(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置は、流体を流すための流路部材と、光源と、第1の接続部材と、第2の接続部材と、連結部材と、を備える。流路部材は、第1の流路を有する。光源は、第1の流路の、流体の流れ方向に交差する流路断面に対向して配置されている。光源は、第1の流路内へ紫外線を照射する。第1の接続部材は、流路部材の一端に接続されている。第1の接続部材には、光源が設けられている。第1の接続部材は、光源の周囲に第2の流路を有する。第2の流路は、第1の流路に連通している。第2の接続部材は、流路部材の他端に接続されている。連結部材は、第1の接続部材と第2の接続部材とを連結する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置の流路部材は、紫外線透過性を有する。連結部材は、流路部材を内部に収容する筒状に形成されている。連結部材は、光源が発した紫外線を第1の流路内へ反射する反射面を有する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置の連結部材は、流体殺菌装置の外部に固定される固定部を有する。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置の第2の接続部材には、光源とは別の光源が設けられている。第2の接続部材には、1の流路の他端に連通する第3の流路が別の光源の周囲に形成されている。
【0015】
以下、実施形態に係る流体殺菌装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、一例を示すものであって、発明を限定するものではない。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置全体を示す模式図である。
図2は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す断面図である。
図3は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置の要部において流体が流路を流れる方向を示す断面図である。
【0017】
(流体殺菌装置の構成)
図1に示すように、第1の実施形態の流体殺菌装置1は、紫外線(紫外光)を照射する流体を流すための流路部材13が、流体を供給する給水タンク6に連結されると共に、紫外線が照射された流体を回収する回収タンク7に連結されている。
図1及び
図2に示すように、流体殺菌装置1は、流路部材13の上流側が、上流側流路部材8を介して給水タンク6に連結されている。上流側流路部材8には、給水タンク6から流体殺菌装置1へ流体を送るポンプ11が設けられている。また、流体殺菌装置1は、流路部材13の上流側と同様に、流路部材13の下流側が、下流側流路部材9を介して回収タンク7に連結されている。下流側流路部材9には、流体殺菌装置1から回収タンク7へ送る流体の流量を調整する流量調整機構12が設けられている。
【0018】
流体殺菌装置1は、例えば、飲料水供給装置において、給水タンク6内の水を殺菌処理するために用いられる。本実施形態では、流体として、例えば、上水等の水に適用されるが、気体に適用されてもよい。
【0019】
図2に示すように、流体殺菌装置1は、第1の流路としての流路13aを有する流路部材13と、流路部材13の流路13a内へ紫外線を照射する光源16を有する光源部15と、を備える。また、流体殺菌装置1は、流路部材13の一端に接続された第1の接続部材17と、流路部材13の他端に接続された第2の接続部材18と、第1の接続部材17と第2の接続部材18とを連結する連結部材19と、を備える。
【0020】
流路部材13は、紫外線反射率が高く、紫外線による劣化が抑えられた材料で形成されることが好ましい。本実施形態では、流路部材13として、透明な石英管が用いられており、石英管の外周面全体に紫外線反射率が高い反射膜13bが形成されたものを用いる。反射膜13bは、光源部15から出射された紫外線を、流路部材13の外周面で反射させる反射面の一例であり、例えばシリカ膜が用いられている。
【0021】
なお、流路部材13に形成される反射膜13bは、シリカ膜に限らず、アルミニウム蒸着膜であってもよい。また、流路部材13は、透明な石英管に限らず、高反射率のポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTEF、テトラフルオロエチレンの重合体)等のフッ素樹脂であってもよい。また、反射膜13bは、流路部材13の外周面に形成する代わりに、流路部材13の内周面に形成されてもよい。
