(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1情報処理装置が複数存在する場合、前記第1情報処理装置を識別する第1識別情報に関連付けて通信機能付き機器の機器情報を取得する第1機器情報取得部(31a)をさらに備え、
前記機器情報記憶部が、前記第1識別情報に関連付けて前記機器情報を記憶する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の有用情報出力装置。
前記第1情報処理装置は、前記第1空調機の室内ユニットが複数存在する場合、各室内ユニットを識別する室内ユニット識別情報に関連付けて通信機能付き機器の機器情報を取得するものであり、
前記機器情報記憶部が、前記室内ユニット識別情報に関連付けて前記機器情報を記憶する、
請求項10に記載の有用情報出力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1,2に記載の技術は、閉じたネットワーク上での機器情報を取得するものである。そのため、これらの技術は、家や商業施設のように異なるネットワークをまたいだマーケティング活動に利用することができない。
【0005】
本発明の課題は、マーケティング活動に寄与し得る有用情報を出力する有用情報出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る有用情報出力装置は、第1情報処理装置と第2情報処理装置とのそれぞれに接続される。ここで、第1情報処理装置は、持ち出し機器を含む複数の通信機能付き機器が帰属する場所に存する第1空調機の室内ユニットに設けられ、各通信機能付き機器の機器情報を取得する。第2情報処理装置は、持ち出し機器の持ち出し先に存する第2空調機の室内ユニットに設けられ、持ち出し機器の機器情報を取得する。
【0007】
この有用情報出力装置は、機器情報記憶部と有用情報記憶部と有用情報出力部とを備える。機器情報記憶部は、第1情報処理装置が取得した複数の機器情報を記憶する。有用情報記憶部は、通信機能付き機器の機器情報に関連付けて有用情報を記憶する。有用情報出力部は、第2情報処理装置が取得した機器情報と機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報のいずれかとが一致した場合、機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報に基づいて有用情報を所定の出力先に出力する。
【0008】
第1観点に係る有用情報出力装置では、第2情報処理装置が取得した機器情報と機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報のいずれかとが一致した場合、機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報に基づいて有用情報を出力するので、第2情報処理装置が取得した機器情報以外の機器情報も反映させた有用情報を提供できる。これにより、マーケティング活動に寄与し得る有用情報を出力する有用情報出力装置を提供できる。
【0009】
本発明の第2観点に係る有用情報出力装置は、第1観点の有用情報出力装置において、機器情報登録部をさらに備える。機器情報登録部は、第1空調機のユーザが保有する通信機能付き機器の機器情報の登録要求に応じて、機器情報を機器情報記憶部に書き込む。
【0010】
第2観点に係る有用情報出力装置では、登録要求のあった機器情報を機器情報記憶部に登録するので、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器の機器情報を登録できる。
【0011】
本発明の第3観点に係る有用情報出力装置は、第2観点の有用情報出力装置において、機器情報登録部が、第1情報処理装置が所定時間内に所定回数以上、機器情報を取得した場合、機器情報を機器情報記憶部に書き込む。
【0012】
第3観点に係る有用情報出力装置では、同一場所で所定期間、通信機能付き機器の存在が検知された場合に機器情報を登録するので、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器の機器情報を登録できる。
【0013】
本発明の第4観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第3観点のいずれかの有用情報出力装置において、動線情報生成部と有用情報生成部とをさらに備える。動線情報生成部は、第2情報処理装置が取得する持ち出し機器の機器情報に基づいて、持ち出し機器の動線情報を生成する。有用情報生成部は、第2情報処理装置が取得した機器情報と機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報のいずれかとが一致した場合、機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報と動線情報とに基づいて有用情報を生成する。
