(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6798093
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20201130BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01G4/30 201G
H01G4/30 516
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-24396(P2019-24396)
(22)【出願日】2019年2月14日
(62)【分割の表示】特願2017-214710(P2017-214710)の分割
【原出願日】2017年11月7日
(65)【公開番号】特開2019-91927(P2019-91927A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0027157
(32)【優先日】2017年3月2日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コー、クン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】カン、ビョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】コー、ボン セオク
【審査官】
秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−026839(JP,A)
【文献】
特開2001−244116(JP,A)
【文献】
特開2011−143442(JP,A)
【文献】
特開2009−054790(JP,A)
【文献】
特開平11−350190(JP,A)
【文献】
特開2011−077225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/29
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電極と、
前記内部電極と電気的に連結される外部電極と、を含み、
前記外部電極は、多孔質構造を有する導電性ベースと、前記多孔質構造内の空き空間に充填される樹脂と、を含み、
前記外部電極と前記内部電極との間に連結層が配置されており、
前記連結層はCu−Sn化合物で構成されており、
前記外部電極は、Ag−Sn系合金で構成されて多孔質構造を有しており当該外部電極の全体的な骨格を形成する前記導電性ベースと、前記導電性ベース内部に不規則に分散されて含まれるAg粒子とを含んでおり、
前記樹脂はエポキシ樹脂であり、
前記外部電極に対して前記エポキシ樹脂は40vol%〜70vol%で構成され、Ag−Sn系合金は30vol%から60vol%で構成され、前記導電性ベース内部に不規則に分散されて含まれるAgは3vol%以下で構成される、電子部品。
【請求項2】
前記Ag−Sn系合金はAg3Snである、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記連結層は、前記外部電極と隣接した第1連結層と、前記内部電極と隣接した第2連結層と、を含む二重層で構成される、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第1連結層はCu6Sn5合金で構成される、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第2連結層はCu3Sn合金で構成される、請求項3に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1連結層及び前記第2連結層の少なくとも1つは不連続的に配置される、請求項3に記載の電子部品。
【請求項7】
前記導電性ベースの境界面上の少なくとも一部領域上にBi粒子が配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記導電性ベース内には、互いに異なるSn含量を含む半田粒子が不規則的に分散されており、前記半田粒子は、Sn−Bi系合金である、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記連結層は金属間化合物(intermetallic compound)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、特に、インダクターやコモンモードフィルターなどの受動素子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクターやコモンモードフィルターなどの受動素子部品は、内部電極として銅コイルを用いてコイルを構成する。インダクターなどの受動素子部品は、同一の電流を流す際にも温度が過度に上昇せず、円滑に用いることができるようにしなければならないが、そのためには、Isacが大きくなければならず、受動素子部品のRdc値が熱衝撃または機械的衝撃にも変化することなく安定して維持されなければならない。
【0003】
