特許第6798148号(P6798148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6798148
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】機能実行プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20201130BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20201130BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20201130BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201130BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   G06F3/0481 170
   G06F3/0484 120
   H04N1/00 127Z
   H04N1/00 350
   H04N1/00 002A
   G03G21/00 396
   B41J29/00 T
【請求項の数】9
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-104495(P2016-104495)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2017-211830(P2017-211830A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 純
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−309104(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0089857(US,A1)
【文献】 特開2013−238978(JP,A)
【文献】 特開2013−093020(JP,A)
【文献】 特開2004−086733(JP,A)
【文献】 特開2014−191751(JP,A)
【文献】 特開2006−163880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
B41J 29/00
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部における画像の表示領域に対する、指示体による接触及び近接の少なくとも一方である第1の操作、及び指示体が所定の強度以上の強度で押圧される操作である第2の操作を区別して検出可能に構成されたタッチパネルと、
画像処理装置と無線通信可能な通信部と、
を備えた情報処理装置が有するコンピュータが読み取り可能な機能実行プログラムであって、
前記情報処理装置は、当該機能実行プログラムを起動させるための起動用のアイコンが前記表示部に表示され、前記起動用のアイコンに対して前記第1の操作が行われた場合は当該機能実行プログラムが起動されるように構成され、前記起動用のアイコンとして既定アイコンが設定されており、
当該機能実行プログラムは、
前記コンピュータに、
前記通信部を介して前記画像処理装置と無線通信を行うことにより、前記画像処理装置が備える複数の機能を示す機能情報を取得する機能情報取得処理と、
前記機能情報取得処理により取得された前記機能情報が示す前記複数の機能の少なくとも1つについて、前記画像処理装置において予め決められた特定状態が発生している場合に、その特定状態を示す特定状態情報を取得する特定状態取得処理と、
前記特定状態取得処理により前記特定状態情報が取得された場合に、前記表示部に表示されている前記起動用のアイコンを、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報に対応した前記機能を示す機能アイコンに変更させ、さらに、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報が示す前記特定状態を示す状態アイコンを前記表示部に表示させる、アイコン変更処理と、
前記アイコン変更処理によって表示されている前記機能アイコンに対して前記第1の操作がなされた場合、前記複数の機能の中から実行対象の機能を選択させるための機能選択画面を前記表示部に表示させ、前記アイコン変更処理によって表示されている前記機能アイコンに対して前記第2の操作がなされた場合、前記特定状態の内容を示す特定状態画像を前記表示部に表示させる特定表示処理と、
を実行させるための機能実行プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の機能実行プログラムであって、
前記特定表示処理は、前記アイコン変更処理によって表示されている前記状態アイコンに対して前記第1の操作または前記第2の操作がなされた場合に前記特定状態画像を前記表示部に表示させる処理を含む、
機能実行プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の機能実行プログラムであって、
前記複数の機能に対して優先順位が設定されており、
前記特定状態取得処理によって前記複数の機能のうち2つ以上についてそれぞれ対応する前記特定状態情報が取得された場合、前記アイコン変更処理では、前記2つ以上の機能のうち前記優先順位が最も高い1つの機能を表示対象機能として、前記起動用のアイコンをその表示対象機能を示す前記機能アイコンに変更させ、さらにその表示対象機能に対応した前記状態アイコンを前記機能アイコンと共に前記表示部に表示させる、
機能実行プログラム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の機能実行プログラムであって、
前記画像処理装置は、前記複数の機能の1つとして、ファクシミリデータを受信して保存するファクシミリ受信機能を備えており、
前記ファクシミリ受信機能に対応した前記特定状態は、前記画像処理装置において前記ファクシミリデータが新規に受信されて保存されていることであり、
前記ファクシミリ受信機能に対応した前記状態アイコンは、前記新規に受信されて保存されている前記ファクシミリデータの件数を示す受信件数画像を含む、
機能実行プログラム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の機能実行プログラムであって、
前記画像処理装置は、前記複数の機能の1つとして、原稿の画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを保存する画像読取機能を備えており、
前記画像読取機能に対応した前記特定状態は、前記画像処理装置において前記画像データが新規に読み取られて保存されていることであり、
前記画像読取機能に対応した前記状態アイコンは、前記新規に読み取られて保存されている前記画像データの件数を示す読取件数画像を含む、
機能実行プログラム。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の機能実行プログラムであって、
前記画像処理装置は、前記複数の機能の1つとして、前記画像処理装置が備える機能の実行用のファームウェアを更新するファーム更新機能を備えており、
前記ファーム更新機能に対応した前記特定状態は、前記画像処理装置が備える前記ファームウェアについてより新しいバージョンのファームウェアが存在し、且つそのファームウェアに更新可能であることであり、
前記ファーム更新機能に対応した前記状態アイコンは、前記ファームウェアを更新可能であることを示す更新通知画像を含む、
機能実行プログラム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の機能実行プログラムであって、
前記画像処理装置は、前記複数の機能の1つとして、前記画像処理装置において特定の異常状態が発生していることを検出する異常検出機能を備えており、
前記異常検出機能に対応した前記特定状態は、前記画像処理装置において前記異常状態が発生していることであり、
前記異常検出機能に対応した前記状態アイコンは、前記異常状態が発生していることを示す異常通知画像を含む、
機能実行プログラム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の機能実行プログラムであって、
前記コンピュータに実行させる処理として、さらに、
前記特定表示処理によって前記特定状態画像を表示させた後、前記特定状態画像又は前記状態アイコンに対して前記タッチパネルを介して特定の操作がなされた場合に、前記状態アイコンが示す前記特定状態に対して予め決められた処理を実行する状態対応処理を有する、
機能実行プログラム。
【請求項9】
表示部と、
前記表示部における画像の表示領域に対する、指示体による接触及び近接の少なくとも一方である第1の操作、及び指示体が所定の強度以上の強度で押圧される操作である第2の操作を区別して検出可能に構成されたタッチパネルと、
画像処理装置と無線通信可能な通信部と、
機能実行プログラムが記憶された記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記機能実行プログラムを起動させるための起動用のアイコンとして既定アイコンを前記表示部に表示させる既定表示処理
を実行し
前記制御部は、さらに、前記機能実行プログラムに従って、
前記通信部を介して前記画像処理装置と無線通信を行うことにより、前記画像処理装置が備える複数の機能を示す機能情報を取得する機能情報取得処理と、
前記機能情報取得処理により取得された前記機能情報が示す前記複数の機能の少なくとも1つについて、前記画像処理装置において予め決められた特定状態が発生している場合に、その特定状態を示す特定状態情報を取得する特定状態取得処理と、
前記特定状態取得処理により前記特定状態情報が取得された場合に、前記表示部に表示されている前記起動用のアイコンを、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報に対応した前記機能を示す機能アイコンに変更させ、さらに、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報が示す前記特定状態を示す状態アイコンを前記表示部に表示させる、アイコン変更処理と、
前記アイコン変更処理によって表示されている前記機能アイコンに対して前記第1の操作がなされた場合、前記複数の機能の中から実行対象の機能を選択させるための機能選択画面を前記表示部に表示させ、前記アイコン変更処理によって表示されている前記機能アイコンに対して前記第2の操作がなされた場合、前記特定状態の内容を示す特定状態画像を前記表示部に表示させる特定表示処理と、