【0014】
第4観点に係る有用情報出力装置では、機器情報記憶部に記憶されている複数の機器情報と動線情報とに基づいて有用情報を生成するので、ユーザの行動に応じた有用情報を提供できる。これに基づいて最適なマーケティング活動が可能となる。
【0015】
本発明の第5観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第4観点のいずれかの有用情報出力装置において、出力装置登録部をさらに備える。出力装置登録部は、第1空調機のユーザが保有する通信機能付き出力装置の機器情報の登録を受け付ける。また、有用情報出力部は、出力装置登録部に登録された出力装置に有用情報を出力する。
【0016】
第5観点に係る有用情報出力装置では、上記構成を具備するので、ユーザが保有する出力装置に有用情報を提供できる。そのため、有用情報を適時にユーザに提供できる。
【0017】
本発明の第6観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第5観点のいずれかの有用情報出力装置において、第2情報処理装置が商業施設内に設けられており、特定有用情報記憶部と特定有用情報判定部とをさらに備える。特定有用情報記憶部は、商業施設内の特定の位置に設けられた特定機器の機器情報に関連付けて特定有用情報を記憶する。特定有用情報判定部は、第2情報処理装置で通信機能付き機器の機器情報を取得した場合、この取得した機器情報と特定機器の機器情報とが機器情報記憶部で関連付けて記憶されているか否かを判定する。そして、取得した機器情報と特定機器の機器情報とが関連付けて記憶されていると特定有用情報判定部が判定した場合、有用情報出力部が第2情報処理装置の近傍の機器に特定有用情報を出力する。
【0018】
第6観点に係る有用情報出力装置では、上記構成を具備しているので、商業施設において、特定機器に関連する特定有用情報を提供できる。
【0019】
本発明の第7観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第6観点のいずれかの有用情報出力装置において、ユーザ属性記憶部とユーザ属性判定部とをさらに備える。ユーザ属性記憶部は、通信機能付き機器の種類とユーザ属性とを関連付けて記憶する。ユーザ属性判定部は、第1情報処理装置により機器情報が取得された場合、取得された機器情報に基づいてユーザの属性を判定する。そして、有用情報出力部が、ユーザ属性判定部により判定されたユーザ属性に応じて有用情報を出力する。
【0020】
第7観点に係る有用情報出力装置では、上記構成を具備しているので、ユーザの保有する機器情報の種類からユーザ属性(父、母、子供等)を特定し、そのユーザ属性に応じた有用情報を提供できる。
【0021】
本発明の第8観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第7観点のいずれかの有用情報出力装置において、第1空調機の室内ユニットが複数存在する場合、第1情報処理装置が、各室内ユニットを識別する室内ユニット識別情報に関連付けて通信機能付き機器の機器情報を取得する。また、機器情報記憶部では、室内ユニット識別情報に関連付けて機器情報を記憶する。
【0022】
第8観点に係る有用情報出力装置では、上記構成を具備しているので、第1空調機の室内ユニットが複数存在する場合に、各室内ユニットの利用者に応じた有用情報を出力できる。
【0023】
本発明の第9観点に係る有用情報出力装置は、第1観点から第8観点のいずれかの有用情報出力装置において、有用情報出力部が、第1空調機のユーザが有するスマートデバイスまたは商業施設に設置されるデジタルサイネージ装置に有用情報を出力する。
【0024】
第9観点に係る有用情報出力装置では、上記構成を具備しているので、ユーザが認識しやすい場所に有用情報を出力できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1観点に係る有用情報出力装置では、マーケティング活動に寄与し得る有用情報を出力できる。
【0026】
本発明の第2観点に係る有用情報出力装置では、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器の機器情報を登録できる。
【0027】
本発明の第3観点に係る有用情報出力装置では、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器の機器情報を登録できる。
【0028】
本発明の第4観点に係る有用情報出力装置では、ユーザの行動に応じた有用情報を提供できる。
【0029】
本発明の第5観点に係る有用情報出力装置では、ユーザが保有する出力装置に有用情報を提供できる。
【0030】
