特許第6798488号(P6798488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6798488通信装置、通信システム、通信方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6798488
(24)【登録日】2020年11月24日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 13/00 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   H04B13/00
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-521746(P2017-521746)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2016063361
(87)【国際公開番号】WO2016194530
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】特願2015-111818(P2015-111818)
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】天野 翔
【審査官】 野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−525759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行うよう制御する制御部と、
送信回路と、
受信回路と
を具備し、
前記送受信処理は、前記送信処理および前記受信処理を交互に行う処理であり、
前記送信処理は、前記送信回路をオンにしつつ前記受信回路をオフにしてフレームを送信する処理であり、
前記受信処理は、前記送信回路をオフにしつつ前記受信回路をオンにしてフレームを待ち受ける処理であり、
前記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、
前記通信装置は、前記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、
前記制御部は、前記アクティブ期間において、LBT(Listen Before Talk)を行っている間に、他の通信装置から前記アソシエーション要求を受け付けた場合には、前記通信装置の役割を前記TalkerからListenerに変更する制御を行う
通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記アクティブ期間において、最初にLBT(Listen Before Talk)を行い、前記LBT以降の期間を前記特定期間および前記他の期間とするよう制御する請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記LBTの直後の期間と、前記アクティブ期間における最後の期間と、前記アクティブ期間における中間期間とのうちの何れかを前記特定期間とする制御を行う請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送受信処理または前記送信処理において送信されるフレームに、前記送受信処理を行うタイミングに関する情報を付加する制御を行う請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記他の期間では、前記アソシエーション要求を行うためのアソシエーション要求フレームの送信処理を行い、前記特定期間では、前記アソシエーション要求フレームの送信処理と前記アソシエーション要求フレームに対する応答フレームの受信処理とを行うよう制御する請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、第2通信装置にアソシエーション要求を行う期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う制御部と送信回路と受信回路とを備える第1通信装置と、
前記通信において、前記アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と前記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替え、前記アクティブ期間において前記第1通信装置から特定フレームを受信した場合には、前記スリープ期間への遷移を抑制して前記アクティブ期間を継続する第2通信装置と
を具備し、
前記送受信処理は、前記送信処理および前記受信処理を交互に行う処理であり、
前記送信処理は、前記送信回路をオンにしつつ前記受信回路をオフにしてフレームを送信する処理であり、
前記受信処理は、前記送信回路をオフにしつつ前記受信回路をオンにしてフレームを待ち受ける処理であり、
前記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、
前記通信装置は、前記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、
前記制御部は、前記アクティブ期間において、LBT(Listen Before Talk)を行っている間に、他の通信装置から前記アソシエーション要求を受け付けた場合には、前記通信装置の役割を前記TalkerからListenerに変更する制御を行う
通信システム。
【請求項7】
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う制御手順を具備し、
前記送受信処理は、前記送信処理および前記受信処理を交互に行う処理であり、
前記送信処理は、送信回路をオンにしつつ受信回路をオフにしてフレームを送信する処理であり、
前記受信処理は、前記送信回路をオフにしつつ前記受信回路をオンにしてフレームを待ち受ける処理であり、
前記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、
前記通信装置は、前記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、
前記制御手順において、前記アクティブ期間において、LBT(Listen Before Talk)を行っている間に、他の通信装置から前記アソシエーション要求を受け付けた場合には、前記通信装置の役割を前記TalkerからListenerに変更する制御を行う
通信方法。
【請求項8】
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う制御手順をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記送受信処理は、前記送信処理および前記受信処理を交互に行う処理であり、
前記送信処理は、送信回路をオンにしつつ受信回路をオフにしてフレームを送信する処理であり、
前記受信処理は、前記送信回路をオフにしつつ前記受信回路をオンにしてフレームを待ち受ける処理であり、
前記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、
前記通信装置は、前記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、
前記制御手順において、前記アクティブ期間において、LBT(Listen Before Talk)を行っている間に、他の通信装置から前記アソシエーション要求を受け付けた場合には、前記通信装置の役割を前記TalkerからListenerに変更する制御を行う
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、通信装置に関する。詳しくは、体を信号の伝送媒体とする通信を行う通信装置、通信システムおよび通信方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体を信号の伝送媒体とする通信を利用して情報のやり取りを行う通信技術が存在する。例えば、非特許文献1が標準仕様として策定されている。
【0003】
また、例えば、人体通信を用いて、質問器から特定の応答器のみを駆動させて応答信号を受信する通信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この通信システムでは、応答器の受電回路に固有の発信周波数を割り当て、質問器からその固有の発信周波数からなる質問信号を送信することにより、応答器を給電し、応答信号を送信させる。
【0004】
また、例えば、人体通信に対応したルータとノード間で信号をやりとりすることによりノードの低消費電力化をはかるセンサネットワークシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このシステムでは、ルータはノードに対し、IDを含む定期信号を定期的に送信する。また、ノードは、自分のIDを含む定期信号を検出しなくなると、ルータへの信号の送信を停止するスタンバイ状態に移行する。また、スタンバイ状態において一定時間が経過すると、信号の送受信を停止する休止状態に移行する。また、休止状態において、人体通信用の電極間の電位差あるいは電流値の変化を検出すると、もしくはノードと接続されているセンサからのデータが特定の条件を満たすと、休止状態から電源オン状態へ復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−23565号公報
