(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システム制御部は、前記代替ルートを含めた前記印刷物の配送元と配送先との間のルートを最短ルートであると学習することを特徴とする請求項2に記載の配送装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の配送システムの一実施形態を、
図1〜
図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明においての画像形成装置の一例としては、たとえば印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能等を搭載した複合的な周辺機器であるMFP(Multifunction Peripheral)であるものとする。
【0012】
まず、
図1に示すように、配送システムは、画像形成装置であるMFP100と配送装置200とを備えている。配送装置200は、詳細については後述するが、MFP100からの印刷物を受け取り、目的地まで配送した後、MFP100に戻る。
【0013】
MFP100の本体100Aの内部には、スキャナー部101、制御部110、給紙部130、プリンター部140、定着部150、搬送部160等が搭載されている。なお、符号170は給紙トレイ171を有するADF(Auto Document Feeder)を示し、符号180は複数の排紙トレイ181〜184を有するメールボックスを示している。また、符号169は、後述の配送装置200の充電コネクター221との接続により、配送装置200側に充電のための電力を供給する充電コネクターを示している。
【0014】
スキャナー部101は、詳細については後述するが、たとえばADF170から自動給紙される原稿134の画像を読み取る。なお、原稿134にあっては、ADF170からの自動給紙に限らず、カバー170Cによって覆われているガラス面を有する原稿台100Bにセットし、スキャナー部101の水平移動によって読み取らせてもよい。
【0015】
制御部110は、各部の動作を制御するものであり、詳細については後述する。給紙部130は、用紙サイズや用紙タイプの異なる様々な用紙133を収容できる複数の給紙カセット131a〜131cを収容する。それぞれの給紙カセット131a〜131cには、給紙ローラー132が設けられている。給紙ローラー132は、給紙カセット131a〜131cからの用紙133を、搬送部160の後述の第1搬送路161に送り出す。
【0016】
プリンター部140は、図示しない感光体ドラム、現像装置、帯電装置、露光装置等を有する、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(B)を含む画像形成ユニット141を備えている。また、プリンター部140は、1次転写ローラー142、駆動ローラー143、従動ローラー144、中間転写ベルト145、2次転写ローラー146を有している。画像形成ユニット141は、印刷データに基づき、帯電、露光及び現像の工程により図示しない感光体ドラム上にトナー像を形成する。また、1次転写ローラー142は、図示しない感光体ドラム上のトナー像を、駆動ローラー143及び従動ローラー144に張架されている中間転写ベルト145上に転写する。2次転写ローラー146は、用紙133の裏面側から圧接し、用紙133の表面側に中間転写ベルト145上のトナー画像を転写する。
【0017】
定着部150は、加熱ローラー151と加圧ローラー152とを有している。加熱ローラー151は、図示しない熱源制御部によって制御される熱源からの熱を用紙133に与える。加圧ローラー152は、用紙133を加熱ローラー151側に押しつける。加圧ローラー152の加圧力は、図示しない加圧調整機構部によって調整される。そして、定着部150は、駆動ローラー143と2次転写ローラー146とにより、トナー画像が転写された用紙133に対し、加圧ローラー152による圧と加熱ローラー151による熱とを加える。これにより、用紙133にトナー画像が定着される。なお、図示しない加圧調整機構部は、加圧ローラー152を加熱ローラー151の方向に押圧する押圧部材、ばね、及びステッピングモーター等の駆動部で構成され、駆動部を動作させて押圧部材を移動させることにより、加圧ローラー152の加圧力を調整する。
【0018】