本発明の第6観点に係る有用情報出力装置では、商業施設において、特定機器に関連する特定有用情報を提供できる。
【0031】
本発明の第7観点に係る有用情報出力装置では、ユーザ属性に応じた有用情報を提供できる。
【0032】
本発明の第8観点に係る有用情報出力装置では、第1空調機の室内ユニットが複数存在する場合に、各室内ユニットの利用者に応じた有用情報を出力できる。
【0033】
本発明の第9観点に係る有用情報出力装置では、ユーザが認識しやすい場所に有用情報を出力できる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(1)有用情報出力システム1の全体構成
図1は本発明の一実施形態に係る有用情報出力システム1の構成を示す模式図である。
【0036】
有用情報出力システム1は、第1情報処理装置10、第2情報処理装置20、及び有用情報出力装置30を備えている。
【0037】
第1情報処理装置10は、「持ち出し機器」を含む複数の通信機能付き機器50が帰属する場所に存する第1空調機11の室内ユニット12に設けられる。第1情報処理装置10が取得した機器情報は有用情報出力装置30に送出される。
【0038】
第2情報処理装置20は、持ち出し機器の持ち出し先に存する第2空調機21の室内ユニット22に設けられ、持ち出し機器の機器情報を取得するものである。第2情報処理装置20が取得した機器情報は有用情報出力装置30に送出される。
【0039】
有用情報出力装置30は、第1情報処理装置10及び第2情報処理装置20から取得した機器情報に基づいて「有用情報」を所定の出力先に出力するものである。
【0040】
上記構成を具備することにより、有用情報出力システム1は、通信機能付き機器の帰属先及び持ち出し先の組合せに応じた、持ち出し機器に関連する有用情報を出力できる。
【0041】
(2)有用情報出力システム1の具体例
以下、有用情報出力システム1の構成について具体例を用いて説明する。
【0042】
図2は本実施形態に係る有用情報出力システム1の具体的構成の一例を示す模式図である。ここでは、有用情報出力システム1が、家庭5及び商業施設6に導入される例を説明する。なお、「帰属先」を家庭5とし、「持ち出し先」を商業施設6とする。
【0043】
有用情報出力システム1は、複数の第1情報処理装置10A〜10C、複数の第2情報処理装置20A〜20C、有用情報出力装置30、及び有用情報提示装置40を備える。なお、各装置を説明する際、個々の装置を説明する場合には添え字A,B,C・・・を付け、共通の説明をする場合には添え字を除く。例えば、第2情報処理装置20A〜20Cを説明する際、これらの各第2情報処理装置20A〜20Cのそれぞれに共通の説明をする場合には添え字A〜Cを除いて単に20と記して説明する。また各添え字の数は単なる例示であり、これに限られるものではない。例えば20A〜20Cとの記載は、第2情報処理装置20が3台に限定されるわけではなく、任意の台数を意味する。
【0044】
第1情報処理装置10は、家庭5に設置された第1空調機11の室内ユニット12に設けられるものである。この第1情報処理装置10は、通信機能付き機器50の「機器情報」を取得する。例えば、第1情報処理装置10は、Wi-Fiなどの規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)又はBluetooth(登録商標)などの規格に準拠した無線PAN(Personal Area Network)の技術により、各機器50A〜50Hと通信して機器情報を取得する。ここでは、第1情報処理装置10は、各機器50A〜50Hに固有に割り当てられた「機器識別情報MID」を機器情報として取得する。そして、第1情報処理装置10は、各第1情報処理装置10A〜10Cに個別に割り当てられた「第1識別情報FID」とともに取得した機器識別情報MIDを有用情報出力装置30に送出する。
【0045】
第2情報処理装置20は、商業施設6内の複数個所に個別に設置された第2空調機21の室内ユニット22に設けられるものである。ここでは、第2空調機21の室内ユニット22は、空調の対象となる空間の天井裏に設置される。室内ユニット22は、
図3に示すように、化粧パネル24が下方に配置される。化粧パネル24には、室内機23が室内空気を取り込むための吸込グリル25や、室内機23が調和空気を吹き出すための吹出口26が形成される。
【0046】
この第2情報処理装置20は、通信機能付き機器50の機器情報を取得する。第2情報処理装置20でも、例えば第1情報処理装置10と同様の技術を用いて機器情報として機器識別情報MIDを取得する。そして、第2情報処理装置20は、各第2情報処理装置20A〜20Cに個別に割り当てられた「第2識別情報SID」とともに取得した機器識別情報MIDを有用情報出力装置30に送出する。
【0047】