【0022】
光源部15は、第1の接続部材17の内部に設けられている。光源部15は、光源16と、光源16を保護する紫外線透過部材21と、を有する。光源16は、流路部材13の一端側において、流路13aの、流体の流れ方向に直交する流路断面(以下、流路13aの流路断面と称する。)に対向して配置されている。
【0023】
光源16は、紫外線を発する発光素子であるLED(Light Emitting Diode)23(以下、LED23と称する。)が基板24上に実装された光モジュールである。基板24は、金属材料を母材として形成されている。基板24上には、図示しないが、絶縁層を介して所望の導電パターン(配線パターン)が形成されており、導電パターン上にLED23が設けられている。なお、基板24の母材は、金属材料に限らず、例えばアルミナ等のセラミックスが用いられてもよい。また、光源16が有する発光素子は、LED23に限らず、LD(Laser diode)等の他の半導体素子が用いられてもよい。
【0024】
光源16は、図示しない電源から電力が供給され、LED23を発光させる。光源16は、LED23の発光面が、流路13aの流路断面に対向しており、例えば、光源16の基板24の主面が流路13aの流れ方向に対して略垂直となるように配置されている。ここで、「LED23の発光面」とは、単にLED23の発光領域のみを示しているのではなく、LED23が配置された基板24の主面全体を指している。また、「LED23の発光面が、流路13aの流路断面に対向する」向きは、互いに平行に対向する向きのみに限定されるものではない。例えば、LED23の発光面と、流路13aの流路断面とがなす角度(鋭角)は±10°程度まで許容される。
【0025】
また、LED23としては、殺菌作用が比較的高い波長275nm近辺にピーク波長を有するものが好ましいが、殺菌作用を奏する波長帯域であればよく、紫外線の波長を限定するものではない。
【0026】
紫外線透過部材21は、紫外線透過性を有する材料によって平板状に形成されており、光源16、すなわち、基板24の主面に対して略平行に配置されている。紫外線透過部材21は、光源16が発した紫外線を透過し、流路13a内を流れる流体、第1の接続部材17が有する後述の流路17a−1、17a−2を流れる流体に対して紫外線を照射する。
【0027】
光源16から出射された紫外線は、紫外線透過部材21を透過し、流路13a内を流れる流体に対して光源16からの直射光が照射されると共に、
図2に示す矢印のように、流路13a内において反射膜13bで反射されることで流路13a内を流れる水に対して反射膜13bからの反射光が間接的に照射される。
【0028】
第1の接続部材17の内部には、光源16が設けられており、流路13aの一端に連通する第2の流路としての流路17a−1、17a−2、17b−1、17b−2が光源16の周囲に沿って形成されている。また、第1の接続部材17の上流側フランジ17aには、後述する連結部材19の一端部が固定されている。
【0029】
第1の接続部材17は、一対の上流側フランジ17aと下流側フランジ17bを、図示しない締結部材を介して一体に締結して構成されている。上流側フランジ17aは、流路部材13側に配置されており、下流側フランジ17bは、光源部15を挟んで流路部材13とは反対側に配置されている。
【0030】
第1の接続部材17の上流側フランジ17aは、第2の流路として、流路17a−1と、流路17a−2と、を有する。上流側フランジ17aは、Oリング25を介して流路部材13の一端部を支持している。上流側フランジ17a及び下流側フランジ17bは、所定以上の熱伝導率を有する材料、例えば、腐食性に優れるステンレス鋼によって円筒状に形成されている。なお、上流側フランジ17a及び下流側フランジ17bは、ステンレス鋼に限らず、熱伝導率が高いアルミニウムの複合素材によって形成されてもよく、セラミックスやフィラーが混合された高熱伝導性樹脂材等によって形成されてもよい。
【0031】
流路17a−1は、上流側フランジ17aの中心付近に位置しており、流路部材13の流路13aの一端と連通されている。
図5に示すように、流路17a−2は、流路17a−1と連通されており、上流側フランジ17aの中心から外周側へ延びている。したがって、上流側フランジ17aの流路17a−1及び流路17a−2は、流路部材13の流路13aと連通されている。
【0032】