搬送部160は、給紙カセット131a〜131cから分岐点164まで延びる第1搬送路161と、分岐点164からメールボックス180まで延びる第2搬送路162と、分岐点164で迂回し第1搬送路161に戻る第3搬送路163と、経路切り換え部163aから排出口168まで延びる第4搬送路167とを有している。なお、第1搬送路161及び第2搬送路162は、片面印刷に使用される。また、第3搬送路163は、両面印刷に使用される。また、第4搬送路167は、排出口168を介して配送装置200側に画像を印刷した用紙133を送る際に使用される。
【0019】
ここで、片面印刷では、第1搬送路161が用紙133を矢印a方向に沿ってプリンター部140のトナー画像の転写位置まで搬送し、トナー画像の転写速度に合わせて定着部150側に搬送する。さらに、第1搬送路161が定着部150のトナー画像の定着位置まで搬送し、定着の終えた用紙133を第2搬送路162側に搬送する。そして、第2搬送路162がトナー画像の定着された用紙133を矢印a方向に沿ってメールボックス180側に搬送する。
【0020】
また、片面印刷された用紙133を配送装置200側に送る場合、第2搬送路162がトナー画像の定着された用紙133を矢印a方向に沿ってメールボックス180側に搬送するが、用紙133の後端が分岐点164に差しかかると、第3搬送路163が用紙133を矢印b方向に沿って搬送し、経路切り換え部163aにより第4搬送路167が用紙133を配送装置200側に送り出す。
【0021】
両面印刷では、第1搬送路161が用紙133を矢印a方向に沿ってプリンター部140のトナー画像の転写位置まで搬送し、トナー画像の転写速度に合わせて定着部150側に搬送する。さらに、第1搬送路161が定着部150のトナー画像の定着位置まで搬送し、定着の終えた用紙133を第2搬送路162側に搬送する。続いて、第2搬送路162がトナー画像の定着された用紙133を矢印a方向に沿ってメールボックス180側に搬送するが、用紙133の後端が分岐点164に差しかかると、第3搬送路163が用紙133を矢印b方向に沿って搬送し、第1搬送路161に送り出す。このとき、用紙133が反転する(画像が形成されていない裏面側が中間転写ベルト145側に向けられる)。以降は、片面印刷と同様に、第2搬送路162がトナー画像の転写及び定着を終えた用紙133を矢印a方向に沿ってメールボックス180側に搬送する。
【0022】
また、両面印刷された用紙133を配送装置200側に送る場合、第2搬送路162が両面にトナー画像の定着された用紙133を矢印a方向に沿ってメールボックス180側に搬送するが、用紙133の後端が分岐点164に差しかかると、第3搬送路163が用紙133を矢印b方向に沿って搬送し、経路切り換え部163aにより用紙133が第4搬送路167によって配送装置200側に送り出される。つまり、両面印刷された用紙133を配送装置200側に送る場合、用紙133は第1搬送路161と第3搬送路163との間を2周する。
【0023】
ADF170は、本体170Bの内部に配置された複数の搬送ローラー172〜177を有している。また、本体170Bには、給紙口178と排出口179とが設けられている。給紙トレイ171には、複数枚の原稿134をセットすることができる。また、給紙トレイ171にセットされ原稿134は、図示しない分離機構により1枚ずつに分離される。なお、分離機構としては、サッカー方式やフリクション方式等を採用することができる。なお、ADF170は、原稿134に対して片面読み取りと両面読み取りとが可能となっている。ちなみに、両面読み取りの場合、詳細については省略するが、搬送ローラー176、177、173によって構成されるスイッチバック機構170Aにより、スキャナー部101に向けられる面が反転される。メールボックス180は、制御部110の制御により、画像が形成された用紙133に対し、指定された排紙トレイ181〜184への仕分けを行う。
【0024】
一方、配送装置200は、詳細については後述するが、バッテリー駆動による自走式である。また、配送装置200は、後述の
図3(b)のように連結可能でもある。配送装置200は、筐体側面の下方にMFP100側の充電コネクター169に接続される充電コネクター221を備えている。配送装置200は、印刷物である画像の形成された用紙135を配送先に配送した後、MFP100側に戻る。また、配送装置200は、MFP100側に戻ると、MFP100の充電コネクター169を介して充電を行う。配送装置200の底部には、ローラー241を有する自走機構部240が設けられている。また、配送装置200は、筐体側面の上方に取り込み口222を有する。配送装置200は、取り込み口222がMFP100の排出口168に対面した状態において、MFP100の第4搬送路167によって搬送された画像の形成された用紙135を取り込む。なお、MFP100側の充電コネクター169と配送装置200側の充電コネクター221とが接続されると、MFP100の排出口168と配送装置200の取り込み口222とが対面した状態になる。配送装置200の内部には、取り込み口222から収容機構部230の各収容部236まで延びる搬送路250が設けられている。配送装置200の筐体上部には、収容部236に収容された画像の形成された用紙135を排出する排出口245が設けられている。