このように、受動素子部品のRdcを満たすために、外部電極にAg−エポキシ系ペーストを用いると、エポキシの硬化に伴ってAg粒子の粒子間距離が近くなり、伝導経路を形成するようになる。また、受動素子部品の銅端子電極とも物理的な接触により伝導経路を形成し、全体部品のRdcを低減することができる。
【0004】
しかし、外部電極のAg−エポキシ系ペースト中のAgと銅端子電極との接触は物理的な接触であるため、熱衝撃や水分、または塩素水などの吸湿によりRdc値が増加する可能性があり、信頼性に劣るという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−182883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、内部コイルと、それに連結される外部電極との接触性を著しく改善した電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例による電子部品は、内部電極と、上記内部電極と電気的に連結される外部電極と、を含み、上記外部電極は、多孔質構造を有する導電性ベースと、上記多孔質内の空き空間に充填される樹脂と、を含み、上記外部電極と上記内部電極との間には連結層が配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果の一効果として、内部コイルと外部電極との接触性を改善することで、信頼性を改善するとともに、低いRdc値を有する効果を奏する電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一例による電子部品の概略的な斜視図である。
【
図2】
図1のI−I'線に沿って切断した概略的な断面図である。
【
図3a】比較例1の外部電極から内部電極にわたる全領域の一部分を概略的に示した断面模式図である。
【
図3b】実施例1の外部電極から内部電極にわたる全領域の一部分を概略的に示した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0011】
以下では、本発明の一例による電子部品を説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0012】
図1は本発明の一例による電子部品の概略的な斜視図である。以下では、電子部品の一例として、薄膜インダクターを中心に説明するが、それ以外の形態のインダクター、コモンモードフィルター、キャパシターなどのその他の電子部品にも適用可能であることは言うまでもない。特に、本発明の一例による電子部品は、受動素子部品内の内部電極として銅を用いるものに非常に有用に適用されることができる。
【0013】
図1を参照すると、電子部品100は、コイルで構成される内部電極1と、上記内部電極と電気的に連結される外部電極2と、を含む。
【0014】
上記内部電極は、電子部品の外観を成す本体3により封止されており、上記本体は、磁性特性を有する磁性粒子−樹脂の複合体で構成されることができる。例えば、上記本体3は、フェライトまたは金属系軟磁性材料を充填して形成されることができる。上記フェライトとしては、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライトまたはLi系フェライトなどの公知のフェライトを挙げることができる。上記金属系軟磁性材料としては、Fe、Si、Cr、Al、及びNiからなる群から選択される何れか1つ以上を含む合金が挙げられ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属粒子を含むことができるが、これに制限されるものではない。上記金属系軟磁性材料の粒径は0.1μm以上20μm以下であることができる。上記フェライトまたは金属系軟磁性材料は、エポキシ樹脂またはポリイミドなどの高分子に分散された形態で含まれ、本体を構成する。
【0015】
上記本体3は、電子部品の全体的な外観を成すものであって、
図1に示されたように、厚さ(T)方向において互いに対向する上面及び下面、長さ(L)方向において互いに対向する第1端面及び第2端面、及び幅(W)方向において互いに対向する第1側面及び第2側面を含み、実質的に六面体形状からなることができるが、これに制限されない。
【0016】
上記本体3内には、上記内部電極1を支持する支持部材4が含まれることができる。上記支持部材は、内部電極を適切に支持する機能を担うとともに、内部電極の形成工程をより容易にする機能を担う。上記支持部材は、絶縁特性を有する板状からなることが好ましく、例えば、PCB基板であることができるが、これに限定されるものではない。上記支持部材の厚さは、上記内部電極を支持する程度であれば十分であり、例えば、約60μmであることが好ましい。
【0017】
次に、上記支持部材により支持される内部電極1は渦巻き状のコイルであることができ、そのコイルの形成方法は特に制限されない。例えば、幅方向のコイルパターンの成長速度に比べて厚さ方向のコイルパターンの成長速度をより大きくする異方性めっきを用いてもよく、幅方向のコイルパターンの成長速度と厚さ方向のコイルパターンの成長速度を実質的に同一にする等方性めっきを用いてもよい。
【0018】