を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置から無線通信によって画像処理装置を利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えた携帯通信端末が普及している。特許文献1には、複数種類のアプリケーション毎にアイテムが表示され、任意のアイテムが選択されるとそのアイテムに対応したアプリケーションが実行されるように構成された携帯端末機が開示されている。なお、特許文献1に記載のアイテムは、一般に、アイコンと呼ばれることも多い。
【0003】
また、アプリケーションにより実行される機能に関する特定の状態が発生した場合にそれを検知して、その特定の状態が発生したことを示すアイコンを、そのアプリケーションの起動用のアイコンと共に表示させる技術も知られている。
【0004】
例えば、電子メールの送受信を行う機能を備えたアプリケーションとして、電子メールが受信された場合に、受信された件数を示すアイコンを、当該アプリケーション起動用のアイコンと共に表示させるように構成されたものが公知である。なお、このように起動用のアイコンと共に表示されるアイコンは、一般に「バッジ」とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014−519106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
起動用のアイコンと共に、特定の状態が発生したことを示すバッジが表示されると、ユーザはそのアイコンに対応したアプリケーションに関して特定の状態が発生したことを知ることができるため、ユーザにとって便利である。
【0007】
しかし、単にバッジが表示されるだけでは、現在発生している特定の状態の具体的な内容まではすぐにはわからない。例えば上記の電子メール用のアプリケーションの場合、受信された件数はわかっても、電子メールの内容まではすぐにはわからず、内容を知るためにはアプリケーションを起動させて内容表示のための所定の画面遷移操作を行う必要がある。
【0008】
特に、複数の機能を有する画像処理装置と各種データ通信を行うように構成されたアプリケーションの場合、複数の機能のうち何れかに関してバッジが表示された場合に、そのバッジ表示だけでは、具体的にどの機能について特定の状態が発生したのか、判断がつかない。そのため、どの機能に関してどのような特定の状態が発生したのかを知るためには、アプリケーションを実際に起動させて所定の操作手順を含むことで確認する必要があり、ユーザにとって必ずしも使い勝手が良いとは言えなかった。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の機能を有する画像処理装置において特定の状態が発生した場合に、その特定の状態がどの機能に関するものであるのか及びその特定の状態の具体的内容を、画像処理装置と無線通信可能な情報処理装置側において容易に知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の機能実行プログラムは、表示部と、タッチパネルと、通信部とを備えた情報処理装置が有するコンピュータが読み取り可能なプログラムである。タッチパネルは、表示部における画像の表示領域に対する、指示体による接触及び近接の少なくとも一方である第1の操作、及び指示体が所定の強度以上の強度で押圧される操作である第2の操作を区別して検出可能に構成されている。通信部は、画像処理装置と無線通信可能である。
【0011】
また、情報処理装置は、当該機能実行プログラムを起動させるための起動用のアイコンが表示部に表示され、起動用のアイコンに対して第1の操作が行われた場合は当該機能実行プログラムが起動されるように構成され、起動用のアイコンとして既定アイコンが設定されている。
【0012】
そして、当該機能実行プログラムは、コンピュータに、機能情報取得処理と、特定状態取得処理と、アイコン変更処理と、特定表示処理とを実行させるように構成されている。
機能情報取得処理は、前記通信部を介して前記画像処理装置と無線通信を行うことにより、前記画像処理装置が備える複数の機能を示す機能情報を取得する処理である。特定状態取得処理は、前記機能情報取得処理により取得された前記機能情報が示す前記複数の機能の少なくとも1つについて、前記画像処理装置において予め決められた特定状態が発生している場合に、その特定状態を示す特定状態情報を取得する処理である。アイコン変更処理は、前記特定状態取得処理により前記特定状態情報が取得された場合に、前記表示部に表示されている前記起動用のアイコンを、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報に対応した前記機能を示す機能アイコンに変更させ、さらに、前記特定状態取得処理により取得された前記特定状態情報が示す前記特定状態を示す状態アイコンを前記表示部に表示させる処理である。特定表示処理は、前記アイコン変更処理によって表示されている前記機能アイコンに対して前記第2の操作がなされた場合、又は前記状態アイコンに対して前記第1の操作若しくは前記第2の操作がなされた場合に、前記特定状態の内容を示す特定状態画像を前記表示部に表示させる処理である。
【0013】
情報処理装置においては、機能実行プログラムを起動させるための起動用のアイコンとして、通常は既定アイコンが表示される。これに対し、上記構成の機能実行プログラムが実行されると、画像処理装置において特定状態が発生した場合、起動用のアイコンがその特定状態に対応した機能アイコンに変更され、且つその特定状態を示す状態アイコンが表示される。さらに、機能アイコン及び状態アイコンの少なくとも一方に対して上記のように操作が行われた場合は、特定状態の内容を示す特定状態画像が表示される。
【0014】
したがって、上記構成の機能実行プログラムによれば、画像処理装置が備える複数の機能のうち何れかについて特定状態が発生した場合に、その発生した特定状態がどの機能に関するものであるのかを情報処理装置側で容易に知ることができると共に、その特定の状態の具体的内容についても情報処理装置側で容易に知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の画像処理システムの構成を示す説明図。
図2】複合機の装置状態情報テーブルの一例を示す説明図。
図3】サーバのファームバージョンテーブルの一例を示す説明図。
図4】携帯端末の待機画面の一例を示す説明図。
図5】複合機に特定状態が発生した場合の、携帯端末の待機画面の一例を示す説明図。
図6】複合機に特定状態が発生した場合の、携帯端末の待機画面に表示される起動用のアイコン50及び状態アイコン60の一例を示す説明図。
図7】装置状態通知処理を示すフローチャート。
図8】状態通知対応処理を示すフローチャート。
図9図8のS530及びS570の画像閲覧処理の詳細を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)画像処理システムの概要
本実施形態の画像処理システムは、図1に示すように、携帯端末10と、複合機30とを備える。
【0017】
携帯端末10は、例えばスマートフォン、タブレット端末などの、携帯して使用可能な情報処理装置である。携帯端末10は、CPU11、記憶部12、メモリカードインタフェース部(以下「メモリカードI/F」と称す)13、入力部14、表示部15、音声入出力部16、撮影部17、第1無線通信部21、及び第2無線通信部22を備える。これら各部は、バスライン20を介して互いに接続される。
【0018】
CPU11は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。なお、以下の説明では、プログラムを実行するCPU11のことを、単にプログラム名で記載する場合もある。例えば「プログラムは」という記載が「プログラムを実行するCPU11は」を意味する場合もある。後述する複合機30のCPU31についても同様である。
【0019】
記憶部12は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリを少なくとも1つ含む。なお、CPU11がプログラムを実行することにより実現される機能の一部又は全てを、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
【0020】
メモリカードI/F13は、書き換え可能な不揮発性のメモリカード(不図示)が装着されるインタフェース部であり、メモリカードに対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。
【0021】
入力部14は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置であり、タッチパネル14aを有する。タッチパネル14aに加えて操作ボタンなどの各種の入力手段を有していてもよい。表示部15は、画像を表示可能な表示デバイスであり、例えば、不図示の液晶ディスプレイを有する。
【0022】
記憶部12には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、OS(オペレーティングシステムの略称)26と、遠隔利用アプリ27とが記憶されている。遠隔利用アプリ27には、後述する各種のアイコンの画像データが含まれる。OS26及び遠隔利用アプリ27は、CPU11を含むコンピュータシステムにインストールされている。
【0023】
タッチパネル14aは、表示部15が有する表示デバイスにおける画像表示領域に重畳配置される。タッチパネル14aは、表示部15の画像表示領域に対する、指先やペンなどの指示体による、特定の位置を指示する指示操作を検出することが可能に構成された入力装置である。ここでいう「指示」とは、指示体が接触すること及び近接することの少なくとも一方を含む。タッチパネル14aは、指示体による指示操作として、例えば接触のみ検出可能であってもよいし、近接のみ検出可能であってもよいし、接触及び近接の双方を検出可能であってもよい。
【0024】
本実施形態のタッチパネル14aは、指示体による指示操作が行われると、指示操作が行われた位置を示す検出信号を出力する。即ち、指示体の接触を検出可能に構成されている場合は、指示体が接触した位置を示す検出信号を出力する。指示体の近接を検出可能に構成されている場合は、指示体が近接した位置、即ち近接したことが検知された位置を示す検出信号を出力する。
【0025】
また、本実施形態のタッチパネル14aは、指示体が接触した場合に、その接触強度を、少なくとも2種類に区別して検出することが可能である。
具体的に、タッチパネル14aは、指示体が接触したときの接触強度が例えば特定の強度閾値以上の場合は、接触強度が強度閾値以上であることを示す特定の信号を含む検出信号を出力する。接触強度が強度閾値未満の場合は、上記特定の信号を含まない検出信号を出力するか、若しくは上記特定の信号とは異なる信号を含む検出信号を出力する。
【0026】
ここでいう接触強度は、例えば力(単位:[N])で規定してもよいし、例えば圧力(単位:[Pa])で規定してもよいし、その他の単位系の物理量で規定してもよい。
なお、以下の説明では、指示操作とは、特にことわりのない限り、指示体が強度閾値未満の接触強度で接触すること及び近接することの少なくとも一方を意味するものとする。そして、指示体が強度閾値以上の接触強度で接触することを、押圧操作と称する。