【0025】
次に、
図2及び
図3を参照し、配送装置200の詳細について説明する。まず、
図2(a)に示すように、配送装置200の筐体側面の下方には、上述した充電コネクター221が設けられている。また、配送装置200の筐体側面の上方には、上述した取り込み口222が設けられている。配送装置200の内部には、上述した収容機構部230が設けられている。収容機構部230は、たとえば帯状のベルト231を懸架する複数のローラー232、233と、ベルト231を巻き取る駆動ローラーである巻き取りローラー234とを有している。ローラー232は、軸方向が水平または略水平となるように、配送装置200の内部の上方に固定配置されている。一方、ローラー233は、軸方向が水平または略水平となるように、配送装置200の内部の下方に配置されている。具体的には、ローラー233は、上方の隣り合う2個のローラー232と、これらのローラー232の間であって、ローラー232の下方に位置する。なお、ローラー233は、垂直方向に延びるスリット235に沿って上下動が可能である。また、ベルト231は、上方の隣り合う2個のローラー232のうち一方の上部、下方のローラー233の下部、および隣り合う2個のローラー232のうち他方の上部を順に通されている。そして、ベルト231によって形成される下向きのスペースが印刷物である画像の形成された用紙135の収容部236となっている。また、収容機構部230は、MFP100から印刷物である画像の形成された用紙135を受け取ると、空いている収容部236に印刷物を収容する。この場合、収容機構部230は、印刷物を収容した収容部236の位置を通知する。巻き取りローラー234は、軸方向が水平または略水平となるように、配送装置200の内部に配置され、巻き取りローラー234の軸方向に沿ってベルト231の端部を接合している。本実施形態では、2個の巻き取りローラー234が配置されており、一方がベルト231の一端を接合し、他方がベルト231の他端を接合している。
【0026】
取り込み口222からそれぞれの収容部236まで延びる搬送路250には、複数の経路切り換え部251が設けられている。そして、いずれかの経路切り換え部251を動作させることにより、搬送路250によって搬送された画像の形成された用紙135を指定した収容部236に収容できる。また、配送装置200の底部には、ローラー241を有する自走機構部240が設けられている。配送装置200の筐体上部には、収容部236に収容された画像の形成された用紙135を排出する複数の排出口245が設けられている。これらの排出口245は、画像の形成された用紙135の収容部236の位置に対応させて設けられている。
【0027】
そして、
図2(b)のように、いずれかの収容部236に収容された画像の形成された用紙135を排出口245から排出する場合、排出口245に対応する下方のローラー233をスリット235に沿って上昇させる。下方のローラー233の上昇によってベルト231に弛みが生じるが、巻き取りローラー234の矢印方向の回転により、ベルト231の弛みが巻き取られる。なお、排出口245には、開閉カバーを設け、ユーザー認証によって認証がとれた際、開閉カバーを開放するようにしてもよい。なお、各ローラー233をガイドするスリット235には、スリット235の下端部でローラー233を下方向に押さえる不図示の爪部材を有する係止部が設けられている。上昇させる対象のローラー233をガイドするスリット235の係止部の爪部材のみ解除することにより、特定のローラー233のみ上昇させることができる。
【0028】
また、配送装置200は、
図3(a)に示すように、筐体外周に、充電コネクター221、246を設けている。充電コネクター246は、
図3(b)に示すように、配送装置200は、MFP100の排出口168から印刷物が排出される方向と直交する方向に、他の配送装置200と連結することができる。配送装置200同士の連結の際、互いに接続される。このように、充電コネクター246が互いに接続されることで、先頭の配送装置200がMFP100の充電コネクター169からの電力を得ているとき、後続の配送装置200に対し充電コネクター246を介して電力が供給される。また、それぞれの充電コネクター246が互いに接続されることで、配送装置200同士の連結の際の位置決めとしても用いられる。なお、配送装置200同士の連結については、連結の手順を示すプログラムに従って実行できる。また、収容部236への印刷物の収容が完了した配送装置200がMFP100から離脱すると、離脱した配送装置200に連結する他の配送装置200は、MFP100の方へ移動し、他の配送装置の充電コネクター246をMFP100の充電コネクター169に接続する。