【特許文献2】特開2010−141469号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ECMA-401(1st Edition / December 2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来技術では、人体通信を利用して情報のやり取りを行うことができる。
【0008】
また、非特許文献1では、自発的に通信を開始しようとする通信装置(Talker)と、Talkerに応答して通信を開始する通信装置(Listener)とが規定されている。また、各通信装置は、待ち受け動作を行うことにより他の通信装置を発見することができ、発見された他の通信装置と自動的に接続することができる。
【0009】
ここで、上述の従来技術における通信装置は、一般に、送信処理よりも受信処理の方が消費電力は大きくなるという特徴がある。このため、例えば、バッテリ容量が比較的小さい機器の場合には、待ち受け動作では、受信処理を行う時間よりも送信処理を行う時間が長い方が好ましい。
【0010】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、待ち受け動作時における消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行うよう制御する制御部を具備する通信装置およびその通信方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行うという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記アクティブ期間において、最初にLBT(Listen Before Talk)を行い、上記LBT以降の期間を上記特定期間および上記他の期間とするよう制御するようにしてもよい。これにより、アクティブ期間において、最初にLBTを行い、LBT以降の期間を特定期間および他の期間とするという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記LBTの直後の期間と、上記アクティブ期間における最後の期間と、上記アクティブ期間における中間期間とのうちの何れかを上記特定期間とする制御を行うようにしてもよい。これにより、LBTの直後の期間と、アクティブ期間における最後の期間と、アクティブ期間における中間期間とのうちの何れかを特定期間とするという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記送受信処理または上記送信処理において送信されるフレームに、上記送受信処理を行うタイミングに関する情報を付加する制御を行うようにしてもよい。これにより、送受信処理または送信処理において送信されるフレームに、送受信処理を行うタイミングに関する情報を付加するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記他の期間では、上記アソシエーション要求を行うためのアソシエーション要求フレームの送信処理を行い、上記特定期間では、上記アソシエーション要求フレームの送信処理と上記アソシエーション要求フレームに対する応答フレームの受信処理とを行うよう制御するようにしてもよい。これにより、他の期間では、アソシエーション要求フレームの送信処理を行い、特定期間では、アソシエーション要求フレームの送信処理と、応答フレームの受信処理とを行うという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、上記通信装置は、上記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、上記制御部は、上記アクティブ期間において、LBTを行っている間に、他の通信装置から上記アソシエーション要求を受け付けた場合には、上記通信装置の役割を上記TalkerからListenerに変更する制御を行うようにしてもよい。これにより、アクティブ期間において、LBTを行っている間に、他の通信装置からアソシエーション要求を受け付けた場合には、通信装置の役割をTalkerからListenerに変更するという作用をもたらす。
【0017】
また、本技術の第2の側面は、体を信号の伝送媒体とする通信において、アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と上記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替える制御を行い、上記アクティブ期間において他の通信装置から特定フレームを受信した場合には、上記スリープ期間への遷移を抑制して上記アクティブ期間を継続するよう制御する制御部を具備する通信装置およびその通信方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、アクティブ期間において他の通信装置から特定フレームを受信した場合には、スリープ期間への遷移を抑制してアクティブ期間を継続するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第2の側面において、上記制御部は、上記特定フレームを受信している間、上記アクティブ期間を継続し、上記特定フレームの受信後に上記特定フレームを受信しなくなった場合には、上記特定フレームを受信しなくなってから所定期間、上記アクティブ期間を継続するよう制御するようにしてもよい。これにより、特定フレームを受信している間、アクティブ期間を継続し、特定フレームの受信後に特定フレームを受信しなくなった場合には、特定フレームを受信しなくなってから所定期間、アクティブ期間を継続するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第2の側面において、上記制御部は、上記特定フレームに対する応答フレームの受信処理を上記他の通信装置が行うタイミングに関するタイミング情報が上記特定フレームに含まれている場合には、上記タイミングに基づいて上記応答フレームを上記他の通信装置に送信する制御を行うようにしてもよい。これにより、応答フレームの受信処理を他の通信装置が行うタイミングに関するタイミング情報が特定フレームに含まれている場合には、そのタイミングに基づいて応答フレームを他の通信装置に送信するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第2の側面において、上記制御部は、上記応答フレームの受信処理を上記他の通信装置が行うタイミングまでの間、上記スリープ期間に遷移する制御を行うようにしてもよい。これにより、応答フレームの受信処理を他の通信装置が行うタイミングまでの間、スリープ期間に遷移するという作用をもたらす。
【0021】
また、本技術の第3の側面は、体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、第2通信装置にアソシエーション要求を行う期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う第1通信装置と、上記通信において、上記アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と上記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替え、上記アクティブ期間において上記第1通信装置から特定フレームを受信した場合には、上記スリープ期間への遷移を抑制して上記アクティブ期間を継続する第2通信装置とを具備する通信システムおよびその通信方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、第1通信装置は、第2通信装置にアソシエーション要求を行う期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行い、第2通信装置は、アクティブ期間において第1通信装置から特定フレームを受信した場合には、スリープ期間への遷移を抑制してアクティブ期間を継続するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、待ち受け動作時における消費電力を低減することができるという優れた効果を奏し得る。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本技術の実施の形態における通信装置100の構成例を示すブロック図である。
図2】本技術の基礎となるECMA−401仕様の機器による間欠動作の一例を示す図である。
図3】本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
図4】本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
図5】本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