【0027】
CPU11は、タッチパネル14aから出力される検出信号に基づいて、指示体による指示操作の有無、押圧操作の有無、指示操作又は押圧操作がなされた場合にその操作がなされた位置などを判断する。これらの判断は、具体的には、OS26によって行われる。OS26は、タッチパネル14aからの検出信号に基づいて、指示操作の有無、押圧操作の有無、指示操作又は押圧操作がなされた位置などを検出する。
【0028】
遠隔利用アプリ27は、OS26による上記検出結果を示す指示体情報を取得し、その指示体情報に基づいて、指示体による指示操作の有無、押圧操作の有無、指示操作又は押圧操作がなされた位置などを判断する。なお、これらの判断をOS26が行って、OS26がその判断結果を遠隔利用アプリ27へ伝えるようにしてもよい。
【0029】
また、遠隔利用アプリ27は、指示体によって指示操作されている場合にその指示操作されている位置が変化した場合は、その変化状態に基づいて指示体の動きを判断する。具体的には、例えば、指示体の移動量、移動速度、移動加速度、移動方向の少なくとも1つを判断する。移動量は、例えば、OS26から取得する指示体の位置の変化量を演算することで得られる。移動速度は、例えば、移動量の時間変化率を演算することで得られる。移動加速度は、例えば、移動速度の時間変化率に基づいて得られる。遠隔利用アプリ27は、上述した指示体の動きを判断し、これらに基づいて、指示体による操作として、例えばタップ、ドラッグ、フリック、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト、などの各種操作を検出することができる。なお、これらの検出についても、OS26が行って、OS26がその検出結果を遠隔利用アプリ27へ伝えるようにしてもよい。
【0030】
音声入出力部16は、マイクやスピーカなどで構成された音声入出力用デバイスである。撮影部17は、いわゆるデジタルカメラとしての機能を担うものであり、画像を撮影してその画像を示す画像データを生成することができる。撮影部17で撮影された画像データは、例えば記憶部12に記憶される。
【0031】
第1無線通信部21は、移動通信網120を介した音声通話やデータ通信を行うためのインタフェース部である。第1無線通信部21は、例えば、LTE規格による無線通信を行うことが可能な構成であってもよい。なお、「LTE」は、「Long Term Evolution」の略称である。
【0032】
第2無線通信部22は、無線LAN規格による通信(以下「無線LAN通信」と称す)を行うためのインタフェース部である。本実施形態では、第2無線通信部22が行う無線LAN通信は、IEEE802.11b/g/nの規格に準拠した無線LAN通信である。
【0033】
携帯端末10は、第2無線通信部22を介して、AP150との間で無線LAN通信を行うことができる。AP150は、無線LAN通信を中継する中継装置である。なお、「AP」は、「Access Point」の略称であり、一般にアクセスポイントと呼ばれる。
【0034】
AP150は、ルータ151を介してインターネット110に接続されている。よって、携帯端末10は、AP150及びルータ151を介してインターネット110に接続できる。なお、携帯端末10は、第1無線通信部21から移動通信網120経由でインターネット110に接続することも可能である。
【0035】
インターネット110には、サーバ160を含む複数の情報処理装置が接続されている。携帯端末10は、第1無線通信部21又は第2無線通信部22を介して、インターネット110に接続されている各種の情報処理装置とデータ通信を行うことができる。
【0036】
サーバ160は、例えば複合機30のベンダによって提供される。サーバ160は、複合機30を含む、当該ベンダが提供する各種の複合機やその他の機器に関する情報を提供可能に構成されている。
【0037】
サーバ160に記憶されている情報には、ファームバージョンテーブル161が含まれる。ファームバージョンテーブル161は、ベンダが提供する各種機器のファームウェアの最新バージョン(以下「最新ファームバージョン」と称す)が記憶されたものである。ファームバージョンテーブル161の具体例を図3に示す。図3に示すファームバージョンテーブル161は、複数種類の複合機それぞれの最新ファームバージョンが記憶されている。例えば、装置IDが「MFC−XXXX」の複合機の最新ファームバージョンは「1.00」である。装置IDとは、複合機の機種毎に割り当てられた、機種固有のIDである。
【0038】
複合機30は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能などの各種機能を有している。また、複合機は、前述の主要な機能のほかに、後述するステータス監視機能や、ファームウェア管理機能なども有している。
【0039】
複合機30は、CPU31、記憶部32、入力部34、表示部35、スキャナ部36、印刷部37、通信I/F38、及び無線通信部41を備えている。これらの構成要素は、バスライン40を介して互いに接続される。
【0040】
記憶部32には、上述した各種機能を実現するための各種のプログラムやデータが記憶されている。CPU31は、記憶部32に記憶されている各種プログラムを実行することにより、上述した各種機能を実現する。
【0041】
記憶部32に記憶されている各種プログラムとして、上述した各種機能を実現するためのファームウェア46が含まれる。上記各種機能は、CPU31が主にファームウェア46を実行することにより実現される。複合機30の出荷時には、通常、その出荷時における最新のバージョンのファームウェア46がインストールされて出荷される。
【0042】
ただし、出荷後、ファームウェア46として、新たなバージョンのファームウェアがベンダから提供される場合がある。これに対し、本実施形態の複合機30は、ファームウェア管理機能を備えている。ファームウェア管理機能は、現在記憶されているファームウェアよりも新しい最新バージョンのファームウェアがある場合にその最新バージョンのファームウェアを取得して記憶部32のファームウェア46をアップデートする機能である。なお、最新バージョンのファームウェアは、例えばインターネット経由でダウンロードすることによって取得することができる。
【0043】
無線通信部41は、携帯端末10の第2無線通信部22と同様の構成であって同様の機能を有する。そのため、携帯端末10と複合機30は、AP150を介して相互に無線LAN通信を行うことができる。なお、携帯端末10と複合機30は、AP150を介さずに直接無線LAN通信を行うことが可能であってもよい。また、携帯端末10と複合機30とのデータ通信は、無線LAN以外の他の通信方式で行われる構成であってもよい。
【0044】
入力部34は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置であり、不図示のタッチパネルを有する。表示部35は、画像を表示可能な表示デバイスであり、例えば、不図示の液晶ディスプレイを有する。
【0045】
印刷部37は、前述の印刷機能を実現するための主要構成要素であり、記録紙への画像の印刷を行うための各種の構成部材を有する。印刷部37が有する構成部材には、インクカートリッジが含まれる。印刷部37は、記録紙への画像の印刷を行うことが可能に構成されている。本実施形態の複合機30は、印刷部37によりモノクロ印刷及びカラー印刷の双方を可能に構成されており、印刷に用いられるインクカートリッジとして、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色を有している。
【0046】
複合機30は、当該複合機30の各種状態を監視するステータス監視機能を有している。ステータス監視機能において、監視対象の各種状態のうちいずれかについて異常な状態になっていることを検出した場合は、所定の警告処理を行う。
【0047】
ステータス監視機能には、複合機30で用いられる各種の消耗品について、その残量を検出して残量が一定レベル以下になった場合に警告処理を行う機能が含まれる。本実施形態では、ステータス監視機能における、残量の監視対象の消耗品として、少なくとも、前述の4色のインクカートリッジがある。
【0048】
ステータス監視機能において、インクカートリッジについては、定期的に、各色毎に残量を検出し、残量が一定レベル以下のインクカートリッジがあった場合には所定の警告処理を行う。なお、警告処理の具体的内容や、警告処理を行うか否かの判断基準となる前述の一定レベルなどについては、適宜決めることができる。
【0049】
スキャナ部36は、前述のスキャン機能を実現するための主要構成要素であり、原稿の画像を読み取って、その読み取った画像の画像データ(以下「スキャンデータ」と称す)を生成する。生成されたスキャンデータは、記憶部32に記憶される。
【0050】
スキャナ部36により生成されたスキャンデータは、印刷部37によって印刷させたり、無線通信部41を介して外部へ送信したりすることができる。本実施形態では、スキャナ部36により生成されたスキャンデータを携帯端末10へ無線送信することができる。具体的に、生成されたスキャンデータそのものを送信できるのに加え、プレビュー用に画像サイズが縮小されたデータを送信することもできる。
【0051】
本実施形態の複合機30は、記憶部32に記憶されているスキャンデータの数をスキャン件数として計数する機能を有している。複合機30は、スキャナ部36により原稿の画像が読み取られてスキャンデータが生成される毎に、そのスキャンデータを記憶部32に記憶し、スキャン件数を1つ増加させる。スキャンデータが他の機器に無線送信されたり特定の削除操作が行われたりすると、そのスキャンデータは記憶部32から削除される。スキャンデータが記憶部32から削除されると、その削除された件数分、スキャン件数の値が減算される。
【0052】
なお、スキャンデータが他の機器に無線送信された場合にそのスキャンデータを記憶部32から削除することは必須ではなく、無線送信された後も記憶部32に残しておき、特定の削除条件が成立した場合に削除するようにしてもよい。その場合、スキャン件数の減算は、スキャンデータが削除されたときに行ってもよいし、スキャンデータが他の機器に無線送信された時点で行ってもよい。
【0053】
通信I/F38は、前述のファクシミリ機能を実現するための主要構成要素であって、不図示のネットワーク通信網を介してファクシミリデータの送受信を行うための通信インタフェースであり、ネットワーク通信網に接続されている。複合機は、通信I/F38を介して、ファクリミリデータを外部へ送信したり、外部からファクシミリデータを受信することができる。本実施形態では、外部から受信したファクシミリデータを携帯端末10へ無線送信することができる。
【0054】
通信I/F38に接続されるネットワーク通信網は、例えば電話回線であってもよいし、例えばインターネット110であってもよい。また例えば、複数のネットワーク網が接続され、それら複数のネットワーク網のいずれかを選択的に使用してファクシミリデータを送受信可能であってもよい。
【0055】