【0029】
また、配送装置200の底部には、上述した自走機構部240のローラー241が4個設けられている。これらのローラー241は、たとえば前進する際、前進方向のローラー241が図示しないモーターの駆動力を得て回転する。また、これらのローラー241は、たとえば後進する際、後進方向のローラー241が図示しないモーターの駆動力を得て回転する。また、左右のローラー241の回転数を変えることで、配送装置200の進行方向での向きを変えることができる。すなわち、たとえば、右側のローラー241の回転数を、左側のローラー241の回転数より高くすることで、進行方向に対し、左方向に向きを変えることができる。
【0030】
次に、
図4を参照し、配送システムの制御系の構成について説明する。まず、
図4(a)に示すように、MFP100は、スキャナー部101、プリンター部140、FAX(Facsimile)部102、I/F(インターフェース)103、アンテナ104、パネル部105及びHDD106の動作を制御する制御部110を備えている。
【0031】
スキャナー部101は、イメージセンサ(図示省略)によって読み取られる、たとえば原稿134上の画像をデジタルの画像データに変換し、制御部110に入力するデバイスである。プリンター部140は、制御部110から出力される印刷データに基づき、用紙133等に画像を印刷するデバイスである。FAX部102は、制御部110から出力されるデータを、電話回線を通じ相手方となるファクシミリへと送信し、また、相手方ファクシミリからのデータを受信して制御部110に入力するデバイスである。
【0032】
I/F103は、ネットワークを介し、他のMFP100、ユーザー端末等との通信を受け持つ。なお、I/F103は、図示しないコンテンツサーバーやウェブサーバー等との通信を受け持ってもよい。アンテナ104は、たとえば配送装置200との間での電波を送受信する。パネル部105は、たとえばMFP100の印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能や、各種設定のための表示を行うタッチパネルとハードウェアキーとを有するデバイスである。HDD106は、MFP100の種々の機能を提供するためのアプリケーションプログラム等を記憶している記憶デバイスである。また、HDD106は、ユーザー端末側から登録された印刷ジョブを記憶するユーザーボックスを有している。
【0033】
制御部110は、認証プログラム等のアプリケーションプログラム、画像形成プログラム、及び制御プログラム等を実行してMFP100全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部110は、スキャナー制御部111、プリンター制御部112、FAX制御部113、通信制御部114、RAM(Random Access Memory)115、EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)116、画像処理部117、パネル操作制御部118、HDD制御部119、システム制御部120を備えている。また、これらは、データバス121に接続されている。
【0034】
スキャナー制御部111は、スキャナー部101の読み取り動作を制御する。プリンター制御部112は、プリンター部140の印刷動作を制御する。FAX制御部113は、FAX部102によるデータの送受信動作を制御する。通信制御部114は、I/F103を介し、ネットワーク経由でのデータ等の送受信の制御を行う。また、通信制御部114は、アンテナ104を介しての電波の送受信を制御する。RAM115は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、RAM115は、画像処理部117によって画像処理(ラスタライズ)された印刷データを記憶する。EEPROM116には、各部の動作チェックや起動シーケンスを生成する制御プログラム等が記憶されている。
【0035】