有用情報出力装置30は、第1空調機11の利用者に「有用情報」を提供するものである。この有用情報出力装置30は、第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とのそれぞれに接続されており、インターネット等を介したクラウド型の装置である。ここでは、有用情報出力装置30は、取得部31(第1機器情報取得部及び第2機器情報取得部)、記憶部32(有用情報記憶部)、及び演算部33(有用情報提供部)を備える。なお、有用情報出力装置30の各機能は記憶部32に記憶されたプログラムが実行されることにより実現される。
【0048】
取得部31は、インターネットへの接続を可能にするネットワークインターフェース等を介し、外部の装置から情報を取得するものである。この取得部31は、第1機器情報取得部31a、及び第2機器情報取得部31bを備える。
【0049】
第1機器情報取得部31aは、第1情報処理装置10が取得した機器識別情報MID及び第1識別情報FIDを取得する。取得した情報は演算部33に送出される。
【0050】
第2機器情報取得部31bは、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報MID及び第2識別情報SIDを取得する。取得した情報は演算部33に送出される。
【0051】
記憶部32は、有用情報出力装置30が取得した情報等を記憶するものであり、メモリ及びハードディスク等により構成される。また記憶部32(有用情報記憶部)は、後述する演算部33が実行可能なプログラムを記憶する。この記憶部32は、機器情報記憶領域32a及び有用情報記憶領域32b等の記憶領域を有する。
【0052】
機器情報記憶領域32aには、
図4に示すように、第1情報処理装置10が取得した複数の「機器識別情報MID」及び「機器の種類」の情報が「第1識別情報FID」に関連付けられて記憶される。なお、機器の種類は、機器識別情報MIDに基づいて特定される。
【0053】
有用情報記憶領域32bには、第1機器情報取得部31aにより取得された機器識別情報MIDに関連する有用情報が記憶される。ここでは、
図5に示すように、「有用情報」が、「機器の種類」に関連付けて記憶されている。例えば機器50Aがテレビである場合、ユーザにテレビの購入を惹起するような情報及びデジタルクーポン等が有用情報YAとして有用情報記憶領域32bに記憶されている。なお、有用情報は、個別の機器の種類毎に関連付けられるものに限らず、機器の種類の組合せに対して関連付けられていてもよい。例えば、機器50Aがテレビであり、機器50Dが時計である場合、テレビと時計の両方に関連する有用情報が有用情報記憶領域32bに記憶されていてもよい。
【0054】
演算部33は、有用情報出力装置30に記憶された情報等に基づいて各種演算を実行するものであり、CPU、ROM及びRAM等から構成される。演算部33の各機能は、記憶部32に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0055】
この演算部33(機器情報登録部)は、第1情報処理装置10から機器識別情報MIDを受け取った場合、その機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに書き込む処理を行なう。具体的には、演算部33は、第1空調機11のユーザが保有する通信機能付き機器50の機器識別情報MIDの「登録要求」に応じて、機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに書き込む処理を行なう。登録要求は、例えば、第1情報処理装置10を介して、第1機器情報取得部31aが所定時間内に所定回数以上、機器識別情報MIDを取得した場合に生じる。また、登録要求は、ユーザの入力動作により生じるものでもよい。
【0056】
また、演算部33(有用情報出力部)は、各種演算を実行して、所定の出力先に有用情報を出力する。具体的には、演算部33(有用情報出力部)は、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報MIDと機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報MIDのいずれかとが一致した場合、機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報MIDに基づいて、有用情報記憶領域32bに記憶されている有用情報を読み出す。そして、演算部33は、読み出した有用情報を有用情報提示装置40(所定の出力先)に出力する。
【0057】
また、演算部33は、第1機器情報取得部31aにより取得された機器識別情報MIDに基づいて、外部の情報源等から有用情報を取得し、取得した有用情報を機器の種類と関連付けて有用情報記憶領域32bに書き込む機能を有している。
【0058】