図6】本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
図7】本技術の実施の形態における通信装置100によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】本技術の実施の形態における通信装置200によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
図10】本技術の実施の形態における通信装置200によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】本技術の実施の形態における通信装置500、510、520、530間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.実施の形態(一方の通信装置がアクティブ状態において特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行い、他方の通信装置がアクティブ状態においてREQ1を受信した場合にスリープ状態への遷移を抑制してアクティブ状態を継続する例)
【0025】
<1.実施の形態>
[通信装置の構成例]
図1は、本技術の実施の形態における通信装置100の構成例を示すブロック図である。なお、図3乃至図6図9で示す通信装置200の構成については、通信装置100と同様であるため、通信装置200の構成についての説明を省略する。
【0026】
通信装置100は、体(例えば、人体、動物の体)を信号の伝送媒体とする通信を行う通信装置(例えば、人体通信装置)の一例である。この通信(体を信号の伝送媒体とする通信)は、体の表面(または、近接(例えば、服の表面))に装着されている場合に可能となる通信である。また、通信装置100は、例えば、ECMA−401に準拠した機器により実現される。
【0027】
また、本技術の実施の形態では、通信装置100が人体を信号の伝送媒体とする通信を行う例を示す。また、本技術の実施の形態では、通信装置100を人体の表面(例えば、皮膚表面)に装着して使用する場合の例を示す。
【0028】
通信装置100は、例えば、人体(または、人体に装着するもの(服、帽子等))に装着することが可能な機器とすることができる。例えば、通信装置100は、スマートフォン、タブレット端末、ヘッドフォン、イヤフォン、腕時計、リストバンド、スピーカ、メガネ、血圧計とすることができる。
【0029】
通信装置100は、電極110と、送信部120と、受信部130と、処理部140と、記憶部150とを備える。
【0030】
電極110は、通信装置100が人体に装着されている場合に、人体の表面10に接する状態(または、近接する状態)となる。
【0031】
送信部120は、送信回路を備え、電極110が人体の表面10に接する状態となっている場合に、電極110を通じて電位変動を発生させるものである。すなわち、送信部120は、電極110を通じて電位変動を発生させることにより、人体に装着されている他の通信装置に、情報提供部141から提供されるデータを送信する。なお、処理部140(制御部143)の制御に基づいて、送信回路がオンオフされる。
【0032】
受信部130は、受信回路を備え、電極110が人体の表面10に接する状態となっている場合に、電極110を通じて他の通信装置が発生させた電位変動を検出するものである。すなわち、受信部130は、電極110を通じて他の通信装置が発生させた電位変動を検出することにより、他の通信装置から送信されたデータを受信する。そして、受信部130は、受信したデータを情報取得部142に供給する。なお、処理部140(制御部143)の制御に基づいて、受信回路がオンオフされる。
【0033】
また、送信部120および受信部130は、TDS(Time Division Slot)毎に時分割に動作する。
【0034】
処理部140は、送信部120、受信部130および記憶部150に接続されている。また、処理部140は、送受信信号を処理するための各部(情報提供部141、情報取得部142、制御部143)を備える。
【0035】
情報提供部141は、制御部143の制御に基づいて、他の通信装置に送信するデータを送信部120に提供するものである。
【0036】
情報取得部142は、制御部143の制御に基づいて、受信部130が他の通信装置から受信したデータに含まれる各種情報を取得して、制御部143に供給するものである。
【0037】
制御部143は、制御プログラムに基づいて、通信装置100の動作内容を制御するものである。例えば、制御部143は、TDS毎に通信装置100が動作するタイミングの生成および動作内容を決定する。また、例えば、制御部143は、データの送受信を制御する。また、例えば、制御部143は、記憶部150からデータの取り出し、または、記憶部150へのデータの格納を行う。また、例えば、制御部143は、送信部120における送信回路と受信部130における受信回路とをオンオフする制御を行う。
【0038】
なお、人体を信号の伝送媒体とする通信については、上述したように、特許文献1が標準仕様として策定されている。
【0039】
[待ち受け動作について]
ここで、本技術の実施の形態における待ち受け動作について説明する。本技術の実施の形態では、待ち受け動作は、ユーザの指示が介在することなく、2つの通信装置が自動的に接続相手を探す動作を意味する。例えば、待ち受け動作中に相手機器が発見された場合には自動的に接続し、所定の処理を行う。
【0040】
例えば、ユーザが人体通信機能を備える腕時計を装着している場合を想定する。この場合に、腕時計は待ち受け動作を行い、人体上に他の機器(人体通信機能を備える機器)が存在しないか否かを探索する。
【0041】
ここで、ユーザが人体通信機能を備えるスマートフォン(待ち受け動作中)を手にする場合を想定する。または、ユーザがそのスマートフォン(待ち受け動作中)をポケットに入れる場合を想定する。この場合には、スマートフォンおよび腕時計はお互いを発見し、ユーザの操作なしに自動的に通信を開始する。例えば、相手機器を認証後、メールやスケジューラ、アドレス帳等のデータを自動的に同期させることができる。
【0042】
このように、各通信装置は、待ち受け動作中に自動的に各処理を行う。しかしながら、待ち受け動作中でも、各通信装置は消費電力を抑えることが重要となる。このため、各通信装置が間欠動作を行うことが考えられる。
【0043】
例えば、アクティブ状態およびスリープ状態(低消費電力状態)の2つの状態を周期的に繰り返す間欠動作を行うことが想定される。ここで、アクティブ状態は、無線を送受信して他の機器を探索する動作を行う状態を意味する。アクティブ状態において、一定時間内に他の機器が発見された場合には、その発見された機器に接続してデータ通信を行う動作に遷移する。また、スリープ状態は、無線の送受信を行わない状態を意味する。
【0044】
例えば、アクティブ状態の時間を短くし、スリープ状態の時間を長く設定することにより、消費電力を抑えることができる。すなわち、同じ容量の電池を用いてより長い時間の待ち受け動作が可能になる。しかしながら、このように設定した場合には、他の機器を発見する時間が長くなるおそれがある。
【0045】
また、一般に、2つの機器が待ち受け動作を行う場合には、一方の機器は、定期的に無線信号を発信し、他方の機器は、相手の無線信号を待ち、信号を受信したら何らかの応答を返すという処理を行うことが多い。
【0046】
ここで、ECMA−401仕様に基づいた通信装置においては、受信動作の消費電力よりも送信動作の消費電力の方が小さいという特徴がある。このため、例えば、腕時計およびスマートフォンのように電池容量に差がある通信装置同士で待ち受け処理を行う場合には、電池容量に応じて役割を設定することが重要となる。例えば、電池容量が小さい通信装置(周辺機器)を無線信号を送信する役割とし、電池容量が大きい通信装置(中央機器)を無線信号を受信する役割とすることが考えられる。
【0047】
また、周辺機器がアクティブ状態として動作する際は、受信回路をOFFにしたまま、無線フレームの送信のみを行うことができれば、消費電力を抑えることができる。しかしながら、受信回路をOFFにしていると、中央機器が何らかの応答を返してきても受信できないため、相手機器を発見することができなくなる。
【0048】
そこで、本技術の実施の形態では、周辺機器は、アクティブ状態中は無線フレームを送信し続けるが、受信回路をONにするのは所定区間の数フレームの間のみとする。また、中央機器は、アクティブ状態中に無線フレームを受信したら応答を返す。ただし、相手機器が無線フレームを送信し続ける限り、スリープ状態には入らずに応答を返し続けるようにする。
【0049】
これにより、周辺機器はアクティブ状態の時間を長く取りつつも受信回路を動作する時間を減らして消費電力を抑えることができる。すなわち、ECMA−401の特徴を生かした間欠動作を実現することができる。
【0050】
このように、本技術の実施の形態では、ECMA−401仕様書で定義された通信仕様に基づいて待ち受け動作を行う際に、相手機器を発見する時間を大きく増加させることなく、待ち受け動作中の消費電力を削減する例を示す。
【0051】
[間欠動作について]
ここで、無線通信における一般的な間欠動作について説明する。ここでは、機器Aおよび機器Bにより無線通信を行う場合における一般的な間欠動作を例にして説明する。