上記内部電極1の材料は、その両端部がそれぞれ外部電極2と電気的に連結されることができれば十分であるため、電気伝導性に優れた金属を含み、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらの合金などで構成されることができる。特に、銅(Cu)であることが、内部電極と外部電極との連結性の点で好ましい。
【0019】
上記外部電極2は、金属−樹脂の複合体ペーストをディッピング(dipping)する方式により形成されることができるが、その外部電極の形成工程を特定の例に限定する必要はない。上記外部電極は、従来のAg−エポキシ系ペーストに代わり、Ag−Sn系半田−エポキシ系ペーストを用いて構成されることができる。Sn系半田は、例えば、Sn、Sn
96.5Ag
3.0Cu
0.5、Sn
42Bi
58、Sn
72Bi
28などで表される粉末であることができるが、これに限定されるものではない。この際、上記ペースト中のエポキシを除き、高融点を有する導電性粒子、例えば、Ag粒子と、半田粒子、例えば、Sn半田との重量比は、55:45以上70:30以下であることが好ましい。換言すれば、外部電極用ペースト中の高融点を有する導電性粒子と半田粒子の和を基準として、高融点を有する導電性粒子の粉末の割合が55重量%以上70重量%以下であることが好ましい。この場合、内部電極と外部電極との間の連結層が安定して形成される。
【0020】
次に、
図2は
図1のI−I'線に沿って切断した概略的な断面図であり、
図2を参照して、外部電極の内部構造をより詳細に説明する。
【0021】
図2を参照すると、外部電極2は多孔質構造を有する導電性ベース21と、上記多孔質構造内の空き空間に充填される熱硬化性樹脂22と、を含む。上記外部電極の導電性ベース内の多孔質構造は、外部電極の全領域にわたって連続的なネットワーキング(continuous networking)構造を有する。
【0022】
参考までに、以下では、内部電極と電気的に連結される外部電極を形成する一例示を説明するが、本発明の電子部品の外部電極が、後述の一例示による工程によってのみ形成されることは言うまでもない。
【0023】
先ず、約0.5μm〜3μmの粒径を有し、実質的に球状である銀(Ag)粉末とSnBi系半田粉末を所定の割合で混合し、さらにエポキシ接着剤を添加して外部電極用ペーストを製造する。上記外部電極用ペーストの製造方法は制限されず、例えば、真空プラネタリーミキサー(Planetary mixer)を用いることができる。このように製造された外部電極用ペーストを公転・自転方式で最終的に分散完了させ、本体の外部面上にディッピングコーティング(dipping coating)により所定の厚さに印刷する。そして、このディッピングコーティングされた外部電極ペーストを乾燥した後、本体の反対側にも同一の方式でさらに塗布を行う。このように塗布および乾燥を全て完了した後、硬化を行う。この際、Sn系半田成分の酸化を防止するためには、硬化雰囲気を非活性雰囲気に維持させることが好ましい。
【0024】
このように製造された外部電極2は、多孔質構造の導電性ベース21と、上記多孔質内の空き空間に充填される熱硬化性樹脂22と、を含む。
【0025】
上記導電性ベース21はAg−Sn系合金を含み、例えば、Ag
3Sn合金であることができるが、これに限定されない。
【0026】
上記導電性ベースのAg
3Sn内には、Ag粒子、または外部電極用ペーストに含まれた半田粒子がさらに含まれることができ、上記Ag粒子や半田粒子などは導電性ベース内で不規則的に分散されている。上記Ag粒子や半田粒子は、当然ながら、外部電極用ペーストに最初に含まれた成分に由来した粒子であり、特に、半田粒子の場合、外部電極の塗布−乾燥−硬化などの反応を経る過程で完全に反応せずに残った状態の半田を含む。このように反応後に残った状態の半田は、Sn系半田粒子から組成が変化した状態の半田を含む。例えば、SnBi系半田を外部電極用ペーストに用いた場合、Snの量が減少した形態で多量のBiが含まれているか、またはBiのみが残っていることができる。Biのみが残っている場合、導電性ベースの外部境界面上にBi粒子が不規則に分散されていることから確認することができる。上記Bi粒子は、隣接するBi粒子と連続的に連結されていてもよいことは言うまでもない。
【0027】
具体的な説明は省略するが、最初に外部電極用ペーストを製造する際に用いられた半田粒子が反応せず、原料として用いられた半田粒子の組成及び含量が変わらずにその組成及び含量をそのまま維持した状態で外部電極内の導電性ベース21内に不規則的に分散され得ることは言うまでもない。
【0028】
この際、導電性ベース21の全体的な骨格を構成するAg
3Snの金属間化合物は、全外部電極に対して30vol%〜60vol%で構成され、その内部に不規則的に分散された構造を有するAg粒子は、0vol%〜3vol%で構成されることができる。尚、上記導電性ベース内の空き空間に充填されるエポキシは、40vol%〜70vol%で構成されることができる。
【0029】