通信I/F38を介してファクシミリデータが受信された場合、そのファクシミリデータは記憶部32に記憶される。受信したファクシミリデータは、印刷部37によって印刷させたり、無線通信部41を介して外部へ送信したりすることができる。本実施形態では、受信したファクシミリデータを携帯端末10へ無線送信することができる。具体的に、受信したファクシミリデータそのものを無線送信できるのに加え、プレビュー用に画像サイズが縮小されたデータを無線送信することもできる。
【0056】
本実施形態の複合機30は、ファクシミリデータを受信して記憶部32に記憶する毎に、そのファクシミリデータに対して、新規に受信したものであることを示す新規フラグを付加する。そして、新規フラグが付加されているファクシミリデータの数をファクス件数として計数する。複合機30は、ファクシミリデータが受信される毎に、そのファクシミリデータに新規フラグを付加して記憶部32に記憶し、ファクス件数を1つ増加させる。
【0057】
ファクシミリデータに付加された新規フラグは、所定のクリア条件が成立した場合にはクリアされる。クリア条件は種々考えられ、例えば、当該ファクシミリデータ又はそのプレビュー用データが外部に無線送信された場合であってもよいし、あるいは、複合機30本体において印刷出力されたりプレビュー表示されたりした場合であってもよい。新規フラグが付加されたファクシミリデータが削除されることもクリア条件の1つである。クリア条件成立によって新規フラグがクリアされると、そのクリアされた件数に応じてファクス件数も減算される。
【0058】
記憶部32には、前述のファームウェア46のほか、装置状態情報テーブル47も記憶される。装置状態情報テーブル47は、複合機30における各種状態を示す情報であり、ファームウェア46によって生成される。装置状態情報テーブル47の具体例を図2(A)〜図2(C)に示す。
【0059】
図2(A)〜図2(C)に示すように、本実施形態の装置状態情報テーブル47には、複合機30の装置IDと、ファクス件数と、スキャン件数と、ファームバージョンと、ステータスとが含まれる。このうちファクス件数及びスキャン件数については前述の通りである。即ち、装置状態情報テーブル47には、現在計数されている最新のファクス件数及びスキャン件数が記憶される。ファクス件数及びスキャン件数に増減が生じた場合は、その都度、装置状態情報テーブル47中の該当する件数も更新される。あるいは、定期的に最新の件数を確認し、テーブル中の件数から変化している場合にその変化している件数に更新する構成であってもよい。
【0060】
ファームバージョンは、記憶部32に現に記憶されているファームウェア46のバージョンを示す。ファームウェア46がアップデートされた場合には、装置状態情報テーブル47に記憶されるファームバージョンも、そのアップデート後のファームウェアのバージョンに更新される。
【0061】
ステータスは、前述のステータス監視機能による監視結果を示す情報である。ステータス監視機能によって異常が検出されていない場合は、異常がない旨の情報が装置状態情報テーブル47に記憶される。図2(A)〜図2(C)には、異常がない旨の情報として、「0:Ready」が例示されている。
【0062】
一方、ステータス監視機能によって異常が検出された場合は、その異常を示す情報が装置状態情報テーブル47に記憶される。例えば、シアンのインクカートリッジの残量が一定レベル以下になったことが検出された場合、装置状態情報テーブル47には、図2(C)に例示するように、ステータスとして、シアンのインクカートリッジを交換すべき旨を示す情報が記憶される。
【0063】
なお、図2(A)〜図2(C)と図3とを比較して明らかなように、装置IDが「MFC−XXXX」の複合機と装置IDが「MFC−ZZZZ」の複合機は、いずれも、最新バージョンのファームウェアがインストールされている。一方、装置IDが「MFC−YYYY」の複合機には最新バージョンよりも古いバージョンのファームウェアがインストールされている。
【0064】
(2)遠隔利用アプリの説明
携帯端末10にインストールされている遠隔利用アプリ27は、複合機30を無線にて遠隔操作するためのソフトウェアである。遠隔利用アプリ27は、例えば複合機30のベンダにて提供され、携帯端末10を含む各種の情報処理装置にインストールすることができる。
【0065】
携帯端末10において、遠隔利用アプリ27がインストールされると、OS26は、図4に例示するように、当該遠隔利用アプリ27を示し且つ当該遠隔利用アプリ27を起動させるための起動用のアイコン50を表示部15に表示させる。起動用のアイコン50として、デフォルトでは、図4に示すような画像のアイコンである既定アイコン50aが表示される。なお、起動用のアイコン50が表示される画面を、待機画面という。待機画面に表示されている起動用のアイコン50に対して指示体による指示操作が行われた場合、OS26は、遠隔利用アプリ27を起動させる。
【0066】
本実施形態の遠隔利用アプリ27が有する機能には、例えば、印刷機能、スキャン機能、ファクシミリ機能、監視機能などがある。
印刷機能は、携帯端末10から複合機30へ画像データを送信してその画像データを複合機30にて印刷させる機能を含む。
【0067】
スキャン機能は、携帯端末10から複合機30へ画像読み取りを指示する機能、前述のスキャン件数を取得して表示させる機能、複合機30に記憶されているスキャンデータ自体或いはそのプレビュー用の縮小データを複合機30から無線送信させてそれを受信し、その受信したデータに基づいてスキャン画像をプレビュー表示させる機能などを含む。
【0068】
ファクシミリ機能は、複合機30から前述のファクス件数を取得して表示させる機能、複合機30に記憶されているファクシミリデータ或いはそのプレビュー用の縮小データを複合機30から無線送信させてそれを受信し、その受信したデータに基づいてファクシミリ画像をプレビュー表示させる機能などを含む。
【0069】
監視機能は、複合機30の各種ステータスを示す情報を取得して表示させる機能、複合機30に現在インストールされているファームウェア46のバージョンを示す情報を取得して表示させる機能、複合機30に対してファームウェア46を最新バージョンにアップデートするよう指示する機能などを含む。
【0070】
遠隔利用アプリ27が有する上記各機能は、通常、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を指示操作することによって遠隔利用アプリ27を起動させることにより実現できる。起動用のアイコン50が指示操作されることによって遠隔利用アプリ27が起動すると、遠隔利用アプリ27は、上記各機能の中から実行対象の機能を選択させるための機能選択画面(不図示)を表示部15に表示させる。その機能選択画面の中で何れかの機能が選択されると、その選択された機能を実行するための、その機能用の詳細選択画面(不図示)が表示される。そして、その詳細選択画面に対してさらに特定の操作を行うことで、選択した機能を実際に実行させることができる。例えば、選択した機能が監視機能であれば、複合機30のステータスに関する情報を表示させて確認することができる。
【0071】
このように、携帯端末10において複合機30の各種状態を確認したい場合は、上記のように各種選択操作及びそれに伴う各種画面遷移を経ることによって、必要な情報を表示させ、確認することができる。
【0072】
これに対し、本実施形態の遠隔利用アプリ27は、さらに、起動用のアイコン50が指示体によって指示操作されなくても、定期的に起動して複合機30の各種状態のうち特定の一部を取得して待機画面に表示させることが可能な、装置状態通知機能を有している。
【0073】
遠隔利用アプリ27が携帯端末10にインストールされた後、その遠隔利用アプリ27を利用して実際に複合機30を遠隔操作するためには、操作対象の複合機30を登録する必要がある。具体的に、遠隔利用アプリ27のインストール後、遠隔利用アプリ27を起動させて特定の登録処理を行うことで、操作対象の複合機30を登録することができる。
【0074】
登録処理は、例えば、第2無線通信部22を介して通信可能な機器をサーチし、その中から何れか1つを選択させることにより行われる。操作対象として複合機30が選択されると、遠隔利用アプリ27は、機能情報取得処理を実行する。具体的に、選択された複合機30と無線通信を行うことによって、複合機30から、複合機30が有する複数の機能を示す機能情報を取得する。
【0075】
また、遠隔利用アプリ27は、ユーザの意思に関係なく装置状態通知機能を定期的に実行するために、OS26に対し、定期的に起動させるよう起動予約を行う。OS26は、起動予約を受けると、以後、指定されたタイミングで定期的に遠隔利用アプリ27を起動させる。なお、OS26が遠隔利用アプリ27を起動させるタイミングは適宜決めることができ、例えば一定周期で起動させるようにしてもよい。
【0076】
遠隔利用アプリ27は、起動されると、起動要因を確認する。そして、起動用のアイコン50が指示操作されたことによる起動である場合は、前述のように不図示の機能選択画面を表示させ、以後、ユーザ操作に従って処理を実行する。
【0077】
一方、OS26による起動予約に基づく起動である場合には、遠隔利用アプリ27は、当該遠隔利用アプリ27が有する各種処理プログラムの1つである装置状態通知処理のプログラムを実行することにより、装置状態通知機能を実現する。装置状態通知処理の詳細内容は後で図7を用いて説明する。ここではまず、装置状態通知処理により実現される装置状態通知機能の概要について簡単に説明する。
【0078】
装置状態通知機能が実行されると、遠隔利用アプリ27は、複合機30から第2無線通信部22を介して、複合機30が有する複数の機能の少なくとも1つについて、予め決められた特定状態が発生しているか否かを判断する。本実施形態では、登録処理時に複合機30から取得した機能情報に基づき、複合機30が有する複数の機能のうち、ファクシミリ機能、スキャン機能、ファームウェア管理機能、及びステータス監視機能に関し、それぞれ特定状態が発生しているか否か判断する。
【0079】
ファクシミリ機能に対する特定状態とは、例えば、ファクシミリ件数が1件以上あることである。スキャン機能に対する特定状態とは、例えば、スキャン件数が1件以上あることである。ファームウェア管理機能に対する特定状態とは、例えば、現在インストールされているファームウェア46よりも新しいバージョンのファームウェアが存在していることである。ステータス監視機能に対する特定状態とは、例えば、複合機30において特定の複数種類のステータス異常の何れかが生じていることである。複数種類のステータス異常の中には、消耗品の残量が一定レベル以下になっていることが含まれる。
【0080】
遠隔利用アプリ27は、上述した特定状態が発生しているか否かを判断するために、複合機30から、装置状態情報テーブル47として記憶されている情報を取得する。さらに、インターネット110経由でサーバ160にアクセスし、複合機30のファームウェア46の最新ファームバージョンを取得する。
【0081】