【0052】
例えば、機器Aは、アクティブ状態の間、無線信号(無線フレーム)を送信するとともに、相手機器(機器B)からの応答が返信されてくるか否かを確認する。
【0053】
また、機器Bは、アクティブ状態の間、相手機器(機器A)からの無線信号(無線フレーム)を待ち受ける。ここで、機器Bは、無線信号が届いた場合には、相手機器に何らかの応答の信号を発信する。この例では、機器Aが相手機器(機器B)からの応答信号を受信した時点で、相手機器(機器B)を発見することができる。
【0054】
この無線通信における一般的な間欠動作をECMA−401仕様の機器に適用する例を図2に示す。
【0055】
[ECMA−401機器を用いた間欠動作例]
図2は、本技術の基礎となるECMA−401仕様の機器による間欠動作の一例を示す図である。
【0056】
ここで、ECMA−401仕様では、自発的に通信を開始しようとする通信装置(Talker)と、Talkerに応答して通信を開始する通信装置(Listener)とが規定されている。また、TalkerがListenerに対して通信を開始する際、データ交換を行うために必要なパラメータを事前に通知し、合意を得るための接続手続き(Association)が規定されている。このAssociationにより、相手機器を発見することができる。
【0057】
また、図2では、通信装置50がTalkerとして起動し、通信装置60がListenerとして起動する場合の例を示す。
【0058】
このように、相手機器を発見する場合には、ECMA−401仕様で規定されているAssociation Request−1と、Association Response−1のフレームを用いることができる。なお、Association Request−1については、これ以降、REQ1と称する。また、各図では、REQ1と省略して記載する。また、Association Response−1については、これ以降、RESP1と称して説明する。また、各図では、RESP1と省略して記載する。
【0059】
なお、この例では、REQ1およびRESP1を用いて機器発見を行う例を示すが、他のフレームを用いて機器発見を行うようにしてもよい。
【0060】
最初に、通信装置50は、アクティブ状態51、53の間、Talkerとして動作するため、LBT(Listen Before Talk)を行う(52、54)。このLBTでは、所定の時間だけ信号を探索し、空いているタイムスロット(TDS)を調べる動作を行う。このLBTを行った後に、通信装置50は、アクティブ状態51、53の間、REQ1の送信と、RESP1の待ち受けとを継続して行う。
【0061】
なお、図2では、通信装置50の送信回路を動作させている期間(送信処理(Tx)の期間)を、時間軸上における上側の位置に矩形で模式的に示す。また、通信装置50の送信回路を動作させている期間(受信処理(Rx)の期間)を、時間軸上における下側の位置に矩形で模式的に示す。また、通信装置60の送信回路を動作させている期間(送信処理(Tx)の期間)を、時間軸上における下側の位置に矩形で模式的に示す。また、通信装置60の受信回路を動作させている期間(受信処理(Rx)の期間)を、時間軸上における上側の位置に矩形で模式的に示す。また、これ以降に示す各図においても、送信処理(Tx)および受信処理(Rx)を同様に示す。
【0062】
また、ECMA−401では、フレームの送受信はTime Segmentと呼ばれるスロット単位で管理されている。そして、ある機器が、REQ1を受信してからRESP1を返すタイミングは、1 Time Segmentの半分と定められている。
【0063】
また、通信装置60は、アクティブ状態61、62の間、継続してREQ1を待ち受ける。
【0064】
図2では、アクティブ状態53の通信装置50が送信したREQ1(55)を、アクティブ状態62の通信装置60が検出する例を示す。このように、REQ1を検出した場合(63)には、通信装置60は、REQ1の応答(RESP1)を通信装置50に送信する(64)。そして、通信装置50は、そのRESP1を受信する(56)
【0065】
ここで、上述したように、ECMA−401仕様の機器は、受信処理の方が送信処理よりも消費電力が大きい。そこで、消費電力を抑えるためには、受信処理(Rx)の期間を減らすことが重要となる。そこで、図3では、図2に示す動作を改善し、Talkerの消費電力を削減する例を示す。
【0066】
[TalkerのREQ1送信時に受信回路をオフする例]
図3は、本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0067】
図3では、Talkerとして動作する通信装置100は、REQ1送信時には受信回路を動作させず、送信回路のみを動作させる。これにより、通信装置100における受信回路が消費する電力を削減することができる。ただし、REQ1送信時に受信回路を動作させないと、listenerからの応答(RESP1)を検出することができない。このため、REQ1送信時における一部の区間のみ、受信回路を動作させ、RESP1を受信するようにする。図3では、REQ1送信時における最後の区間(最後の1 Time
Segment)のみ、受信回路を動作させる例を示す。
【0068】
また、Listenerは、TalkerからREQ1を受信した場合には、RESP1を返信する。この場合に、Listenerは、TalkerからREQ1を受信し続ける限り、アクティブ状態を継続させる。すなわち、Listenerは、アクティブ状態を終了してスリープ状態に入るタイミングとなった場合でも、TalkerからREQ1を受信し続ける限り、スリープ状態に遷移せずにアクティブ状態を継続する。
【0069】
これにより、Listenerの検出にかかる時間を大きく増大させることなく、Talkerの受信回路の駆動時間を減らし、消費電力を削減することができる。
【0070】
具体的には、通信装置100は、アクティブ状態300において、LBTを行った後に(301)、REQ1を送信する(302乃至304)。この場合に、通信装置100は、一定区間以外は、受信回路をOFFにする。また、通信装置100は、アクティブ状態300において、数 Time Segmentだけ、受信回路をONにし、RESP1を待ち受ける。図3では、最後の1 Time Segmentだけ、受信回路をONにし(305)、RESP1を待ち受ける例を示す。
【0071】
同様に、通信装置100は、アクティブ状態320において、LBTを行った後に(321)、REQ1を送信する(322乃至326)。そして、通信装置100は、アクティブ状態320において、最後の1 Time Segmentだけ、受信回路をONにし(328)、RESP1を待ち受ける。
【0072】
この場合に、通信装置100は、通信装置200からのRESP1を受信した場合には(328)、通信装置200にREQ2を送信する(327)。続いて、通信装置100は、RESP2を待ち受け、通信装置200からのRESP2を受信した場合には(329)、通信装置200との接続が完了する。
【0073】
また、通信装置200は、アクティブ状態310において、REQ1を待ち受ける(311乃至313)。ただし、通信装置200は、アクティブ状態310において、REQ1を検出できなかったものとする。
【0074】
同様に、通信装置200は、アクティブ状態330において、REQ1を待ち受ける(331乃至333)。この場合に、通信装置200は、REQ1を検出するものとする(331乃至333)。
【0075】
このように、通信装置100からのREQ1を検出した場合には(331乃至333)、通信装置200は、通信装置100にRESP1を送信する(335乃至337)。ただし、通信装置100において、受信回路がOFFされている間(335、336)、通信装置100は、通信装置200からRESP1を受信することができない。そこで、通信装置200は、通信装置100がREQ1を送出し続ける限り、Sleep状態に遷移することを抑制する。
【0076】
上述したように、通信装置100は、通信装置200からのRESP1を受信した場合には(328)、通信装置200にREQ2を送信する(327)。このように、通信装置100からのREQ2を検出した場合には(334)、通信装置200は、通信装置100にRESP2を送信する(338)。
【0077】
なお、図3では、説明の容易のため、アクティブ状態において、Talkerが受信回路をONにする期間を、最後の1 Time Segmentとする例を示した。ただし、実際には、雑音等の外乱により送信したフレームが相手に正しく届かないことが考えられる。このため、アクティブ状態において、Talkerが受信回路をONにする区間は、1 Time Segmentよりも大きくするようにしてもよい。例えば、アクティブ状態において、Talkerが受信回路をONにする期間を、最後のN Time Segmentとすることができる(ただし、Nは、2以上の整数)。
【0078】
また、図3では、アクティブ状態において、Talkerが受信回路をONにする期間を最後とする例を示したが、これに限定されない。例えば、アクティブ状態における中間付近の地点を、Talkerが受信回路をONにする期間とすることができる。また、例えば、アクティブ状態における最初のN Time Segment(ただし、Nは、1以上の整数)を、Talkerが受信回路をONにする期間とすることができる。