画像処理部117は、スキャナー部101によって読み取られた画像データに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。また、画像処理部117は、HDD106のユーザーボックスに登録された印刷ジョブに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。なお、システム制御部120は、画像処理部117が画像処理(ラスタライズ)した印刷データを、一旦、RAM115に記憶させる。
【0036】
パネル操作制御部118は、パネル部105の表示動作を制御する。また、パネル操作制御部118は、パネル部105を介し、印刷、コピー、FAX、ネットワーク経由でのデータ送受信等の設定を受け付ける。HDD制御部119は、HDD106に対するデータの読み出し及び書き込み等を制御する。システム制御部120は、各部の連携動作等を制御する。また、システム制御部120は、用紙133の排出先が配送装置200に指定されている場合、画像の形成された用紙135を配送装置200側に排出させる。
【0037】
次に、配送装置200は、
図4(b)に示すように、カメラ201、GPS(Global Positioning System)受信器202、センサー203、アンテナ204、収容機構部230、自走機構部240の動作を制御する制御部210を備えている。
【0038】
カメラ201は、周囲の画像を取り込む。なお、カメラ201が取り込む画像は動画であってもよいし、静止画であってもよい。ただし、静止画の場合は、一定間隔(たとえば2秒間隔)で画像を取り込む。GPS受信器202は、現在の位置情報を取得する。センサー203は、周囲の物体(人物や壁等)を検出する。アンテナ204は、たとえばMFP100、ユーザーの図示しない携帯端末等との間での電波を送受信する。なお、たとえばMFP100からの印刷物が機密文書に設定されているか否か示す文書扱い情報を、アンテナ204を介して受け取ることで、MFP100から受け取った印刷物が機密文書かどうかを管理できる。また、MFP100からの印刷物に対応したユーザーID等の認証情報をアンテナ204を介して受け取ることで、MFP100から受け取った印刷物と認証情報とを対応づけて管理できる。さらには、MFP100から受け取った印刷物を収容している収容部236の位置と、印刷物と、ユーザーID等の認証情報とを対応づけて管理できる。そして、ユーザーの携帯端末からのユーザーID等の認証情報を電波で受け取ることで、ユーザー認証を行うことができる。収容機構部230は、
図2に示したように、画像の形成された用紙135の収容と、収容した用紙135の排出とを行う。自走機構部240は、
図3に示したように、ローラー241の駆動力により、配送装置200を自走させる。
【0039】
制御部210は、制御プログラム等を実行して配送装置200全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部210は、RAM211、EEPROM212、ユーザー認証部213、カメラ制御部214、GPS制御部215、センサー制御部216、通信制御部217、機構制御部218、システム制御部219を備えている。また、これらは、データバス220に接続されている。
【0040】
RAM211は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。EEPROM212には、各部の動作チェックや起動シーケンスを生成する制御プログラム等が記憶されている。また、EEPROM212には、後述の
図5に示すマップ情報400が記憶されている。マップ情報400には、部屋の配置、通路、MFP100の位置、ユーザー毎の席等が含まれている。ユーザー認証部213は、たとえばアンテナ204を介し電波で受信したユーザーの携帯端末からのユーザーID等の認証情報と、収容機構部230の収容部236に収容した画像の形成された用紙135に対応する認証情報とを照合してユーザー認証を行う。
【0041】
カメラ制御部214は、カメラ201の画像の取り込みを制御する。GPS制御部215は、GPS受信器202の受信動作を制御する。センサー制御部216は、センサー203の動作を制御する。機構制御部218は、収容機構部230、及び自走機構部240の動作を制御する。システム制御部219は、GPS受信器202からの位置情報を元に、EEPROM212に記憶されているマップ情報400上での位置を確認しつつ、機構制御部218を介し自走機構部240の動作を制御する。また、システム制御部219は、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果から、後述の