そして、取得した情報が、複合機30において特定状態が発生していることを示す特定状態情報である場合は、その発生している特定状態に対応した機能に応じて起動用のアイコン50を切り替え、且つその起動用のアイコン50に、複合機30で発生している特定状態の内容を示す状態アイコン60を重畳表示させる。
【0082】
具体的に、例えば複合機30にインストールされているファームウェア46のバージョンが最新バージョンよりも古いバージョンである場合には、表示部15に表示される起動用のアイコン50として、既定アイコン50aに代えて、例えば図6(E)に示すような、ファームウェア管理機能に対応したファームアイコン50eを表示させる。さらに、状態アイコン60として、ファームウェアを更新可能であることを示す特定のファームウェア警告アイコン60eを、ファームアイコン50eの一部に重畳するように表示させる。
【0083】
このように、起動用のアイコン50としてファームアイコン50eが表示されて且つファームウェア警告アイコン60eが表示されることで、ユーザは、遠隔利用アプリ27を起動させることなく、複合機30のファームウェアを更新可能であることを容易且つ迅速に認識することができる。
【0084】
さらに、ファームアイコン50eに対して押圧操作を行うか、又は、ファームウェア警告アイコン60eに対して指示操作若しくは押圧操作を行うことで、後述するように、ファームウェアをアップデート可能であることを示す情報を表示させたり、複合機30に対してファームウェアのアップデートを実行させることもできる。
【0085】
また例えば、複合機30においてステータスに異常が発生している場合であってそれが消耗品の残量に関する異常ではなく他の異常である場合は、表示部15に表示される起動用のアイコン50は既定アイコン50aのままとし、その既定アイコン50a対し、例えば図6(A)に示すように、状態アイコン60として、ステータスの異常が生じていることを示すステータス警告アイコン60aを重畳表示させる。
【0086】
このように、起動用のアイコン50は既定アイコン50aであるもののその既定アイコン50aに対してステータス警告アイコン60aが表示されることで、ユーザは、遠隔利用アプリ27を起動させることなく、複合機30において、消耗品以外の何らかのステータス異常が発生していることを容易且つ迅速に認識することができる。
【0087】
さらに、既定アイコン50aに対して押圧操作を行うか、又は、ステータス警告アイコン60aに対して指示操作若しくは押圧操作を行うことで、後述するように、発生している異常の具体的内容を表示させたり、発生している異常に関連したFAQサイトにアクセスしてそのFAQサイトを表示部15に表示させることもできる。
【0088】
一方、複合機30において消耗品の残量が一定レベル以下になっていることに基づく警告処理が行われている場合は、表示部15に表示される起動用のアイコン50として、既定アイコン50aに代えて、例えば図6(D)に示すような、ステータス監視機能のうち特に消耗品の残量を監視する機能に対応した消耗品アイコン50dを表示させる。さらに、状態アイコン60として、消耗品の残量が一定レベル以下になっていることを示す消耗品警告アイコン60dを、消耗品アイコン50dの一部に重畳するように表示させる。
【0089】
このように、起動用のアイコン50として消耗品アイコン50dが表示されて且つ消耗品警告アイコン60dが表示されることで、ユーザは、遠隔利用アプリ27を起動させることなく、複合機30において消耗品を交換する必要があることを容易且つ迅速に認識することができる。
【0090】
さらに、消耗品アイコン50dに対して押圧操作を行うか、又は、消耗品警告アイコン60dに対して指示操作若しくは押圧操作を行うことで、後述するように、消耗品の具体的種類を示す情報を表示させたり、その消耗品をオンライン購入することが可能な消耗品購入サイトにアクセスしてその消耗品購入サイトを表示部15に表示させることもできる。
【0091】
また例えば、複合機30において、ファクス件数が1件以上計数されている場合は、表示部15に表示される起動用のアイコン50として、既定アイコン50aに代えて、例えば図6(B)に示すような、ファクシミリ機能に対応したファクスアイコン50bを表示させる。さらに、状態アイコン60として、ファクス件数を示すファクス件数アイコン60bを、ファクスアイコン50bの一部に重畳するように表示させる。
【0092】
なお、図5の左側は、表示部15において実際に起動用のアイコン50としてファクスアイコン50bが表示され、且つそれにファクス件数アイコン60bが重畳表示されている状態を示している。図5及び図6(B)に示すファクス件数アイコン60bは、数字「2」を示す画像であり、ファクス件数が2件であることを示している。
【0093】
このように、起動用のアイコン50としてファクスアイコン50bが表示されて且つファクス件数アイコン60bが表示されることで、ユーザは、遠隔利用アプリ27を起動させることなく、複合機30において新規にファクシミリデータが受信されていること及びその件数を容易且つ迅速に認識することができる。
【0094】
さらに、ファクスアイコン50bに対して押圧操作を行うか、又は、ファクス件数アイコン60bに対して指示操作若しくは押圧操作を行うことで、後述するように、新規受信されて記憶されているファクシミリデータを表示部15にプレビュー表示させることもできる。図5の右側は、2件のファクシミリデータのうち2件目についてそのプレビュー画像がポップアップ表示されている状態を示している。
【0095】
また例えば、複合機30において、スキャン件数が1件以上計数されている場合は、表示部15に表示される起動用のアイコン50として、既定アイコン50aに代えて、例えば図6(C)に示すような、スキャン機能に対応したスキャンアイコン50cを表示させる。さらに、状態アイコン60として、スキャン件数を示すスキャン件数アイコン60cを、スキャンアイコン50cの一部に重畳するように表示させる。図6(C)に示すスキャン件数アイコン60cは、数字「3」を示す画像であり、スキャン件数が3件であることを示している。
【0096】
このように、起動用のアイコン50としてスキャンアイコン50cが表示されて且つスキャン件数アイコン60cが表示されることで、ユーザは、遠隔利用アプリ27を起動させることなく、複合機30において新規にスキャンデータが生成されていること及びその件数を容易且つ迅速に認識することができる。
【0097】
さらに、スキャンアイコン50cに対して押圧操作を行うか、又は、スキャン件数アイコン60cに対して指示操作若しくは押圧操作を行うことで、後述するように、新規に読み取られて記憶されているスキャンデータを表示部15にプレビュー表示させることもできる。
【0098】
なお、異なる複数の機能それぞれにおいて特定状態が同時に発生している場合は、本実施形態では、優先順位の最も高い1つの機能を対象として、起動用のアイコン50の切り替えや状態アイコン60の表示が行われる。本実施形態では、ファームウェア管理機能、ステータス監視機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、の順で優先順位が設定されている。即ち、ファームウェア管理機能が最も優先順位が高く、スキャン機能が最も優先順位が低い。そのため、例えば、複合機30にインストールされているファームウェア46のバージョンが古くなっていて、且つファクス件数が1件以上ある場合は、ファクシミリ機能よりもファームウェア管理機能の方が優先順位が高いことに基づき、起動用のアイコン50はファームアイコン50eに切り替わり、且つ状態アイコン60としてファームウェア警告アイコン60eが重畳表示される。後述する図7の装置状態通知処理は、この優先順位が反映された処理内容となっている。
【0099】
(3)装置状態通知処理の説明
上述した装置状態通知機能を実現するための装置状態通知処理のより具体的な内容について、図7を用いて説明する。図7に示す装置状態通知処理は、既述の通り遠隔利用アプリ27の一部であり、起動予約に基づいてOS26により起動された場合に実行される処理である。
【0100】
携帯端末10のCPU11は、図7の装置状態通知処理を開始すると、S110で、複合機30から第2無線通信部22を介して、装置状態情報、即ち装置状態情報テーブル47として記憶されている情報を、取得する。S120では、S110で取得した装置状態情報の中から装置IDを取得する。
【0101】
S130では、サーバ160にアクセスして、S120で取得した装置IDに対する最新ファームバージョンをサーバ160から取得する。S140では、複合機30に記憶されているファームウェア46の現在のバージョンが最新であるか否かを判断する。具体的に、S110で取得した装置状態情報に含まれるファームバージョンが、S130でサーバ160から取得した最新ファームバージョンと同じか否か判断する。
【0102】
複合機30のファームウェア46のバージョンが最新ファームバージョンと同じである場合はS170に進み、最新ファームバージョンよりも古い場合はS150に進む。
S150では、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(E)に例示したようなファームアイコン50eに設定する。なお、ここでいう設定とは、起動用のアイコン50として表示させるべきアイコンを示すアイコン切替情報を、記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶させることを意味する。後述するS190、S210、S240、S270、及びS290の各処理における「設定」についても同様である。
【0103】
よって、S150の処理は、詳しくは、起動用のアイコン50としてファームアイコン50eを表示させるために、そのファームアイコン50eを示すアイコン切替情報を、記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶させる処理である。
【0104】
S160では、状態情報としてファームアップデートを設定して、S310に進む。なお、ここでいう設定とは、具体的には、記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶させることを意味する。後述するS200、S220、S250、及びS280の各処理における「設定」についても同様である。
【0105】
よって、S160の処理は、詳しくは、状態情報としてファームアップデートを示す情報を記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶させる処理である。
【0106】
S310では、起動用のアイコン50及び状態アイコン60の表示処理を行う。S150及びS160の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S150及びS160で設定された情報に基づいて処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS150で設定したファームアイコン50eに変更するよう指示し、且つ状態アイコン60として、S160で設定した状態情報であるファームアップデートに対応したファームウェア警告アイコン60eを表示するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50としてファームアイコン50eが表示され、且つそのファームアイコン50eにファームウェア警告アイコン60eが重畳表示される。S310の処理後は、装置状態通知処理を終了する。