【0079】
ここで、図3に示す例において、例えば、通信装置100がREQ1を送信している間、通信装置200がREQ1の受信を開始した後に、何らかの理由(例えば、通信環境の悪化)でREQ1の受信ができなくなることも想定される。すなわち、通信装置100が送信するREQ1が途中で喪失してしまうことも想定される。この場合には、通信装置200は、通信装置100からのREQ1が途絶えたと判断し、通信装置100がアクティブ状態(通信装置100がREQ1を送信している状態)であるにもかかわらず、スリープ状態に遷移してしまうことも想定される。
【0080】
このように、通信装置200は、通信装置100からのREQ1が途絶えた場合には、そのREQ1が途絶えてから一定時間が経過するまでの間、アクティブ状態を維持し、REQ1の待ち受け動作を継続することが望ましい。そして、一定時間内に、通信装置100からのREQ1を受信することができた場合には、通信装置200は、引き続き、スリープ状態に遷移することを抑制する制御を継続する。これにより、通信装置100がRESP1を受信して通信装置200の検出を成功させる可能性を高めることができる。この例を図4に示す。
【0081】
[ListenerがREQ1を途中で喪失してしまう場合の動作例]
図4は、本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0082】
図4では、通信装置100からのREQ1が途絶えた場合に、そのREQ1が途絶えてから一定時間が経過するまでの間、通信装置200は、アクティブ状態を維持し、REQ1の待ち受け動作を継続する例を示す。すなわち、通信装置200は、REQ1が途絶えてもすぐにはスリープ状態に遷移しない例を示す。
【0083】
具体的には、通信装置100は、アクティブ状態340において、LBTを行った後に(341)、REQ1を送信する(342乃至349)。また、通信装置100は、アクティブ状態300において、1 Time Segmentだけ、受信回路をONにし、RESP1を待ち受ける(351)。
【0084】
また、通信装置200は、アクティブ状態360において、REQ1を待ち受ける(361乃至366)。この場合に、通信装置200は、REQ1を検出するものとする(361、362)。しかしながら、REQ1を検出した後に、通信装置200が、何らかの理由(例えば、通信環境の悪化)でREQ1を受信ができなくなった場合を想定する(363、364)。
【0085】
このように、REQ1の受信が途中で途絶えた場合でも、通信装置200は、すぐにはスリープ状態に遷移せずに、一定時間、REQ1の待ち受けを継続して行う(363乃至366)。これにより、例えば、通信環境が悪化してREQ1を喪失した場合において、その後、一定時間内に通信環境が改善したときには、REQ1の受信に成功する可能性を高めることができる。
【0086】
ここで、一定時間は、固定値(例えば、100 time Segment程度)とするようにしてもよく、可変値とするようにしてもよい。一定時間を可変値とする場合には、例えば、パケットロス率、通信環境等に応じて、その値を決定することができる。
【0087】
また、通信装置200が、一定時間、REQ1の待ち受けを継続して行うための条件を設定するようにしてもよい。例えば、REQ1の受信が途中で途絶える前に、REQ1を所定回(例えば、2回)以上連続して受信したことを条件とすることができる。
【0088】
そして、通信装置200は、一定時間以内に、通信装置100からのREQ1を受信した場合には(365、366)、通信装置100にRESP1を送信する(372、373)。また、通信装置200は、RESP1の送信後に、通信装置100からのREQ2を受信した場合には(367)、通信装置100にRESP2を送信する(374)。
【0089】
通信装置100は、受信回路がONの場合に、RESP1を受信した場合には(351)、通信装置200にREQ2を送信する(350)。また、通信装置100は、REQ2の送信後に、通信装置200からのRESP2を受信した場合には(352)、通信装置200との接続が完了する。
【0090】
[Talkerが受信回路を動作するタイミングをListenerに通知する例]
次に、Talkerが、Talkerが受信回路を動作するタイミングをListenerに通知する例を示す。例えば、Talkerが送信する無線信号(例えば、REQ1)に、Talkerが受信回路を動作するタイミングに関する情報を含めることにより、受信回路を動作するタイミングをListenerに通知することができる。これにより、Listenerは、さらに高度な制御を行うことができる。この例を図5および図6に示す。
【0091】
[残り送信回数を通知する例]
図5は、本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0092】
図5では、通信装置100は、アクティブ状態の最後の1 Time Segmentのみ、受信回路を動作する場合の例を示す。また、図5では、REQ1フレームを拡張し、REQ1フレームの残り送信回数をREQ1フレームに含める例を示す。
【0093】
なお、アクティブ状態380および400における通信装置100の動作(LBT(381、401)、REQ1の送信(382乃至385、402乃至405)、RESP1の受信(386、407))については、上述した各動作に対応する。
【0094】
ただし、通信装置100は、上述したように、REQ1を送信する場合に(382乃至385、402乃至405)、アクティブ状態380および400におけるREQ1の残り送信回数に関する情報を、REQ1フレームに含めて送信する。
【0095】
このように、REQ1フレームを拡張して、RESP1の待ち受けタイミングを通信装置200に通知することにより、通信装置200は、RESP1の待ち受けタイミングを把握することができる。
【0096】
なお、アクティブ状態390における通信装置200の動作(REQ1の受信(391乃至393))については、上述した各動作に対応する。
【0097】
また、通信装置200は、アクティブ状態410において、REQ1フレームを受信すると(411)、受信したREQ1フレームに含まれる「残り送信回数」を確認する。これにより、通信装置200が、何Time Segment後にRESP1を送信すれば、通信装置100が受信することができるかを把握することができる。
【0098】
また、例えば、その確認の結果、RESP1の送信までに時間がある場合には、通信装置200は、RESP1の送信までの間、スリープ状態に遷移することができる(417)。これにより、消費電力をさらに削減することができる。
【0099】
このように、「残り送信回数」を含むREQ1を受信した通信装置200は、RESP1の待ち受けタイミングまでの間、動作を停止して消費電力を削減することができる。例えば、図5に示す例では、アクティブ状態410において、「残り9回」を含むREQ1を受信しているため(411)、通信装置200は、8 Time Segmentの間、スリープすることができる(417)。また、この場合のRESP1の送信(414)は、省略するようにしてもよい。
【0100】
そして、通信装置200は、「残り送信回数」が0になったタイミングで、アクティブ状態に遷移して、通信装置100からのREQ1を受信する(412)。このREQ1には、「残り0回」が含まれる。
【0101】
なお、通信装置200によるREQ1の受信(412)、RESP1の送信(415)、通信装置100によるRESP1の受信(407)、REQ2の送信(406)については、上述した各動作に対応する。また、通信装置200によるREQ2の受信(413)、RESP2の送信(416)、通信装置100によるRESP2の受信(408)については、上述した各動作に対応する。
【0102】
[TSを通知する例]
図6は、本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0103】
図6では、通信装置100は、アクティブ状態の先頭(LBTの後)の1 Time Segmentのみ、受信回路を動作する場合の例を示す。また、図6では、REQ1フレームを拡張し、RESP1の待ち受けタイミングをREQ1フレームに含める例を示す。
【0104】
なお、アクティブ状態420および440における通信装置100の動作(LBT(421、441)、REQ1の送信(422乃至426、442)、RESP1の受信(427、444))については、上述した各動作に対応する。
【0105】
ただし、通信装置100は、上述したように、REQ1を送信する場合に(422乃至426、442)、RESP1の待ち受けタイミングに関する情報を、REQ1フレームに含めて送信する。なお、図6では、何TS(Time Segment)後にRESP1の待ち受けタイミングになるかを特定するための情報をREQ1フレームに含める例を示す。
【0106】
このように、REQ1フレームを拡張して、RESP1の待ち受けタイミングを通信装置200に通知することにより、通信装置200は、RESP1の待ち受けタイミングを把握することができる。