図5に示すMFP100から配送先までのルートa〜e上の障害物300を検出すると、代替ルートc1を求める。また、システム制御部219は、機械学習機能を有し、MFP100から配送先までのルートa〜e上に代替ルートc1があることを学習する。
【0042】
次に、
図5を参照し、配送装置200の動作の概要について説明する。まず、
図5は、EEPROM212に記憶されているマップ情報400をイメージ化したものである。MFP100は、符号410で示す部屋に配置されているとする。また、印刷物の配送先は、符号420で示す部屋の星印の席に指定されているとする。配送装置200は、MFP100からの印刷物である画像の形成された用紙135を受け取ると、GPS受信器202からの位置情報を元に、EEPROM212に記憶されているマップ情報400上での位置を確認しつつ、自律走行を開始する。なお、配送装置200は、GPS受信器202の感度が低下している場合、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果を元に、自律走行を開始してもよい。
【0043】
ここで、配送装置200は、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果を元に、ルートa→ルートbの順路に沿って自律走行したとする。また、配送装置200は、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果から、ルートb上での障害物300を検出したとする。この場合、配送装置200は、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果を元に、障害物300を避けるルートを求める。ここで、配送装置200は、障害物300を避けるための代替ルートc1を求めたとする。この場合、配送装置200は、代替ルートc1に沿って自律走行し、さらにルートd→ルートeの順路に沿って自律走行することで、部屋420の星印の席に到着する。そして、配送装置200は、印刷物である画像の形成された用紙135をユーザーに渡す。
【0044】
ここで、たとえば印刷物が機密扱いに設定されている場合、配送装置200はユーザーの携帯端末からのユーザーID等の認証情報を受け取り、ユーザー認証に成功した場合、印刷物を渡す。これに対し、配送装置200は、ユーザー認証に成功しなかった場合、MFP100の位置まで戻る。また、たとえば印刷物が機密扱いに設定されていなければ、ユーザー認証を行わずに、ユーザーに印刷物を渡してもよい。また、配送装置200は、部屋420の星印の席に到着するまでのルート上で、代替ルートc1を求めた場合、機械学習により、MFP100から部屋420の星印の席までの最短ルートを、ルートa→ルートb→代替ルートc1→ルートd→ルートeと学習する。これにより、配送装置200は、学習した最短ルートの順路に沿ってMFP100の位置まで自律走行により戻ることができる。
【0045】
次に、
図6を参照し、配送装置200の動作について説明する。なお、以下では、MFP100から受け取った印刷物がパネル部105を介しての操作により、機密文書か通常文書かが設定されているものとする。また、印刷物の配送先は、
図5に示したように、部屋420の星印の席であるとする。
【0046】
(ステップS101)
システム制御部219は、印刷物の収容が完了したかどうかを判断する。
このとき、機構制御部218は、収容機構部230を制御し、たとえば
図2(a)に示した左から3番目の収容部236に、印刷物である画像の形成された用紙135を収容したとする。
ここで、システム制御部219は、機構制御部218からの印刷物である画像の形成された用紙135の収容の完了を示す通知が無ければ、印刷物の収容が完了していないと判断する(ステップS101:No)。
これに対し、システム制御部219は、機構制御部218からの印刷物である画像の形成された用紙135の収容の完了を示す通知が有れば、印刷物の収容が完了したと判断し(ステップS101:Yes)、ステップS102に移行する。
このとき、システム制御部219は、収容機構部230から印刷物を収容している収容部236の位置を受け取る。また、システム制御部219は、MFP100からユーザーID等の認証情報と、印刷物が機密文書に設定されているか否か示す文書扱い情報とを受け取る。なお、MFP100からの情報は、MFP100側のアンテナ104からの電波をアンテナ204で受信することで、得ることができる。そして、システム制御部219は、収容機構部230から受け取った印刷物を収容している収容部236の位置と、MFP100から受け取った認証情報及び文書扱い情報とを、それぞれ対応づけて管理する。なお、これらの情報は、たとえばRAM211に記憶させる。