下流側フランジ17bは、第2の流路として、流路17b−1と、流路17b−2と、流路17b−1及び流路17b−2で囲まれる領域に位置する凹状の光源収容部17b−3と、を有する。光源収容部17b−3には、光源部15が収納されており、例えば、光源収容部17b−3の開口部が、後述する光源部15が有する平板状の紫外線透過部材21によって覆われている。下流側フランジ17bは、光源収容部17b−3の開口部が紫外線透過部材21によって覆われた状態で上流側フランジ17aと連結されており、流路17b−1と、流路17a−2とを接続する。
【0033】
また、下流側フランジ17bは、下流側流路部材9と連結されている。このように第1の接続部材17は、例えば、流路部材13の流路13aから流入した流体を、紫外線透過部材21の中心付近の流路17a−1、光源収容部17b−3の外周側へ向かう流路17a−2、光源収容部17b−3の外周付近を通過する流路17b−1、光源16の発光面の反対面側で光源収容部17b−3の外周側から中心付近へ延びる流路17b−2を経由させて、下流側流路部材9へ流出させる。
【0034】
第2の接続部材18は、円筒状に形成されており、上流側流路部材8と流路部材13とを連結している。第2の接続部材18は、Oリング25を介して流路部材13の他端部を支持している。第2の接続部材18の外周部には、後述する連結部材19の他端部が固定されている。
【0035】
図3に示すように、上流側流路部材8の流路から、流路部材13の流路13a内へ流入した流体は、
図3中の矢印のように、流路13a内を流れ、第1の接続部材17の流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2を経由し、下流側流路部材9の流路へ流出される。第1の接続部材17へ流入した流体は、流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2の経路を通過する際に、光源収容部17b−3に収容された光源16が発する熱を奪いながら、下流側流路部材9へ流出される。
【0036】
すなわち、流路13aにおいて光源16が発した紫外線が照射されることにより殺菌される流体は、流路部材13の流路13aを通って、光源16の発光面側に向かって流れ、光源16の発光面に沿う流路17a−1へ流入し、第1の接続部材17内を流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2の複数の経路を通過して、発光面の反対面側へ流出する。第1の接続部材17内の流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2の複数の経路は、光源16の周囲に沿って延びており、光源16の発光面側から反対面側に流体が通り抜ける。これにより、光源16は、他の冷却手段を用いることなく、流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2の複数の経路を通過する流体を用いて、間接的ではあるが効率的に冷却される。また、他の冷却手段を用いることなく、流路17a−1、流路17a−2、流路17b−1、流路17b−2の複数の経路を通過する流体を用いて光源16の冷却を行うことで、例えば、放熱フィンなどの他の冷却部材が不要となる。これにより、流体殺菌装置1を小型化することができる。
【0037】
なお、光源収容部17b−3に収容された光源16と、光源収容部17b−3との間に、例えば、アルミニウム、ステンレス等の所定以上の熱伝導率を有する熱伝導部材が設けられることが好ましい。光源16が発した熱が、熱伝導部材を介して第1の接続部材17内を流れる流体に伝わり、流体によって光源16を更に効率的に冷却することができる。
【0038】
また、流体殺菌装置1の流路部材13における流体の流れ方向は、
図1及び
図3に示した方向に限定されるものではなく、
図3に示す方向と逆方向であってもよい。すなわち、図示しないが、第1の接続部材17が上流側流路部材8に接続され、第2の接続部材18が下流側流路部材9に連結されてもよい。この構成の場合、上流側流路部材8から第1の接続部材17へ流入した流体が、流路17b−2、流路17b−1、流路17a−2、流路17a−1の順に経由して流路13a内を流れて、下流側流路部材9の流路へ流出される。このように流体の流れ方向を限定しないことは、後述する第2〜第5の実施形態においても同様である。
【0039】
また、
図2及び