【0107】
通信装置200は、REQ1を受信した場合には(431)、REQ1に含まれる情報(RESP1の待ち受けタイミング)に合わせて、RESP1を送信する(434)。この場合に、通信装置200は、REQ1を受信(431)してからRESP1を送信(434)するまでの間、スリープ状態に遷移して消費電力を削減することができる。この場合には、通信装置200は、予め設定されているスリープ状態およびアクティブ状態のサイクルとは無関係に、スリープ状態およびアクティブ状態の制御を行うことになる。
【0108】
このように、通信装置200は、受信したREQ1に含まれる情報に基づいて、何Time Segment後にRESP1を応答するかを計算する。そして、通信装置200は、その計算により求められたタイミングでRESP1を送信する(434)。この場合に、その計算により求められたタイミングが通信装置200におけるスリープ状態となるときには、通信装置200は、そのタイミングでアクティブ状態に遷移するように制御する。
【0109】
なお、図6では、次の受信動作までのタイミングをTime Segment単位でREQ1に格納する例を示すが、他の単位とするようにしてもよい。例えば、マイクロ秒単位とすることができる。
【0110】
なお、通信装置200によるREQ1の受信(432)、RESP1の送信(434)、通信装置100によるRESP1の受信(444)、REQ2の送信(443)については、上述した各動作に対応する。また、通信装置200によるREQ2の受信(433)、RESP2の送信(435)、通信装置100によるRESP2の受信(445)については、上述した各動作に対応する。
【0111】
このように、通信装置100の制御部143は、REQ1(特定フレーム)に対する応答フレーム(RESP1)の受信処理を通信装置100が行うタイミングに関するタイミング情報をREQ1に含めて送信することができる。
【0112】
また、通信装置200の制御部は、そのタイミング情報がREQ1に含まれている場合には、そのタイミングに基づいて、RESP1を通信装置100に送信する制御を行うことができる。この場合に、通信装置200の制御部は、RESP1の受信処理を通信装置100が行うタイミングまでの間、スリープ状態に遷移する制御を行うことができる。
【0113】
[Associationの開始時にTalkerとして起動する通信装置の動作例]
図7は、本技術の実施の形態における通信装置100によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0114】
最初に、通信装置100の制御部143は、LBTを実行する(ステップS801)。続いて、通信装置100の制御部143は、REQ1に格納するタイミング情報を更新する(ステップS802)。例えば、図5に示すように、タイミング情報として「残り送信回数」を格納する場合には、REQ1の残り送信回数を更新する。また、例えば、図6に示すように、タイミング情報として「TS(RESP1の待ち受けタイミング)」を格納する場合には、TSを更新する。なお、図3および図4に示すように、タイミング情報の送信を行わない場合には、タイミング情報の更新処理(ステップS802)を省略することができる。
【0115】
続いて、通信装置100の制御部143は、REQ1を送信する送信処理を行う(ステップS803)。すなわち、通信装置100の制御部143は、REQ1フレームを情報提供部141から送信部120に出力させ、送信部120から通信装置200に送信させる(ステップS803)。この場合に、通信装置100の制御部143は、割り当てられているTDSのタイミングでREQ1フレームを送信させる。
【0116】
続いて、通信装置100の制御部143は、RESP1を受信するタイミングであるか否かを判断する(ステップS804)。ここで、RESP1を受信するタイミングであるか否かを判断する際に用いられる判断基準は、上述した各例によって異なる。例えば、図5に示す例では、LBTの10 Time Segment後が受信タイミングとなる。また、例えば、図6に示す例では、LBTの直後の1 Time Segmentが受信タイミングとなる。
【0117】
RESP1を受信するタイミングである場合には(ステップS804)、通信装置100の制御部143は、RESP1を受信する受信処理を行う(ステップS805)。すなわち、通信装置100の制御部143は、受信部130の受信回路をオンする。そして、通信装置100の受信部130は、通信装置200からのRESP1フレームを受信する。この場合に、通信装置100の制御部143は、割り当てられているTDSのタイミングでRESP1フレームを受信するように制御する。そして、通信装置100の制御部143は、通信装置200からのRESP1フレームを情報取得部142から取得する。
【0118】
続いて、通信装置100の制御部143は、RESP1の受信に成功したか否かを判断する(ステップS806)。RESP1の受信に失敗した場合には(ステップS806)、ステップS808に進む。
【0119】
また、RESP1の受信に成功した場合には(ステップS806)、通信装置100の制御部143は、REQ2を送信する送信処理を行う(ステップS807)。なお、これ以降の各処理については、説明を省略する。
【0120】
また、RESP1を受信するタイミングでない場合には(ステップS804)、通信装置100の制御部143は、スリープ状態に遷移するタイミングであるか否かを判断する(ステップS808)。スリープ状態に遷移するタイミングでない場合には(ステップS808)、ステップS802に戻る。このように、アクティブ状態では、定期的にREQ1が送信される(ステップS803)。
【0121】
また、スリープ状態に遷移するタイミングである場合には(ステップS808)、通信装置100の制御部143は、一定時間(予め設定されているスリープ期間)の間、スリープ状態に遷移する(ステップS809)。なお、ステップS801乃至S807は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0122】
このように、通信装置100の制御部143は、通信装置200にアソシエーション要求を行うアクティブ状態のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行うよう制御する。具体的には、通信装置100の制御部143は、アクティブ状態において、最初にLBTを行い、このLBT以降の期間を特定期間および他の期間とするよう制御する。この場合に、通信装置100の制御部143は、LBTの直後の期間と、アクティブ状態における最後の期間と、アクティブ状態における中間期間とのうちの何れかを特定期間とすることができる。
【0123】
また、他の期間では、アソシエーション要求を行うためのアソシエーション要求フレーム(REQ1)の送信処理(例えば、図3に示す302、303、322乃至325)が行われる。また、特定期間では、アソシエーション要求フレーム(REQ1)の送信処理(例えば、図3に示す326)と、アソシエーション要求フレームに対する応答フレーム(RESP1)の受信処理(例えば、図3に示す328)とが行われる。
【0124】
また、通信装置100の制御部143は、送受信処理または送信処理において送信されるフレームに、送受信処理を行うタイミングに関する情報(タイミング情報)を付加する制御を行う。
【0125】
[Associationの開始時にListenerとして起動する通信装置の動作例]
図8は、本技術の実施の形態における通信装置200によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図8では、図4に示す例(すぐにスリープ状態に遷移しない例)に対応するように、変数EXTIME(Extended TIME)を用いる例を示す。
【0126】
最初に、通信装置200の制御部(図1に示す制御部143に対応)は、変数EXTIMEを初期化して「0」とする(ステップS811)。続いて、通信装置200の制御部は、REQフレームを受信する受信処理を行う(ステップS812)。このREQフレームの受信処理では、REQ1およびREQ2の両方のフレームを同時に待ち受け、受信したフレームに応じて各処理を行う。
【0127】
REQ1を受信した場合には(ステップS813)、通信装置200の制御部は、変数EXTIMEに所定値(例えば、100)を代入する(ステップS814)。続いて、通信装置200の制御部は、RESP1を送信する送信処理を行う(ステップS815)。
【0128】
REQ1を受信していない場合には(ステップS813)、通信装置200の制御部は、REQ2を受信したか否かを判断する(ステップS816)。REQ2を受信した場合には(ステップS816)、通信装置200の制御部は、RESP2を送信する送信処理を行う(ステップS821)。なお、これ以降の各処理については、説明を省略する。
【0129】
REQ2を受信していない場合には(ステップS816)、通信装置200の制御部は、変数EXTIMEが1以上であるかを確認し、変数EXTIMEが1以上である場合には、変数EXTIMEから1を減算する(ステップS817)。なお、変数EXTIMEが0である場合には、減算を行わない。