【0107】
なお、装置状態通知処理によって起動用のアイコン50に状態アイコン60が重畳表示された場合、装置状態通知処理の終了後、起動用のアイコン50が押圧操作されるか、又は、状態アイコン60が指示操作若しくは押圧操作された場合は、遠隔利用アプリ27が起動され、後述する図8の状態通知対応処理が実行される。なお、図8の状態通知対応処理の開始後、再び図4に示す待機画面に戻るまでは、図7の装置状態通知処理は行わないようにしてもよい。
【0108】
S140で肯定判定されてS170に進んだ場合、S170では、S110で取得した装置状態情報に含まれるステータス情報に基づき、複合機30のステータスが正常か否か判断する。ステータス情報は、整数値のステータスコードと文字列で構成され、ステータスコードが0であれば正常、それ以外の値であれば正常ではないと判断する。よって、図2(A)及び図2(B)に例示したステータス情報は、ステータスコードが0であるため、ステータスが正常であることを示している。一方、図2(C)に例示したステータス情報は、ステータスコードが0ではないため、ステータスが正常ではないことを示している。
【0109】
S170で、ステータスが正常である場合はS230に進み、ステータスが正常ではない場合はS180に進む。
S180では、ステータスの異常の内容が消耗品の残量に対する警告であるか否かを判断する。ステータスの異常の内容が消耗品の残量に対する警告ではない場合、即ち消耗品の残量以外の他の異常が発生している場合は、S210に進む。
【0110】
S210では、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(A)に例示したように既定アイコン50aに設定する。そして、S220で、状態情報としてステータス異常を設定して、S310に進む。
【0111】
S210及びS220の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S210及びS220で設定された情報に基づいて処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS210で設定した既定アイコン50aにするよう指示し、且つ状態アイコン60として、S220で設定した状態情報であるステータス異常に対応したステータス警告アイコン60aを表示するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50として既定アイコン50aが表示され、且つその既定アイコン50aにステータス警告アイコン60aが重畳表示される。
【0112】
S180で、ステータスの異常の内容が消耗品の残量に対する警告である場合、即ち消耗品の残量が一定レベル以下になっている場合は、S190に進む。S190では、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(D)に例示したような消耗品アイコン50dに設定する。そして、S200で、状態情報として消耗品警告を設定して、S310に進む。
【0113】
S190及びS200の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S190及びS200で設定された情報に基づいて処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS190で設定した消耗品アイコン50dにするよう指示し、且つ状態アイコン60として、S200で設定した状態情報である消耗品警告に対応した消耗品警告アイコン60dを表示するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50として消耗品アイコン50dが表示され、且つその消耗品アイコン50dに消耗品警告アイコン60dが重畳表示される。
【0114】
S170で肯定判定されてS230に進んだ場合、S230では、S110で取得した装置状態情報に含まれるファクス件数に基づき、ファクス件数が1以上か否か判断する。ファクス件数が0である場合はS260に進み、ファクス件数が1以上の場合はS240に進む。
【0115】
S240では、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(B)に例示したようなファクスアイコン50bに設定する。そして、S250で、状態情報としてファクス件数を設定して、S310に進む。
【0116】
S240及びS250の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S240及びS250で設定された情報に基づいて処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS240で設定したファクスアイコン50bにするよう指示し、且つ状態アイコン60として、S250で設定した状態情報であるファクス件数を示すファクス件数アイコン60bを表示するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50としてファクスアイコン50bが表示され、且つそのファクスアイコン50bにファクス件数アイコン60bが重畳表示される。
【0117】
S230でファクス件数が0であった場合に移行するS260では、S110で取得した装置状態情報に含まれるスキャン件数に基づき、スキャン件数が1以上か否か判断する。スキャン件数が0である場合はS290に進み、スキャン件数が1以上の場合はS270に進む。
【0118】
S270では、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(C)に例示したようなスキャンアイコン50cに設定する。そして、S280で、状態情報としてスキャン件数を設定して、S310に進む。
【0119】
S270及びS280の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S270及びS280で設定した情報に基づいて処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS270で設定したスキャンアイコン50cにするよう指示し、且つ状態アイコン60として、S280で設定した状態情報であるスキャン件数を示すスキャン件数アイコン60cを表示するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50としてスキャンアイコン50cが表示され、且つそのスキャンアイコン50cにスキャン件数アイコン60cが重畳表示される。
【0120】
S260でスキャン件数が0であった場合、S290で、表示部15に表示されている起動用のアイコン50を、図6(A)に例示した既定アイコン50aに設定する。そして、S300で、状態情報の設定を解除して、S310に進む。なお、S300における「設定を解除」とは、記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶されている状態情報を削除することを意味する。
【0121】
S290及びS300の処理を経てS310に移行した場合、S310では、S290で設定した情報、及びS300で状態情報の設定が解除されたことに基づいて、処理を行う。具体的には、OS26に対し、表示部15に表示されている起動用のアイコン50をS290で設定した既定アイコン50aにするよう指示する。さらに、S300で状態情報の設定が解除されたことに基づき、状態アイコン60を消去するよう指示する。これにより、表示部15には、起動用のアイコン50として既定アイコン50aが表示され、状態アイコン60は表示されなくなる。つまり図4に例示したようなデフォルト状態となる。
【0122】
(4)状態通知対応処理の説明
起動用のアイコン50に状態アイコン60が重畳表示されている状態で、起動用のアイコン50が押圧操作されるか、又は、状態アイコン60が指示操作若しくは押圧操作されると、遠隔利用アプリ27が起動され、図8の状態通知対応処理が実行される。
【0123】
図8の状態通知対応処理が開始されると、S410で、現在設定されている状態情報、即ち記憶部12あるいはメモリカードI/F13に装着されたメモリカードに記憶されている情報を確認する。状態情報は、前述の通り、図7における、S160、S200、S220、S250、及びS280の何れかにおいて設定される。
【0124】
現在設定されている状態情報がファームアップデートである場合は、S430に進む。S430では、ファームアップデート通知表示を行う。具体的に、ファームウェアをアップデート可能であることを示す情報を表示部15に表示させる。表示領域内においてどこにどのように表示させるかについては適宜決めてよく、例えば、図5の右側に例示しているプレビュー画像70と同じように、起動用のアイコン50の近傍にポップアップ表示させるようにしてもよい。後述するS460及びS490についても同様である。
【0125】
なお、ファームアップデート通知表示において表示される情報として、例えば、現在インストールされているファームウェア46のバージョン、及び最新ファームバージョンのうち少なくとも一方を表示させるようにしてもよい。
【0126】
S430でファームアップデート通知表示を行った後、S440で処理要求操作が行われたことを検知した場合は、S450に進む。なお、処理要求操作とは、現在発生している特定状態に対して予め設定されている処理を実行させるための特定の操作である。処理要求操作の具体的内容は適宜決めてよく、本実施形態では例えば、状態アイコン60に対するタップ操作、又はS430のファームアップデート通知表示により表示されている画像に対するタップ操作である。
【0127】
S450では、ファームアップデートを実行する。具体的に、複合機30に対し、無線通信により、ファームウェア46をアップデートするよう指示する。これにより、複合機30において、最新バージョンのファームウェアのダウンロード及びアップデート処理が行われる。
【0128】
S410で、現在設定されている状態情報がステータス異常である場合は、S460に進む。S460では、異常詳細表示を行う。具体的に、複合機30で発生しているステータスの異常状態を具体的に示す情報を表示部15に表示させる。
【0129】
S460で異常詳細表示を行った後、S470で処理要求操作が行われたことを検知した場合は、S480に進む。S480では、現在発生しているステータスの異常に関連したFAQサイトにアクセスして、そのFAQサイトを表示部15に表示させる。これにより、ユーザは、現在発生しているステータスの異常に対してどのように対処すべきかを容易且つ効率的に知ることができる。
【0130】
