(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注意喚起処理は、前記自動手荷物預入れ装置の音声出力部から、警告音又は所定の音声を出力する処理であることを特徴とする請求項1に記載の自動手荷物預入れ制御装置。
前記注意喚起処理は、前記自動手荷物預入れ装置の表示部に、前記開閉扉の開閉に関して注意を喚起するメッセージを表示する処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動手荷物預入れ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による自動手荷物預入れ制御装置、自動手荷物預入れ制御プログラム、及び自動手荷物預入れ装置の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0015】
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図2は、実施形態に係る自動手荷物預入れシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2において、自動手荷物預入れシステム1は、ネットワークNに接続可能な、複数の自動手荷物預け機2−1〜2−N(Nは正の整数)及びサーバ3を有して構成される。
【0016】
自動手荷物預入れシステム1は、クライアントサーバーシステムあって、例えば、クライアントである自動手荷物預け機2−1〜2−Nが、サーバ3に情報の取得を要求すると、サーバ3は、要求された情報を返信する。
【0017】
ネットワークNの接続構成や通信仕様等は限定されないものであり、有線又は無線のいずれかであっても良い。なお、この実施形態では、ネットワークNは、航空会社のLAN(Local Area Network)を想定している。
【0018】
自動手荷物預け機2−n(1≦n≦N)は、例えば、空港等に設けられている自動手荷物預け機である。自動手荷物預け機2−nは、ネットワークNを介して、サーバ3と通信可能であり、手荷物受託に関する処理を行う。
【0019】
サーバ3は、利用者が航空機を利用する際の情報(搭乗情報)を一元管理するものある。例えば、サーバ3は、データベース管理システム(DBMS)と、搭乗情報が格納されたデータベースとを有するものである。なお、搭乗情報は、旅客情報の一例である。
【0020】
図3は、実施形態に係るサーバ(データベース)に保持される搭乗情報の一例を示す説明図である。
【0021】
図3において、搭乗情報Dは、「搭乗ID」、「搭乗前確認」、「チケット購入確認」、「手荷物受託可否確認」、「運賃種別」、「搭乗便番号」、「搭乗口情報」、「搭乗者氏名」、「年齢」、「幼児有無」の項目を有する。なお、
図3は、一例であって、少なくとも、「搭乗ID」、「運賃種別」、「幼児有無」の項目を有すれば、他の項目を減らしても良いし、また別の項目を追加しても良い。
【0022】
搭乗情報Dは、航空機に搭乗する1人に対して1件分の搭乗情報(データ)が存在するデータ群である。
【0023】
「搭乗ID」は、搭乗データを一意に識別するIDの項目である。「搭乗前確認」は、航空機に搭乗前であるか否かを確認できる項目である。「チケット購入確認」は、航空機の搭乗チケットを購入済みであるか否かを確認できる項目である。「手荷物受託可否確認」は、手荷物を受託可能であるか否かを確認できる項目である。「運賃種別」は、航空機の利用運賃の種別を示す項目である。この実施形態では、所定年齢(例えば、3〜12歳未満)の子供に適用される小児区分と、所定年齢以上(例えば、12歳以上)に適用される大人区分が存在するものとする。また、所定年齢(例えば、3歳未満)の子供(幼児)については、運賃が発生しないものとする。つまり、運賃種別としては、「小児」と「大人」の2種類の区分が存在するが、勿論、2種類以上の区分を適用しても良いし、1種類(大人区分のみ)としても良い。「搭乗便番号」は、搭乗する航空機の便番号を示す項目である。「搭乗口情報」は、航空機に搭乗する空港内の場所(搭乗口)を示す項目である。「搭乗者氏名」は、搭乗者の氏名を示す項目である。「年齢」は、搭乗者の年齢を示す項目である。「幼児有無」は、搭乗者と共に同乗する幼児の有無を示す項目である。「幼児有無」は、例えば、予約サイトから搭乗券の予約をする際に、幼児の氏名や年齢等を入力したか否かにより、幼児の有無が決定される。つまり、幼児有無は、搭乗者に関連付け(紐づけ)された項目である。