図3では、流路部材13は、流路13aにおける流体の流れ方向が、光源部15の光源16の発光面に対して略垂直に配置されているが、垂直に限定されず、流路13aの流れ方向が、光源16の発光面に対して、所定の角度をなす構成、あるいは、角度を任意に調整可能な構成であってもよい。
【0040】
連結部材19は、例えば、ステンレス等の金属材料によって、流路部材13を内部に収容する円筒状に形成されており、流路部材13の外周を覆って保護するカバー部材としても機能する。連結部材19の両端部には、フランジ部19aが形成されている。連結部材19の一端部側のフランジ部19aは、第1の接続部材17の上流側フランジ17aにおける流路部材13側の側面、すなわち流路部材13における流体の流れ方向に直交する面に、例えば、ボルト等の締結部材20を介して固定されている。同様に、連結部材19の他端部側のフランジ部19aは、第2の接続部材18における流路部材13側の側面、すなわち流路部材13における流体の流れ方向に直交する面に、締結部材20を介して固定されている。
【0041】
(連結部材による作用)
第1の接続部材17と第2の接続部材18は、連結部材19を介して互いに連結されることで、第1の接続部材17と第2の接続部材18との間に挟まれた流路部材13の両端の支持状態が補強されている。連結部材19は、例えば、流路部材13の流路13aにおける流体の流れ方向(長手方向)に沿って圧力が生じたときに、第1の接続部材17及び第2の接続部材18が流路部材13の両端から、流路部材13の長手方向へ離れる作用が十分に抑えられ、第1の接続部材17と流路部材13との接続状態、第2の接続部材18と流路部材13との接続状態の耐圧性が高められる。また、第1の接続部材17と第2の接続部材18とが連結部材19を介して連結されることで、Oリング25による流路部材13の流路13aの密閉状態の信頼性が高められる。
【0042】
なお、連結部材19と第1の接続部材17とを連結する位置、連結部材19と第2の接続部材18とを連結する位置、締結部材20を用いて固定する形態は、
図2及び
図3に示す構成に限定されるものではなく、連結部材19の形状等に応じて、適宜変更されてよい。また、連結部材19の形状は、円筒状に限定されるものではなく、ステー状の複数の連結部材(図示せず)が用いられてもよい。この構成の場合、例えば、複数の連結部材は、第1の接続部材17及び第2の接続部材18の外周部の周方向に間隔をあけて配置され、第1の接続部材17と第2の接続部材18とが連結される。
【0043】
(流体殺菌装置の要部のI−I断面(A方向))
図4は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置1の要部において、流路部材13の流路13aの流れ方向に直交するI−I断面をA方向から見た断面図である。
【0044】
図2及び
図3において、I−I断面を図中のA方向から見ると、
図4に示すように、下流側フランジ17b及び光源16が配置されている。
図2及び
図3におけるI−I断面をA方向から見たとき、
図4に示すように、下流側フランジ17bは、円形状であり、その中心付近に、凹状の光源収容部17b−3を有する。そして、光源収容部17b−3には、光源16が、LED23からの紫外線の照射方向が流路13a側に向くように収容されている。
【0045】
また、光源収容部17b−3の周囲には、複数の流路17b−1が、LED23を中心とする同心円状に沿って間隔をあけて設けられている。複数の流路17b−1は、下流側フランジ17bにおいて、光源16を囲んだ周辺に光源16の発光面側から反対面側まで貫通する貫通孔によって形成されている。
【0046】
なお、基板24上に実装されるLED23の個数、及び流路17b−1の個数は、
図4に示す個数に限定されるものではなく、必要に応じて変更されてよい。
【0047】
(流体殺菌装置の要部のI−I断面(B方向))
図5は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置1の要部において、流路部材13の流路13aの流れ方向に直交するI−I断面をB方向から見た断面図である。
【0048】
図2及び
図3において、I−I断面を図中のB方向から見ると、
図5に示すように、上流側フランジ17a及び紫外線透過部材21が配置されている。
図2及び
図3におけるI−I断面を図中のB方向から見たとき、
図5に示すように、上流側フランジ17aは、円形状であり、その中心付近に流路13aと連通される断面円形状の流路17a−1と、流路17a−1から、上流側フランジ17aの外周側へ向かって放射状に延びる複数の流路17a−2と、を有する。また、第1の接続部材17の内部において、紫外線透過部材21は、流路17a−1及び流路17a−2に隣接して配置されている。