【0047】
(ステップS102)
システム制御部219は、自律走行を開始させる。
この場合、システム制御部219は、機構制御部218を介し、自走機構部240を駆動させ、搬送装置200をMFP100から離脱させる。
また、システム制御部219は、自律走行において、
図5に示したマップ情報400から配送先(
図5に示した部屋420の星印の席)を確認する。また、システム制御部219は、GPS制御部215からのGPS受信器202が受信した電波に基づく位置情報を受け取り、マップ情報400上での位置を確認する。また、システム制御部219は、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果を元に、ドアや人物等の障害物300を避けるように、機構制御部218を介し、自走機構部240を駆動させる。
【0048】
(ステップS103)
システム制御部219は、障害物300を発見したかどうかを判断する。
この場合、システム制御部219は、
図5に示したように、ルートa→ルートbに沿って自律走行しているとき、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果から障害物300を発見しない場合(ステップS103:No)、ステップS105に移行する。
これに対し、システム制御部219は、
図5に示したように、ルートa→ルートbに沿って自律走行しているとき、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果から障害物300を発見した場合(ステップS103:Yes)、ステップS104に移行する。
【0049】
(ステップS104)
システム制御部219は、代替ルートc1を求める。
この場合、システム制御部219は、機構制御部218を介し、自走機構部240を駆動させて配送装置200を前後左右に走行させ、カメラ201の画像及び/又はセンサー203の検出結果を元に、障害物300を避けるルートを求める。また、システム制御部219は、障害物300を避けるルートを求める際、GPS制御部215からのGPS受信器202が受信した電波に基づく位置情報を受け取り、マップ情報400上での位置を確認する。ここで、システム制御部219は、代替ルートc1を求めたとする。
システム制御部219は、機構制御部218を介し、自走機構部240を駆動させ、マップ情報400上での位置を確認しつつ、代替ルートc1に沿って自律走行させる。
また、システム制御部219は、ルートb上に代替ルートc1が有ることを学習する。
【0050】
(ステップS105)
システム制御部219は、ユーザーの席に到達したかどうかを判断する。
この場合、システム制御部219は、GPS制御部215からのGPS受信器202の受信した電波に基づく位置情報が、マップ情報400上でのユーザーの席に一致しない場合、ユーザーの席に到達していないと判断し(ステップS105:No)、ステップS103に戻る。
これに対し、システム制御部219は、GPS制御部215からのGPS受信器202の受信した電波に基づく位置情報が、マップ情報400上でのユーザーの席に一致した場合、ユーザーの席に到達したと判断し(ステップS105:Yes)、ステップS106に移行する。
【0051】
(ステップS106)
システム制御部219は、ユーザーに渡すべき印刷物が機密文書かどうかを判断する。
この場合、システム制御部219は、RAM211に記憶させた文書扱い情報を参照し、機密文書で無い場合(ステップS106:No)、ステップS108に移行する。
これに対し、システム制御部219は、RAM211に記憶させた文書扱い情報を参照し、機密文書で有る場合(ステップS106:Yes)、ステップS107に移行する。
【0052】
(ステップS107)
システム制御部219は、ユーザー認証に成功したかどうかを判断する。
この場合、システム制御部219は、通信制御部217を介し、アンテナ204からユーザーID等の認証情報の送信を促す電波を発信させる。このとき、ユーザーの図示しない携帯端末は、パネル部にユーザーID等の認証情報の入力を促す内容を表示させる。また、携帯端末は、ユーザーID等の認証情報の入力が済むと、認証情報を含む電波を発信する。
システム制御部219は、通信制御部217がユーザーID等の認証情報を受け取ると、ユーザー認証部213に対してユーザー認証を指示する。
そして、システム制御部219は、ユーザー認証部213がユーザー認証に成功しなかった場合、ユーザー認証に成功しないと判断し(ステップS107:No)、ステップS109に移行する。