【0024】
なお、
図3では、説明の便宜上、「運賃種別」や「幼児有無」等の項目を、大人(小児)、有り(無し)等の文字例で示しているが、内部では所定のデータ形式(型)で保持しても良い。
【0025】
(A−1−2)自動手荷物預け機2−nの詳細な構成
図1は、実施形態に係る自動手荷物預け機の機能的構成を示すブロック図である。
【0026】
自動手荷物預け機2−nは、制御部10、操作表示部20、読み取りリーダ30、音声出力部40、手荷物タグプリンタ50、引換証プリンタ60、手荷物格納部70、開閉扉71、及び通信I/F80を有している。
【0027】
制御部10は、自動手荷物預け機2−n内の各部の動作を制御する機能を担っている。制御部10は、例えば、プロセッサやメモリ等を含むプログラムの実施構成に実施形態のプログラム(自動手荷物預入れ制御プログラム)等をインストールすることにより実現することができる。制御部10は、手荷物受託処理に伴う自動手荷物預け機2内の各構成要素の制御等を行う。
【0028】
操作表示部20は、手荷物預入れ時のユーザインタフェースの機能を担っている。操作表示部20に適用するデバイスの種類は限定されないものであるが、例えば、液晶タッチパネルを適用することができる。
【0029】
読み取りリーダ30は、ICカード(ICチップ)、搭乗券に印刷又はスマートフォン(ディスプレイ)に表示されたバーコード(例えば、1次元、2次元バーコード)を読み取る機能を有する。
【0030】
音声出力部40は、操作表示部20を介した手荷物預入れに関する操作の各段階(各表示画面)に応じて、音声によるメッセージを出力する。例えば、手荷物タグを手荷物に取り付ける段階においては、利用者に対して、手荷物タグを手荷物に取り付けを促すメッセージの出力を行う。
【0031】
手荷物タグプリンタ50は、例えば、裏面がシール状であって表面に搭乗便名、最終目的地、及び預かり番号等の情報を含むバーコードが印刷された手荷物用のタグを発行(プリントアウト)する。
【0032】
引換証プリンタ60は、発行されたタグを利用者が手荷物に付した後に手荷物格納部70内に手荷物を入れて、開閉扉71が閉まった場合に、預けた手荷物の引換証を発行する。
【0033】
手荷物格納部70は、手荷物(タグを取り付けた手荷物)を格納する格納部である。なお、手荷物格納部70の幅、高さおよび奥行きは、例えば、航空会社の規定に基づいて、手荷物の中で最も多い幅、高さおよび奥行き組み合わせのものを参考して決定される。なお、手荷物格納部70には、所定のタイミングで開閉される開閉扉71が設けられている。
【0034】
通信I/F80は、自動手荷物預け機2−nがサーバ3と通信するためのネットワークインタフェースである。
【0035】
(A−1−3)制御部10の詳細
次に、従来の手荷物受託処理と異なるこの実施形態の特徴部分(制御部10)の詳細を説明する。
【0036】
制御部10は、読み取りリーダ30によって読み取られた媒体(ICカード等)の情報に基づき、サーバ3から搭乗情報Dを取得する。そして、制御部10は、媒体の情報と搭乗情報Dの照合結果を操作表示部20に表示し、利用者の確認を受け付けた後に、手荷物タグプリンタ50により手荷物用のタグをプリントアウトする(同時に、手荷物格納部70の開閉扉71を開ける制御を行う)。
【0037】