有用情報提示装置40(所定の出力先)は、ユーザに対して有用情報を提示するものである。具体的には、有用情報提示装置40は、有用情報出力装置30から有用情報を受信すると、その有用情報を映像媒体及び音声媒体を用いて外部に出力する。有用情報提示装置40は、例えば商業施設6に設置されるデジタルサイネージ装置や、第1空調機11のユーザが有する携帯電話等のスマートデバイス等により実現される。
【0059】
(3)有用情報出力システム1の動作
図6,7は本実施形態に係る有用情報出力システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、有用情報出力システム1が、家庭5及び商業施設6に導入される例を説明する。なお、「帰属先」を家庭5とし、「持ち出し先」を商業施設6とする。
【0060】
(3−1)機器情報登録処理
はじめに、
図6を用いて、機器情報登録処理の動作を説明する。
【0061】
まず、第1情報処理装置10の機能がオンになると、ユーザが自宅に保有する通信機能付き機器50の機器識別情報MIDの取得を第1情報処理装置10が開始する(S1,S2)。具体的には、第1情報処理装置10がWi−Fi等を利用して、定期的にビーコンを発信する。そして、ユーザの保有する機器50がビーコンを受信すると、通信機能付き機器50(例えば、機器50Eとする)の機器識別情報MID(機器50Eに対応する、M023)が第1情報処理装置10に返信される。第1情報処理装置10が取得した機器識別情報MIDは第1識別情報FID(例えば、F003とする)とともに有用情報出力装置30に送信される(S3)。ここで、機器識別情報としては例えばMACアドレスが利用される。
【0062】
そして、第1情報処理装置10から所定時間内に所定回数以上、有用情報出力装置30が機器識別情報MID(M023)を取得した場合、演算部33(機器情報登録部)が機器識別情報MID(M023)を第1識別情報FID(F003)に関連付けて機器情報記憶領域32aに書き込む(S4,S5)。
【0063】
なお、機器識別情報MIDの登録に際しては、上述の処理のみならず、ユーザが保有する携帯端末等を介して機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに直接登録することもできる。
【0064】
(3−2)有用情報出力処理
次に、
図7を用いて有用情報出力処理の動作を説明する。
【0065】
ユーザの保有する複数の通信機能付き機器50A〜50Hの機器識別情報MIDが有用情報出力装置30に記憶されている状態で、通信機能付き機器50A〜50Hのいずれかを携帯してユーザが商業施設6を訪問した場合、第2情報処理装置20がユーザの携帯している「持ち出し機器」(例えば、機器50E,50Fとする)の機器識別情報MID(機器50E,50Fに対応する、M023,M024)を取得する(T1,T2)。具体的には、商業施設6の第2空調機21に設置された第2情報処理装置20がWi−Fiアクセスポイント等として機能し、定期的にビーコンを発信する。そして、ユーザが保有する各持ち出し機器50F,50Eがビーコンを受信すると、それらの持ち出し機器50E,50Fの機器識別情報MID(M023,M024)が第2情報処理装置20に返信される。そして、第2情報処理装置20が持ち出し機器50E,50Fの機器識別情報MID(M023,M024)を、第2情報処理装置20に固有の第2識別情報SID(例えば、S003とする)とともに有用情報出力装置30に送信する(T3)。
【0066】
続いて、有用情報出力装置30が取得部31を介して、第2情報処理装置20から持ち出し機器50E,50Fの機器識別情報MID(M023,M024)及び第2識別情報SID(S003)を受信する(T4)。
【0067】
次に、有用情報出力装置30は、受信した機器識別情報(M023、M024)が記憶部32に記憶されているか否かを判定する。有用情報出力装置30は、持ち出し機器50E,50Fの機器識別情報(M023,M024)が記憶部32に記憶されていると判定した場合、持ち出し機器50E,50Fの機器識別情報(M023,M024)が関連付けられた第1識別情報FID(F003)に関連する全て機器50A,50D,50E,50F,50Hの有用情報(YA,YD,YE,YF,YH)を抽出する(T5)。そして、有用情報出力装置30は、抽出した有用情報(YA,YD,YE,YF,YH)を、第2識別情報(S003)に基づいて第2情報処理装置20の近傍に設置された有用情報提示装置40に送信する(T6)。
【0068】
この際、有用情報出力装置30は、第2識別情報SID(S003)に基づいて有用情報を選択し、選択した有用情報のみを有用情報提示装置40に送信するものでもよい。例えば、第2情報処理装置20がカメラ売場に設置されている場合、有用情報出力装置30は、第2情報処理装置20の設置場所を第2識別情報SID(S003)に基づいて判別し、抽出した有用情報YA,YD,YE,YF,YHのうちから、カメラに関する有用情報YFを選択し、その選択した有用情報YFのみを有用情報提示装置40に送信するものでもよい。
