて他のリソース種類(例えば、Money)が採用されてもよい。
また、例えば、本発明は、製造管理以外の管理の支援に応用されてもよい。具体的には、例えば、Man、Machine及びMaterialのうちのいずれのリソース種類も存在しない環境の管理の支援に本発明が応用されてよい。この場合、管理情報は、複数の工程を有する製造システムの製造実績を表す情報に代えて、Man、Machine及びMaterialの少なくとも1つとは別の複数のリソース種類に属する複数のリソースの実績を表す情報を含んでよい。各リソースの実績は、少なくとも、当該リソースについての実施の時刻を含んでよい。
【符号の説明】
【0138】
100…製造管理支援システム
【要約】
製造システムに適用されている製造方式に関わらず、複数のリソース種類のいずれかに属するいずれかのリソースについて不具合が生じた要因をユーザが推定することを可能にする。支援システムは、製造システムの製造実績を表す管理情報を参照し、ガントチャートにダイヤグラムチャートが相対的に重ねられたオーバーレイチャートを表示する。ガントチャートは、第1のリソース種類についてのチャートであり、リソース軸と時間軸とを有する。ダイヤグラムチャートは、第2のリソース種類についてのチャートである。オーバーレイチャートにおいて、第2リソース(第2のリソース種類に属するリソース)に対応した複数の点を結んだ折れ線が、ガントチャート上にあり、各点は、工程の実施時刻と、当該工程とに関連した第1リソース(第1のリソース種類に属するリソース)とに対応した位置にプロットされている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17