なお、FAQサイトのアドレスは、例えば、異常の内容毎に予め遠隔利用アプリ27の一部として含まれていてもよいし、複合機30に記憶されていて図7のS130で複合機30から受信するようにしてもよいし、サーバ160或いは他の特定の情報処理装置にアクセスして異常の内容に対応したFAQサイトのアドレスを問い合わせて取得するようにしてもよい。
【0131】
S410で、現在設定されている状態情報が消耗品警告である場合は、S490に進む。S490では、消耗品残量表示を行う。具体的に、残量が一定レベル以下になっている消耗品が何であるかを示す情報を表示部15に表示させる。このとき、例えば消耗品の残量があとどの程度あるのか、などの付加的な情報を複合機30から取得してその付加的な情報を表示させてもよい。なお、付加的な情報は、図7のS130又はそれ以後の特定のタイミングで予め取得しておいてもよい。
【0132】
S490で消耗品残量表示を行った後、S500で処理要求操作が行われたことを検知した場合は、S510に進む。S510では、残量が一定レベル以下になっている消耗品をオンライン購入することが可能な消耗品購入サイトにアクセスして、その消耗品購入サイトを表示部15に表示させる。これにより、ユーザは、残量が少なくなっている消耗品を迅速且つ効率的にオンライン購入することができる。
【0133】
なお、消耗品購入サイトのアドレスは、例えば、消耗品の種類毎に予め遠隔利用アプリ27の一部として含まれていてもよいし、複合機30に記憶されていて図7のS130で複合機30から受信するようにしてもよいし、サーバ160或いは他の特定の情報処理装置にアクセスして消耗品の種類に対応した消耗品購入サイトのアドレスを問い合わせて取得するようにしてもよい。
【0134】
S410で、現在設定されている状態情報がファクス件数である場合は、S520に進む。S520では、複合機30においてファクス件数として計数されているファクシミリデータのうち最新のファクシミリデータのプレビュー画像70(図5参照)を表示部15に表示させる。なお、プレビュー画像70のデータは、S520の処理において複合機30から取得してもよいし、S130の処理或いはそれ以後の特定のタイミングで予め取得しておいてもよい。また、プレビュー画像70のデータは、最新のファクシミリデータのデータだけでなく、ファクス件数として計数されている全てのファクシミリデータのデータを取得するようにしてもよい。
【0135】
S530では、画像閲覧処理を実行する。画像閲覧処理の詳細は図9に示す通りであり、S710で、指示体によるフリック操作が行われたか否か判断する。フリック操作が行われていない場合はS790に進み、フリック操作が行われた場合はS720に進む。
【0136】
S720では、フリック操作の具体的内容が、進み操作及び戻り操作のどちらであるか判断する。
戻り操作とは、表示させるプレビュー画像70を、現在表示されているプレビュー画像70よりも1つ古いプレビュー画像70に切り替えるための操作である。なお、「古い」とは、受信されて記憶部32に記憶された日時が古いことを意味する。戻り操作の具体例として、例えば、現在表示されているプレビュー画像70に対して特定の戻り方向(例えば画面左方向)にフリック操作すること、が考えられる。
【0137】
一方、進み操作とは、表示させるプレビュー画像70を、現在表示されているプレビュー画像70よりも1つ新しいプレビュー画像70に切り替えるための操作である。なお、「新しい」とは、受信されて記憶部32に記憶された日時が新しいことを意味する。進み操作の具体例として、例えば、現在表示されているプレビュー画像70に対して特定の進み方向(例えば画面右方向)にフリック操作すること、が考えられる。
【0138】
S720で、フリック操作が戻り操作であった場合は、S760に進む。S760では、前の画像、即ち現在表示されているプレビュー画像70よりも古い画像があるか否か判断する。前の画像がない場合はS790に進み、前の画像がある場合はS770に進む。
【0139】
S770では、表示部15に表示させるプレビュー画像70を、現在表示させているプレビュー画像70よりも1つ前のプレビュー画像70に切り替える。なお、戻り操作が行われる度に、1つ前のプレビュー画像70のデータを複合機30から取得して表示させるようにしてもよい。S780では、状態アイコン60の数値を1つ減少させる。
【0140】
S720で、フリック操作が進み操作であった場合は、S730に進む。S730では、後の画像、即ち現在表示されているプレビュー画像70よりも新しい画像があるか否か判断する。後の画像がない場合はS790に進み、後の画像がある場合はS740に進む。
【0141】
S740では、表示部15に表示させるプレビュー画像70を、現在表示させているプレビュー画像70よりも1つ後のプレビュー画像70に切り替える。なお、進み操作が行われる度に、1つ後のプレビュー画像70のデータを複合機30から取得して表示させるようにしてもよい。S750では、状態アイコン60の数値を1つ増加させる。
【0142】
S790では、処理要求操作が行われたか否か判断する。処理要求操作が行われていない場合はS710に戻り、処理要求操作が行われた場合は、図8のS540に進む。
S540では、遠隔利用アプリ27が有する複数の機能のうちファクシミリ機能を起動させる。ファクシミリ機能が起動されることにより、表示部15には、ファクシミリ機能の初期画面が表示される。
【0143】
S550では、ファクシミリ機能の初期画面に、処理要求操作の直前に表示されていたプレビュー画像70を表示させる。ファクシミリ機能の初期画面が表示されると、以後、その初期画面を起点として、前述のファクシミリ機能を実行させることができる。
【0144】
S410で、現在設定されている状態情報がスキャン件数である場合は、S560に進む。S560では、複合機30においてスキャン件数として計数されているスキャンデータのうち最新のスキャンデータのプレビュー画像を表示部15に表示させる。なお、プレビュー画像のデータは、S560の処理において複合機30から取得してもよいし、S130の処理或いはそれ以後の特定のタイミングで予め取得しておいてもよい。また、プレビュー画像のデータは、最新のスキャンデータのデータだけでなく、スキャン件数として計数されている全てのスキャンデータのデータを取得するようにしてもよい。
【0145】
S570では、S530と同様、画像閲覧処理を実行する。S570の画像閲覧処理は、処理対象がスキャンデータのプレビュー画像であることを除き、図9を用いて説明した前述のS530の画像閲覧処理と同様である。S570の画像閲覧処理において処理要求操作が行われた場合は、S580に進む。
【0146】
S580では、遠隔利用アプリ27が有する複数の機能のうちスキャン機能を起動させる。スキャン機能が起動されることにより、表示部15には、スキャン機能の初期画面が表示される。
【0147】
S590では、スキャン機能の初期画面に、処理要求操作の直前に表示されていたプレビュー画像を表示させる。スキャン機能の初期画面が表示されると、以後、その初期画面を起点として、前述のスキャン機能を実行させることができる。
【0148】
(5)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
携帯端末10において、待機画面には、遠隔利用アプリ27を起動させるための起動用のアイコン50として、通常は既定アイコン50aが表示される。これに対し、起動予約に基づいて、遠隔利用アプリ27が有する装置状態通知機能が実行されると、複合機30において特定状態が発生している場合、起動用のアイコン50が、その特定状態に対応した機能アイコンに設定され、且つその特定状態を示す状態アイコン60が表示される。
【0149】
したがって、本実施形態の遠隔利用アプリ27によれば、複合機30が備える複数の機能のうち何れかについて特定状態が発生した場合に、その発生した特定状態がどの機能に関するものであるのかを、待機画面が表示されている状態で容易に知ることができる。
【0150】
また、起動用のアイコン50が押圧操作されるか、又は、状態アイコン60が指示操作若しくは押圧操作されると、特定状態の内容を示す特定状態画像が表示される。特定状態画像の具体的内容は、図8でS430、S460、S490、S520、及びS560として例示したように、発生している特定状態によって異なる。例えば、状態アイコン60として図5の左側に例示したようなファクス件数アイコン60bが表示されている場合は、特定状態画像として、図5の右側に例示したようなプレビュー画像70が表示される。そのため、複合機30で特定状態が発生した場合に、その特定状態の具体的内容についても、待機画面から簡素な操作にて容易に知ることができる。
【0151】
また、本実施形態では、ファームウェア管理機能、ステータス監視機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、の順で優先順位が設定されており、異なる複数の機能で同時に特定状態が発生した場合は、優先順位が最も高い機能を対象として、起動用のアイコン50の切り替えや状態アイコン60の表示が行われる。そのため、ユーザは、発生している特定状態のうち優先順位の高い情報を容易且つ効率的に知ることができる。なお、優先順位は、予め固定されていてもよいし、ユーザが任意に変更できるようにしてもよい。
【0152】
また、本実施形態の複合機30は、複数の機能の1つとしてファクシミリ機能を備えている。そして、遠隔利用アプリ27は、ファクス件数が1件以上、という特定状態が発生している場合は、状態アイコン60として、ファクス件数を示すファクス件数アイコン60bを表示させる。
【0153】
そのため、複合機30において新規にファクシミリデータが受信されたことを、起動用のアイコン50がファクスアイコン50bに切り替わることによって知ることができると共に、状態アイコン60としてファクス件数アイコン60bが表示されることによってファクス件数を知ることができる。
【0154】
さらに、起動用のアイコン50としてのファクスアイコン50bが押圧操作されるか、又は状態アイコン60としてのファクス件数アイコン60bが指示操作若しくは押圧操作されると、図5に例示したように、ファクシミリデータのプレビュー画像70がポップアップ表示される。しかも、プレビュー画像70に対してフリック操作を行うことで、プレビュー画像70を切り替えることができる。そのため、ユーザは、新規受信されているファクシミリデータの内容を、簡単な操作によって迅速に知ることもできる。
【0155】
また、本実施形態の複合機30は、複数の機能の1つとしてスキャン機能を備えている。そして、遠隔利用アプリ27は、スキャン件数が1件以上、という特定状態が発生している場合は、状態アイコン60として、スキャン件数を示すスキャン件数アイコン60cを表示させる。
【0156】
そのため、複合機30において新規に原稿の画像が読み取られたことを、起動用のアイコン50がスキャンアイコン50cに切り替わることによって知ることができると共に、状態アイコン60としてスキャン件数アイコン60cが表示されることによってスキャン件数を知ることができる。
【0157】