【0069】
有用情報提示装置40は、有用情報出力装置30から有用情報を受信すると、その受信した有用情報をユーザに提示する(T7,T8)。
【0070】
(4)特徴
(4−1)
上述したように、第1情報処理装置10は、持ち出し機器を含む複数の通信機能付き機器50が帰属する場所に存する第1空調機11の室内ユニット12に設けられ、各通信機能付き機器50の機器情報を取得する。第2情報処理装置20は、持ち出し機器の持ち出し先に存する第2空調機21の室内ユニット22に設けられ、持ち出し機器の機器情報を取得する。そして、有用情報出力装置30は、第1情報処理装置10と第2情報処理装置20とのそれぞれに接続される。
【0071】
ここで、有用情報出力装置30は、記憶部32(機器情報記憶部・有用情報記憶部)と演算部33(有用情報出力部)とを備える。記憶部32の機器情報記憶領域32aは、第1情報処理装置10が取得した複数の機器識別情報MID(機器情報)を記憶する。記憶部32の有用情報記憶領域32bは、通信機能付き機器50の機器識別情報MIDに関連付けて有用情報を記憶する。演算部33(有用情報出力部)は、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報MIDと機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報MIDのいずれかとが一致した場合、機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報に基づいて有用情報を有用情報提示装置40(所定の出力先)に出力する。
【0072】
したがって、有用情報出力装置30では、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報MID(例えば、M023,M024)と機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報(例えば、M021,M022,M023,M024,M025)のいずれかとが一致した場合、機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報に基づいて有用情報を出力するので、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報(M023,M024)以外の機器識別情報(M021,M022,M025)も反映させた有用情報を提供できる。これにより、マーケティング活動に寄与し得る有用情報を出力する有用情報出力装置30を提供できる。
【0073】
(4−2)
また、有用情報出力装置30の演算部33(機器情報登録部)は、第1空調機11のユーザが保有する通信機能付き機器50の機器識別情報MIDの登録要求に応じて、機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに書き込む。要するに、有用情報出力装置30では、登録要求のあった機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに登録するので、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器50の機器識別情報MIDを登録できる。
【0074】
さらに、有用情報出力装置30では、第1情報処理装置10を介して所定時間内に所定回数以上、第1機器情報取得部31aが機器識別情報MIDを取得した場合、演算部33(機器情報登録部)が機器識別情報MIDを機器情報記憶領域32aに書き込む。すなわち、同一場所で所定期間、通信機能付き機器の存在が検知された場合に機器識別情報を登録するので、ユーザが所有していると推測される通信機能付き機器50の機器識別情報MIDを登録できる。
【0075】
(5)変形例
(5−1)変形例1A:出力装置の登録
本実施形態に係る有用情報出力装置30は、
図8に示すように、取得部31が出力装置登録部34をさらに備えてもよい。出力装置登録部34は、ユーザの保有する通信機能付き出力装置40aの機器識別情報MIDの登録を受け付ける。通信機能付き出力装置40aとしては、例えば携帯電話、スマートフォン及びタブレットPC等が挙げられる。そして、演算部33が、出力装置登録部34を介して登録された出力装置40aに有用情報を出力する。これにより、有用情報の出力先としてデジタルサイネージ装置だけでなく、ユーザが保有するスマートデバイス等も活用できる。
【0076】
要するに、有用情報出力装置30では、出力装置登録部34が、第1空調機11のユーザが保有する通信機能付き出力装置40aの機器識別情報の登録を受け付け、演算部33(有用情報出力部)が、出力装置登録部34に登録された出力装置40aに有用情報を出力するので、ユーザが保有する出力装置40aに有用情報を提供できる。そのため、有用情報を適時にユーザに提供できる。