制御部10は、タグが貼り付けられた手荷物が手荷物格納部70に格納され、利用者からタグの貼り付けが完了した旨を受け付けると、取得した搭乗情報Dを参照し、利用者の「運賃種別」が「小児」の区分であるか、又は「幼児有無」が「有り」となっているかを確認する。制御部10は、利用者の運賃種別が小児の区分(又は幼児有無が有り)の場合には、開閉扉71の開閉について、注意を喚起するアラーム音(又は音声)を音声出力部40により出力する。音声は、例えば、「扉が閉まります。ご注意下さい。」等のメッセージである。なお、アラーム音(音声)の音量は、限定され無いものであるが、少なくとも、自動手荷物預け機2−nの目の前にいれば聞き取れる程の音量が必要である。
【0038】
制御部10は、音声の注意喚起と共に、開閉扉71の開閉時の注意を喚起するメッセージ(画面)を操作表示部20に表示する。
図4は、開閉扉71の開閉時の注意を喚起する画面(扉開閉注意喚起画面)の一例を示す説明図である。
図4において、扉開閉注意喚起画面Tは、開閉扉71が閉まる際の注意を喚起するメッセージと共に、その注意喚起を確認したことを示す確認ボタンBが示されている。なお、表示するメッセージには他の言語(例えば、英語)を併記しても良い。制御部10は、確認ボタンBの押下を受け付けると、開閉扉71を閉める。これ以降の制御部10の処理(従来と同様)は、動作の項で説明する。また、制御部10は、開閉扉71の開閉時の注意を喚起するとして、アラーム音(音声)の出力、又は扉開閉注意喚起画面Tの表示のいずれか一方のみを用いても良い。
【0039】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る自動手荷物預入れシステム1(自動手荷物預け機2)における処理の動作を、図面を参照して説明する。
【0040】
図5は、実施形態に係る自動手荷物預け機の動作(手荷物受託処理)について示すフローチャートである。
【0041】
読み取りリーダ30は、利用者によって、ICカード、搭乗券、又はスマートフォン(ディスプレイに搭乗情報を含む2DBCが表示)が、翳されると、翳された媒体に含まれる情報を読み取る(S101)。読み取りリーダ30によって、読み取られた媒体の情報(媒体情報)は、制御部10に与えられる。
【0042】
制御部10は、読み取られた媒体情報に基づき、サーバ3へ照会を行い、搭乗情報D(該当する搭乗データ)を確認する(S102)。
【0043】
制御部10は、サーバ3より受信した搭乗情報Dを操作表示部20に表示する(S103)。なお、操作表示部20には、表示された搭乗情報Dの確認を受け付ける手段として、例えば、内容確認ボタンが表示されてる。
【0044】
制御部10は、利用者により、内容確認ボタンが押下されたか否か監視し、内容確認ボタンの押下により次の処理を実行する(S104)。
【0045】
制御部10は、手荷物格納部70の開閉扉71を開くよう指示を行う(S105)。制御部10の指示により、開閉扉71が開かれて、利用者が手荷物格納部70に手荷物を置くことが可能となる。
【0046】
制御部10は、手荷物タグプリンタ50に対して、所定の情報が印刷された手荷物用のタグを印刷する(S106)。例えば、手荷物タグプリンタ50には、預ける手荷物を一意に識別する預かり番号、搭乗便名、最終目的地等を含むバーコードが印刷される。
【0047】
制御部10は、預ける手荷物に手荷物用のタグを貼り付けて、手荷物格納部70に格納するように促す画面を操作表示部20に表示して、手荷物タグの貼付の完了を待つ(S107)。なお、操作表示部20には、手荷物タグの貼付の完了を受け付ける手段として、例えば、手荷物タグ貼付完了ボタンが表示されてる。制御部10は、手荷物タグ貼付完了ボタンの押下により次の処理を実行する。
【0048】
制御部10は、先述のステップS102の処理により取得した搭乗情報Dを参照し、利用者の「運賃種別」が「小児」の区分であるか、又は「幼児有無」が「有り」となっているか否かを判定する(S108)。制御部10は、搭乗情報Dの該当データの「運賃種別」が「小児」の区分(又は「幼児有無」が「有り」)となっている場合には、次の処理を実行し、いずれにも合致しない場合には後述するステップS111の処理を実行する。なお、変形例として、制御部10は、取得した搭乗情報Dの運賃種別が小児の区分だった場合には、「年齢」の区分を参照し、小児の区分と一致するか否か確認しても良い。