また、内部電極1と外部電極2との間には連結層5が配置される。上記連結層5は、上記内部電極と上記外部電極との間の界面の分離が発生しないようにする境界面の機能を担う。上記連結層の平均厚さは1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μmより小さい厚さを有する場合には、連結層の機能を適切に発揮することが困難である。これに対し、上記連結層の平均厚さが10μmより大きい場合には、その連結層の一部の層が脆性を有する場合があり、連結層が割れてしまう副効果が生じる恐れがある。
【0030】
上記連結層5は、外部電極と近い第1連結層51と、内部電極と近い第2連結層52と、を含む。上記第1連結層51はCu
6Sn
5合金で構成され、上記第2連結層52はCu
3Sn合金で構成される。上記第1及び第2連結層の両方に含まれるCu組成の場合、内部電極内に含まれた電気伝導性を有する化合物由来のものであることができ、Sn組成の場合、外部電極用ペーストに含まれた半田成分由来のものであることができる。その具体的なメカニズムは、例えば、外部電極用ペーストとしてAg−Sn系半田−エポキシ系化合物を選択すると、添加されたSn系半田のモル数とAg粒子のモル数との比によって残りのSn成分が生じ、この残ったSn成分が、内部電極内の銅成分とさらに金属間化合物(intermetallic compound)を形成することで、連結層が生成される。
【0031】
図2では、上記第1連結層51と上記第2連結層52が、内部電極と外部電極との間で連続的に境界面を構成していると示されているが、外部電極用ペースト中のSn組成とAg組成とのモル比やSn組成の含量を制御することで、第1連結層及び第2連結層の少なくとも1つの連結層が不連続的に構成されるように変形することもできる。
【0032】
図3a及び
図3bは、比較例1と実施例1の外部電極から内部電極にわたる全領域の一部分を概略的に示した断面模式図である。
【0033】
図3a及び
図3bから、比較例1の場合、内部電極1aと外部電極2aとの物理的な接触のみによって連結されているのに対し、実施例1の場合、内部電極1と外部電極2との間に金属間化合物(Intermetallic Compound、IMC)5が介在されていることが分かる。また、表1から表3から、本発明の電子部品の一例による実施例1の熱衝撃特性が、従来のAg−エポキシ系外部電極用ペーストを含むインダクターによる比較例1の熱衝撃特性に比べて優れていることが分かる。
【0034】
先ず、
図3a及び
図3bを参照すると、比較例1は、実施例1と比較して、Ag−Sn系半田−エポキシ系外部電極用ペーストを適用して形成される上述の外部電極の構造及び連結層の構造を含まないという点で異なる。比較例1の場合、内部電極と外部電極との物理的な接触のみが存在し、外部電極自体も伝導性金属間の連続的な結合を有していないため、界面で分離が発生しやすいと予想されるのに対し、実施例1の場合、金属間化合物の二重層からなる連結層と連続的なネットワーキング構造の外部電極の存在により、界面の分離が発生しないと予想される。
【0035】
次に、表1から表3に、本発明の一例による電子部品の鉛耐熱テスト前後のRdc値の変化と、従来の電子部品の鉛耐熱テスト前後のRdc値の変化とを比較する。表1及び表2はそれぞれ、実施例1及び実施例2による電子部品のRdc値の変化を示し、表3は比較例1の電子部品のRdc値の変化を示す。鉛耐熱テスト条件とは、鉛耐熱テストをすべきサンプルの初期Rdc値を測定し、鉛槽の温度を450℃に調整し、温度450℃の鉛槽に5秒間浸してから取り出し、室温に冷やした後、後期Rdc値を測定することである。
【0036】
実施例1と実施例2の両方は、低融点の金属成分である半田成分を含有する組成で構成された外部電極用ペーストを使用した点で共通し、実施例2は実施例1と比較して、Ag−半田系粒子−エポキシ系で構成された外部電極用ペーストにおいて、一部のAg粒子に代わりAgコーティングされた銅粒子を使用した点でのみ異なる。実施例1は、Ag粗粒粉末63重量%、Ag微粒粉末7重量%、半田30重量%を含み、金属充填剤の全含量100に対して8重量%のエポキシをさらに含む。実施例1と類似に、実施例2は、Ag粗粒粉末59重量%、Ag微粒粉末3重量%、Agコーティングされた銅粉末5重量%、半田33重量%を含み、金属充填剤の全含量100に対して8重量%のエポキシをさらに含む。
【0040】
上記表1〜表3から分かるように、比較例1は、Ag−エポキシペーストを用いたため、Ag−エポキシペーストの外部電極が内部電極に物理的に接触しており、そのため、熱衝撃によってRdc値が大きく変わる傾向性を有する。これに対し、実施例1及び実施例2は、Ag
3SnのIMCネットワーキング構造とCu
6Sn
5及びCu
3Snの二重層からなる連結層の構造を有するため、熱衝撃によってもRdc値が殆ど変わらない。
【0041】
また、比較例1のSTD(Standard Derivation)は、実施例1、実施例2のSTDに比べて著しく高いため、比較例1に比べて実施例1と実施例2が優れた信頼性を有することが明らかである。
【0042】
上記の説明を除き、上述の本発明の一例による電子部品の特徴と重複される説明は、ここで省略する。
【0043】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0044】
100 電子部品
1 内部電極
2 外部電極
3 本体
4 支持部材
5 連結層