【0077】
また、有用情報出力装置30では、演算部33(有用情報出力部)が、第1空調機11のユーザが有するスマートデバイスまたは商業施設6に設置されるデジタルサイネージ装置に有用情報を出力するので、ユーザが認識しやすい場所に有用情報を出力できる。なお、演算部33は、デジタルサイネージ装置及びスマートデバイスに対して有用情報を同時に出力することもできる。
【0078】
(5−2)変形例1B:特定機器に関連する特定有用情報の提示
本実施形態に係る有用情報出力装置30は、商業施設6内の特定の位置の設けられた特定機器に関連する特定有用情報を出力するものであってもよい。例えば、有用情報出力装置30は、商業施設6内で販売している機器50の販売場所近辺のユーザに、当該販売している機器の情報を特定有用情報として提供するものであってもよい。
【0079】
具体的には、変形例1Bでは、記憶部32が、特定有用情報記憶領域32c(特定有用情報記憶部)を有している。特定有用情報記憶領域32cには、
図9に示すように、第2情報処理装置20の特定の設置場所に設けられた特定機器に関連付けて特定有用情報が記憶される。ここでは、第2識別情報SIDに関連付けて、「販売機器」が特定機器として記憶されている。
【0080】
そして、変形例1Bでは、演算部33(特定有用情報判定部)が、第2情報処理装置20が通信機能付き機器(例えば、機器50Eとする)の機器識別情報(ここでは、M023とする)を第2識別情報(例えば、S003)とともに取得する。演算部33は、取得した第2識別情報(S003)に関連する特定機器が存在するか否かを判定する。演算部33は、特定機器(機器50F)が存在すると判定した場合、第2情報処理装置20が取得した機器情報(M023)と特定機器(機器50F)の機器識別情報(ここでは、M024とする)とが機器情報記憶領域32aで関連付けて記憶されているか否かを判定する。そして、演算部33(有用情報出力部)は、取得した機器識別情報(M023)と特定機器の機器識別情報(M024)とが機器情報記憶領域32aに関連付けて記憶されていると判定した場合、第2情報処理装置20の近傍の有用情報提示装置40に特定機器(機器50F)に関連付けられた特定有用情報(有用情報YF)を出力する。
【0081】
換言すると、第2情報処理装置20がカメラ売場(S003に対応する位置)に設置されており、その第2情報処理装置20で取得した機器識別情報(M023)とカメラの機器識別情報(M024)とが機器情報記憶領域32aで関連付けられている場合、有用情報出力装置30は、カメラに関する有用情報YFを選択し、カメラ売場の近傍の有用情報提示装置40に有用情報YFを送信する。
【0082】
上述した構成により、有用情報出力装置30は、商業施設6において、特定の商品に関連する特定有用情報を提供できる。
【0083】
(5−3)変形例1C:ユーザ属性に応じた有用情報の提示
本実施形態に係る有用情報出力システム1は、機器の種類からユーザ属性を判定し、ユーザ属性に応じて有用情報を出力するものであってもよい。
【0084】
変形例1Cに係る有用情報出力装置30では、記憶部32(有用情報記憶部)が、ユーザ属性記憶領域32dを有する。ユーザ属性記憶領域32dには、
図10に示すように、通信機能付き機器50の種類とユーザ属性とが関連付けて記憶される。
図10において、数字「1」は属性が有ることを示しており、数字「0」は属性が無いことを示している。例えば、機器50Aがテレビであるとき、機器50Aを保有しているユーザ属性は、男性大人(父親)、男性子供(息子)、男性老人(祖父)、女性大人(母親)、女性子供(娘)、女性老人(祖母)となる。
【0085】
また、変形例1Cに係る有用情報出力装置30は、第1機器情報取得部31aにより機器識別情報MIDが取得された場合、演算部33(ユーザ属性判定部)が、取得した機器識別情報に基づいてユーザ属性を判定する。例えば、演算部33は、機器50E(シューズ)の機器識別情報MID(M023)が取得された場合、機器情報記憶領域32aにおいて機器50Eに関連付けられた全ての機器(50A(テレビ),50D(時計),50F(カメラ),50H(携帯電話))の機器識別情報MID(M021,M022,M024,M025)に基づいて、持ち出し機器の保有者のユーザ属性(例えば、大人、性別不明)を判定する。そして、演算部1D(有用情報出力部)が、ユーザ属性に応じて有用情報(大人、性別不明)を出力する。ユーザ属性に応じた有用情報は、機器50の種類毎の有用情報とは別個に記憶されていてもよいし、機器50の種類毎の有用情報の組合せから生成されるものであってもよい。
【0086】
このようにして、有用情報出力装置30は、ユーザの保有する機器50の種類からユーザ属性(父、母、子供等)を特定し、そのユーザ属性に応じた有用情報を提供できる。
【0087】
(5−4)変形例1D:複数の室内ユニットを有する構成