これに対し、システム制御部219は、ユーザー認証部213がユーザー認証に成功した場合、ユーザー認証に成功したと判断し(ステップS107:Yes)、ステップS108に移行する。
【0053】
(ステップS108)
システム制御部219は、印刷物をユーザーに渡す。
この場合、システム制御部219は、機構制御部218を介し、収容機構部230を駆動させる。
このとき、収容機構部230は、
図2(b)に示したように、たとえば左から3番目の収容部236に対応する下方のローラー233を、スリット235に沿って上昇させる。これにより、印刷物である画像の形成された用紙135は、排出口245から排出される。ここで、巻き取りローラー234の矢印方向の回転により、ローラー233の上昇に伴うベルト231の弛みが巻き取られる。
また、排出口245から排出された印刷物である画像の形成された用紙135が取り出されると、上昇しているローラー233がスリット235に沿って下降する。このとき、巻き取りローラー234が
図2(b)に示した矢印方向とは反対方向に回転し、ベルト231のローラー233の下降に伴う張りを緩める。
なお、ここでの処理は、ステップS106において、機密文書でないと判断された場合も同様に行われる。
【0054】
(ステップS109)
システム制御部219は、MFP100の位置に戻る。
この場合、システム制御部219は、部屋410のMFP100から、部屋420の星印の席に到着するまでのルートa〜eにおいて、ルートb上の代替ルートc1が有ることを学習しているため、MFP100から部屋420の星印の席までの最短ルートが、ルートa→ルートb→ルートc1→ルートd→ルートeであると学習する。これにより、配送装置200は、学習した最短ルートの順路に沿ってMFP100の位置まで自律走行により戻ることができる。この場合、MFP100までの最短ルートは、ルートe→ルートd→ルートc1→ルートb→ルートaとなる。
なお、部屋420の星印の席でユーザーに印刷物である画像の形成された用紙135を渡した後、他のユーザーに印刷物を渡す場合、ステップS102からの処理を実行する。また、全てのユーザーに対して印刷物を渡し終えた場合、MFP100に戻る。ここで、最後の印刷物を渡したユーザーの席からMFP100までの最短ルートを学習している場合、学習している最短ルートでMFP100に戻る。ただし、最後の印刷物を渡したユーザーの席からMFP100までの最短ルートを学習していない場合、GPS受信器202からの位置情報を元に、マップ情報400上の位置を確認しつつ、自律走行により、MFP100まで戻る。このときのルートを、最短ルートとして学習する。
【0055】
また、ステップS102において、自律走行を開始させる際、システム制御部219がマップ情報400に基づき、MFP100から配送先までの最短ルートを求め、求めた最短ルートで配送装置200を自律走行させてもよい。
【0056】
また、ステップS106において、機密文書で無い場合(ステップS106:No)、ステップS107でのユーザー認証の処理を省略しているが、機密文書で無い場合であってもステップS107でのユーザー認証を行わせてもよい。
【0057】
また、ステップS107のユーザー認証においては、携帯端末からのユーザーID等の認証情報を受け取って行う場合に限らず、音声認識、指紋認識、又は顔認識等の他の認証情報に基づき実行してもよい。
【0058】
このように、本実施形態では、MFP100(画像形成装置)が排出口168(印刷物排出口)から画像の形成された用紙135(印刷物)を排出し、充電コネクター169(第1の充電コネクター)から電力を供給する。配送装置200は、充電コネクター221(第2の充電コネクター)を充電コネクター169(第1の充電コネクター)に接続することで、電力を得ることができ、収容機構部230が取り込み口222から取り込んだMFP100(画像形成装置)からの複数の画像の形成された用紙135(印刷物)を収容し、システム制御部219がGPS受信器202(位置情報取得デバイス)の取得した位置情報を元に、マップ情報400上での位置を確認し、自走機構部240を制御して画像の形成された用紙135(印刷物)の配送元と配送先との間での自律走行を制御する。また、システム制御部219は、ユーザー認証部213がユーザーから受け取った認証情報の認証に成功した場合、収容機構部230を制御し、画像の形成された用紙135(印刷物)を排出させる。
【0059】
これにより、複数のユーザーの印刷物の配送に際し、認証情報の認証に成功したユーザーに印刷物を渡すことができるので、複数のユーザーの印刷物を、セキュリティーを考慮しつつ、一度に配送することができる。