【0130】
続いて、通信装置200の制御部は、スリープ状態に遷移するタイミングであるか否かを判断する(ステップS818)。スリープ状態に遷移するタイミングでない場合には(ステップS818)、ステップS812に戻る。このように、アクティブ状態では、定期的にREQフレームの受信処理が行われる(ステップS812)。
【0131】
スリープ状態に遷移するタイミングである場合には(ステップS818)、通信装置200の制御部は、変数EXTIMEが0であるか否かを判断する(ステップS819)。変数EXTIMEが1以上である場合には(ステップS819)、ステップS812に戻る。一方、変数EXTIMEが0である場合には(ステップS819)、通信装置200の制御部は、一定時間(予め設定されているスリープ期間)の間、スリープ状態に遷移する(ステップS820)。
【0132】
このように、REQ1およびREQ2の何れも受信できなかった場合には(ステップS813、S816)、変数EXTIMEの値を1減算するようにする。これにより、最後にREQ1を受信してから100 Time Segment以内は、スリープ状態に遷移することを抑制することができる。なお、ステップS811乃至S820は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0133】
このように、通信装置200の制御部は、アソシエーション要求を受け付けるアクティブ状態と、アソシエーション要求を受け付けないスリープ状態とを所定タイミングで切り替える制御を行う。また、通信装置200の制御部は、アクティブ状態において通信装置100からREQ1(特定フレーム)を受信した場合には、スリープ状態への遷移を抑制してアクティブ状態を継続するよう制御する。具体的には、通信装置200の制御部は、REQ1(特定フレーム)を受信している間、アクティブ状態を継続するよう制御する。また、通信装置200の制御部は、REQ1(特定フレーム)の受信後に特定フレームを受信しなくなった場合には、REQ1(特定フレーム)を受信しなくなってから所定期間、アクティブ状態を継続するよう制御する。
【0134】
このように、本技術の実施の形態によれば、Talker側の受信回路を動作する時間を減らし、消費電力を低減させることができる。この場合に、Listener側は、連続的に受信動作をすることになる。そこで、Listener側の消費電力も削減することができれば、通信システム全体で消費電力をさらに削減することができる。そこで、この例を図9に示す。
【0135】
[LBT中にREQ1を受信したTalkerがListenerに役割を変更する例]
図9は、本技術の実施の形態における通信装置100および通信装置200間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0136】
以上では、REQ1を送信するTalkerを通信装置100とし、REQ1を受信するListenerを通信装置200として役割を固定する例を示した。図9では、通信装置100および通信装置200の双方がお互いにREQ1を送信する機能を有する例を示す。そして、LBT中にREQ1を受信した通信装置が、TalkerからListenerに役割を変更する例を示す。すなわち、図9では、通信装置100および通信装置200は、Talkerとして動作を開始するが、LBT中に相手機器からのREQ1を受信した場合には、これ以降、Listenerとして動作する例を示す。
【0137】
通信装置100および通信装置200は、REQ1送信の前のLBT区間(501、511、521、531)において、相手機器からのフレームを監視する。そして、LBT区間において、相手機器からのREQ1を検出した通信装置は、REQ1を待ち受ける動作(上述したListenerの動作)を行うように役割を変更する。
【0138】
また、相手機器からのREQ1を検出しない場合には、通信装置100および通信装置200は、引き続きREQ1を送信し(502乃至504、512乃至514、522乃至526)、一部の区間でRESP1を待ち受ける(505、515、528)。
【0139】
具体的には、通信装置200は、LBT区間(531)において、通信装置100が送信したREQ1を受信するものとする。この場合には、通信装置200は、TalkerからListenerに役割を変更して、REQ1を待ち受ける(535、536)。そして、通信装置200は、REQ1を受信した場合には(535、536)、RESP1を送信する(532、533)。
【0140】
なお、通信装置100によるRESP1の受信(528)、REQ2の送信(527)については、上述した各動作に対応する。また、通信装置200によるREQ2の受信(537)、RESP2の送信(534)、通信装置100によるRESP2の受信(529)については、上述した各動作に対応する。
【0141】
このように、通信装置100および通信装置200の双方が、最初に、Talkerに相当する動作を行うことにより、通信システム全体として受信動作を減らすことができる。
【0142】
[Associationの開始後に役割を変更する通信装置の動作例]
図10は、本技術の実施の形態における通信装置200によるデータ通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10では、図9に対応する動作例を示す。
【0143】
最初に、通信装置200の制御部(図1に示す制御部143に対応)は、LBTを実行する(ステップS831)。続いて、通信装置200の制御部は、LBT区間においてREQ1を受信したか否かを判断する(ステップS832)。
【0144】
LBT区間においてREQ1を受信した場合には(ステップS832)、ステップS841に進む。なお、これ以降の各処理(ステップS839、S841乃至S850)については、図8に示す各処理(ステップS811乃至S821)に対応する。
【0145】
LBT区間においてREQ1を受信していない場合には(ステップS832)、ステップS833に進む。なお、これ以降の各処理(ステップS833乃至S840)については、図7に示す各処理(ステップS802乃至S809)に対応する。
【0146】
このように、最初のLBT中の結果(ステップS832)に応じて、その後の各処理を変更する。
【0147】
このように、通信装置200の制御部は、アクティブ状態において、LBTを行っている間に、他の通信装置からアソシエーション要求(REQ1)を受け付けた場合には、通信装置200の役割をTalkerからListenerに変更する制御を行う。
【0148】
このように、本技術の実施の形態では、ECMA−401仕様の通信装置が間欠動作(例えば、周期的にアクティブ状態およびスリープ状態を交互に繰り返す動作)を行う際に、相手機器から送信されたフレームに基づいてスリープ動作を抑制することができる。
【0149】
例えば、ECMA−401仕様の通信装置が間欠動作を用いて相手機器を探索する際に、受信動作を行う時間を減らすことにより、低消費電力を実現することができる。例えば、Talkerは、アクティブ状態中は無線フレームを送信し続けるが、受信回路をONにする区間は所定区間(例えば、最後の数フレーム)のみとする。また、Listenerは、アクティブ状態中に無線フレームを受信したら応答を返す。ただし、相手機器が無線フレームを送信し続ける限り、スリープ状態には入らずに応答を返し続ける。これにより、Talker側の消費電力を低減することができる。
【0150】
このように、本技術の実施の形態によれば、機器発見に要する時間を大幅に増加させることなく、Talker側において待ち受け動作時の消費電力を減らすことができる。これにより、例えば、同容量のバッテリを用いた場合でも待ち受け時間を長くすることができる。
【0151】
また、ECMA−401による通信は、他の無線通信と比較して、受信処理による消費電力が送信処理に比べて相対的に高いと言われている。そこで、本技術の実施の形態では、送信回路を動かしたまま受信回路を停止させることにより、ECMA−401の特性を活かしたPower Saveを実現することができる。
【0152】
また、図5および図6に示すように、Talkerからlistenerにタイミング情報を通知することができる。これにより、Listenerは、REQ1を受信してからRESP1を送信するまでの間、無駄にREQ1を送信して電力を消費することを防止することができる。
【0153】
また、本技術の実施の形態における通信装置100、200は、各分野において使用される機器に適用することができる。例えば、人物が両耳にイヤフォンをしているときに、その人物が手に取る機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末)に応じて、イヤフォンの入力先を変更する場合を想定する。この場合に、手に取った機器に応じて、迅速に精度よく、イヤフォンへの出力を行うことができる。
【0154】
また、例えば、人体に装着する医療機器、自動車に搭載される機器、駅の改札に設置される機器に適用することができる。自動車に搭載される機器は、例えば、人物が座った座席の位置を検出する機器、ハンドルを握った場合の人物の状態を検出する機器である。また、駅の改札に設置される機器は、例えば、人体が触れることにより何らかの認証を行う機器である。また、例えば、農業分野で使用される機器(例えば、牛管理システムの端末)に適用可能である。同様に、例えば、スポーツ分野や医療分野等で使用される各機器に適用可能である。