【0049】
制御部10は、開閉扉71の開閉の注意を喚起するアラーム音(または音声)を音声出力部40から出力し、先述の扉開閉注意喚起画面Tを操作表示部20に表示する(S109)。
【0050】
制御部10は、利用者により、注意喚起に対する確認ボタンBが押下されたか否か監視し、確認ボタンBの押下により次の処理を実行する(S110)。
【0051】
制御部10は、手荷物格納部70の開閉扉71を閉める指示を行う(S111)。制御部10の指示により、開閉扉71が閉じられて、図示しない搬送手段により手荷物格納部70の手荷物が内部に取り込まれる。
【0052】
制御部10は、手荷物を識別する預かり番号を、サーバ3(データベース)に登録する(S112)。
【0053】
制御部10は、他に預ける手荷物が存在するか否かを確認する画面を、操作表示部20に表示して、利用者からの返答を待つ(S113)。制御部10は、利用者から他に預ける手荷物が存在する旨を受け付けた場合には、先述のステップS105から再度処理を実行し、他に手荷物が存在しない場合には次の処理を実行する。
【0054】
制御部10は、引換証プリンタ60に預けた手荷物の引換証を印刷させる(S114)。
【0055】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、自動手荷物預け機2(制御部10)は、サーバ3より受信した搭乗情報Dにより利用者が小児(又は幼児連れ)であるかを判定し、該当する場合には、アラーム音または音声を再生し、画面に注意喚起メッセージを表示する。これにより、利用者への十分な扉への注意喚起が図ることができ、利用者や利用者の子供の怪我などの不慮の事故、装置の故障を防止することが可能である。
【0056】
(B)他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0057】
(B−1)上記実施形態では、受託する手荷物の重量を計測していなかったが、変形例として、手荷物の重量を計測する手荷物計測部を自動手荷物預け機2に設け、所定のタイミング(例えば、先述のステップS108の処理の直前)で、手荷物の重量を計測し、預かり可能な重量の範囲内であった場合のみ受託処理を続行し、預かり可能な重量をオーバーしている場合には受託処理を終了しても良い。
【0058】
(B−2)上記実施形態では、アラーム音(又は音声)と表示画面への注意喚起メッセージを確認させることで子供の怪我などの不慮の事故、装置の故障を防止する例を説明したが、変形例として、周辺機器に赤外線センサ等が存在する場合には、子供が扉の開閉中に近づいたことをセンサで検知し、音声の出力や表示画面への注意を表示しても良い。これにより、上記実施形態よりもさらに、利用者の怪我などの不慮の事故や装置の故障を防ぐことが可能となる。
【0059】
(B−3)上記実施系形態では、利用者が小児だった場合、又は幼児連れだった場合に、注意喚起する処理(先述のステップS109の処理)を行っていたが、変形例として、利用者が大人で、小児連れだった場合にも同様の処理を行っても良い。例えば、予約サイトで予約者(大人)が複数の搭乗券(小児区分の搭乗券を含む)を予約した場合には、1つの予約(予約番号)に対して、複数の搭乗券(搭乗情報Dの搭乗ID)が関連付け(紐づけ)られる(サーバ3は、予約に関わる予約情報と搭乗情報Dを関連付けて記憶する)。この予約情報(旅客情報の一例)を利用して、制御部10は、読み取りリーダ30により読み取った媒体情報(例えば、搭乗券)に予約番号が含まれていれば、当該予約番号に紐づく他の搭乗情報D(搭乗データ)をサーバ3から取得する。また、媒体情報に予約番号が含まれていなくても、利用者自身の搭乗IDを手掛かりとして、サーバ3から予約番号を取得して、取得した予約番号から、上記同様に他の搭乗情報D(搭乗データ)を取得しても良い。制御部10は、利用者自身以外の他の搭乗データが取得できれば、先述のステップS108の処理のように、他の搭乗データの運賃区分に小児のデータが含まれていれば同様にステップS109の処理を実行すれば良い。