【0049】
第1の接続部材17は、一対の上流側フランジ17aと下流側フランジ17bとを連結することで、
図5に示す各流路17a−2の放射状に延びる先端部分と、位置が対応する
図4に示す各流路17b−1とがそれぞれ接続される。
【0050】
上述したように第1の実施形態の流体殺菌装置1は、流路部材13の一端に接続されて光源16が設けられた第1の接続部材17と、流路部材13の他端に接続された第2の接続部材18とを連結する連結部材19を備える。これにより、流路部材13、第1の接続部材17及び第2の接続部材18を流れる流体の流れ方向に沿って生じる圧力が流路部材13、第1の接続部材17及び第2の接続部材18にそれぞれ作用しても、連結部材19により流路部材13が第1の接続部材17及び第2の接続部材18に連結されているため、流路部材13が第1の接続部材17及び第2の接続部材18から抜け落ちることを抑制することができる。特に、第1の実施形態の流体殺菌装置1のように、流路部材13の流路13aにおいて、光源16が配置された一端側へ向かって流体が流れた場合、流路13aを流れる流体が光源16側へ押し当てられることで、流路部材13を第1の接続部材17から引き抜く力が流体の流れ方向(流路部材の長手方向)に沿って生じても、第1の接続部材17から流路部材13が抜け落ちることを抑制することができる。よって、第1の接続部材17と流路部材13との接続状態、第2の接続部材18と流路部材13との接続状態の信頼性を更に高めることができる。したがって、流体殺菌装置1によれば、流路部材13の上流側に減圧装置を設けることが不要となり、流体殺菌装置1全体を小型化することができる。その結果、紫外線を照射する流体の減圧工程を省けるので、流体の殺菌処理速度を向上することが可能になる。
【0051】
以下、他の実施形態の流体殺菌装置について図面を参照して説明する。他の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材には、第1の実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す断面図である。第2の実施形態は、連結部材の内面で紫外線を反射する点が、第1の実施形態と異なる。
図6に示すように、第2の実施形態の流体殺菌装置2が備える連結部材19Aは、紫外線透過性を有する流路部材13Aを内部に収容する円筒状に形成されており、内周面全体に、光源16からの紫外線を流路部材13Aの流路13aへ反射する反射面としての反射膜19bが形成されている。
【0053】
反射膜19bとしては、例えば、シリカ膜やアルミニウム蒸着膜が用いられている。連結部材19Aは、反射膜19bを有する点が、上述の連結部材19と異なる。また、流路部材13Aは、紫外線透過性を有する材料によって形成されており、反射膜13bを有していない点が、上述の流路部材13と異なる。したがって、第2の実施形態では、光源16が発した紫外線が、連結部材19Aの反射膜19bで反射され、反射膜19bで反射された紫外線の反射光が、流路部材13Aを透過して、流路部材13Aの流路13a内を流れる流体に照射される。
【0054】
第2の実施形態によれば、連結部材19Aを備えることにより、第1の実施形態のように、流路部材13の反射膜13bから漏れ出る紫外線を損失するおそれがなく、連結部材19Aの内部へ紫外線を留めて、連結部材19Aの外部へ漏れ出る紫外線が低減されるので、殺菌対象の流体への紫外線の照射効率を高めることができる。また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、連結部材19Aによって、第1の接続部材17と流路部材13Aとの接続状態、第2の接続部材18と流路部材13Aとの接続状態の耐圧性を高めることができる。
【0055】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す断面図である。第3の実施形態は、連結部材が流体殺菌装置の外部に固定される点が、第1の実施形態と異なる。
図7に示すように、第3の実施形態の流体殺菌装置3は、上述した連結部材19の代わりに、第1の接続部材17と第2の接続部材18とを連結する連結部材32と、流路部材13の外周側を覆って流路部材13を保護するカバー部材33と、を有する。
【0056】