【0155】
また、人体以外の他の体(例えば、牛、馬、犬、猫等の動物)に装着する機器についても適用することができる。また、複数の体(例えば、人体および牛の体)に装着されている機器についても適用することができる。この例を図11に示す。
【0156】
[複数の体に装着されている機器間の通信例]
図11は、本技術の実施の形態における通信装置500、510、520、530間でデータのやりとりを行う場合の通信例を示す図である。
【0157】
図11では、最初に、通信装置500をListenerとして起動させ、通信装置510、520、530をTalkerとして起動させる場合の例を示す。また、通信装置500は、通信装置200に対応し、通信装置510、520、530は、通信装置100に対応するものとする。また、図11では、通信装置500を人物20が所持し、通信装置510、520、530を牛に装着している場合の例を示す。
【0158】
また、通信装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。また、通信装置510、520、530は、牛に関する各測定をするセンサである。このセンサは、例えば、pH(potential hydrogen、power of hydrogen)を測定することが可能なセンサ機器(pH測定器)(通信装置として牛の胃袋に取り付ける機器)とすることができる。また、例えば、牛の体温を測定することが可能なセンサ機器(牛温計)(通信装置として牛に取り付ける機器)とすることができる。
【0159】
通信装置510、520、530は、各センサにより取得された各センサ情報(牛を識別するための識別情報を含む)を、体(人体および牛の体)を信号の伝送媒体とする通信を利用して通信装置500に送信することができる。
【0160】
例えば、人物20が左手に通信装置500を保持し、右手を牛に当てると、上述した送受信タイミングに従って、通信装置500と、通信装置510、520、530との間で、各センサ情報のやりとりを行うことができる。この場合に、人物20は、表示部501(タッチパネル)を用いた選択操作により通信装置500と接続する機器を順次選択して、通信装置510、520、530のそれぞれとの間で、各センサ情報のやりとりを順次行うことができる。
【0161】
そして、通信装置500の制御部(図1に示す制御部143に相当)は、受信した各センサ情報および牛を識別するための識別情報(例えば、名称)を表示部501に表示させることができる。このように、人物20が右手を牛に当てると、左手に所持している通信装置500の表示部501に、各センサ情報および牛の名称を表示させることができる。
【0162】
なお、図11では、説明の容易のため、1頭の牛に3つの通信装置を取り付ける例を示すが、1頭の牛に、1、2、または、4以上の通信装置を取り付ける場合についても同様に適用することができる。
【0163】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0164】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0165】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0166】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行うよう制御する制御部を具備する通信装置。
(2)
前記制御部は、前記アクティブ期間において、最初にLBT(Listen Before Talk)を行い、前記LBT以降の期間を前記特定期間および前記他の期間とするよう制御する前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記制御部は、前記LBTの直後の期間と、前記アクティブ期間における最後の期間と、前記アクティブ期間における中間期間とのうちの何れかを前記特定期間とする制御を行う前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記制御部は、前記送受信処理または前記送信処理において送信されるフレームに、前記送受信処理を行うタイミングに関する情報を付加する制御を行う前記(1)から(3)のいずれかに記載の通信装置。
(5)
前記制御部は、前記他の期間では、前記アソシエーション要求を行うためのアソシエーション要求フレームの送信処理を行い、前記特定期間では、前記アソシエーション要求フレームの送信処理と前記アソシエーション要求フレームに対する応答フレームの受信処理とを行うよう制御する前記(1)から(4)のいずれかに記載の通信装置。
(6)
前記通信は、ECMA−401仕様に準拠したデータ交換であり、
前記通信装置は、前記アソシエーション要求を行うTalkerとして起動する通信装置であり、
前記制御部は、前記アクティブ期間において、LBTを行っている間に、他の通信装置から前記アソシエーション要求を受け付けた場合には、前記通信装置の役割を前記TalkerからListenerに変更する制御を行う
前記(1)から(5)のいずれかに記載の通信装置。
(7)
体を信号の伝送媒体とする通信において、アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と前記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替える制御を行い、前記アクティブ期間において他の通信装置から特定フレームを受信した場合には、前記スリープ期間への遷移を抑制して前記アクティブ期間を継続するよう制御する制御部を具備する通信装置。
(8)
前記制御部は、前記特定フレームを受信している間、前記アクティブ期間を継続し、前記特定フレームの受信後に前記特定フレームを受信しなくなった場合には、前記特定フレームを受信しなくなってから所定期間、前記アクティブ期間を継続するよう制御する前記(7)に記載の通信装置。
(9)
前記制御部は、前記特定フレームに対する応答フレームの受信処理を前記他の通信装置が行うタイミングに関するタイミング情報が前記特定フレームに含まれている場合には、前記タイミングに基づいて前記応答フレームを前記他の通信装置に送信する制御を行う前記(7)または(8)に記載の通信装置。
(10)
前記制御部は、前記応答フレームの受信処理を前記他の通信装置が行うタイミングまでの間、前記スリープ期間に遷移する制御を行う前記(9)に記載の通信装置。
(11)
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、第2通信装置にアソシエーション要求を行う期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う第1通信装置と、
前記通信において、前記アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と前記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替え、前記アクティブ期間において前記第1通信装置から特定フレームを受信した場合には、前記スリープ期間への遷移を抑制して前記アクティブ期間を継続する第2通信装置と
を具備する通信システム。
(12)
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う制御手順を具備する通信方法。
(13)
体を信号の伝送媒体とする通信において、アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と前記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替え、前記アクティブ期間において他の通信装置から特定フレームを受信した場合には、前記スリープ期間への遷移を抑制して前記アクティブ期間を継続する制御手順を具備する通信方法。
(14)
体を信号の伝送媒体とし、送信処理よりも受信処理の消費電力が多い通信において、他の通信装置にアソシエーション要求を行うアクティブ期間のうち、特定期間ではフレームの送受信処理を行い、他の期間ではフレームの送信処理を行う制御手順をコンピュータに実行させるプログラム。
(15)
体を信号の伝送媒体とする通信において、アソシエーション要求を受け付けるアクティブ期間と前記アソシエーション要求を受け付けないスリープ期間とを所定タイミングで切り替え、前記アクティブ期間において他の通信装置から特定フレームを受信した場合には、前記スリープ期間への遷移を抑制して前記アクティブ期間を継続する制御手順をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0167】
50、60、100、200、500、510、520、530 通信装置
110 電極
120 送信部
130 受信部
140 処理部
141 情報提供部
142 情報取得部
143 制御部
150 記憶部
501 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11