さらに、起動用のアイコン50としてのスキャンアイコン50cが押圧操作されるか、又は状態アイコン60としてのスキャン件数アイコン60cが指示操作若しくは押圧操作されると、図5の右側に例示したファクシミリデータのプレビュー画像70と同じように、スキャンデータのプレビュー画像がポップアップ表示される。しかも、プレビュー画像に対してフリック操作を行うことで、プレビュー画像を切り替えることができる。そのため、ユーザは、新規生成されたスキャンデータの内容を、簡単な操作によって迅速に知ることもできる。
【0158】
また、本実施形態の複合機30は、複数の機能の1つとしてファームウェア管理機能を備えている。ファームウェア管理機能には、ファームウェア46をアップデートする機能が含まれる。そして、遠隔利用アプリ27は、複合機30にインストールされているファームウェア46のバージョンよりも新しい最新バージョンのファームウェアが存在していてその最新バージョンのファームウェアに更新可能である、という特定状態が発生している場合は、状態アイコン60として、ファームウェア警告アイコン60eを表示させる。
【0159】
そのため、複合機30においてファームウェア46を最新バージョンにアップデート可能であることを、起動用のアイコン50がファームアイコン50eに切り替わることによって知ることができると共に、状態アイコン60としてファームウェア警告アイコン60eが表示されることによってファームウェアをアップデート可能であることを知ることができる。
【0160】
また、起動用のアイコン50としてのファームアイコン50eが押圧操作されるか、又は状態アイコン60としてのファームウェア警告アイコン60eが指示操作若しくは押圧操作されると、ファームアップデート通知表示(S430)が行われる。そのため、ユーザは、ファームウェア46をアップデート可能であることを、簡単な操作によって迅速に知ることもできる。
【0161】
さらに、ファームアップデート通知表示が行われた後、特定の処理要求操作(S440)を行うことで、複合機30に対してファームウェア46をアップデートするよう指示することができる。
【0162】
また、本実施形態の複合機30は、複数の機能の1つとしてステータス監視機能を備えている。ステータス監視機能には、消耗品の残量を監視して残量が一定レベル以下になった場合に警告処理を行う機能が含まれる。そして、遠隔利用アプリ27は、複合機30においてステータスの異常が発生している場合であって、その異常の内容が消耗品の残量不足以外の異常である場合は、状態アイコン60として、ステータス警告アイコン60aを表示させる。
【0163】
そのため、複合機30において消耗品不足以外のステータスの異常が発生したことを、状態アイコン60としてステータス警告アイコン60aが表示されることによって知ることができる。
【0164】
また、起動用のアイコン50としての既定アイコン50aが押圧操作されるか、又は状態アイコン60としてのステータス警告アイコン60aが指示操作若しくは押圧操作されると、異常詳細表示(S460)が行われる。そのため、ユーザは、複合機30で異常が発生していること及びその具体的内容を、簡単な操作によって迅速に知ることもできる。
【0165】
さらに、異常詳細表示が行われた後、特定の処理要求操作(S470)を行うことで、現在発生しているステータスの異常に関連したFAQサイトを表示部15に表示させることができる。
【0166】
また、ステータス異常として、消耗品の残量不足が発生している場合は、遠隔利用アプリ27は、状態アイコン60として、消耗品警告アイコン60dを表示させる。
そのため、複合機30において消耗品の残量不足が発生していることを、起動用のアイコン50が消耗品アイコン50dに切り替わることによって知ることができると共に、状態アイコン60として消耗品警告アイコン60dが表示されることによって消耗品の残量が不足していることを知ることができる。
【0167】
また、起動用のアイコン50としての消耗品アイコン50dが押圧操作されるか、又は状態アイコン60としての消耗品警告アイコン60dが指示操作若しくは押圧操作されると、消耗品残量表示(S490)が行われる。そのため、ユーザは、具体的にどの消耗品が残量不足となっているかを、簡単な操作によって迅速に知ることもできる。
【0168】
さらに、消耗品残量表示が行われた後、特定の処理要求操作(S500)を行うことで、残量が一定レベル以下になっている消耗品をオンライン購入することが可能な消耗品購入サイトを表示部15に表示させることができる。
【0169】
(6)特許請求の範囲との対応関係
ここで、本実施形態の文言と特許請求の範囲の文言との対応関係について説明する。携帯端末10は情報処理装置の一例に相当し、複合機30は画像処理装置の一例に相当し、遠隔利用アプリ27は機能実行プログラムの一例に相当する。携帯端末10のCPU11は制御部の一例に相当する。携帯端末10の第2無線通信部22は通信部の一例に相当する。指示体による指示操作は第1の操作の一例に相当し、指示体による押圧操作は第2の操作の一例に相当する。複合機30が有する機能のうち、ファクシミリ機能はファクシミリ受信機能の一例に相当し、スキャン機能は画像読取機能の一例に相当し、ファームウェア管理機能はファーム更新機能の一例に相当し、ステータス監視機能は異常検出機能の一例に相当する。図6(B)〜図6(E)に示すファクスアイコン50b、スキャンアイコン50c、消耗品アイコン50d、及びファームアイコン50eはいずれも機能アイコンの一例に相当する。図6(A)のステータス警告アイコン60a及び図6(D)の消耗品警告アイコン60dは異常通知画像の一例に相当する。図6(B)のファクス件数アイコン60bは受信件数画像の一例に相当する。図6(C)のスキャン件数アイコン60cは読取件数画像の一例に相当する。図6(E)のファームウェア警告アイコン60eは更新通知画像の一例に相当する。
【0170】
図7のS130の処理は特定状態取得処理の一例に相当する。図7のS150、S160、S190、S200、S210、S220、S240、S250、S270、S280、S310の処理は、アイコン変更処理の一例に相当する。図8のS430、S460、S490、S520、及びS560の各処理はいずれも特定表示処理の一例に相当し、これら各処理で表示される各画像はいずれも特定状態画像の一例に相当する。図8のS450、S480、S510、S530、及びS570の各処理はいずれも状態対応処理の一例に相当する。また、OS26が待機画面に起動用のアイコン50を表示させる処理は既定表示処理の一例に相当する。
【0171】
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0172】
(1)上記実施形態では、消耗品の残量不足以外のステータス異常が生じた場合は、起動用のアイコン50として既定アイコン50aを表示させる構成であったが、この場合も、起動用のアイコン50として、既定アイコン50aとは異なるアイコンを表示させるようにしてもよい。
【0173】
つまり、複合機30において特定状態が生じた場合に、起動用のアイコン50を既定アイコン50aのままとするかそれとも特定状態に対応したアイコンに切り替えるかについては適宜決めてもよい。
【0174】
(2)起動用のアイコン50、及び状態アイコン60として、図6に示した各アイコンはあくまでも一例であり、他の画像のアイコンであってもよい。また、起動用のアイコン50に対する状態アイコン60の相対的な大きさや表示位置などについても、適宜決めてもよい。
【0175】
(3)上記実施形態では、異なる複数の機能それぞれにおいて特定状態が同時に発生している場合は、優先順位の最も高い1つの機能を対象として、起動用のアイコン50の切り替えや状態アイコン60の表示が行われる構成であった。そして、優先順位として、ファームウェア管理機能、ステータス監視機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、の順を例示したが、この優先順位はあくまでも一例である。どの機能を最優先にするかについては適宜決めてもよい。
【0176】
また、優先順位を設定しないようにしてもよい。具体的に、複数の機能において特定状態が同時に発生した場合、例えば、状態アイコン60についてはその複数の機能それぞれに対応した異なる状態アイコン60を同時に表示させるようにしてもよい。そして、複数の状態アイコン60のいずれかが指示操作又は押圧操作された場合、その操作された状態アイコン60に対応した機能について、特定表示処理を行うようにしてもよい。
【0177】
(4)また、上記実施形態では、特定状態として、ステータスの異常が発生していること、ファームウェアをアップデート可能であること、ファクス件数が1件以上計数されていること、及びスキャン件数が1件以上計数されていること、を示したが、これらはあくまでも一例である。
【0178】
(5)また、上記実施形態では、情報処理装置の一例として携帯端末10を示したが、本発明は携帯端末10以外の他の情報処理装置に対しても適用可能である。また、画像処理装置についても、上記実施形態の複合機30はあくまでも一例であり、複合機30以外の他の画像処理装置に対しても本発明を適用可能である。
【0179】
(6)タッチパネル14aからの検出信号に基づく指示操作及び押圧操作の位置検出の実行主体は、OS26に限定されない。例えば、遠隔利用アプリ27が、タッチパネル14aからの検出信号に基づいて指示体の操作位置を検出する構成であってもよい。表示部15への各種画像の表示についても、OS26を介して表示させる構成に限定されるものではなく、遠隔利用アプリ27自らがOS26を介さずに各種画像を表示部15に表示させる構成であってもよい。
【0180】
(7)その他、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【0181】
(11)また、上述した携帯端末10の他、当該携帯端末10を構成要素とするシステム、当該携帯端末10としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記憶した媒体、当該携帯端末10で用いられている遠隔利用方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
【符号の説明】
【0182】
10…携帯端末、11,31…CPU、12,32…記憶部、13…メモリカードI/F、14,34…入力部、14a…タッチパネル、15,35…表示部、21…第1無線通信部、22…第2無線通信部、27…遠隔利用アプリ、30…複合機、36…スキャナ部、37…印刷部、38…通信I/F、41…無線通信部、46…ファームウェア、47…装置状態情報テーブル、50…起動用のアイコン、50a…既定アイコン、50b…ファクスアイコン、50c…スキャンアイコン、50d…消耗品アイコン、50e…ファームアイコン、60…状態アイコン、60a…ステータス警告アイコン、60b…ファクス件数アイコン、60c…スキャン件数アイコン、60d…消耗品警告アイコン、60e…ファームウェア警告アイコン、70…プレビュー画像、110…インターネット、120…移動通信網、151…ルータ、160…サーバ、161…ファームバージョンテーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9