本実施形態において、第1空調機11の室内ユニット12が複数存在する場合、第1情報処理装置10は、各室内ユニット12を識別する室内ユニット識別番号に関連付けて通信機能付き機器の機器識別情報を取得してもよい。この場合、第1識別情報FIDに室内ユニット識別番号が付加されることになる。また、機器情報記憶領域32aにおいて、室内ユニット識別情報に関連付けて機器識別情報が記憶されることになる。
【0088】
例えば、家庭5内で複数の部屋があり、各部屋にそれぞれ室内ユニット12が設置されている場合、各部屋の利用者毎にユーザ属性が異なる。これに対し、変形例1Dに係る有用情報出力装置30であれば、第1空調機11の室内ユニット12が複数存在する場合に、各室内ユニット12に関連するユーザ属性等に応じた有用情報を出力できるようになる。
【0089】
(5−5)変形例1E:機器の組合せ応じた有用情報の提示
本実施形態に係る有用情報出力装置30において、機器情報記憶領域32aには、第1識別情報FIDに関連付けて記憶された複数の機器識別情報MIDの組合せに応じて有用情報が記憶されていてもよい。例えば、機器情報記憶領域32aに、ある第1識別情報(F003)に関連付けて機器50A(テレビ),50D(時計),50E(シューズ),50F(カメラ),50H(携帯電話)が記憶されている場合、有用情報として機器50A(テレビ)及び機器50D(時計)に関連する有用情報が記憶されていてもよい。さらに、この場合には、機器50A,50D,50E,50F,50Hの機器識別情報MIDのいずれが取得されても、機器50A及び50Dに関連する有用情報のみを出力するようにしてもよい。
【0090】
(5−6)変形例1F:有用情報の生成
本実施形態に係る有用情報出力システム1において、有用情報が状況に応じて生成されてもよい。
【0091】
具体的には、演算部33(動線情報生成部)が、第2情報処理装置20が取得する持ち出し機器の機器識別情報MIDに基づいて、持ち出し機器の「動線情報」を生成する。そして、演算部33(有用情報生成部)が、第2情報処理装置20が取得した機器識別情報MIDと機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報のいずれかとが一致した場合、機器情報記憶領域32aに記憶されている複数の機器識別情報と動線情報とに基づいて有用情報を生成する。
【0092】
例えば、変形例1Fに係る有用情報出力装置30では、商業施設6内での動線情報から、ユーザが興味を示した製品を特定し、これに比重をかけた有用情報を生成して、有用情報提示装置40に出力する。このような構成により、ユーザの行動に応じた有用情報を提供できるようになる。結果として、最適なマーケティング活動が可能となる。
【0093】
(5−7)変形例1G:外部の有用情報生成装置の利用
本実施形態に係る有用情報出力システム1において、持ち出し機器の動線情報と、持ち出し機器に関連付けられた複数の機器識別情報とを外部の有用情報生成装置に出力する構成を採用してもよい。これにより、外部の有用情報生成装置は、これらの情報に基づいて有用情報を生成できる。また、このような有用情報を活用して効率的なマーケティング活動が期待できるようになる。
【0094】
(5−8)変形例1H:忘れ物通知サービスとの組合せ
本実施形態に係る有用情報出力装置30の処理を、忘れ物通知サービスと組み合わせてもよい。前提として、機器情報記憶領域32aが、機器識別情報MIDに関連付けてユーザの連絡先を事前に記憶しておく。そして、有用情報出力装置30の演算部33が、例えば商業施設6等での動線情報から、商業施設6等に通信機能付き機器50が放置されたままの状態か否かを判定する。演算部33は、通信機能付き機器50が放置されたままの状態であると判定した場合は、忘れ物であると推定し、その旨を事前に登録されたユーザの連絡先に通知する。このようにして、商業施設6から家庭5に戻ったユーザに忘れ物の情報が通知される。
【0095】
(5−9)変形例1I:帰属先及び持ち出し先の組合せ
本実施形態に係る有用情報出力システム1は、持ち出し機器の帰属先及び持ち出し先として、家庭5及び商業施設6の組合せを用いて説明したが、他の組合せであってもよい。例えば、
図11に示すように、「帰属先」は、家庭・商業施設・オフィス・工場・ホテルであってもよく、「持ち出し先」は、家庭・商業施設・オフィス・工場・ホテルなどであってもよい。
【0096】
帰属先がオフィスで、持ち出し先が商業施設である場合、有用情報出力装置30により商業施設におけるマーケティング活動に資する有用情報を提供できる。また、帰属先が家庭で、持ち出し先がホテルである場合、有用情報出力装置30により、ホテルにおけるサービス向上に資する有用情報を提供できる。また、帰属先がオフィスである場合には、持ち出し禁止の機器を持ち出した場合に警告を通知するサービスと組み合わせたり、外出先の営業担当者を監視するサービスと組み合わせたりすることができる。