連結部材32は、第1の接続部材17を支持する第1の支持部32aと、第2の接続部材18を支持する第2の支持部32bと、流体殺菌装置3の外部としての外部部材35に固定される固定部32cと、を有する。第1の支持部32aは、ボルト等の締結部材20によって、第1の接続部材17の外周部に固定されている。同様に、第2の支持部32bは、ボルト等の締結部材20によって、第2の接続部材18の外周部に固定されている。連結部材32は、第1の支持部32a及び第2の支持部32bを介して、第1の接続部材17と第2の接続部材18とを連結している。固定部32cは、ボルト等の締結部材(図示せず)によって外部部材35に固定されている。連結部材32が固定部32cを介して固定される外部部材35としては、例えば、流体殺菌装置3の設置スペースの床面、流体殺菌装置3を覆う筐体、外部機器の支持部等が適用される。
【0057】
カバー部材33は、両端部にフランジ部33aが形成されている。カバー部材33は、一端部側のフランジ部33aが第1の接続部材17に図示しないボルト等によって固定されており、他端部側のフランジ部33aが第2の接続部材18に図示しないボルト等によって固定されている。なお、第3の実施形態は、流路部材13の外周側を覆うカバー部材33を有するが、カバー部材33の代わりに、上述した連結部材19を更に備えてもよく、第1の接続部材17と流路部材13との接続状態、第2の接続部材18と流路部材13との接続状態の信頼性を更に高めることができる。
【0058】
第3の実施形態によれば、連結部材32によって流体殺菌装置3の要部を固定することが可能となり、連結部材32が固定部材を兼ねることで、流体殺菌装置3の固定構造を簡素化することが可能になる。また、連結部材32の固定部32cが外部部材35に固定されることにより、連結部材32の機械的強度を高めることができる。
【0059】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す断面図である。第4の実施形態は、流路部材13の長手方向の両側に、光源16がそれぞれ配置された点が、第1の実施形態と異なる。
図8に示すように、第4の実施形態の流体殺菌装置4は、第2の接続部材18Aと、連結部材19Bと、を備える。第2の接続部材18Aの内部には、上述した第1の接続部材17の内部の光源16とは別の光源16が設けられている。また、第2の接続部材18Aの内部には、上述した第1の接続部材17と同様に、流路13aの上流側の一端に連通する第3の流路としての流路17a−1、17a−2、17b−1、17b−2が光源16の周囲に沿って形成されている。
【0060】
連結部材19Bの両端部には、第1の接続部材17と第2の接続部材18Aに固定されるフランジ部19aがそれぞれ形成されている。第2の接続部材18Aは、光源16の周囲に、流路17a−1、17a−2、17b−1、17b−2を有するので、第2の接続部材18Aと流路部材13との接続状態の耐圧性を高めることが好ましい。したがって、第4の実施形態は、流路部材13の両端での更なる耐圧性の向上が望ましく、連結部材19Bを有することで、第1の接続部材17と流路部材13との接続状態、第2の接続部材18Aと流路部材13との接続状態の耐圧性を効果的に高めることができる。加えて、第4の実施形態は、第2の接続部材18Aが光源16を有することで、第1の接続部材17のみに光源16を有する第1の実施形態等と比べて、流体の殺菌効果を高めることができる。
【0061】
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す断面図である。第5の実施形態は、第1の接続部材の内部に反射部材が設けられた点が、第2の実施形態と異なる。
図9に示すように、第5の実施形態の流体殺菌装置5が備える第1の接続部材17Aは、内部に、光源16が発した紫外線を反射する反射部材52が、紫外線透過性を有する流路部材13Aの下流側の端部に配置されている点が、上述の第1の接続部材17と異なる。
【0062】
反射部材52は、円筒状に形成されており、第1の反射面52aと、第2の反射面52bとを有する。第1の反射面52aは、第1の接続部材17Aの流路17a−2に沿って形成されており、光源16の発光面に対向している。第2の反射面52bは、流路部材13Aの端部の外周面に沿って形成されている。第5の実施形態によれば、光源16の発光面近傍、紫外線透過部材21近傍の紫外線を効率的に反射させて、流路部材13Aの流路13a内へ紫外線を効率的に照射することが可能となる。
【0063】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。